JP2011510288A - 軌道角運動量を伴う光を用いる核磁気共鳴分光学 - Google Patents

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Abstract

本発明は、核磁気共鳴NMR分光法に基づき、例えば流体といったサンプルの高分解能化学分析を生み出すことができるデバイスに関する。軌道角運動量OAM及び可能であれば運動量スピンを搬送する光の焦束されたビームを用いて上記サンプルを順次照射することにより、上記サンプルの核磁気分極が生成される。核磁気共鳴撮像MRI又は分光学に関して使用される通常のNMRとは異なり、本発明は、強磁石を使用しない。

Description

本発明は、核磁気共鳴(NMR)分光学に基づくサンプル解析方法に関する。本発明は、上記方法を実行する対応するコンピュータプログラム及びデバイスにも関する。
NMRは通常、1ppm未満の空間変動を持つ非常に一様な静磁場に基づかれるセットアップにおいて行われる。このセットアップは、周波数の対応する狭い周波数帯域での核回転歳差運動を生み出す。しかしながら、このセットアップは、通常は例えば血液サンプル又は組織生検といった検査されるサンプルを囲む、強力で一様な磁石と、無線周波数(RF)コイルと、グラジエントコイルとを使用する必要性に苦しむ。これらの使用が、斯かるシステムを比較的複雑にし、高コストにする主な原因である。
NMRは、核磁気共鳴撮像(MRI)(組織要素の化学特性に対する感度が、組織特徴化及び軟組織の差別化に関してモダリティの選択を可能にする)、小さな分子及び生体分子の流体化学分析(タンパク質リガンド相互作用、タンパク質フォールディング、タンパク質構造確認、タンパク質構造の決定)、固体状態解析(構造的なもの)、時間可変系の動力学(機能的なMRI)等において適用される。
「TopSpin Medical」という会社は最近、カテーテルの先端に配置される強い永久磁石により生成される約0.2のテスラの静磁場を持つ静脈内核磁気共鳴撮像(IVMRI)カテーテルを発表した。この会社は、外部磁石又はコイルを必要とせずに血管の局所的な高分解能撮像を可能にする血管内カテーテルの先端に自己内包される(self contained)「インサイドアウト」小型MRIプローブを開発した。このプローブは、図1に示される。この技術の利点は、高価な外部のセットアップは必要とされないためシステムを低コストにするという非常に実際的な側面、処置の間の患者に対するアクセスのしやすさ、既存の介入的なツールとの互換性、並びに検査される組織の近傍でプローブにより作成される強い局所グラジエントにより、従来の臨床MRIでは実現できなかった分解能及び拡散コントラスト能力を提供する点にある。この血管内プローブは、この方法の広範囲にわたる適用の第1の例として機能する。これは、近い将来臨床MRIの分野に革命をもたらすことができる。この技術に関する医療用途は、例えば前立腺ガン検出及びステージング、大腸、肺及び胸部における腫瘍の撮像、並びに周辺脈管構造の血管内撮像を含む。
マイクロNMRコイルも、当業者には知られる。これらの「マイクロMRI」デバイスの開発は、高品質受信コイルの存在に依存する。微小電気機械システム(MEMS)によるブレイクスルーが、NMR分光法に関するヘルムホルツ・マイクロコイルの微小製作を可能にし、この新しい技術を可能にした。これらのヘルムホルツ・マイクロコイルは、平面微小コイルと比較してスピン励起一様性に関して優れたNMRパフォーマンスを示す。改良されたスピン励起一様性は、複雑なRFパルスシークエンスを使用することにより、高度な化学分析への道を開く。製作されたヘルムホルツコイルは、電気メッキを施されたコイルターン及びビアにより、20より大きいQ値を持つ。ビアは、下部及び上部ターンを接続する。生体細胞を解析する場合、サンプル濃度及び強調検出のため、機械フィルタが一体化されることができる。
NMRは、選ばれた空間方向に沿って核磁子(スピン)分布の一部を方向付けることを必要とする。方向付けられるときに、分布は分極化状態にある。これは通常強い磁場で実現される。この磁場は、反磁性物質(生物組織、流体等)により減衰されることはない。磁場を用いて実現される正味の分極は、通常5〜25ppmのオーダーにある。物質の核スピンは、円偏光された光を用いてサンプルを放射することにより、局所的に方向付けられることができる。円偏光された光を用いる方法は、正しい状況下では、40%までの高い分極レベルを実現することが可能である。このオーダーの大きさにおける分極は、過分極化と考えられる。高次分極率は、ハイパーファイン(hyperfine)スピンスピン相互作用電子核、電子光子スピン交換、及び分子の電子に適用されるフェルミ排他原理による電子スピン分布飽和を介して得られる。
光学ポンピングは、過分極化されたガスを生産するために用いられる。過分極化されたガスは、MRI及びNMRにおいて適用される範囲が着実に増加している。これらのガスは、新しい種類のMR造影剤として、又は材料科学及び生物医学といった多様な領域に関連する処理の測定の時間分解能を非常に強調する方法として、考えられることができる。過分極を生み出す物理学は、Naに関する吸収バンドの1つに対応する波長の強烈な円偏光レーザーを用いて、Naのサンプルを照射することを含む。次に、不活性129Xeに対する「機械的な」偏光移動(polarization transfer)が行われる。後者は、MRIにおける造影剤として、及び低磁場撮像のための他の核種に関する分極移行剤として使用される。
NMR効果は、光学方法を用いて観測及び測定されることができる。すべての光学NMRハイパーファイン相互作用は、フリップフロップスピン散乱を可能にする。これは、他の方向に同時に核を反転させることにより、電子がそのスピンを反転させることができることを意味する。これは、核スピンの動的な分極をもたらす。電子スピンレベルが駆動磁場により飽和される場合、即ち、上位スピン状態の分布が、下位スピン状態の分布と同じようにされる場合、斯かるフリップフロップ処理は、熱平衡を再確立しようとし、結果として核スピン分極を生じさせる。これは、電子ゼーマン分裂(electron Zeeman splitting)が起こる場合、ボルツマン係数により表される。電子分裂は通常、核分裂より1000倍大きいので、核はそれらの熱平衡値と比較して最高1000倍強調された分極を生じさせる。これは、オーバーハウザー効果としても知られる。
光角運動量の磁子への更に別の用途は、高感度・高周波磁力計である。これは、NMR効果を観測することにより持ち上がる課題の1つを解決する。この磁力計は、核を回転させることにより生み出される磁場の過渡的な反応を測定することが可能である。磁力計は、小さな発振磁場の存在下で整列配置された接地状態の歳差運動による光学回転を検出することにより作動することが示された。投影感度は、約20pG/pHz(RMS)である。
1992年のAllenらによる「Optical angular momentum」、ISBN 0 7503 0901 6は、軌道角運動量(OAM)を持つ光の存在を確認した。理論的な理解及び実験的な証拠によって、OAMを持つ光が物質と相互作用する用途がもたらされる。例えば、光学ピンセット、高スループット光学通信チャネル、光学暗号化技術、光学冷却(BoseEinstein縮合物)、OAMを持つ光子のエンタングルメント、相互作用する光子OAMと分子量子数とのエンタングルメントなどである。
マイクロNMRは、ePillデバイス又は安価な非侵襲的血液解析装置に含まれる、魅力的な化学分析デバイスである。このデバイスは、低消費電力であり、小さなボリュームで済み、何ら常磁性材料(FDA)を含まない。「TopSpin Medical」社のマイクロNMR又は他の「固定磁石ベースの」NMRは、この目的には適していない。なぜなら、これらは永久磁石を含み、長い取得時間を必要とし、それ故、電力を消費するからである。ePillは、患者の内部の器官の解析を実行するため、患者により飲み込まれる小さな電子デバイスである。
光子電子スピン相互作用は、広範囲で観測及びモデル化されている。これは、ガスの高次分極率に関する光学ポンプ技術の基礎である。残念なことに、熱分子運動及び相互作用が原因で、この技術は、流体の高次分極率を生み出すことができない。
光子OAMと核との相互作用は、核内のスピンスピン相互作用を制御する方法として最近解析された。それは、高エネルギなX線を使用し、「生体内」用途には望ましくない。
更に、N個の核を含むサンプルに室温で一定の磁場を印加することにより、方向付けられた核の最大数(ボルツマン分布)が計算されることができる。これは、約10−5Nである。かなりの磁気信号をサンプルから抽出するには、高い品質係数のコイルが実現されなければならないか、又はサンプルのサイズが大きくされなければならない。いずれの場合においても、受信機により占められるボリュームは増加する。このことは、永久磁石マイクロNMRがePill内に一体化されることを困難なものにする。
こうして、本発明の目的は、NMR分光法に基づくサンプル解析に関して改良された方法及び装置を提供することである。
本発明の第1の側面によれば、分子を含むサンプルを解析する方法が提供される。上記解析が、核磁気共鳴分光学に基づかれる。この方法は、
− 光源をオンにするステップと、
− 上記光に軌道角運動量をもたらすステップと、
− 軌道角運動量を搬送する集束された光ビームを得るステップと、
− 上記サンプルの核磁気分極性を得るため、軌道角運動量を搬送する上記焦束された光ビームを用いて上記サンプルを順次照射するステップと、
− 上記照射から生じる自由誘導減衰信号を得るステップであって、上記自由誘導減衰信号が上記サンプルの特徴を搬送する、ステップとを有する。
これは、明白な利点を提供する。即ち、例えば、得られた自由誘導減衰(FID)信号は、従来のNMR分光法を使用することにより得られる、対応する信号より非常に強い。こうして、測定技術の感度が非常に改善される。得られたFID信号は、よりノイズも少なく、より良好な分解能が実現されることができる。結果として、より小さなサンプルが解析されることができる。
本発明の第2の側面によれば、解析デバイスのコンピュータ手段にロードされて実行されるとき、本発明の第1の側面による方法を実現するための命令を有するコンピュータプログラムが提供される。
本発明の第3の側面によれば、分子を含むサンプルを解析するデバイスが提供される。上記解析が、核磁気共鳴分光学に基づかれる。このデバイスは、
− 光源と、
− 軌道角運動量を光にもたらす手段と、
− 上記サンプルを収容する容器と、
− 集束された光ビームを得る手段と、
− 上記サンプルの核磁気分極性を得るため、軌道角運動量を搬送する上記焦束された光ビームを用いて上記サンプルを順次照射する手段と、
− 上記照射から生じる自由誘導減衰信号を検出する手段であって、上記自由誘導減衰信号が上記サンプルの特徴を搬送する、手段とを有する。
医療IVMRIプローブの側面表示を示す図である。 放射座標ρの関数として、ポテンシャルベクトルfを示すグラフである。 図2に関して使用されるパラメータとは違う他のパラメータを使用することにより、放射座標ρの関数として、ポテンシャルベクトルfを示すグラフである。 可能なOAM分子相互作用を示す図である。 本発明の実施形態による流体解析を行うための実験室セットアップのブロック図である。 空間光変調器パネル上に表示されるコンピュータ生成によるフェーズホログラムを示す図である。 空間光変調器から3メートル離れて配置されるスクリーン上のホログラム投影を示す図である。 空間フィルタリング後、選択されたラゲールガウス分布の回析オーダーの投影を示す図である。 自由誘導減衰(FID)信号が得られることができる例示的な実施形態において使用されるサンプルの化学構造を示す図である。 タイムライン及び得られたデジタルFID信号に沿って描画される使用された光パルスを示す図である。 本発明の実施形態による高分解能流体解析を実行する方法を表すフローチャートである。 自由誘導減衰信号のスペクトルを示す図である。 本発明の別の実施形態によるサンプル解析を行うための別のセットアップのブロック図である。
本発明の他の特徴及び利点が、添付の図面を参照して、非限定的な例示的な実施形態の以下の記載から明らかになるであろう。
以下の記載において、高分解能サンプル解析を行うための本発明の非限定的ないくつかの例示的な実施形態が、更に詳細に説明されることになる。また、対応するデバイスが、例示的なブロック図を用いて説明されることになる。これらは単に例示的な実施形態であるに過ぎず、以下の記載を読むことにより当業者には明らかであるように、多くの変動が可能である点に留意されたい。
本発明は、吸収される光子のOAMが、相互作用する分子に移行され(角運動量保存)、結果として、
−電子状態が、飽和したスピン状態に達する;
−(分子の質量中心の周りの)分子の角運動量が、入射光の伝搬軸に沿って増加する、及び方向付けられる;及び
−分子(電子及び核子を含む)に関連付けられるすべての磁気磁子歳差運動が、入射光の伝搬軸に沿って方向付けられる、という事実に基づかれる。
上記は、OAM及び可能であればスピン、即ち角運動量を搬送する光を用いて流体を照射することにより、流体の高次分極率を得ることを可能にし、永久磁石なしでNMRデバイスを実現することを可能にする。
量子電磁力学(QED)の枠組みは、OAMを持つ光子と物質との相互作用を説明するための開始点として考えられることができる。これは、水素モデル(hydrogenic model)に適用され、入射光のOAM部分が、光の運動量と同じ運動量の分子の回転を誘導することがわかった。この発見は、OAMを持つ光のより一般的なベッセルモデルから始める(stating)ことにより確認された。
OAMを持つ光子の自然発生的な又は刺激された放出は、まだ理解されていない、モデル化されていない、又は、実験的に証明されていない現象である。従って、OAMを持つビームの生成は、ガウス分布ビームの空間位相変化、干渉及び回折の光学手段を介して実現される。表1において要約されるように、4つの方法(円筒状のレンズを用いる2つの方法が別々の方法と考えられる場合には5つ)が利用可能である。この表において、パワー変換効率は、入力ビームのパワーに対する出力パワー(OAMを持つビーム)の比率である。現在、実験室において得られる最も高いOAM数は、光子当たり
Figure 2011510288
と同じくらいの大きさである。これは、円筒状のレンズにより焦束される楕円ガウス分布ビームにより得られる。
Figure 2011510288
OAMを持つ光と分子との相互作用に注目すると、電気的な双極子移行(dipole transition)における軌道角運動量の交換が、光と質量運動中心との間にだけ発生することが分かる。言い換えると、内部の「電子タイプの」運動は、双極子移行における軌道角運動量の任意の交換には貢献しない。照射される分子の回転/振動がOAMの値と共に増加することが証明された。光子OAMが核子磁子と相互作用することが更に示された。斯かる移行は、高い角運動量を持つ光子を必要とし、核多極性移行の処理を微調整するのに使用されることができる。
NMR解析技術は、以下のステップを持つ。
1.サンプル核磁気運動量が、選択された空間方向に沿って方向付けられる(歳差運動)。これは通常、強い磁場を用いて実現され、より最近の用途では、偏光を用いて実現される。
2.核分極化状態にある間、一連の磁場がサンプルに印加される。これは、自由誘導減衰(FID)磁気信号を発生させる。この自由誘導減衰は、磁気シーケンス状態から分極化状態までの核磁気緩和時間を表す。
3.核磁気共鳴(NMR)FID信号におけるパラメータは、生物学的及び生医学的用途及び研究において役立つ情報を含む。
一定の磁場NMRとは対照的に、光学ポンプは、サンプルの約100%の高次分極率を実現することができる。即ち、約N個の核が、ポンピング光の伝搬方向に沿って方向付けられる磁気運動量の歳差運動を持つことになる。これはサンプル及び受信コイルの削減を可能にし、従って、このデバイスはePill内に一体化されることができる。従って、信号対ノイズ比は、低ノイズアンプ(LNA)コイル受信機に関して、パワーバジェットだけでなく光学ポンピングにより改良される。
本発明のメインの概念は、OAMを持つ光と分子との相互作用を用いて、選択された空間方向に沿ってサンプルの核を方向付けるための新しい方法に関する。以下の部分は、この相互作用の理論的な説明と、この概念の実験的な証明に焦点をあてる。
以下の表記及びシンボルは、残りの記載にわたり使用される。
Figure 2011510288
は、複素数zの実部、虚部及び絶対値である。
Figure 2011510288
は、デカルト座標系(Oxyz)に対する線形独立単位ベクトルである。
Figure 2011510288
は、デカルト座標系(Oρθz)に対する線形独立単位ベクトルである。
Figure 2011510288
は、円筒状の座標系におけるその線形成分を持つインデックスmのベクトルであり、
Figure 2011510288
が成り立つ。
Figure 2011510288
は、
Figure 2011510288
である。cは、真空における光速である。
Figure 2011510288
は、Plank定数(h/2π)である。
Figure 2011510288
は、電磁気ポテンシャルベクトルである。
Figure 2011510288
は、電磁気ポテンシャルベクトル分極である。
Figure 2011510288
は、電場強度ベクトルである。
Figure 2011510288
は、磁場強度ベクトルである。νは、周波数である。λは、波長(c/ν)である。ωは、角周波数2πλである。
Figure 2011510288
は、波動ベクトル
Figure 2011510288
であり、
Figure 2011510288
が成り立つ。iは、複素単位
Figure 2011510288
である。
Figure 2011510288
は、z=0でのビーム半径(ウエスト)である。zは、Raileight範囲、即ち、ビーム断面領域が2倍になる距離zである。w(z)は、ビーム半径
Figure 2011510288
である。
Figure 2011510288
は、xで評価されるパラメータkを持つn次のオーダーの一般化されたラゲール多項式であり、
Figure 2011510288
が成り立つ。
Figure 2011510288
は、オーダーl及びパラメータpのラゲールガウス電磁波に関連付けられるベクトルである。
Figure 2011510288
は、電荷mを持つ粒子に関するボーア磁子である。
ラゲールガウスビームに関する電磁式
(マクスウェルの式から得られる)ポテンシャルベクトル
Figure 2011510288
に対する古典的な電磁波動方程式は、
Figure 2011510288
であり、ここで
Figure 2011510288
が成り立つ。空間におけるヌル電荷分布
Figure 2011510288
を仮定すると、対応する電磁場強度は、
Figure 2011510288
となる。

Figure 2011510288

Figure 2011510288
軸に沿って伝搬する波動方程式の解を探してみる。
(1:1)における置換を行い、
Figure 2011510288
が空間及び時間から独立していると仮定すると、空間分布
Figure 2011510288
に関する式
Figure 2011510288
が得られる。
ガウス分布ビームに関する近軸近似内の空間対称性は、円筒状の座標
Figure 2011510288
を弁護する(plead for)。ラゲールガウスビームに対して、(1:4)の解は、
Figure 2011510288
であり、ここで、
Figure 2011510288
は、正常化定数であり、
Figure 2011510288
が成り立つ。
よく平行化されたビーム(長距離でも維持されるコリメーション)のため、
Figure 2011510288
が仮定されることができる。(1:5)で
Figure 2011510288
とすれば、
Figure 2011510288
が成り立つことが分かる。
円筒状の座標、近軸近似、ラゲールガウス同形における、ポテンシャルベクトルに関する波動方程式の解は、
Figure 2011510288
である。
ポテンシャルベクトルは、関数
Figure 2011510288
を介する放射座標ρの関数である。
はっきりした役に立つ解は、p=0の場合である。即ち、
Figure 2011510288
である。
ここで、
Figure 2011510288
は、
Figure 2011510288
に対して0であり、
Figure 2011510288
に対して唯一の最大を持つ。任意の点での値は、1/wに比例する。この関数は、電磁波の(w及びl以外の)任意の物理パラメタに依存しない。図2は、
Figure 2011510288
に関するプロットを与える。この図では、
Figure 2011510288
及びw=1である。lの増加は、
Figure 2011510288
と共にビームウエストの増加をもたらす。
ラゲールガウスビームに関連付けられる角運動量は、
Figure 2011510288
である。lが一定に保たれ、pがポジティブな実数として増加する場合、関数
Figure 2011510288
は、増加する数の局所極値点を持つ。図3は、曲線ファミリーをプロットする。ここで、
Figure 2011510288
である。このグラフに対して、関数
Figure 2011510288
は、
Figure 2011510288
へと正規化された。大きいpの原点に向かってグラジエントが増加し、同様に、ピーク間の距離が減少する点は興味深い。これは、小さなRに対するより高磁場のグラジエントだけでなく、連続的なピークに対する磁場の意味における変化を記録する。
式(1:2)及び(1:7)から、電場及び磁場強度が得られることができ、
Figure 2011510288
となる。ここで、
Figure 2011510288
である。等方的な線形媒体における伝搬に関して、電場強度は、
Figure 2011510288
に平行なベクトルである。これは、磁場強度にはあてはまらない。
Figure 2011510288
に平行な
Figure 2011510288
を考えることにする。円筒状の座標において、
Figure 2011510288
が得られ、ここで、
Figure 2011510288
となる。円筒状の座標におけるグラジエント演算子は、
Figure 2011510288
である。
磁場は、
Figure 2011510288
であり、ここで
Figure 2011510288
である。計算によれば、
Figure 2011510288
となる。
この関係は、磁場強度が、
Figure 2011510288
方向だけでなく、
Figure 2011510288
方向にも成分を持つことを示す。後者の方向の振幅は、lに比例し、原点からの距離と共に減衰する。
ポインティングベクトルは、電磁波により搬送されるエネルギ流量の古典的尺度であり、
Figure 2011510288
である。
(1:3)及び(1:12)からの分解式を見れば、
Figure 2011510288
が得られる。
円筒状の座標は
Figure 2011510288
を満たし、
Figure 2011510288
に関する以前の式は、
Figure 2011510288
となる。
これは、2つの成分を持つ電磁気エネルギの流れが存在することを示す。1つは、
Figure 2011510288
方向成分であり、これは、(平面波に関する)ビーム伝搬に沿ってポテンシャルベクトルの空間導関数に比例する。もう1つは、
Figure 2011510288
方向成分であり、これは、ビーム伝搬の軸に関する。この成分は、ビーム伝搬周辺のポテンシャルベクトルの角変化に比例する。ポインティングベクトルは、ビーム伝搬軸の周りで回転する。
最後の式において
Figure 2011510288
の値を置換すれば、
Figure 2011510288
となる。
この関係は、回転エネルギ流がlに比例することを示す。それら2つの成分の比率を見つけることは、興味深く、
Figure 2011510288
である。
比率
Figure 2011510288
は、時間独立である。これも、lと共に線形であり、従って、ビーム伝搬軸の周りの電磁気エネルギ流は、lに比例して増加する。光と相互作用する分子に移される回転エネルギは、lと共に増加する。λ/wが異なるlに関して一定に保たれる場合、これが成立する。
Figure 2011510288
の大きさは、小さなwに関してより高い値に達する。これは、しっかりと焦束されたビームに関して、前述の依存性の観測をより容易にする。
理論:分子との光子OAMの相互作用
ねじれたビームと物質との相互作用におけるOAMの出現が、理論的に調査された。これは、光誘発トルクが原子の回転運動を制御するために使用されることができるという予測をもたらした。OAMが規定される軸の選択とは独立して、OAMが、全てのタイプの方位角の位相ベアリング光の固有の特性であることが示された。ねじれたビームOAMの係合は、固有及び外部の相互作用、即ち電子移行に関連する相互作用及び質量運動の中心に関連する相互作用の観点から分類されることができる。
斯かる理由から、例えば自由原子又は分子といった電子的に特異で分離された系との相互作用において、光子スピン角運動量が、円偏光された光の相互作用に関連付けられる選択規則においてちょうど現れるとき、光と物質との間の軌道角運動量の交換を介して、固有のOAMが出現するべきであることが論じられることができる。
内部の電子タイプの運動が、多極子結合のこのリーディングオーダーにおける光ビームとは任意のOAMを交換しないことが更に示された。詳細な解析において、より弱い電気四重極相互作用においてのみ、又は更により高いオーダーの多極子において、光、原子質量中心及び内部運動の3つ全てのサブシステムに関する交換が存在することが明らかになる。電気的な四重極の場合、軌道角運動量の1つの単位が、光ビームと内部運動との間で交換され、(l±1)OAMの光ビーム取得が生じる。これは、次に、質量中心運動に移行される。
理論:OAMビームに関するQED遷移行列
ここでは、nmolの粒子から作られる分子を考える。質量はmであり、電荷はeであり、線形運動量は
Figure 2011510288
であり、スピンは
Figure 2011510288
であり、ここで
Figure 2011510288
である。n個の電子とnmol−n個の核子とを持つ。
この分子は、Oz軸に沿って伝搬する光ビームと相互作用する。ここで、エネルギは
Figure 2011510288
であり、線形運動量は
Figure 2011510288
であり、軌道角運動量は
Figure 2011510288
である。上述したように、参照フレームの原点は、光ビームのビームウエストで選択される。
初期状態
Figure 2011510288
から最終状態
Figure 2011510288
までの分子の移行レートが表されることになる。これにより、この移行に対する軌道角運動量の貢献が強調される。フェルミ黄金律によれば、移行レートWfi(分子当たりの秒当たりの移行)は、
Figure 2011510288
である。
ここで、
Figure 2011510288
は、摂動ポテンシャル(ハミルトン関数)
Figure 2011510288

Figure 2011510288
(ここで、
Figure 2011510288
が成り立つ)の状態の密度とにより規定される電磁励起の下、状態
Figure 2011510288
(エネルギE)から状態
Figure 2011510288
(エネルギE)への移行の確率である。
移行
Figure 2011510288
に対する行列要素を表してみる。分子光系のハミルトン関数は、
Figure 2011510288
であり、ここで、
NN:核子に関する総相互作用エネルギであり、
NE:総電子核子相互作用エネルギであり、及び、
EE:電子に関する総相互作用エネルギである。
「摂動していない」ハミルトン関数は、上記の項のみを含む。これは、
Figure 2011510288
とは独立しており、光ビームに依存しない。式(3:3)に示される式H(t)は、分子を構成する各粒子と光との高エネルギな相互作用を説明する。光と相互作用している粒子nに関するハミルトン関数は、
Figure 2011510288
である。
ポテンシャルは一回だけ機能するというQED規則のため、項
Figure 2011510288
は、この問題には関係がない。ここで、
Figure 2011510288
(電子に関して、μは、「ボーア磁子」を表す)を用いて、その量子演算子
Figure 2011510288
で線形運動量ベクトルを置換することにより、ハミルトン関数は、
Figure 2011510288
と変形される。
インデックス(0)は、時間独立のハミルトン関数を示し、一方、インデックス(1)は、光分子相互作用ハミルトン関数(摂動)を表す。すると
Figure 2011510288
となる。
時間依存のシュレーディンガー式は、
Figure 2011510288
となる。
静止状態の固有関数
Figure 2011510288
及び固有値Eを用いると、
Figure 2011510288
が満たされる。
一般的な解は、
Figure 2011510288
である。
1次の摂動理論は、
Figure 2011510288
を与え、ここで、
Figure 2011510288
及び
Figure 2011510288
となる。初期条件は、相互作用の前に、分子が状態
Figure 2011510288
にあり、最終的な状態
Figure 2011510288
は占有されていない、即ち
Figure 2011510288
と仮定される。それらを(3:9)で置換すると、
Figure 2011510288
(δka:クロネッカーシンボル)及び
Figure 2011510288
が得られる。
ラゲールガウス(LG)ビームに関する、時間依存の摂動
Figure 2011510288
を表現してみる。(3:4)から、粒子nに関する電磁内部作用摂動ハミルトン関数は
Figure 2011510288
である。
LG波(1:10〜1:14)を表す式に対して、可変分離(時間)を適用すると、
Figure 2011510288
となる。
磁場は一様でないので、Coulomb Gaugeは適用されず、
Figure 2011510288
となる。
円筒状の座標において▽nに関する表現を含む何らかの代数学の後、ハミルトン関数演算子は
Figure 2011510288
となる。
ここで、
Figure 2011510288
は、摂動したハミルトン関数に関連付けられる時間独立の演算子である。(3:9)及び(3:15)から、移行確率の値が、
Figure 2011510288
として見つけられることができる。h.c.は、移行マトリックスの複素高調共役であり、
Figure 2011510288
である。
分子の最終的なエネルギが初期の値
Figure 2011510288
を超えるとき、光子吸収が発生する。この条件は、h.c.項をゼロにする。吸収に関する移行確率は、
Figure 2011510288
に比例する。(3:17)における指数関数積分の絶対値が、ωbaの近くの周波数を除けばおよそヌルであることを観測することにより、この式が更に簡略化されることができる。以前の式における行列要素は、ωの周りでのみ、ωbaの周りでのみ意味ある値を持ち、
Figure 2011510288
が成り立つ。
時間及び周波数の二重積分は、
Figure 2011510288
を生み出す。
すると一般的な結果が得られる。時間tで状態bにある系に対する確率は、この系の初期の状態がaであると仮定すると、
Figure 2011510288
に等しい。
(3:1)を用いると、移行レートは
Figure 2011510288
である。
従って、光子吸収処理に含まれるすべての粒子に関して行列要素が表され、それらの合計の絶対値が計算される。
粒子nに関する行列要素(1次の摂動理論)は
Figure 2011510288
である。
この結果は、正確である。
理論:遷移行列の解釈
行列要素は、4つの項の合計であり、
Figure 2011510288
が成り立つ。
移行
Figure 2011510288
について。
第1の項
Figure 2011510288
は、粒子の運動エネルギ貢献を説明し、
Figure 2011510288
が成り立つ。
今、
Figure 2011510288
は、
Figure 2011510288
に比例し、ビーム伝搬に垂直な平面における分子の非一様性に比例する。
ビームウエストを表すwの影響を観測しよう。
− 大きいwに関しては、
Figure 2011510288
となる。
− 小さいwに関しては、
Figure 2011510288
となる。

Figure 2011510288
の最大は、
Figure 2011510288
に対して
Figure 2011510288
で発生する。

Figure 2011510288
の最大は、
Figure 2011510288
に対して
Figure 2011510288
で発生する。
最大限観察可能な効果領域が、エアリーディスクにより与えられると結論付けることができる。
1.分子とのOAM相互作用の確率は、光ビームの中心から離れて配置される空間位置において、又は光ビームの中央においてゼロである。
2.分子とのOAM相互作用の確率は、
Figure 2011510288
に配置される空間点で最大に達する。
3.分子とのOAM相互作用の確率は、
Figure 2011510288
に配置される空間点で最大に達する。
4.エアリーディスクの近くの円に関して、最大相互作用確率は、最大磁場分布に対応する半径上で発生する。
移行
Figure 2011510288
について。
第2の項
Figure 2011510288
に関して、
Figure 2011510288
が成り立ち、
Figure 2011510288
は、
Figure 2011510288
を用いて(1:8)により与えられる。
Figure 2011510288
の放射導関数は、
Figure 2011510288
である。
直交多項式の反復特性から、ラゲール多項式に関する導関数が、
Figure 2011510288
として計算されることができる。
ここで、
Figure 2011510288
の放射導関数に関して、この式における最新のものを置換することで、
Figure 2011510288
が得られる。
ラゲール多項式反復規定(1:8)を用いると、オーダーpの関数として、オーダーp−lが
Figure 2011510288
として表される。
これは、最終的に
Figure 2011510288
となる。
行列要素は、
Figure 2011510288
である。
p=0の特定の場合に関して、単純化すると、
Figure 2011510288
となる。
これは、行列要素
Figure 2011510288
がlに関して線形従属であることを示す。
移行
Figure 2011510288
について。
第3の項は、
Figure 2011510288
である。
行列要素
Figure 2011510288
は、電子(及び核子)スピンとOAMとの相互作用を表す。
移行
Figure 2011510288
について。
第4の項は、主要な関心対象である。なぜなら、この項は、周波数又はスピン以外の、入射光のパラメータに関する移行確率の線形従属を表すからである。この項に関して、
Figure 2011510288
が成り立つ。
ここで、
Figure 2011510288
は、光ビーム
Figure 2011510288
の方向に平行な動力学的運動量
Figure 2011510288
成分とOAMを搬送する光との相互作用が存在することを示す。この相互作用は、光lのOAMに比例し、低いρ(回折限界エアリーディスクの最小に近いビームウエスト)に対して、より起こりやすい。同じコメントは、電子磁子を持つ光搬送スピン
Figure 2011510288
の相互作用に関してもあてはまる。
これは、光ビームの伝搬の方向
Figure 2011510288
に沿って過分極を持つ流体を生産する基礎となる。
−上記の式は、全てのタイプのスピンを持つ光により搬送される運動量と分子構成要素により搬送される軌道運動量との相互作用が存在することを示す。
−同じ式は、いくつかの場合には、遷移行列係数がlに比例し、従って、より高い相互作用が大きいOAMを搬送する光に対して起こりうることも示す。
−遷移行列係数
Figure 2011510288
及び
Figure 2011510288
は、
Figure 2011510288
及び
Figure 2011510288
に比例する項を含む。これは、これらの係数が小さなR及びρに関してより高い値に達することを意味する。以前の部分から「最大観察可能な効果領域」基準が与えられると、遷移行列係数
Figure 2011510288
及び
Figure 2011510288
の最大値は、エアリーディスク半径にできるだけ近い半径を持つ光ビームを用いて得られる。
−これらの係数は、光子に適用される。即ち、分子吸収、放出及び準移行に関して適用される。
−これらの係数は総選択規則を参照する。これは、特定のタイプの移行を示すことができるよう、分子が備えていなければならない特性に関する記載である。
特定の選択規則(斯かる移行の間発生することができる量子数における変化)は、この理論では予測されておらず、図4において質的に言及される。
分子光相互作用に関する特定の選択規則
吸収
光搬送スピン
Figure 2011510288
及びOAMlは、分子により吸収される。角運動量が保存された量であるので、この系(放射線及び物質)の総角運動量は、放射線の吸収及び放出の間、変化されることができない。従って光子が原子又は分子により吸収されるとき、その角運動量は、原子に移されなければならない。結果として生じる原子の角運動量は、その初期角運動量と吸収される光子の角運動量とのベクトル和に等しい。
原子及び分子は、異なるタイプの角運動量を含むことができる。最も重要な貯蔵部は、電子の軌道角運動量、分子の回転運動、並びに電子及び核のスピン角運動量を含む。これらのタイプの角運動量がすべて、放射線照射野に直接結合されるというわけではない。自由原子においては、電子の軌道角運動量だけが、光学移行に直接結合される。しかしながら、図4に概略的に示されるように、異なるタイプの角運動量が、光子スピン貯蔵部から電子軌道を通り他のすべての貯蔵部まで分極が流れることを可能にする様々な相互作用により、一般に互いに結合される。
上記により、OAMの可能性が理論的に示された。即ち、図4に示されるOAM回転移行を可能にする分子相互作用を示した。相互作用が光ビームにより搬送されるOAMの値に比例することも示された。
従って、(lに比例して)以下のことが起こりやすい。
−吸収処理の間に励起される軌道の電子スピン分布だけでなく、分子のOAMをも移行/整列配置させる。
−分子回転値及び(エアリーディスクの周辺上で)ビーム軸伝搬に平行な運動量に向かう方向を変化させる。
−分子核を直接移行/整列配置させる。
透明な分子
これらは「準移行」の場合である。準移行では、光子は、軌道と相互作用するが、励起された分子状態を生み出すのに十分なエネルギを持たない。光子は、ほぼ同時に分子により吸収及び放出される(短「準状態」寿命)。これらは、入射する及び放出された光子運動量及びエネルギ内での変化である(例えば、ラマン後退散乱)。従って、OAMを持つ光は同様に透明な分子と相互作用することになる。これにより、光子角運動量が、分子の回転運動量に移される。
分子運動量が変化されると結論付けられることができる。即ち、方向に関して、入射するビーム伝搬軸に整列配置され、大きさにおいて、スピン及びOAMを持つ光により、光のOAM量に比例して修正される。
光ポンピングは、光搬送スピン(円形分極光)を用いて分子が過分極化されることができることを示す。MRIにおける用途において、過分極化されたガスを得るために、この方法は上手に利用される。
本発明は、OAMに光子を加える。従って、光の伝搬方向に沿って分子運動量の方向が増加され、流体に含まれる過分極化された分子を得る確率が増加される。こうして、流体のNMR解析が可能になる。
この概念は、実験室セットアップにより実験的に証明された。この点が次に説明されることになる。
実験室セットアップの説明
図5は、本発明の教示による流体を解析するための例示的なセットアップを示す。この白色光は、HP水銀、100Wの白色光源501を用いて生成され、ビームの直径がおよそ1mmであるよう平行化される。コリメート光、即ちビームは、ビームエキスパンダ(1:20)503に送られる。ビームエキスパンダ503と光源501との間に、ここでは回転輪である機械的なシャッタ505が存在する。シャッタの開口部に同期化される電気信号が生成されることができる。手動シャッタ507も存在するが、機械的なシャッタ505は、動作可能である。測定が「暗い」状態で実行される間、このシャッタは光をブロックする。一方、全体のシステムは、「明るい」状態で作動する。すべての測定された状態に関して同じノイズ環境を維持することが要求される。ビームエキスパンダ503を通過した後、光は、4分の1の波長板511が後に続く直線偏光子509を用いて円形偏光される。
ここでは、1280x720、20x20μm、45TNのLC効果、1μmのセルギャップを持つ、液晶オンシリコン(LCoS)パネルである空間光モジュレータ(SLM)513が、OAM及びスピンを搬送するラゲールガウス分布(LG)ビームへとガウス分布入射ビームを変化させるよう設計されたコンピュータ生成によるフェーズホログラムを生産する。OAMの値lは、ホログラムのパラメータであり、40まで値が増加されることができるが、空間フィルタリングに関連付けられる実際的な問題が原因で、これ以上の増加は容易ではない。
図6は、以下のパラメータl=10、w=5及びp=0を用いてSLMパネル上に表示された、コンピュータ生成によるフェーズホログラムを示す。一方図7は、SMLからおよそ3mの所に配置されるスクリーン515上に入射するHeNeレーザー(618nm)を用いたホログラム投影を表す。この図の中央の明るいスポットは、OAMを搬送していないゼロ次の回折を表す。一方、それから北西及び南東方向における円は、それぞれl={10、11、12...}及びl={−10、−11、−12...}でOAMを搬送するLGモードビームにより生成される。
同じホログラムが異なる波長を用いて照射されるとき、ゼロ次のオーダー回折スポットはその位置を保存するが、その隣接するLG回折ビームは通常の回折格子分散法則に従う。同じホログラムは、異なる波長に関する
Figure 2011510288
のOAMを搬送するLGビームを生み出す。
実験室セットアップにおいて、スクリーン、即ち空間フィルタ517はゼロ次のオーダーをブロックするために用いられ、OAM及びスピンを搬送する回析されたLGビームが選択される。この結果は、図8に示される。
分散された回析LGビームは、凹鏡519及び高速顕微鏡対物レンズ521を用いてサンプル上へ集められる及び焦束される。エアリーディスクサイズにできるだけ近いビームウエストの条件を満たすため、高いf値が必要とされる。
対物レンズを通過した後、l=19のスピン(円偏光)及びOAMを搬送する白色光のしっかりと焦束されたビームが得られる。このビームはその後、サンプルキュベット523に配置される流体サンプルに印加される。この実験のため、図9に示される構造を持つ光学油が選択された。
照射されるサンプルは、流体水中の銅コイル525により囲まれる。このコイルは、この例では以下の特性を持つ。即ち、内径2mm、外径10mm、コイル長10mm、銅の巻線の直径0.75mmである。コイル525は、50MHzの帯域幅、5KHzでのハイパスフィルタ及び40dBのゲインを持つ50個の低ノイズアンプ(LNA)527の入力に電気的に接続される。
増幅出力、即ち、コイル端子での電圧に比例する、従ってコイルを介する磁気流量変動に比例する電圧が、測定デバイスにより記録される。測定デバイスは、この場合、テクトロニクスTDK700シリーズのスコープであり、5mVの入力スケール範囲、25MHzのサンプリング周波数、20MHzの入力ローパスフィルタ(LPF)、16ビットの分解能(高分解能)、リアルタイム取得、200Kのサンプルに対応する。
図5において、サンプル周辺で磁場を作成する電磁気磁石526も示される。サンプルにおいて誘導される核磁気分極性が変化されることができるよう、この磁石は光ビームを方向付けるのに使用される。B磁場の方向が、OAM光ビームの伝搬方向に垂直であるよう、静磁場がサンプルに印加されることができる。初期実験において、0.1テスラの磁場が使用された。図10に示されるようにOAM光がスイッチオフされるとき、磁場は、組織化されたFIDを作成するのに役立つ。この図から、一旦光がオフにされると、結果として生じるFID信号が、アナログデジタル変換器(ADC)を用いてサンプリングされることが分かる。トリガーイベントは、機械的なシャッタ505の同期出力により提供された。光ダイオード(ピンデバイス)、即ち図5における光検出器529は、トリガ信号遅延推定デバイスとして使用された。このデバイスは、機械的なシャッタ505により生成される同期化信号とサンプルを通過する光の立ち上がり時間との間の遅延を測定する。この値は、一度計量されると、測定の残りの間のトリガ遅延値として使用される。
取得されたデータセットは、高速フーリエ変換アルゴリズム(ハミングウィンドウ、−35dBのフェーズリジェクション、平均係数が20)を実行する高速フーリエ変換器(FFT)531に渡される。この変換器は、自由誘導減衰(FID)信号の周波数領域に関する振幅を生み出す。図5において、制御ユニット533も示される。このユニットは、得られたFID信号を処理するパーソナルコンピュータ(PC)とすることができる。制御ユニット533は、ドライバボード535に接続されることができる。このボードは、SLMユニット513の動作を制御する。
データ取得セットアップに関するまとめが、表2に与えられる。取得時間及びサンプル数は、流体サンプル内に存在する化学種の決定を求める実験において改善される。コンセプトの証明のためには、上述されたセットアップで十分である。なぜなら、それが、OAMを持つ光により照射されるサンプルに対するFIDスペクトルと、OAMなしの(l=0)光により照射されるサンプルと、何ら光により照射されない(垂直なB磁場はそれでも存在)サンプルとの間の明確な差を示すからである。
Figure 2011510288
実験の流れの説明
上述のセットアップは、
Figure 2011510288
のスピン及びOAMを持つ光で照射されるサンプルの磁気FIDの取得、及び照射されていないサンプルから生じる同じFIDをそのFIDと比較することを可能にする。最後の場合は不必要に思われるかもしれない。なぜなら、分極されていないサンプルのFIDは、取得システムのノイズレベル以下の振幅を生み出すからである。しかしながら、照射されたサンプルと「暗い」サンプルとの間の差を生成することは、すべてのエルゴード的環境ノイズ源を減らすために有益である。同様に、「暗い」測定は、手動シャッタ507を閉めることによってのみ実行される(光源及び機械的なシャッタ505は、「暗い」測定の間でも作動し続ける)。
高分解能流体解析を実行する方法のある実施形態が、図11のフローチャートを参照して、次に説明される。ステップ1101において最初に、光源501がスイッチオンされる。ステップ1103において、光が偏光子509、4分の1波長板511及びSLM装置513を通過すれば、光がOAM及び可能であればスピンを取得する。
ステップ1105において、光は分散され、ステップ1107において、光は特定された偏光及びOAMを用いてフィルタリングされる。2次オーダー効果として光分散を持つ方法によりOAMが生成される場合、ステップ1105だけが必要とされる点に留意されたい。回析格子を用いてOAMが生成されるときのみ、分散が発生する。分散が生成される場合、1次回折ビームを得るため、更なるフィルタリングが必要とされる。この場合、分散は、SLMユニット513により行われる。フィルタリングは、開口517を用いて行われる。
ステップ1109において、光ビームは、凹鏡519及び顕微鏡対物レンズ521を用いてサンプル上へ焦束される。OAMを持つ光がサンプルに印加されるとき、分子軌道(電子スピン)、角運動量及び核は、光ビーム伝搬軸周辺で方向付けられることになる(ラーモア歳差運動)。この処理は、検出可能なFID信号を生産する。このFID信号は、ポジティブなエッジ起動による取得を、FIDスペクトルにおけるピークに反映させる。ポジティブなエッジは、「光がサンプルを通過し始めた」イベントに対応する。流体における水中コイル525は、FID検出器として機能する。コイル対称軸は、ビーム伝搬方向に重なる。一方、コイル525の中心は、対物レンズの仮想焦点上に配置される。
ステップ1111において、光は、FID信号を得る(ステップ1115)ため、オン/オフに順次切り替えられる。より制御されたFID信号を持つため、ステップ1113において、一連の磁場がコイル526により作成される。これらの磁場は、光の方向に垂直である。光がオフにされるとき、磁場が作成され、熱核が、それらの方向を緩和し、及び多かれ少なかれ磁場と整列配置されるよう方向付けられることになる。こうして、核は2つの方向に方向付けられる。第1の方向は、光の方向により決定され、第2の方向は、磁場の方向により決定される。この例では、パルス周期は約70msであり、デューティ比は50%である。印加磁場は、静磁場とすることができるか、又は、特定の核と非常に相互作用するよう調整されるRF磁場とすることができる。代替的に、これは、第1のビームに垂直な別の光ビームを印加することにより実行されることができる。最終的に、ステップ1117において、得られたFID信号が、測定コイル523により測定される。OAM無しの光(l=0)が使用されるか、又は光が使用されないとき、FID信号は検出されず、従って、ノイズだけが記録されることができる。
より発展する実験的なセットアップは、異なるNMRFID励起シーケンスに関する垂直コイル、白色光を生み出すためのより効率的な方法、サンプルに送られる光スペクトルを修正するための手段、OAMを変調するためのより効率的な方法、及びより好適なデータ取得システム(より長い取得シーケンス、より高感度でのより高いデータレート)を必要とする。
しかし、実験的なセットアップの適当な手段を用いてさえ、概念の有効性を証明する結果を得ることが可能だった。図12は、FFTユニット531により周波数領域変換を行った後、図10に示されるようにネガティブな光エッジにより起動される取得でFIDから得られるスペクトルの一部を示す。この図は、全く光が照射されないとき(長方形付きの実線)、OAM無しの光により照射されるとき(円付きの破線)、OAM有りの光により照射されるとき(l=19、三角形付きの実線)、サンプルにより生成されるスペクトルを含む。上述したように、これらのFIDの全ては、およそ0.1テスラに等しい垂直なB磁場がある場合に集められる。図に表されるスペクトルの部分は、7.785MHzで中心化される。これは、およそ、0.1テスラでの水素原子のNMRサインが見られると予想される所である。光がない場合、又はl=0の光である場合、ピークは生成されない。スペクトルは役立つ。なぜなら、特定のタイプの原子及び分子は、周波数ピークの特定の分布により特徴づけられるからである。光の周波数及び光により実行されるOAMは、ピークの位置に影響を及ぼす点に留意されたい。
光搬送OAM及びスピンが、流体状態に含まれる核の方向を生み出すことができると結論付けられることができる。従って、NMRFIDは、サンプル核磁気運動量分極のための高磁場を生成する必要なしに、NMR信号解析技術を用いて監視されることができる。
図13は、図5の構成をわずかに修正した構成を示す。図13に示される装置は、NMR分光法に基づき高分解能サンプル解析を実行するよう等しく構成される。図5に示される構成と比較すると、図13では、スクリーン515がなく、SLM513は、スピン及びOAMを持つ所望のタイプの光を生産するためのホログラフィプレート1303で置換される。LNA527、光検出器529、FFT変換ユニット531、コントローラ533及びドライバボード535は、図11には示されない。しかし、それらの機能は、NMR特有の信号プロセッサ1305に一体化される。
上記に、いくつかの実施形態が説明された。本発明は、NMR化学サンプル解析が必要とされるすべての状況において適用可能である。特に、「生体内」用途に関して使用されることができ、例えばePill、インテリジェントカテーテル等である。本発明の実施形態は、過分極化された流体を得るための任意の磁気物質を含まない。従って、「生体内での」動作に適している。
本発明は、上述のデバイスのコンピュータ手段でロード及び実行されるとき、本発明の実施形態の方法ステップのいずれかを実行することができるコンピュータプログラムにも同様に関する。コンピュータプログラムは、他のハードウェアと共に又はその一部として供給される適切な媒体に格納/配布されることができるが、例えばインターネット又は他の有線若しくは無線通信システムを介してといった他の形式で配布されることもできる。
本発明は、本発明の実施形態による方法ステップのいずれかを実行するよう構成される集積回路にも同様に関する。
本発明が図面及び前述の説明において詳細に図示され及び説明されたが、斯かる図示及び説明は、説明的又は例示的であると考えられ、本発明を限定するものではない。即ち、本発明は、開示された実施形態に限定されるものではない。
図面、開示及び添付の特許請求の範囲の研究から、開示された実施形態に対する他の変形が、請求項に記載された発明を実施する当業者により理解され及び遂行されることができる。請求項において、単語「有する」は他の要素又はステップを除外するものではなく、不定冠詞「a」又は「an」は複数性を除外するものではない。単一のプロセッサ又は他のユニットが、請求項に記載される複数のアイテムの機能を満たすことができる。異なる特徴が相互に異なる従属項に記載されるという単なる事実は、これらの特徴の組合せが有利に使用されることができないことを示すものではない。請求項における任意の参照符号は、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。

Claims (15)

  1. 分子を含むサンプルを解析する方法において、前記解析が、核磁気共鳴分光学に基づかれ、前記方法が、
    光源をオンにするステップと、
    軌道角運動量を光にもたらすステップと、
    軌道角運動量を搬送する集束された光ビームを得るステップと、
    前記サンプルの核磁気分極性を得るため、軌道角運動量を搬送する前記焦束された光ビームを用いて前記サンプルを順次照射するステップと、
    前記照射から生じる自由誘導減衰信号を得るステップであって、前記自由誘導減衰信号が前記サンプルの特徴を搬送する、ステップとを有する、方法。
  2. 前記光ビームが、角運動量も持つ、請求項1に記載の方法。
  3. 前記自由誘導減衰信号が、前記照射を止めた後に得られる、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記分子の磁子が、前記サンプルの前記照射から生じる第1の方向に整列配置する、請求項1乃至3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記光ビームに基本的に垂直な磁場、特定の核と非常に相互作用するよう調整された無線周波数磁場、及び/又は第2の方向へと前記磁子を再整列させるために前記光ビームを回転させる第2の光ビーム、の少なくとも1つを前記サンプルに順次適用するステップを更に有する、請求項4に記載の方法。
  6. 前記焦束された光ビームを取得するステップが、前記光パルスを分散させるステップと、回折光線を得るため前記分散された光パルスをフィルタリングするステップと、鏡を用いて前記ビームを方向付けるステップとを有する、請求項1乃至5のいずれかに記載の方法。
  7. 照射されたサンプルに対応する前記自由誘導減衰信号と、非照射状態のサンプルに対応する別の自由誘導減衰信号とを比較するステップを更に有する、請求項1乃至6のいずれかに記載の方法。
  8. 前記サンプルの前記核磁気分極性が、前記光により搬送される光子を吸収する前記分子により実現され、前記光の前記軌道角運動量が前記相互作用している分子へ移される、請求項1乃至7のいずれかに記載の方法。
  9. 前記吸収の結果として、前記分子の電子状態が、飽和したスピン状態に達し、前記分子の角運動量は、前記光ビームの前記伝搬軸に沿って増加され、及び方向付けられ、前記分子に関連付けられる磁気磁子歳差運動が、前記光ビームの前記伝搬軸に沿って方向付けられる、請求項8に記載の方法。
  10. 前記自由誘導減衰信号が、前記サンプルの周りに配置されるコイルにより得られる、請求項1乃至9のいずれかに記載の方法。
  11. 流体解析デバイスのためのコンピュータプログラムであって、解析デバイスのコンピュータ手段でロード及び実行されるとき、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の方法を実現するための命令を有する、プログラム。
  12. 分子を含むサンプルを解析するデバイスであって、前記解析が、核磁気共鳴分光学に基づかれ、前記デバイスが、
    光源と、
    軌道角運動量を光にもたらす手段と、
    前記サンプルを収容する容器と、
    集束された光ビームを得る手段と、
    前記サンプルの核磁気分極性を得るため、軌道角運動量を搬送する前記焦束された光ビームを用いて前記サンプルを順次照射する手段と、
    前記照射から生じる自由誘導減衰信号を検出する手段であって、前記自由誘導減衰信号が前記サンプルの特徴を搬送する、手段とを有する、デバイス。
  13. 前記自由誘導減衰信号を周波数領域信号へと変換するフーリエ変換ユニットを更に有する、請求項12に記載のデバイス。
  14. 前記焦束された光ビームを得る手段が、前記光パルスを分散させる手段と、回折光ビームを得るため前記分散した光パルスをフィルタリングする手段と、前記光ビームを方向付ける鏡とを有する、請求項12又は13に記載のデバイス。
  15. 前記自由誘導減衰信号を得るため前記サンプルの周りに配置される少なくとも1つのコイルを更に有する、請求項12乃至14のいずれか一項に記載のデバイス。
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