JP2011502538A - 臨床用途のための器官培養された皮膚同等物の冷蔵保管方法 - Google Patents

臨床用途のための器官培養された皮膚同等物の冷蔵保管方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、概して、器官培養によって作られた皮膚同等物を保管、発送、および使用するためのシステムおよび方法に関する。特に、本発明は、器官培養によって生産された皮膚同等物を、低温で、好ましくは、摂氏2〜8℃で、生産、輸送、保管、および使用するためのシステムおよび方法に関する。この方法は、移植目的で使用する時まで包装容器の無菌性および完全性が維持されるような、移植片の滅菌包装を含む。

Description

本発明は、先端技術プログラム(Advanced Technology Program)により付与された助成金番号NIST 70NANB3H3011による政府の支援を受けてなされた。米国政府は本発明において一定の権利を有する。
発明の分野
本発明は、概して、ヒト患者への皮膚移植に用いられる、器官培養によって作られた皮膚同等物を発送および保管するためのシステムおよび方法に関する。
背景
新しく浮上しつつあるティッシュエンジニアリング(TE)分野は、今後10年の間に、臓器の疾患および機能不全の処置において、かなり進歩する態勢が整っている。2001年に、米国(U.S.)および欧州での販売が認可された、細胞をベースとする治療法は23あった。このうち、9つが皮膚代用品または皮膚移植片であり、100を超える製品が開発中であった(De Bree, Genomics-based Drug Data Report and Regenerative Therapy (1)2:77-96 (2001)(非特許文献1))。2007年には、操作された組織(engineered tissue)、細胞をベースとする治療法、または関連技術の開発に、およそ100社が関与していた(Applied Data Research, February 2007)。全体的に見て、この産業の1995〜2001年の年間成長率は16%であった。「構造」産業セグメント(例えば、皮膚、骨、軟骨)の1998〜2001年の成長率は85%であった。2004年において、ティッシュエンジニアリングによる皮膚代替品/代用品および活性のある創傷修復モジュレーターの米国市場は、約1億9500万ドルであった。売上高は9.5%の複合年間成長率で増加し、2014年には約4億8100万ドルに達すると予想されている(MedTech Insight, Windhover Information, September 2005)。先端創傷治療技術の全米国市場は、2005年では230億ドル超であった。2006年末までに、この市場は260億ドル近くに達し、5年間にわたって12.3%の平均年間成長率で成長し、2011年には460億ドルに達するであろう(BCC Research, PHM011E, January 2007)。創傷治療の世界市場は2006年では72億米ドルと推定され、2つのセクター、従来のセクターおよび先端セクターからなる(Espicom Business Intelligence, 2007)。従来の創傷治療製品は、主に、織布および不織布のスポンジ、ぴったり密着する包帯、ならびに非粘着性包帯などのローテクのガーゼ包帯からなる。先端創傷治療セグメント(世界で41億米ドル)は、年10%の2桁成長で、最も急速に成長している分野である(Espicom Business Intelligence, 2007)。
ヒトの健康分野において、操作された組織および臓器の画期的なかつ経済的に重要な申請が数多く存在するが、この産業の全ての経済的潜在能力は達成したとは言い難い。現在、これらの技術における35億ドル超の国際投資にもかかわらず、世界中のティッシュエンジニアリング公開会社のうち一社しか利益を出していない(Lysaght and Reyes, Tissue Engineering 7(5):485-93 (2001)(非特許文献2))。
操作された組織が医療従事者、 医療提供者、および関係者(second party payer)に受け入れられるのを妨げている主因は、操作された組織を効果的かつ効率的に保存する手段が無いことである。生細胞および組織製品の特質のために、長期間の保管は実現不可能である。現行の操作された組織は、多くの場合、生存率および機能を維持するために注意深く管理された条件下で保管および発送しなければならない。典型的には、操作された組織製品は生産するのに数週間または数週間かかるが、製造して数時間後または数日後に使用しなければならない。結果として、TE企業は、最大生産能力で生産設備を連続操業し、棚卸資産損失(すなわち、廃棄しなければならない売れ残った製品)の費用を負担しなければならない。ただでさえ費用のかかる製造プロセスに加えて、これらの棚卸資産損失は、価格を非現実的な水準に追い込んでいる。具体的な一例として、APLIGRAFは、製造に約4週間必要であり、10日未満で用いられ、使用するまで20〜23℃に維持しなければならない。別の例として、EPICELは、携帯型インキュベーターに入れられて、看護師がマサチューセッツ州ケンブリッジから使用現場まで運び、到着したらすぐに用いられる。このような制約のために、便利でかつ費用対効果の大きい製品を開発することが大きな課題となっている。
保管問題の解決策として凍結保存が検討されてきたが、氷の形成、冷害、および浸透圧平衡により組織損傷を誘導することが知られている。APLIGRAFの他に、他の唯一認可されている、生きた皮膚同等物であるORCELが、凍結製品として、現在、臨床試験されているが、使用前に-100℃より低い温度で維持しなければならないという欠点がある。このことは、高価で、危険で、かつあらゆる場所(例えば、地方の診療所および野戦病院)で利用可能な液体窒素保管を使用することを意味している。さらに、凍結製品の配達には、使用前に組織を首尾よく解凍するために、エンドユーザー側での特別な訓練が必要である。
従って、当技術分野において必要とされているものは、使用現場で日常的に利用できる条件下で保管するために、操作された組織および細胞を調製する改善した方法である。全ての医療施設には冷蔵保管庫があるので、標準的な冷蔵庫に入れて長期間、保管することができる皮膚同等物が開発されれば、これらの製品の利用可能性および臨床上の有用性が大幅に改善するだろう。
De Bree, Genomics-based Drug Data Report and Regenerative Therapy (1)2:77-96 (2001) Lysaght and Reyes, Tissue Engineering 7(5):485-93 (2001)
いくつかの態様において、本発明は、器官培養された皮膚同等物を使用者に発送し、ヒト患者に対する皮膚移植処置において皮膚同等物を使用する方法を提供する。この方法は、真皮層および表皮層を含む器官培養された皮膚同等物、ならびにゲル支持体を含む滅菌包装容器を準備する工程;皮膚同等物がゲル支持体と接触するように、無菌条件下で皮膚同等物を滅菌包装容器に入れる工程;滅菌包装容器の温度を摂氏2〜8℃に下げる工程;摂氏2〜8℃で滅菌包装容器を使用者に発送する工程;使用現場で滅菌包装容器を摂氏2〜8℃で保管する工程であって、ここで、滅菌包装容器の無菌性および完全性は維持される、工程;ならびに包装容器から器官培養された皮膚同等物を取り出し、培養工程が間に入ることなく、患者に適用する工程を含む。本発明は、特定のタイプのケラチノサイトを含む皮膚同等物に限定されない。いくつかの態様において、器官培養された皮膚同等物は、NIKS細胞を含む。本発明は、特定のタイプのゲル支持体に限定されない。いくつかの態様において、ゲル支持体はアガロースゲル支持体である。本発明は、特定のタイプの滅菌包装容器に限定されない。いくつかの態様において、滅菌包装容器はヒートシール可能である。さらなる態様において、皮膚同等物は透過性膜を介してゲル支持体と接触する。
いくつかの態様において、本発明は、皮膚移植処置において使用するための器官培養された皮膚同等物を発送および保管する方法を提供する。この方法は、真皮層および表皮層を含む器官培養された皮膚同等物、ならびにゲル支持体を含む滅菌包装容器を準備する工程;包装日に、皮膚同等物がゲル支持体と接触するように、無菌条件下で皮膚同等物を滅菌包装容器に入れる工程;滅菌包装容器の温度を摂氏2〜8℃に下げる工程;摂氏2〜8℃で滅菌包装容器を使用者に発送する工程;使用現場で滅菌包装容器を摂氏2〜8℃で保管する工程であって、ここで、滅菌包装容器の無菌性および完全性は、包装日から8〜15日間、維持される、工程を含む。本発明は、特定のタイプのケラチノサイトを含む皮膚同等物に限定されない。いくつかの態様において、器官培養された皮膚同等物は、NIKS細胞を含む。本発明は、特定のタイプのゲル支持体に限定されない。いくつかの態様において、ゲル支持体はアガロースゲル支持体である。本発明は、特定のタイプの滅菌包装容器に限定されない。いくつかの態様において、滅菌包装容器はヒートシール可能である。さらなる態様において、皮膚同等物は透過性膜を介してゲル支持体と接触する。
いくつかの態様において、本発明は、皮膚移植処置において使用するための器官培養された皮膚同等物を、使用者に発送する方法を提供する。この方法は、真皮層および表皮層を含む器官培養された皮膚同等物、ならびにゲル支持体を含む滅菌包装容器を準備する工程であって、ゲル支持体は最少培地を用いて形成される、工程;皮膚同等物がゲル支持体と接触するように、無菌条件下で皮膚同等物を滅菌包装容器に入れる工程;滅菌包装容器の温度を摂氏2〜8℃に下げる工程;摂氏2〜8℃で滅菌包装容器を使用者に発送する工程;使用現場で滅菌包装容器を摂氏2〜8℃で保管する工程であって、ここで、滅菌包装容器の無菌性および完全性は維持される、工程を含む。本発明は、特定のタイプのケラチノサイトを含む皮膚同等物に限定されない。いくつかの態様において、器官培養された皮膚同等物は、NIKS細胞を含む。本発明は、特定のタイプのゲル支持体に限定されない。いくつかの態様において、ゲル支持体はアガロースゲル支持体である。本発明は、特定のタイプの滅菌包装容器に限定されない。いくつかの態様において、滅菌包装容器はヒートシール可能である。さらなる態様において、皮膚同等物は透過性膜を介してゲル支持体と接触する。
いくつかの態様において、本発明は、最少培地を含むゲル支持体を含む、発送チャンバーと、ゲル支持体と接触している透過性膜上で支持されている、皮膚同等物とを含む、キットであって、発送チャンバーは、滅菌した袋を用いて収容されている、キットを提供する。本発明は、特定のタイプのケラチノサイトを含む皮膚同等物に限定されない。いくつかの態様において、器官培養された皮膚同等物は、NIKS細胞を含む。本発明は、特定のタイプのゲル支持体に限定されない。いくつかの態様において、ゲル支持体はアガロースゲル支持体である。本発明は、特定のタイプの滅菌包装容器に限定されない。いくつかの態様において、滅菌包装容器はヒートシール可能である。さらなる態様において、皮膚同等物は透過性膜を介してゲル支持体と接触する。
いくつかの態様において、本発明は、チャンバー上部およびチャンバー底部を含み、チャンバー底部の表面にゲル支持体が載っている発送チャンバーを含み、ゲル支持体と接触している透過性膜の上に皮膚同等物をさらに含み、チャンバー上部がチャンバー底部の上に配置されると、皮膚同等物がゲル支持体に載って固定されるように、チャンバー上部から延びる延長部分をさらに含む、製造物品をさらに提供する。いくつかの態様において、ゲル支持体は最少培地を用いて形成される。
本発明の発送チャンバーを示す。 生存率データのグラフである。 生存率データのグラフである。 生存率データのグラフである。 生存率データのグラフである。 生存率データのグラフである。 生存率データを示す表である。 バリアー機能の概要データを示す表である。
定義
本明細書で使用する「ヒト皮膚同等物」および「ヒト皮膚代用物」という用語は、重層して扁平上皮になっている、インビトロで得られたケラチノサイト培養物を指すために同義に用いられる。典型的には、皮膚同等物は器官培養によって生産され、ケラチノサイト層に加えて真皮層を含む。
本明細書で使用する「NIKS(登録商標)細胞」という用語は、細胞株ATCC CRL-1219として寄託された細胞の特徴を有する細胞を指す。
「相同性」という用語は相補性の程度を指す。相同性は部分的なものでもよく、完全なものでもよい(すなわち、同一性)。部分的に相補的な配列は、完全に相補的な核酸分子が標的核酸とハイブリダイズするのを少なくとも部分的に阻害する核酸分子であり、機能的な用語を用いて「実質的に相同」と呼ばれる。「結合の阻害」という用語は、核酸結合に関して用いられる場合、標的配列との結合における相同配列の競合によって引き起こされる結合の阻害を指す。完全に相補的な配列と標的配列とのハイブリダイゼーションの阻害は、低ストリンジェンシー条件下でハイブリダイゼーション法(サザンブロットまたはノザンブロット、溶液ハイブリダイゼーションなど)を用いて調べることができる。実質的に相同な配列またはプローブは、低ストリンジェンシー条件下で、完全に相同な核酸分子と標的との結合(すなわち、ハイブリダイゼーション)において競合し、結合を阻害する。だからといって、低ストリンジェンシー条件は非特異的結合が許される条件というわけではない。低ストリンジェンシー条件では、2つの配列の互いとの結合が特異的な(すなわち、選択的な)相互作用であることが必要とされる。非特異的結合が無いことは、部分的な程度の相補性もない(例えば、同一性が約30%未満の)第2の標的を使用することによって試験することができる。非特異的結合の非存在下では、プローブは第2の非相補的な標的にハイブリダイズしない。
「遺伝子」という用語は、ポリペプチドまたは前駆体(例えば、KGF-2)の生成に必要なコード配列を含む核酸(例えば、DNA)配列を指す。ポリペプチドは完全長コード配列によってコードされてもよく、完全長または断片の所望の活性または機能特性(例えば、酵素活性、リガンド結合、シグナル伝達など)が保持されている限り、コード配列の任意の部分によってコードされてもよい。この用語は、構造遺伝子のコード領域、ならびに遺伝子が完全長mRNAの長さに対応するように、コード領域の5'末端および3'末端に隣接して位置し、両末端から約1kbの距離にわたる配列も含む。コード領域の5'側に位置し、mRNAに存在する配列は、5'非翻訳配列と呼ばれる。コード領域の3'側または下流に位置し、mRNAに存在する配列は、3'非翻訳配列と呼ばれる。「遺伝子」という用語は、遺伝子のcDNA形態およびゲノム形態の両方を含む。遺伝子のゲノム形態またはクローンは、「イントロン」または「介在領域」または「介在配列」と呼ばれる非コード配列が間にあるコード領域を含有する。イントロンは、核RNA(hnRNA)に転写される遺伝子セグメントである。イントロンは、エンハンサーなどの調節エレメントを含有してもよい。イントロンは、核転写物または一次転写物から除去される、すなわち「スプライシング」される。従って、イントロンはメッセンジャーRNA(mRNA)転写物に存在しない。mRNAは、翻訳中に、新生ポリペプチドにあるアミノ酸の配列または順序を指定するように機能する。
本明細書で使用する「をコードする核酸分子」、「をコードするDNA配列」、および「をコードするDNA」という用語は、デオキシリボ核酸鎖に沿ったデオキシリボヌクレオチドの順序または配列を指す。これらのデオキシリボヌクレオチドの順序によって、ポリペプチド(タンパク質)鎖に沿ったアミノ酸の順序が決まる。このように、DNA配列はアミノ酸配列をコードする。
本明細書で使用する「組換えDNA分子」という用語は、分子生物学的技法によって連結されたDNAセグメントからなるDNA分子を指す。
本明細書で使用する「精製された」または「精製する」という用語は、試料からの夾雑物の除去を指す。
本明細書で使用する「ベクター」という用語は、DNAセグメントをある細胞から別の細胞に移す核酸分子に関して用いられる。「ビヒクル」という用語は、時として、「ベクター」と同義に用いられる。
本明細書で使用する「発現ベクター」という用語は、所望のコード配列、および特定の宿主生物における機能的に連結されたコード配列の発現に必要な適切な核酸配列を含有する組換えDNA分子を指す。原核生物における発現に必要な核酸配列は、通常、プロモーター、オペレーター(任意)、およびリボソーム結合部位を、多くの場合、他の配列と共に含む。真核細胞は、プロモーター、エンハンサー、ならびに終結シグナルおよびポリアデニル化シグナルを利用することが知られている。
「機能的に連結された」は近位を指し、ここで、このように述べられた成分が意図されたやり方で機能する関係にある。調節配列は、調節配列と適合する条件下でコード配列が発現するように連結されていると、コード配列に「機能的に連結され」ている。
本明細書で使用する「トランスフェクション」という用語は、真核細胞への外来DNAの導入を指す。トランスフェクションは、当技術分野において公知の様々な手段によって達成することができる。このような手段には、リン酸カルシウム-DNA共沈殿、DEAE-デキストランを介したトランスフェクション、ポリブレンを介したトランスフェクション、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション、リポソーム融合、リポフェクション、プロトプラスト融合、レトロウイルス感染、バイオリスティックが含まれる。
「安定トランスフェクション」または「安定にトランスフェクトされた」という用語は、トランスフェクトされる細胞のゲノムへの外来DNAの導入および組込みを意味する。「安定トランスフェクタント」という用語は、ゲノムDNAに外来DNAが安定に組み込まれている細胞を指す。
「一過的トランスフェクション」または「一過的にトランスフェクトされた」という用語は、外来DNAがトランスフェクトされる細胞のゲノムに組み込まれない、細胞への外来DNAの導入を意味する。外来DNAは、数日間、トランスフェクト細胞の核に残り続ける。この間、外来DNAは、染色体内の内因性遺伝子の発現を支配する調節制御の影響下にある。「一過的トランスフェクタント」という用語は、外来DNAを取り込んでいるが、このDNAを組み込んでいない細胞を指す。
詳細な説明
本発明は、概して、ヒト患者への皮膚移植に用いられる、器官培養によって作られた皮膚同等物を発送および保管するためのシステムおよび方法に関する。特に、本発明は、無菌法を用いて無菌の皮膚同等物を生産および包装し、臨床用途のために無菌術野において開封するまで15日間まで、保管中に皮膚同等物の無菌性を維持する方法に関する。便宜のために、本発明の説明を以下のセクションにおいて示す。
A)器官培養によって生産された皮膚同等物
本発明は、扁平上皮に分化することができる特定の細胞供給源の使用に限定されない。実際には、本発明は、初代ケラチノサイトおよび不死化ケラチノサイトを含む、扁平上皮に分化することができる様々な細胞株および細胞供給源の使用を意図する。細胞供給源には、生検のためにヒトおよび死体(cavaderic)ドナーから採取されたケラチノサイトおよび真皮線維芽細胞(Auger et al, In Vitro Cell. Dev. Biol. - Animal 36:96-103;米国特許第5,968,546号および同第5,693,332号。これらはそれぞれ参照により本明細書に組み入れられる)、新生児包皮(Asbill et al, Pharm. Research 17(9):1092-97(2000);Meana et al, Burns 24:621-30(1998);米国特許第4,485,096号;同第6,039,760号;および同第5,536,656号。これらはそれぞれ参照により本明細書に組み入れられる)、ならびに不死化ケラチノサイト細胞株、例えば、NMl細胞(Baden, In Vitro Cell. Dev. Biol. 23(3):205-213(1987))、HaCaT細胞(Boucamp et al, J. cell. Boil. 106:761-771(1988))、およびNIKS(登録商標)細胞(細胞株BC-1-Ep/SL;米国特許第5,989,837号、参照により本明細書に組み入れられる;ATCC CRL-12191)が含まれる。望ましいタンパク質を発現または同時発現することができる細胞株を生産するために、これらの細胞株はそれぞれ培養または遺伝子組換えすることができる。特に好ましい態様において、NIKS(登録商標) 細胞が用いられる。新規ヒトケラチノサイト細胞株(二倍体に近い不死化ケラチノサイト(near-diploid immortalized keratinocytes)、すなわちNIKS(登録商標))の発見により、ヒトケラチノサイトを遺伝的に操作する機会が得られる。NIKS(登録商標)細胞の特有の利点は、遺伝的に均一で病原体を含まないヒトケラチノサイトの安定した供給源であることである。この理由から、NIKS(登録商標)細胞は、ヒト皮膚により類似した特性を備えた培養皮膚同等物を得るために遺伝子工学およびゲノム遺伝子発現のアプローチを適用するのに有用である。NIKS(登録商標)ケラチノサイト細胞株は、ウィスコンシン大学で同定されて特徴が明らかにされたもので、非腫瘍形成性であり、安定した核型を示し、単層培養および器官培養のいずれにおいても正常な分化を示す。NIKS(登録商標)細胞は培養下で完全に重層化した皮膚同等物を形成する。これらの培養物は、これまでに検討したいずれの基準によっても、初代ヒトケラチノサイトから形成された器官培養物と区別不能である。しかしながら、初代細胞とは異なり、不死化NIKS(登録商標)細胞は単層培養下で無限に増殖を続ける。これにより、細胞を遺伝的に操作して、新たな有用な特性を備えた新たな細胞クローンを単離する機会が得られる(Allen-Hoffmann et al., J. Invest. Dermatol., 114(3): 444-455(2000))。
NIKS(登録商標)細胞は、外見上正常な男児から単離されたヒト新生児包皮ケラチノサイトのBC-1-Ep株から生じたものである。初期の継代において、BC-1-Ep細胞は、培養正常ヒトケラチノサイトにとって非定型的な形態特徴および増殖特徴を全く示さなかった。培養BC-1-Ep細胞は重層化を示した上に、プログラム細胞死の特徴も示した。複製寿命を決定するために、BC-1-Ep細胞が老化するまで、標準的なケラチノサイト増殖培地中にて3×105個/100mm培養皿の密度で連続培養し、毎週継代した(約1:25の分割比)。第15継代までに、集団内のほとんどのケラチノサイトは、大きく平坦な細胞が認められる発育不全コロニーが数多く存在することから判断して老化したものと考えられた。しかしながら、第16継代では、細胞サイズの小さいケラチノサイトが明らかに認められた。第17継代までには、培養物には小型ケラチノサイトしか存在しなくなり、大型の老化ケラチノサイトは認められなくなった。この危機的と思われる時期を生き延びた、この結果得られた小型ケラチノサイトの集団は、形態的に均一な外観を示し、細胞間接着および扁平な外観の細胞の生産を含む、典型的なケラチノサイトの特徴を呈するケラチノサイトのコロニーを生じた。この老化時期を生き延びたケラチノサイトを、3×105個/100mm培養皿の密度で連続培養した。典型的には、培養物は7日間以内に約8×106個の細胞密度に達した。この安定した細胞増殖速度は少なくとも59回の継代にわたって維持され、このことから細胞が不死性を獲得したことが示された。最初の老化性集団から出現したケラチノサイトは当初、BC-1-Ep/自然発生株と命名され、現在ではNIKS(登録商標)と呼ばれている。NIKS(登録商標)細胞株に対しては、HIV-1、HIV-2、EBV、CMV、HTLV-1、HTLV-2、HBV、HCV、B-19パルボウイルス、HPV-16およびHPV-31のプロウイルスDNA配列の存在に関するスクリーニングが、PCRまたはサザン分析のいずれかを用いて行われている。これらのウイルスはいずれも検出されなかった。
第3継代の親BC-1-Ep細胞ならびに第31および54継代のNIKS細胞に対して染色体分析を行った。親BC-1-Ep細胞は、XYを含め、46本の正常染色体すべてを有していた。第31継代では、すべてのNIKS(登録商標)細胞が47本の染色体を有し、第8染色体長腕の同腕染色体1本を余分に有していた。他に大きな染色体異常および標識染色体は検出されなかった。第54継代では、すべての細胞が第8染色体の同腕染色体を含んでいた。
NIKS(登録商標)細胞株およびBC-1-EpケラチノサイトのDNAフィンガープリントは、分析した12個の遺伝子座すべてで同一であり、このことからNIKS(登録商標)細胞が親BC-1-Ep集団から派生したことが示された。NIKS(登録商標)細胞株が親BC-1-EpのDNAフィンガープリントを偶然に有している確率は4×10-16である。ヒトケラチノサイトの3種類の供給源であるED-1-Ep、SCC4およびSCC13yからのDNAフィンガープリントはBC-1-Epのパターンとは異なっていた。このデータは、他のヒトED-1-Ep、SCC4およびSCC13yから単離されたケラチノサイトが、BC-1-Ep細胞とも互いに類縁関係にないことも示している。NIKS(登録商標)のDNAフィンガープリントのデータは、NIKS(登録商標)細胞株を同定する明確な手法を提供するものである。
p53機能の喪失は、培養細胞における増殖能力の向上および不死化頻度の増加と関連している。NIKS(登録商標)細胞におけるp53の配列は、発表されているp53配列(GenBankアクセッション番号:M14695)と同一である。ヒトの場合、p53はコドン72のアミノ酸によって区別される2種類の主要な多型として存在している。NIKS(登録商標)細胞におけるp53の対立遺伝子は両方とも野生型であり、コドン72にアルギニンをコードする配列CGCがある。もう一方の一般的な型のp53は、この位置にプロリンを有する。NIKS(登録商標)細胞におけるp53の全配列はBC-1-Ep前駆細胞と同一である。NIKS(登録商標)細胞ではRbも野生型であることが明らかになっている。
足場非依存的な増殖はインビボでの腫瘍発生能と高度に相関している。この理由から、寒天またはメチルセルロースを含む培地中でのNIKS(登録商標)細胞の足場非依存的な増殖特性を調べた。寒天またはメチルセルロースを含む培地中に4週間おいた後も、NIKS(登録商標)細胞は単細胞であり続けた。NIKS(登録商標)細胞の増殖の遅い変異体を検出するために、このアッセイを合計8週間にわたって継続したが、全く観察されなかった。
親BC-1-Epケラチノサイトおよび不死化NIKS(登録商標)ケラチノサイト細胞株の腫瘍発生能を明らかにするために、無胸腺ヌードマウスの側腹部に細胞を注入した。ヒト扁平上皮癌細胞株SCC4を、これらの動物における腫瘍形成に関する陽性対照として用いた。試料の注入は、SCC4細胞が片側の側腹部に注入され、親BC-1-EpケラチノサイトまたはNIKS(登録商標)細胞が反対側の側腹部に注入されるようにデザインした。この注射方式により、動物から腫瘍形成差をなくすことができ、マウスが腫瘍形成性細胞の盛んな増殖に耐えうることが確認された。親BC-1-Epケラチノサイト(第6継代)およびNIKS(登録商標)ケラチノサイト(第35継代)はいずれも無胸腺ヌードマウスにおいて腫瘍を形成しなかった。
NIKS(登録商標)細胞を表面培養および器官培養における分化能力に関して分析した。器官培養の技法は実施例において詳述される。特に好ましい態様において、本発明の器官培養された皮膚同等物は、コラーゲンおよび類似の物質ならびに線維芽細胞から形成された真皮同等物を含む。ケラチノサイト、例えば、NIKS(登録商標)細胞、またはNIKS(登録商標)細胞と患者に由来する細胞の組み合わせが真皮同等物に播種され、器官培養プロセスの後に、扁平分化を特徴とする表皮層を形成する。
表面培養下の細胞に関しては、扁平分化のマーカーである角化膜の形成をモニタリングした。培養ヒトケラチノサイトでは、角化膜構築の初期段階にインボルクリン、シスタチン-αおよび他のタンパク質から構成される未熟構造の形成が起こり、これが成熟角化膜の内側3分の1を占める。接着性BC-1 Ep細胞またはNIKS(登録商標)細胞株に由来するケラチノサイトのうち角化膜を形成するのは2%未満である。この所見は、集密に達する以前の、活動的に増殖しているケラチノサイトによって形成される角化膜は5%未満であることを示した以前の研究とも一致する。NIKS(登録商標)細胞株が分化誘導を受けた場合に角化膜を形成しうるか否かを明らかにするために、細胞を表面培養物から取り出し、メチルセルロースによって半固体にした培地中で24時間浮遊培養した。ケラチノサイトの細胞間接着および細胞-基層接着の喪失により、ケラチンの差異を伴う発現および角化膜の形成を含む、終末分化の様々な様相をインビトロで誘発することが可能である。NIKS(登録商標)ケラチノサイトは親ケラチノサイトと同程度、通常はより多くの角化膜を形成した。これらの所見は、この細胞型に特異的な分化構造の形成を誘発する能力をNIKS(登録商標)ケラチノサイトが失っていないことを示す。
NIKS(登録商標)ケラチノサイトが扁平分化を生じ得ることを確かめるために、この細胞を器官培養下で培養した。プラスチック基層上で増殖させて培地中に浸漬したケラチノサイト培養物は複製するが、分化は限定的であった。詳細には、ヒトケラチノサイトは集密化して、3層またはそれ以上の層のケラチノサイトからなるシートを形成する限定的な重層化を起こす。光学顕微鏡および電子顕微鏡によれば、組織培養下で形成される多層シートの構造と完全なヒト皮膚の構造の間には大きな差がある。これに対して、器官培養法では、ケラチノサイトがインビボに類似した条件下で増殖および分化を行うことが可能である。詳細には、細胞は、真皮線維芽細胞が繊維性コラーゲン基層に包埋したものからなる生理的基層に付着する。器官培養物は気体培地界面で維持される。これにより、上方のシート内の細胞は空気に曝露されるのに対して、増殖中の基底細胞はコラーゲンゲルを通して拡散によって供給される栄養分の勾配に接した状態に保たれる。これらの条件下では正しい組織構造が形成される。正常に分化している表皮のいくつかの特徴が明らかに認められる。親細胞およびNIKS(登録商標)細胞株のいずれにおいても、立方基底細胞の単層が表皮と真皮同等物との接合部に存在する。形態が円形で核細胞質比が高いことは、ケラチノサイト集団が活動的に分裂していることを表す。正常ヒト表皮では、基底細胞が分裂するたびに娘細胞が生じ、上方の分化中の組織層に移動する。娘細胞のサイズは拡大し、平坦化して扁平になる。最終的にはこれらの細胞は脱核し、角化した角質構造を形成する。この正常な分化プロセスは、親細胞およびNIKS(登録商標)細胞のいずれの上層にも認められる。平坦化した扁平細胞の外観がケラチノサイトの上層に認められ、このことから器官培養物で重層化が起こったことが示される。器官培養物の最上部分では、脱核した扁平細胞が培養物の上部から剥落する。現在のところ、器官培養下で増殖させた親ケラチノサイトとNIKS(登録商標)ケラチノサイト細胞株との間に、光顕レベルでは分化における組織学的な差は観察されていない。
親(第5継代)およびNIKS(登録商標)(第38継代)器官培養物のより詳細な特徴を観察するため、ならびに組織学的な観察所見を確認するために、電子顕微鏡を用いて試料を分析した。親細胞および不死化ヒトケラチノサイト細胞株NIKS(登録商標)を15日間の器官培養を行った後に回収し、重層化の程度を示すために基底層に対して垂直に切片化した。親細胞およびNIKS(登録商標)細胞株はいずれも器官培養下で広範な重層化を生じ、正常ヒト表皮の特徴を備えた構造を形成する。親細胞およびNIKS(登録商標)細胞株の器官培養物には大量のデスモソームが形成される。基底層の形成および基底ケラチノサイト層における随伴性のヘミデスモソームも、親細胞および細胞株の両方に認められた。
ヘミデスモソームはケラチノサイトの基底層への付着性を高める特殊な構造であり、組織の完全性および強度の維持に役立つ。これらの構造の存在は、親細胞またはNIKS(登録商標)細胞が多孔性支持体に直接付着した領域で特に顕著であった。これらの所見は、線維芽細胞を含む多孔性支持体上で培養したヒト包皮ケラチノサイトを用いて以前に得られた超微細構造の所見と一致する。光顕および電顕レベルでの分析により、器官培養下のNIKS(登録商標)細胞株が重層化し、分化し、正常ヒト表皮に認められるデスモソーム、基底層およびヘミデスモソームなどの構造を形成しうることが示されている。
B)発送、保管、および現場での使用
いくつかの好ましい態様では、本発明は、皮膚移植処置において使用するための器官培養された皮膚同等物を、使用者に発送および保管するための方法、キットおよび装置を提供する。本発明は、器官培養されたヒト皮膚同等物を生産する特定の方法に限定されない。実際には、様々な方法を使用することができる。好ましい態様において、本発明の器官培養された皮膚同等物は、前記の方法および実施例に記載の方法またはその変更によって生産される。
以前の発送および保管のシステムは、複合培地を使用することと、皮膚同等物を使用する前に最適な培養条件下で生き返らせる必要があることに頼っていた。例えば、EpiDerm(商標)皮膚同等物は真皮同等物が欠如しており、EGF、インシュリン、ヒドロコルチゾン、および他の知的所有権下にある因子を含むゲル化培地に載せて、2〜8℃で発送される。皮膚同等物が使用現場に到着したら、これ以上保管するには、使用前に皮膚同等物を生き返らせるために、皮膚同等物をHypoThermasol(商標)などの最適な液体培地に浸漬し、37℃で培養することが必要であると報告されている。例えば、Cook et al, Tissue Engineering l(4):361-77(1995)を参照されたい。他の研究により、室温での保管が最適であると証明されている。Robb et al., J. Burn Care Rehab. 22(6):393-396(2001)。このようなシステムは、解梱し、使用前に皮膚同等物または死体移植片を液体培地中で培養することが必要である。これは、包装された組織の無菌性を維持しなければならない臨床用途には現実的でない。
本発明のいくつかの態様において、器官培養された皮膚同等物は、使用現場に発送するために製造現場で無菌包装される。これが行われる日が「包装日」である。好ましい態様において、器官培養された皮膚同等物は、無菌条件下で滅菌包装容器に入れて密封される。好ましい態様において、器官培養された皮膚同等物はゲル支持体と接触した状態で入れられる。本発明は特定のゲル支持体に限定されない。いくつかの好ましい態様では、ゲル支持体はアガロースである。好ましい態様において、ゲル支持体は最少培地を用いて生成されるか、最少培地を含む。驚いたことに、本発明者らは、成長因子(例えば、上皮細胞成長因子、インシュリン、およびインシュリン様成長因子1)、ならびにステロイド(例えば、ヒドロコルチゾン)などの活性のある生物学的薬剤を含む複合培地とは対照的に、最少培地を添加したゲル支持体上で、器官培養された皮膚同等物を、長期間、維持できることを発見した。最少培地は、生物学的に活性のある成長因子およびホルモンを実質的に含まない培地である。実質的に含まないとは、例えば、培地が、約1mg/ml、0.5mg/ml、100ug/ml、50ug/ml、10ug/ml、1ug/ml、500ng/ml、100ng/ml、10ng/ml、1ng/ml、または0.1ng/ml未満の成長因子(例えば、EGF、IGF-1、もしくはインシュリン)またはステロイド(例えば、ヒドロコルチゾン)を含むことを意味する。いくつかの好ましい態様では、最少培地はDMEMおよびF12の混合物であり、無血清である。
いくつかの好ましい態様では、ゲル支持体は発送チャンバーの中に形成されるか、発送チャンバーの中に入れられる。本発明の発送チャンバーを図1に図示した。図1を見ると、発送チャンバー100は、好ましくは、直径約150mmおよび高さ約20mmのp150組織培養皿から構築される。発送チャンバーは、好ましくは、チャンバー上部110およびチャンバー底部115を含む。チャンバー底部115は、好ましくは、チャンバー側壁120およびチャンバー底面125を含む。好ましい態様において、ゲル支持体130はチャンバー底面上に形成される。いくつかの好ましい態様では、発送チャンバーは、透過性膜140およびインサート延長部分142を含むインサート135を含む。好ましい態様において、皮膚同等物145は透過性膜140の上に形成される。いくつかの好ましい態様では、インサート135の透過性膜140はゲル支持体130と接触した状態で入れられる。いくつかの好ましい態様では、発送チャンバー100の中のゲル支持体130の高さは、インサート135が発送チャンバー100の中のゲル支持体130の上に置かれた時に、インサート延長部分142が上方に延び、チャンバー上部110がチャンバー底部115の上に置かれた時に、インサート延長部分142がチャンバー上部110と接触して、チャンバー上部110およびインサート延長部分142が加える下向きの力によってインサート135がゲル支持体130の上で固定されるような高さである。
いくつかの好ましい態様では、滅菌包装容器の温度は約2〜8℃に下げられる。驚いたことに、本発明者らは、器官培養された皮膚同等物が低温で発送および保管でき、皮膚移植および創傷閉鎖処置において使用するために、生存率を維持することを発見した。低温で発送および保管できるので、器官培養された皮膚同等物の製造、発送、および使用の融通性が大幅に高まる。これは、10日未満で用いられ、使用するまで20〜23℃に維持しなければならない他の器官培養された皮膚同等物、例えば、APLIGRAF(登録商標)の製造、発送、および使用とは全く対照的である。本発明の方法および装置を用いると、器官培養された皮膚同等物は、好ましくは、包装日の15日後まで使用することができる。保管期間の延長は、器官培養された皮膚同等物の使用の融通性を大幅に高める。
好ましい態様において、滅菌包装容器は断熱容器の中に入れられ、発送中の滅菌包装容器の温度を2〜8℃に維持するために、コールドパック(cold pack)、好ましくは、ゲルコールドパックを用いて包装される。病院、救急医療病院、軍の医療部隊、または他の医療施設などの使用現場に到着したら、滅菌包装容器は断熱容器から取り出され、使用するまで、保管のために2〜8℃の冷蔵設備に入れられる。いくつかの好ましい態様では、滅菌包装容器の完全性(および無菌性)は、医師または他の介護者が、例えば、手術室において使用する直前まで維持される。好ましい態様では、器官培養された皮膚同等物を皮膚移植または創傷閉鎖処置において使用する前に、間にある培養工程または生き返らせる期間は必要とされない。この特徴は、組織を高い温度で保管し、使用のために液体培地中で高い温度で生き返らせなければならない以前の方法を上回る、予想外の大幅な改善である。
C)治療用途
本発明の保存された細胞、臓器および組織は、治療的に使用できるものと考えられる。
いくつかの態様では、この細胞、臓器および組織を利用して慢性皮膚創傷を治療する。慢性皮膚創傷(例えば、静脈性潰瘍、糖尿病性潰瘍、褥瘡)の治療の成功は重大な問題である。そのような創傷の治癒には多くの場合、1年をはるかに上回る治療が必要になる。治療法の選択肢としては現在のところ、包帯法および壊死組織切除法(壊死組織を一掃するために化学物質もしくは外科処置を利用すること)ならびに/または感染症の場合には抗生物質が挙げられる。これらの治療選択肢には長い期間および多くの患者のコンプライアンスが必要になる。したがって、医師による慢性創傷の治癒の成功を高め、創傷治癒の速度を速めることができる治療法はこの分野においてまだ満たされていない必要性を満たすだろう。したがって、本発明は、本発明の細胞(例えば、NIKS(登録商標)細胞)を含む皮膚同等物を用いた皮膚創傷の治療を意図するものである。いくつかの態様では、NIKS(登録商標)細胞を創傷部位に局所的に適用する。他の態様では、 NIKS(登録商標)細胞を含む皮膚同等物を部分層創傷に対する移植に使用する。他の態様では、NIKS(登録商標)細胞を含む皮膚同等物を全層創傷に対する移植に使用する。他の態様では、NIKS(登録商標)細胞を含む皮膚同等物を使用して、胃腸管を裏打ちする粘膜の内部創傷、潰瘍性大腸炎、および癌治療によって引き起こされる可能性のある粘膜の炎症を含むがこれらに限定されない、多くのタイプの内部創傷を治療する。さらに他の態様では、発現性のNIKS(登録商標)細胞を含む皮膚同等物を一時的または永続的な創傷包帯として使用する。
細胞を含む皮膚同等物は、創傷閉鎖および熱傷治療の用途にも有用である。熱傷治療および創傷閉鎖のための自己移植片および同種移植片の使用は、 Myers et al., A. J. Surg. 170(1): 75-83 (1995)ならびに米国特許第5,693,332号; 第5,658,331号; および第6,039,760号に記載されており、これらはそれぞれ参照により本明細書に組み入れられる。いくつかの態様では、皮膚同等物は DERMAGRAFTまたはINTEGRAなどの代用真皮とともに用いることができる。他の態様では、皮膚同等物は標準的なケラチノサイト供給源(例えば、NIKS(登録商標)細胞)および移植片を受けることになる患者由来のケラチノサイトの両方を用いて生産される。したがって、この皮膚同等物は2種類の供給源由来のケラチノサイトを含む。なおさらなる態様では、皮膚同等物はヒト組織単離物に由来するケラチノサイトを含む。したがって、本発明は、熱傷によって生じた創傷を含む、創傷の閉鎖方法であって、皮膚同等物および創傷に罹患した患者を提供する段階、ならびに創傷が閉鎖される条件下で患者を皮膚同等物によって治療する段階を含む。
なおさらなる態様では、細胞は、さらなる治療薬を被験体に提供するように操作される。本発明は特定の治療薬の送達に限定されない。実際には、酵素、ペプチド、ペプチドホルモン、他のタンパク質、リボソームRNA、リボザイムおよびアンチセンスRNAを含むが、これらに限定されない、様々な治療薬を被験体に送達できるものと考えられる。これらの治療薬は、遺伝的障害を是正する目的を含むがこれに限定されない、様々な目的で送達することができる。いくつかの特に好ましい態様では、遺伝的先天性代謝異常(例えば、アミノ酸尿 (aminoacidopathesis))患者を解毒する目的で、治療薬を送達し、ここで、移植片は野生型組織として機能する。治療薬の送達によって障害が是正されるものと考えられる。いくつかの態様では、細胞を、治療薬(例えば、インスリン、凝固第IX因子、エリスロポエチンなど)をコードするDNA構築体で形質転換し、この細胞を被験体に移植する。次いで、治療薬は、移植片から患者の血流またはその他の組織に送達される。好ましい態様では、治療薬をコードする核酸を、適したプロモーターに作動可能に連結させる。本発明は特定のプロモーターの使用に限定されない。実際には、誘導的、構成的、組織特異的、およびケラチノサイト特異的なプロモーターを含むが、これらに限定されない、様々なプロモーターの使用が考えられる。いくつかの態様では、治療薬をコードする核酸は、ケラチノサイト内に直接(すなわち、リン酸カルシウム共沈法、またはリポソームを介したトランスフェクション法により)導入される。他の好ましい態様では、治療薬をコードする核酸をベクターとして提供し、このベクターを当技術分野において公知の方法によってケラチノサイト内に導入する。いくつかの態様では、ベクターはプラスミドなどのエピソーム性ベクターである。他の態様では、ベクターはケラチノサイトのゲノム中に組み込まれる。組込みベクターの例には、レトロウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクターおよびトランスポゾンベクターが含まれるが、これらに限定されない。
実験
以下の実施例は、本発明のある特定の好ましい態様および局面を証明するおよびさらに説明するために提供されるものであり、本発明の範囲を制限するものとみなされるべきではない。
以下の実験の開示においては、以下の略号を用いる:eq(当量);M(モル濃度);mM(ミルモル濃度);μM(マイクロモル濃度);N(規定濃度);mol(モル);mmol(ミリモル);μmol(マイクロモル);nmol(ナノモル);g(グラム);mg(ミリグラム);μg(マイクログラム);ng(ナノグラム);lまたはL(リットル);ml(ミリリットル);μl(マイクロリットル);cm(センチメートル);mm(ミリメートル);μm(マイクロメートル);nm(ナノメートル);℃(摂氏温度);U(単位)、mU(ミリ単位);min.(分);sec.(秒);%(パーセント);kb(キロベース);bp(塩基対);PCR(ポリメラーゼ連鎖反応);BSA(ウシ血清アルブミン)。
実施例1
本実施例は、皮膚同等物を生産する方法について述べる。
培地
器官培養のプロセスには以下の6種類の培地を用いる:3T3フィーダー細胞培地(TM);ヒト線維芽細胞増殖培地(FGM);NIKS(登録商標)培地(NM);プレーティング培地(PM);重層化培地A(SMA);および重層化培地B(SMB)。TMは、単層培養においてNIKS(登録商標)細胞のフィーダー細胞として作用する3T3細胞を増殖させるために用いられる。TMは、10%仔ウシ血清(Hyclone)を添加したダルベッコ変法イーグル培地(DME, GibcoBRL)の混合物である。FGMは、STRATAGRAFT(登録商標)皮膚同等物およびSTATATEST皮膚同等物の真皮同等層に用いる正常ヒト真皮線維芽細胞(NHDF)を増殖させるために使われる市販の線維芽細胞増殖培地(Clonetics)である。NMはNIKS(登録商標)ケラチノサイトを増殖させるために用いられる。NMはハムF-12培地(GibcoBRL)およびDMEの3:1混合物に、2.5% fetal clone II(Hyclone)、0.4μg/mlヒドロコルチゾン(Calbiochem)、8.4ng/mlコレラ毒素(ICN)、5μg/mlインスリン(Sigma)、24μg/mlアデニン(Sigma)および10ng/ml上皮成長因子(EGF, R&D systems)を添加したものである。PMは、NIKS(登録商標)細胞を真皮同等物上に播種する際に用いる培地である。EGFが除去され、血清が0.2%に減少し、CaCl2(Sigma)が1.88nmの最終カルシウム濃度にまで添加されている以外は、PMはNMと同じである。SMAは、1mg/mlウシ血清アルブミン(BSA)、1μMイソプロテレノール、10μMカルニチン、10μMセリン、25μMオレイン酸、15μMリノール酸、7μMアラキドン酸、1μM α-トコフェロール、0.05mg/mlアスコルビン酸(すべてSigma)および1ng/ml EGFを添加したPMと同じものである。SMBは、STRATATEST皮膚同等物の上皮重層化段階およびSTRATAGRAFT(登録商標)皮膚同等物の増殖時に用いられる。SMBは、fetal clone II血清補充成分が存在することを除けば、SMAと同じものである。
フィーダーの調製
STRATAGRAFT(登録商標)皮膚同等物の器官培養を開始する前に、3T3フィーダー細胞を調製し、次いで、そのまま用いるか、後に用いるために凍結する。3T3細胞を集密に達するまで増殖させ、マイトマイシン-C(TMに溶解して4ug/ml, Roche)で4時間処理する。次いで、細胞を洗浄し、再懸濁し、NIKS(登録商標)の増殖を補助する目的で、1.25×106個/100mm組織培養皿の密度でプレーティングする。凍結したフィーダーを用いる場合には、2×106個入りの1mlを含む1本の凍結アンプルを解凍し、新鮮なTMで希釈し、2枚の100mm組織培養皿にプレーティングする。これは、NIKS(登録商標)細胞をプレーティングする1前にNIKS(登録商標)細胞の増殖に必要と考えられるだけの数の培養皿に対して行う。
真皮同等物の調製
第0日目に、凍結NHDF細胞を解凍してプレーティングを行う。その翌日(第1日目)、細胞にFGM-2を供給して残留性の凍結保護剤を除去し、第3日目にも再び行う。第4日目に、それらを真皮同等物に用いるために回収する。真皮同等物を調製するには、ラット尾部コラーゲン(I型, Becton-Dickinson)をまず0.03N酢酸で3mg/mlに希釈して、氷上で冷却する。濃縮ハムF12培地の混合物(通常強度の8.7倍、pH7.5のHEPESで緩衝化)をfetal clone II(ウシ血清を添加した)と混合する。この2種類の溶液は最終の溶液体積の11.5%および10%である。この培地混合物に1N NaOHを添加する(最終溶液の2.5%)。次いで、この混合物に希釈コラーゲンを添加(74%)する。この混合物に2%体積の懸濁線維芽細胞(STRATAGRAFT(登録商標)真皮同等物の場合は1.3×106個)を添加する。STRATATESTの場合、組織培養インサート(Millipore Corp.のMILLICELL)に100μlずつ分注し、100mm組織培養皿に入れる。ゲル形成のために30分間おいた後、この培養皿に、FGM-2 20mlを満たす。それぞれの真皮同等物の表面に1滴または2滴のF-12-血清混合物を滴下する。STRATAGRAFT(登録商標)皮膚同等物にはCorning社のTRANSWELLインサートを用いる。各インサートに真皮同等物13mlを注ぎ入れる。ゲル形成のために30分間おいた後、FGM-2 80mlを150mm組織培養皿内のTRANSWELLインサートの周囲に入れて、10mlを真皮同等物の上に入れる。このインサートは使用時まで37℃、5%CO2、相対湿度90%のインキュベーター内に入れておく。真皮同等物にNIKS(登録商標)細胞を播種する時に、組織培養インサートの底面から培地を供給するために、インサートを滅菌ステンレス鋼メッシュの上に載せることによって気体界面に挙上する。
NIKS(登録商標)の増殖および播種
第0日目に、フィーダーをNM中にプレーティングする。第1日目に、NIKS(登録商標)細胞をフィーダーの上に約3×105個/100mm培養皿の密度でプレーティングする。第2日目に、NIKS(登録商標)細胞に新鮮なNMを供給して残留性の凍結保護剤を除去する。第4日目および第6日目にもNIKS(登録商標)細胞に供給する。(STRATAGRAFT(登録商標)皮膚同等物サイズの培養の場合、必要とされる細胞の数が増えるので、NIKS(登録商標)培養を1週間早く開始する)。第8日目にNIKS(登録商標)細胞を回収し、カウントし、PM中に再懸濁させる。MIILLICELLまたはTRANSWELLインサートの表面に、NIKS(登録商標)細胞4.65×105個/cm2を播種する。この培養皿に金属製リフトの下方までPM 30ml(STRATAGRAFT(登録商標)皮膚同等物の場合には100ml)を供給し、これを再びインキュベーター内に入れる。第10日目に、この培養物にSMAを供給する。第12日目、第14日目、第16日目、第18日目、第20日目、および第22日目に、この培養物にSMBを供給する。第12日目に、この培養物を湿度75%のインキュベーターに移し、この中にその培養物を成熟までの間ずっと入れておく。
実施例2
本実施例は、2〜8℃で1日の皮膚同等物の保管が20〜25℃の保管より優れていることを証明する。
概要:
STRATAGRAFT(登録商標)皮膚組織は、正常ヒト真皮線維芽細胞を含有するコラーゲンゲル上に、生きた表皮ケラチノサイトからなる完全に重層化した層を有する、生きている皮膚代用組織である。最上の表皮層は、表皮から過剰な水分が失われるのを防ぐ透過性バリアーを形成する。これらの重要な構造特性および機能特性(生存率、組織学的特性、およびバリアー機能)を測定するアッセイは、ある期間にわたってSTRATAGRAFT(登録商標)皮膚組織の品質をモニタリングするための安定性指示(stability-indicating)アッセイとして知られている。
STRATAGRAFT(登録商標)皮膚組織の生産プロセスは31日間続く。生産プロセスの終わりに、STRATAGRAFT(登録商標)皮膚組織は器官培養条件から取り出され、HEPES-緩衝液 栄養分-アガロース発送チャンバーにプレーティングされる。これは、臨床で使用する前に、STRATAGRAFT(登録商標)皮膚組織の生存率、バリアー機能、および組織学的構造を維持するようにデザインされている。本研究は、発送チャンバーを2℃〜8℃または20℃〜25℃で1日、保管した後に、STRATAGRAFT(登録商標)皮膚組織特性を比較するために行った。2℃〜8℃または20℃〜25℃で1日の保管期間後に、STRATAGRAFT(登録商標)皮膚組織の2つの独立したロットを、生存率、バリアー機能、および組織学的特性について分析した。これらの温度で保管された組織のバリアー機能および組織学的特性は同等であった。しかしながら、2℃〜8℃で保管すると、20℃〜25℃で保管された組織より生存率の高い組織が得られた。本研究は、STRATAGRAFT(登録商標)皮膚組織を2℃〜8℃で1日、保管することによって、20℃〜25℃で保管された組織の組織特性と類似する、またはこれより優れた組織特性が得られたことを証明した。
実験デザイン:
2つの独立したSTRATAGRAFT(登録商標)ロットを、Waisman Clinical Biomanufacturing Facility(WCBF)においてcGMPの下で生産し、本研究に使用した。STRATAGRAFT(登録商標)生産プロセスの第28日目に、各ロットから1つの組織を、Stratatech品質管理によって、生存率、バリアー機能、および組織学的特性についての標準作業手順書(SOP)に従って試験した。各ロットにある残りの6つの組織を、プロセス第28日目およびプロセス第30日目に送り込んだ。プロセス第31日目に、6つの組織を発送チャンバーに載せ、3つずつ2℃〜8℃または20℃〜25℃で1日、保管した。組織分析条件を標準化するために、分析前に、2℃〜8℃で保管された組織を20℃〜25℃で1時間温めた。
結果:
生存率:
データを以下の表1および表2ならびに図2に示した。20℃〜25℃で1日、保管したSTRATAGRAFT(登録商標)皮膚組織、および2℃〜8℃で1日、保管したSTRATAGRAFT(登録商標)皮膚組織からの試料は全て、生存率の合格基準(A550>0.533)を満たした。2℃〜8℃で保管された組織の生存率は第28日目QC組織と同等であり、20℃〜25℃で保管された組織の生存率より高かった。
(表1)生存率の概要
Figure 2011502538
(表2)生存率の個別値
Figure 2011502538
バリアー機能:
バリアー機能データを以下の表3および表4に示した。バリアー機能の合格基準は、全ての読み取り値が、DPM初期値<294および10秒間隔にわたるDPM変化<658を有さなければならないことである。
第28日目QC組織および20℃〜25℃で保管されたSTRATAGRAFT(登録商標)皮膚組織のバリアー機能は許容可能であった。2℃〜8℃で保管されたSTRATAGRAFT(登録商標)皮膚組織の1つからの読み取り値の1つのDPM初期値が、合格基準を上回っていた(表4の太字)。この失敗した読み取りは、水たまりのある組織部分で起こったと書き留められた。従って、組織表面上の水たまりは、高い初期値の原因である可能性が高い。2℃〜8℃で保管されたSTRATAGRAFT(登録商標)皮膚組織からの他の全ての読み取り値は合格基準を満たし、20℃〜25℃で保管された組織からのバリアー機能読み取り値と同等であった。第28日目QC組織と比較して、これらの温度で保管された後に、バリアー機能はわずかに改善した。このデータは、20℃〜25℃または2℃〜8℃で1日、保管されたSTRATAGRAFT(登録商標)皮膚組織のバリアー機能は同等であると証明した。
(表3)バリアー機能概要の表
Figure 2011502538
(表4)バリアー機能の個別値
Figure 2011502538
組織学的特性:
パラフィン包埋され、ヘマトキシリンおよびエオシンで染色されたSTRATAGRAFT(登録商標)組織切片の代表的な外観には、真皮層の中の線維芽細胞、表皮層と真皮層との間の接合部にある小さな有核ケラチノサイトからなる基底層、基底層の上にある、分化しつつあるケラチノサイトからなる複数の層、および平らな角質細胞からなる層が含まれる。全ての組織は組織学的特性の規定に準拠した。2℃〜8℃で保管されたSTRATAGRAFT(登録商標)皮膚組織の組織構造は、20℃〜25℃で保管された組織構造と同等であり、保管された組織セットは両方とも第28日目QC組織と同等であった。
結論:
2℃〜8℃で1日、保管することによって、20℃〜25℃での保管より生存率の高いSTRATAGRAFT(登録商標)皮膚組織が得られた。2℃〜8℃で1日、保管された組織および20℃〜25℃で1日、保管された組織のバリアー機能および組織学的特性は同等であった。これらの結果は、2℃〜8℃の低温で1日、保管しても、20℃〜25℃で保管された組織と比較して、STRATAGRAFT(登録商標)皮膚の組織特性は悪影響を受けないことを証明している。
実施例3
本実施例は、2〜8℃で8日間、保管された皮膚同等物が、20℃〜25℃で1日しか保管されなかった組織と同等であるか、またはこれより優れていることを証明する。保管温度を下げても、20℃〜25℃で保管された組織と同等の組織品質が維持されることが示している(実施例2を参照されたい)。STRATAGRAFT(登録商標)組織を2〜8℃で8日間、保管できれば、STRATAGRAFT(登録商標)組織が臨床用途に利用可能な日数が延びるだろう。本研究は、20℃〜25℃で1日、保管された組織と2〜8℃で8日間、保管された組織の比較性を試験した。2〜8℃で保管されたが、もう7日間保管した組織において、組織生存率が改善した。
実験デザイン:
本研究は、WCBFにおいてcGMPの下で製造した1つの組織バッチ、およびStratatech試験生産施設において生産した2つのバッチを使用した。プロセス第28日目に、各バッチから1つの組織を分析した。残りの6つの組織を第28日目および第30日目に送り込み、プロセス第31日目に発送チャンバーに載せた。分析前に、各バッチから3つの組織を、20℃〜25℃で1日、保管した。各バッチから残りの3つの組織を2〜8℃で8日間、保管した。分析前に、2〜8℃で8日間、保管した組織を、20℃〜25℃で1時間、平衡状態にした。
結果:
組織生存率:
生存率データを表5および図3に示した。生存率の試料は全て合格基準を満たした(A550 >0.533)。しかしながら、3つ全てのロット内比較において(図3の左パネル)、2〜8℃で8日間、保管された組織の生存率は、20℃〜25℃で1日、保管された組織より高かった。20℃〜25℃で1日、保管された組織の平均A550値は0.709であり、それに対して、2〜8℃で8日間、保管された組織の平均A550値は0.831であった。このデータから、2〜8℃でのSTRATAGRAFT(登録商標)組織の保管は、20℃〜25℃での保管より良好に組織生存率を維持できることが分かる。
(表5)組織生存率データの概要
Figure 2011502538
バリアー機能:
Novaインピーダンス計を用いて組織を分析した。データを表6および表7に示した。読み取り値は全て、STRATAGRAFT(登録商標)組織のロット発売基準を満たした(初期読み取り値<294、変化<658)。このデータは、STRATAGRAFT(登録商標)組織が2〜8℃で8日間、保管されても、20℃〜25℃で1日、保管された後に分析された組織と比較して、組織バリアー機能は悪影響を受けないことを示唆している。
(表6)バリアー機能データ
Figure 2011502538
(表7)バリアー機能概要の表
Figure 2011502538
組織学的特性:
2〜8℃で8日間、保管された3つの組織セットの全ての組織構造は、STRATAGRAFT(登録商標)組織の合格基準を満たした。対照的に、20℃〜25℃で1日、保管された3つのSTRATAGRAFT(登録商標)ロットのうち2つは、非常に多くの細胞間隙を有する非定型的な組織学的特性を有していた。このデータは、STRATAGRAFT(登録商標)組織が2〜8℃で8日間、保管されても、20℃〜25℃で1日、保管された組織と比較して、組織学的特性は悪影響を受けないことを示唆している。
結論:
本研究において、2〜8℃で8日間、保管されたSTRATAGRAFT(登録商標)組織の生存率、組織学的特性、およびバリアー機能特性は、20℃〜25℃で1日、保管された組織と同等であるか、またはこれより優れていた。この結果は、2〜8℃で8日まで保管しても、STRATAGRAFT(登録商標)組織の特性は悪影響を受けないことを証明している。
実施例4
STRATAGRAFT(登録商標)皮膚組織を発送チャンバーに載せて15日まで保管することができる期間延長は、臨床用途のためにSTRATAGRAFT(登録商標)組織の利用可能性を高めるので非常に望ましい。本実施例は、皮膚同等物を栄養分-アガロース発送チャンバーに載せて8日より長く、保管するには、2〜8℃を超える温度では最適以下であることを証明する。
実験デザイン:
Stratatechのプロセス開発研究所(process development laboratory)で生産されたSTRATAGRAFT(登録商標)組織を、生産プロセスの第28日目に、栄養分-アガロース発送チャンバーに載せて包装し、約2〜8℃、15℃、または22.5℃で、1日、4日間、8日間、15日間、または29日間、保管した。指示された保管期間の後に、組織の生存率および組織学的特性を分析した。バリアー機能の測定は全ての組織で行わず、このため、このデータは示さなかった。
結果:
本研究からの生存率データを図4に示した。4日間の保管まで、組織生存率を維持する能力の点で保管温度は全て同等であった。8日間の保管の後に、2〜8℃で保管された組織または15℃で保管された組織からの生存率結果は互いに同等であり、20℃〜25℃で保管された組織の生存率結果より優れていた。15日間または29日間の保管の後に、2〜8℃で保管された組織は、15℃または20℃〜25℃で保管された組織と比較して高い生存率を示した。
結論:
本研究は、保管が8日を過ぎると、組織生存率を助ける能力の点で、2〜8℃での皮膚同等物の保管は15℃を上回る温度での保管より頑強であることを証明する。
実施例5
STRATAGRAFT(登録商標)皮膚組織を発送チャンバーに載せて15日まで保管することができる期間延長は、臨床用途のためにSTRATAGRAFT(登録商標)組織の利用可能性を高めるので非常に望ましい。本研究は、STRATAGRAFT(登録商標)皮膚組織を、栄養分無添加アガロースを含有する発送チャンバーに載せて、2〜8℃で15日間、保管する実現可能性を試験するために行った。
実験デザイン:
WCBFにおいて生産された3つの独立したSTRATAGRAFT(登録商標)皮膚組織ロットからの組織を、本研究のために使用した。各ロットから無作為に選択した1つの組織を、STRATAGRAFT(登録商標)皮膚組織生産プロセスの第28日目に試験した。各ロットにある残りの6つの組織には、プロセス第28日目およびプロセス第30日目に、SMB培地を供給した。プロセス第31日目に、6つの組織を発送チャンバーに載せ、2〜8℃で、1日、8日間、または15日間、保管した。指定された保管間隔の後に、組織を20℃〜25℃で1時間インキュベートし、次いで、生存率、バリアー機能、および組織学的特性について分析した。
結果:
生存率:
生存率データを表8および表9ならびに図4に示した。合格基準は、全ての試料のA550>0.533であることである。本研究において、第28日目QC組織、および2〜8℃で、1日、8日間、または15日間、保管されたSTRATAGRAFT(登録商標)皮膚組織は全て生存率合格基準を満たした。
(表8)生存率の概要
Figure 2011502538
(表9)生存率の個別値
Figure 2011502538
バリアー機能:
バリアー機能データを下の表10および表11ならびに図5に示した。バリアー機能の合格基準は、全ての読み取り値が、DPM初期値<294および10秒間隔にわたるDPM変化<658を有さなければならないことである。
2〜8℃で1日、保管されたSTRATAGRAFT(登録商標)皮膚組織、および2〜8℃で8日間、保管されたSTRATAGRAFT(登録商標)皮膚組織は全て、バリアー機能の合格基準を満たした。2〜8℃で15日間、保管された組織から、許容できないほど高いDPM初期値を示した読み取り値(表11の灰色の網掛け)が1つだけあった。15日間、保管された組織からの他の全ての読み取り値は、合格基準を満たした。この高いDPM初期値は、2〜8℃で保管された組織によく見られる、保管中に組織表面上に結露がたまったことによる可能性がある。このただ1つの高い読み取り値を除けば、全ての保管された組織のバリアー機能は、第28日目QC組織と同等であった。このデータから、2〜8℃での保管期間が長くなっても組織バリアー機能は悪影響を受けないことが証明された。
(表10)バリアー機能概要の表
Figure 2011502538
(表11)バリアー機能の個別値
Figure 2011502538
組織学的特性:
一般的に、2〜8℃で15日間、保管された組織は、線維芽細胞を含有する真皮と必要な全ての組織層を含有する表皮からなる典型的な組織学的構造を示した。
結論:
本研究の結果は、2〜8℃で15日間まで保管されたSTRATAGRAFT(登録商標)組織が、STRATAGRAFT(登録商標)組織のロット発売基準を満たすことを証明する。一般的に、保管期間を15日まで延ばすことで、バリアー機能は悪影響を受けなかった。2〜8℃で15日間、保管された組織の生存率は、STRATAGRAFT(登録商標)組織の合格基準を満たした。15日間、保管された組織は、組織学的特性の合格基準も満たした。
実施例6
本実施例は、発送用の発送チャンバーおよび滅菌包装容器がどのように作られるかについて述べる。
アガロース45gを水1455mlに溶解して混合することによって、3%アガロース溶液を調製する。混合物を攪拌し、次いで、アガロースを溶解するためにオートクレーブする(121℃、60分)。F12培地粉末24g、DMEM培地粉末10.0g、およびHEPES粉末7.2gを水1455mlに溶解して混合することによって、2X培地溶液を調製する。全ての粉末が溶解するまで混合物を攪拌し、pHを7.3〜7.5に調節する。2X培地溶液および3%アガロース溶液を40℃の水浴に30〜60分間入れる。次いで、2X培地溶液を濾過滅菌し、Sterivex(商標)フィルターに通して、3%アガロース溶液に無菌的に添加する。次いで、結果として生じた溶液60mlを、滅菌p150培養皿(150mmX20mm円形組織培養皿)に無菌的に分注し、ゲル化させる。すぐに使用しなければ、使用するまで保管のために、発送チャンバーをヒートシール可能な滅菌バックに入れる。発送のために、Transwellインサート(7.5cm直径(44cm2)、孔径0.4ミクロン)の中にある皮膚同等物を、発送チャンバーの中にあるアガロースに無菌的に載せ、p150プレート上部を発送チャンバーの上に載せ、無菌条件下で固定する。次いで、発送チャンバーを、滅菌したヒートシール可能な袋に入れ、密封して、発送用包装容器を得る。発送用包装容器を2〜8℃で保管および発送し、使用現場では2〜8℃で、包装時から8〜15日間、使用直前まで保管することができる。包装容器の完全性は、使用時まで維持することができ、使用前に皮膚同等物を生き返らせる必要はない。
実施例7
本実施例は、皮膚同等物を生産する簡素化した方法について述べる。
培地
器官培養のプロセスには以下の3種類の培地を用いる。これらは全て、全ての培地からコレラ毒素が省かれている以外は、米国特許第7,407,805号に記載のSMB培地の処方をベースとしている。FM01は、皮膚同等物の真皮同等層において使用するための正常ヒト真皮線維芽細胞(NHDF)を増殖させるために用いられる。FM01の処方は、Fetal Clone II血清(2%最終)を含有し、コレラ毒素を欠く以外はSMBと同じである。KM01は、NIKS(登録商標)ケラチノサイトを増殖させるのに用いられ、2.5%fetal clone IIを含有し、さらなる上皮細胞成長因子(EGF)が最終濃度5ng/mlまで添加される以外はSMBと同じ組成を有する。SM01は、皮膚同等物生産の表皮重層化段階に用いられ、コレラ毒素が省かれている以外はSMBと同一である。
真皮同等物の調製
第0日目に、凍結NHDF細胞を解凍し、プレーティングする。翌日(第1日目)、細胞にFM01を供給して残留性の凍結保護剤を除去し、第3日目にも再び行う。第4日目に、それらを真皮同等物に用いるために回収する。真皮同等物を調製するには、最初に、I型ラット尾部コラーゲンを0.03N酢酸で3mg/mlに希釈し、氷上で冷却する。濃縮F12培地(通常強度の8.7倍、pH7.5のHEPESで緩衝化)の混合物を、fetal clone IIと混合する。これらの2つの溶液は、最終溶液体積の11.3%および9.6%である。1N NaOHを培地混合物に添加する(最終溶液の2.4%)。次いで、希釈コラーゲンを混合物に添加する(74.7%)。2%体積の懸濁線維芽細胞(2.78X106/ml)を混合物に添加する。9mlの最終真皮同等物混合物を、それぞれの75mm TRANSWELLインサート(Corning Costar)に注ぐ。50〜70分のゲル形成期間の後に、Transwellインサートを、150mm培養皿の中にあるステンレス鋼メッシュの表面に移す。FM01 80mlを、150mmディッシュのTRANSWELLインサートの外側に入れ、10mlを真皮同等物の上部に載せる。真皮同等物を、器官培養において使用する前に4〜5日間、37℃、5%CO2、90%相対湿度のインキュベーターに入れる。
NIKS(登録商標)の増殖および播種
NIKS(登録商標)細胞を解凍し、100mmディッシュ1つにつき約5x105細胞の密度でプレーティングする。NIKS(登録商標)培養は、マウスフィーダー細胞の存在下または非存在下で行うことができる。第1日目に、残留性の凍結保護剤を除去するために、NIKS(登録商標)細胞に新鮮なKM01を供給する。第3日目に、NIKS(登録商標)細胞に、再度、KM01を供給する。第4日目に、最初のp100培養物からNIKS(登録商標)細胞を回収し、1.2x106/フラスコの密度で225cm2培養フラスコに播種する。第7日目および8日目に、NIKS(登録商標)培養に新鮮な培地を供給する。第9日目に、NIKS(登録商標)細胞を回収し、計数し、SM01に再懸濁する。2.27X104NIKS(登録商標)細胞/cm2を真皮同等物の表面に播種する。ディッシュに培養物を送り込み、空気-培地の界面まで持ち上げる。培養物を75%に湿度が管理されたインキュベーターに移し、この中にその培養物を成熟のまでの間ずっと入れておく。第14日目、第18日目、第22日目、第25日目、第28日目、および第30日目に、培養物にSM01を供給する。
実施例8
簡素化した手順を用いて生産されたSTRATAGRAFT(登録商標)皮膚組織を、発送チャンバーに載せて15日まで保管することは、臨床用途のために組織の利用可能性を高めるので非常に望ましい。本実施例は、簡素化した手順を用いて生産された皮膚同等物を栄養分-アガロース発送チャンバーに載せて2〜8℃で15日まで保管することが許容可能であることを証明する。
実験デザイン:
Stratatechのプロセス開発研究所で生産されたSTRATAGRAFT(登録商標)組織を、生産プロセスの第31日目に、栄養分-アガロース発送チャンバーに載せて包装し、約2〜8℃で、8日間または15日間、保管した。指示された保管期間の後に、組織の生存率、バリアー機能、および組織学的特性を分析した。
結果:
生存率:
本研究からの生存率データを図7に示した。8日間または15日間、保管されたSTRATAGRAFT(登録商標)皮膚組織は、生存率の合格基準を満たした。保管期間が長くなるにつれて、組織生存率は減少した。それにもかかわらず、生存率の値はかなり一定しており、全ての値は下限を優に超えた。
バリアー機能:
バリアー機能データを以下の図8に示した。2〜8℃で8日間または15日間、保管されたSTRATAGRAFT(登録商標)皮膚は全て、バリアー機能の合格基準を満たした。保管が長くなるにつれて、DPM初期値およびDPM変化値はわずかに増加したが、バリアー機能は保持された。
組織学的特性:
一般的に、2〜8℃で8日間または15日間、保管されたSTRATAGRAFT(登録商標)皮膚組織は、典型的な表皮層の頂上にある線維芽細胞含有コラーゲン真皮の全てを示した。これらの組織には、凝縮した核の数の増加および上部表皮層におけるエオシン染色の減少を含む、いくつかのよく見られる保管に関連する影響が見られた。
結論:
本研究は、2〜8℃で8日間または15日間、保管されたSTRATAGRAFT(登録商標)皮膚組織の生存率、バリアー機能、および組織学的特性が許容可能であることを証明する。
以上の本明細書中で言及した全ての刊行物および特許は、参照により本明細書に組み入れられる。本発明の範囲および精神から逸脱することなく、本発明の記述の方法およびシステムに関する様々な変更および変形が当業者には明らかであろう。本発明を好ましい具体的な態様に関連して記述してきたが、特許請求の範囲に記載される本発明は、そのような具体的な態様に不当に制限されるべきではないものと理解されるべきである。実際に、本発明を実行するために記述した様式に関し、分子生物学、生化学、または関連分野の当業者にとって明らかな種々の変更は、以下の特許請求の範囲に入るものと意図される。

Claims (22)

  1. 器官培養された皮膚同等物を使用者に発送し、ヒト患者に対する皮膚移植処置において該皮膚同等物を使用する方法であって、以下の工程を含む方法:
    真皮層および表皮層を含む、該器官培養された皮膚同等物、ならびにゲル支持体を含む滅菌包装容器を準備する工程;
    該皮膚同等物が該ゲル支持体と接触するように、無菌条件下で該皮膚同等物を滅菌包装容器に入れる工程;
    該滅菌包装容器の温度を摂氏2〜8℃に下げる工程;
    摂氏2〜8℃で該滅菌包装容器を使用者に発送する工程;
    使用現場で該滅菌包装容器を摂氏2〜8℃で保管する工程であって、ここで、滅菌包装容器の無菌性および完全性は維持される、工程;ならびに
    該包装容器から該器官培養された皮膚同等物を取り出し、培養工程が間に入ることなく、患者に適用する工程。
  2. 器官培養された皮膚同等物がNIKS細胞を含む、請求項1記載の方法。
  3. ゲル支持体がアガロースゲル支持体である、請求項1記載の方法。
  4. 滅菌包装容器がヒートシール可能である、請求項1記載の方法。
  5. 皮膚同等物が透過性膜を介してゲル支持体と接触する、請求項1記載の方法。
  6. 皮膚移植処置において使用するための器官培養された皮膚同等物を発送および保管する方法であって、以下の工程を含む方法:
    真皮層および表皮層を含む、該器官培養された皮膚同等物、ならびにゲル支持体を含む滅菌包装容器を準備する工程;
    包装日に、該皮膚同等物が該ゲル支持体と接触するように、無菌条件下で該皮膚同等物を滅菌包装容器に入れる工程;
    該滅菌包装容器の温度を摂氏2〜8℃に下げる工程;
    摂氏2〜8℃で該滅菌包装容器を使用者に発送する工程;
    使用現場で該滅菌包装容器を摂氏2〜8℃で保管する工程であって、ここで、滅菌包装容器の無菌性および完全性は、該包装日から8〜15日間、維持される、工程。
  7. 器官培養された皮膚同等物がNIKS細胞を含む、請求項6記載の方法。
  8. ゲル支持体がアガロースゲル支持体である、請求項6記載の方法。
  9. 滅菌包装容器がヒートシール可能である、請求項6記載の方法。
  10. 皮膚同等物が透過性膜を介してゲル支持体と接触する、請求項6記載の方法。
  11. 皮膚移植処置において使用するための器官培養された皮膚同等物を、使用者に発送する方法であって、以下の工程を含む方法:
    真皮層および表皮層を含む、該器官培養された皮膚同等物、ならびにゲル支持体を含む滅菌包装容器を準備する工程であって、該ゲル支持体が最少培地を用いて形成される、工程;
    該皮膚同等物が該ゲル支持体と接触するように、無菌条件下で該皮膚同等物を滅菌包装容器に入れる工程;
    該滅菌包装容器の温度を摂氏2〜8℃に下げる工程;
    摂氏2〜8℃で該滅菌包装容器を使用者に発送する工程;
    使用現場で該滅菌包装容器を摂氏2〜8℃で保管する工程であって、ここで、滅菌包装容器の無菌性および完全性は維持される、工程。
  12. 器官培養された皮膚同等物がNIKS細胞を含む、請求項11記載の方法。
  13. ゲル支持体がアガロースゲル支持体である、請求項11記載の方法。
  14. 滅菌包装容器がヒートシール可能である、請求項11記載の方法。
  15. 皮膚同等物が透過性膜を介してゲル支持体と接触する、請求項11記載の方法。
  16. 最少培地を含むゲル支持体を含む、発送チャンバーと、
    該ゲル支持体と接触している透過性膜上で支持されている、皮膚同等物
    とを含む、キットであって、該発送チャンバーは、滅菌した袋を用いて収容されている、キット。
  17. 器官培養された皮膚同等物がNIKS細胞を含む、請求項16記載のキット。
  18. ゲル支持体がアガロースゲル支持体である、請求項16記載のキット。
  19. 滅菌包装容器がヒートシール可能である、請求項16記載のキット。
  20. 皮膚同等物が透過性膜を介してゲル支持体と接触する、請求項16記載のキット。
  21. チャンバー上部およびチャンバー底部を有し、チャンバー底部の表面にゲル支持体が載っている発送チャンバーを含み、該ゲル支持体と接触している透過性膜の上に皮膚同等物をさらに含み、該チャンバー上部が該チャンバー底部の上に配置されると、該皮膚同等物が該ゲル支持体に載って固定されるように、該チャンバー上部から延びる延長部分をさらに含む、物品。
  22. ゲル支持体が最少培地を用いて形成される、請求項21記載の物品。
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