JP2011502168A - ウイルス感染の阻害方法 - Google Patents

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Abstract

式(I)[式中、各Xは、独立してHまたは電子供与基であり、各Yは独立してH、1〜4個の炭素原子のアルキル、ヒドロキシ、アルコキシまたはメチレンであり、そして置換基Zは、場合によりハロゲン部分で置換されているジアルキルアミノもしくはトリアルキルアミノ、またはアルキルジアミノもしくはアルキルトリアミノである]で示される化合物を用いる、それを必要とする哺乳動物におけるウイルス感染を阻害する化合物、医薬組成物および方法が提供される。本明細書においてFGI−104と称するこの化合物のファミリーは、治療的および予防的にウイルス感染を阻害する。

Description

優先権データおよび参照による組み入れ
本出願は、2007年10月31日に出願された米国仮特許出願第60/983,966号(その全体を本明細書に参照により組み入れる)に優先権の利益を主張する。
発明の背景
従来技術の背景
ヒト、ならびに哺乳動物一般(ブタ、ウシおよびヒツジなどの商業的に重要な哺乳動物、ならびにサルなどの高等哺乳動物を含む)は、広範なウイルスによる感染にさらされている。これらのウイルスは、構造、ライフサイクル、感受性細胞および動物標的などが顕著に異なる。多くの場合、ウイルス感染を制限または阻害するためのワクチン接種または処置方法には時間制限があり − ウイルスの第1世代が効果的に阻害されて、より早期のワクチンまたは治療によっていくらかの防御が付与される変異株の出現を有するだけかもしれない。
異なるウイルス感染を単一の薬剤または薬剤のファミリーを用いて阻害することができるような、そしてウイルス集団によって示される頻繁な変異によって敗北させられない、1つより多い特異的ウイルス性因子を阻害する薬剤を同定することが所望される。現在までに、種々のウイルス科にわたるウイルス感染様式および特徴の非常な多様性を前提とすると、共通の治療を確立することは困難であった。見かけ上TSG101によって媒介される、1つの経路は、進行中の研究の対象である。しかし、この経路を介する阻害は、選択的抗体の生成を必要とし、そして特定の薬剤または組成物は、商業ベースでは、これらの経路を妨害すると同定されていない。これらの努力は、とりわけ米国特許第6,835,816号および同第6,248,523号において考察されている。
2005年6月27日に出願され、そして2006−0142259 A1として公開された米国特許出願第11/166,726号(その全体を参照により組み入れる)は、HIV p6 Gagタンパク質中に見出されるPTAPドメインへのTSG101の結合をブロックする活性を有することが見出された一組の化合物を含む。HIV感染性におけるTSG101の役割を前提とすると、これらの化合物は、インビトロ試験によって反映されるように、HIV/AIDSのための潜在的治療的有用性を有することが示された。
1979年〜1981年の期間に、the Walter Reed Army Institute of Researchは、軍隊における使用のための抗マラリア剤としてのWR−228,258 2HClと称する化合物の使用の効力および安全性を評価するために当時Vienna, VirginiaのHazleton Laboratories America, Inc.によって主に行われた研究を後援した。主契約番号はDAMD−17−80−C−0161であった。これらの研究は決して公表されず、そして機密のままであり、そして本明細書に記載される範囲を除いて、本出願の譲受人に独占権がある。この化合物は、経口およびIP、ならびにIV投与のために十分に耐容性でありそして適切であり、そして支配的な処置であるクロロキノリンとほぼ同じレベルで、寄生虫に基づく疾患に対して有効であることが示された。しかし、それは、クロロキノリン耐性マラリア株に対して有効ではなく、そして結局断念された。試験された化合物は、報告に示されるように、化学名4’−クロロ−5−[(7−クロロ−4−キノリニル)アミノ]−3−(1,1−ジメチルエチルアミノ)メチル[1,1’−ビフェニル]−2−オール二塩酸を有した。この化合物は、9〜1250mg(塩として)/kg体重の投与量値で塩として投与された。使用された哺乳動物モデルは、イヌ、ウサギ、マウス、およびラットであった。
成熟、出芽および放出を完了するために感染細胞表面にウイルス粒子を運搬する、「ハイジャックされた」ビヒクルとしてのTSG101および他のESCRTタンパク質によって果たされる基本的役割の進展中の知見を前提として(米国特許出願第11/939,122号(参照により本明細書に組み入れる)参照)、TSG101とウイルス粒子との間の相互作用を潜在的に阻害または妨害するために一群の化合物が設計された。このファミリーはその後抗ウイルス活性について試験され、そして最も有望な候補が同定され、そしてさらなる試験に供された。そのように同定された化合物の1つは、4’−クロロ−5−[(7−クロロ−4−キノリニル)アミノ]−3−(1,1−ジメチルエチルアミノ)メチル[1,1’−ビフェニル]−2−オールであり、これは25年前にWalter Reedのために研究された化合物そのものであった。この化合物を本明細書においてR24として参照を付ける。
発明の概要
R19およびR24と称するリード化合物を含む、この化合物のパネルに取り組むさらなる試験は、この化合物のファミリーが広域スペクトルの異なるウイルス病原体の阻害において有効であることを示した。下記のように、この化合物ファミリーを、FGI−104化合物と称する。これらの化合物は、TSG101の予測された阻害に基づいて生成された。これらの分子の活性は標的としてのTSG101を必ずしも含まずまたはそれに限定されないが、生じたデータは、FGI−104化合物が、おそらくウイルスタンパク質合成の完了後に、後期ウイルス活性をブロックすることによってウイルス活性を阻害するようであることを示す。ウイルス粒子およびこのタンパク質の相互作用の妨害/阻害はウイルスによる細胞表面への移行およびその後の出芽を妨害し得るので、これはTSG101を標的化することと一致する。
特に目的とする化合物は、化合物R19、R24を含む。総称して、この化合物のファミリーを本明細書においてFGI−104化合物という。化合物R19およびR24の化学式を図1〜2に与える。
図1は、本発明の対象である活性化合物の1つ、R19の化学構造、分子式およびIUPAC名、ならびに関連する物理化学的特性を記載する。 図2は、本発明の対象である活性化合物の1つ、R24の化学構造、分子式およびIUPAC名、ならびに関連する物理化学的特性を記載する。 図3は、HIVに対する、インビトロにおける、感染チャレンジに対するR19およびR24の活性を示す。 図4は、インフルエンザに対する、インビトロにおける、感染チャレンジに対するR19およびR24の活性を示す。 図5は、肝炎ウイルス(HBV、HCV1、HCV2)に対する、インビトロにおける、感染チャレンジに対するR19およびR24の活性を示す。 図6は、ブタにおいて最も一般的に見出されるウイルス感染、PRRSウイルスに対する、インビトロにおける、感染チャレンジに対するR19およびR24の活性を示す。 図7は、抗ウイルス活性を示すこのファミリーの化合物についての一般的化学構造を提供する。 図8A〜8Oは、FGI−104の小分子のファミリーの種々のメンバーを示す。 図8A〜8Oは、FGI−104の小分子のファミリーの種々のメンバーを示す。 図8A〜8Oは、FGI−104の小分子のファミリーの種々のメンバーを示す。 図8A〜8Oは、FGI−104の小分子のファミリーの種々のメンバーを示す。 図8A〜8Oは、FGI−104の小分子のファミリーの種々のメンバーを示す。 図8A〜8Oは、FGI−104の小分子のファミリーの種々のメンバーを示す。 図8A〜8Oは、FGI−104の小分子のファミリーの種々のメンバーを示す。 図8A〜8Oは、FGI−104の小分子のファミリーの種々のメンバーを示す。 図8A〜8Oは、FGI−104の小分子のファミリーの種々のメンバーを示す。 図8A〜8Oは、FGI−104の小分子のファミリーの種々のメンバーを示す。 図8A〜8Oは、FGI−104の小分子のファミリーの種々のメンバーを示す。 図8A〜8Oは、FGI−104の小分子のファミリーの種々のメンバーを示す。 図8A〜8Oは、FGI−104の小分子のファミリーの種々のメンバーを示す。 図8A〜8Oは、FGI−104の小分子のファミリーの種々のメンバーを示す。 図8A〜8Oは、FGI−104の小分子のファミリーの種々のメンバーを示す。 図8A〜8Oは、FGI−104の小分子のファミリーの種々のメンバーを示す。 図9Aおよび9Bは、単一のウイルス − ブタ生殖器呼吸器症候群(PRRS)ウイルス(ブタ家畜を世界的に壊滅させている商業的に重大なウイルス)に対して測定した場合の、図8A〜8Pに示すFGI−104ファミリーのメンバーのCC50および阻害投与量を、表形式で、示す。 図9Aおよび9Bは、単一のウイルス − ブタ生殖器呼吸器症候群(PRRS)ウイルス(ブタ家畜を世界的に壊滅させている商業的に重大なウイルス)に対して測定した場合の、図8A〜8Pに示すFGI−104ファミリーのメンバーのCC50および阻害投与量を、表形式で、示す。 図9Aおよび9Bは、単一のウイルス − ブタ生殖器呼吸器症候群(PRRS)ウイルス(ブタ家畜を世界的に壊滅させている商業的に重大なウイルス)に対して測定した場合の、図8A〜8Pに示すFGI−104ファミリーのメンバーのCC50および阻害投与量を、表形式で、示す。 図10は、FGI−104化学薬品ファミリーのリード化合物の1つ、およびその基本的特性を一目で要約形式で示す。 図11は、非常に異なるファミリーから抜き出したいくつかの異なるウイルスに対して試験した場合の、R24についてのEC50およびCC50についての関連する情報を、表形式で、示す。 図12は、細胞に基づくアッセイにおけるR24によるポックスウイルスの阻害に関する情報を、グラフおよび表形式で、示す。 図13は、R24によるC型肝炎ウイルスの阻害を確認するグラフ、表およびタンパク質ブロットの形式のデータを提供する。 図14は、R24によるB型肝炎ウイルスの阻害を反映する情報を表およびグラフによって提供する。 図15は、表形式でR24によるPRRSウイルス阻害についてのさらなる情報を提供する。 図16は、R24によるインフルエンザウイルスの阻害を示すデータを反映する棒グラフを提供する。 図17は、R24によるエボラ出血熱ウイルスの阻害を実証するグラフおよび表による情報を提供する。 図18は、R24によるベネズエラウマ脳脊髄炎(VEE)(アルファウイルス)の阻害に取り組む。 HIV(おそらく世界で最も標的化されているウイルス)の阻害をグラフおよび表によって図19に記載する。 図20は、ウイルス放出アッセイおよびレプリコン抑制アッセイにおいてHBVのR24阻害を比較することによって、R24活性がウイルスサイクルのより後期に存在することを実証する。 図21は、R24が細胞に毒性でないことを実証する情報を表形式で示す。 図22は、哺乳動物使用のためのその安全性を実証する、R24についてのより初期の研究から得られた特定の情報を表および中黒形式で示す。 図23は、リード化合物R24の化学名、構造および物理化学的特性を示す。 図24は、優良実験室規範に一致するリード化合物R24のための単純な合成スキームを示す。 図25は、図24の合成スキームの効率および拡大可能性についてのデータを示す。 図26は、種々の薬学的指向溶媒系におけるR24の溶解性を表形式で示す。
発明の詳細な説明
FGI−104化合物のファミリーは、TSG101と標的ウイルスとの間の後期(ウイルス成熟サイクルにおける)結合を妨害する化合物を同定するためのコンピュータ設計によって開発された。唯一の例として、TSGはHIVのPTAPモチーフと結合することが知られている。TSG101結合部位と適合しそしてそれを占めるように設計された化合物は、TSG101と標的ウイルスとの間の結合を防止することの合理的予想を有する。上記のように、任意のウイルスについて、TSG101およびEXCRTまたはESCRT−I複合体の関連タンパク質による輸送は、細胞表面への移動、成熟および出芽に必須であることが示された。TSG101結合事象なしで、ウイルスの繁殖および感染の拡大が阻害されることが予想された。
化合物設計は、種々のウイルスに対して試験された化合物のファミリーをもたらした。最も活性でありそして最も安全な化合物の2つを図1および2に記載し、そして本明細書においてそれらをR19およびR24という。しかし、これらのみが活性なFGI−104ファミリーの化合物ではない。潜在的な活性化合物のパネルから、多数が試験されそしてウイルス感染の阻害において活性を有することが示された。試験した化合物の16個を図8A〜8Pに反映させる。これが活性化合物の全てではないが、事実、商業用家畜に衝撃を与える2つの広く分布しそして活発なウイルス − ウシコロナウイルスおよびブタ生殖器呼吸器症候群ウイルス − に対する試験(細胞に基づくアッセイ)において、これらの化合物の全てが活性であることが示された。これらの化合物についての活性の表を図9Bおよび9Cに記載し、ウイルスに対するFGI−104活性の一般特性の概要を図9Aに記載する。
示したように、最も有望な化合物の2つ、R19およびR24は、より広範な試験において有効であることが示された。従って、図3は、ウイルス疾患の中で最も徹底的に研究されているものの1つ、HIVの、用量依存的関係の、阻害におけるこれら2つの化合物の有効性を実証する。(活性を、検出されたルシフェラーゼの量として示す。ルシフェラーゼシグナルの非存在下では、ウイルス活性は存在しない)。これらの化合物の両方は、比較的穏やかな投与量で、HIVの完全な阻害を示した。これらの同じ化合物は、図3〜6に示すように、HIV、インフルエンザ、HBV、HCV、プンタトロ(Punta Toro)ウイルス、およびPRRSウイルスを含む、広範なウイルス性因子に対するインビトロ研究において、感染チャレンジに対する防御の提供において有効であることが示された。FGI−104の化合物の設計は、それについて活性が提供され得る純粋な(neat)化合物構造の提供を可能にする。常にそうであるように、種、ウイルスおよび個体における変動を前提とすると、全ての哺乳動物種において全てのウイルスを阻害することにおいて全てのFGI−104化合物が同程度の活性を示すわけではない。しかし、提供されたデータを前提とすると、図7の一般式から抜き出された化合物が哺乳動物宿主に1ng〜250mg/kg宿主体重の投与量値でウイルス感染に対する少なくともいくらかの防御を提供することが合理的に予想され得る。その範囲内で、当業者は、特定の宿主およびウイルスを前提として、最適投与量に到達するための用量設定分析に十分に精通している。例えば、"Remington: The Science and Practice of Pharmacy," University of the Sciences in Philadelphia, 21st ed., Mack Publishing Co., (2005)(その開示全体を参照により本明細書に組み入れる)を参照のこと。
しかし、示したように、本出願の発明は、ヒトにおけるウイルス感染の阻害にも、いかなる特定の化合物にも限定されない。商業用哺乳動物にたかる2つのウイルスはPRRSウイルスおよびウシコロナウイルスであり、これらは世界中でブタおよびウシ集団を壊滅させている。ブタは、おそらく世界で最も重要な非ヒト商業用哺乳動物である。PRRSウイルス、ウシコロナウイルスに対する試験されたFGI−104化合物の16個の有効性は(試験を図3〜6および9に記載する)、それに対してFGI−104化合物が阻害を示すことが予想され得る種々のウイルスの同定を可能にする。このリストは網羅的ではなく、そして今日までに、FGI−104ファミリーの全てのメンバーの効果を免れるウイルスは同定されていない。しかし、ヒトまたは動物のいずれかの健康の観点から重要な顕著なウイルスの中には、インフルエンザおよびPRRSなどのもの、ならびにバイオテロリズムの脅威を与えるウイルス(例えば、エボラ、マールブルグおよび他の出血熱ウイルス)がある。
FGI−104化合物の投与によってその感染が処置され得る複数のウイルスの中には、第IV群ウイルス(C型肝炎ウイルスに対する活性によって実証される);第V群ウイルス(インフルエンザウイルスに対する活性によって実証される);第VI群(HIVウイルスによって代表される)および第VII群(B型肝炎ウイルスに対する活性によって実証される)を含む、ウイルスの特定のファミリーがある。
宿主の標的化に関連する広域スペクトルの活性に基づいて、これらの化合物が他の群のウイルスに対して活性を有することが予想され得る。これらは、第I群、第II群、および第III群中のウイルスを含む。ウイルス、またはウイルスファミリー、の分類を以下に考察する。
ウイルス分類:
第I群:ウイルスは、二本鎖DNAを有し、そしてヘルペスウイルス科(例、HSV1(口腔ヘルペス)、HSV2(性器ヘルペス)、VZV(水痘)、EBV(エプスタイン・バーウイルス)、CMV(サイトメガロウイルス))、ポックスウイルス科(痘瘡)などのウイルス科および多くの尾付バクテリオファージを含む。ミニウイルスもこの群に入れられた。
第II群:ウイルスは、一本鎖DNAを有し、そしてパルボウイルス科などのウイルス科および重要なバクテリオファージM13を含む。
Figure 2011502168
第III群:ウイルスは二本鎖RNAゲノムを有する、例えばロタウイルス。これらのゲノムは常に分節化している。
第IV群:ウイルスは、+センス一本鎖RNAゲノムを有する。ピコナウイルス(A型肝炎ウイルス、エンテロウイルス、ライノウイルス、ポリオウイルス、および口蹄疫ウイルスのような周知のウイルスを含むウイルスのファミリーである)、SARSウイルス、C型肝炎ウイルス、黄熱病ウイルス、および風疹ウイルスを含む多くの周知のウイルスがこの群において見出される。
第V群:ウイルスは、−センス一本鎖RNAゲノムを有する。インフルエンザウイルス、麻疹、ムンプスおよび狂犬病とともに、致命的なエボラウイルスおよびマールブルグウイルスが、この群の周知のメンバーである。
Figure 2011502168

Figure 2011502168
第VI群:ウイルスは、一本鎖RNAゲノムを有し、そして逆転写酵素を使用して複製する。レトロウイルスがこの群に含まれ、HIVはそのメンバーである。
第VII群:ウイルスは、二本鎖DNAゲノムを有し、そして逆転写酵素を使用して複製する。B型肝炎ウイルスをこの群において見出すことができる。
上記で考察したウイルスは、主としてヒト感染に関して分類されている。上記のように、FGI−104化合物は、哺乳動物または真核生物種の間で高度に保存されているウイルス伝播に必要な宿主機構の破壊または妨害において有効である。その結果として、これらの化合物は、ヒトまたは獣医学的ウイルス疾患のための適用を有し得る。これらのウイルス疾患は、限定するものではないが、PRRSウイルス、ブタまたはウシサーコウイルス、ブタまたはウシコロナウイルス、ブタまたはウシRSV、ブタまたはウシインフルエンザ、EIAV、ブルータング、または口蹄疫(FMD)ウイルスを含み得る。
いくつかのウイルスは、より慢性の疾患の原因であり、そして罹病率または死亡率はウイルスの存在に関連する。これらの疾患は、肝細胞癌(HBVまたはHCVのいずれかに関連する)、慢性疲労症候群(EBVに関連する)およびウイルス感染に関連付けられる他の疾患を含む。FGI−104ファミリーの化合物はこれらのウイルスの阻害または処置において有効であることが判明したので、インビボでの、これらの化合物の投与は、これらの慢性状態および関連する罹病率を制御および軽減する方法を提供するはずである。
上記の化合物を、単一のウイルス病原体(例えば、HIVまたはHBV)またはその組み合わせ(HIVおよびHBV)の処置または防止(予防)のために使用することができる。同様に、これらの個々のまたは広域スペクトルの適用は、上記で詳述したウイルス群のいずれかまたは全てに課され得る。
別の方法は、1つ以上のウイルスに関連する特定の適応症のための化合物の使用であり得る。例えば、これらの化合物は、上記で同定される群からの1つ以上の病原体によって引き起こされ得る、ウイルス性呼吸器感染の予防または処置のために使用され得る。同様に、これらの化合物は、1つ以上の血液媒介病原体(例えば、HIVおよび/またはHBVおよびHCV)に対する適用を有し得る。
化合物は、急性または慢性ウイルスの予防、処置、または維持のための適用を有し得る。急性適用は、ウイルス感染の短期の予防または処置を含み、その例は、インフルエンザ、ロタウイルスまたはフィロウイルス感染を含む。慢性適用は、反復性大流行(性器ヘルペスについて観察されるような)または稀な大流行(帯状疱疹(shingles)の間の帯状疱疹(zoster)感染に関連するもののような)を含み得る。同様に、処置は、慢性ウイルス感染のために(例えば、HIV、HBVまたはHCV処置のために)低レベルのウイルス負荷を維持するように長期にわたることが意図され得る。
本特許出願および本発明の関連での「処置」は、予防的および治療的の両方の投与を包含する。ウイルスの「チャレンジ」の時またはその前のFGI−104化合物の投与は、エボラウイルスのような、それに対してそれらが自然抵抗性をほとんどまたは全く有しないかもしれないウイルスが見出される地域に派遣された軍人または他の者のような、ウイルスと遭遇しそうな者における感染を阻害するかまたは低下させる手段を提供するはずである。処置は感染後であることができる。実際、研究は、感染の数日後に、FGI−104化合物の投与がウイルス感染の経過の停止および/または逆転において有効であり得ることを示唆している。処置はまた、身体の自然防御機構がウイルス感染と闘いそしてそれを圧倒することができるように、感染した対象の生存可能性を伸ばすこと、およびウイルス感染のレベルを低下させることを包含する。
化合物は、単独で、または上記で示すウイルスの任意のもののためのケアの現在の標準との組み合わせで使用され得る。一般に、他の投与様式は意図されるが、経口、皮膚、皮下、坐剤、IVもしくはIM注射、または持続性IV投与が好ましい経路である。投与量は、哺乳動物毎に、そしてウイルス毎に変動する。一般的な範囲として、0.001mg/キロ/日〜200mg/キロ/日(IV)が標的投与量である。この目的のために、FGI−104化合物は、さもなければ致死的なウイルス(エボラ、マールブルグ)の動物モデルにおいて強い活性を示すことが実証され、感染前または感染後に1回送達される、0.1〜10mg/kgの範囲の用量がウイルス媒介死を防止するために十分である。本明細書における標的および化合物の同定を前提とすると、当業者は、特定の哺乳動物、特定のウイルス、および特定の投与様式のための特定の投与量を同定するための、従来のプロトコールを十分に身につけている。
示したように、具体的に同定された化合物、R19およびR24、は代表例にすぎない。コア親化合物の変形および誘導は本発明の1つの態様である。例えば、親化合物のオキシムまたはメトキシアミン誘導体は経口送達のための機会を提供し得る。経口送達の利点は、投与、患者コンプライアンスおよび/または流通および償還の容易さを含み得る。最も活性な化合物を包含する、置換基を有する、代表的なコア構造を、図7に記載する。各置換基Xは、独立してHまたは電子供与基であり、該電子供与基は、クロロもしくは他のハロゲン、アルコキシ(−OR)、ヒドロキシル(−OH);アリールオキシ(−OAr)、トリアルキルアンモニウム(−NR+)、アルキルアミド(−NHCOR、−NRCOR’)、アリールアミド(−NHCOAr、−NRCOAr、−NArCOAr)、アリールカルバモイル(−NHCOOAr、−NRCOOAr)、アルキルカルバモイル(−NHCOOR、−NRCOOR’)、シアノ(−CN)、ニトロ(−NO)、エステル(−COOR、−COOAr)、またはアルキルハロを含む群から選択され得る。各置換基Yは、独立してH、1〜4個の炭素原子のアルキル、ヒドロキシ、アルコキシまたはメチレンである。置換基Zは、場合によりハロゲン部分で置換されているジアルキルアミノもしくはトリアルキルアミノ、またはアルキルジアミノもしくはアルキルトリアミノである。
R24 − 代表的研究
化合物のFGI−104ファミリーは、図7のコア構造によって包含されるより狭く範囲を定められた化合物のファミリーでさえ、多数の変形を含む。図9A〜9Cに記載するデータによって反映されるように、異なる化合物は異なるウイルスに対して異なる活性を有する。全てのウイルスに対してこのファミリーの全ての活性な化合物(またはサンプリングでさえ)を試験することは実際的でないかまたは所望されない。しかし、示したように、一般に塩酸塩として単離される、化合物R24、4’クロロ−5[7−クロロ−4−キノリニル)アミノ]−3−[(1,1−ジメチル,エチル)アミノ]メチル][1,1’−ビフェニル]−2−オールは、マラリアのための可能な処置としての1980年代の非公開試験の対象であった。このデータ(一般に公的に入手可能でない)は、多様な送達経路を通して、種々の哺乳動物、およびヒトのための哺乳動物モデルにおいて、この化合物を安全でありそして無毒であると確立する。特に重要なのは、図10に反映されるように、この化合物が経口投与されて有効であるという事実である。本発明において実行され得るように、化合物の複数の投与が必要とされる場合、投与の過程の経過観察および完了は、注射が必要とされる場合に、公然と知られているように乏しい。上記で与えられる他の経路に加えて、経口投与はより容易なコンプライアンスの利点を与える。
R24についての豊富なデータは、それを適切な代表的な標的にする。それは、十分に耐容性であり、そして大きな安全性、低い毒性値を有するがことが知られている。再び、図10に示すように、それは広範な細胞に基づくアッセイにおいて、安全性を示す。それは、28日投与過程にわたって有意な染色体不安定性を誘導しないことが示された。そしてそれは、その各々がFGI−104化合物を用いた処置に服しやすい他のウイルスとの強い類似性を有する、B型肝炎およびC型肝炎、PRRS、インフルエンザ、VEE、HIVおよびエボラを含む、広範なウイルスに対して効力を示した。従って、この特定の化合物を、化合物のこのクラスによって示される抗ウイルス活性の例として、さらなる研究のために選出する。
図10に提供する要約情報に加えて、R24についての活性の広さを図11に表形式でまとめる。再び、化合物は、ウイルスのファミリーの広い選択にわたる活性を示した − このことは、これらの化合物が、広範な異なるウイルスタンパク質の攻撃を試みるのではなく、宿主タンパク質を阻害するように作用するという事実を強調する。これは、汎ウイルス(pan-viral)活性の提供だけでなく、変異しそれにより処置の効力を免れるようにするウイルスに対する圧力の低下においても価値がある。
抗ウイルス性R24についての代表的な試験を図12においてグラフおよび表の両方によって示し、ここで、R24による牛痘の阻害を与える。提供されるVero細胞に対する細胞アッセイにおいて、感染細胞培養物へのR24の投与は、低投与量で、ウイルス力価を劇的に低下させ、0.250μMのEC50値を、25μMを超える大きなCC50値で与える。これは100より大きな安全性指数(Safety Index)、またはSI、を与え、このことは、化合物が安全および有効の両方であることを示す。
HCVに対する有効性は、ウイルスをルシフェラーゼでタグ化または標識する、ルシフェラーゼアッセイによって実証する。図13に示すように、測定用量反応様式で、感染細胞(Huh7ヒト肝癌細胞)へのR24の送達は、ルシフェラーゼシグナルを失わせ、このことは、ウイルスの100%阻害を実証する。再び、CC50およびEC50についての相対値は、この化合物に71という大きな安全性指数を与える。確実性のために、タンパク質ブロッティングアッセイを行った。2.5μMにおいて、HCVの「シグナルタンパク質」N5Aは完全に失われ(陽性対照であるβ−アクチンは検出された)、このことは、ウイルスの感染および複製がブロックされたことを確認する。図13に示すように、このウイルスは、ヒトの病気の点からの、そしてバイオテロリズム兵器としての両方の、他の公知の有害ウイルス、デング熱およびウエストナイルウイルスと密接に関連付けられており、全てが同じFGI−104化合物で処置可能である。
図14おいて記載するように、C型肝炎に加えて、R24はHBVに対して有効である。試料ストックの希釈液は、実際のストックを「惑わせ(fox)」て、相対的に不当に低いが十分な130より高い安全性指数を与えたが、HepG2細胞を使用してHBVに対してR24について実行した一次アッセイは、ビリオンDNAによって測定した場合、高レベルの活性を示した。これらの結果は、the National Institute for Allergies and Infectious Diseasesによって行われた盲検試験から得られ、これは、図14に示したデータの信頼性および正確さをさらに再承認する。
上記のように、この化合物のファミリーによって処置可能な重要な哺乳動物宿主は、ヒトだけでなく、獣医学的および商業的に重要な動物を含む。サル、イヌ、ネコ、マウス、ラット、ウマ、ウサギ、ウシ、ヒツジおよびヤギは全てウイルス感染について処置されるべき重要な宿主であるが、ブタは、世界的に、主要な商業用動物であり得る。the United States Department of Agricultureは、PRRSウイルスを、動物の健康に関係しそして生産者に大きな経済的損失を引き起こす重大な、世界的な、農業問題として特徴づけ、そしてバイオセキュリティー脅威に分類した(Project 2008-2017)。図15はPRRSの阻害におけるR24の有効性を実証し、ここで、宿主はウイルスの天然の標的である、初代ブタ肺胞マクロファージである。図15に反映される阻害試験におけるR24の投与は感染の72時間後であることに留意することは重要であり、このことは、化合物が治療的有効性、およびより早くに実証された予防的有効性を有することを実証する。この化合物についての高い安全性指数は、EC90値によって反映されるようなそのめざましい有効性の所産である。
R24はまた、広い活性を有する動物およびヒトの両方に感染するウイルスに対して有効である。インフルエンザは、米国において毎年3万人を死亡させ、そして世界的に風土性である。複雑にしている事項は、ウイルスの種々の血清型および株がしばしば単一のワクチンによって防御されないという事実である。最も防御を必要としている者(高齢者および免疫学的に努力を要する者)は頻繁にワクチンから最少の利益を得る。図16に示すように、R24およびFGI−104ファミリーの他の化合物は、今回はMDCK細胞に基づくアッセイにおいて、インフルエンザウイルス活性の阻害において顕著に有効である。明らかに、宿主タンパク質、TSG101、とウイルス一般との間の相互作用を標的化することによって、R24、およびFGI−104化合物、はウイルスの広い区分に対して有効であり、安全性の危険性はほとんどなしで強力な活性を示す。
アルファウイルス(ベネズエラウマ脳脊髄炎のような)はヒトおよび哺乳動物(ウマおよびウシのような)の両方に感染するウイルスのなお別のクラスを構成する。1995年に、南アフリカにおける大流行によって推定2万人のヒトおよび莫大な数の動物が死亡した。図18に示すように、再び、感染の3日後に投与された、R24は、25μMレベルでVEEの劇的な阻害を提供した。風疹(rubella(German measles))は、VEEに関連する他のウイルスの中にあり、そして別のトガウイルス科のメンバーである。
HIVは、大部分のウイルスとは異なるウイルス成熟サイクルを有する。それはまた、ウイルス、またはウイルスの効果、自体を標的化した、生物学的および化学的な、大部分の薬剤を巧みに逃れることが判明した。他のいかなるウイルスよりも多くの資力が、HIVのための処置または予防剤を見出すことにつぎ込まれている。今のところ、このウイルスの処置はとらえどころがないままである。図19において、HIVに感染したMT−4細胞へのR24投与の結果をグラフによってそして表形式で示す。用量反応様式で示すように(漸増する投与量が右から左に進む)、R24は、感染の72時間後に投与した場合(MT−4細胞)、比較的低い用量でHIV−1活性を阻害し、ルシフェラーゼ検出を事実上ゼロに降下させた。化合物は、十分に耐容性であり、そして8.5μMのEC50値で安全性指数16を与える。
上記で考察したように、R24は、FGI−104化合物のファミリーと同様に、ウイルスとTSG101との間の相互作用を妨害するために標的化され、大部分のウイルス標的化薬剤より大きな範囲のウイルス阻害が化合物に与えられた。薬剤がウイルス感染を妨害し、従ってそれを処置するように作用することの確認は、Huh1細胞からのHBVおよびHCVのウイルス放出、およびレプリコン形成の抑制における有効性を対比する、図20に示すアッセイから得られる。示すように、R24は、レプリコン形成をほとんど阻害しないが、ウイルス放出の防止において有効である。このことは、R24の相互作用または活性が、ウイルスタンパク質合成が完了した(従って、レプリコン形成)後であるが、完全な成熟および放出の前に起こることを強く示唆する。TSG101はウイルス粒子が成熟のために細胞表面に出てくることの「補助」に関連付けられているので、観察される活性は、活性薬剤(ここではR24)がウイルスとTSG101との間の相互作用を阻害するという理解と一致する。同様の結果が、RSウイルス(RSV)、パラインフルエンザウイルス(PIV)およびヒトメタニューモウイルス(HMPV)などの他のウイルスの処置において予想され得る。
上記のように、独占権のあるデータは、種々の哺乳動物モデルについて、R24、およびFGI−104化合物、の安全性を実証している。R24は、種々の細胞に基づくアッセイシステムにおいて試験されており、ここで、安全性もまた実証されている。使用された細胞モデルおよび得られた対応するCC50値を図21に示す。試験された動物モデルと総合すれば、安全性および毒性の欠如における高度の信頼性が抗ウイルス化合物のこのファミリーについて実証されている。
この毒性の欠如を図22にまとめ、これは14日急性毒性試験および28日多用量毒性試験の両方についての試験の結果を反映する。投与がIPであっても経口であっても、化合物は哺乳動物モデルにおいて十分に耐容性であり、従って臨床設定においてウイルス感染を処置する機会を与える。全ての化合物を全ての投与様式について試験したわけではないが、示したデータは、標準的なアッセイと一緒に、当業者が、過度の実験なしに、有効性、毒性、および投与プロトコールについての最終的な決定に到達することを可能にする。
R24は、まっすぐに進む(straight forward)合成に供される。特定の重要な物理的および化学的情報を図23に示す。化合物は光に対する不安定性を示すが、R24は、固体として存在しようと投与のために溶液または懸濁液中で調製されようと、容易に光から保護される。それゆえ、利用可能な担体の範囲は非常に大きい。結果として、本発明の組成物および方法は、種々の型の薬学的に許容され得る担体中の、薬学的に適切な調製物としての、純粋な(neat)固体としてのFGI−104化合物を包含する。本発明の組成物は、ウイルス感染を経験しているかまたはウイルス感染の危険性があるヒトまたは動物に投与するための、適切な担体、賦形剤などの他の物質と一緒に上記の小分子(または小分子の組み合わせ)の任意のものの治療有効量を含む医薬組成物をさらに含み得る。そのような医薬組成物は、固体、ゲルまたは液体形状であり得、そして適宜IV、IM、IPまたは非経口、局所、皮下、経口で、または粘膜表面および粘膜経路(例えば、直腸および膣坐剤を含む)を通して個体に投与され得る。治療有効量に対応する正確な投与量は、哺乳動物毎およびウイルス毎に変動する。試験したFGI−104化合物の各々についての具体例において上記した投与量範囲は、代表的なものであり、そして、本明細書に記載しそして当業者に公知のアッセイ手順に従って、任意の所与のウイルスおよび哺乳動物宿主のために適切な投与量値に到達するために十分な情報を当業者に提供する。本明細書における標的および化合物の同定を前提とすると、当業者は、特定の哺乳動物、特定のウイルス、および特定の投与様式のための特定の投与量を同定するための、従来のプロトコールを十分に身につけている。例えば、"Remington: The Science and Practice of Pharmacy," University of the Sciences in Philadelphia, 21st ed., Mack Publishing Co., (2005)(その開示全体を参照により本明細書に組み入れる)を参照のこと。示したように、FGI−104化合物は、投与される唯一の活性薬剤として、予防的もしくは治療的のいずれかで、または他の活性薬剤と一緒に、投与され得る。他の活性薬剤は他の抗ウイルス剤であってもよいが、FGI−104化合物がウイルス感染または関連する慢性疾患の二次的効果を標的化した薬剤、または例えば抗菌剤と一緒に投与されてもよいことが想定される。
農業または薬学的流通のために、優良実験室規範に適合した合成スキームが必要とされる。そのようなGLP遵守スキームを図24に記載し、これは市販の出発材料から3つの短い工程で活性薬剤を生じる。図25に記載するように、この合成経路の収率はかなりのものである。ヒトまたは動物のための医薬調製物に適切な、得られた精製産物は、図26に反映されるように、種々の溶媒系に可溶性である。本明細書においてFGI−104化合物に言及する場合、言及は、化合物自体、塩酸塩などの薬学的に許容され得る塩、アミド調製物、ならびに薬学的に許容され得る溶液および他の処方物(例えば、懸濁液)に対して意図される。
本出願の発明を、複数の実施例、ならびに一般的な考察および式の関連で開示した。下記の特許請求の範囲に関して具体的に示した場合を除き、実施例は限定であることを意図しない。当業者は、可能な抗ウイルス性能の型の知識とともに、本明細書に記載した例およびアッセイ情報を前提とすれば、ウイルス感染のためのための処置に到達するための創意に富んだ能力の訓練なしに、他の適切な化合物および投与方法の同定に容易に到達する。

Claims (16)

  1. 式:
    Figure 2011502168

    [式中、各置換基Xは、独立してHまたは電子供与基であり、電子供与基は、クロロもしくは他のハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ(−OR)、アリールオキシ(−OAr)、トリアルキルアンモニウム(−NR+)、アルキルアミド(−NHCOR、−NRCOR’)、アリールアミド(−NHCOAr、−NRCOAr、−NArCOAr)、アリールカルバモイル(−NHCOOAr、−NRCOOAr)、アルキルカルバモイル(−NHCOOR、−NRCOOR’)、シアノ(−CN)、ニトロ(−NO)、エステル(−COOR、−COOAr)、またはアルキルハロを含む群から選択され得、
    各置換基Yは、独立してH、1〜4個の炭素原子のアルキル、ヒドロキシ、アルコキシまたはメチレンであり、そして
    置換基Zは、場合によりハロゲン部分で置換されているジアルキルアミノもしくはトリアルキルアミノ、またはアルキルジアミノもしくはアルキルトリアミノである]
    で示される化合物であって、
    さらに、化合物は、ウイルスに感染した哺乳動物細胞に有効量で投与された場合に、細胞に対する細胞毒性効果なしに細胞におけるウイルスの感染および複製を阻害する、化合物。
  2. R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31およびR32からなる群より選択される、請求項1記載の化合物。
  3. R19またはR24である、請求項2記載の化合物。
  4. R24である、請求項3記載の化合物。
  5. 哺乳動物細胞におけるウイルス感染を処置する方法であって、請求項1記載の化合物の有効量を細胞に、治療的または予防的に、投与することを含み、ここで、ウイルスは、エボラウイルス、マールブルグウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、デング熱ウイルス、ブタ生殖器呼吸器症候群(PRRS)ウイルス、ウシコロナウイルス、インフルエンザウイルス、アルファウイルス、牛痘ウイルス、ウエストナイルウイルス、RSウイルス(RSV)、パラインフルエンザウイルス(PIV)、ヒトメタニューモウイルス(HMPV)、プンタトロウイルス、サーコウイルス、EIAV、ブルータング、および口蹄疫(FMD)ウイルスである、方法。
  6. ウイルスが、エボラ、マールブルグ、インフルエンザ、HBV、HCV、デング熱、ウエストナイルまたはRSVである、請求項5記載の方法。
  7. ウイルスが、PRRS、ブタコロナウイルス、ウシコロナウイルス、アルファウイルス、牛痘ウイルス、プンタトロウイルス、ブタサーコウイルス、ウシサーコウイルス、EIAV、ブルータングウイルス、またはFMDウイルスである、請求項5記載の方法。
  8. 哺乳動物細胞におけるウイルス感染を処置する方法であって、請求項1記載の化合物の有効量を治療的または予防的に投与することを含み、ここで、ウイルスは、第IV群、第V群、第VI群、または第VII群のウイルスである、方法。
  9. 化合物がR19またはR24である、請求項8記載の方法。
  10. 細胞が細胞培養物の部分であり、そして化合物がインビトロで投与される、請求項5記載の方法。
  11. 細胞が哺乳動物宿主の身体の部分であり、そして化合物が宿主にインビボで投与される、請求項5記載の方法。
  12. 細胞が哺乳動物宿主の身体の部分であり、そして化合物が宿主にインビボで投与される、請求項8記載の方法。
  13. 哺乳動物宿主におけるウイルス感染を処置する方法であって、感染を引き起こしているウイルスと宿主のTSG101タンパク質との間の相互作用を妨害することを含み、ここで、妨害する方法は宿主に請求項1記載の化合物を投与することを含み、そしてウイルスのウイルス複製および出芽が部分的にTSG101との相互作用によって宿主においてもたらされる、方法。
  14. 薬学的に許容され得る担体中に一定量の請求項1記載の化合物を含む医薬組成物であって、請求項1記載の化合物がウイルス感染を有する哺乳動物宿主を処置するために有効な量で存在し、その結果、哺乳動物宿主に投与された場合に感染が弱毒化される、医薬組成物。
  15. 化合物がR19またはR24である、請求項14記載の組成物。
  16. それを必要とする哺乳動物におけるウイルス感染を処置する方法であって、ウイルスの複製後成熟およびウイルスレプリコンの放出を妨害するような様式および量で哺乳動物に請求項1記載の化合物を投与することを含む、方法。
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