JP2011509421A - 衣類、繊維及びフィラメント形態の再帰反射物品 - Google Patents

衣類、繊維及びフィラメント形態の再帰反射物品 Download PDF

Info

Publication number
JP2011509421A
JP2011509421A JP2010539594A JP2010539594A JP2011509421A JP 2011509421 A JP2011509421 A JP 2011509421A JP 2010539594 A JP2010539594 A JP 2010539594A JP 2010539594 A JP2010539594 A JP 2010539594A JP 2011509421 A JP2011509421 A JP 2011509421A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
retroreflective
optical interference
interference layer
concentric optical
fully concentric
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2010539594A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011509421A5 (ja
Inventor
ディー. バッド,ケントン
エム. イリターロ,キャロライン
ケー. ハース,クリストファー
エイチ. フレイ,マシュー
クリシュナン,ビベク
ケー. ネステガード,マーク
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
3M Innovative Properties Co
Original Assignee
3M Innovative Properties Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 3M Innovative Properties Co filed Critical 3M Innovative Properties Co
Publication of JP2011509421A publication Critical patent/JP2011509421A/ja
Publication of JP2011509421A5 publication Critical patent/JP2011509421A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/12Reflex reflectors
    • G02B5/126Reflex reflectors including curved refracting surface
    • G02B5/128Reflex reflectors including curved refracting surface transparent spheres being embedded in matrix
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A41WEARING APPAREL
    • A41DOUTERWEAR; PROTECTIVE GARMENTS; ACCESSORIES
    • A41D31/00Materials specially adapted for outerwear
    • A41D31/04Materials specially adapted for outerwear characterised by special function or use
    • A41D31/32Retroreflective
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29DPRODUCING PARTICULAR ARTICLES FROM PLASTICS OR FROM SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE
    • B29D11/00Producing optical elements, e.g. lenses or prisms
    • B29D11/00605Production of reflex reflectors
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/20Filters
    • G02B5/28Interference filters
    • G02B5/285Interference filters comprising deposited thin solid films
    • G02B5/286Interference filters comprising deposited thin solid films having four or fewer layers, e.g. for achieving a colour effect

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Ophthalmology & Optometry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Textile Engineering (AREA)
  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Professional, Industrial, Or Sporting Protective Garments (AREA)
  • Outerwear In General, And Traditional Japanese Garments (AREA)

Abstract

再帰反射物品は、再帰反射素子を用いて製造された衣類、繊維及びフィラメントの形態で提供され、その再帰反射素子はそれぞれが、外側コア表面を有する固体球形コア(110)であって、その外側コア表面(115)が第1の界面を提供する固体球形コアと、外側コア表面(115)を覆う内側表面及び外側表面(125)を有する第1の完全同心光学干渉層(120)と、を含み、第1の完全同心光学干渉層の外側表面が第2の界面を提供する。一部の実施形態において、各再帰反射素子が、第1の完全同心光学干渉層の外側表面を覆う内側表面及び外側表面を有する第2の完全同心光学干渉層を含み、この第2の光学干渉層の外側表面が第3の界面を提供する。他の実施形態において、各再帰反射素子が更に、第2の完全同心光学干渉層を覆う内側表面及び外側表面を有する第3の完全同心光学干渉層を含み、この第3の完全同心光学干渉層の外側表面が第4の界面を提供する。

Description

本発明は、再帰反射物品に関する。より詳細には、本発明は、コアを覆うように配設される1つ以上の完全同心光学干渉層を有する固体球形コアで構成される再帰反射素子を含む再帰反射衣類、繊維及びフィラメントに関する。
「再帰反射性」とは、光線が作用した場合に、その光を光源の方向に実質的に戻すように反射する物品の能力のことを指す。ビーズの再帰反射物品は、一般に、基材の少なくとも1つの主表面に取り付けられた複数の透明な球形成形ビーズ又は再帰反射素子を含む。再帰反射素子は、拡散照明条件下で物品が観察される場合には知覚できない。しかし、拡散照明では見えないという特徴は、「隠れた」特徴と称される場合があり、(例えば、自動車のヘッドライトからの)指向性の光線で照らされる場合に高度に反射性である。隠れた特徴は、例えば、商標又は会社ロゴを含む種々のデザインのいずれかを含むことができる。
再帰反射特性を有するように製造できる物品としては、繊維、布地、材料及びそれらから製造される衣類が挙げられる。アクセサリ品及びセキュリティ物品も再帰反射特性を含むように製造できる。再帰反射衣類は、衣類及びそれを着用した個人の視認性、特に夜間の視認性を向上させるために、バインダに埋め込まれた再帰反射素子を含むフィルム様コーティングを含むように製造できる。向上した視認性に関して、再帰反射衣類は、例えば、自動車交通量が非常に多い区域付近の安全性をより高める。建設作業員、道路整備者、歩行者、ランナー及びバイカーは全て、こうした改善された安全性を提供する衣類の利益を享受できる。従来の安全衣類に加えて、アクセサリ品にも、再帰反射特性を与えることができる。
安全性の改善に加えて、再帰反射構成要素は、衣類、材料などの装飾外観を改善できる。例えば、衣類において、再帰反射構成要素は、種々のコーティング技術のいずれかを用いて装飾パターンにて適用できる。
本明細書で更に記載されるように、特定繊維、フィラメント及び衣類の反射特徴及び/又は外観を特定の再帰反射素子を使用することによって改善することが望ましい。
本発明の実施形態において、衣類を提供するが、その衣類は、
複数の再帰反射素子が配設された衣類面を含み、各再帰反射素子は、
外側コア表面を含む固体球形コアであって、この外側コア表面が第1の界面を提供する固体球形コアと、
少なくとも、その外側コア表面を覆う内側表面及び外側表面を有する第1の完全同心光学干渉層と、を含み、この第1の完全同心光学干渉層の外側表面は第2の界面を提供する。
他の実施形態において、本発明は、
複数の再帰反射素子が接着された細長い繊維性本体を含む再帰反射繊維を提供し、各再帰反射素子は、
外側コア表面を含む固体球形コアであって、この外側コア表面が第1の界面を提供する固体球形コアと、
少なくとも、その外側コア表面を覆う内側表面及び外側表面を有する第1の完全同心光学干渉層と、を含み、この第1の完全同心光学干渉層の外側表面は第2の界面を提供する。
更に他の実施形態において、本発明は、
複数の再帰反射素子をその中に含有する中空の透明な管状部材を含む再帰反射フィラメントを提供し、各再帰反射素子は、
外側コア表面を含む固体球形コアであって、この外側コア表面が第1の界面を提供する固体球形コアと、
少なくとも、外側コア表面を覆う内側表面及び外側表面を有する第1の完全同心光学干渉層と、を含み、この第1の完全同心光学干渉層の外側表面は第2の界面を提供する。
前述の実施形態のいずれかにおいて、再帰反射素子は更に、
第1の完全同心光学干渉層の外側表面を覆う内側表面及び外側表面を有する第2の完全同心光学干渉層を含んでいてもよく、この第2の完全同心光学干渉層の外側表面は第3の界面を提供する。
前述の実施形態のいずれかにおいて、再帰反射素子は更に、
第2の完全同心光学干渉層の外側表面を覆う内側表面及び外側表面を有する第3の完全同心光学干渉層を含んでいてもよく、この第3の完全同心光学干渉層の外側表面は第4の界面を提供する。
特に示さない限り、本発明の実施形態を記載するために使用される専門用語は、当業者の理解と一致する様式で解釈されるべきである。明確にするために、次の用語は、本明細書に示される意味を有すると理解されるべきである。
「光」とは、電磁スペクトルの可視(すなわち、約380nm〜約780nm)、紫外(すなわち、約200nm〜約380nm)、及び/又は赤外(すなわち、約780nm〜約100マイクロメートル)の領域に1つ以上の波長を有する電磁放射線を指す。
「屈折率」とは、特に指示がない限り、ナトリウムの黄色のd線に対応する589.3nmの波長及び20℃の温度における屈折率のことを指す。「屈折率」という用語及びその略記「RI」は、本明細書にて交換可能に使用される。
「再帰反射モード」とは、物品に光線を作用させ、その照らされた物品を、実質的に同じ方向、例えば、照明方向の5度、4度、3度、2度又は1度以内から観察することを含む照明及び観察における特定の幾何学的配置のことを指す。再帰反射モードは、人が物品を観察する幾何学的配置、又は機器が物品の反射率を測定する幾何学的配置を記載できる。
「再帰反射輝度」とは、対象物若しくは対象物の集合体、例えば、再帰反射素子若しくは素子の集合体、又は例えば、1つ以上の再帰反射素子を含む物品が、入射光を、それが入射してきた方向(又は、ほぼ入射してきた方向)に戻す効果を指す。再帰反射輝度は、対象物に入射した光の強度に対する、対象物から再帰反射された光の強度のことを指す。
「再帰反射係数」(Ra)は、対象物の再帰反射輝度の標準尺度であり、luxに対して1平方メートルあたりのカンデラ、すなわちCd/lux/m又はCplで表すことができる。これらの単位及びこうした単位における再帰反射係数を報告する測定機器は、再帰反射輝度を視感度関数で計量する。この視感度関数は、光の波長に対する人間の目の感度依存性を説明するものであり、約380ナノメートル〜780ナノメートルの波長、したがって電磁スペクトルの可視領域を規定する波長については0でない。
「完全同心光学干渉層」又は「光学干渉層」とは、ビーズコアの本質的に表面全体(すなわち、例えば、背面のみといったように表面の選択された部分だけでなく)を囲む及び直接隣接する、又は別の内側にある完全同心光学干渉層の外側表面を囲む及び直接隣接する半透明又は透明のコーティングのことを指し、この完全同心光学干渉層は、本質的に均一な厚さを有する。
「リフレクタ」とは、再帰反射物品における再帰反射素子の後方にある集束位置又はその近位にある、再帰反射物品に配置された鏡面反射性又は拡散反射性材料のことを指す。反射性材料は、拡散光散乱性材料若しくは金属性材料、又は1つ以上の反射性界面を作成する透明材料構成要素の1つ以上の層であることができる。
明確にするために、複数のリフレクタが再帰反射物品の球状ビーズコアの後方にある集束位置又はその近位に存在する実施形態において、ビーズの外側表面と接触する又は最も近位にある材料を「一次リフレクタ」と指定する。ビーズの背面から離れた追加のリフレクタは、「補助リフレクタ」として指定する。直接隣接した誘電体層の積層物は、一次及び補助リフレクタを指定するために単一の「リフレクタ」であると考えられる。例えば、背面が有色バインダ中に埋め込まれた2つ以上の完全同心光学干渉層を有するビーズを含む物品は、一次リフレクタとして完全同心光学干渉層、及び補助リフレクタとして有色バインダを有する。
「領域」とは、物品の連続部分を指す。領域は、通常、観察者が認識可能である境界又は一般的範囲を有する。
当業者は、「発明を実施するための形態」、「図面」及び添付された「特許請求の範囲」を包含する本開示の残りの部分を考慮して、本発明の範囲をより完全に理解するであろう。
本明細書の種々の図面は、一定の縮尺ではないが、実施形態の説明にて補助として与えられる。本発明の実施形態を記載する際、実施形態の特徴を参照番号で示した図面を参照するが、同様の参照番号は同様の特徴を示す。
本発明の物品において使用するための再帰反射素子の実施形態の断面図。 本発明の物品に使用するための再帰反射素子の別の実施形態の断面図。 本発明の物品に使用するための再帰反射素子の更に別の実施形態の断面図。及び、 本発明の物品に有用な再帰反射素子を製造するための代表的なプロセスのフローチャート。
本発明は、再帰反射素子を含む繊維、フィラメント及び衣類を提供する。本明細書に記載されるような再帰反射素子は、例えば、反射性衣類及びアクセサリ品を含む安全服に使用するための繊維、フィラメント及び衣類に含むことができる。再帰反射素子はまた、装飾的外観を提供及び/又は向上させるための繊維、フィラメント及び衣類に含まれていてもよい。一部の実施形態において、本明細書に記載される再帰反射素子は、再帰反射モードで観察された場合に、特定の色(例えば、「隠れた色」)を呈する再帰反射色を与えることができる。一部の実施形態において、本明細書に記載される再帰反射素子は、色変化を伴わずに向上した再帰反射輝度を示す。
再帰反射輝度は、入射光と反射光との間にある種々の角度(観察角度)について測定できるが、特定の角度範囲に限定されるものではない。特定用途に関して、有効な再帰反射性は、0°(入射光に対して反平行)のリターン角度で所望される。他の用途に関して、有効な再帰反射性は、0.1〜1.5度といったリターン角度の範囲にわたって所望される。可視光線を使用して対象物を照らす場合、再帰反射輝度は、通常、再帰反射係数(Ra)を用いて記載される。
本発明の物品に有用な再帰反射素子はそれぞれ、1つ以上のコーティングされた層が適用される固体球形コアを含み、この1つ以上のコーティングされた層それぞれが、コアを囲む完全同心光学干渉層を形成する。最初又は最も内側の光学干渉層は、球状コアの外側表面を覆う。一部の実施形態において、第2の完全同心光学干渉層は、最初又は最も内側の完全同心光学干渉層の外側表面を覆い、その外側表面に隣接する。他の実施形態において、第3の完全同心光学干渉層は、第2の完全同心光学干渉層の外側表面を覆い、その外側表面に隣接する。完全同心光学干渉層は、通常、球状コアの表面全体を覆うが、光学干渉層は、再帰反射素子の光学的特性を損なうことなく、層を貫く小さいピンホール又は小さい小片を含んでいてもよい。
一部の実施形態において、再帰反射素子は、追加の完全同心光学干渉層を含んでいてもよく、その連続した光学層のそれぞれは、先行して蒸着した層を覆う(例えば、第4の完全同心光学干渉層は、第3の完全同心光学干渉層を覆う、第5層は第4層を覆うなど)。「同心」とは、所定の球状コアを覆うようにコーティングされたこうした光学干渉層のそれぞれが、コアの中心とその中心とを分かち合う球形に成形されたシェルであることを意味する。
再帰反射物品の構成要素として種々の再帰反射素子を含むことは本発明の範囲内である。こうした物品に組み込まれた再帰反射素子の一部は、本明細書に記載されるように、1つ以上の完全同心光学干渉層を有する再帰反射素子を含む。こうした物品には、光学干渉層を全く有さない再帰反射素子のような他の再帰反射素子が物品に含まれていてもよい。一部の実施形態において、1つ以上の完全同心光学干渉層を有する再帰反射素子の混合体を含む物品では、その構成、厚さ及び/又は材料は、一方の再帰反射素子と他方の再帰反射素子とでは異なり、又は1つの群の再帰反射素子と別の群の再帰反射素子とでは異なる。例えば、第1の又は最内光学干渉層は、一方の再帰反射素子と別の再帰反射素子とではその厚さが25%を超えて異なり得る。一部の実施形態において、再帰反射素子は、1つの同心光学干渉層を含んでいてもよく、一部の実施形態においては2つの光学干渉層、一部の実施形態において3つの光学干渉層、一部の実施形態において3つを超える光学干渉層、一部の実施形態において1、2、3つ又はそれ以上の光学干渉層を有する再帰反射素子の組み合わせを含んでいてもよい。一部の実施形態において、前述の再帰反射素子は、光学干渉層を有さない再帰反射素子、及び/又は補助リフレクタなどと、物品中で組み合わされてもよい。
完全同心光学干渉層は、向上した再帰反射輝度を与えることができる再帰反射素子を提供するために球形コアに適用される。物品に配置される場合、再帰反射素子は、他の形態の再帰反射素子などを含む同一物品の再帰反射輝度よりも大きい再帰反射輝度を与える。一部の実施形態において、再帰反射された光の色は、入射光と同一又は同様である。例えば、再帰反射された光は、白色入射光からの変化がほどんどない、又は全くない。更に他の実施形態において、光学干渉層は、物品に配置される場合、再帰反射素子が再帰反射された色を与えるように、コアに適用される。一部の実施形態において、再帰反射素子は、物品又は基材の表面にて認識可能なパターンを提供するように物品に配置され、このパターンは、拡散照明光の下では視覚可能ではないが、再帰反射モードにて観察される場合には視覚可能になる。一部の実施形態において、再帰反射素子はまた、物品の色を向上させるために使用されてもよく、例えば、再帰反射素子は、通常のように拡散照明光で現れる物品の色に適合する、可能性としては強める再帰反射された色を与える。
物品内に配置される場合、固体球形コア上に完全同心光学干渉層を有する再帰反射素子は、再帰反射素子の背面に2つの光反射性界面を作成する。コーティングの厚さは、可視光に対応する波長範囲内(約380ナノメートルから約780ナノメートル)にある1つ以上の波長について建設的又は相殺的干渉条件をもたらす光学的厚さを与える。「光学的厚さ」は、コーティングの物理的厚さに屈折率を乗じたものを指す。こうした建設的又は相殺的干渉条件は、光学的干渉コーティングの光学的厚さの増大に応じた周期性をもち、照明のコヒーレンス長に依存する。コーティング厚さを増大させると、所与の波長での建設的干渉は、コーティングを通って再び戻る光学経路が、いずれかの界面又は両方の界面において屈折率が変化したことの証であるいずれかの転相を伴って、2つの界面から反射された2つの光成分の相差が2πラジアンとなるときに、初めて生じる。厚さが更に増大すると、相差が4πラジアンに等しいときに、同じ建設的干渉条件が再び達成される。同様の挙動は、更に厚さが増大しても生じる。
逐次的に生じる建設的干渉条件を分ける厚さ周期(すなわち、コーティングの2つの表面から反射される光の所与の波長(減圧下)に関して名目上同じ干渉条件を繰り返すコーティング厚さの増分)は、減圧下での半波長をコーティングの屈折率で除したものとして与えられる。0ナノメートルからのコーティング厚さの増大に伴って生じる所与の干渉条件それぞれには、周期数(例えば、n=1、2、3...)を割り当てることができる。光学干渉層を含む再帰反射素子が広範囲の光(多くの波長を含む光、例えば、白色光)で照らされる場合、一連の干渉効果が、様々な波長に関する再帰反射挙動を特徴付ける。これらの光学的現象は、1つを超える光学干渉層が球形コアに適用される場合により複雑になる。
2つ以上の完全同心光学干渉層を有する再帰反射素子を含む再帰反射物品の再帰反射された色及び輝度は、コーティング層の厚さの増大に応じて周期挙動及び相互依存性を示すことを見出した。複数の完全同心光学干渉層を用いて製造された再帰反射素子、又はこうした再帰反射素子を含む物品は、1つ以上の干渉層の厚さが増大すると、再帰反射係数(Ra)の大きさが振動する(例えば、ピーク及び谷部分)。一部の実施形態において、高い再帰反射係数は、白色照明に関して再帰反射された光に色を生じさせることなく達成される。他の実施形態において、高い再帰反射係数は、白色光の照明に関して再帰反射された光に色を生じさせて得られる。一部の実施形態において、物品は、拡散照明光の下で識別可能な外観及び/又は色を有する種々の表示又はデザインのいずれか、並びに再帰反射観察モードにて観察される場合に白色光照明の下で高い再帰反射係数の再帰反射色又は再帰反射色の欠如を提供する再帰反射素子の領域を含むことができる。
非レーザー光(例えば、白熱灯、ガス放出灯、又は発光ダイオードによって生じる光)のコヒーレンス長は、強い干渉効果が観測されるnの値(ひいてはコーティングの総厚さ)を制限する。非レーザー光に関して、n=10以上に対応する厚さでは干渉効果が喪失する傾向があり、その厚さの約半分でも大きく減じられる。約1.55の屈折率を有する接着剤に部分的に埋め込まれ、空気露呈面にて照らされる、約2.4の屈折率を有する単一の完全同心光学干渉コーティングを含む再帰反射素子に関して、明所視で計量された再帰反射輝度の5つのピークは、0ナノメートルから約600ナノメートルまでの範囲の厚さを有する干渉コーティングによって確立される。これらの物理的厚さの値は、約1500nmまでの光学的厚さに対応する。約1.4の屈折率を有する単一の完全同心光学干渉コーティングを有する再帰反射素子を含む物品に関して、明所視で計量された再帰反射輝度の5つのピークは、1700nm未満の光学的厚さに対応する0ナノメートルから約1200ナノメートルまでの範囲の厚さを有する干渉コーティングによって確立される。一部の実施形態において、可視光線干渉層は、約1500nm未満の光学的厚さを有するコーティングを含む。
再帰反射素子は、本明細書に記載される衣類のような物品のいずれかの構成体に含まれていてもよい。こうした物品の構成体内では、1つ以上の完全同心光学干渉層を有する再帰反射素子は、例えば、高い屈折率を有するコーティングされていない再帰反射ガラスビーズを含む他の反射性及び/又は再帰反射材料と組み合わせてもよい。本発明に従う再帰反射物品は、所望により1つ以上の補助リフレクタを含んでいてもよく、この再帰反射素子及び補助リフレクタは、集合的に光源方向に入射光の一部を戻すように作用する。一部の実施形態において、好適な補助リフレクタは、再帰反射素子が部分的に埋め込まれた拡散光散乱性有色バインダである。有色バインダは、顔料及び充填の選択がバインダを単に着色するために行われる場合とは対照的に、顔料タイプ及び充填が拡散散乱性材料(例えば、75%を超える拡散反射)を創製するために選択される場合に補助リフレクタである。拡散散乱を導く顔料の例としては、二酸化チタン粒子及び炭酸カルシウム粒子が挙げられる。
他の実施形態において、好適な補助リフレクタは、再帰反射素子が部分的に埋め込まれる鏡面反射性有色バインダを含む。鏡面反射性顔料の例としては、雲母フレーク、雲母チタンフレーク、真珠光沢顔料、及び真珠顔料が挙げられる。
更に他の実施形態において、好適な補助リフレクタは、再帰反射物品の再帰反射素子の後方に選択的に配置される金属薄膜である。
更に別の実施形態において、好適な補助リフレクタは、再帰反射物品における再帰反射素子の後方に選択的に配置される薄膜誘電体の積層物である。
再帰反射素子の屈折率が1.5〜2.1であり、再帰反射素子の前面が空気に曝される再帰反射物品の場合、補助リフレクタは、再帰反射素子の背面側に隣接して配置することができる。再帰反射素子がその前面において、その前面と接触する透明材料で前面にて封入される、又はその前面において使用時に水で覆われる再帰反射物品の場合、補助リフレクタは再帰反射素子の背面より後方に間隔をあけて配置されてもよい。
一部の実施形態において、本発明は、補助リフレクタの必要性が任意である再帰反射物品を提供する。結果として、1つ以上の完全同心光学干渉層を有する再帰反射素子の使用は、向上した再帰反射輝度を与えると共に、補助リフレクタ又は代替一次リフレクタを必要とする同様の物品を製造するコストと比較して製造コストを下げることができる。更に、代替又は補助リフレクタの削減は、1つ以上の完全同心光学干渉層を有する再帰反射素子で製造された再帰反射物品の周囲光外観及び耐久性を改善できる。
補助リフレクタを有していない再帰反射物品は、通常、透明な(着色又は非着色)、非光散乱性で非反射性のバインダ(例えば、無色透明のポリマーバインダ)に部分的に埋め込まれた複数の再帰反射素子を含み、この再帰反射素子に入射した光の集束位置は、バインダ内又は再帰反射素子とバインダとの界面である。一部の実施形態において、再帰反射素子は、約1.9の屈折率を有するミクロスフェアの形態で球形コアを含む。再帰反射素子は無色透明のバインダに部分的に埋め込まれ、その前面は空気に曝され、再帰反射素子の背面側とバインダとの界面近くに集束位置をもたらす。1つ以上の完全同心光学干渉層が再帰反射係数(Ra)を増大できることに注目した。
屈折率が約1.9の固体ミクロスフェアを含むが、完全同心光学干渉層を有していない、透明アクリレート接着剤に埋め込まれた物品は、通常、−4度の入口角度及び0.2度の観測角度にて、約8Cd/lux/mのRaを示す。屈折率の低い(例えば、1.4)又は屈折率の高い(例えば、2.2)の単一の完全同心光学干渉層をミクロスフェアに適用すると、Raがそれぞれ18Cd/lux/m及び30Cd/lux/m程度に増大する。ミクロスフェアコアを覆う2つの完全同心光学干渉層の使用は、上述の物品に配置される場合に、Raを約50Cd/lux/m超過、約59Cd/lux/m程度に増大する。物品が3つの完全同心光学干渉層を有するミクロスフェアを含むように製造された場合、Raは100Cd/lux/m超過、113Cd/lux/m程度に増大した。故に、本発明の再帰反射素子及びこうした再帰反射素子で製造された物品は、補助リフレクタなしで有用な再帰反射レベルを示す。
完全同心光学干渉層を有する再帰反射素子は、繊維、フィラメント、衣類などのような種々の物品のいずれかに組み込まれる。衣類でのこうした再帰反射素子の使用は、物品の反射率及びその衣類の着用者の視認性を向上させることによって安全機能を果たす。一部の実施形態において、再帰反射素子は、装飾性デザインを与える目的で衣料などに配置されて装飾性機能を与える。一部の実施形態において、再帰反射素子は、装飾及び安全特徴の両方を提供する。
図面を参照すると、図1は、本発明に有用な再帰反射素子100の第1の実施形態の断面を示す。再帰反射素子100は、第1の界面を提供する外側表面115を有する実質的に球形の透明固体コア110を含む。第1の同心光学干渉層120は、コア110の表面115を覆う内側表面を含む。同心光学干渉層120は、球形コア110の表面115全体を覆う実質的に均一な完全な層を形成し、層120の外側表面125は第2の界面を提供する。層120における副次的な欠陥(例えば、ピンホール及び/又は副次的な厚さ変動)は、こうした欠陥が素子の再帰反射性を打ち消すほど顕著な大きさ又は量ではない限り許容できる。
光は、異なる屈折率を有する(例えば、少なくとも0.1の屈折率差を有する)材料間の界面にて反射される。コア110と実質的に透明な第1の光学干渉層120との屈折率の差により、第1の界面115にて第1の反射が生じる。第1の光学干渉層120と、第1の光学干渉層120と接触するいずれかの背景媒体(例えば、真空、気体、液体、固体)との屈折率における差により、第2の界面125にて第2の反射が生じる。第1の光学干渉層120の厚さ及び屈折率の選択により、こうした界面がなければ観察されるであろう色とは異なって、2つの反射が互いに光学的に干渉して再帰反射された色(例えば、隠れた色)を与えることができる。第1の光学干渉層120の厚さ及び屈折率を調節して、2つの反射の相殺的な干渉を回避して、再帰反射された光が同じ色となるように建設的干渉を提供することができる。更に、光学干渉層の厚さ及びそれらの屈折率を調節することにより、第1の光学的干渉層120の外側表面125及び固体コア110の表面115からの反射の建設的干渉を与え、結果として再帰反射素子に関連する物品のより明るい反射強度及び向上した視認性をもたらす。
一部の実施形態において、再帰反射された色は、素子100のような複数の再帰反射素子を含む物品のデザイン及び/又は全体的視認性を向上させる色にて再帰反射された光を提供するのが望ましい場合がある。
図1にて線130で表される入射光線は、再帰反射素子100に向けられる。光は、大部分が第1の光学的干渉層120を通過して伝送され、コア110に入る。入射光130の一部は、第2の界面125にて、又は第1の界面115にて反射される場合がある。再帰反射は、光130の一部がコア110に入り、コア110の背面での屈折によって少なくとも部分的に集束されることから生じ得る。屈折された光135がコア110の背面にて第1の界面115とぶつかるとき、一部の屈折された光135は、反射された光140として反射され返され、最終的に再帰反射素子100から再帰反射された光150として出て、入射光130に対して実質的に反平行である方向にて観察可能である。同様に、集束された光の別の部分は第1の光学的干渉層120を通過し、第2の界面125にて反射された光142として反射され返される。再帰反射素子100の外側表面125は、再帰反射素子100が配設される媒体(例えば、気体、液体、固体又は真空)に直接露呈される第2の界面を形成する。反射された光142は、入射光130に対して実質的に反平行な方向にて観察可能な再帰反射された光152として素子から出る。反射されない残存光は、完全に再帰反射素子100を通過する。反射された光140と反射された光142との間、順に再帰反射された光150と再帰反射された光152との相殺的干渉は、再帰反射モードで観察される場合に、再帰反射素子の観察される色の変化を増大させる場合がある。例えば、相殺的干渉又は入射白色光スペクトルの中心からの波長の差し引きにより、赤−紫色相を有する再帰反射された光を生じる(すなわち、レトロクロミズム)。僅かに厚い光学干渉層は、長波長を差し引き、結果として例えば、緑又は青緑色相をもたらす。一部の実施形態において、光学干渉層の厚さは、長波長を差し引くように及び基材の色を向上させるか又は隠れたデザイン若しくはパターンを表す再帰反射光を与えるように最適化される。一部の実施形態において、光学干渉層の厚さは、再帰反射された光の色が衣類の色と同じになるように選択される。
材料間の界面での光の反射は、2つの材料の屈折率差に依存する。コア及び光学干渉層の材料は、本明細書に記載されるように、種々の材料のいずれかから選択されてもよい。選択された材料は、屈折率における十分な差がコア110と第1の光学干渉層120との間、及び第1の光学干渉層120とレトロクロミックビーズが使用されることを目的とする媒体との間で維持される限り、屈折率が高い又は低い材料のいずれを含んでいてもよい。これらの差はそれぞれ、少なくとも約0.1であるべきである。一部の実施形態において、差は少なくとも約0.2である。他の実施形態において、差は少なくとも約0.3であり、更に他の実施形態において、差は少なくとも約0.5である。第1の光学干渉層120の屈折率は、コア110の屈折率よりも大きい又は小さいのいずれかであってもよい。一般に、屈折率の選択及び使用される材料の対応する選択は、反射が生じることを目的とする領域にて外側表面125と接触する媒体の選択によって影響を受ける。
コア110、第1の同心光学干渉層120、及び再帰反射素子100が使用されることを目的とする媒体の屈折率は、再帰反射素子の集束力並びに界面115及び125からの反射強度を制御するように選択される。再帰反射された色の輝度は、バランスのとれた屈折率差をできるだけ大きくすれば最大化できる。
高いレベルの再帰反射性を得るために、コア110は、入口媒体(再帰反射素子の前面に隣接する媒体)が空気であるような用途に好適な屈折率を有するように選択できる。一部の実施形態において、入口媒体が空気である場合、コア110の屈折率は約1.5〜2.1である。一部の実施形態において、コア110の屈折率は約1.8〜1.95である。更に他の実施形態において、コア110の屈折率は約1.9〜1.94である。一部の実施形態において、再帰反射素子100は、湿潤条件下での露出レンズ構成体において高い再帰反射性を有する物品に使用される。こうした実施形態において、コア110は、通常約2.0〜約2.6の屈折率を有するように選択されてもよい。他の実施形態において、コアの屈折率は2.3〜2.6である。更に他の実施形態において、コアの屈折率は2.4〜2.55である。一部の実施形態において、バインダは、物品の再帰反射性を向上させる拡散散乱性又は鏡面反射性顔料のような1つ以上の顔料の形態で補助リフレクタを含んでいてもよい。
好適なコア110の選択時、コアは、屈折率材料でまずコーティングされて第1の完全同心光学干渉層120を形成してもよい。一部の実施形態において、本明細書に記載されるように、第1の層120は、コア110を同心コーティングするようにまず形成され、本明細書に更に記載されるように、続いて更に、異なる屈折率を有する他の材料でコーティングされ、第2、第3又はそれ以上の完全同心光学干渉層を与える。再帰反射素子100は、再帰反射素子を基材又は支持体に取り付けることによって、例えば、再帰反射素子をポリマーバインダ若しくは接着剤に埋め込むことによって、反射性物品中の構成成分として使用され、別の物品(例えば、衣類)に取り付けることができるビーズ基材を提供してもよい。一部の実施形態において、補助リフレクタは物品の構成体に含まれていてもよい。
一部の実施形態において、固体球形コアは、約25マイクロメートル〜約500マイクロメートルの範囲内にある直径を有する。一部の実施形態において、コアは、約500マイクロメートルを超える直径を有することができる。更に他の実施形態において、コア直径は1ミリメートルを超えてもよい。
界面で反射される光は、転相して又は転相せずに反射されてもよい。高い屈折率を有する媒体を通過し、低い屈折率を有する媒体との界面とぶつかる光は、転相せずに反射される。対照的に、低い屈折率を有する媒体を通過し、高い屈折率を有する媒体との界面にぶつかる光は、転相して反射される。結果として、光学干渉層120の厚さは、コア110の屈折率、第1の同心光学干渉層120の屈折率、及びビーズ100が配設された媒体の屈折率を十分考慮することによって選択される。いずれの場合も、厚さは、外側表面125から反射される光が、界面115から反射された同じ波長の光とπラジアン(すなわち、180°)位相がずれるように選択されるべきである。
他の実施形態において、1つを超える完全同心光学干渉層を含む再帰反射素子が提供される。図2を参照すると、別の実施形態の再帰反射素子200を示して、ここで説明する。再帰反射素子200は、第1の光学干渉層212をその上に有する実質的に球形の透明固体コア210を含む。コア210は、コア210の外側表面と同一空間を占める第1の光学干渉層212と第1の界面216において接触する。第2の同心光学干渉層222は、第2の界面226において第1の同心光学干渉層212を覆う。層222は、再帰反射素子200の最外側表面を提供する外側表面224を有する。第1及び第2光学干渉層212及び222は、実質的に均一な厚さを有し、球形コア210と同心である。
光は、再帰反射素子200に使用される材料間の界面にて反射されるが、ただし異なる材料は、十分異なる屈折率を有する(例えば、少なくとも約0.1の屈折率差を有する)。コア210と第1の光学干渉層212との屈折率の十分な差は、第1の界面216において第1の反射を生じる。同様に、第1の光学干渉層212と第2の光学干渉層222との屈折率の十分な差は、第2の界面226において第2の反射を増大する。第2の光学干渉層222と、層222と接触するいずれかの背景媒体(例えば、真空、気体、液体、固体)との十分な屈折率差は、再帰反射素子200の第3の界面224にて第3の反射を生じる。光学干渉層212及び222の、厚さ及び屈折率の選択により、再帰反射された光を提供する。
複数の再帰反射素子200が物品にて合わせられる場合に、物品は向上した再帰反射輝度を示す。一部の実施形態において、白色光照明下、再帰反射された光は、特定波長に関して互いに相殺的に干渉することがあり、結果として再帰反射された色はこうした干渉がない場合に観測されるであろう色とは異なる色を有する。
再び図2を参照すると、入射光線は、再帰反射素子200に方向付けられるように示される線230によって表される。光230は、大部分が第2の光学干渉層222及び第1の光学干渉層212を通過し、コア210に入る。しかし、入射光230の一部は、第3の界面224にて、第2の界面226にて又は第1の界面216にて反射され得る。コア210に入る光230の一部は、コア210の反対側での屈折によって集束される。屈折した光235は、コア210の背面にて第1の界面216とぶつかり、屈折した光235の一部は、反射された光240として再帰反射素子200の前面に向かって反射され返し、再帰反射素子から再帰反射された光250として入射光230に対して実質的に反平行な方向に出る。集束された光の別の部分は、光学干渉層212を通過して、第2の界面226にて反射された光242として反射され返す。反射された光242は、再帰反射素子から、入射光230に対して実質的に反平行な方向に移動する再帰反射された光252として出る。集束された光の更に別の部分は、第1及び第2の光学干渉層212及び222を通過して、第3の界面224にて反射された光244として反射され返し、再帰反射素子200から再帰反射された光254として出る。光学干渉層224の外側表面は、再帰反射素子200が配設された媒体(例えば、気体、液体、固体又は真空)と第3の界面を形成する。入射光の一部は、反射されずに再帰反射素子200を完全に通過する。
反射された光240、242、244及び順に再帰反射された光250、252、254間の干渉により、入射光(例えば、入射白色光)に関して再帰反射された光の色に変化を生じさせる場合がある。例えば、入射白色光のスペクトルの中心から波長を差し引くと、赤−紫色相を有する再帰反射された光を生じる(すなわち、レトロクロミズム)。僅かに厚い光学干渉層は、長波長を差し引き、結果として例えば、緑又は青緑色相をもたらす。物品に組み込まれる場合、複数の再帰反射素子200は、隠れた色、デザイン、メッセージなどを提供することによって物品の外観を向上させる再帰反射色を与えることができる。再帰反射色効果は、異なる材料の光学干渉層212及び222を有する再帰反射素子200を製造することによって、並びにこうした材料の厚さ及び屈折率を選択して、上述された再帰反射された光250、252、254が互いに相殺的に干渉させるようにすることによって得ることができる。結果として、再帰反射素子200は、再帰反射モードで観察される場合、そうでなく相殺的干渉の不存在下で観察される場合に観察されるであろう色とは異なる色の再帰反射された光を与える。
他の実施形態において、光学干渉層212、222の材料、厚さ及び屈折率の適切な選択により、再帰反射素子200は、例えば、コーティングされていない再帰反射素子から再帰反射された光よりも明るい(例えば、より高い再帰反射係数(Ra)を有する)再帰反射された光250、252、254を与えることができる。物品に組み込まれる場合、複数の再帰反射素子200は、物品の視認性を向上させる再帰反射特性を提供する。反射された光240、242、244と順に再帰反射された光250、252、254間の建設的干渉により、再帰反射された光の輝度又は強度を予測不可能に増大させる。一部の実施形態において、2つの光学干渉層のコーティング厚さは、層がシリカ/チタニアの交互層であり、コアが約30μm〜約90μmの測定直径を有し、約1.93の屈折率を有するガラスビーズを含む場合に最大再帰反射性を与えるように最適化できる。こうした実施形態において、約95nm〜120nm、通常約110nmの厚さを有するシリカの第1の光学干渉層212、約45nm〜80nmの厚さ、通常約60nmの厚さを有するチタニアの第2の光学干渉層222は、再帰反射素子が部分的にアクリレート接着剤に単層として埋め込まれる場合に顕著に向上した再帰反射係数(Ra)を与えた。
材料間の界面での反射は、2つの材料の屈折率の差に依存する。コア及び光学干渉層の材料は、本明細書に記載されるように、種々の材料のいずれかから選択されてもよい。選択された材料は、屈折率の十分な差が隣接材料(例えば、コア/層212、層212/層222)間で維持される限り、及びコアが所望の屈折を与える限り、高い又は低い屈折率材料のいずれを含んでいてもよい。コア210と第1の光学干渉層212との屈折率の差、第1の光学干渉層212と第2の光学干渉層222との屈折率の差、及び第2の光学干渉層222と再帰反射素子200の背面側が配置されることを目的とした媒体との屈折率の差はそれぞれ少なくとも約0.1であるべきである。一部の実施形態において、隣接層間の差はそれぞれ少なくとも約0.2である。他の実施形態において、差は少なくとも約0.3であり、更に他の実施形態において、差は少なくとも約0.5である。光学干渉層212の屈折率は、コア210の屈折率より大きい又は小さいのいずれかであってもよい。一部の実施形態において、屈折率の選択及び使用される材料の対応する選択は、反射が生じることを目的とした第3の界面224を形成するように再帰反射素子200の外側表面と接触する媒体を選択することによって決定される。
上述したように、空気によって囲まれた前面と約1.55の屈折率を有する媒体、例えば、ポリマーバインダによって囲まれた(例えば、媒体に埋め込まれた)後方面を有し、白色光で照らされた完全に同心でコーティングされた再帰反射素子に関して、明所視で計量された正味の反射光強度は、それが、再帰反射素子に入って出て行くときに再帰反射された正確に反平行な光線の一連の透過及び反射事象によって決定される限りは、所与の望ましいコーティング材料及び屈折率値の組に関してコーティング厚さによって大きく異なり得る。2つのコーティング層(例えば、1.93の屈折率のビーズコア上の非晶質シリカ、続いて非晶質チタニア)によって確立された3つの界面によって生じた反射光の明所視で計量された正味の強度は、少なくとも4倍異なり得る。コーティング及び厚さの特定の選択に関して、反射された光の明所視で計量された正味の強度は、コーティングされていないビーズの形態での再帰反射素子に対して顕著に減少し得る。
他の実施形態において、2つを超える光学干渉層を含む再帰反射素子を提供できる。図3を参照すると、別の実施形態である再帰反射素子300の形態の再帰反射素子を示し、ここで説明する。再帰反射素子300は、第1の光学干渉層312をその上に有する実質的に球形の透明固体コア310を含む。コア310は、第1の界面316において第1の光学干渉層312と接触する。第2の同心光学干渉層322は、第1の同心光学干渉層312を覆う。層322は、第1の層312の外側表面又は最外側表面326と接触する内側表面を有し、第2の界面を形成する。再帰反射素子300は、第2の光学干渉層322の最外側表面324と接触する第3の光学干渉層327を含み、第3の界面を提供する。第3の光学干渉層327は、再帰反射素子300の最外側表面を形成する外側表面328を含み、第4の界面を提供する。第1、第2、及び第3の光学干渉層312、322及び327は、実質的に均一な厚さを有し、球形コア310と同心である。
光は、再帰反射素子300に使用される材料間の界面にて反射されるが、ただし異なる材料は、十分異なる屈折率を有する(例えば、少なくとも約0.1の屈折率差を有する)。コア310と第1の光学干渉層312との屈折率の十分な差は、第1の界面316にて第1の反射を生じる。同様に、第1の光学干渉層312と第2の光学干渉層322との屈折率の十分な差は、第2の界面326において第2の反射を生じる。第2の光学干渉層322と第3の光学干渉層327の屈折率の十分な差は、第3の界面324において第3の反射を生じる。第3の光学干渉層327と第3の光学干渉層327と接触するいずれかの背景媒体(例えば、真空、気体、液体、固体)との十分な屈折率差は、再帰反射素子300の第4の界面328にて第4の反射を生じる。光学干渉層312、322及び327の厚さ及び屈折率の選択により、4つの反射が再帰反射素子300をその一部として含む物品の視認性を向上させる再帰反射された光を与える。一部の実施形態において、白色照明下では、4つの反射は、特定波長に関して互いに相殺的に干渉することがあり、結果として再帰反射された光がこうした干渉がない場合に観測されるであろう色とは異なる色を有するというレトロクロミズムを生じる。
再び図3を参照すると、入射光線330は、再帰反射素子300に向くように示される。光330は大部分が、第3の光学干渉層327、第2の光学干渉層322、及び第1の光学干渉層312を通過した後、コア310に入るように示される。しかし、入射光330の一部は、第4の界面328、第3の界面324、第2の界面326、又は第1の界面316にて反射され得る。光330のコア310に入る部分は、コア310の反対側での屈折によって集束される。屈折した光335は、コア310の背面にて第1の界面316とぶつかり、屈折した光335の一部は、反射された光340として再帰反射素子300の前方に向かって反射され返され、再帰反射素子から再帰反射された光350として入射光330に対して実質的に反平行な方向に出る。集束された光の別の部分は、光学干渉層312を通過し、第2の界面326にて反射された光342として反射され返す。反射された光342は、再帰反射素子から、入射光330に対して実質的に反平行な方向に移動する再帰反射された光352として出る。集束された光の更に別の部分は、第1及び第2の光学干渉層312及び322を通過し、第3の界面324にて反射された光344として反射され返し、再帰反射素子300から再帰反射された光354として出る。集束された光の更に別の部分は、第1、第2及び第3の光学干渉層312、322及び327を通過して、第4の界面328にて反射された光346として反射され返し、再帰反射素子300から再帰反射された光356として出る。光学干渉層327の外側表面は、再帰反射素子300が配設された媒体(例えば、気体、液体、固体、又は真空)と第4の界面328を形成する。入射光の一部は、反射されずに再帰反射素子300を完全に通過する。
反射された光340、342、344、346及び順に再帰反射された光350、352、354、356間の干渉により、入射光(例えば、入射白色光)に関して再帰反射された光の色に変化を生じさせる場合がある。例えば、入射白色光のスペクトルの中心から波長を差し引くと、赤−紫色相を有する再帰反射された光を生じる(すなわちレトロクロミズム)。僅かに厚い光学干渉層は、長波長を差し引き、結果として例えば、緑又は青緑色相をもたらす。物品に組み込まれる場合、複数の再帰反射素子300は、隠れた色、デザイン、メッセージなどを提供することによって物品の外観を向上させるレトロクロミック特性を提供できる。レトロクロミック効果は、異なる材料の光学干渉層312、322及び327を有する再帰反射素子300を製造することによって、並びこうした材料の厚さ及び屈折率を選択して、上述された再帰反射された光350、352、354、356が互いに相殺的に干渉させるようにすることによって得ることができる。結果として、再帰反射素子300は、再帰反射モードで観察する場合に、そうでなく相殺的干渉がない場合に観察されるであろう色とは異なる色の再帰反射された光を与える。
他の実施形態において、光学干渉層312、322、327の材料、厚さ及び屈折率の適切な選択により、再帰反射素子300は、例えば、コーティングされていない再帰反射素子から再帰反射された光よりも明るい(例えば、より高い再帰反射係数(Ra)を有する)再帰反射された光350、352、354、356を与えることができる。物品に組み込まれる場合、複数の再帰反射素子300は、物品の視認性を向上させる再帰反射特性を与える。反射された光340、342、344、346と、順に再帰反射された光350、352、354、356間の建設的干渉により、再帰反射された光の輝度又は強度を予想不可能に増大させる。一部の実施形態において、3つの光学干渉層のコーティング厚さは、層がシリカ/チタニア/シリカの交互層であり、コアが約30マイクロメートル〜約90マイクロメートルの測定直径を有し、約1.93の屈折率を有する固体ガラスビーズを含む場合に最大再帰反射性を与えるように最適化できる。こうした実施形態において、約95nm〜120nm、通常約110nmの厚さを有するシリカの第1の光学干渉層312、約45nm〜約80nm、通常約60nmの厚さを有するチタニアの第2の光学干渉層322、及び約70nm〜115nm、通常約100nmの厚さを有するシリカの第3の光学干渉層327は、再帰反射素子が部分的にアクリレート接着剤に単層として埋め込まれる場合に顕著に向上した再帰反射係数(Ra)を与えた。
材料間の界面での反射は、2つの材料の屈折率の差に依存する。コア及び光学干渉層の材料は、本明細書に記載されるように、種々の材料のいずれかから選択されてもよい。選択された材料は、屈折率の十分な差が隣接材料(例えば、コア310/層312、層312/層322、層322/層327)間で維持される限り、及びコアが所望の屈折を与える限り、高い又は低い屈折率材料のいずれを含んでいてもよい。コア310と第1の光学干渉層312との屈折率の差、及び第1の光学干渉層312と第2の光学干渉層322との屈折率の差、及び第2の光学干渉層322と第3の光学干渉層327との屈折率の差、及び第3の光学干渉層327と再帰反射素子300の背面側が配置されることを目的とした媒体との屈折率の差はそれぞれ、少なくとも約0.1であるべきである。一部の実施形態において、隣接層間の差はそれぞれ少なくとも約0.2である。他の実施形態において、差は少なくとも約0.3であり、更に他の実施形態において、差は少なくとも約0.5である。光学干渉層312の屈折率は、コア310の屈折率より大きい又は小さいのいずれかであってもよい。一部の実施形態において、屈折率の選択及び使用される材料の対応する選択は、反射が生じることを目的とした第3の界面324を形成するように再帰反射素子300の外側表面と接触する媒体を選択することによって決定される。
上述したように、空気によって囲まれた前面と約1.55の屈折率を有する媒体、例えば、ポリマーバインダによって囲まれた(例えば、媒体に埋め込まれた)後方面を有し、白色光で照らされた完全に同心でコーティングされた再帰反射素子に関して、明所視で計量された正味の反射光強度は、それが、再帰反射素子に入って出て行くときに再帰反射された正確に反平行な光線の一連の透過及び反射事象によって決定される限りは、所与の望ましいコーティング材料及び屈折率値の組に関してコーティング厚さによって大きく異なり得る。3つのコーティング層(例えば、1.93の屈折率のビーズコア上の非晶質シリカ、続いて非晶質チタニア、続いて非晶質シリカ)によって確立された4つの界面によって生じた反射光の明所視で計量された正味の強度は、少なくとも4倍異なり得る。コーティング及び厚さの特定の選択に関して、反射された光の明所視で計量された正味の強度は、コーティングされていないビーズの形態での再帰反射素子に対して顕著に減少し得る。
前述の光学干渉層のためのコーティングとして使用するのに好適な材料としては、透明コーティングを与える無機材料が挙げられる。このようなコーティングは、明るい、高度に再帰反射性の物品を製造する傾向にある。無機酸化物、例えば、TiO(2.2〜2.7の屈折率)及びSiO(1.4〜1.5の屈折率)及び無機硫化物、例えば、ZnS(2.2の屈折率)は、前述の無機材料の範囲内に含まれる。前述の材料は、種々の技術のいずれかを用いて適用できる。相対的に高い屈折率を有する他の好適な材料としては、CdS、CeO、ZrO、Bi、ZnSe、WO、PbO、ZnO、Ta、及び当業者に既知の他のものが挙げられる。本発明に使用するのに好適な他の屈折率の低い材料としては、Al、B、AlF、MgO、CaF、CeF、LiF、MgF及びNaAlFが挙げられる。
本発明のコーティングされた再帰反射素子は、非水溶性である必要がない環境中で使用される予定の場合、他の材料、例えば、塩化ナトリウム(NaCl)を使用してもよい。更に、層の少なくとも1つが有機コーティングであるような多層でビーズコアを同心コーティングすることも本発明の範囲内である。一部の実施形態において、1つ以上の有機コーティングの使用は、有機コーティング、及びそこに支持されたその他のコーティングがコーティングされた再帰反射素子の前面から優先的に取り除かれることを目的とする場合に好ましい。前面コーティングの選択的除去は、そのままで背景ポリマーバインダに隣接する場合の界面の集合に関して高い反射率を有するコーティングデザインを提供するために所望される場合もあるが、正面コーティングが除去される場合に正面の反射率を低下させるために所望される場合もある。
一部の実施形態において、1つ以上の光学干渉層の一部は、除去されて、下層の光学干渉層を露呈する又はコアの少なくとも一部を露呈させることができる。1つ以上の光学干渉層の部分的除去は、再帰反射素子の初期製造中に、製品をその分野にもたらす前に、又は再帰反射素子を含む製品が最終使用に既にもたらされ、適用された後で、行うことができる(例えば、水による除去)。
一部の実施形態において、再帰反射素子300は、乾燥条件下で露出レンズ構成体において高い再帰反射性を有する物品に使用される。こうした実施形態において、再帰反射素子300の固体球形コア310は、通常、約1.5〜約2.1の屈折率を有する。通常、入口媒体が空気である場合、コア310の屈折率は約1.5〜2.1である。他の実施形態において、コア310の屈折率は約1.7〜約2.0である。他の実施形態において、コア310の屈折率は約1.8〜約1.95である。他の実施形態において、コア310の屈折率は約1.9〜約1.94である。
所望のレベルの再帰反射性を得るために、固体球形コア310は、相対的に高い屈折率を有するように選択されてもよい。一部の実施形態において、コアの屈折率は約1.5より大きい。他の実施形態において、コアの屈折率は約1.55〜約2.0である。一部の実施形態において、コア310は、低屈折率材料(例えば、1.4〜1.7)で第1コーティングされ、第1の光学干渉層312を形成してもよく、続いて高屈折率材料(例えば、2.0〜2.6)でコーティングして第2の光学干渉層322を形成してもよい。その後、第3の光学干渉層327は、低屈折率材料(例えば、1.4〜1.7)を用いて第2の光学干渉層上にコーティングされてもよい。再帰反射素子300は、再帰反射素子を基材又は支持体に取り付けることによって反射性物品における構成要素として使用されてもよい。こうした構成において、第3の光学干渉層327は、例えば、ポリマー接着剤又はバインダによって基材に取り付けられる。上述の物品の一部の実施形態において、補助リフレクタは、物品の反射特性及び再帰反射性を向上させる拡散散乱性又は鏡面反射性顔料を含む、例えば、有色バインダを使用することによって提供されてもよい。
他の実施形態において、固体球形コア310は、相対的に高い屈折率を有する(例えば、約1.5より大きい)ように選択される。こうした実施形態において、固体コア310は、高屈折率材料(例えば、2.0〜2.6)で第1コーティングを行い第1の光学干渉層312を形成し、次いで低屈折率材料(例えば、1.4〜1.7)でコーティングを行い、第2の光学干渉層322を提供する。その後、第3の光学干渉層327は、高屈折率材料(例えば、2.0〜2.6)を用いて第2の光学干渉層上にコーティングされてもよい。得られた再帰反射素子300は、基材又は支持体に取り付けられた再帰反射素子300を有する反射性物品の構成要素として使用されてもよい。こうした構成において、再帰反射素子は、例えば、ポリマーバインダに埋め込まれた第3の光学干渉層327を有する基材に取り付けられる。一部の実施形態において、バインダ自体は、物品の再帰反射性を向上させる拡散散乱性又は鏡面反射性顔料で色付けされてもよい。
本明細書に記載の再帰反射素子を含む物品は、再帰反射モードで観察される場合にパターンを与えるように製造できる。本明細書で使用するとき、「パターン」は、複数の領域によって規定され、複数の領域で構成される。本発明の一部の実施形態において、コーティングされた再帰反射素子は、再帰反射モード及び他のモードで観察される場合に、それぞれ認識可能な領域に配置される。レトロクロミックパターンは、再帰反射モードで観察される場合にのみ認識可能な1つ以上のレトロクロミック領域を含むことができる。こうしたレトロクロミックパターンは、「隠れた」パターンであると称される。
レトロクロミックであるものを含む再帰反射パターンは、いずれかの大きさ及び/又は形状(例えば、実質的に1、2又は3次元)を有することができ、幾何学的形状、例えば、円、線(例えば、波線、直線又は曲線)、多角形(例えば、三角形、四角形、長方形)、多面体(例えば、立方体、四面体、ピラミッド、球体)、又は他のしるし、例えば、1つ以上の英数字(例えば、文字、数字、商標、ロゴ、公印)、及び/又は図形にて提供されてもよい。一部の実施形態において、再帰反射及び/又はレトロクロミックパターンは、パターンが拡大又はそれらを識別するためのその他の観察補助具を必要とするような微細な大きさで提供される。より大きい再帰反射及び/又はレトロクロミックパターンも有用であり、より大きい再帰反射及び/又はレトロクロミックパターン内に微細な再帰反射及び/又はレトロクロミックパターンを提供することは本発明の範囲内である。
再帰反射及び/又はレトロクロミックパターンは、本明細書に記載されるコーティングされた再帰反射素子を利用して、及び任意に他の再帰反射及び/又はレトロクロミック再帰反射素子、例えば、米国特許第7,036,944号(Buddら)に記載されるようなものを含んで、及び/又は例えば、同第2,326,634号(Gebhardら)及び同第5,620,775号(LaPerre)に記載されるような再帰反射の非レトロクロミック再帰反射素子と共に形成されるが、それらの開示は本明細書に参考として組み込まれる。
本発明の再帰反射素子が物品に組み込まれる場合、再帰反射素子の構成体は、物品が高度に再帰反射性であるかどうか、並びに物品がまた、再帰反射モードで観察される場合に、隠れた色を示すかどうかに影響し得る。シリカ及び/又はチタニアでコーティングされた再帰反射素子に関して、金属酸化物層のコーティング厚さは、最終物品の再帰反射特性に影響し得る。例えば、1.9RIガラスコア上にコーティングされた2つの完全同心光学干渉層を含み、その第1の光学干渉層が約110nm厚さのシリカであり、第2の光学干渉層がチタニアである再帰反射素子は、チタニアの第2の光学干渉層が、100nm〜215nmの範囲内のコーティング厚さである場合に、顕著に隠れた色を示すことができる。チタニア層が100nm未満である場合、色はほとんど又は全く観測されない。これらの観測は、再帰反射素子がポリマー支持体に接着されるかどうか、又はそれらが再帰反射素子の外側表面全体に隣接する「空気」を有するガラスバイアル瓶にて観察されるかどうかに拘わらず、あてはまる。1.9RIガラスコア上にコーティングされた3つの完全同心光学干渉層を含み、その第1の光学干渉層が約110nm厚さのシリカであり、第2の光学干渉層が約60nm厚さのチタニアであり、第3の光学干渉層がシリカである再帰反射素子は、再帰反射素子がガラスバイアル瓶で観察される場合に、シリカの第3の光学干渉層が、50nm〜75nm、並びに95nm〜120nmの範囲内の厚さを有するようにコーティングされる場合に、顕著に隠れた色を示すことができる。0〜50又は75〜95nmの範囲内にあるコーティング厚さではほとんど又は全く色が観察されない。再帰反射素子がポリマー支持体に接着される場合、色は、30nm〜120nmの範囲内にてシリカの第3の光学干渉層を有する再帰反射素子で観測される。
再帰反射された色を示し、レトロクロミックであるシリカ、チタニア及びシリカの完全同心光学干渉層を有する再帰反射素子は、再帰反射素子の背面が空気で囲まれる場合に1つの再帰反射された色を示すことができ、再帰反射素子の背面がポリマーに埋め込まれた場合には異なる再帰反射された色を示すことができる。色シフト再帰反射物品は、ポリマー層又は基材に部分的に沈下した再帰反射素子を含むことができる。こうした実施形態において、再帰反射素子が十分に露呈した領域を含む場合、入射光の集束領域は、ポリマー中に埋め込まれた素子表面上の領域に近い、又は例えば、物品を傾斜させることによってポリマー層若しくは基材の上方(例えば、非沈下)にある再帰反射素子の表面領域に近い観察者によって設定することができる。後方面がポリマーに入れられた場合の再帰反射色は、表面に垂直(すなわち、0度)から特定臨界角に及ぶ照明入射角度範囲に関して示される。後方面が空気中に入れられた場合の再帰反射色は、表面に対して垂直から(すなわち、90度は、表面に平行な入射光に対応する)測定される場合に、臨界角を超える照明入射角度に関して示される。再帰反射素子及びこうした再帰反射素子を含む物品の他の材料及び構成体はまた、前述の構成体に加えて、再帰反射色又は向上した再帰反射輝度を与える。こうした実施形態の全ては、本発明の範囲内であると考えられる。
再帰反射素子の製造
再帰反射素子は、透明ビーズの流動床及び蒸着技術を用いて簡便かつ経済的に調製できる。一般に、気相材料を複数のビーズの流動(すなわち、攪拌型)床に蒸着させるプロセスは、本明細書にて使用されるとき、総じて、同心層が気相形態から個々の透明ビーズの表面に蒸着する「蒸着プロセス」と呼ぶことができる。一部の実施形態において、気相前駆体材料は、透明ビーズに近接して混合され、その場で化学的に反応して、透明ビーズの各表面に材料の層を蒸着させる。他の実施形態において、材料は気相形態で与えられ、化学的反応を本質的に行わずに透明ビーズの各表面に層として蒸着する。
使用される蒸着プロセスに依存して、前駆体材料(反応系蒸着プロセスの場合)又は通常気相の形態である層材料(非反応系プロセスの場合)は、透明ビーズを有する反応器中にある又は配置される。本発明は、同心光学干渉層(例えば、金属酸化物層)を各コアの表面に蒸着させる気相加水分解反応を利用するのが望ましい。こうしたプロセスは、化学気相成長(「CVD」)反応と呼ばれることがある。
望ましくは、低温常圧の化学気相成長(「APCVD」)プロセスが使用される。こうしたプロセスは、真空システムを必要とせず、速いコーティング速度を提供できる。加水分解系APCVD(すなわち、水が反応前駆体と反応するAPCVD)は、低温、例えば、通常300℃より十分低い温度にて極めて均一な層を得ることができるため、最も望ましい。
次は例示的な気相加水分解系反応である。
TiCl+2HO→TiO+4HCl
例示的な反応において、水蒸気及び四塩化チタンは、一緒になって、金属酸化物前駆体材料であると考えられる。
有用な流動床蒸着技術は、例えば、米国特許第5,673,148号(Morrisら)に記載され、その開示は本明細書に参考として組み込まれる。
高度な流動床は、所与の粒子及び粒子集団全体の両方に関して均一な層が形成されることを確実にできる。透明ビーズの全表面を本質的に覆う実質的に連続な層を形成するために、透明ビーズは、流動床反応器中で浮遊させる。通常流動化は、透明ビーズのアグロメレーションを有効に防ぐ傾向があり、透明ビーズ及び反応前駆体材料の混合を均一にして、より均一な反応条件を与え、それによって高度に均一な同心光学干渉層を得る。透明ビーズを攪拌することによって、本質的に各アセンブリの表面全体を、蒸着中に露呈し、アセンブリ及び反応前駆体又は層材料を十分混じり合わせることができ、その結果各ビーズの実質的に均一で完全なコーティングが達成される。
粒塊を生じる傾向にある透明ビーズを使用する場合、透明ビーズを流動化助剤、例えば、少量のヒュームドシリカ、沈殿シリカ、商品名「VOLAN」(Zaclon,Inc.,Cleveland,Ohioから入手可能)を有するメタクリレート塩化クロムでコーティングすることが望ましい。こうした助剤の選択及びその有用な量の選択は、当業者により容易に決定できる。
前駆体材料を気相で得て、それらを反応器に添加する1つの技術は、本明細書ではキャリアガスと呼ばれるガス流、望ましくは非反応性ガス流をバブリングして、前駆体材料の溶液又は非希釈形態の液体中に通し、次いで反応器に入れるというものである。代表的なキャリアガスとしては、アルゴン、窒素、酸素、及び/又は乾燥空気が挙げられる。
特定適用のためのキャリアガスの最適流量は、通常は、少なくとも部分的には、反応器内の温度、前駆体流の温度、反応器内のアセンブリ攪拌の程度、及び使用される特定前駆体に依存するが、有用な流量は、慣用の最適化技術によって容易に決定できる。望ましくは、前駆体材料を反応器に輸送するために使用されるキャリアガスの流量は、透明ビーズを攪拌するため、及び最適量の前駆体材料を反応器に輸送するための両方に十分である。
図4を参照すると、再帰反射素子の製造に関する代表的なプロセスが概略的に示されている。キャリアガスは、ライン402aを通って供給され、そのガスは水バブラー404を通してバブリングされ、水蒸気含有前駆体流が生成され、それがスチームライン408に向けられる。キャリアガスの第2の流れは、ライン402bを通って供給され、四塩化チタンバブラー406を通してバブリングされ、四塩化チタン含有前駆体流が生成し、それがライン430に向けられる。ライン408及び430内の前駆体流は、反応器420に輸送される。コアは、入口410を通って反応器420内に導入され、出口400は、反応器420から再帰反射素子400を取り出すために設けられる。
前駆体流量は、コーティングされていないビーズに適切な蒸着速度を与えるように、及び所望の質及び特徴を有する金属酸化物層を提供するために調節される。望ましくは、流量は、反応器チャンバに存在する前駆体材料の比が、透明ビーズの表面に金属酸化物が蒸着するのを促進するように調節され、チャンバ内の他の地点で分離性、すなわち浮動性の金属酸化物粒子の形成を最小限にする。例えば、四塩化チタン及び水からチタニアの層を蒸着させる場合、各四塩化チタン分子あたり約8個の水分子から、2個の四塩化チタン分子あたり1個の水分子までの比が一般に好適であり、四塩化チタン分子あたり約2個の水分子が好ましい。これらの条件下、四塩化チタンの大部分と反応するのに十分な水が存在し、水の大部分は、再帰反射素子の表面に吸着される。更により高い比では、相当量の吸着されていない水が生じる傾向にあり、所望の酸化物層ではなく酸化物粒子の形成が生じることがある。
一部の実施形態において、前駆体材料は、加水分解反応及び層蒸着プロセスとの両方のために十分な量の前駆体材料が反応器に輸送され、好都合な速度で進行する十分高い蒸気圧を有する。例えば、相対的に高い蒸気圧を有する前駆体材料は、通常、相対的に低い蒸気圧を有する前駆体材料よりも速い蒸着速度を与え、より短時間の蒸着時間が使用可能になる。前駆体供給源は、冷却されて蒸気圧を低下させるか、又は加熱して材料の蒸気圧を増大させてもよい。後者は、供給源と反応器との間の凝集を防止するために、前駆体材料を反応器に輸送するために使用される管又は他の手段の加熱を必要とする場合がある。多くの場合、前駆体材料は、室温で非希釈形態の液体の形態である。場合によっては、前駆体材料は、昇華性固体として利用可能な場合がある。
一部の実施形態において、ガラスビーズのコーティングは、約300℃未満、通常約200℃未満の温度での加水分解反応を介して、高密度の金属酸化物コーティングを形成できる前駆体材料を利用する。一部の実施形態において、四塩化チタン及び/又は四塩化ケイ素、及び水は前駆体材料として使用される。揮発性金属塩化物に加えて、本発明の一部の実施形態は、他の前駆体材料、例えば、水と、金属アルコキシド(例えば、チタンイソプロポキシド、シリコンエトキシド、ジルコニウムn−プロポキシド)、金属アルキル(例えば、トリメチルアルミニウム、ジエチル亜鉛)の少なくとも1つとの混合物などを利用する。コーティングプロセスにて同時に幾つかの前駆体を利用するのが望ましい場合がある。
望ましくは、互いに反応性の前駆体材料、例えば、TiCl及びHOは、輸送システム内にて早期の反応を防止するために反応器に添加する前には混合されない。したがって、反応器チャンバ内には複数のガス流が提供され得る。
蒸着プロセスとしては、加水分解系CVD及び/又はその他のプロセスを含む。こうしたプロセスにおいて、ビーズは、通常、ビーズ上への所望の割合での有効な蒸着及び同心光学干渉層の形成を促進するのに好適な温度にて維持される。蒸着プロセスが行われる温度を増大させると、得られた同心層はより稠密になり、より少量の逃散性未反応前駆体を保持する。スパッタリング又はプラズマ補助化学気相成長プロセスは、利用される場合、コーティングされる物品の最小限の加熱が必要となることが多いが、通常、真空システムを必要とし、小さいガラスビーズのような特定材料をコーティングする場合に使用するのが困難な場合がある。
通常、透明ビーズを不必要に分解することがないように十分低い温度にて操作される蒸着プロセスが選択されるべきである。故に、光学干渉層の蒸着は、約300℃未満、より典型的には約200℃未満の温度にて加水分解系APCVDプロセスを用いて達成されるのが望ましい。
四塩化物から蒸着したチタニア及びチタニア−シリカ層が特に望ましく、例えば、約120℃〜約160℃の低温にてAPCVDによって容易に蒸着される。
寸法安定性で実質的に球形のあらゆる透明ビーズが、本発明に使用される同心コーティングされた再帰反射素子用のコアとして使用できる。コアは、1つ以上の波長、通常は可視光の全ての波長に対して実質的に透明であれば、無機、ポリマーなどであってもよい。一部の実施形態において、コアは約20〜約500マイクロメートルの直径を有する。他の実施形態において、コアは、約50〜約100マイクロメートルの直径を有する。他の直径も使用されてもよい。
本発明に使用するのに好適なコアは、約1.5〜約2.5以上の屈折率を有する材料、望ましくはシリカを含む無機ガラス、を含む。一部の実施形態において、コアは、約1.7〜約1.9の屈折率を有する。コアはまた、特定の目的用途に依存して低い屈折率値及び同心光学干渉層の組成を有していてもよい。例えば、約1.50程度に低い屈折率を有するシリカガラス再帰反射素子は、ソーダライム−シリカ(すなわち、窓ガラス)の低コスト及び高い利用可能性のために、コアとして使用されるのが望ましい場合がある。任意に、コアは更に着色剤を含んでいてもよい。
コアとして利用され得る代表的な材料としては、種々のガラスのいずれか(例えば、金属酸化物の混合物、例えば、SiO、B、TiO、ZrO、Al、BaO、SrO、CaO、MgO、KO、NaO)が挙げられる。他の実施形態において、コアは、米国特許第4,564,556号(Lange)及び同第4,758,469号(Lange)に記載されるもののような、固体の透明の非ガラスのセラミック粒子を含んでいてもよく、これらの開示は、その全体が本明細書に参考として組み込まれる。本明細書のコアとして使用するのに好適な市販のガラス再帰反射素子としては、Flex−O−Lite,Inc.(Chesterfield,Mo)から入手可能なものが挙げられる。
代表的な有用着色剤としては、遷移金属、染料及び/又は顔料が挙げられ、通常、コアの化学組成及び利用される処理条件との適合性に従って選択される。
本発明に従って実際に使用される同心光学干渉層は、層を支持するコアとは異なる屈折率を有するいずれかの透明材料であってもよい。一部の実施形態において、同心光学干渉層は、光学干渉層が容易にチップ化又はフレーク化しない強さを保ちつつ、光学的に透明となるように十分平滑であるべきである。
実施形態において、同心光学干渉層は金属酸化物を含む。同心光学干渉層に有用な代表的な金属酸化物としては、チタニア、アルミナ、シリカ、酸化スズ、ジルコニア、酸化アンチモン、及びそれらの混合酸化物が挙げられる。望ましくは、光学干渉層は、次のうち1つ:二酸化チタン、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、又はそれらの組み合わせを含む。一部の実施形態において、チタニア及びチタニア/シリカ層は、それらが容易に蒸着して二重層を形成するので使用される。
種々の光学干渉層厚さ及び再帰反射色を有する再帰反射素子の一部は、連続して反応器から取り出すことができる。故に、1、2、3つ又はそれ以上の複数の再帰反射素子は、それぞれが異なる再帰反射色を有し、集合的にレトロクロミック色パレットを含むが、反応器に大量のビーズを充填し、連続コーティング操作中に連続して再帰反射素子の一部を除去することによって容易に得てもよい。
1つの実施形態では、層の蒸着成長は、例えば、レトロビューワー(例えば、それらの開示が本明細書に参考として組み込まれる米国特許第3,767,291号(Johnson)及び同第3,832,038号(Johnson)に記載されるようなもの)を用いることによって、ガラス壁反応器を用いてその場で、又は反応器から取り出して、再帰反射モードでビーズを観察することによってモニターされてもよい。本質的にレトロクロミック性のビーズ及びそれらを含む物品を観察するのに有用なレトロビューワーはまた、例えば、3M Company(St.Paul,MN)からの商品名「3M VIEWER」として商業的に容易に入手可能である。
材料及び物品
上述の再帰反射素子は、向上した再帰反射特性を有する種々の物品、例えば、繊維、フィラメント及び衣類のいずれかに適用又は組み込まれてもよい。一部の実施形態において、物品は再帰反射色を与える。
衣類の非限定例としては、安全ベスト(例えば、建築作業員用)、上着、シャツ、安全帽、パンツ、靴、ランニング用衣料、バイク用衣料、運動靴(例えば、ランニングシューズ)、その他のスポーツウェアなどが挙げられる。複数の再帰反射素子は、衣類の表面(「衣類面」)にて1つ以上の領域に配置されてもよく、例えば、各領域は、再帰反射モードで観察される場合に視覚可能となるパターン又はデザイン(又はパターン又はデザインの一部)を提供する。一部の実施形態において、再帰反射安全衣類は、衣類面に取り付けられた複数の再帰反射素子を含むように提供され、入射光(例えば、自動車のヘッドライトからの光)が再帰反射素子によって、その衣類を着用している人の視認性を向上させるようなパターン又はデザインで再帰反射される安全機能を与える。一部の実施形態において、衣類面は、審美的に魅力的であると考えられ得ると共に、再帰反射モードで観察した場合に向上した再帰反射輝度を示すデザイン又はパターンで配置される再帰反射素子を含むように提供される。向上した再帰反射輝度のために、こうしたデザイン又はパターンはまた、少なくとも二次安全機能として作用する。
本発明の実施形態において、1つ以上の完全同心光学干渉層を有する再帰反射素子はまず、支持体又は基材に取り付けられて支持され、順に衣類面に取り付けられ得る再帰反射シートを提供する。一部の実施形態において、再帰反射素子は、各領域内の再帰反射素子が識別可能な再帰反射特性を提供するように1つ以上の領域を含むパターン又はデザインにて基材上に配置される。例えば、再帰反射素子は、明るい再帰反射性であり、任意に再帰反射色を提供する縞パターンを提供するように基材に適用されてもよい。目的とする用途に依存して、パターンは一定距離にて認識可能であるのに十分な大きさで提供される。
再帰反射シートが衣類面に取り付けられて、安全ベスト又は同様の安全衣類を提供する場合、縞パターンは、明るい再帰反射性であり、例えば、自動車のヘッドライトによって照らされる場合に相当な距離からでも視覚可能である。再帰反射パターン又はデザインは、再帰反射構成要素(例えば、再帰反射素子)及び非再帰反射構成要素との組み合わせを含むことができ、それによってパターン又はデザインは、周囲照明又は拡散照明にて見られる場合の初期外観と、再帰反射モードで観察される場合の第2の外観を有する。一部の実施形態において、再帰反射素子は再帰反射色を提供してもよい。当業者には明らかなように、非再帰反射構成要素はまた、支持体又は基材に加えられてもよく、例えば、従来の着色剤、例えば、染料、顔料などを含んで、周囲照明又は拡散照明下で観察される場合にデザイン又はパターンの少なくとも一部を着色できる。
再帰反射素子用の基材は、基材材料が衣類に含まれるのに好適である限り、種々のいずれかの好適な材料で製造できる。好適な材料としては、金属性フィルム、高分子フィルム、織布材料、編物材料、不織布材料などが挙げられる。一部の実施形態において、再帰反射素子は、高分子フィルムのようなフィルムの少なくとも1つの主表面に結合される。一部の実施形態において、再帰反射素子は、接着剤で基材に接着されてもよい。一部の実施形態において、再帰反射素子は、少なくとも部分的に埋め込まれて、それによって高分子フィルムの主表面の1つに取り付けられ、それによって素子を基材に取り付け、各再帰反射素子の一部は基材の主表面上方に延びる。一部の実施形態において、基材は、1つ以上の熱可塑性ポリマーを含むフィルムである。一部の実施形態において、基材は、ポリマーでコーティングされた別の材料を含む。前述の実施形態において、材料は非ポリマーであってもよい。1つの実施形態では、好適な基材はポリエチレンコーティングされた紙のシートを含む。一部の実施形態において、基材は、少なくとも部分的に架橋された熱硬化性ポリマーを含む。
化学バインダ又は接着剤を用いて再帰反射素子が衣類面に直接取り付けられ得る実施形態において、好適なバインダ又は接着剤は、1つ以上のポリマー、モノマー、オリゴマーなどを含んでいてもよい。バインダとして使用するのに好適なポリマーは、有機溶媒可溶性ポリマー、水系ポリマー分散液、放射線硬化性ポリマー、及びこれらの組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない。
有機溶媒可溶性ポリマーとしては、ポリウレタン、アクリル系ポリマー、ポリアミド、それらのコポリマー、及びそれらの組み合わせを挙げることができる。市販の溶媒系ポリウレタンとしては、トルエン中の脂肪族ポリウレタンであるStahl USA(Peabody,MA)からの商品名PERMUTHANE、例えば、SU26−248として入手可能なものを挙げることができる。他の好適なポリウレタンとしては、B.F.Goodrich(Cleveland,OH)から入手可能なEstanes、例えば、Estane 5715及び5778、及びHuntsman polyurethanes(Ringwood,Il)から入手可能なMorthanes、例えば、CA118及びCA237を挙げることができ、それらは両方ともポリエステルポリウレタンである。他の好適なポリマーとしては、商品名U−371としてNeoResins DSMから入手可能なものを挙げることができる。
水系ポリマー分散液の例としては、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリアクリル、ポリエーテル、ポリエステル、及びそれらのコポリマー、及びそれらの組み合わせを挙げることができる。好適な水性分散液としては、ウレタン、例えば、商品名NEOREZとしてDSM NeoResins(Wilmington,MA)、特にNEOREZ R−960及びNEOREZ R−9699として入手可能なもの、アクリル、例えば、商品名NEOCRYLとしてDSM NeoResinsから入手可能なもの、例えば、NEOCRYL XK−90、NEOCRLYL XK−96及びNEOCRYL XK−95、並びに、アクリル系ウレタンコポリマー、例えば、商品名NEOPACとしてDSM NeoResinsから入手可能なものを挙げることができる。他の水系ウレタンとしては、Stahl USA(Peabody,MA)から入手可能なRU−077及びRU−075を挙げることができる。
上記で列挙されたポリマーはまた、こうした材料の洗浄耐久性を改善するために部分的に又は完全に架橋されていてもよい。架橋を開始するために、ポリマーバインダ材料は、鎖延長剤及び化学架橋剤を含むことができる。架橋剤の例としては、イソシアネート、例えば、商品名DESMODURとしてBayer AG(Pittsburg,PA)から入手可能なもの、アジリジン架橋剤、例えば、商品名CX−100としてDSM NeoResinsから入手可能なもの、及び商品名XR−2500としてStahl USAから入手可能なものを挙げることができる。好適な鎖延長剤としては、カルボジイミド、例えば、商品名EX62−944として入手可能なもの、及びメラミン、例えば、商品名XR−9174として入手可能なものを挙げることができ、両方ともStahl USAから入手可能である。
好適な架橋可能であるポリマー組成物の例としては、自己架橋性ポリマー分散液が挙げられ、この場合蒸着したコーティングは、乾燥時に自己架橋し、耐久性のコーティング層を形成する。自己架橋性ポリマー分散液は、通常、水の蒸発時に生じる縮合重合を介して反応して化学結合を形成する側鎖基を含有する。自己架橋性ポリマー分散液は、架橋剤を必要とすることなく、耐溶媒性の耐久性バインダ材料を形成するという利点を与える。自己架橋ウレタン分散液の例としては、加水分解性シリル基によって末端処理され、可溶化スルホン酸官能基を含有するポリエステル−ウレタンを挙げることができる。こうしたポリエステル−ウレタンは、米国特許第5,929,160号(Krepskiら)に記載され、その全体は本明細書に参考として組み込まれる。好適な自己架橋性ウレタン分散液の更なる例としては、自己架橋機能を達成するためにヒドロキシル基を含有するポリウレタン水系分散液を含むことができる。好適なヒドロキシル基系ポリウレタンとしては、その全体が本明細書に参考として組み込まれる米国特許出願公開第2003/0199632号(Mazanekら)に記載されるプロセスに準じて調製されるものを挙げることができる。好適な自己架橋ウレタン分散液のなお更なる追加例としては、酸化的に乾燥するポリオールに基づくポリウレタンポリマーハイブリッド分散液、例えば、その全体が本明細書に参考として組み込まれる米国特許第6,462,127号(Ingrischら)に開示されるものを挙げることができる。
市販の自己架橋性ポリマーの例としては、Rohm and Haas Company(Philadelphia,PA)から入手可能な商品名「RHEOPLEX」及び「ROVACE」として販売される分散液が挙げられ、それは通常、基材に適用される着色染料の保護のために繊維製品及び不織布基材用のバインダとして使用される。代表的な組成物としては、商品名「RHEOPLEX HA−12」(約19℃のガラス転移温度を有する非イオン性分散液)及び「RHEOPLEX TR−407」(34℃ガラス転移温度を有するアニオン性分散液)が挙げられ、その両方が良好な洗浄耐久性及び耐化学性を示す。市販の自己架橋ポリマーの更なる例としては、商品名「NEOREZ R−551」ポリエーテル系ポリマー及び「NEOCRYL XK−98」アクリル系エマルションポリマーを挙げることができ、それら両方がDSM NeoResins(Wilmington,MA)から入手可能である。
放射線硬化性ポリマーの例としては、その全体が本明細書に参考として組み込まれるの国際公開第2007/070650号(Ylitaloら)に記載されるものを挙げることができる。
再帰反射素子を基材又は衣類に結合させるために使用できる好適な接着剤としては、アクリレート、ウレタン、シリコーン、エポキシ、ゴム系の接着剤(天然ゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、及びブチルゴム、ブロックコポリマー、及び熱可塑性ゴムを含む)、及びこれらの組み合わせに基づく1つ以上の接着剤が挙げられる。
好適なアクリレートの例は、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、メタクリル酸n−ブチル、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソ−オクチルアクリレート、イソ−ノニルアクリレート、2−エチル−ヘキシルアクリレート、デシルアクリレート、ドデシルアクリレート、n−ブチルアクリレート、アクリル酸ヘキシル、及びそれらの組み合わせのような、アルキルアクリレートモノマーのポリマーを含む。市販のブロックコポリマーの例は、商品名「Kraton G−1657」で、Kraton Polymers,Westhollow,TXから入手可能なものを含む。
好適な接着剤材料の更なる例としては、米国特許出願公開第2003/0012936号(Draheimら)に記載されるものが挙げられる。こうした接着剤材料の幾つかは、3M Company(St.Paul,MN)からの商品名「8141」、「8142」、及び「8161」接着剤として市販されている。
一部の実施形態において、接着剤又はバインダは、任意の充填剤粒子、例えば、二酸化チタン、タルク、炭酸カルシウム及びこれらの組み合わせを有する又は有さないポリマーマトリックスを含んでいてもよい。一部の実施形態において、真珠、真珠光沢、及び鏡面反射性顔料のような反射特性を与え、補助リフレクタとして機能し得る充填剤粒子を使用できる。鏡面反射性顔料の例としては、雲母チタン粒子が挙げられる。反射性顔料がバインダに含まれることは、物品の反射特性を向上させ、更に本明細書に記載される再帰反射素子によって提供される再帰反射輝度を向上させるのに所望される場合がある。前述の実施形態の態様において、着色された接着剤、顔料、染料又はインクの使用は、再帰反射素子が適用される物品又は衣類の反射特性を向上させることができる。一部の実施形態において、蛍光結合材料が、衣類面に再帰反射素子を固定するために使用されて、拡散照明での明るい反射性並びに高度な再帰反射性の表面を与えてもよい。
一部の実施形態において、接着剤又は結合剤は、適切な溶媒に溶解したフォトクロミック染料を用いて調製される。得られた結合剤は、基材にコーティングされて、好適な厚さ(例えば、10〜100マイクロメートル)の粘着性層を与える。再帰反射素子は、結合剤の層上に散布され、層に加圧して強固な結合を確実にする。過剰な再帰反射素子を、結合剤の表面から穏やかに払い落とすことができ、次いで乾燥又は硬化される(例えば、加熱により)。得られた物品において、再帰反射素子は、フォトクロミック効果を与える様式で、衣類面などに結合され、すなわち、得られた再帰反射物品を特定波長の光に曝す場合にはフォトクロミック染料は、露呈期間中に色を変化させるが、光源が取り除かれたときには元の色に戻る(又は色がなくなる)。結合剤中に埋め込まれた再帰反射素子に関して、関連する物品はまた再帰反射性であり、一部の実施形態では再帰反射色も示す。
接着剤が衣類面に色を与える実施形態において、再帰反射素子は、顔料、染料、インクなどを含む着色接着剤のような着色剤と混合される。再帰反射素子及び着色剤の混合物は、単一工程で基材に適用され、一部の実施形態では、混合物は、着色された混合物を表面に適用(例えば、印刷)することによって社名、シンボル又はロゴのような特定の画像を、例えば、衣類面上に創製するために使用される。着色剤は、拡散照明又は周囲照明下で高度に視覚可能である最終画像を与えるように選択されてもよいが、再帰反射素子の存在は、再帰反射モードで観察される場合に画像を変化させる。一部の実施形態において、再帰反射素子は、画像全体の色又は形状に変化はないが、向上した再帰反射輝度を与える。他の実施形態において、再帰反射素子は、再帰反射モードで観察される場合に、再帰反射色を与える。
様々な方法を簡単に説明したが、本発明は、再帰反射素子を基材、衣類面などに適用するいずれかの特定方法に限定されない。同心コーティングされた再帰反射素子は、種々の方法のいずれかを用いて基材に適用されてもよい。一部の実施形態において、まず従来のコーティング方法、例えば、ナイフコーティング、又はいずれかのパターン印刷方法、例えば、スクリーン印刷、フレックス印刷、グラビア印刷、又はインクジェット印刷を用いて接着剤を基材に適用する2工程プロセスを使用してもよい。その後、同心コーティングされた再帰反射素子は、フラッドコーティング又はビーズの領域散布によって接着剤に適用されてもよい。あるいは、同心コーティングされた再帰反射素子を接着剤と混合し、その後好適なコーティング方法、例えば、ロールコーティング、ナイフコーティング、グラビアコーティングなどを用いて単一コーティング工程にて基材に適用する1工程コーティングプロセスを使用してもよい。
再帰反射素子は、上記で記載されるように、衣類面に適用できる再帰反射シートを提供するように、基材中又は基材上に配置されてもよい。再帰反射素子に加えて、再帰反射シートは、1つ以上の補助リフレクタ、例えば、薄膜金属リフレクタを組み込んで、例えば、非再帰反射幾何学形状の下で周囲又は拡散照明にて観察される場合に金属性外観を有する衣類面を提供してもよい。こうした補助リフレクタは、基材上に配置され、そのためリフレクタは、再帰反射素子の後方(例えば、基材の表面と再帰反射素子との間)にあるので、光は再帰反射シートの表面から反射され返される。補助リフレクタを利用する他の構成体も本発明の範囲内にあると想到される。
本発明の一部の実施形態において、1つ以上の完全に同心コーティングされた光学干渉層を含む再帰反射素子は、衣類の構成要素にまず組み込まれてもよい。順に、構成要素は、衣類面に含まれてもよい。一部の実施形態において、個々の繊維は、1つ以上の同心コーティングされた光学干渉層が、細長い繊維性本体の長さの少なくとも一部分に沿って取り付けられ、それによって再帰反射繊維を提供するように複数の再帰反射素子を含んで提供される。再帰反射繊維は、従来の繊維長さの少なくとも一部分に沿って接着剤材料をコーティング又は適用し、その後再帰反射素子を接着剤コーティングされた繊維に適用して、再帰反射繊維を提供することによって調製されてもよく、その繊維は、衣類面又は布地(例えば、不織布材料、織布材料、編物材料など)又は種々のいずれかのアクセサリ品、例えば、イヤリング、靴紐、ネックレス、及びブレスレットに含まれるのに好適である。前述の繊維の一部の実施形態において、接着剤は、アクリル系の感圧性接着剤であり、繊維はポリエステル糸である。
他の実施形態において、1つ以上の完全同心光学干渉層を含む再帰反射素子は、部材内に複数の再帰反射素子を保持するのに十分な内容積容量を有する内部空間を与える中空の透明管状部材で構成されるフィラメント様構成体(「フィラメント」)に組み込まれる。管状部材は、いずれの所望の長さであってもよく、単一の再帰反射素子の幅を収容するのに十分な幅を有する。一部の実施形態において、管状部材の幅は、単一の再帰反射素子の幅とほぼ同じ又はそれよりごく僅かに広いので、管状部材内の再帰反射素子は、一方がもう一方の上部に単一構成要素のカラム状に積層される。管状部材の内側幅は、一部の実施形態においては単一再帰反射素子の幅の少なくとも2倍の幅、一部の実施形態においては再帰反射素子の幅の5倍を超える、一部の実施形態においては再帰反射素子の幅の10倍を超える、一部の実施形態においては再帰反射素子の幅の20倍を超える、一部の実施形態においては再帰反射素子の幅の30倍を超える幅を有する再帰反射素子の管状カラムを収容するために、個々の再帰反射素子の幅の倍数である。一部の実施形態において、管状部材の内部直径は、約45〜約70マイクロメートル、外側直径は約65〜約100マイクロメートルである。最終のフィラメントは、向上した再帰反射光強度を示す。一部の実施形態において、同心コーティングされた再帰反射素子は、フィラメントが再帰反射モードにて観察される場合に1つ以上の再帰反射された色を提供する。前述の再帰反射フィラメントは、衣類面又は布地(例えば、不織布材料、織布材料、編物材料など)又は種々のいずれかのアクセサリ品、例えば、イヤリング、靴紐、ネックレス、及びブレスレットに含まれるのに好適である。
次の非限定例は、本発明の特定の実施形態を例示する。
次の標準手順を使用した。
手順A:再帰反射素子の調製
完全同心光学干渉層を有する再帰反射素子は、その開示が本明細書に参考として組み込まれる米国特許第5,673,148号(Morrisら)に記載のものと同様の常圧化学気相成長プロセス(APCVD)を用いて金属酸化物(チタニア又はシリカ)コーティングを透明ビーズコア上に蒸着させることによって形成した。反応器は30mmの内径を有していた。透明ビーズコアの初期充填として60gを計量した。シリカコーティングのために、反応温度を40℃に設定し、一方、チタニアコーティングは140℃の反応温度を用いて蒸着した。所望の反応温度は、一定温度に維持された加熱オイルバス中に反応器を浸漬させることによって制御した。窒素ガスをガラスフリット反応器底部を通して反応器に導入することによってビーズ床を流動させた。十分な流動化が達成されたら、水バブラーを通過させた窒素キャリアガス流を用いて水蒸気を底部ガラスフリットを通して反応器に導入した。金属酸化物前駆体化合物(SiCl又はTiClのいずれか)は、非希釈形態の液体前駆体を含有するバブラーに窒素キャリアガスを通過させ、流動化したビーズ床に向かって下方に延びたガラス管を通して反応器に気化化合物を導入することによって気化した。
複数のコーティングを有する再帰反射素子に関して、追加の完全同心光学干渉層それぞれについて手順を繰り返すことによって追加の層を蒸着させた。
反応性に富むキャリアガスの流量並びにシリカ及びチタニアコーティングの反応温度を表1に報告する。
Figure 2011509421
場合によっては、異なるコーティング厚さのサンプルを、コーティング時間を変更することによって製造した。これは、様々な時間で反応器から少量の再帰反射素子を取り出すことによって達成した。コーティング速度は、既知のコーティング蒸着時間にて反応器から抽出された特定の同心コーティングされたガラス再帰反射素子を砕き、走査電子顕微鏡を用いてその破砕片を調べてコーティング厚さを直接測定することによって決定した。その後、同心コーティングの厚さを、既知のコーティング時間及びコーティング速度から計算した。約2nm/分のコーティング速度がシリカコーティングには典型的であり、約5nm/分のコーティング速度がチタニアコーティングには典型的であった。
手順B:パッチ輝度
再帰反射輝度の測定は、再帰反射素子の層の再帰反射係数(Ra)の「パッチ輝度」測定を含む。クリアパッチ輝度、並びにホワイトパッチ輝度の測定を行った。クリアパッチ輝度結果は、本明細書において「Ra(CP)」として規定され、ホワイトパッチ輝度結果は「Ra(WP)」と規定される。いずれの場合も、再帰反射素子の層は、再帰反射素子を接着剤テープ上に散布し、その構成体をレトロルミノメーターの下に配置することによって製造した。クリアパッチ輝度に関して、サンプル構成体は、透明テープ(3M Scotch 375 Clear Tape)の接着剤中に再帰反射素子を部分的に埋め込み、暗色(黒色)背景を有する紙のシート上部にテープを配置することによって調製した。ホワイトパッチ輝度サンプル構成体は、テープの接着剤中に再帰反射素子を部分的に埋め込むことによって調製したが、ここで、接着剤は、二酸化チタンで色付けされ、白色を与えた。再帰反射素子は、通常、<50%の再帰反射素子直径が接着剤中に沈むように埋め込んだ。パッチ輝度構成体のそれぞれについて、Cd/m/lux単位のRaは、−4.0度の入口角度及び0.2度の観測角度にて測定される場合にASTM規格E809−94aの手順Bにて確立された手順に従って決定した。こうした測定のために使用されたフォトメーターは、米国防衛特許公開第T987,003号に記載されている。
手順C:色測定
再帰反射色又はレトロクロミック効果は、光学のスペクトロメーター(MCS UV−NIRスペクトロメーター及び50ワットのハロゲン光源並びに二股光ファイバープローブを備えたMultiSpec Series System、Tec5 AG(Oberursol,Germany)から市販)を用いて色座標を測定することによって定量した。同心コーティングされた再帰反射素子は、市販のテープ(3M Scotch 375 Clear Tape)の接着剤中に部分的に埋め込んだ。埋め込まれた再帰反射素子を、約5mmまでの距離にて光ファイバープローブの下に配置し、黒色背景を用いて300nm〜1050nmの波長範囲でスペクトル測定を行った。前面鏡を参照として使用し、全ての測定を規格化した。色度座標は、(色モジュールを備えたMultiSpec(登録商標)Proソフトウェア、Tec5 AG(Oberursol,Germany)から市販)を用いて反射スペクトルから計算した。色座標は、本明細書に特定されるように、特定の比較例及び特定の実施例に従って製造された再帰反射素子について測定した。CIE色度ダイアグラム(1931年版)は、標準黒体曲線と共に参照した。黒体曲線は、約4800K〜7500Kで白色を通過する。これらの温度での対応する色座標は、(0.353,0.363)及び(0.299,0.17)である。再帰反射にて視覚可能な色をほとんど又は全く示さない再帰反射素子から行った測定は、4800K〜7500Kの黒体放射曲線の0.01内にある。(x,y)座標は、元々の1931年の座標に対して10度の視野変更を行った1964年のものに対応することに留意すべきである。CIEチャート及び黒体放射曲線は、Zukauskas et al.,Introduction to Solid State Lighting,John Wiley and Sons(2002);Chapter2(Vision,Photometry,andColorimetry),pp.7〜15に記載されている。
比較例1及び実施例2〜44
比較例1及び実施例2〜44の調製に使用されるビーズコアは、約1.93の屈折率、約60μmの平均直径、並びに、42.5重量%TiO、29.4重量%BaO、14.9重量%SiO、8.5重量%NaO、3.3重量%B、及び1.4重量%KOのおよその組成を有する透明ガラスビーズであるタイプIビーズコアとして本明細書で呼ばれる。比較例1は、コーティングされていないタイプIのビーズコアであった。実施例2〜44は、単一の完全同心光学干渉層を有するように上記手順Aに従って調製した。実施例2〜25に関しては、単一の完全同心光学干渉層はシリカであるが、実施例26〜44はチタニアの単一の完全同心光学干渉層を有していた。ビーズコアを用いて製造されたクリアパッチ構成体のコーティング時間、計算されたコーティング厚さ、及び再帰反射輝度(Ra)を表2に報告する。
Figure 2011509421
再帰反射色は、比較例1及び実施例6、9、11及び13について手順Cに従って評価した。表2Aは、色座標、観測された色、4800K〜7500Kの黒体放射曲線からの距離、及び4800K〜7500Kの黒体放射曲線に最も近い点における座標を列挙する。表記「L/N」は、色はほとんど又は全く観測されなかったことを示す。
Figure 2011509421
実施例45〜69
実施例45〜69はタイプIビーズコアを使用する。コーティングされた再帰反射素子は、手順Aに従って調製し、その結果コーティングされた再帰反射素子は2つの同心光学干渉層を含んでいた。実施例45〜60は、シリカの内側又は第1の光学干渉層及びチタニアの外側又は第2の光学干渉層でコーティングされたタイプIビーズコアを使用して製造された。実施例61〜69は、タイプIビーズコアを用いて製造され、チタニアの内側又は第1の光学干渉層及びシリカの外側又は第2の光学干渉層を用いてコーティングされた。クリアパッチ構成体のコーティング材料、厚さ及び再帰反射輝度(Ra)を表3に報告する。
Figure 2011509421
再帰反射色は、手順Cに従って実施例45、47、49、50、52、54及び55について評価した。表3Aには、色座標、観測された色、4800K〜7500Kの黒体放射曲線からの距離、4800K〜7500Kの黒体放射曲線に最も近い点についての座標を列挙する。表記「L/N」は、観測された色がほとんど又は全くなかったことを示す。
Figure 2011509421
実施例70〜80
実施例70〜80は、タイプIのビーズコア、並びに実施例1〜44の調製のために使用されたものと同じコーティング材料を使用した。コーティングされた再帰反射素子を手順Aに従って調製し、実施例70〜80が3つの完全同心光学干渉層を含むように製造された。クリアパッチ構成体のコーティング材料、厚さ、及び再帰反射輝度(Ra)を表4に報告する。
Figure 2011509421
再帰反射色は、手順Cに従って実施例70及び72〜75について評価した。表4Aは、色座標、観測された色、4800K〜7500Kの黒体放射曲線からの距離、及び4800K〜7500Kの黒体放射曲線に最も近い点の座標を列挙する。表記「L/N」は、色がほとんど又は全く観測されなかったことを示す。
Figure 2011509421
比較例81及び実施例82〜104
比較例81及び実施例82〜104は、比較例1、並びに実施例2〜15及び45〜53と同じ様式にてそれぞれ調製した。これらのコーティングされた再帰反射素子サンプルからの再帰反射色を観測し、記録した。観測された再帰反射色は、再帰反射ビューワー(商品名「3M VIEWER」として3M Company(St.Paul,Minnesota)から入手可能)を通して観察することによって決定した。再帰反射素子の層を、ポリマー接着剤(3M Scotch 375 Clear Tape)に部分的に埋め込んでクリアパッチ輝度を決定した。表5は、サンプルについて、構成体、観測された再帰反射色、及びクリアパッチ輝度を要約する。
Figure 2011509421
比較例105及び実施例106〜110
ホワイトパッチ輝度測定は、上記で記載されたコーティングされた再帰反射素子サンプルのいくつかについて行った。表6は、コーティングされた再帰反射素子の構成体、並びにこれらのサンプルのホワイトパッチ輝度を要約する。
Figure 2011509421
比較例111及び実施例112〜123
ガラスセラミックビーズコアは、米国特許第6,245,700号に記載される方法に従って調製した。タイプIIビーズコアは、屈折率が約1.89で、平均直径が約60マイクロメートルであり、ZrO12.0%、Al29.5%、SiO16.2%、TiO28.0%、MgO4.8%、CaO9.5%(重量%)の組成を有していた。ビーズコアは、手順Aに従って単一層SiO又はTiOでコーティングした。コーティングされた再帰反射素子の構成体並びにクリアパッチ輝度及びホワイトパッチ輝度の両方を、表7に報告する。
Figure 2011509421
比較例139及び実施例140〜160
タイプIIIとして規定されるビーズコアは、米国特許第6,245,700号に記載される方法に従って調製した。タイプIIIビーズコアは、TiO61.3重量%、ZrO7.6重量%、La29.1重量%、ZnO2重量%の組成を有するガラス−セラミック材料で製造されたが、RIは約2.4、平均直径は約60マイクロメートルであった。ビーズコアは、手順Aに従ってSiO又はTiOの単一層コーティングでコーティングした。クリアパッチ輝度及びホワイトパッチ輝度測定は、水でパッチ表面を覆うことによって記録した。コーティング材料、コーティング厚さ及び湿潤ホワイトパッチ及び湿潤クリアパッチ輝度測定を表8に要約する。
Figure 2011509421
実施例161
3つの完全同心光学干渉層を、手順Aに従ってタイプIIIコア上に蒸着させた。表9には、コーティング材料、コーティング厚さ、並びにホワイトパッチ及びクリアパッチ輝度測定を要約する。ホワイトパッチ及びクリアパッチ輝度測定は、実施例139〜160と同様に湿潤条件下で行った。
Figure 2011509421
本発明の実施形態をある程度詳細に記載した。当業者は、本発明が記載された実施形態に限定されず、本発明の趣旨及び範囲内から逸脱することなく、実施形態に種々の変更及び改変を行うことができることを理解する。

Claims (30)

  1. 複数の再帰反射素子が配設された衣類面を含む衣類において、各前記再帰反射素子は、
    外側コア表面を含む固体球形コアであって、前記外側コア表面が第1の界面を提供する、固体球形コアと、
    少なくとも、前記外側コア表面を覆う内側表面及び外側表面を有する第1の完全同心光学干渉層と、を含み、前記第1の完全同心光学干渉層の前記外側表面が第2の界面を提供する、衣類。
  2. 各前記再帰反射素子が更に、
    前記第1の完全同心光学干渉層の前記外側表面を覆う内側表面及び外側表面を有する第2の完全同心光学干渉層を含み、前記第2の完全同心光学干渉層の外側表面が第3の界面を提供する、請求項1に記載の衣類。
  3. 再帰反射素子を有する前記表面の領域が、補助リフレクタを含まず、−4度の入口角度及び0.2度の観察角度で測定される場合に50Cd/lux/mを超える再帰反射係数と、4800K〜7500Kの黒体放射を記載する線の0.01内にあるCIE色度ダイアグラム(1931年版)上の点を規定する色度座標を有する再帰反射色とを有する、請求項1に記載の衣類。
  4. 前記第1の完全同心光学干渉層及び前記第2の完全同心光学干渉層が、異なる材料を含み、各前記材料が、TiO、SiO、ZnS、CdS、CeO、ZrO、Bi、ZnSe、WO、PbO、ZnO、Ta、Al、B、MgO、AlF、CaF、CeF、LiF、MgF、NaAlF、及びこれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される、請求項3に記載の衣類。
  5. 各前記再帰反射素子が更に、
    前記第2の完全同心光学干渉層の前記外側表面を覆う内側表面及び外側表面を有する第3の完全同心光学干渉層を含み、前記第3の完全同心光学干渉層の前記外側表面が第4の界面を提供する、請求項4に記載の衣類。
  6. 前記第2の完全同心光学干渉層及び前記第3の完全同心光学干渉層が、異なる材料を含み、各前記材料が、TiO、SiO、ZnS、CdS、CeO、ZrO、Bi、ZnSe、WO、PbO、ZnO、Ta、Al、B、MgO、AlF、CaF、CeF、LiF、MgF、NaAlF、及びこれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される、請求項5に記載の衣類。
  7. 第1の主表面及び第2の主表面を有する基材を更に含み、前記複数の再帰反射素子が前記基材の前記第1の主表面上に保持され、前記基材の前記第2の主表面が前記衣類面に取り付けられる、請求項1に記載の衣類。
  8. 前記基材がポリマーフィルムを含み、前記再帰反射素子が前記第1の主表面内に埋め込まれる、請求項7に記載の衣類。
  9. 前記基材がポリエチレンコーティングされた紙を含み、前記再帰反射素子が前記第1の主表面内に埋め込まれる、請求項7に記載の衣類。
  10. 前記基材が、前記基材の前記第1の主表面上に前記再帰反射素子を保持する接着剤を含む、請求項7に記載の衣類。
  11. 前記接着剤が拡散光散乱性顔料を含み、前記再帰反射素子が前記接着剤に部分的に埋め込まれ、前記拡散光散乱性顔料が二酸化チタン粒子、炭酸カルシウム粒子、雲母フレーク、雲母チタンフレーク、真珠光沢顔料、真珠顔料及びこれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される、請求項10に記載の衣類。
  12. 前記接着剤内に保持され、前記再帰反射素子と前記基材の前記第1の主表面との間に配設される金属フィルムの形態の補助リフレクタを更に含む、請求項10に記載の衣類。
  13. 前記接着剤内に保持され、前記再帰反射素子と前記基材の前記第1の主表面との間に配設される薄膜誘電体の積層物形態で補助リフレクタを更に含む、請求項10に記載の衣類。
  14. 前記衣類が安全ベストである、請求項1に記載の衣類。
  15. 物品が、再帰反射モードで観察される場合に、向上した再帰反射輝度を示す、請求項1に記載の再帰反射物品。
  16. 物品が、再帰反射モードで観察される場合、再帰反射色を示す、請求項1に記載の再帰反射物品。
  17. 前記固体球形コアが、約1.5を超える屈折率を有する材料を含み、前記材料が、ガラス、ガラスセラミック材料及び微結晶セラミック材料からなる群から選択される、請求項1に記載の再帰反射衣類。
  18. 前記固体球形コアが、酸化ケイ素、酸化ホウ素、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化バリウム、酸化ストロンチウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化カリウム、酸化ナトリウム、及びこれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択されるガラスを含む、請求項17に記載の再帰反射衣類。
  19. 前記再帰反射素子の少なくとも一部が、個々の細長い繊維に接着される、請求項1に記載の再帰反射衣類。
  20. 前記再帰反射素子の少なくとも一部がフィラメントに含有され、各フィラメントが内部空間を有する中空の管状部材を含み、前記再帰反射素子が前記内部空間内に保持される、請求項1に記載の再帰反射衣類。
  21. 複数の再帰反射素子が接着された細長い繊維状本体を含む再帰反射繊維において、各前記再帰反射素子は、
    外側コア表面を含む固体球形コアであって、前記外側コア表面が第1の界面を提供する、固体球形コアと、
    少なくとも、前記外側コア表面を覆う内側表面及び外側表面を有する第1の完全同心光学干渉層と、を含み、前記第1の完全同心光学干渉層の前記外側表面が第2の界面を提供する、再帰反射繊維。
  22. 各前記再帰反射素子が更に、
    前記第1の完全同心光学干渉層の前記外側表面を覆う内側表面及び外側表面を有する第2の完全同心光学干渉層を含み、前記第2の完全同心光学干渉層の外側表面が第3の界面を提供する、請求項21に記載の再帰反射繊維。
  23. 前記第1の完全同心光学干渉層及び前記第2の完全同心光学干渉層が異なる材料を含み、各前記材料が、TiO、SiO、ZnS、CdS、CeO、ZrO、Bi、ZnSe、WO、PbO、ZnO、Ta、Al、B、MgO、AlF、CaF、CeF、LiF、MgF、NaAlF、及びこれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される、請求項22に記載の再帰反射繊維。
  24. 各前記再帰反射素子が更に、
    前記第2の完全同心光学干渉層の前記外側表面を覆う内側表面及び外側表面を有する第3の完全同心光学干渉層を含み、前記第3の完全同心光学干渉層の前記外側表面が第4の界面を提供する、請求項23に記載の再帰反射繊維。
  25. 前記第2の完全同心光学干渉層及び前記第3の完全同心光学干渉層が異なる材料を含み、各前記材料が、TiO、SiO、ZnS、CdS、CeO、ZrO、Bi、ZnSe、WO、PbO、ZnO、Ta、Al、B、MgO、AlF、CaF、CeF、LiF、MgF、NaAlF、及びこれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される、請求項24に記載の再帰反射繊維。
  26. 複数の再帰反射素子を中に含有する中空の透明管状部材を含む再帰反射フィラメントにおいて、各前記再帰反射素子は、
    外側コア表面を含む固体球形コアであって、前記外側コア表面が第1の界面を提供する、固体球形コアと、
    少なくとも、前記外側コア表面を覆う内側表面及び外側表面を有する第1の完全同心光学干渉層と、を含み、前記第1の完全同心光学干渉層の前記外側表面が第2の界面を提供する、再帰反射フィラメント。
  27. 各前記再帰反射素子が更に、
    前記第1の完全同心光学干渉層の前記外側表面を覆う内側表面及び外側表面を有する第2の完全同心光学干渉層を含み、前記第2の完全同心光学干渉層の外側表面が第3の界面を提供する、請求項26に記載の再帰反射フィラメント。
  28. 前記第1の完全同心光学干渉層及び前記第2の完全同心光学干渉層が異なる材料を含み、各前記材料が、TiO、SiO、ZnS、CdS、CeO、ZrO、Bi、ZnSe、WO、PbO、ZnO、Ta、Al、B、MgO、AlF、CaF、CeF、LiF、MgF、NaAlF、及びこれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される、請求項27に記載の再帰反射フィラメント。
  29. 各前記再帰反射素子が更に、
    前記第2の完全同心光学干渉層の前記外側表面を覆う内側表面及び外側表面を有する第3の完全同心光学干渉層を含み、前記第3の完全同心光学干渉層の前記外側表面が第4の界面を提供する、請求項28に記載の再帰反射フィラメント。
  30. 前記第2の完全同心光学干渉層及び前記第3の完全同心光学干渉層が異なる材料を含み、各前記材料が、TiO、SiO、ZnS、CdS、CeO、ZrO、Bi、ZnSe、WO、PbO、ZnO、Ta、Al、B、MgO、AlF、CaF、CeF、LiF、MgF、NaAlF、及びこれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される、請求項29に記載の再帰反射フィラメント。
JP2010539594A 2007-12-21 2008-12-03 衣類、繊維及びフィラメント形態の再帰反射物品 Pending JP2011509421A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US1622407P 2007-12-21 2007-12-21
PCT/US2008/085340 WO2009082601A1 (en) 2007-12-21 2008-12-03 Retroreflective artcles in the form of garments, fibers and filaments

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011509421A true JP2011509421A (ja) 2011-03-24
JP2011509421A5 JP2011509421A5 (ja) 2011-12-08

Family

ID=40344793

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010539594A Pending JP2011509421A (ja) 2007-12-21 2008-12-03 衣類、繊維及びフィラメント形態の再帰反射物品

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20110170193A1 (ja)
EP (1) EP2232310A1 (ja)
JP (1) JP2011509421A (ja)
CN (1) CN101946191A (ja)
WO (1) WO2009082601A1 (ja)

Families Citing this family (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101946192B (zh) 2007-12-21 2012-09-05 3M创新有限公司 回射制品以及包括球芯和两个同心光学干涉层的回射元件
US8585222B1 (en) 2010-06-22 2013-11-19 TIA Systems, Inc. Method of coating a retroreflector to avoid reflecting visible light
US8686371B1 (en) * 2010-09-22 2014-04-01 TIA Systems, Inc. Using of enhanced retroreflectors for non-visible light
US8764202B1 (en) * 2011-04-11 2014-07-01 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Army Retro-reflective article
US9410694B2 (en) * 2012-09-17 2016-08-09 Noxgear, Llc Illuminated vest
US9482795B2 (en) * 2013-05-22 2016-11-01 The Boeing Company Method and system for retroreflective cooling
US9423538B2 (en) 2013-05-22 2016-08-23 The Boeing Company Retroreflective heater
CN106381573B (zh) * 2016-08-31 2018-12-28 诸暨市新丝维纤维有限公司 一种主动吸收式抗辐射纤维
JP2020528396A (ja) * 2017-07-28 2020-09-24 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー ナノ結晶性セラミック酸化物ビーズ
CN210642706U (zh) 2017-09-29 2020-06-02 耐克创新有限合伙公司 鞋类物品
US11467324B2 (en) 2018-10-26 2022-10-11 Tundra Composits, LLC Complex retroreflective bead
EP3969947A1 (en) 2019-06-26 2022-03-23 Nike Innovate C.V. Structurally-colored articles and methods for making and using structurally-colored articles
EP4044860A1 (en) 2019-10-21 2022-08-24 Nike Innovate C.V. Structurally-colored articles
WO2021243220A2 (en) 2020-05-29 2021-12-02 Nike, Inc. Structurally-colored articles and methods for making and using structurally-colored articles
US11889894B2 (en) 2020-08-07 2024-02-06 Nike, Inc. Footwear article having concealing layer
US11822105B1 (en) 2020-12-11 2023-11-21 The Government Of The United States, As Represented By The Secretary Of The Army Particle-filled retroreflective fiber
US20220221628A1 (en) 2021-01-12 2022-07-14 Tundra Composites, LLC Retroreflective composite reflective microspheres and reflective inorganic material

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002169009A (ja) * 2000-11-29 2002-06-14 Nagoya Kagaku Kogyo Kk 光反射テープを内装した帯状基礎材
JP2004184646A (ja) * 2002-12-03 2004-07-02 Unitika Sparklite Kk 再帰反射性材料
JP2005522730A (ja) * 2002-04-11 2005-07-28 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 異なる再帰反射色の領域を有するレトロクロミック物品
JP2008510893A (ja) * 2004-08-18 2008-04-10 サザンミルズ インコーポレイテッド 耐炎性織物上の反射印刷

Family Cites Families (47)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2326634A (en) * 1941-12-26 1943-08-10 Minnesota Mining & Mfg Reflex light reflector
US2963378A (en) * 1955-04-25 1960-12-06 Minnesota Mining & Mfg Ass beads hemispherically reflectorled with metallic coating and compositions thereof
US3046851A (en) * 1958-11-24 1962-07-31 Prismo Safety Corp Highway marking composition
US3036928A (en) * 1959-12-18 1962-05-29 Cataphote Corp Retroreflective composition and method of applying same
US3499857A (en) * 1967-04-17 1970-03-10 Cataphote Corp Thermoplastic resinous compositions,particularly using unsaturated triglycerides
US3523029A (en) * 1967-08-21 1970-08-04 Cataphote Corp Hot melt highway marking composition
US3645933A (en) * 1969-11-12 1972-02-29 Sherwin Williams Co Coating composition including isocyanate-modified polyester and chlorinated rubber
US3767291A (en) * 1972-03-31 1973-10-23 Minnesota Mining & Mfg Retroviewer
US3832038A (en) * 1972-08-09 1974-08-27 Minnesota Mining & Mfg Hand retroviewer
US4248932A (en) * 1979-06-14 1981-02-03 Minnesota Mining And Manufacturing Company Extended-life pavement-marking sheet material
US4367920A (en) * 1979-10-01 1983-01-11 Minnesota Mining And Manufacturing Company Retroflective sheeting
US4630891A (en) * 1984-09-14 1986-12-23 Minnesota Mining And Manufacturing Company Tamper resistant security film
US4564556A (en) * 1984-09-24 1986-01-14 Minnesota Mining And Manufacturing Company Transparent non-vitreous ceramic particulate
US4721743A (en) * 1985-03-25 1988-01-26 The Dow Chemical Company Non-thermoset thermally stable capped epoxy resin compositions
AU586300B2 (en) * 1986-01-13 1989-07-06 Minnesota Mining And Manufacturing Company Pavement markings containing transparent non-vitreous ceramic microspheres
US4988555A (en) * 1988-06-09 1991-01-29 Minnesota Mining And Manufacturing Company Patterned pavement marking
US5227221A (en) * 1988-06-09 1993-07-13 Minnesota Mining And Manufacturing Company Patterned skid preventative sheet
DK257390A (da) * 1990-10-25 1992-04-26 Reflex Promotion Transfer til dekorering af overflader med billeder, der er ekstremt holdbare, og specielt billeder omfattende lysreflekterende og farvede omraader i vilkaarlig kombination, samt fremgangsmaade til fremstilling deraf
US5543177A (en) * 1992-11-05 1996-08-06 Xerox Corporation Marking materials containing retroreflecting fillers
US5344705A (en) * 1993-05-05 1994-09-06 Minnesota Mining And Manufacturing Company Retroreflective transfer sheet material
US5814367A (en) * 1993-08-13 1998-09-29 General Atomics Broadband infrared and signature control materials and methods of producing the same
CA2147821C (en) * 1994-05-20 2006-04-11 Thomas P. Hedblom Patterned pavement markings with upright retroreflectors
US5673148A (en) * 1994-06-23 1997-09-30 Minnesota Mining And Manufacturing Company Encapsulated retroreflective elements and method for making same
CA2210807A1 (en) * 1995-01-18 1996-07-25 The Dow Chemical Company Fast hardening aqueous coating composition and paint
US5706133A (en) * 1995-02-09 1998-01-06 Minnesota Mining And Manufacturing Company Retroreflective signage articles, kits for producing same, and methods of making signage articles
US5620775A (en) * 1995-11-03 1997-04-15 Minnesota Mining And Manufacturing Company Low refractive index glass microsphere coated article having a smooth surface and a method for preparing same
US6026809A (en) * 1996-01-25 2000-02-22 Microdose Technologies, Inc. Inhalation device
DE19611141A1 (de) * 1996-03-21 1997-09-25 Bayer Ag Reinigung von p,p-Bisphenolat-Lösungen
JP3670395B2 (ja) * 1996-06-10 2005-07-13 日鉄鉱業株式会社 多層膜被覆粉体およびその製造方法
US5777791A (en) * 1996-11-26 1998-07-07 Minnesota Mining And Manufacturing Company Wet retroreflective pavement marking articles
US6132132A (en) * 1997-02-26 2000-10-17 Rohm And Haas Company Water-based road marking paint
CN1128170C (zh) * 1997-06-13 2003-11-19 美国3M公司 路面标记、涂料组合物、液体路面标记组合物及其用途和制造方法以及标记表面的方法
US7351470B2 (en) * 1998-02-19 2008-04-01 3M Innovative Properties Company Removable antireflection film
US6142146A (en) * 1998-06-12 2000-11-07 Microdose Technologies, Inc. Inhalation device
US6365262B1 (en) * 1998-10-20 2002-04-02 3M Innovative Properties Company Pavement marking articles having enhanced retroreflectivity under dry or wet conditions and method for making same
DE19858554A1 (de) * 1998-12-18 2000-06-21 Sueddeutsche Kalkstickstoff Selbstvernetzende Polyurethan-Polymer-Hybrid-Dispersion
US6245700B1 (en) * 1999-07-27 2001-06-12 3M Innovative Properties Company Transparent microspheres
US6966660B1 (en) * 1999-10-15 2005-11-22 3M Innovative Properties Company Article exhibiting dry and wet retroreflectivity
US6288842B1 (en) * 2000-02-22 2001-09-11 3M Innovative Properties Sheeting with composite image that floats
US20020163179A1 (en) * 2001-05-01 2002-11-07 Dubner Andrew D. Transparent tamper-indicating data sheet
US20080224462A1 (en) * 2001-05-01 2008-09-18 Dubner Andrew D Transparent tamper-indicating data sheet
US6978896B2 (en) * 2002-04-11 2005-12-27 3M Innovative Properties Company Method of making retrochromic beads and kit thereof
DE10216945A1 (de) * 2002-04-17 2003-11-06 Bayer Ag Selbstvernetzende PUR-Dispersionen
US7396579B2 (en) * 2003-05-15 2008-07-08 3M Innovative Properties Company Fluorescent red-orange retroreflective sheeting
US7247386B2 (en) * 2003-12-23 2007-07-24 3M Innovative Properties Company Composition of an oligomeric fluorosilane and surface treatment of retroreflective sheet
US7224533B2 (en) * 2004-11-08 2007-05-29 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Optically retro-reflecting sphere
CN101946192B (zh) * 2007-12-21 2012-09-05 3M创新有限公司 回射制品以及包括球芯和两个同心光学干涉层的回射元件

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002169009A (ja) * 2000-11-29 2002-06-14 Nagoya Kagaku Kogyo Kk 光反射テープを内装した帯状基礎材
JP2005522730A (ja) * 2002-04-11 2005-07-28 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 異なる再帰反射色の領域を有するレトロクロミック物品
JP2004184646A (ja) * 2002-12-03 2004-07-02 Unitika Sparklite Kk 再帰反射性材料
JP2008510893A (ja) * 2004-08-18 2008-04-10 サザンミルズ インコーポレイテッド 耐炎性織物上の反射印刷

Also Published As

Publication number Publication date
WO2009082601A1 (en) 2009-07-02
CN101946191A (zh) 2011-01-12
EP2232310A1 (en) 2010-09-29
US20110170193A1 (en) 2011-07-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2011509421A (ja) 衣類、繊維及びフィラメント形態の再帰反射物品
US8496340B2 (en) Retroreflective articles and retroreflective elements comprising a spherical core and two concentric optical interference layers
JP5330407B2 (ja) 再帰反射性舗装マーキング
US9239412B2 (en) Retroreflective member producing iridescent reflected light
TWI284212B (en) Retroreflective article having a colored layer containing a dye covalently bonded to a polymer
US20110193335A1 (en) Retroreflective security articles
EP0305074B1 (en) Retroreflective coating and composition for forming same
US7036944B2 (en) Retrochromic articles
EP1550550A1 (en) Articles coated with luminescent film
CN111344606A (zh) 包括含有主反射层和次反射层的回射元件的回射制品
JP3432507B1 (ja) カラー再帰性反射材
JP4007290B2 (ja) 発光膜被覆物品
US20220206195A1 (en) Retroreflective article comprising multiple layers that differ in reflectivity
KR102221481B1 (ko) 재귀반사시트
JPWO2003008330A1 (ja) 多変色素材及びその観察方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111021

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111021

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130222

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130226

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20130524

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20131022