JP2011505147A - lac発現システム - Google Patents

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Abstract

目的の遺伝子に作動可能に連結された変異lacオペレーターを含む核酸、上記核酸を含む宿主細胞、および上記目的の遺伝子を発現させるために上記宿主細胞を用いる方法が、本発明において提供される。recAが媒介するクローニング方法もまた提供される。一実施形態において、上記変異lacオペレーターは、LacIリプレッサータンパク質に対する上昇した親和性を有し得る。上記核酸はプラスミドまたは染色体であり得る。LacIリプレッサータンパク質に対するlacオペレーターの親和性は、少なくとも5倍上昇され得る。変異lacオペレーターの配列は、配列番号:2から配列番号:6の何れか一つを含み得る。目的の遺伝子は、抗体または酵素のような生物学的活性を有するタンパク質をコードし得る。タンパク質はT7遺伝子1またはtrfAであり得る。

Description

(技術分野)
本発明は、LacIリプレッサータンパク質に対する親和性が上昇した変異lacオペレーターによって調節される目的の遺伝子を発現する方法、変異lacオペレーターを含む核酸、およびその核酸を含む宿主細胞に関連する。本発明はrecAが媒介する組換えを用いて核酸をクローニングする方法にもまた関連する。
(背景技術)
異種の遺伝子発現による薬学的および工業的な利用のためのタンパク質ならびに酵素の製造は、生産の効率的かつ経済的な手段である。グラム陰性細菌であるEscherichia coli(E.coli)は依然として、研究および産業の両方において、目的の遺伝子の発現のために最も一般的に用いられる宿主細胞基盤である。異種のタンパク質発現は、発酵および細胞増殖のパラメーターに対してしばしば感受性であり、そして、一種のタンパク質に対する最適な誘導レジメンは別のタンパク質に対する最適な誘導レジメンとは頻繁に異なるため、任意の産物の生産量を最大化するために変化させられ得る柔軟な誘導の方法を必要としている。宿主の発現システムに対し有毒である遺伝子産物は特に厄介であり、そして遺伝子発現を厳密に調節するための多くの手段は、高スループット、高用量の適用に対して扱い難く、かつ、不適当である。
遺伝子発現のための戦略は、RNAポリメラーゼ(誘導可能なプロモーターによって制御される遺伝子によってしばしばコードされる)によって調節されるプロモーターの制御下に目的の遺伝子を置くことをしばしば含む。そのような発現システムの一つは、特許文献1、特許文献2、特許文献3および特許文献4に記載されている(これらの全容が本明細書において援用される)、目的の遺伝子の発現を制御しているバクテリオファージT7プロモーター、および、lac プロモーターの制御下のRNAポリメラーゼT7遺伝子1である。他の発現システムとしては、それぞれ米国特許出願第10/537,075号および特許文献5に記載されている(これらの全容が本明細書において援用される)、ラムノースで誘導可能なT7ポリメラーゼ遺伝子およびアラビノースで誘導可能な遺伝子が挙げられる。
現在の遺伝子発現システムは、誘導剤の非存在下でのRNAポリメラーゼの基礎発現レベル(すなわち「漏れやすい」プロモーター);稀少および高価な誘導剤(例えば、イソプロピルβチオガラクトシド[IPTG]);宿主システムへの誘導剤の限定された輸送;宿主システムへの誘導剤の導入の際の、RNAポリメラーゼ発現の動力学的反応が緩慢であること;および、誘導剤の非存在下においてRNAポリメラーゼの望まない発現を導くオペレーター−リプレッサーシステムの調節の欠如、を含む多くの因子が妨げとなる。そこで代替的な発現システムの開発が望まれる。
米国特許第6,569,669号明細書 米国特許第5,869,320号明細書 米国特許第5,693,489号明細書 米国特許第4,952,496号明細書 米国特許第5,028,530号明細書
(発明の概要)
目的の遺伝子に作動可能に連結されている変異lacオペレーターを含む核酸が、本明細書中で提供される。変異lacオペレーターは、LacIリプレッサータンパク質に対する上昇した親和性を有し得る。核酸はプラスミドまたは染色体であり得る。LacIリプレッサータンパク質に対するlacオペレーターの親和性は、少なくとも5倍上昇され得る。変異lacオペレーターの配列は、配列番号:2から配列番号:6の何れか一つを含み得る。目的の遺伝子は、抗体または酵素のような生物学的活性を有するタンパク質をコードし得る。タンパク質はT7遺伝子1またはtrfAであり得る。
上記核酸を含む宿主細胞もまた提供される。その宿主細胞は、lacI遺伝子を含み得、このlacI遺伝子は変異型であり得る。lacI対立遺伝子は、上昇した親和性でlacオペレーターと結合し得る、変異LacIリプレッサータンパク質をコードし得る。宿主細胞は不活性なlacZ遺伝子もまた含み得、この不活性なlacZ遺伝子は宿主細胞が、グルコースおよびガラクトースへのラクトースの切断またはラクトースのアロラクトースへの変換を防ぎ得る。
宿主細胞をLacIアロステリックエフェクターと接触させることによって、目的の遺伝子を発現させる方法もさらに提供される。上記アロステリックエフェクターは目的の遺伝子の発現を導き得る。LacIアロステリックエフェクターはラクトースに由来し得、かつ、イソプロピルβ−D−チオガラクトピラノシドなどのラクトースアナログであり得る。
recAを含む宿主細胞を用いて、第一の核酸をクローニングする方法もまた提供される。上記宿主細胞において、(環状であり得る)第一の核酸は、上記宿主細胞中で第一と第二の核酸が接触することによって、第二の核酸と組換えられ得る。recAは上記宿主細胞ゲノム中、またプラスミド上に配置され得る。第一の核酸はプラスミドであり得、また第二の核酸は宿主細胞の染色体であり得る。第一の核酸は、少なくとも二つ、第二の核酸上の領域と同一である配列の領域を含み得る。第一の核酸は、カナマイシン耐性をもたらす選択可能マーカーまたは緑色蛍光タンパク質をコードする選択可能マーカーもまた含み得る。核酸の組換えの後、上記recAプラスミドは除去され得る。この宿主細胞は、E.coliなどのグラム陰性細菌であり得る。
図1は、一次(染色体間の)組換えによるlac−T7ポリメラーゼ置換のための構築上の戦略を概略的に表したものである。 図2は、二次(染色体内の)組換えによるlac−T7ポリメラーゼ置換のための構築上の戦略を概略的に表したものである。 図3は、lacスーパーオペレーターT7ポリメラーゼ構築物を作製する工程における、PCRの第一ラウンドで使用されるプライマーおよび鋳型を示す。 図4は、lacスーパーオペレーターT7ポリメラーゼおよび構築物を作製する工程における、PCRの第二および第三ラウンドで使用されるプライマーおよび鋳型を示す。 図5は、lacスーパーオペレーターT7ポリメラーゼ構築物およびこれを作製するために使用されるプライマーの概略を示す。 図6は、lacスーパーオペレーターT7ポリメラーゼのクローニングおよび同定のための戦略ならびにこの構築物のクローニングの結果生じるゲルの写真を記載する。 図7は、E.coliゲノム中へのlacスーパーオペレーターT7ポリメラーゼ構築物の組換えを確認するために使用される戦略およびプライマー、ならびに確認の戦略の結果生じるゲルの写真を記載する。 図8は、lacYの5’部分とlacYのE.coli染色体のコピーとの間でのRecAが媒介する分子内の組換えイベント(このことは内因性lacZが存在していたE.coli染色体領域の「崩壊」を生じる)を確認するためのスクリーニングに使用される戦略およびプライマーならびにゲルの写真を記載する。 図9は、lacZ復帰構築物を作製するために使用されるプライマーならびに鋳型を示す。 図10は、lacZ復帰構築物の概略およびこれを作製するために使用されるプライマーの概略を示す。 図11は、lacスーパーオペレーターT7ポリメラーゼE.coli菌株中へのlacZの導入のための戦略およびこの戦略の結果生じるゲルの写真を示す。 図12は、lacスーパーオペレーターT7ポリメラーゼE.coli菌株中へのlacZの導入を確認するために使用される戦略およびプライマーならびにこの戦略の結果生じるゲルの写真を示す。 図13は、lacスーパーオペレーターT7ポリメラーゼおよびlacZを含むがカナマイシン耐性を有しないE.coli菌株の作製を確認するための戦略およびプライマー、ならびにこの戦略の結果生じるゲルの写真を示す。 図14は、lacスーパーオペレーターT7株の概略およびこれを構築するために使用されるプライマーを示す。 図15は、自殺ベクターがTrfAタンパク質の存在下で複製することを許容するoriV、緑色蛍光タンパク質−カナマイシン耐性マーカー、およびマルチクローニングサイト(これらは核酸組換え戦略において使用され得る)を含む自殺ベクターの概略を示す。 図16は、核酸組換え戦略の、考えられる第一工程の概略を示す。 図17は、核酸組換え戦略の、考えられる第二工程の概略を示す。 図18は、一次(染色体間の)組換えによるlac−T7ポリメラーゼ置換のための、代替的な構築上の戦略を概略的に表したものである。 図19は、二次(染色体内の)組換えによるlac−T7ポリメラーゼ置換のための、代替的な構築上の戦略を概略的に表したものである。 図20は、lacスーパーオペレーターT7ポリメラーゼ構築物を作製する工程におけるPCRの、代替的な第一ラウンドで使用されるプライマーおよび鋳型を示す。 図21は、lacスーパーオペレーターT7ポリメラーゼおよび構築物を作製する工程におけるPCRの、代替的な第二および第三ラウンドで使用されるプライマーおよび鋳型を示す。 図22は、lacスーパーオペレーターT7ポリメラーゼ構築物の代替的な概略およびこれを作製するために使用されるプライマーを示す。
(詳細な記述)
lacオペロンは、制御ドメイン、lacオペレーター、ならびにラクトースの取込みおよび異化に関与する3種の遺伝子lacZ、lacY、lacA(Vilarら,2003,J Cell Biol,161(3):471−476において概説されている
)を含む。LacオペレーターはLacIリプレッサータンパク質(転写調節因子のへリックス−ターン−へリックスファミリーに属する)によって調節される。LacIリプレッサータンパク質は、様々な親和性で、lacオペレーターに存在する3種のサイトのいずれにも結合できるホモ四量体として機能する。ラクトース非存在下では、LacIリプレッサータンパク質は、lacオペレーターを1000倍を超えるほどにより強く抑制することを媒介する能力を有する。これは主に、LacIリプレッサータンパク質とLacオペロンの転写開始部位に近い核酸配列との間での相互作用によって引き起こされるLacIリプレッサーとRNAポリメラーゼとの間での立体(Stearic)障害によって起こる(Besseら,1986,EMBO J,5(6):1377 81;Lehmingら,1987,EMBO J,6(10):3145 3153)。ラクトース誘導体は、LacIリプレッサータンパク質に結合する能力およびこのタンパク質における構造的な変化を引き起こす能力を有し、このことはlacオペレーターに対するLacIリプレッサータンパク質の親和性を低下させ、そしてlacオペロンの上昇した発現を可能にする。
lacシステムの成分を用いて目的の遺伝子を発現させる方法が、本明細書中で提供される。誘導剤の非存在下において、目的の遺伝子の基礎レベルは、LacIリプレッサータンパク質がlacオペレーターを占有する時間の上昇、つまりLacIリプレッサータンパク質による抑制の増強によって減少させられ得、かつ、より厳密に制御され得る。以前、天然から単離されたプロモーター改変体が、この適用において使用されている。これらとしては、LacIリプレッサータンパク質をコードする遺伝子のプロモーターに存在するlacIが挙げられる。lacI変異はLacIリプレッサータンパク質のレベルの上昇を引き起こし、そしてそのため、lacオペロンの抑制の上昇を引き起こす。LacIと非常にしっかりと複合体を形成できるオペレーター配列改変体は、インビトロの研究において、無作為のオリゴヌクレオチドに対するLacIの結合の体系的な分析によって同定されている(Lehmingら;Sadlerら;1983,Proc Natl Acad Sci USA 80:6785−89)、しかしインビボでの適用のための検査はほとんどされていない。本明細書で提供される方法は、LacIリプレッサータンパク質に対して上昇した親和性を有するlacオペレーターの改変体を利用することで、LacIリプレッサータンパク質のレベルの上昇に対する必要性を回避し、かつ目的の遺伝子によって生産されるタンパク質の精製を単純にする。
(1.定義)
本明細書で用いられる用語は、特定の実施形態のみを記載する目的のみのためのものであり、これらによって本発明が限定されることは意図されない。本明細書および添付される特許請求の範囲で用いられる場合、単数形「ある、一つの(a、an)」および「この、その(the)」は、文脈において複数形を含まないことが明記がなされない限り、複数形の概念を含む。
本明細書における数値範囲の記載について、同程度の正確さを有するその数値範囲の間にある各数値が、明示的に意図される。例えば、6から9の範囲については、数値7および8は、6および9に加えて本明細書において明示的に意図される。そして、6.0から7.0の範囲においては、数値6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、および7.0が本明細書において明示的に意図される。
(a.染色体)
本明細書で用いられる「染色体」は、細胞内に包まれている核酸であり得る。核酸は一片のDNAであり得る。DNAは直鎖状であっても環状であってもよい。DNAは1、10、100、1000、2000、3000、4000、5000、または10000の遺伝子を含み得る。DNAは調節要素および/または介在ヌクレオチド配列もまた含み得る。DNAは複製起点もまた含み得る。複製起点は、oriCであり得る。DNAは細胞にとって天然なものであり得る。DNAは、細胞にとって外因性なものでもまたあり得る。例えば、DNAは人工の染色体であり得る。DNAは、細胞学的に可視である核封入体の中でのように、凝縮もまたされ得る。
(b.遺伝子)
本明細書で用いられる「遺伝子」は、転写および/もしくは翻訳の調節配列ならびに/またはコード領域ならびに/または翻訳されない配列(例えば、イントロン、5’および3’の非翻訳配列)を含む天然のもの(例えば、ゲノム)、あるいは合成の遺伝子であり得る。遺伝子のコード領域は、アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列、またはtRNA、rRNA、触媒RNA、siRNA、miRNAもしくはアンチセンスRNAなどの機能的なRNAであり得る。遺伝子は、コード領域に連結されている5’もしくは3’の非翻訳配列を必要に応じて含むコード領域(例えば、エキソンおよびmiRNA)に相当するmRNAまたはcDNAでもまたあり得る。遺伝子は、コード領域および/またはコード領域に連結されている5’もしくは3’の非翻訳配列の全てまたは一部を含む、インビトロで生産される増幅された核酸分子でもまたあり得る。
(c.宿主細胞)
本明細書で用いられる「宿主細胞」は、天然に存在している細胞、またはベクターを含み得る形質転換された細胞およびベクターの複製を支え得る形質転換された細胞であり得る。宿主細胞は培養された細胞、外植片、インビボの細胞などであり得る。宿主細胞は、E. coli、Salmonella種、Haemophilus influenzae、Lactococcus lactisおよびShigella種などの原核細胞であってもよい。宿主細胞は、酵母の細胞、昆虫の細胞、および両生類の細胞、またはCHOおよびHeLaのような哺乳類の細胞などの真核細胞であってもまたよい。
(d.不活性)
本明細書で用いられる「不活性」は、不活性な遺伝子を意味し得る。不活性な遺伝子は変異を含み得る。変異は遺伝子の機能喪失を引き起こし得る。不活性な遺伝子は、野生型の配列と比較して欠失された配列もまた含み得る。欠失された配列は、遺伝子の一部を含んでよい。欠失された配列は、遺伝子の全体もまた含んでよい。不活性な遺伝子は、トランスポゾンもまた含んでよい。トランスポゾンは、遺伝子の5’または3’にあってもよい。トランスポゾンは、遺伝子内にあってもまたよい。不活性な遺伝子は、宿主細胞がその遺伝子によってコードされるタンパク質を生産することができないことを保証し得る。
(e.挿入サイト)
本明細書で用いられる「挿入サイト」は、制限酵素部位または組換えサイトを含む配列を有する核酸を意味し得る。制限酵素を用いる制限酵素部位または組換えサイトにおける消化は、第二の核酸が挿入されることを可能にし得る。挿入サイトは、マルチクローニングサイトを含み得る。
(f.変異)
本明細書で用いられる「変異型」または「変異」は、参照される核酸またはポリペプチドと比較して、一つまたはそれより多い置換、欠失、もしくは挿入を含む核酸またはポリペプチドを意味し得る。
(g.核酸)
本明細書で用いられる「核酸」または「オリゴヌクレオチド」または「ポリヌクレオチド」は、互いに共有結合で連結された少なくとも二つのヌクレオチドを意味し得る。一本鎖の記載は、相補鎖の配列もまた定義する。よって、核酸は、記載される一本鎖の相補鎖もまた包含する。核酸の多くの改変体は、所定の核酸として、同じ目的のために用いられ得る。よって、核酸は実質的に同一である核酸およびそれらの相補体もまた含み得る。一本鎖は、ストリンジェントハイブリダイゼーション条件下で、標的の配列にハイブリダイズし得るプローブを提供する。よって、核酸はストリンジェントハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズするプローブもまた包含する。
核酸は一本鎖配列であっても、二本鎖配列であってもよく、または、二本鎖配列と一本鎖配列の両方の部分を含んでもよい。核酸は、ゲノムDNAおよびcDNAであるDNA、RNA、またはハイブリッド(ここで核酸は、デオキシリボヌクレオチドおよびリボヌクレオチドの組合せ、ならびに、ウラシル、アデニン、チミン、シトシン、グアニン、イノシン、キサンチン、ヒポキサンチン、イソシトシン、およびイソグアニンを含む塩基の組合せを包含してもよい)であってよい。核酸は化学的な合成法または組換え法によって取得されてもよい。
(h.作動可能に連結)
本明細書で用いられる「作動可能に連結」は、空間的につなげられているプロモーターの制御下での遺伝子の発現を意味し得る。プロモーターは、その制御下の遺伝子の5’(上流側)または3’(下流側)に位置し得る。プロモーターと遺伝子との間の距離は、そのプロモーターと、そのプロモーターが由来する遺伝子においてそのプロモーターが制御をする遺伝子との間の距離とほぼ同じであり得る。当該分野において公知のように、この距離における改変は、プロモーターの機能を失うことなく提供され得る。
(i.ぺプチド)
「ぺプチド」または「ポリぺプチド」は、アミノ酸が連結された配列であり、そして、天然のもの、合成されたもの、または天然のものおよび合成されたものが修飾されたものもしくは天然のものおよび合成されたものの組合せであり得る。
(j.プラスミド)
本明細書で用いられる「プラスミド」は核酸を意味し得、ここで、核酸は環状構造を有する。プラスミドは染色体外であり得る。プラスミドは、100;1000;2000;5000;10,000;20,000;30,000;40,000;50,000;60,000;70,000;80,000;90,000;100,000;110,000;120,000;130,000;140,000;150,000;160,000;170,000;180,000;190,000;200,000;210,000;220,000;230,000;240,000;250,000;260,000;270,000;280,000;290,000;300,000;310,000;320,000;330,000;340,000;350,000;360,000;370,000;380,000;390,000または400,000ヌクレオチドの長さを有し得る。プラスミドは低コピー、中コピーまたは高コピーのプラスミドであり得る。プラスミドは複製の起点を含み得る。プラスミドは選択可能マーカーもまた含み得る。プラスミドはスクリーニングマーカーもまた含み得る。プラスミドはマルチクローニングサイトもまた含み得る。ここで、マルチクローニングサイトは制限酵素部位を含む。制限酵素部位はさらなる核酸のクローニングのために用いられ得る。プラスミドはpTYB1、pTYB2、pTYB11、pTYB12、pLitmus29、pMAL−C2X、pMAL−C2T、pMALp2、pMALc2、pMALcR1、pET3、pET3a、pET11a、pET11d、pET15b、pET17、pET21d(+)、pET22b、pET28a、pET29a、pET30a、pET42b(+)、pET42b(+)、pET44b(+)、pET44b(+)、pKK233−2、pKK22−33、pRSETA、pRSETB、pRSETC、pTP2P、pTRC99A、pGEX2T、pGEX3X、pGEX−2TK、pAT153、HAT4、pPROEXHTb、pTZ18、pTZ19、PTZ19RJ L1、PTZ19RJ L2、pACYC177、pACYC184A、pGEM1、pGEM4Z、pGEM7Zf(+)、pLitmus29、pGEMEX−1、pCDNA3、pCR−Script(sk+)、pBluescript II SK(+)、pBluescript II SK(−)、pBluescript II KS(+)、pBluescript II KS(−)、pSELECT−1、pCR−Blunt−II[−TOPO]、pLysS、pBR322、pUC18、pUC19、pUC118、pUC120、pUC121、pUC−4K、またはこれらの改変体であってもよい。
(k.プロモーター)
本明細書で用いられる「プロモーター」または「オペレーター」は、細胞内の核酸の発現を、もたらす、活性化するもしくは強める能力を有する、合成されたまたは天然から得られた分子を意味し得る。プロモーターは、同じものの発現をさらに強めるまたは空間的発現もしくは時期的な発現を変化させるための、一つまたはそれより多い特異的な転写調節配列を含んでよい。プロモーターは、遠い位置にあるエンハンサーの要素またはリプレッサーの要素(これらは転写の開始サイトから数千塩基対程度のところに存在し得る)もまた含んでよい。プロモーターはウイルス、細菌、真菌、植物、昆虫、および動物を含む供給源に由来し得る。プロモーターは、発現が起きる細胞、組織もしくは器官に関連して、または発現が起きる発生の段階に関連して、または生理学的なストレス、病原体、金属イオン、もしくは誘導剤のような外部からの刺激に応答して、遺伝子成分の発現を恒常的にまたは差示的に調節し得る。プロモーターの典型的な例としては、バクテリオファージT7プロモーター、バクテリオファージT3プロモーター、SP6プロモーター、lacオペレーター−プロモーター、tacプロモーター、SV40後期プロモーター、SV40初期プロモーター、RSV−LTRプロモーター、CMV IEプロモーター、SV40初期プロモーターまたはSV40後期プロモーターおよびCMV IEプロモーターが挙げられる。
(l.スクリーニングマーカー)
本明細書で用いられる「スクリーニングマーカー」は、宿主細胞中で発現され、遺伝学的構築物を用いてトランスフェクトもしくは形質転換された細胞のスクリーニングまたは検出を容易にするという表現型を宿主細胞に与えるようなあらゆる遺伝子を意味し得る。スクリーニングマーカーの典型的な例としては、βガラクトシダーゼ(β−gal)をコードしている遺伝子、βグルクロニダーゼ(GUS)遺伝子、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)遺伝子、緑色蛍光タンパク質(GFP)をコードしている遺伝子、黄色蛍光タンパク質(YFP)をコードしている遺伝子、およびルシフェラーゼ遺伝子が挙げられる。
(m.選択可能マーカー)
本明細書で用いられる「選択可能マーカー」は、宿主細胞中で発現され、遺伝学的構築物を用いてトランスフェクトもしくは形質転換された細胞の同定または選択を容易にするという表現型を宿主細胞に与えるようなあらゆる遺伝子を意味し得る。スクリーニングマーカーは。選択可能マーカーの典型的な例としては、アンピシリン耐性遺伝子(Amp)、テトラサイクリン耐性遺伝子(Tc)、細菌のカナマイシン耐性遺伝子(Kan)、ゼオシン耐性遺伝子、抗生物質オーレオバシジンAへの耐性を与えるAURI−C遺伝子、フォスフィノトリシン(phosphinothricin)耐性遺伝子、ネオマイシンフォスフォトランスフェラーゼ遺伝子(nptII)、ハイグロマイシン耐性遺伝子、および緑色蛍光タンパク質(GFP)が挙げられる。選択は、選択可能マーカーを含む宿主細胞を抗生物質などの選択剤と接触させることによって行なわれ得る。
(n.実質的に相補的)
本明細書で用いられる「実質的に相補的」は、第一の配列が第二の配列の相補体の8から100もしくはそれより多いヌクレオチド領域にわたって、少なくとも60%から99%同一であること、または二つの配列がストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズすることを意味し得る。
(o.実質的に同一)
本明細書で用いられる「実質的に同一」は、第一および第二の配列が2から100もしくはそれより多いヌクレオチドまたはアミノ酸の領域にわたって、少なくとも50%から99%同一であることを意味し得る。または、核酸に関しては、第一の配列が第二の配列の相補体を実質的に相補する場合を意味し得る。
(p.対称な)
核酸についていうとき、本明細書で用いられる「対称な」または「実質的に対称な」は、配列の第一の半分がその配列の第二の半分と実質的に相補的である配列を含む核酸を意味し得る。対称な配列は、完全な対称であり得る。完全な対称は、配列の第一の半分が、その配列の第二の半分と完全に相補的であることを意味し得る。対称な配列は、対称の中心を有し得る。この中心は2つのヌクレオチドの間の位置を意味し得、ここで、この位置は、対称な配列の第一の半分と第二の半分との間に正確に存在する。
(q.改変体)
ぺプチドまたはポリペプチドについていうとき、本明細書で用いられる「改変体」は、アミノ酸の挿入、欠失、もしくは保存的な置換によってアミノ酸配列が異なっているが、少なくとも一つの生物学的活性を保っているようなぺプチドまたはポリペプチドを意味し得る。本発明の目的において、「生物学的活性」としては、特異的な抗体によって結合される能力が挙げられるがこれに限定されない。改変体は、参照されるタンパク質配列の一部であっても、参照されるタンパク質と実質的に同一であるタンパク質であってもよい。アミノ酸の保存的な置換、すなわち類似した性質(例えば、親水性、荷電している領域の程度および分布)の異なるアミノ酸によってアミノ酸を置換することは、重要ではない変化を一般的に含むことが当該分野において認識される。これらの重要でない変化は、当該分野で理解されるように、アミノ酸のハイドロパシー指数(hydropathic index)を検討することによって一部は同定され得る(Kyteら、J.Mol.Biol.157:105−132(1982))。アミノ酸のハイドロパシー指数は、アミノ酸の疎水性および荷電についての検討に基づく。類似したハイドロパシー指数のアミノ酸は置換され得、かつ、タンパク質の機能をなお維持し得ることは当該分野において公知である。一つの局面において、±2のハイドロパシー指数を有するアミノ酸の間で置換される。生物学的な機能を維持しているタンパク質を生じ得るような置換を明らかにするために、アミノ酸の親水性もまた用いられ得る。ペプチドとの関連においてアミノ酸の親水性について検討することは、そのぺプチドの最も高い局所平均親水性を計算することを可能にする。この値は、抗原性および免疫原性とよい相関があることが報告されている有益な尺度である(米国特許第4,554,101号、本明細において援用される)。当該分野で理解されているように、類似した親水性の値を有するアミノ酸での置換は、生物学的活性(例えば免疫原性)を維持しているぺプチドを生じ得る。一つの局面において、置換は互いの親水性の値が±2以内であるアミノ酸の間において行われる。アミノ酸の疎水性の指標および親水性の値はいずれも、そのアミノ酸の特有の側鎖によって影響される。この観察と一致して、生物学的機能において匹敵するようなアミノ酸置換は、疎水性、親水性、電荷、大きさおよび他の性質によって示されるアミノ酸の相対的な類似性、そして特にアミノ酸の側鎖に依存することが理解されている。
核酸についていうとき、本明細書で用いられる「改変体」は、(i)参照されるヌクレオチド配列の一部;(ii)参照されるヌクレオチド配列の相補体もしくはその一部;(iii)参照される核酸と実質的に同一である核酸もしくはその相補体;または(iv)ストリンジェント条件において参照される核酸とハイブリダイズする核酸、その相補体、もしくはそれと実質的に同一である配列を意味し得る。
(r.ベクター)
本明細書で用いられる「ベクター」は、複製起点を含む核酸配列を意味し得る。ベクターはプラスミド、バクテリオファージ、細菌人工染色体または酵母人工染色体であってもよい。べクターは、DNAべクターまたはRNAべクターであってもよい。ベクターは、自己複製する染色体外のベクターまたは宿主ゲノム中に組込まれるべクターのいずれかであってもよい。ベクターは選択可能マーカーまたはスクリーニングマーカーを含んでもよい。
(2.核酸)
LacIリプレッサータンパク質に対する上昇した親和性を有する変異lacオペレーターは、目的の遺伝子を発現させるために用いられ得る。挿入サイトに作動可能に連結された変異lacオペレーターを含む核酸が本明細書中で提供される。核酸はプラスミドなどのベクターであってもよい。核酸はまた、染色体であってもよい。
変異lacオペレーターは、LacIリプレッサータンパク質に結合することが可能であり得る。変異lacオペレーターは、変異lacオペレーターに、野生型lacオペレーターと比較してLacIリプレッサータンパク質への親和性の上昇を引き起こす変異を含み得る。上記野生型lacオペレーターの配列は、配列番号17を含んでもよい。上記野生型lacオペレーターの配列は配列番号1もまた含んでよい。LacIリプレッサータンパク質に対する変異lacオペレーターの親和性は、LacIリプレッサータンパク質に対する野生型lacオペレーターの親和性より少なくとも2から20倍高くなり得る。上昇した親和性は、野生型lacオペレーターへと比較して、LacIリプレッサータンパク質による変異lacオペレーターへのより強い抑制を生じ得る。
変異lacオペレーターは、野生型lacオペレーターの配列と比較して、対称性の程度が上昇した配列を有し得る。変異lacオペレーターは、実質的に対称な配列または完全に対称な配列を含み得る。対称な配列は、少なくとも18から50ヌクレオチドを含み得る。対称の中心は、lacオペレーターにおける転写開始位置から9から17塩基対下流であり得る。変異lacオペレーターの配列はまた、配列5’−TGTGGAATTGTGAGCGCTCACAATTCCACA−3’(配列番号18)も含んでよい。変異lacオペレーターの配列は、配列番号2から8の何れか一つもまた含んでよい。
挿入サイトは、目的の遺伝子の導入を可能にし得る。例えば、挿入サイトは制限酵素部位(例えば、マルチクローニングサイト)を含んでよい。あるいは、挿入サイトは組換えのためのサイトを含んでよい。
目的の遺伝子はtrfAまたはT7遺伝子であってもよい。目的の遺伝子は、生物学的活性を有するタンパク質をコードしてもよい。上記タンパク質は、抗体、酵素、ホルモンまたは構造タンパク質であってもよい。上記タンパク質は、インターフェロンα2b、アルグルセラーゼ、イミグルセラーゼ、ヒトインスリン、インターフェロンβ1a、ソマトロピン、エポエチンアルファ、エリスロポエチン、凝固因子VIII、セルモレリン、トラスツマブ、パリミズマブ、アルテプラーゼ、ヒト成長ホルモン、またはヒトアルブミンであってもまたよい。
(3.宿主細胞)
目的の遺伝子を発現させるために用いられ得る宿主細胞が、本明細書中で提供される。上記宿主細胞は原核生物であってもよい。上記原核生物は、細菌であってもよい。上記細菌はE.coliであってもよい。
上記宿主細胞は、本明細書に記載される核酸を含んでもよい。上記核酸の挿入サイトは、宿主細胞のlacZ遺伝子を置換し得る。上記挿入はLacIリプレッサータンパク質の制御下に目的の遺伝子を導入することを可能にし得、同時に、宿主細胞によるラクトースの代謝を低下させるまたはおこらなくすることもまた可能にし得る。
上記宿主細胞はlacI遺伝子もまた含んでよい。ベクター上または染色体中で宿主に核酸を導入する方法は当該分野で周知であり、例えば、Ausubel(ed.)ら(2006,Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley&Sons,Inc.)によって記載されている(この全容が本明細書において援用される)。
lacI遺伝子は、LacIリプレッサータンパク質をコードし得る。上記lacI遺伝子は、変異lacI対立遺伝子であってもよい。上記変異lacI対立遺伝子は、野生型LacIリプレッサータンパク質と比較して、上昇した親和性でlacオペレーターと結合できる変異LacIリプレッサータンパク質をコードし得る。lacオペレーターに対する変異LacIリプレッサータンパク質の親和性は、lacオペレーターに対する野生型LacIリプレッサータンパク質の親和性より、少なくとも2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、20倍、30倍、40倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍、100倍、200倍、300倍、400倍、500倍、または1000倍高くなり得る。LacIリプレッサータンパク質の配列は配列番号9または16を含んでよい。LacIリプレッサーはまた、配列番号10からなる配列を有する認識へリックスも含んでよい。上記認識へリックスの配列はまた、配列番号11から16の何れか一つから構成されてもよい。
βガラクトシダーゼ活性の非存在下では、ラクトースは代謝されず、そしてそのためラクトースはLacIリプレッサータンパク質を誘導するために効果的に使用され得ない。上記宿主細胞は、不活性なlacZ遺伝子を含んでもよい。lacZ遺伝子は、βガラクトシダーゼをコードしてもよい。不活性なlacZ遺伝子は、宿主細胞が、ラクトースをグルコースおよびガラクトースへ切断すること、およびラクトースをアロラクトースへ変換することを防ぎ得る。
(4.発現の方法)
目的の遺伝子を発現させる方法が本明細書中で提供される。目的の遺伝子を発現させる方法は、本明細書中で記載されるように宿主細胞を含んでもよい。目的の遺伝子は、宿主細胞をLacIリプレッサータンパク質アロステリックエフェクターと接触させることによって発現させられ得る。LacIアロステリックエフェクターは、LacIリプレッサータンパク質における立体構造の変化を引き起こし得る。この立体構造の変化は、lacオペレーターに対するLacIリプレッサータンパク質の親和性を低下させ得る。LacIアロステリックエフェクターは、目的の遺伝子の発現を導き得る。LacIアロステリックエフェクターは、ラクトースであってもよい。LacIアロステリックエフェクターは、ラクトースアナログであってもよく、ラクトースアナログはイソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド(IPTG)であってもよい。
(5.クローニングの方法)
第一の核酸をクローニングするための方法もまた、本明細書中で提供される。上記方法は、第一の核酸と第二の核酸との間での相同的組換えを誘導するため、宿主細胞中でRecAタンパク質を用いることを含み得る。
(a.第一の核酸)
第一の核酸は環状の核酸であってもよい。上記第一の核酸は、ポリメラーゼ連鎖反応の産物であってもよい(ポリメラーゼ連鎖反応後、分子内のDNAライゲーションなどによって環状化される)。第一の核酸はまた、べクター上に位置してもよい。第一の核酸は、第一の核酸が宿主細胞中に存在しているか否かを示すことが可能であり得る選択可能マーカーを含んでもよい。選択可能マーカーは、カナマイシンなどへの抗生物質耐性をもたらすことができる遺伝子を含んでもよく、さらに、緑色蛍光タンパク質などの可視的なマーカーもまた含んでよい。
(b.第二の核酸)
第二の核酸は宿主細胞中で複製される能力を有してもよい。上記第二の核酸は、プラスミドなどのベクターまたは宿主細胞の染色体であってもよい。上記第二の核酸は、選択可能マーカーを含んでもよい。上記第二の核酸はまた、上記第一の核酸と同一または実質的に同一であるような少なくとも一つの配列も含んでよい。
(c.RecA)
RecAタンパク質は、宿主細胞における相同的組換えを誘導することが可能であり得る。RecAは、配列番号20に記載の配列、または相同的組換えを誘導することが可能であるようなその改変体を含んでもよい。RecAはrecA遺伝子によってコードされ得、この遺伝子はプラスミドのようなベクターまたは宿主細胞の染色体上に位置してもよい。recA遺伝子を含有しているベクターは、選択可能マーカーを含んでもよい。recA遺伝子は、構成的または調節可能なプロモーターから発現されてもよい。上記遺伝子はE.coliなどの細菌株から単離されてもよく、そして、配列番号21に記載の配列を含んでもよい。
(d.相同的組換え)
第一および第二の核酸は、相同的組換えを促進するような条件下で第一および第二の核酸が接触することにより、再結合させられ得る。第一および第二の核酸は、形質転換などによって宿主細胞中に導入され得る。宿主細胞は第二の核酸をもともと含んでいてもよく、そして、宿主細胞は第一の核酸によって形質転換されてもよい。宿主細胞は、第一の核酸の選択可能マーカーの存在に対し、選択され得る。
宿主細胞は、recA遺伝子を含んでもよい。宿主細胞はまた、recA遺伝子を含む核酸を用いて形質転換されてもよい。recA遺伝子は、recAタンパク質を発現するために導入されてもよい。
第一および第二の核酸は、宿主細胞中で接触し得る。そしてこの宿主細胞中で、recAタンパク質は第一の核酸と第二の核酸との間での相同的組換えを誘導し得る。recAの発現はその後、recA遺伝子発現の誘導因子を除去することなどによって停止させられ得る。recA遺伝子を包含しているプラスミドに対する選択剤の除去および宿主細胞がそのプラスミドを失うことを許容することもまた、recA発現を停止させ得る。第一の核酸と第二の核酸との間での相同的組換えの産物を含んでいる宿主細胞は、第一の核酸によって含まされる選択可能マーカーの存在に対する選択によって、選択され得る。
本発明は多様な局面を有し、それらは以下の限定的ではない実施例によって説明される。
(実施例1)
(lacスーパーオペレーターT7ポリメラーゼ構築物の作製)
この実施例は、E.coliゲノム中への相同組換えにおいて使用するためのlacスーパーオペレーターT7ポリメラーゼ核酸の構築について記載する。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を、以下のように、PCRの第一ラウンドにおいてDNAの4つの部分を増幅するために用いた。
PCR1:E.coli菌株MG1655のlacI遺伝子の3’部分を、プライマー対
Figure 2011505147
PCR3:カナマイシン耐性遺伝子を、プライマー対
Figure 2011505147
を用いて菌株FB21288(University of Wisconsin E.coli Genome Project、Madison、WIから入手可能)から増幅した。
PCR4:E.coli lacY遺伝子の5’部分を、プライマー対
Figure 2011505147
を用いてE.coli MG1655から増幅した。PCRの第一ラウンドからのプライマーおよび鋳型を図3に示す。
上記のPCR反応の産物の精製後、上記のPCR2およびPCR3の産物の組合せを増幅するために、PCRの第二ラウンドをプライマーo−mc−3および03−Km Lac Lを用いて行った。PCRの第二ラウンドの産物の精製後、PCRの第一ラウンドからのPCR1およびPCR4の産物と共にPCRの第二ラウンドの産物を増幅するために、PCRの第三ラウンドをネスティド(nested)プライマー対
Figure 2011505147
を用いて行った。PCRの第二および第三ラウンドからのプライマーならびに鋳型を図4に示す。
最終的なlac−T7ポリメラーゼ構築物の概略図およびこれを作製するために使用されるプライマーを図5に示す。PCR1およびPCR2におけるプライマーo−mc−2およびo−mc−3は、変異lacオペレーター配列(5’−GCTCACAATTCCACA;配列番号:32)をT7ポリメラーゼの上流に導入した。この変異オペレーターは、LacIに対する親和性を高めた。したがって、lac「スーパーオペレーター」T7ポリメラーゼ構築物は、5’から3’に以下の成分:(♯1)E.coli lacIの3’部分、(♯2)lacスーパーオペレーターを有するT7 RNAポリメラーゼ、(♯3)E.coli lacYの短い5’部分、(♯4)カナマイシン耐性遺伝子および(♯5)E.coli lacYの5’部分、を含んだ。最終的な4.9kbのPCR産物を、ゲルから精製した。ゲル精製の概略およびゲルの写真を図6に示す。
(実施例2)
(E.coli染色体へのlacスーパーオペレーターT7ポリメラーゼ構築物の組換え)
この実施例は、E.coliへのlacスーパーオペレーターT7ポリメラーゼ構築物の組換えの結果について記載する。実施例1からのlacスーパーオペレーターT7ポリメラーゼ構築物をライゲーションによって環状にした。エレクトロコンピテント(electrocompetent)MDS42 E.coli細胞を環状化された構築物を用いて形質転換し、そして、環状化された構築物とE.coli染色体との間での組換え体を、LB+Kmプレート上で選択した。この戦略の概略を図6に示す。候補組換え体(X−Galプレート上のカナマイシン耐性青色コロニー)を、配列
Figure 2011505147
を有するプライマーを含むプライマーカプレット(couplet)1ならびにo−seq−T7 polym R10および配列5’−TCTCTGACCAGACACCCATCAAC(03−lac check R3、配列番号:35)を有するプライマーを含むプライマーカプレット2を用いるPCRによってさらに選別した。PCRスクリーニングの概略および結果を図7に示す。
次に、o−seq−T7 polym R10および03−lac check R3プライマーを用いて約6.1kbのPCR断片を産出していたコロニーを、LBにKmを加えた液体培地中で一晩培養した。希釈物を、白色コロニーを選別するためにLB+Km+X−GalおよびIPTGのプレートにまいた。白色コロニーはlacIの3’部分(実施例1における♯1)とlacIのE.coli染色体のコピーとの間での分子内の組換えイベント(RecAが媒介)を経ている(このことは内因性lacZが存在していたE.coli染色体領域の「崩壊」を生じる)と予測した。lacZが崩壊しているクローンのコロニーをプライマーo−seq−T7 polym R10および03−lac check R3を用いるPCRによって選別した。1.752kbのPCR産物を生じた増幅反応は、lacZ崩壊を確証した。スクリーニングの概略および結果を図8に示す。
(実施例3)
(lacZ復帰構築物の構築)
この実施例は、T7RNAポリメラーゼlacZ復帰構築物の作製について記載する。以下のように、3種のDNA断片を増幅するためにPCRを用いた。PCRa:T7遺伝子1の3’末端の短い部分を、プライマー
Figure 2011505147
を用いてバクテリオファージT7DNAからPCR増幅した。PCRb:lacZ遺伝子をプライマー
Figure 2011505147
を用いてE.coli菌株MDS42recAゲノムDNAからPCR増幅した。PCRc:lacY遺伝子の5’末端の短い部分を、プライマー
Figure 2011505147
および実施例1からのプライマー03−lac Y−AVR IIを用いてE.coli菌株MDS42recAゲノムDNAからPCR増幅した。3種のPCR産物を単離した後、それらを結合させ、そして、プライマーo−lacZ−1−Pac−1および03−lacY−Avr II inを用いて増幅した。使用されるプライマーおよび鋳型を図9に示す。lacZ復帰構築物の概略およびこれを構築するために用いられるプライマーを図10に示す。lacZ復帰構築物は、以下のように、5’から3’の順に:(1)T7RNAポリメラーゼの3’部分、(2)lacZ、および(3)lacYの5’部分を含んだ。
(実施例4)
(lacスーパーオペレーターT7ポリメラーゼE.coli菌株へのlacZの導入)
この実施例は、ラクトースを異化する能力をもつlacスーパーオペレーターT7E.coli菌株の作製について記載する。実施例3の4.1kbのlacZ復帰産物をゲルから精製し、そしてlacZ復帰産物およびDNAトポイソメラーゼIを有するTopo TAベクターを一晩インキュベート(incubate)することによってTopo TAベクター中にクローン化した。Topo+lacZ復帰プラスミドクローンを調製し、そしてXbaI、SpeI、およびSapIを用いて切断した。クローン化の戦略およびゲルの写真を図11に示す。次に、lacZ復帰断片をライゲーションによって環状にした。ライゲーション産物を実施例2からの、lacスーパーオペレーターT7/lacZ崩壊エレクトロコンピテント細胞中に形質転換した。クローンをMMM+0.2%ラクトース+X−Gal上で選択した。青色コロニーをつつき取り、そしてプライマー
Figure 2011505147
を用いるPCRによってlacZ復帰組換えの成功について確認した。PCRスクリーニング戦略および結果を図12に示す。約2.7kbのPCR断片を生じるクローンをLB+KmおよびLB+X−Gal上にパッチ(patch)した。LB+Km上で増殖しなかったコロニーを選択し、そしてプライマー対
Figure 2011505147
を用いるPCRによって確認した。プライマー対LacZ1を用いて約2.4kbの断片を生じ、かつ、プライマー対LacZ2を用いて約5.3kbの断片を生じたコロニーは、lacスーパーオペレーターT7ポリメラーゼおよびlacZを含むこと、ならびに、カナマイシン耐性を有しないことが確認された。これらのコロニーを配列決定のために選択した。プライマーおよびPCRの結果を図13に示す。最終的なlacスーパーオペレーターT7株の概略およびこれを構築するために使用するプライマーを図14に示す。

Claims (28)

  1. 目的の遺伝子に作動可能に連結されている変異lacオペレーターを含む核酸であって、ここで該変異lacオペレーターはLacIリプレッサータンパク質に対して増加した親和性を有する、核酸。
  2. 請求項1に記載の核酸であって、ここで該核酸がプラスミドである、核酸。
  3. 請求項1に記載の核酸であって、ここで該核酸が染色体である、核酸。
  4. 請求項1に記載の核酸であって、ここで前記増加した親和性が少なくとも5倍である、核酸。
  5. 請求項4に記載の核酸であって、ここで前記変異lacオペレーターの配列は配列番号2から配列番号6の何れか一つを含む、核酸。
  6. 請求項1に記載の核酸であって、ここで前記目的の遺伝子がT7遺伝子1である、核酸。
  7. 請求項1に記載の核酸であって、ここで前記目的の遺伝子がtrfAである、核酸。
  8. 請求項1に記載の核酸を含む、宿主細胞。
  9. lacI遺伝子をさらに含む、請求項8に記載の宿主細胞。
  10. 請求項9に記載の宿主細胞であって、ここで前記lacI遺伝子が変異lacI対立遺伝子である、宿主細胞。
  11. 請求項10に記載の宿主細胞であって、ここで前記変異lacI対立遺伝子が、増加した親和性でlacオペレーターと結合できる変異LacIリプレッサータンパク質をコードする、宿主細胞。
  12. 不活性なlacZ遺伝子をさらに含む、請求項8に記載の宿主細胞。
  13. 以下:
    (a)請求項8に記載の宿主細胞を提供する工程;
    (b)該宿主細胞をLacIアロステリックエフェクターと接触させる工程、
    を包含する、目的の遺伝子を発現させる方法であって、
    ここで該LacIアロステリックエフェクターは該目的の遺伝子の発現を導く、方法。
  14. 請求項13に記載の方法であって、ここで前記LacIアロステリックエフェクターがラクトースに由来する、方法。
  15. 請求項13に記載の方法であって、ここで前記LacIアロステリックエフェクターがラクトースアナログである、方法。
  16. 請求項15に記載の方法であって、ここで前記ラクトースアナログが、イソプロピルβ−D−チオガラクトピラノシドである、方法。
  17. 以下:
    (a)宿主細胞を提供する工程であって、ここで該宿主細胞はrecAを含む、工程;
    (b)第一の核酸を提供する工程であって、ここで該第一の核酸は環状である、工程;
    (c)第二の核酸を提供する工程;および
    (d)該宿主細胞中で該第一の核酸を該第二の核酸と接触させる工程であって、ここで第一の核酸は該第二の核酸と再結合する、工程、
    を含む、該第一の核酸をクローニングする方法。
  18. 請求項17に記載の方法であって、ここで前記recAが前記宿主細胞ゲノム中に位置する、方法。
  19. 請求項17に記載の方法であって、ここで前記recAがプラスミド上に位置する、方法。
  20. 請求項19に記載の方法であって、ここで前記recAプラスミドが前記第一の核酸および前記第二の核酸の再結合後に除去される、方法。
  21. 請求項17に記載の方法であって、ここで前記第一の核酸は、少なくとも二つ、前記第二の核酸上の領域と同一である配列の領域を含む、方法。
  22. 請求項17に記載の方法であって、前記第二の核酸が宿主細胞の染色体である、方法。
  23. 請求項17に記載の方法であって、前記第一の核酸がプラスミドである、方法。
  24. 請求項23に記載の方法であって、ここで前記プラスミドが選択可能マーカーを含む、方法。
  25. 請求項24に記載の方法であって、ここで前記選択可能マーカーがカナマイシン耐性をもたらす、方法。
  26. 請求項25に記載の方法であって、ここで前記選択可能マーカーが緑色蛍光タンパク質をさらに含む、方法。
  27. 請求項17に記載の方法であって、ここで前記宿主細胞がグラム陰性細菌である、方法。
  28. 請求項27に記載の方法であって、ここで前記細菌がE.coliである、方法。
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