JP2011507804A - ポリアクリレート粒子を含む傷当て材およびその使用 - Google Patents

ポリアクリレート粒子を含む傷当て材およびその使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、最新の創傷治療に使用される、ポリアクリレート粒子の粒子混合物を含む傷当て材に関する。本発明は、特に、傷内でのプロテアーゼ抑制のための粒子成分と水性液の吸収および排出のための粒子成分とを含む、ポリアクリレート粒子からの粒子混合物を含む傷当て材に関する。

Description

本発明は、最新の創傷治療に使用される、ポリアクリレート粒子の粒子混合物を含む傷当て材(Wundauflage)に関する。
創傷の治癒は、皮膚が持つ、上皮、結合組織および支持組織を再生させる能力に依拠している。これは、治癒過程を段階的に押し進める細胞間の相互過干渉活性による複合現象と言われている。文献には、創傷の種類を問わずに、3つに大別した創傷治癒期について記述されている。それに当るのが、止血および創傷清浄化に到る炎症期および滲出期(第1期、清浄期)、肉芽組織の形成に到る増殖期(第2期、肉芽形成期)および上皮および瘢痕の形成に到る分化期(第3期、上皮形成期)である。
個々の創傷治癒期における治癒支援について、文献には多数の提案が記述されている。その中では、特にポリアクリレート粒子を含む傷当て材もかなり以前から、専門分野の多数の論文および特許明細書の対象になっている。例えば米国特許第5,977,428A号には、多孔質外被の内部に乾燥した吸収性ハイドロゲル粒子を含む吸収性の傷当て材について記述されている。このハイドロゲル粒子はポリアクリレートから構成することができ、顆粒または粉末として使用されるが、これは傷当て材を形成する繊維製または不織布製の袋の中に、場合によっては結合剤と混合されて入れられている。さらに、米国特許第7,230,154B2号には、シリコン製の接着性創傷接触層を持つフォーム傷当て材について記述されている。フォーム本体にはポリアクリレート粒子が投入されているが、その粒径は100〜900μmであり得る。ヨーロッパ特許出願公開第1,688,109A1号には、創傷部の栄養障害治療のための傷当て材について記述されている。ここでは、治療剤として二酸化炭素が使用される。傷当て材には、水相用として、特定の粒子分布を示すポリアクリレート粒子を含む被覆(Depot)が使用されており、その場合850〜300μmの粒径を持つ粒子成分は、粒子の総重量に対して、特に70重量%超とされる。これらの文献に共通するのは、ポリアクリレート粒子が常に水性液の貯留媒質または吸収媒質として使用されていることである。
米国特許第5,977,428号 米国特許第7,230,154号 ヨーロッパ特許出願公開第1,688,109A1号
上記より、本発明の課題は創傷治療のための改良された手段を提供することである。それに加え、創傷に対して、異常な症状から自然の正常な治癒経過を辿り得るように作用する傷当て材を提供することも本発明の課題である。
この課題は請求項1に記載の傷当て材によって解決される。それによれば、本発明に基づく傷当て材は、傷内プロテアーゼの抑制のため、および/またはハイドロ活性による創傷治療のための粒子混合物のために粒子混合物および担体材を有している。なお、傷当て材は少なくとも10重量%(対担体材総重量)のポリアクリレート粒子を含み、粒子混合物は次の成分を含んでいる。
a)傷内プロテアーゼ抑制剤としての粒径x≦300μmの粒子、5〜100重量%
b)水溶液の吸収および/または排出剤としての粒径x>300μmの粒子、0〜95重量%
その場合、特に好ましいとされるのは、本発明に基づく傷当て材がポリアクリレート粒子の粒子混合物を含み、その粒子混合物が次の成分を含んでいるというものである。
a)傷内プロテアーゼ抑制剤としての粒径x≦300μmの粒子、5〜98重量%
b)水溶液の吸収および/または排出剤としての粒径x>300μmの粒子、2〜95重量%
その中でも、さらに特別に好ましいとされるのは、本発明に基づく傷当て材がポリアクリレート粒子の粒子混合物を含み、その粒子混合物が次の成分を含んでいるというものである。
a)傷内プロテアーゼ抑制剤としての粒径x≦300μmの粒子、20〜80重量%
b)水溶液の吸収および/または排出剤としての粒径x>300μmの粒子、20〜80重量%
上記のように、本発明に基づく傷当て材は、特定の粒径を持つ、特定の量の第1粒子成分と、第1の粒径とは異なる第2の粒径を持つ第2の量の第2粒子成分と、から構成される、粒子混合物を含んでいる。その場合、ある大きさの範囲のポリアクリレート粒子は同じ大きさまたは異なった大きさの粒子成分から構成することができ、粒径はその範囲内にある。本発明の関係では、特に個々のサイズ領域ごとの粒子の量は−別途、示されなければ、常に粒子総量に対する重量%で表示する。
さらに、粒子混合物がポリアクリレート種の異なるポリアクリレート粒子を含むように、すなわち、粒子混合物が少なくとも2種類のポリアクリレート粒子を含むように設定することもできる。特に、第1サイズ領域a)のポリアクリレート粒子と第2サイズ領域b)のポリアクリレート粒子とが異種になるように設定することもできる。それぞれのポリアクリレートは、例えば中和度、架橋結合度、湿潤剤および/またはコポリマーに関して相違し得る。しかし、最も簡単な例では、その構造は同じで、ただ表記された粒径だけが異なるポリアクリレート粒子も使用することができる。またそのほか、第1サイズ領域の粒子または第2サイズ領域の粒子が異なったポリアクリレート粒子から構成されるように、すなわち、例えば第1サイズ領域の粒子が、第1ポリアクリレート粒子および第1ポリアクリレート粒子とは異なる第2ポリアクリレート粒子を含むように設定することもできる。その場合、両種はそれぞれのサイズ領域内にあるポリアクリレート粒子を含んでいる。
なお、本発明との関連で言う粒子混合物とは、個々の構成部分(粒子)が互に隣接位置にあるか、部分的に混ざり合っているか、完全に混ざり合っているか、または互に離れた位置にあることが可能な混合物の意味である。いずれにしても、その場合、混合物は傷当て材の構成部分と見なすことができる。特に、個々のサイズ領域内の粒子は、同様に、互に隣接位置にあるか、部分的に混ざり合っているか、完全に混ざり合っているか、または互に離れた位置にあることができる。
本発明の関係では、粒径はEDANA(欧州不織布工業会)規格420.2−02に準じて測定する。その場合篩(直径200mm)は規格表示に相応した孔サイズのものとする。そのほか、別な孔サイズ、例えば125μm、160μm、630μm、900μmおよび1500μmの孔サイズの篩も使用することができる。この場合基本になるのは、含湿量が粒子総重量の10重量%未満の水分しか含まないポリアクリレート乾燥粒子であり、含湿量はEDANA規格450.2−02に従って測定する。
驚くべきことに、ポリアクリレート粒子は拡散メカニズムを通じてプロテアーゼを抑制するばかりか、それを直接的結合によって取り込み、それによって創傷滲出物または創傷から引き出す作用があることが分かった。特に、ポリアクリレート粒子は慢性創傷内のプロテアーゼの抑制に適していることが明らかになった。さらに、メタロプロテアーゼはポリアクリレート粒子に結合されるか、または取り込まれるので、このメタロプロテアーゼはポリアクリレート粒子と共に創傷液または創傷から除去し得ることも明らかになった。このように、ポリアクリレート粒子により慢性創傷内の過剰なメタロプロテアーゼを捕獲して、自然な治癒経過が辿れるようにすることができる。それには、驚くべきことに、粒径xが≦300μmであるポリアクリレート粒子が特によく適している。この大きさの粒子は、創傷内にあって創傷治癒の障害となるプロテアーゼ、特にメタロプロテアーゼの活性を極めて効果的に抑制する。この大きさの粒子は、より大きな粒子に比べ、メタロプロテアーゼには少なくとも4倍の親和性を有している。したがって、粒径xが≦300μmであるポリアクリレート粒子は慢性創傷の治療に非常によく適している。ポリアクリレート粒子を含有する慢性創傷治療のための普通の傷当て材は、粒径xが>300μmであるポリアクリレート粒子を含んでいる。それは、このような粒子の殆どが創傷滲出物に対して良好な吸収能力、または水性液の貯留媒質としての機能を有しているからである。粒径xが≦300μmであるポリアクリレート粒子は創傷滲出物の吸収にはあまり適していないか、あるいは全く適していない。このような粒子は、粒径xが>300μmである粒子に比べて水性液の吸収能力または保持能力が遥かに低いからである。したがって、特定の大きさの粒子から構成される粒子混合物の特定選択に基づく本傷当て材によれば、創傷内で創傷治癒を抑制するプロテアーゼを不活性化する上にハイドロ活性特性を示すこともできる創傷治療材の提供が可能である。
ポリアクリレート粒子を含む、本発明に基づく4種類の傷当て材の1つの横断面を示した図である。 ポリアクリレート粒子を含む、本発明に基づく4種類の傷当て材の1つの横断面を示した図である。 ポリアクリレート粒子を含む、本発明に基づく4種類の傷当て材の1つの横断面を示した図である。 ポリアクリレート粒子を含む、本発明に基づく4種類の傷当て材の1つの横断面を示した図である。 慢性創傷の滲出物に含まれるメタロプロテアーゼについての、ポリアクリレート粒子の粒径に依存して異なる結合状態を示した図である。
特にメタロプロテアーゼの過剰分が、創傷治癒の特に肉芽形成期に障害作用を惹き起こす。それは、メタロプロテアーゼと新たに形成される結合組織との平衡が損なわれて十分な組織形成が起こり得ないからである。その場合組織の形成は、三次元組織へと組み立てられ、それに平行して、および後続段階で血管形成および創傷領域内への細胞増殖を招来する、新たに合成される細胞外のマトリックス分子の安定化如何に決定的なまでに依存している。
粒径xが≦300μmであるポリアクリレート粒子は、特に治癒経過の芳しくない創傷に対しては肉芽形成期に使用できることが明らかになった。当形成期では、過剰分のメタロプロテアーゼが存在しない限り、肉芽形成およびそれに伴う細胞成長が起こり得るという条件であるなら、炎症が発現した場合でも鎮静化され、または炎症が起こらなかった。当過剰分は、上記の大きさのポリアクリレート粒子により極めて効果的に捕獲することができる。そのように、創傷治癒を阻害するメカニズムを排除することによって組織の形成が促進される。そのことは、臨床における創傷症状の改善、創傷ボリュームおよび/または創傷サイズの縮小による創傷弱体化に認め得る。したがって、慢性創傷における組織の形成および/または組織形成の制御を目的とする、プロテアーゼ、特に血清プロテアーゼまたはメタロプロテアーゼの抑制または阻害のための粒径x≦300μmであるポリアクリレート粒子の使用も、同様に本発明の対象である。
本発明の関係ではプロテアーゼ(ペプチダ―ゼ、ペプチド・ヒドロラーゼ)とは、蛋白質中でのペプチド生成の加水分解およびペプチド(蛋白分解)に対して触媒作用を示す酵素のことを言う。したがって、プロテアーゼは体系的にはヒドロラーゼのグループに属している。プロテアーゼは基質中での分解位置を基に細分される。ペプチドまたは蛋白質の内部でのペプチド結合の分解はエンドペプチダ―ゼ(プロテイナーゼ)によって触媒されるが、他方ペプチド分子または蛋白質分子の末端でのペプチド結合はエクソペプチダ―ゼ(以前のペプチダ―ゼ)によって分解される。
プロテアーゼは、活性中心において触媒に関与するグループの観点からさらに細分することができる。例えば、a)セリン・プロテアーゼ、b)システィン・プロテアーゼ、c)アスパルテート・プロテアーゼおよびd)メタロプロテアーゼに区別される。メタロプロテアーゼ(メタロペプチダ―ゼ)のグループは、その活性中心に、例えば、蛋白分解の触媒機構に関与する金属イオンを有している。これらの金属イオン、特に、マグネシウム、亜鉛、カルシウム、鉄などの二価金属イオンは補酵素とも見なされる。上記の区分標識によれば、さらに、a)メタロ・エンドペプチターゼ(メタロプロテアーゼ)とb)メタロ・エクソペプチダ―ゼとに区別される。
マトリックス・メタロプロテアーゼ(MMP)−マトリクシンとも言われる−は、構造相同によって特定されたプロテアーゼ群に属する。その酵素活性は活性中心の金属イオンに依存している。メタロプロテアーゼは、第1に組織再構築時のその役割によって、特に細胞外マトリックスの分解を基準に同定した。このグループのプロテアーゼは、体系的にはメタロ・エンドペプチダ―ゼ(メタロプロテイナーゼ)に属している。マトリックス・メタロプロテイナーゼの代表的なものは、コラーゲナーゼ、ゼラチナーゼ、ストロメオリシン、マトリリシンなどである。一覧および分類はパークス社(Parks)の専門文献「Matrix Metalloproteinases」、Mecham,R.P.編「Biologie of Extracellular Matrix Series」アカデミックプレス社(Academic Press, Inc.)/カリフォルニア州、サンディエゴ(1998年)および下表1から見て取れる。表1には分類名のほか、必要な場合には酵素委員会(EC)規定の酵素番号も表記されている。マトリックス・メタロプロテイナーゼは不活性前駆体として合成され分泌される。それは、現在まだ最終的には詳細の解明されていない複雑なメカニズムによって活性形態に変えられる。メタロプロテアーゼはいずれも、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)によって抑制することができる。
Figure 2011507804
セリン・プロテアーゼは触媒反応に不可欠なL−セリン残基を活性中心に有しているが、これはジイソプロピルフルオロフォスフェートによって阻害することができる。この種のプロテアーゼも創傷治癒に及ぼす決定的な作用を有している。セリン・プロテアーゼのグループには、例えばクロモトリプシン、エラスターゼ、カリクレイン、プラスミン、トリプシン、トロンビンなどが属している。公知のセリン・プロテアーゼは殆どが、その活性中心にL−セリン残基のほかアミノ酸残基L−ヒスチジンおよびL−アスパラギンを有している。3種のアミノ酸残基はいずれも、蛋白分解の際には、L−セリン残基のプロトンが基質へ移されるカスケード状反応に関与している。プロテイナーゼにセリン従属機構が見られる限り、セリン・プロテイナーゼとも言われる。これらのセリン・プロテアーゼも、粒径xが≦300μmであるポリアクリレート粒子によって創傷治癒に対するその影響が抑制される。
したがって、本発明に基づく傷当て材は、傷内プロテアーゼの抑制剤として粒子混合物およびその粒子混合物用の担体材を有している。なお、傷当て材は少なくとも10重量%(対担体材総重量)のポリアクリレート粒子を含み、粒子混合物は次の成分を含んでいる。
a)傷内プロテアーゼ抑制剤としての粒径x≦300μmである粒子、5〜100重量%、および
b)水溶液の吸収および/または排出剤としての粒径x>300μmである粒子、0〜95重量%
ここでは、および本発明の関係では、水性液とは、水、塩溶液、特に生理食塩水またはリンゲル液のような生理塩溶液および創傷滲出液のことを言う。
本発明に基づく傷当て材の第2実施形態によれば、傷当て材は、傷内プロテアーゼ抑制剤としての制限されたサイズ領域を持つ第1粒子成分a)、および水溶液の吸収および/または排出剤としての第2粒子成分b)を含む粒子混合物を有している。この場合特に、傷当て材が、
a)傷内プロテアーゼ抑制剤としての粒径x≦300μmである粒子、5〜100重量%、および
粒径x≦45μmである粒子、0〜5重量%
を含む粒子混合物を有するように設定されている。
その場合、なかでも、粒子混合物が
a)傷内プロテアーゼ抑制剤としての粒径x≦300μmである粒子、5〜100重量%、および
粒径x≦45μmである粒子、0〜4重量%、好ましくは0〜3重量%、より好ましくは0〜2重量%、さらに好ましくは0〜1重量%、最も好ましくは0重量%を含むように設定されている。
また特に、傷当て材が、
a)傷内プロテアーゼ抑制剤としての粒径x≦300μmである粒子、5〜100重量%、および
粒径x≦150μmである粒子、0〜5重量%
を含む粒子混合物を有するように設定されることもある。
その場合、なかでも、粒子混合物が
a)傷内プロテアーゼ抑制剤としての粒径x≦300μmである粒子、5〜100重量%、および
粒径x≦150μmである粒子、0〜4重量%、好ましくは0〜3重量%、より好ましくは0〜2重量%、さらに好ましくは0〜1重量%、最も好ましくは0重量%を含むように設定されている。
それにより、本発明に基づく傷当て材は、非常に好ましいことに、
a)傷内プロテアーゼ抑制剤としての、粒径xが150<x≦300μmである粒子、5〜100重量%、および
b)水溶液の吸収および/または排出剤としての、粒径x>300μmである粒子、0〜95重量%
を含むポリアクリレート粒子から構成される粒子混合物を有する。
傷内プロテアーゼ抑制剤として、粒径xが150<x≦300μmの粒子だけを使用すれば、一方では、創傷治癒を損なうプロテアーゼ、特にメタロプロテアーゼを傷から極めて効果的に除去する傷当て材が得られ、他方では、非常に安全な傷当て材が得られる。粒径xが≦150μm、特に≦45μmの粒子は特別な保持対策を講じないといとも簡単に傷内に入り込むが、これは好ましいことではない。
本発明に基づく傷当て材のまた別な実施形態の1つによれば、傷当て材は、傷内プロテアーゼ抑制剤としての第1粒子成分a)、および水溶液の吸収および/または排出剤としての制限されたサイズ領域を持つ第2粒子成分b)を含む粒子混合物を有している。この場合特に、傷当て材が、
a)傷内プロテアーゼ抑制剤としての粒径x≦300μmである粒子、5〜100重量%、および
b)水溶液の吸収および/または排出剤としての、粒径xが300<x≦1500μmである粒子、0〜95重量%
を含む粒子混合物を有するように設定されている。
その場合、さらに、傷当て材が、
a)傷内プロテアーゼ抑制剤としての、粒径xが45<x≦300μmである粒子、5〜100重量%、および
b)水溶液の吸収および/または排出剤としての、粒径xが300<x≦1500μmである粒子、0〜95重量%
を含む粒子混合物を有しているのが好ましい。
水溶液の吸収および/または排出剤として粒径xが300<x≦1500μmである粒子を含む、ポリアクリレート粒子から構成される粒子混合物を有する傷当て材は非常に良好な吸収特性および保持特性を有していることが明らかになった。
その場合、水溶液の吸収および/または排出剤の使用量は0〜90重量%、好ましくは0〜80重量%、より好ましくは0〜60重量%、さらに好ましくは0〜40重量%、特に好ましくは0〜20重量%、最も好ましくは0〜10重量%とする。しかし、水溶液の吸収および/または排出剤として粒径xが300<x≦1500μmである粒子を全く使用しないように設定することもできる。
また、本発明に基づく傷当て材は、傷内プロテアーゼ抑制剤としての第1粒子成分a)、および水溶液の吸収および/または排出剤としての一段と制限されたサイズ領域を持つ第2粒子成分b)を含む粒子混合物を有することもできる。この場合、特に、傷当て材が、
b)水溶液の吸収および/または排出剤として粒径xが300<x≦1500μmである粒子、0〜95重量%、および
粒径x>850μmである粒子、0〜5重量%
を含む、ポリアクリレート粒子から構成される粒子混合物を有するように設定されている。
その場合、なかでも、粒子混合物が
b)水溶液の吸収および/または排出剤として粒径xが300<x≦1500μmである粒子、0〜95重量%、および
粒径x>850μmである粒子、0〜4重量%、好ましくは0〜3重量%、より好ましくは0〜2重量%、さらに好ましくは0〜1重量%、最も好ましくは0重量%を含むように設定されている。
また、本発明に基づく傷当て材は、傷内プロテアーゼ抑制剤としての第1粒子成分a)、および水溶液の吸収および/または排出剤としての一段と制限されたサイズ領域を持つ第2粒子成分b)を含む粒子混合物を有することもできる。この場合、特に、傷当て材が、
b)水溶液の吸収および/または排出剤として粒径xが600<x≦850μmである粒子、0〜95重量%、および
粒径xが300<x≦600μmである粒子、0〜5重量%
を含む、ポリアクリレート粒子から構成される粒子混合物を有するように設定されている。
その場合、なかでも、粒子混合物が
b)水溶液の吸収および/または排出剤として粒径xが600<x≦850μmである粒子、0〜95重量%、および
粒径xが300<x≦600μmである粒子、0〜4重量%、好ましくは0〜3重量%、より好ましくは0〜2重量%、さらに好ましくは0〜1重量%、最も好ましくは0重量%を含むように設定されている。
上記より、傷当て材は、本発明の発展形態に従って、
a)傷内プロテアーゼ抑制剤としての、粒径xが150<x≦300μmである粒子、5〜100重量%、および
b)水溶液の吸収および/または排出剤としての、粒径xが600<x≦850μmである粒子、0〜95重量%
を含む、ポリアクリレート粒子から構成される粒子混合物を有しているのが好ましい。
この傷当て材は、特に、
a)傷内プロテアーゼ抑制剤としての、粒径xが150<x≦300μmである粒子、5〜98重量%、および
b)水溶液の吸収および/または排出剤としての、粒径xが600<x≦850μmである粒子、2〜95重量%
を含む、ポリアクリレート粒子から構成される粒子混合物を有している。
特に好ましいのは、この傷当て材が、
a)傷内プロテアーゼ抑制剤としての、粒径xが150<x≦300μmである粒子、20〜80重量%、および
b)水溶液の吸収および/または排出剤としての、粒径xが600<x≦850μmである粒子、20〜80重量%
を含む、ポリアクリレート粒子から構成される粒子混合物を有している場合である。
しかし、また、傷当て材が、
a)傷内プロテアーゼ抑制剤としての、粒径xが150<x≦300μmである粒子、5〜100重量%、および
b)水溶液の吸収および/または排出剤としての、粒径xが850<x≦1500μmである粒子、0〜95重量%
を含む、ポリアクリレート粒子から構成される粒子混合物を有するように設定することもできる。
使用された、粒径xが850<x≦1500μmであるポリアクリレート粒子は、特に、繊維素材とは異なる材料、例えば発泡材を含む担体材の場合には、水溶液の吸収力および/または排出力に関して非常に良好な性能を見せる。したがって、水溶液の吸収および/または排出のための粒子のサイズ領域は、それぞれの担体材に適合させて選択しなければならない。
示されたとおり、プロテアーゼ、特に、例えばマトリックス・メタロプロテアーゼMMP−2またはMMP−9のようなメタロプロテアーゼは、傷当て材の主要構成部である、粒径xがx≦300μm、好ましくは45<x≦300μm、特に好ましくは150<x≦300μmのポリアクリレート粒子から構成される粒子混合物によって非常に良好に結合または包囲される。このことは、傷当て材によって過剰量のプロテアーゼ、特にメタロプロテアーゼを、創傷の自然治癒に必要な量に減らせるという点で有利である。結合されたこのメタロプロテアーゼは、もはや創傷領域において創傷治癒の阻害物質として作用しない。しかも、包帯の取替によってこのプロテアーゼは永続的に排除することができる。このように、本発明に基づく傷当て材は、プロテアーゼ阻害物質として、粒径xがx≦300μmであるポリアクリレート粒子から構成される粒子混合物を有しており、その場合プロテアーゼはポリアクリレート粒子によって結合および/または包囲される。
高濃度の創傷治癒阻害物質により、持続的に妨害作用を受けた創傷治癒を補助するための特殊傷当て材が必要になる場合、それには、
a)傷内プロテアーゼ抑制剤としての、粒径xがx≦300μm、好ましくは45<x≦300μm、特に好ましくは150<x≦300μmである粒子、20〜100重量%、および
b)水溶液の吸収および/または排出剤としての粒径x>300μmである粒子、0〜80重量%
を含む、ポリアクリレート粒子から構成される粒子混合物を有する傷当て材が特に好ましいことが明らかになった。
その中でも、
a)傷内プロテアーゼ抑制剤としての、粒径xがx≦300μm、好ましくは45<x≦300μm、特に好ましくは150<x≦300μmである粒子、50〜100重量%、および
b)水溶液の吸収および/または排出剤としての粒径x>300μmである粒子、0〜50重量%
を含む、ポリアクリレート粒子から構成される粒子混合物を有する傷当て材が特に好ましいことが分かっている。
別な例で−低濃度の創傷治癒阻害物質により−極僅かな妨害作用しか受けていない創傷治癒を補助するために傷当て材が必要になる場合、それには、
a)傷内プロテアーゼ抑制剤としての、粒径xがx≦300μm、好ましくは45<x≦300μm、特に好ましくは150<x≦300μmである粒子、5〜50重量%、および
b)水溶液の吸収および/または排出剤としての粒径x>300μmである粒子、50〜95重量%
を含む、ポリアクリレート粒子から構成される粒子混合物を有する傷当て材が特に好ましいことが明らかになった。
この混合物は創傷状況に適合させることができる。これは創傷治癒阻害物質を強力に結合させることができ、または、阻害物質の濃度があまり高くない場合には、成長因子の捕獲による正常な創傷治癒に対して、および正常な創傷治癒におけるその他の生理的制御調整物質に対してできる限り関わらずにおくことができる。
本発明の枠内で言うポリアクリレート粒子とは、ポリアクリレートから形成される粒子のことである。このポリアクリレートは、モノマー(M1)としてアクリル酸(2−プロペン酸、CH=CH−COH)、および/またはアクリル酸および/またはその塩を70重量%を超える量(対ポリアクリレート総重量)で有するアクリル酸の塩を含む合成ポリマーである。本発明に基づくポリアクリレートは、モノマー成分として、ポリアクリレートの総重量に対し、好ましくは80重量%を超えるアクリル酸および/またはその塩を、特に好ましくは95重量%を超えるアクリル酸および/またはその塩を含むものとする。それに伴い、本発明に基づく傷当て材は、モノマー成分として、ポリアクリレートの総重量に対し、好ましくは80重量%を超えるアクリル酸および/またはその塩を、特に好ましくは95重量%を超えるアクリル酸および/またはその塩を含む、特に傷内プロテアーゼ抑制剤としてのポリアクリレート粒子から構成される粒子混合物を有している。その場合ポリアクリレートはホモポリマー、コポリマーまたはブロックポリマーの形態を取ることができる。ポリアクリレートがコポリマーまたはブロックポリマーの形態であれば、いずれの場合でもポリマー中のモノマーM1の成分は、ポリアクリレート総重量に対して70%を超える、好ましくは80%を超える、特に好ましくは95%を超える量とする。これらコポリマーのポリアクリレートまたはブロックポリマーのポリアクリレートには、モノマーM1のほかにコモノマーM2として特にα、β−不飽和エーテル(ビニルエーテル)、α、β−不飽和カルボン酸またはα、β−不飽和カルボン酸エステル(ビニルエステル)を含ませることができる。α、β−不飽和カルボン酸のコモノマーM2からは、特にメタクリル酸(2−メチルプロペン酸)、エタクリル酸(2−エチルプロペン酸)、クロトン酸(2−ブテン酸)、ソルビン酸(トランス−トランス−2,4−ヘキサジエン酸)、マレイン酸(シス−2−ブテン二酸)またはフマル酸(トランス−2−ブタン二酸)が好ましい。しかし、本発明の特に好ましい形態では、ポリアクリレートがa)アクリル酸からのホモポリマー、および/またはb)i)アクリル酸およびアクリル酸の塩からのコポリマー、ii)メタクリル酸およびメタクリル酸の塩からのコポリマー、またはiii)アクリル酸、メタクリル酸およびそれらの塩からのコポリマーで構成されるように設定することができる。さらに、ポリアクリレートが様々なポリアクリレートの混合物であると設定することもできる。
この場合、特に、α、β−不飽和カルボン酸およびアクリル酸はいずれも塩として中和された状態で、遊離酸またはその混合物として非中和の状態で存在することができる。特に、アクリル酸およびアクリル酸の塩から構成されているポリアクリレートは非常に有効な作用のあることが分かった。なかでもアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩の場合が際立っている。特に、モノマーとしてアクリル酸および/またはアクリル酸ナトリウムまたはアクリル酸カリウムを含む、ホモポリマーおよび/またはコポリマーから構成されるポリアクリレートは非常に有効であることが明らかになった。
したがって、さらに本発明に基づく傷当て材も、好ましいことに、モノマーとしてアクリル酸および/またはアクリル酸ナトリウムまたはアクリル酸カリウムを含むホモポリマーおよび/またはコポリマーから構成される、特にプロテアーゼ抑制剤としてのポリアクリレート粒子からの粒子混合物を含んでいる。
そのほか、驚くべきことに、本課題が架橋結合および/または交叉結合および/または表面架橋結合したポリアクリレートのグループに所属するポリアクリレートによって、極めてドラスティックに解決されることが明らかになった。これらのポリアクリレートは、好ましいことに、a)モノマーM1から構成され、架橋剤によって架橋結合および/または交叉結合されているホモポリマー、および/またはb)モノマーM1およびM3から構成されるコポリマーを含んでいる。その場合、モノマーM1はアクリル酸および/またはその塩であり、モノマーM3は架橋剤のグループから選択される。すなわち、これらのポリアクリレートは架橋剤によって後から架橋結合されたポリアクリレートおよび/またはアクリル酸、および/またはその塩および架橋剤から共重合されているポリアクリレートを含んでいる。
それに伴い、さらに本発明に基づく傷当て材も、好ましいことに、架橋結合および/または交叉結合および/または表面架橋結合したポリアクリレートを含む、特にプロテアーゼ抑制剤としてのポリアクリレート粒子からの粒子混合物を有している。
特に注目されることだが、架橋剤として、1分子内に少なくとも2個のエチレン系不飽和基を有する化合物V1、またはアクリル酸および/またはその塩の官能基と縮合反応、付加反応または開環反応で反応することができる少なくとも2個の官能基を有する化合物V2、または少なくとも1個のエチレン系不飽和基と、アクリル酸および/またはその塩の官能基および/またはα、β−不飽和コモノマーと縮合反応、付加反応または開環反応で反応することができる、少なくとも1個の官能基とを有する化合物V3を含む架橋結合および/または交叉結合したポリアクリレートが非常に有効であることが明らかになった。その場合、化合物V1ではポリマーの架橋結合は、架橋剤分子のエチレン系不飽和基とモノエチレン系不飽和モノマーのアクリル酸および/またはその塩の1つおよび/またはα、β−不飽和コモノマーの1つとのラジカル重合によって達成されるが、他方化合物V2の場合ではポリマーの架橋結合は、官能基とアクリル酸および/またはその塩の1つまたはα、β−不飽和コモノマーの官能基との縮合反応によって達成される。化合物V3の場合では、ポリマーの架橋結合は、上記に対応して、エチレン系不飽和基のラジカル重合によっても、架橋剤の官能基とモノマーの官能基間の縮合反応によっても行われる。
化合物V1で好ましいのは、例えば、エチレングリコール(1,2−エタンジオール)、プロピレングリコール(1,2−プロパンジオール)、トリメチロールプロパン(2−エチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール)、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン(1,2,3−プロパントリオール)、ペンタエリトリット(2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロパン−1,3−ジオール)、ポリエチレングリコール(HO−(CH−CH−O)−H、ただしn=2〜20)、ポリプロピレングリコール(HO−(CH(CH)−CH−O)−H、ただしn=2〜20)、アミノアルコールなどのポリオール、例えばジエチレントリアミンまたはトリエチレンテトラアミンなどのポリアルキレンポリアミンまたはアルコキシル化ポリオールを、アクリル酸またはメタクリル酸で置換することによって得られるポリアクリル酸エステルまたはポリメタクリル酸エステルである。架橋結合したポリアクリレートで特に好ましいのは、場合にもよるが、アルコキシル化ポリオール、特にエトキシル化ポリオール、その中でも、ヒドロキシ基1個当りの酸化エチレン単位の平均数nがn=1〜10であるエトキシル化エチレングリコール、エトキシル化プロピレングリコール、エトキシル化トリメチロールプロパン、エトキシル化1,6−ヘキサンジオールまたはエトキシル化グリセリンをアクリル酸またはメタクリル酸で置換することにより得られる、ポリアクリル酸またはポリメタクリル酸のジエステル、トリエステルまたはテトラエステルである化合物V1により架橋結合されたポリアクリレートである。化合物V1としては、そのほか、ポリビニル化合物、ポリアリル化合物、ポリメチルアリル化合物、アクリル酸エステル、またはモノアリル化合物またはモノメチルアリル化合物のメタクリル酸エステル、特にポリオールまたはアミノアルコールのモノアリル化合物またはモノメチルアリル化合物のメタクリル酸エステルが好ましい。この関係では独国特許第19,543,366号、独国特許第19,543,368号が参考になる。
上記ポリアクリレートから構成されるポリアクリレート粒子は、傷当て材に使用された場合乾燥状態ではいずれも上記の粒径を有している。この粒子は傷当て材では乾燥状態で、または既に膨潤した状態で使用することができる。膨潤状態ではポリアクリル粒子はゲル状粒子の形態を取る。その場合、ポリアクリレート粒子は水、生理食塩水またはリンゲル液で湿潤させることができる。
本発明に基づく傷当て材は、特に、使用前には、最大で10重量%の水(ポリアクリレート粒子の総重量を基準とする)、すなわち、最大で10%の湿分を含むポリアクリレート粒子からの粒子混合物を有している。その場合特に、傷当て材が、最大で7重量%、好ましくは最大で5重量%、特に好ましくは最大で4重量%の水(ポリアクリレート粒子の総重量を基準とする)を含む粒子混合物を有するように設定されている。
本発明に基づく傷当て材は、さらに観点を押し進めて多層傷当て材として構成することができる。その傷当て材では特に、粒子混合物および粒子混合物用担体材を含む第1層のほかに別な第2層も使用されるように設定されている。この第2層は多様な機能を担うことができる。この場合では特に、粒子混合物と粒子混合物用担体材とを傷から離すための創傷接触層、または、さらに粒子混合物と粒子混合物用担体材とを取り囲むための被覆部が、傷当て材にさらに構成されるように設定されている。それによって特に、傷当て材の所定の適用形態では粒子が傷に達しないことが保証されている。このように、粒子混合物、担体材および被覆部を有するこの傷当て材は、粒子混合物と担体材を持つ第1層、および第2層、さらに被覆部で構成される第3層を有している。この場合では被覆部または傷接触層は、特に不織布、編物、メリヤス地または織物から形成することができる。なお、この傷接触層または被覆部は粒子を有していなければさらに好ましい。特に好ましいのは不織布である。この素材は組織が非常に密で、これだと粒子が傷に達し得ないからである。
したがって、多層傷当て材として形成され、粒子混合物および粒子混合物用担体材を包含する層のほかに、傷接触層としての第2の層を有する傷当て材も本発明の対象である。この傷接触層は粒子を含まない。
特に、傷に接着しない傷当て材も本発明の対象である。この傷当て材は、創傷治癒の肉芽形成期において治癒経過を大きく支援する。それは、1つには、粒径xがx≦300μmの粒子を含むことにより、特に、プロテアーゼを包囲または結合することによりその活性を抑制させ、また1つには、包帯取替時に新生組織を損傷することがないからである。傷に接着しないこの傷当て材は、傷接触層として、特に傷に接着しない編物、メリヤス地、織物または不織布を含むが、それが疎水性の繊維素材から構成されていればさらに好ましい。傷接触層としての編物、メリヤス地または織物は、特に疎水性のポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルまたはビスコース系の素材から構成することができる。傷接触層は編物、メリヤス地または織物として形成することにより、ひとりでに元に戻ったり、整ったりすることなく、1方向または複数方向に伸張または変形させることができる。この種の傷接触層の表面は、その上、治療すべき皮膚または創傷の表面にぴったりとフィットする。
また、傷当て材に、特に架橋結合および/または交叉結合したポリアクリレートを含むポリアクリレート粒子から構成される粒子混合物、および親水性の繊維素材を含む粒子混合物用担体材を含ませることもできる。この場合親水性繊維素材としては、特にセルロース系の非水溶性繊維、なかでも、ほぼ完全に脱リグニン処理された工業用パルプ繊維、特に繊維長<5mmの木材パルプ繊維が使用できる。この繊維素材は、再生セルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロースまたはヒドロキシエチルセルロースから構成される親水性繊維素材を含むことができる。また、セルロース、再生セルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロースまたはヒドロキシエチルセルロース系の繊維と、ポリエチレン、ポリプロピレンまたはポリエステル系の繊維とから構成される繊維混合物を使用することもできる。傷当て材は、特に好ましい実施形態では、上記組成のポリアクリレート粒子から構成される粒子混合物、および粒子混合物用担体材としてセルロース繊維、ポリプロピレン繊維から構成される混合物を含んでいる。
したがって、上記組成を持つ粒子混合物および第1繊維として合成ポリマーおよび/または天然ポリマーから構成されるステープルファイバを含む、粒子混合物用担体材を有する傷当て材も、同じく本発明の対象である。この傷当て材の特徴は、第1繊維として親水性ステープルファイバを含むことである。この繊維は、いわゆるエアーレイド法により粒子混合物と共に層状に加工することができる。
本発明に基づく傷当て材は、計画された使途に応じて、様々な量のポリアクリレート粒子およびポリアクリレート粒子用担体材を含むことができる。当傷当て材は、本発明によれば少なくとも10重量%のポリアクリレート粒子(対担体材重量)を含むが、ただし、そのポリアクリレート粒子は本発明の関係で挙げた組成を有しているとする。傷当て材として特に好ましいのは、少なくとも20重量%、より好ましくは少なくとも25重量%、特に好ましくは少なくとも30重量%のポリアクリレート粒子(対担体材重量)を含むものである。しかし、プロテアーゼの活性抑制および/または水性液の吸収および排出の面で、傷当て材の性能特性が制限を受けないためには、ポリアクリレート粒子の含有量が担体材を比較基準として、特に80重量%を超えないこと、特に75重量%を超えないことが保証されるべきであろう。
別な実施形態の1つでは、本発明に基づく多層傷当て材が、第1の粒子含有層Aと少なくとも1つの第2粒子含有層Bとを含むように設定されている。その場合第1層Aは第1サイズの粒子を、第2層Bは第1サイズとは異なる第2サイズの粒子を有している。
このように、様々なサイズのポリアクリレート粒子を含む粒子混合物および粒子混合物用担体材から構成され、粒子含有第1層Aと少なくとも1つの粒子含有第2層Bとを有する傷当て材のうち、その第1層Aが
a)傷内プロテアーゼ抑制剤としての、粒径xがx≦300μm、好ましくは45<x≦300μm、特に好ましくは150<x≦300μmである粒子、5〜98重量%
および粒子含有第2層Bが
b)水溶液の吸収および/または排出剤としての、粒径xがx>300μm、好ましくは300<x≦1500μm、より好ましくは300<x≦850μm、特に好ましくは600<x≦850μmである粒子、2〜95重量%
を含む傷当て材も、上記の粒子含有量がトータル量で100%になり、総粒子含有量が粒子担体材に対して少なくとも10重量%であることを条件として、本発明の好ましい実施形態の1つである。
その場合特に、第1層Aが
a)傷内プロテアーゼ抑制剤としての、粒径xがx≦300μm、好ましくは45<x≦300μm、特に好ましくは150<x≦300μmであるポリアクリレート粒子、5〜95重量%、好ましくは20〜80重量%、特に好ましくは50〜80重量%
および粒子含有第2層Bが
b)水溶液の吸収および/または排出剤としての、粒径xがx>300μm、好ましくは300<x≦1500μm、より好ましくは300<x≦850μm、特に好ましくは600<x≦850μmであるポリアクリレート粒子、5〜95重量%、好ましくは20〜80重量%、特に好ましくは20〜50重量%
を含むように設定されている。
多層傷当て材も、計画された使途に応じて、様々な量のポリアクリレート粒子およびポリアクリレート粒子用担体材を含むことができる。粒子が異なった層に配置されることを想定した場合、粒子量は粒子含有層の担体材総量に対して少なくとも10重量%にすべきである。この場合も特に、傷当て材としてはポリアクリレート粒子含有量が少なくとも20重量%、より好ましくは少なくとも25重量%、特に好ましくは少なくとも30重量%(粒子含有層の担体材総量に対して)のものが好ましいと想定されている。しかし、プロテアーゼの活性抑制および/または水性液の吸収および排出の面で傷当て材の性能特性が制限を受けないためには、ポリアクリレート粒子の含有量が担体材を比較基準として(粒子含有層の担体材総量に対して)、特に80重量%を超えないこと、特に75重量%を超えないことが保証されるべきであろう。
本発明は、さらに別の観点から見れば、傷内プロテアーゼの抑制または阻害のための各種サイズのポリアクリレート粒子を含む、特に傷当て材における粒子混合物の使用にも関する。ただし、その粒子混合物は
a)粒径x≦300μmである粒子、5〜100重量%、および
b)粒径x>300μmである粒子、0〜95重量%
を含むものとする。
この使用に供せられる粒子混合物は、特に好ましくは、
a)粒径x≦300μmである粒子、20〜100重量%、および
b)粒径x>300μmである粒子、0〜80重量%
を含んでいる。
この使用に供せられる粒子混合物は、特に好ましくは、
a)粒径xが45≦x≦300μmである粒子、20〜98重量%、および
b)粒径x>300μmである粒子、2〜80重量%
を含んでいる。
粒径xがx≦300であるポリアクリレート粒子は、別な有利な使用例では慢性創傷内のプロテアーゼ、特にメタロプロテアーゼ、そのなかでも特にマトリックス・メタロプロテアーゼに対して包囲作用を持つ抑制剤または阻害剤を製造するのに用いられる。さらにこのポリアクリレートは、プロテアーゼ、特にメタロプロテアーゼ、そのなかでも特にマトリックス・メタロプロテアーゼの阻害目的に、好ましいことに、慢性創傷内の組織の再生および/または組織再生の制御に使用することもできる。
慢性創傷とは、創傷治癒の1段階またはすべての段階における治癒経過が正常な創傷治癒とは離反している創傷と定義付けすることができる。つまり、急性、尋常性治癒経過を辿る創傷から、例えば創傷感染によって、遅い治癒速度を特徴とする慢性創傷が発生することがある。その場合、急性創傷から慢性創傷への移行は創傷治癒のどの段階ででも起こり得る。臨床的には慢性創傷は、6〜8週間を超える治癒期間を要する創傷と定義付けられる。ただし、この定義はすべての病状に的確に当てはまるわけではない。慢性創傷というのは、むしろ、医療関係者の臨床経験に依拠する診断である。
慢性創傷は、特に機械的負荷(臥床褥瘡、圧迫性潰瘍、圧迫性膿腫)、静脈機能不全(下腿静脈潰瘍、静脈潰瘍)、動脈硬化性血管変化(下腿動脈潰瘍、動脈潰瘍)、神経病性変化(糖尿病性足部症候群、神経病性潰瘍)により、さらには、自己免疫疾患、腫瘍(潰瘍性腫瘍)または腫瘍治療時の放射線障害の結果としても発生する。
褥瘡は、血管の圧迫および局部虚血を伴う外的(長期)圧力作用によって誘起される、壊疽、浸軟および場合によっては感染を伴う組織(特に皮膚および皮下組織)の栄養障害と定義付けられる。褥瘡性潰瘍は特に臥床時に、なかでも皮膚と骨とが直に接している部位に、または、例えば装着具合の悪い義肢およびきつく締め過ぎのギプス包帯によっても発生する。
褥瘡は、下記の病期に区分される。その中で、慢性創傷としては特に第II、第IIIおよび第IV期の褥瘡が公知である。
− 第I期褥瘡:負荷を除去しても頑固で限局性の赤発が皮膚に残ったままである。赤発はシャープな輪郭を持ち、硬化または発熱することがある。皮膚はまだ無損傷である。
− 第II期褥瘡:当期では水疱形成および皮膚落屑が発生し、延いては皮膚の部分損失に到る。表皮から真皮領域に到るまで損傷を受けている。当期では表面創傷または扁平な潰瘍が存在する。
− 第III期褥瘡:病状の進んだ当期では既にあらゆる皮膚層の損失が観察できる。それに加え、皮下組織の損傷および場合によっては、下方の筋肉組織にまで達し得る壊疽も観察できる。経験によれば、組織損傷の範囲全体が認識可能になるまでに、先ず壊疽性組織の領域を限定しなければならない。第III期褥瘡は臨床的には開口した深い潰瘍として現れる。
− 第IV期褥瘡:極めて危険な当期では、全皮膚層の破壊域拡大を伴う損失、および筋肉、骨または支持構造(腱、関節包)の組織壊疽または損傷が認められる。第IV期褥瘡は、臨床的には広い領域に亘って開口した深い潰瘍として現れる。
このように、本発明の発展形態は、上記の各組成を持つポリアクリレート粒子から構成される粒子混合物の、プロテアーゼ、特にメタロプロテアーゼの抑制剤としての使用、褥瘡、下腿静脈潰瘍、下腿動脈潰瘍または糖尿病性足部症候群の治療のための使用、およびこれらの治療薬の製造のための使用にも関する。本発明は、特に、
a)粒径x≦300μmである粒子、20〜100重量%、および
b)粒径x>300μmである粒子、0〜80重量%
を含む、ポリアクリレート粒子から構成される粒子混合物のプロテアーゼ、特にメタロプロテアーゼの抑制剤としての使用、褥瘡、下腿静脈潰瘍、下腿動脈潰瘍または糖尿病性足部症候群の治療のための使用、およびこれらの治療薬の製造のための使用にも関する。この場合組織の再生は、創傷治癒を妨害するメカニズムの遮断によって促進されるが、それは臨床的には創傷症状の回復および創傷の縮小に認められる。
別な有利な使用形態では、ポリアクリレート粒子は褥瘡、下腿静脈潰瘍、下腿動脈潰瘍または糖尿病性足部症候群におけるプロテアーゼ、特にメタロプロテアーゼの取り込みによる抑制のために、およびそれらの疾患においてプロテアーゼ、特にメタロプロテアーゼを取り込むための抑制剤の製造のために使用される。このポリアクリレート粒子は、その上好ましいことに、これらの疾患における組織の再生および/または組織再生の制御のために、メタロプロテアーゼまたはマトリックス・メタロプロテアーゼの阻害目的に使用することができる。
本発明の選択例または推奨例で挙げた特徴は、それぞれ個別の選択例または推奨例に限定されるものでないことをこの場で強調しておく。実際、本発明の関係ではむしろ、実施形態の組み合せ、または選択形態の各個別的特徴と他の選択形態の特徴との組み合せも同様に本発明に基づく対象と見なし得る。同様に、本発明は次の図解によっても縮減されないと理解すべきである。
以下では本発明を次の図面を引用して説明する。
図1には、本発明に基づく傷当て材(10)が第1実施形態として示されている。傷当て材は、所定どおりの適用では傷口に当てる第1スペース保持層(11)および第1被覆層(12)を有している。これら両層の間には、担体材(17)およびポリアクリレート粒子(15、16)から構成される粒子混合物を含む別な層(13)が存在する。粒子混合物は、粒径xが45≦x≦300μmである第1粒径を持つポリアクリレート粒子(16)と、粒径xが600≦x≦850μmである第2粒径を持つポリアクリレート粒子(15)とを同じ割合で含んでいる。したがって、粒子混合物は、粒径xが45<x≦300μmである第1粒径を持つ第1粒子成分としての50重量%(対粒子総重量)のポリアクリレート粒子(16)、および粒径xが300<x≦850μmである第2粒径を持つ第2粒子成分としての50重量%のポリアクリレート粒子(15)を含んでいる。粒子混合物用の担体材(17)は、94重量%の親水性セルロース繊維と6重量%のポリプロピレン繊維とを含む親水性ステープルファイバから構成される繊維素材である。担体材(17)とポリアクリレート粒子(15、16)は、エアーレイド法によって単位面積重量が360g/mの層に加工されている。層の繊維素材成分は198g/mで、ポリアクリレート粒子(15、16)の成分は162g/mである。したがって、ポリアクリレート粒子(15、16)の成分は担体材(17)の45重量%に相当する。第1スペース保持層(11)および第1被覆層(13)は、ポリプロピレン繊維系疎水性繊維素材から構成される不織布で形成されている。このように、この傷当て材は傷接触層として、傷に接着しない第1スペース保持層を有している。
図2には別な傷当て材(20)が示されている。この傷当て材は、ポリエステル繊維から構成される疎水性不織布で構成される傷接触層(21)を有している。この傷接触層(21)の上にポリアクリレート粒子含有第1層(23)、ポリアクリレート粒子含有第2層(24)および被複層(22)が配置されている。この場合、粒子含有第1層(23)のポリアクリレート粒子(26)は150≦x≦300μmの粒径x、粒子含有第2層(24)のポリアクリレート粒子(25)は600≦x≦1500μmの粒径xを有している。粒子含有第1層(23)には、粒径xが150≦x≦300μmである126g/mのポリアクリレート粒子(26)、および198g/mの親水性ステープルファイバが含まれている。粒子含有第2層(24)には、粒径xが600≦x≦1500μmである42g/mのポリアクリレート粒子(25)、および63g/mの親水性ステープルファイバが含まれている。したがって、第1層(23)の単位面積重量は315g/m、第2層(24)の単位面積重量は104g/mである。なお、粒子成分は粒子含有層(23、24)の担体材に比べその40重量%に当り、その場合、粒径xが150≦x≦300μmである75重量%のポリアクリレート粒子(対ポリアクリレート粒子の総重量)が第1層(23)に、粒径xが600≦x≦1500μmである25重量%のポリアクリレート粒子(対ポリアクリレート粒子の総重量)が第2層(24)に含まれている。第1および第2の粒子含有層(23、24)の担体材(27、28)は、90重量%のセルロース繊維と10重量%のポリプロピレン繊維から構成される親水性繊維素材(親水性ステープルファイバ)である。その第1粒子含有層も第2粒子含有層もエアーレイド法で製造されている。本例では、両層はインライン・プロセスにより順次連続する過程で製造された。粒子含有両層(23、24)の総重量は420g/mである。被覆層(22)は、厚さ60μmの水蒸気透過性ポリウレタンフィルムで構成されている。
図3には、また別な第3の傷当て材(30)が示されている。この傷当て材は、両側がセルロース繊維素材の薄織物(31、21)で覆われた粒子含有層(33)から構成されている。薄織物層の単位面積重量は18g/mである。この複合層は、創傷滲出物を透過させる不織布(40%のポリアミド繊維と60%のビスコース繊維とから構成されるステープルファイバの不織布)から構成される包囲材(39)によって取り囲まれている。その包囲材は、傷当て材の適用時には傷に背を向ける側が二重に形成されるように複合層を取り囲んでいる。この両層は熱熔融物の塗布(図示されていない)によって合体保持される。粒子含有層は280g/mのポリアクリレート粒子(Favor SMX 9170−ストックハウゼン社(Stockhausen)/クレフェルト(Krefeld))と128g/mの毛羽(繊維長<5mmの木材パルプ繊維)とから構成されている。ポリアクリレート粒子(36)の粒径xは150≦x≦300μmであるが、この粒子は粗製原製品(Favor SMX 9170)を篩別したものである。この粒子は架橋結合したポリアクリル酸ナトリウムから構成されており、ポリアクリレート粒子を比較基準として最大4重量%の水を含んでいる。このように、傷当て材は、粒径xが150≦x≦300μmであるポリアクリレート粒子を100重量%含み(対粒子総含有量)、担体材に対しては60重量%に当るポリアクリレート粒子を含んでいる。
図4には、第4の形態の傷当て材(40)が示されている。この傷当て材は、図1に示された傷当て材と類似した構造を有しているが、この傷当て材は両側が薄織物(31、32)で覆われた粒子含有層(43)を有している。薄織物層は100%セルロース繊維から構成され、単位面積重量は18g/mである。粒子含有層(43)は、担体材(47)とポリアクリレート粒子(45、46)から構成される粒子混合物とで構成されている。粒子混合物は、粒径xが150≦x≦300μmである第1粒径を持つ65g/mのポリアクリレート粒子(46)、および粒径xが600≦x≦850μmである第2粒径を持つ97g/mのポリアクリレート粒子(45)を含んでいる。したがって、粒子混合物は、粒径xが150≦x≦300μmである第1粒径を持つ第1粒子成分40重量%(対粒子総重量)のポリアクリレート粒子(46)、および粒径xが600<x≦850μmである第2粒径を持つ第2粒子成分60重量%のポリアクリレート粒子(45)を含んでいる。個々の粒子成分はポリアクリレート粒子(Favor PAC 300−ストックハウゼン社(Stockhausen)/クレフェルト(Krefeld))を篩別したものである。この粒子は架橋結合したポリアクリル酸ナトリウムから構成されており、ポリアクリレート粒子を比較基準として3.0重量%の水を含んでいる。粒子混合物用の担体材(47)は、94重量%の親水性セルロース繊維と6重量%のポリプロピレン繊維とを含む親水性ステープルファイバから構成される繊維素材である。担体材(47)とポリアクリレート粒子(45、46)はエアーレイド法により単位面積重量が360g/mの層に加工されている。層の繊維素材成分は198g/mで、ポリアクリレート粒子(45、46)の成分は162g/mである。したがって、ポリアクリレート粒子(45、46)の成分は担体材(47)の45重量%に相当する。傷当て材は、さらに、弛緩状態の厚さが0.8mmであるポリエチレン製の疎水性編物から構成される外部包囲材(39)によって取り囲まれている。この編物は傷への接着を防止し、良好な形態形成能を有しているので、傷当て材全体を傷の底部にフィットさせることができる。包囲材は、外縁部(39a、39b)についてはどの面も熱遮断されている。
図5にはポリアクリレート粒子へのメタロプロテアーゼの様々な結合形態が描かれている。
以下の実施例では、ポリアクリレート粒子(架橋結合したポリアクリレート、Favor PAC 300−ストックハウゼン社(Stockhausen)/クレフェルト(Krefeld)(ドイツ))を篩別により様々なサイズ領域に分別した。粒径が<125μm、160〜300μmおよび630〜900μmの粒子成分を検査した。粒子はリンゲル液(8.6gのNaCl、0.3gのKCl、0.33gのCaCl・2HOおよび水を含む全量1000ml)により予備的に活性化させた。その場合0.2gのポリアクリレート粒子を36.94mlのリンゲル液と共に24時間密閉容器に入れ置き、過剰分のリンゲル溶液が存在すれば除去した。予備活性化させた100mgのポリアクリレート粒子と20μg/50μlの創傷滲出物蛋白とを室温で常時振盪させて2時間培養した。創傷滲出物蛋白は下腿潰瘍患者から採取して、バイオラッド蛋白分析器(Bio−Rad DC蛋白分析キットII、カタログ番号500−0112)により蛋白含有量を測定し、リンゲル溶液により20μg/50μlに調整した。培養後上澄み液を取り除き、そのように処理したポリアクリレート・スーパーアブソーバを過剰量(5w/w)の洗浄緩衝液(10gの牛血清アルブミン(Sigma A−2153)、8.6gのNaCl、0.3gのKCl、0.33gのCaCl・2HOおよび水を含む全量1000ml)により3回洗浄した。このように処理したポリアクリレートに同体積(v/w)のSDSゲル・サンプルバッファを2回混合して水浴にて95℃で10分間煮沸し、その後−20℃に置くか、または直接ゼラチンザイモグラフィーを行った。その目的のため、創傷液のアリコート、ポリアクリレートで処理した上澄み液およびポリアクリレートに結合した蛋白質を、ゼラチンを含むSDSゲルに塗布し、電気泳動で分離した。
この技術は極めて鋭敏であるが、その原理は、プロテアーゼ基質(ゼラチン)をも含むSDSゲル内でのプロテアーゼの分離に基づいている。
ゲルの組成は次のとおりである(全化学薬品とも、シグマアルドリッチ ヒェミーGmbH(Sigma−Aldrich Chemie GmbH)の製品、所在地:89555 シュタインハイム(Steinheim)(ドイツ))。
− 3.3mlのゼラチン溶液(豚の皮膚からのゼラチン(CASナンバー 9000−70−8)、3mg/mlHO)、
− 0.85mlの蒸留水、
− 2.5mlの1.5Mトリス(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン)/HCl/0.4%のSDS溶液(ドデシル硫酸ソーダ溶液)、pH8.8、
− 3.35mlの30%アクリルアミド/0.8%ビスアクリルアミド溶液、
− 50μl(10%、w/v)の過硫酸アンモニウムおよび
− 5μlのTEMED(N、N、N’、N’−テトラメチレンジアミン)
上層ゲルは次のとおりである。
− 3.075mlの蒸留水、
− 0.625mlの0.5Mトリス(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン)/HCl/0.4%のSDS溶液(ドデシル硫酸ソーダ溶液)、pH6.8、
− 0.75mlの30%アクリルアミド/0.8%ビスアクリルアミド溶液、
− 50μl(10%、w/v)の過硫酸アンモニウムおよび
− 5μlのTEMED(N、N、N’、N’−テトラメチレンジアミン)
ゲルはいわゆるミニゲルとして、または別な装置による蛋白混合物の分離のための従来型醗酵分析に使用することができる。これらの装置および方法は当業者間では公知である。
サンプルバッファは、還元性物質を含んではならない任意のサンプルバッファにすることができる。プロテアーゼは分離後復元し(2.5%Triton−X−100の水溶液中で15分×2回洗浄し、次に50mMトリス/HCl中、5mMのCaClによりpH7.4に調整下で15分×2回洗浄する)、最終の洗浄バッファで24〜48時間培養する。再自然化したメタロプロテアーゼはその隣接領域のゼラチン基質を分解する。この醗酵図を蛋白色素(クマシー(Coomassie)、CASナンバー6104−59−2、シグマアルドリッチ ヒェミーGmbH(Sigma−Aldrich Chemie GmbH)、89555 シュタインハイム(Steinheim)(ドイツ))で着色し、標準手順に従い続いて脱色すれば、非分解ゼラチンがゲル中で均一ブルーを呈する(図5ではグレー/ブラックに描かれている)。蛋白分解活性が存在し、ゼラチンが分解した場所にのみ、透明で明確な帯、いわゆる「侵蝕帯」が見られ印象的である(図5ではグレー/ブラックの背景において白色で描かれている)。典型的模様および蛋白マーカーで求めた分子量領域(図示されていない)を手掛かりに、酵素の種類を特定することができた。ここで説明した方法およびその変法(例えば、Herronらの共著「J Biol Chem」1986年、第261巻、2814〜8ページ)は当業者にはよく知られている。半定量評価を画像分析ソフトウェアImageJ(Java(登録商標)言語による画像処理および分析、http://rsb.info.nih.qov/ij/index.html、最終アクセス2007年11月19日)を基に、ソフトウェアの手引きどおり帯強度の濃度測定評価によって行った(http://rsb.info.nih.qov/ij/docs/index.html、最終アクセス2007年11月19日)。
この実験により、メタロプロテアーゼがポリアクリレート粒子の様々な成分にその粒径に依存して明確に結合しているのが確認できた。半定量的評価は表2に示されている。
第1レーン(WF)には20μlの希釈された初期創傷滲出物が塗布されている。第2、第3および第4レーンでは結合した創傷滲出物を25μlのサンプルバッファ中で加熱により分離させた。ポリアクリレート粒子に残るのは極僅かな部分だけである。そのようにして得た蛋白をゼラチンザイモグラム(Gelatinezymogramme)に塗布し展開させた。第1レーン(創傷滲出物)の帯強度を参照値として100とした。第2、第3および第4レーンの強度は参照値に対する百分比で表してある。
Figure 2011507804
レーン2(125μm未満の粒径を持つポリアクリレート粒子)およびレーン3(160〜300μmの粒径を持つポリアクリレート粒子)ではMMP−9帯およびMMP−2帯については明らかにより強い信号が発せられるのが明瞭に分かる。ポリアクリレート粒子の創傷滲出物による培養後の洗浄過程を通して、強力な結合から出発しなければならない。粒径xが160<x<300μmであるポリアクリレート粒子は、粒径xが630<x<900μmであるポリアクリレート粒子に比べメタロプロテアーゼMMP−9の結合に関しては約7倍の作用がある。同一の粒子成分は粒径xが630<x<900μmであるポリアクリレート粒子に比べても、メタロプロテアーゼMMP−2の結合に関しては約4倍の作用がある。
臨床試験では、慢性創傷の治癒効果を伴うマトリックス・メタロプロテアーゼの阻害、が認められた。この試験では、開口性下腿潰瘍(Ulcus cruris)を患う3人の代表的患者を、図4で説明した構造を持つ傷当て材で治療した。その場合、これら患者において過剰量のプロテアーゼを抑制し、創傷治癒を誘導するために、粒径xが150<x≦300μmであるポリアクリレート粒子の成分が40重量%のものを選択した。ここでは、新たな結合組織の構成を可能にするためには、肉芽組織の形成開始がポイントであり特に注目に値する。包帯の取替は24時間ごと、または2日ごとに行った。結果を次表にまとめた。
Figure 2011507804
潰瘍の創傷状態は半定量的に0〜5段階に分けて臨床評価した。創傷サイズは面積測定によった。等級評価は以下のとおりである。
0=被膜なし。
1=創傷表面の20%がフィブリン被膜で覆われていた。
2=創傷表面の40%がフィブリン被膜で覆われていた。
3=創傷表面の60%がフィブリン被膜で覆われていた。
4=創傷表面の80%がフィブリン被膜で覆われていた。
5=創傷表面の100%がフィブリン被膜で覆われていた。
肉芽組織も同様に定量測定した。
0=肉芽組織認められず。
1=特徴として、創傷表面の20%に目を引く赤い肉芽組織があった。
2=特徴として、創傷表面の40%に目を引く赤い肉芽組織があった。
3=特徴として、創傷表面の60%に目を引く赤い肉芽組織があった。
4=特徴として、創傷表面の80%に目を引く赤い肉芽組織があった。
5=特徴として、創傷表面の100%に目を引く赤い肉芽組織があった。
上記のとおり、慢性創傷の病状の治療によって正常な自然治癒経過に移行させることができた。

Claims (15)

  1. 様々なサイズのポリアクリレート粒子(15、16、25、26、45、46)を含む粒子混合物および前記粒子混合物用の担体材(17、27、47)を含む、傷内プロテアーゼの抑制および/またはハイドロ活性による創傷治療のための傷当て材(10、20、40)であって、前記粒子混合物が
    a)傷内プロテアーゼ抑制剤としての粒径x≦300μmの粒子(16、26、46)、5〜100重量%、および
    b)水溶液の吸収および/または排出剤としての粒径x>300μmの粒子(15、25、46)、0〜95重量%
    を含み、かつ、
    前記傷当て材が担体材の総重量に対して少なくとも10重量%のポリアクリレート粒子(15、16、25、26、45、46)を有する、傷当て材。
  2. 前記粒子混合物が
    a)傷内プロテアーゼ抑制剤としての、粒径xが45<x≦300μmである粒子(16、26、46)、5〜100重量%、および
    b)水溶液の吸収および/または排出剤としての、粒径xが300<x≦1500μmである粒子(15、25、46)、0〜95重量%
    を含む、請求項1に記載の傷当て材(10、20、40)。
  3. 前記粒子混合物が
    a)傷内プロテアーゼ抑制剤としての、粒径xが150<x≦300μmである粒子、20〜98重量%、および
    b)水溶液の吸収および/または排出剤としての、粒径xが600<x≦850μmである粒子、2〜80重量%
    を含む、前記請求項の少なくとも一項に記載の傷当て材(10、20、40)。
  4. 前記粒子混合物が
    a)傷内プロテアーゼ抑制剤としての粒径x≦300μmの粒子、50〜100重量%、および
    b)水溶液の吸収および/または排出剤としての粒径x>300μmの粒子、0〜50重量%
    を含む、前記請求項の少なくとも一項に記載の傷当て材(10、20、40)。
  5. 前記粒子混合物が
    a)傷内プロテアーゼ抑制剤としての粒径x≦300μmの粒子、5〜50重量%、および
    b)水溶液の吸収および/または排出剤としての粒径x>300μmの粒子、50〜95重量%
    を含む、前記請求項の少なくとも一項に記載の傷当て材(10、20、40)。
  6. 前記ポリアクリレート粒子(15、16、25、26、45、46)が、前記ポリアクリレート粒子の総重量に比較して最大で10重量%の水を含む、前記請求項の少なくとも一項に記載の傷当て材(10、20、40)。
  7. 前記ポリアクリレート粒子(15、16、25、26、45、46)が、架橋結合および/または交叉結合および/または表面架橋結合したポリアクリレートを含む、前記請求項の少なくとも一項に記載の傷当て材(10、20、40)。
  8. 多層傷当て材であることを特徴とする、前記請求項の少なくとも一項に記載の傷当て材(10、20、40)。
  9. さらに、前記粒子混合物と前記粒子混合物用担体材(47)とを取り囲むための被覆部(49)、または前記粒子混合物と前記担体材(17、27)とを傷から離すための創傷接触層(11、21)を有する、前記請求項の少なくとも一項に記載の傷当て材(40)。
  10. 前記粒子用担体材(17、27、47)が、第1繊維として合成ポリマーおよび/または天然ポリマーから構成されるステープルファイバを含む繊維素材である、前記請求項の少なくとも一項に記載の傷当て材(10、20、40)。
  11. 粒子含有第1層A(23)および少なくとも1つの粒子含有第2層B(24)を有し、前記第1層A(23)が前記粒子混合物の粒子a)(26)を、前記第2層B(24)が前記粒子混合物の粒子b)(25)を含む、前記請求項の少なくとも一項に記載の傷当て材(20)。
  12. 前記被覆部(49)が不織布、編物、メリヤス地または織物である、前記請求項の少なくとも一項に記載の傷当て材(10、20、40)。
  13. 前記のほか、さらに、粒子を含まない傷接触層(11、21)を有している、前記請求項の少なくとも一項に記載の傷当て材(10、20)。
  14. サイズの異なる下記ポリアクリレート粒子、すなわち、
    a)粒径x≦300μmの粒子、20〜100重量%、および
    b)粒径x>300μmの粒子、0〜80重量%
    を含む粒子混合物の傷内プロテアーゼ抑制のための使用。
  15. 前記粒子混合物が、
    a)粒径xが45≦x≦300μmである粒子、20〜98重量%、および
    b)粒径x>300μmである粒子、2〜80重量%
    を含んでいることを特徴とする、請求項14に記載の粒子混合物の使用。
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