JP2011512907A - 送達装置および関連する方法 - Google Patents

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Abstract

積み荷を内部身体組織の標的部位に送達するための送達装置が提供される。送達装置は、標的部位に近接して挿入するために適合される遠位端を有する可撓性管状部材を備える。第1の電極は、第1の電極が標的部位に近接して配置されることが可能となるように、可撓性管状部材内に挿入するように構成される。第2の電極は、第1の電極と協働して電界を形成するように構成される。送達構成要素は積み荷を保持し、第1の電極と連結される。送達構成要素は、積み荷が、送達構成要素の分解の際に標的部位に放出されるように、電界に暴露されると、分解するように構成される。関連方法も提供する。

Description

(連邦政府支援の研究または開発)
本開示は、部分的に、全米科学財団(NSF)によって付与された契約番号第CHE−9876674の下で米国政府の支援によりなされた。米国政府は、本開示において一定の権利を有し得る。
(背景)
(発明の分野)
本発明の実施形態は、送達装置に関し、より具体的には、標的部位への種々の積み荷(cargo)の送達を促進するための装置、およびそれと関連する装置であって、該装置は、イオン導入アプローチなどの場合に組織を通して積み荷を駆動するように電界を提供するか、または、該装置は、種々の積み荷を放出するように送達構成要素の電気化学分解を誘導する、装置と、それらの装置の組み合わせとに関連する。
(関連技術の説明)
薬剤および治療剤を身体に送達するために、多くの技法が存在する。従来の送達方法は、例えば、経口投与、局所投与、ならびに、筋肉内注射、皮内注射および皮下注射を含む。身体の特定の領域へのより局所的な治療剤の送達を可能にする局所投与を例外として、上記の薬剤送達方法は、概して、身体の全体を通した治療剤の全身性送達をもたらす。したがって、これらの送達方法は、特定の内部身体組織への薬剤および治療剤の限局性標的化に適切ではない。
結果として、血管内医療デバイス、Natural Orifice Translumenal Endoscopic Surgery(NOTES)ベースのデバイス、およびイオン導入等の他の方法が、特定の内部身体組織への治療剤の限局性標的化を提供するように開発されている。イオン導入は、組織にわたる、または組織を通した荷電分子の移動を増強するために電流を使用する薬剤送達の形態である。イオン導入は、通常、同様に荷電された活性剤およびその媒介物を含むイオン導入チャンバに印加された小さな電荷を使用する反発起電力によって、経皮的に、高濃度の荷電物質(通常は治療剤または生物活性剤)を推進させる非侵襲性の方法として定義される。いくつかの場合には、1つまたは2つのチャンバが、活性成分と、媒介物と称されるその溶媒とを含有する溶液で充填される。正に荷電されたチャンバ(アノード)は、正に荷電された化学物質を反発する一方で、負に荷電されたチャンバ(カソード)は、負に荷電された化学物質を皮膚または他の組織の中へ反発する。治療剤の受動吸収を伴う従来の経皮投与方法と異なり、イオン導入は、電界内の能動輸送に依存する。電界の存在下では、電気移動および電気浸透が、大量輸送における有力な勢力である。一例として、イオン導入は、経皮的経冠的冠動脈形成術(PTCA)で拡張血管を治療し、したがって、再狭窄を制限または予防するために使用されてきた。PTCAでは、カテーテルが局所麻酔下で心臓血管系に挿入され、次いで、アテローム性動脈硬化を圧迫し、動脈の管腔を拡張するように、拡張型バルーン部分が膨張させられる。
イオン導入による薬剤または治療剤の送達は、初回通過薬剤代謝(治療剤の経口投与と関連する有意な不利点)を回避する。薬剤が経口で服用され、消化管から血流に吸収されるとき、薬剤を含有する血液は、治療される組織にそれが送達される血管系に進入する前に、最初に肝臓を通過する。しかしながら、経口摂取された薬剤の大部分は、身体に薬理効果を及ぼす機会がある前に、代謝的に不活性化される。さらに、他の場所で潜在的な副作用を回避しながら、局所的に高用量を可能にするために、全身性送達を一斉に回避することが望ましくあり得、局所送達が限局性症状に望ましい。治療薬の限局性配置を可能にする既存の医療デバイス技術は、関心のある組織に治療薬を埋め込む/固定する機会を提供できない。
したがって、内部身体組織への種々の薬剤および治療剤の送達を選択的かつ局所的に標的化し、関心の組織にそのような積み荷を固定するための改良型装置および方法を提供することが望ましいであろう。さらに、その外部治療のために患者から除去された身体の切片に、種々の薬剤および治療剤を送達するための装置および方法を提供することが望ましい。
(概要)
本発明は、送達装置および方法に関し、具体的には、積み荷を身体組織の標的部位に送達するように適合される送達装置に関する。送達装置は、可撓性管状部材を備え、この可撓性管状部材は、内部身体組織の標的部位に近接して挿入するように適合される遠位端を有する。第1の電極は、標的部位に近接して配置されるように可撓性管状部材内に延びるように構成される。第2の電極は、第1の電極と電気的に連絡し、第1の電極に対して反対側に位置付け可能である。第2の電極は、第1の電極と協働して電界を形成するように構成される。送達構成要素は、それにより保持される積み荷を有し、送達構成要素が標的部位に近接して位置付けられることが可能であるように、第1の電極と連結される。送達構成要素は、標的部位に積み荷を放出するように、第1の電極と第2の電極との間に形成される電界に暴露されるとき分解するように構成される。
本発明の他の局面は、積み荷を内部身体組織の標的部位に管腔内で送達するための方法に関する。方法は、内部身体組織の標的部位に近接して第1の電極を配置することを含み、第1の電極は、それに連結される送達構成要素を有し、送達構成要素は、それとともに積み荷を保持するように構成される。方法は、標的部位が第1の電極と第2の電極との間に配置されるように、第1の電極に対して第2の電極を反対側に位置付けることをさらに含む。電圧電位は、電界を形成するように、第1の電極および第2の電極にわたって印加される。一局面では、送達構成要素は、第1の電極と第2の電極との間に形成された電界に暴露されると分解されるように構成され、それにより、積み荷を放出する。別の局面では、電界は、イオン導入で積み荷を標的部位の中へ駆動する。一局面では、送達構成要素は、第1の電極と第2の電極との間に形成された電界に暴露されると分解されるように構成され、送達構成要素はさらに、その分解の際に荷電された積み荷がイオン導入で標的部位に送達されるように、荷電された積み荷を保持するように構成される。別の局面では、標的部位は、生体外の態様で積み荷を外部から受容するように第1の身体位置から除去され、積み荷を受容した後に第2の身体位置に移植される。
そのようなものとして、本発明の実施形態が、所定の標的部位への種々の積み荷の高度に標的化された効率的な送達を可能にするために提供される。
本発明の実施形態の理解を支援するために、添付の図面に対する参照が行われ、この図面は、必ずしも一定の縮尺で描かれるとは限らない。図面は、単なる例示であり、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
図1は、本開示の一実施形態にしたがう送達装置の部分図である。 図2は、本開示の一実施形態にしたがう送達装置の部分図であり、標的部位に積み荷を放出するように分解が可能な送達構成要素を図示する。 図3は、心腔の中の本開示の一実施形態にしたがう送達装置の配置を図示する。 図4は、イオン導入で拡張可能部材を通して積み荷を送達するために、血管中に位置付けられた本開示の一実施形態にしたがう送達装置の部分図である。 図5は、本開示の一実施形態にしたがう、生体外イオン導入治療のための送達装置を図示する。 図6は、図5の送達装置の部分図である。 図7Aおよび図7Bは、本開示の一局面にしたがう送達装置の実装を図示する画像である。 図8Aおよび図8Bは、本開示の別の局面にしたがう送達装置の実装を図示する画像である。 図9Aおよび図9Bは、本開示のさらに別の局面にしたがう送達装置の実装を図示する画像である。 図10Aおよび図10Bは、本開示のなおもさらに別の局面にしたがう送達装置の実装を図示する画像である。
(好適な実施形態の詳細な説明)
添付図面を参照して、本発明の実施形態を以降でさらに十分に説明する。本発明は、多くの異なる形態で具体化されてもよく、本明細書で記載される実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が適用可能な法的要件を満たすように提供される。類似の番号は、全体を通して類似の要素をいう。
図1〜図6は、本発明にしたがう送達装置の種々の実施形態を図示する。一般に、送達装置は、存在するならば、他の身体組織に及ぼす望ましくない効果を最小限にして、通路の限局性領域を治療するために、または通路に隣接して位置する組織の限局性領域を治療するために、通路の限局性領域に、またはそれを通して、積み荷を送達するために提供される。そのような装置は、管腔内で、自然な開口部を通して、生体外で、または直接注入を介して挿入され得る。いくつかの場合において、送達装置は、限局性領域中で積み荷を放出するための分解性送達構成要素を含み得る。いくつかの場合において、送達装置は、電流が流れると電気化学的に分解され得る送達構成要素を含み得、それにより、周辺組織の中へ拡散するように積み荷を放出するか、または、電界をさらに印加すると、荷電された積み荷(すなわち、イオン的に荷電されている積み荷)が、イオン導入技法によって周辺組織の中へ駆動され得る。他の場合においては、既存のカテーテルと併せて使用され得る修正されたカテーテルバルーン設計が、分解可能な送達構成要素を封入するために使用され得る。本出願で使用される場合、カテーテルという用語は、通路を開いておくように、または任意の他の目的で、流体の注入または回収を可能にする身体通路への挿入のために設計される任意の医療デバイスを広く含むことを目的とする。いくつかの場合において、積み荷という用語は、治療薬を含有する粒子をいう。いくつかの場合において、積み荷という用語は、治療薬をいう。治療薬は、疾患の治療または検出に利用される小分子、生物学的物質、または他の物質を含み得る。例えば、積み荷は、腫瘍床の中に集まって組織と相互作用するデバイスであり得る。
本発明の送達装置は、組織および臓器系を治療するための適用性を有し、さらに、とりわけ、血管、尿路、尿生殖路、および腸管の管状構造、気管、および均等物を含む、身体通路との適用性を有し、例えば、腎疾患、子宮筋腫、尿失禁、勃起機能不全、ならびに内耳および外耳感染症を治療するために使用され得る。さらに、他の用途は、例えば、パーキンソン病、脳卒中、および疼痛管理を治療するための積み荷の送達を含み得る。他の場合においては、送達装置は、脳への治療剤の送達のために実装され得る。
送達装置の1つの特定の用途は、心臓血管系への治療剤の送達を含み得る。心臓血管疾患は、米国での主要な死因である。心臓血管疾患の主要な基礎病理は、プラーク形成による冠動脈の狭窄から、心筋梗塞を引き起こす急性プラーク崩壊に及ぶ、兆候を有するアテローム性動脈硬化である。冠動脈バイパス手術は、心臓の閉塞の周囲で血液を送るために、典型的には脚または胸腔からの静脈が使用される一般的な治療選択肢である。残念ながら、この手順は、バイパスの中への血管平滑筋細胞増殖によって引き起こされる内膜過形成および再狭窄に起因する高い長期失敗率を有する。再狭窄は、経皮的冠動脈形成術の「弱点」と見なされる。再狭窄は、血管壁損傷によって誘起される、障害誘導事象の複雑か過程である。
したがって、本発明の実施形態は、循環全体を薬剤に暴露することなく、循環している間に、繊細な治療薬(例えば、siRNA)を分解から保護する能力を有して、高濃度の治療剤が血管形成術の部位に直接送達されることを可能にする。さらに、本発明の実施形態は、崩壊前に脆弱なプラークの部位への治療薬の送達を促進する。
図1は、限局性治療のためにイオン導入で積み荷を標的部位に送達し得る送達装置100を図示する。イオン導入技術は、当該分野で公知であり、経皮的薬剤送達で一般的に使用される。一般に、イオン導入技術は、イオン性固定剤または薬剤を駆動するか、またはイオン溶液に非イオン性固定剤または薬剤を引き込むために、半透過性障壁にわたって電位または電流を使用する。イオン導入は、選択的透過性膜にわたって固定剤または薬剤の輸送を促進するとともに、組織浸透を強化する。イオン導入の用途では、障壁の両側に1つずつの2つの電極が、必要な電位または電流を発達させるために利用される。具体的には、一方の電極が、カテーテルの薬剤送達壁との対向関係でカテーテルの内側に位置し得る一方で、もう一方の電極は、患者の皮膚上の遠隔部位に位置し得る。
図1は、送達装置100の1つの特定の実施形態を図示する。いくつかの場合において、送達装置100は、可撓性カテーテル本体11を含み得る。例えば、そのようなカテーテルは、狭窄血管または動脈を拡張するために、経皮的冠動脈形成術(PTCA)の手順で一般的に使用される。カテーテル11は、ガイドカテーテルを通して、またはガイドワイヤ上で、または別の望ましい態様で、身体に導入されるよう構成され得る。カテーテル11は、その遠位端10に近接してカテーテル上に配置される1つ以上の電極70を有する細長い部分を含み得る。カテーテル11の遠位端10は、血管壁が参照数字15によって示される、動脈血管または他の身体通路への挿入が可能であり、カテーテル11は、血管または他の身体通路を通して延び、標的部位(すなわち、治療の標的にされる、または他の方法で積み荷の受容の標的にされる身体組織)に近接して位置付けられる。
カテーテルは、その遠位端10の付近に配置される送達構成要素102を含み得る。いくつかの実施形態では、イオン的に荷電された積み荷を保持する送達構成要素102は、送達構成要素102の完全性を維持するようにカテーテルの内部を横断して標的部位に到達し得る。電極70を電力供給部72に電気的に接続するように導線24が提供され得る(図3および図4を参照)。リターン電極22(図3および図4を参照)が、例えば、患者の身体の表面上に位置付けられ、導線26によって電力供給部72に接続され得る。そのような場合において、イオン的に荷電された積み荷が電極70から反発され、電極22に引き付けられて、身体組織への積み荷の深い浸透を推進するように、電圧電位を電極22、70の間で達成することができる。いくつかの場合において、リターン電極22は、感圧接着剤バッキングと、電極界面への皮膚における低いインピーダンスを有し得る。好ましい電極材料は、イオン導入中に競合イオンの望ましくない酸化/還元反応または産生を最小限化する。例えば、電極材料は、白金または任意の他の好適な材料を含み得、あるいは、他の場合においては、アノード電極用の銀と、カソード電極用の銀/塩化銀とを含み得る。
送達構成要素102は、いくつかの場合において、電気化学的に分解されることが可能な分解性構造で構築され得る。いくつかの場合において、送達構成要素102は、例えば、電極における電圧により酸化的に分解するポリマーネットワーク/基質(例えば、ヒドロゲル)であり得る。ポリマーが可溶性になるので、ポリマーおよび積み荷は、アノードから放出される。分解性ネットワーク/基質は、電極からの全ての積み荷の迅速かつ改善した放出を促進し得る。他の実施形態では、ポリマーは、標的部位に送達されるように膨張し、積み荷を放出するヒドロゲルであり得る。さらに、他の実施形態では、送達構成要素は、荷電された積み荷で飽和されることが可能なポリマーまたはスポンジ型材料を含み得る。いくつかの場合において、分解性ポリマーはまた、分解性ポリマーを電極にごく接近させておくことと、材料に機械的安定性を与えることとを促進するように半透過性膜内に混入され得る。
図2に図示されるような本発明の1つの例示的実施形態では、送達構成要素102は、概して、その端または「先端」において電極70と接触するか、あるいは連結されてもよく、送達構成要素102は、いったん電圧が印加されるとネットワーク/基質106が崩壊し、それにより積み荷104を放出するように、架橋ネットワーク/基質106に物理的に取り込まれた積み荷104から構成され得る。いくつかの場合において、積み荷104は、電極70の類似電荷から反発され得る。送達構成要素は、例えば、ネットワーク/基質106を担持するループ構造等の、任意の好適な態様で電極70に構造化され得る。他の実施形態では、ネットワーク/基質106の分解後に、積み荷104が多孔質材料を通過して標的部位に到達するように、ネットワーク/基質106が多孔質材料に封入され得る。いくつかの場合において、ネットワーク/基質106は、ビシナルジオールの開裂によって分解され得る。そのような場合において、ネットワーク/基質106は、電力供給部72によって供給されるような所定の電流および電圧において、ビシナルジオールの炭素−炭素結合を電気化学的に切断することによって、分解され得る。
一例として、アクリル酸のヒドロゲル、およびアクリル酸のナトリウム塩形態(0wt%〜50wt%)が、ジビニルビシナルジオールと架橋され得、架橋ネットワークの分解は、以下の式によって表されるように、10V(3mA)の条件下で20分間処置される時にPtアノードを使用すると発生する。
積み荷104は、小分子イオン性分子、核酸、タンパク質、治療剤、診断用薬、およびイメージング剤、ならびに広範囲の治療剤、診断用薬、およびイメージング剤を封入し得る有機ナノ粒子を含み得る。積み荷は、サイズ、形状、電荷、および表面機能性に基づいて優先的に輸送されるように構成され得、そして/または、治療薬を制御可能に放出するように構成され得る。そのような積み荷は、小分子医薬品、治療用タンパク質および診断用タンパク質、抗体、DNA配列およびRNA配列、イメージング剤、ならびに他の医薬品有効成分を含み得るが、それらに限定されない。さらに、そのような積み荷は、鎮痛剤、抗炎症剤(NSAIDを含む)、抗癌剤、代謝拮抗剤、駆虫剤、抗不整脈剤、抗生物質、抗凝血剤、抗うつ剤、抗糖尿病薬、抗てんかん薬、抗ヒスタミン剤、抗高血圧剤、ムスカリン性受容体拮抗薬、抗マイコバクテリア薬、抗腫瘍薬、免疫抑制剤、抗甲状腺薬、抗ウイルス薬、抗不安鎮静剤(睡眠薬および神経弛緩薬)、収斂剤、ベータアドレナリン受容体遮断薬、血液製剤および代用血液、強心薬、造影剤、コルチコステロイド、鎮咳薬(去痰薬および粘液溶解薬)、診断用薬、診断用イメージング剤、利尿剤、ドーパミン作動薬(抗パーキンソン病薬)、止血剤、免疫薬、治療用タンパク質、酵素、脂質調整剤、筋弛緩剤、副交感神経興奮薬、副甲状腺カルシトニンおよびビスホスホネート、プロスタグランジン、放射性医薬品、性ホルモン(ステロイドを含む)、抗アレルギー剤、興奮剤および食欲抑制剤、交感神経様作用薬、甲状腺薬、血管拡張剤、キサンチン、および抗ウイルス薬を無制限に含み得る活性剤を含み得る。加えて、積み荷104は、ポリヌクレオチドを含み得る。ポリヌクレオチドは、コードされたタンパク質の発現を中断または阻害するように、アンチセンス因子、あるいはRNAiまたはsiRNA分子等の干渉RNA分子として提供され得る。
他の積み荷104は、MRイメージング剤、造影剤、ガドリニウムキレート、ガドリニウムベースの造影剤、例えば、1,2,4−ベンゾトリアジン−3−アミン1,4−ジオキシド(SR 4889)および1,2,4−ベンゾトリアジン−7−アミン1,4−ジオキシド(WIN 59075)等の放射線増感剤、シスプラチンおよびカルボプラチン等の白金配位錯体、ミトキサントロン等のアントラセンジオン、ヒドロキシウレア等の置換尿素、ならびにミトタンおよびアミノグルテチミド等の副腎皮質抑制剤を無制限に含み得る。
他の実施形態では、積み荷104は、例えば、DeSimoneらに対する国際公開第2005/101466号、DeSimoneらに対する国際公開第2007/024323号、DeSimoneらに対する国際公開第2007/030698号、およびDeSimoneらに対する国際公開第2007/094829号(それぞれが参照することにより本明細書に援用される)で開示されているような、Particle Replication In Non−wetting Templates(PRINT)ナノ粒子(デバイスと呼ばれることもある)を含み得る。PRINTは、小分子、生物剤、核酸、タンパク質、イメージング剤を含む、多種多様な積み荷を封入することができる、単分散形状特異的粒子を産生する技術である。1ミクロンよりも小さい、カチオン荷電されたPRINTナノ粒子は、比較的短い時間にわたって細胞によって容易に取り込まれるが、組織の全体を通した粒子の浸透は、より長い過程である。組織の全体を通したPRINTナノ粒子の送達が効果的となるために、浸透は合理的な動作時間枠内で発生する必要がある。そのようなものとして、送達装置100は、反発起電力を使用して、荷電されたPRINTナノ粒子が身体組織の中へ駆動される、イオン導入を採用することによって、そのような浸透を達成するために使用され得る。PRINT粒子は、治療薬を含有したり、しなかったりする。いくつかの場合において、積み荷は、PLGA等の治療剤であり得る。加えて、PRINTナノ粒子は、ある使命を達成し、外部から積み荷を「オン」にするか、または「オフ」に切り替えるための遠隔制御を可能にするデザインインハンドルを達成するように、設計され得る。そのようなものとして、積み荷は、超音波、低線量放射線、磁気、および他の好適な手段を使用して操作され得る。
他の場合においては、ヒトの心臓20およびその関連血管系の部分断面図を図示する、図3に示されるように、例えば、心臓組織に治療処置を提供するために、送達装置100が使用され得る。心臓20は、それぞれ右23および左24と名付けられる、2つの側方半分に、筋性中隔22によって細分される。横収縮は、心臓の各半分を、2つの空洞または心腔に細分する。上方心腔は、血液を収集する左右の心房27、28から成る。下方心腔は、血液を拍出する左右の心室30、32から成る。矢印34は、心臓を通る血流の方向を示す。心腔は、心臓の心外膜壁によって規定される。右心房28は、三尖弁36によって右心室32と連絡する。左心房27は、僧帽弁38によって左心室30と連絡する。右心室32は、肺動脈弁42を介して肺動脈40に流れ込む。左心室30は、大動脈弁46を介して大動脈44に流れ込む。心臓20の循環は、2つの構成要素から成る。第1は、心臓20の機能的循環、すなわち、そこから血液が肺および身体全般に拍出される、心臓20を通る血流である。第2は、冠循環、すなわち、心臓20自体の構造および筋肉への血液供給である。
心臓20の機能的循環は、身体全般に血液を拍出し、すなわち、全身循環を行い、酸素供給のために肺に血液を拍出し、すなわち、肺循環を行う。心臓の左側は、身体の他の部分の全体を通る全身循環を供給する。心臓の右側23は、酸素供給のために肺に血液を供給する。全身循環からの非酸素化血液は、心臓20に戻され、上下大静脈48、50によって右心房28に供給される。心臓20は、主肺動脈40を介して、酸素供給のために非酸素化血液を肺の中へ拍出する。主肺動脈40は、それぞれ、左右の肺に循環する、右肺動脈52および左肺動脈54に分かれ、酸素化血液は、4つの肺静脈56(そのうちの2つが示されている)を介して、左心房27で心臓20に戻る。次いで、血液は、左心室30に流れ、そこで、身体に酸素化血液を供給する大動脈44の中へ拍出される。しかしながら、機能的循環は、心臓の筋肉または構造に血液を供給しない。したがって、機能的循環は、心臓20自体に酸素および栄養素を供給しない。心臓構造への実際の血液供給、すなわち、酸素および栄養素供給は、概して58で示される冠動脈、および心静脈から成る、心臓の冠循環によって提供される。冠動脈58は、心臓24の心内膜壁に密接に近接して存在する。
引き続き図3を参照すると、カテーテル11が心腔30に導入され得る。そのような場合において、カテーテル11は、ガイドカテーテルを通して、ガイドワイヤ上で、または別の望ましい態様で、左心室30に導入される。カテーテル11は、その上に配置された1つ以上の電極70を有する細長い部分を含み得る。伝導性スリーブまたはタブを備え得る電極70は、例えば、カテーテル11を通る、またはカテーテル11に沿った、電力供給部72への導線24等の好適な導体(ワイヤ)を通して連結される。送達構成要素102は、電極70の先端に、あるいはそれに近接して配置され得、送達構成要素は、所定の標的部位における組織に送達される積み荷を保持する。電力供給部72は、電極70に一定の低電圧を印加して、(積み荷の極性に応じて)アノードまたはカソードのいずれか一方を生成するように作動される。電力供給部72は、身体の外部に(すなわち、患者の皮膚上に)、または他の場合においては体内に位置付けられる、第2の電極22を有し得、第2の電極22は、鎖線74によって示される導線26によって、電力供給部72に接続される。
例示的な実施形態では、送達構成要素102によって保持される積み荷は、例えば、負のイオンを含むように作動される。電力供給部72が作動されると、送達構成要素102が分解し、電極70が積み荷の負電荷を持つイオンに対する電圧電位を達成する。電極70および電極22にわたって生成される電圧電位は、電極70と電極22との間の心臓壁の心臓組織の中へ、粒子または治療剤等の荷電された積み荷を駆動するように作用するイオン性積み荷と相互作用する電界を設定する。つまり、電圧電位が電極70および22にわたって設定されると、積み荷のイオンは、電極22に向かって移動する傾向がある。これは、電極70および22の間の心臓組織の中へイオンを駆動する。この駆動力は、イオン導入技術の結果である。いくつかの場合において、電極22は、胸部の小さな穴を通してパッチとして挿入され、広げられ、次いで、心筋に適用され得る。任意の態様で、心筋に移送される薬剤は、心臓組織の一方の側に提供される。次いで、心臓組織のもう一方の側の電極は、心臓組織の中へ積み荷を移送するために必要な電界を生成するように作動される。
図4は、積み荷を内部身体組織の限局性領域に送達するように提供される、本発明の実施形態を図示する。そのようなものとして、いくつかの実施形態では、送達装置100は、それを通って積み荷が内部身体組織の標的部位へと通過する、外壁および選択的透過性外膜部分を有する流体送達通路を有する拡張可能構成要素に接続される可撓性カテーテルを含み得る。例えば、送達装置は、修正型バルーン構成要素12が膨張/拡張状態であるカテーテル11の遠位端を図示する、図4で概略的に示されるようなバルーン構成要素12を含み得る。前述の実施形態で説明されるように、カテーテル11は、標的部位の付近にカテーテル11を位置付けるためのガイドワイヤを含み得、その遠位端およびバルーン管腔または通路14は、バルーン構成要素12の膨張および収縮のために、カテーテル11の近位端までカテーテル11に沿って延びる。いくつかの実施形態では、バルーン12が構築される材料は、本開示にしたがうイオン導入の結果として、バルーン表面にわたって積み荷の輸送または通過を可能にするのに効果的である、透過性または半透過性材料である。バルーン構成要素は、いくつかの場合において、送達構成要素102を封入し得、送達構成要素は、電極70のうちの少なくとも1つと係合される。バルーン構成要素12は、いくつかの実施形態では、膨張中に遠位流を可能にする潅流バルーン設計、薄型設計、極めて柔軟な低弾性率バルーン材料、および比較的低い圧力で動作するといった特性を有し得る。
図4に図示されるような、1つの特定の実施形態では、送達装置100は、血管壁が参照数字15によって示される動脈血管内で膨張状態にて提供されるバルーン構成要素12を備え得る。PTCA等の血管内手順中、ガイドワイヤ(図示せず)が、最初に、狭窄病変を過ぎた点まで、選択された動脈に挿入される。次いで、バルーン構成要素12が狭窄病変を横断または交差する、動脈系の中の所望の位置または部位まで、カテーテル11がガイドワイヤに沿って前進させられ得る。次いで、バルーン管腔14を通して、バルーン構成要素12の内部チャンバ13に膨張流体を導入することによって、バルーン構成要素12が膨張させられる。膨張中、バルーン構成要素12の外面は、血管壁15の内面を外向きに圧迫して、狭窄病変の領域中の血管を拡張または拡大させる。いくつかの場合において、バルーン管腔14を通して、バルーン部分12の内部に固定溶液または他の薬液を導入することによって、バルーン12が膨張させられ得る。いくつかの実施形態では、バルーン構成要素12は、単一の場所で一度膨張し、積み荷を周辺組織の中へ配備し得る。他の実施形態では、バルーン構成要素12は、いくつかの場所で数回機械的に膨張し、各場所で治療薬または粒子を送達し得る。
図4の実施形態は、バルーン壁12にわたって積み荷を駆動し、血管壁15と接触させるのを支援するために、イオン導入を利用する構造を図示する。電極70が、カテーテル本体11の上または内側に位置し得る一方で、他方の電極22である体表面電極は、体表面上(すなわち、患者の皮膚に適用されるパッチ)または患者の体内に位置する。イオン導入技法が利用されるために、バルーンチャンバ13内の積み荷は、特定の特性を必要とする。そのような積み荷は、イオン性質を有するか、または、バルーン壁12にわたってイオン導入移動または輸送を推進するように、積み荷に結合された他のイオン性分子を有する。電流が、それぞれ導線24および26を通して、外部電源72によって電極70および22の間で生成される。送達装置100の動作中、バルーン構成要素12が最初に、上記で説明される態様で狭窄病変にわたって位置付けられ得る。次いで、バルーン内部13が、管腔14を通して固定剤で膨張させられる。この後に、電力供給部72の起動が続き、それにより、バルーン壁12を通過する電極70と電極22との間の正味電流を生成する。前述のように、電流は、それとともに保持される積み荷の制御可能な放出を促進するようにバルーン構成要素12内に配置された送達構成要素102の分解を引き起こす。放出された積み荷は、周辺血管壁15および血管組織と接触して拡散することができる。いくつかの場合において、正味電流は、壁にわたって、かつ周辺血管壁15および血管組織と接触させて、チャンバ13内で放出/配備されている積み荷を駆動するか、または引き込む。送達装置100は、駆動力として圧力およびイオン導入の両方を利用し得るが、イオン導入を単独で利用できることが構想される。
いくつかの実施形態では、バルーン構成要素12は、例えば、ePTFE、VTEC、ニチノール、セルロース、酢酸セルロース、ポリ塩化ビニル、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、シリコン、ポリウレタン、天然エラストマーおよび合成エラストマー、ポリエステル、ポリオレフィン、フッ素重合体、または任意の他の好適な材料を含み得る透過性、微孔性、または半透過性材料であり得る種々の膨張型/拡張型基質で構築され得る。
他の場合においては、送達装置100は、生体外態様で適用され得、その場合、例えば、送達装置100は、患者の1つの場所から除去され、別の場所に移植される、静脈部分への治療薬送達に使用される。すなわち、静脈部分等の身体部分は、治療のために身体から除去され、次いで、その後に体内の異なる場所に移植され得る。例えば、送達装置100は、身体の他の領域への移植のために(患者、あるいは死体または他のモデルの)脚/腕から採取された動脈/静脈の前治療に利用され得る。図5および6に示されるように、そのような送達装置200の実施形態は、電力供給部(図示せず)に電気的に接続されているアノード202およびカソード204を含み得る。電力供給部に接続されていないアノードの反対側の端は、その周囲に配置された(荷電された積み荷で飽和した)ポリマーまたはスポンジ等の送達構成要素206を有してもよく、アノード202および送達構成要素206は、身体部分208内に配置される。身体部分208、アノード202、および送達構成要素206は、容器210の中に位置付けられてもよく、容器は、容器210内の構成要素がその中に浸されるように、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)等の導電性媒体または溶液212で充填される。カソード204もまた、PBS溶液内に浸されてもよく、カソード204は、身体部分208がその間に位置付けられるように、アノード202に対して外部から、身体部分208に近接して位置付けられ得る。動作中、イオン導入技法が使用され得、その場合、身体部分208の中へ積み荷を送達および駆動するように、送達構成要素206の荷電積み荷がアノード202によって反発され、カソード204によって引きつけられるように、電圧電位がアノード202およびカソード204にわたって印加され得る。当業者は、アノードおよびカソードが入れ替えられ得、積み荷が身体部分に向かって、かつ身体部分内で移動するように、適切に荷電させられることを認識する。
本発明の他の実施形態では、PRINTナノ粒子等の積み荷の配置は、周辺標的部位(組織)の中への粒子の分布を促進するために、イオン導入先端を有する針を使用することによって達成され得る。そのような実施形態では、針の先端が第1の電極を表し得る一方で、第2の電極は、イオン導入技法に関して前述のように、電力供給部が作動されると電圧電位を生成するように身体の外部に位置付けられる。そのような技法は、癌(脳、前立腺、結腸、その他)、炎症、損傷組織の「救出」状況(例えば、心臓/神経/末梢血管)、眼疾患、鼻炎、および他の用途を含む、疾患状態に使用され得る。さらに、他の実施形態では、PRINTナノ粒子等の積み荷の配置は、アクセス可能な癌の低侵襲性治療のために、血管内またはNOTESベースのデバイスを使用して達成され得る。そのような治療は、結腸、膵臓、脳、食道、肝臓、子宮頸部、および卵巣を含み得る。これらのデバイスは、本質的に受動的であり得(溶出または単純配置)るか、または配置方法において能動的であり得る(イオン導入、超音波、電波/マイクロ波)。
本発明の多くの修正および他の実施形態が、先述の説明で提示される教示の利益を有する本発明が属する技術分野の当業者に思い浮かび、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、本発明の変形例および修正を行うことができることが、当業者に明白となる。したがって、本発明は、開示された特定の実施形態に限定されず、他の実施形態が添付の特許請求の範囲内に含まれることを目的とすると理解されたい。特定の用語が本明細書で採用されるが、限定の目的ではなく、一般的かつ説明的な意味で使用されるのみである。
限定の目的ではなく、例証の目的で、以下の実施例を提示する。
実験
実施例1:模擬血管中の染料送達
長さが2.5cmで、1.5cmの外径および0.5cmの内径を有するアガロースゲルの管を、模擬血管として使用した。被覆した銅電気配線を使用し、電極はワイヤの剥離端から成る。長さが約2cmで直径が0.5cmのスポンジ片を、アノードとなった1本の銅電線の剥離端上に配置した。
スポンジを、水中のカチオン染料であるローダミンBの溶液に完全に浸漬した。次いで、スポンジをアガロース血管の内側に配置し、ワイヤの他方の端をワニ口クリップでDC電源のアノードに引っ掛けた。アガロース血管を、PBSを含有するポリプロピレン皿に浸した。2本目の銅線であるカソードを、アガロース血管の傍でPBSの中に配置した。陰性対照において、これを電圧なしで10分間浸漬した。実験条件において、印加された電圧は10Vであり、電流は22mAであった。これも10分間実行した。特徴付けるために、アガロース血管の断面を取り、図7Aおよび図7Bに示されるように、蛍光顕微鏡法を使用した。倍率、スケールバー、血管の配置、およびカメラシャッター設定を一定に保った。陰性対照(0V)では、染料が内壁に限局される一方で、実験条件(10V)では、染料が血管の中へ広がっている。
実施例2:模擬血管中の粒子送達
長さが2.5cmで、1.5cmの外径および0.5cmの内径を有するアガロースゲルの管を、模擬血管として使用した。被覆した銅電気配線を使用し、電極はワイヤの剥離端から成った。長さが約2cmで直径が0.5cmのスポンジ片を、アノードとなった1本の銅電線の剥離端上に配置した。
スポンジを、FITCで標識された1ミクロンのカチオン荷電された粒子の溶液に浸漬した。実施例1で使用された同じ手順に従った。図8Aおよび図8Bに示されるような違いは、陰性対照(0V)では、アガロース血管の内壁上に粒子がない一方で、実験条件(10V)では、アガロース血管の内壁が粒子で覆われていることである。したがって、粒子は、アノードから内壁に向かって反発される。
実施例3:定常電圧によるブタ脾動脈中の粒子送達
ブタの脾動脈を切除し、長さ約1cmの切片に切断した。PRINT(登録商標)技術を使用して、粒子を作製した。2ミクロンの立方鋳型を充填するために、88%ポリ(エチレングリコール)トリアクリレート、10%[2−(アクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムクロリド、1%フルオレセイン−o−アクリレート、および1%ジエトキシアセトフェノンから成るモノマー溶液を使用し、光硬化させた。次いで、これらの粒子を収集した。陽イオン粒子の溶液を動脈の管腔に注入した。直径0.125mmの銀線が、アノードの役割を果たし、管腔に挿入され、DC電源に取り付けられた。動脈を水槽に入れた。2本目の銀線であるカソードを、動脈の傍に配置した。対照では、電圧を印加しなかった。実験条件では、3Vを5分間印加した。血管を固定し、組織薄片を調製した。組織切片を撮像するために、蛍光顕微鏡法を使用した。図9Aおよび図9Bに示されるように、電圧の印加は、ちょうど模擬血管中の粒子(実施例2)で見られたように、粒子のはるかに高い蓄積をもたらした。時間があれば、これらの粒子は、動脈壁の内側を覆う内皮細胞によって取り込むことができる。
実施例4:パルス電圧によるイヌ頸動脈中の粒子送達
イヌの頸動脈を切除し、長さ約1cmの切片に切断した。PRINT(登録商標)技術を使用して、粒子を作製した。200ナノメートルの円筒形鋳型を充填するために、65%ポリ(エチレングリコール)トリアクリレート、20%ポリ(エチレングリコール)モノメタクリレート、10%アミノ−エチルメタクリレート、3%フルオレセイン−o−アクリレート、および2%ジエトキシアセトフェノンから成るモノマー溶液を使用し、光硬化させた。次いで、これらの粒子を収集した。陽イオン粒子の溶液を動脈の管腔に注入した。直径0.125mmの銀線が、アノードの役割を果たし、管腔に挿入され、DC電源に取り付けられた。血管を水槽に入れた。2本目の銀線であるカソードを、動脈の傍に配置した。対照では、電圧を印加しなかった。実験条件では、5秒ごとに約1秒間の持続時間で90Vパルスを1分間印加した。血管を固定し、組織薄片を調製した。図10Aおよび図10Bに示されるように、電圧の印加は、定常電圧(実施例3)で達成されるほど高くはないが、血管壁上に粒子のより高い蓄積をもたらした。

Claims (19)

  1. 積み荷を内部身体組織の標的部位に送達するように適合される装置であって、
    内部身体組織の標的部位に近接して挿入するように適合される遠位端を有する可撓性管状部材と、
    該標的部位に近接して配置されるように該可撓性管状部材内で延びるように構成される第1の電極と、
    該第1の電極と電気的に連絡し、該第1の電極に対して反対側に位置付け可能である第2の電極であって、該第2の電極は、該第1の電極と協働して電界を形成するように構成される、第2の電極と、
    積み荷を保持する送達構成要素であって、該送達構成要素が該標的部位に近接して位置付けられることが可能であるように、該送達構成要素は該第1の電極と連結され、該送達構成要素は、該標的部位に該積み荷を放出するように、該第1の電極と該第2の電極との間に形成される該電界に暴露されると、分解するように構成される、送達構成要素と、
    を備える、装置。
  2. 前記送達構成要素は、電圧電位が前記第1の電極および前記第2の電極にわたって印加されると、電気化学分解することが可能であるポリマー基質材料を含み、前記積み荷は、該送達構成要素の分解の際に放出される、請求項1に記載の装置。
  3. 前記第1の電極および前記第2の電極によって形成される電界は、イオン導入により前記積み荷を前記標的部位に向かって方向付けることが可能であり、その結果、該標的部位内への該積み荷の浸透を促進する、請求項1に記載の装置。
  4. 前記第1の電極と動作可能に係合される拡張可能構造をさらに備え、該拡張可能構造は、その分解の際に、荷電された積み荷が前記標的部位に送達されるように、前記送達構成要素を受容するように構成される、請求項1に記載の装置。
  5. 前記拡張可能構造は、前記標的部位に接触するように拡張するように構成され、該拡張可能構造は、半透過性ポリマー材料を備え、該半透過性ポリマー材料は、該標的部位への送達のために、前記荷電された積み荷が該半透過性ポリマー材料を通過することを可能にするように構成される、請求項4に記載の装置。
  6. 前記拡張可能構造は、該拡張可能構造が2つ以上の標的部位へと移動することが可能となるように、拡張および収縮の両方を行うように構成される、請求項4に記載の装置。
  7. 前記拡張可能構造は、ePTFE、VTEC、およびニチノールのうちの少なくとも1つを備える、請求項4に記載の装置。
  8. 前記荷電された積み荷は、小分子、イオン性分子、核酸、タンパク質、有機ナノ粒子、治療剤、およびイメージング剤のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の装置。
  9. 前記第2の電極は、パッチ部材を備え、該パッチ部材は、前記第1の電極および該第2の電極が、前記積み荷が送達される前記内部身体組織の対向している側面に位置付けられるように身体の外部に適用されるように構成される、請求項1に記載の装置。
  10. 前記電極および前記可撓性管状部材のうちの少なくとも1つと動作可能に係合される多孔質構造をさらに含み、該多孔質構造は、前記送達構成要素を封入するように構成される、請求項1に記載の装置。
  11. 積み荷を身体組織の標的部位に送達する方法であって、該方法は、
    内部身体組織の標的部位に近接して第1の電極を配置することであって、該第1の電極は、該第1の電極に連結される送達構成要素を有し、該送達構成要素は、それとともに積み荷を保持するように構成される、ことと、
    該標的部位が該第1の電極と第2の電極との間に配置されるように、該第1の電極に対して該第2の電極を反対側に位置付けることと、
    電界を形成するように、該第1の電極および該第2の電極にわたって電圧電位を印加することと、
    該標的部位に該積み荷を放出するように該送達構成要素を分解することと
    を含む、方法。
  12. 前記積み荷に反発するように前記第1の電極を構成することと、該積み荷を引き付けるように前記第2の電極を構成することとによって、該積み荷を前記標的部位の中へイオン導入で駆動することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
  13. 標的部位に近接して第1の電極を配置することはさらに、該標的部位に近接して可撓性管状部材の遠位端を挿入することと、前記第1の電極および前記送達構成要素がそれに近接して配置されるように、該可撓性管状部材の遠位端の周辺まで該可撓性管状部材内に該第1の電極を延ばすこととを含む、請求項11に記載の方法。
  14. 前記積み荷を外部で受容するように第1の身体位置から前記標的部位を除去することをさらに含み、該積み荷を外部で受容した後に、第2の身体位置に該標的部位を移植することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
  15. 送達構成要素を前記第1の電極に動作可能に係合することは、該第1の電極と前記第2の電極との間に形成された前記電界に暴露されると分解するように構成される送達構成要素を動作可能に係合することをさらに含み、さらに、該送達構成要素によって保持される前記積み荷は、該送達構成要素の分解の際に該積み荷がイオン導入で前記標的部位に送達されるように荷電されることが可能である、請求項11に記載の方法。
  16. 送達構成要素を前記第1の電極に係合することは、前記積み荷が多孔質部材を通過して前記標的部位の表面に接触することが可能となるように、該多孔質部材によって封入される送達構成要素を係合することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
  17. 送達構成要素を前記第1の電極に係合することは、多孔質部材の飽和によって前記積み荷を保持することが可能な多孔質部材を備える送達構成要素を係合することをさらに含み、さらに、該多孔質部材は拡張可能であるように構成される、請求項11に記載の方法。
  18. 前記積み荷を前記標的部位の中へイオン導入で駆動することは、該標的部位の前記表面の浸透を促進するように該積み荷が前記第1の電極から反発され、前記第2の電極に引きつけられるように、電荷を有する該積み荷をイオン導入で駆動することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
  19. 前記標的部位が前記第1の電極と前記第2の電極との間に位置付けられるように、該標的部位に近接して第2の電極を反対側に位置付けることは、身体部材の外部に第2の電極を位置付けることをさらに含む、請求項11に記載の方法。
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