JP2011501124A - マイクロプレート画像解析のためのシステム及び方法 - Google Patents

マイクロプレート画像解析のためのシステム及び方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2011501124A
JP2011501124A JP2010528878A JP2010528878A JP2011501124A JP 2011501124 A JP2011501124 A JP 2011501124A JP 2010528878 A JP2010528878 A JP 2010528878A JP 2010528878 A JP2010528878 A JP 2010528878A JP 2011501124 A JP2011501124 A JP 2011501124A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
region
signal
limited
biosensor
subregion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2010528878A
Other languages
English (en)
Inventor
ロバート エー モーデイビス
エルビス エー ザンブラーノ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Corning Inc
Original Assignee
Corning Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Corning Inc filed Critical Corning Inc
Publication of JP2011501124A publication Critical patent/JP2011501124A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/17Systems in which incident light is modified in accordance with the properties of the material investigated
    • G01N21/25Colour; Spectral properties, i.e. comparison of effect of material on the light at two or more different wavelengths or wavelength bands
    • G01N21/251Colorimeters; Construction thereof
    • G01N21/253Colorimeters; Construction thereof for batch operation, i.e. multisample apparatus
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/75Systems in which material is subjected to a chemical reaction, the progress or the result of the reaction being investigated
    • G01N21/77Systems in which material is subjected to a chemical reaction, the progress or the result of the reaction being investigated by observing the effect on a chemical indicator
    • G01N21/7703Systems in which material is subjected to a chemical reaction, the progress or the result of the reaction being investigated by observing the effect on a chemical indicator using reagent-clad optical fibres or optical waveguides
    • G01N21/774Systems in which material is subjected to a chemical reaction, the progress or the result of the reaction being investigated by observing the effect on a chemical indicator using reagent-clad optical fibres or optical waveguides the reagent being on a grating or periodic structure
    • G01N21/7743Systems in which material is subjected to a chemical reaction, the progress or the result of the reaction being investigated by observing the effect on a chemical indicator using reagent-clad optical fibres or optical waveguides the reagent being on a grating or periodic structure the reagent-coated grating coupling light in or out of the waveguide

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Plasma & Fusion (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)
  • Optical Measuring Cells (AREA)

Abstract

例えば、マイクロプレート画像解析等において使用するバイオセンサにおける表面変化または事象をモニタリング等するラベル非依存検出(LID)バイオセンサ等の走査インタロゲーションのためのシステム及び方法である。ラベル非依存検出バイオセンサは、共鳴導波路(RWG)光学バイオセンサまたは表面プラズモン共鳴(SPR)ベースのバイオセンサであり得る。本方法は、信号領域(210)を含むバイオセンサの一領域及び基準領域(200)を含む一領域を走査するステップを含む。これらの走査領域内の最も均一な部分領域(230)を探索して選択することによって、欠陥(250)が回避され得、測定の精度が向上する。

Description

本出願は、米国仮特許出願第11/974,406号(出願日2007年10月12日)の利益を主張する。当該出願の内容並びに当該出願内で言及されている刊行物、特許及び特許文献は、参照することによって本出願に包含される。
本開示は、ラベル非依存検出(LID)のためのバイオセンサの分野に関する。特に、本開示は、走査型ラベル非依存検出(SLID)バイオセンサ並びにマイクロプレート画像解析システム及び方法に関する。
本開示は、SLIDバイオセンサ等で使用されるマイクロプレート画像解析システム及び方法を提供する。
本開示の実施例における、1Dデュアル走査技術を使用したウェルの二次元Δλ比較マップである。 本開示の実施例における、光学基準領域及び光学信号領域に関してサーチされるべき領域を示すマイクロプレート内のウェルの2DΔλマップである。 本開示の実施例における、2D掃引法を使用した場合のZ’値すなわちZの関数としてのデータ品質を1Dデュアル走査法と比較した場合の影響改善効果を示した図である。 本開示の実施例における、陰性対象の確率及び所定の信号レベルに対する偽陽性の発生確率をプロットした図である。 本開示の実施例における、1Dデュアル及び2D掃引法の両方に対する陽性対象の確率プロットし、所定の信号レベルに対する偽陰性の発生確率を示した図である。 本開示の実施例における、2×2mmのセンサ領域内の1つの場所の例示の基準パッドを示した図である。 本開示の実施例における、1Dデュアル走査法及び2D掃引法の各々に対する正確な結果のために基準パッドの中央が占め得る比較領域を示した図である。 本開示の実施例における、SLID光学リーダシステムの画像化システムの特徴を示した図である。 本開示の実施例における、SLID光学リーダシステムの画像化システムの特徴を示した図である。 本開示の実施例における、例示の光学リーダシステム構成部品を示した図である。 本開示の実施例において、SLID光学システムが如何にマイクロプレートから走査データを取得するかの例を示した図である。 本開示の実施例における、結合値の計算方法の概略フローチャートを示した図である。 本開示の実施例における、結合値の計算方法の概略フローチャートを示した図である。
本開示の様々な実施例は、図面を参照して詳細に説明される。様々な実施例への言及は、本発明の範囲を限定せず、本発明は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。さらに、本明細書内で説明されている例は、限定のためではなく、単に本願請求項に係る発明に関して可能な多くの実施例のいくつかを説明するためのものである。
定義
「走査」、「走査する」等の用語は、例えば、ラスタ画像データサンプルに関する。
「発現する(develop)」、「発現した(developed)」等の用語は、未使用であったのマイクロプレートまたは同様の基板であって、物質に接触させられて、マイクロプレート表面と物質との間の相互作用を形成させられるかまたは評価されるマイクロプレートに関する。
「接触」または「接触する」等の用語は、例えば、化学的または生物学的に変更されたマイクロプレート表面等の基板と検体またはリガンド等の第2の物質との様な、少なくとも1つの物質と他の物質との密接な物理的接触によって発生する状態に関する。
「結合する」、「結合」、「付着する」、「付着させられた」、「付着した」、「固定された」等の用語は、全体として、2または3以上の成分または化合物の間の物理化学的相互作用による、例えば、タンパク質等の合成または天然生物製剤、表面変更物質、相溶化剤(compatibilizer)、細胞、リガンド候補化合物、及び本開示の範囲内にある同様の要素の、表面への付着または固定に関し、物理的吸収、化学結合等の結合相互作用またはこれらの組み合わせ等によるものに関する。結合相互作用の例には、例えば、共有結合、静電結合、イオン結合、水素結合、疎水結合用の相互作用またはこれらの組み合わせが含まれる。形成され得る物理化学的相互作用のタイプ及び程度は、相互作用条件に対して選択または調査された出発物質に応じて変化する。
本明細書において使用されている不定冠詞「a」または「an」及び対応する定冠詞「the」は、特に特定されない限り、少なくとも1つ、または1もしくは複数を意味する。
「含む」等の用語は、包含するがそれらに限定しないという意味を含む。
本開示の実施例の説明において用いられている、例えば、組成における成分量、濃度、体積、プロセス温度、プロセス時間、収率、流量、圧力等の値、及びその範囲を修飾する「約」は、スキャンに使用される通常の測定手順及び計算手順において、これらの手順における不注意における誤差もしくは系統誤差において、及び、本発明の方法を実行すべく使用される物質の製品、物質の調達元もしくは物質の純度の相違において起こり得る数量の変化に関する。用語「約」は、特定の初期濃度、配合度または表面形状を含むマイクロプレート処方のエイジング(aging)故に異なる量、及び特定の初期濃度、配合度または表面形状を含む処方の処理故に異なる量を包含する。用語「約」に修飾されるか否かにかかわらず、本明細書に添付の特許請求の範囲は、これらの量の均等範囲を含む。
「任意の」または「任意に」等の用語は、全体として、その後に説明される事象または状況が発生し得るかまたは発生し得ないことに関し、この表現は事象または状況が発生する場合及びこれらが発生しない場合を含む。
実施例における「本質的に〜から構成される」は、例えば、マイクロプレート表面組成または性質、マイクロプレート表面組成または性質を測定するシステム及び方法、マイクロプレート表面組成または性質の差異を測定するシステム及び方法、マイクロプレート内のバイオセンサ画像解析等のマイクロプレート画像解析のシステム及び方法、並びに本開示の製品、デバイスまたは装置に関するフレーズであり、特許請求の範囲の請求項に記載されているコンポーネントまたはステップを含み得、さらに、組成物、製品、装置、システム及び製造方法並びに開示されているもの(特定の反応物、特定の添加物もしくは成分、特定の作用薬、特定の表面変更因子、特定のリガンド候補、特定の等式もしくは数学的表現、または同様の構造、物質、処理もしくは選択された計算変数等)の使用の基本的かつ新規な特徴に実質的に影響を与えない他のコンポーネントまたはステップを含み得ることをいう。本開示のコンポーネントまたはステップの基本的な性質に実質的に影響を与え得るか、または本開示の特徴に望まれない特性を与え得る要素は、データポイントの異常値の数の増加、データ品質の低下(例えば、低いZ’統計値)、機器ノイズの増加、基準パッドの位置の検出感度の増加、結合予測の信頼性の低下、及び所与の閾値に対する偽陰性及び偽陽性の確率の増加等の特性を含む。
従って、本発明は、本明細書内で定義されるマイクロプレート画像解析方法、並びに本明細書において定義され、マイクロプレート、関連するバイオセンサスキャン光学系及びマイクロプレート画像解析方法に従って画像バイオセンサ結合値を計算する画像プロセッサを含むSLIDシステムを適切に含得るか、これらから構成され得るか、または実質的にこれらから構成され得る。
本願は、いくつかの特徴において、以下の権利者が共通である特許出願に関連している。
米国特許出願第11/027,547号(出願日2004年12月29日、発明名称「Spatially Scanned Optical Reader System and Method for Using Same」、公開番号第US20060141611 A1号、公開日2006年6月29日)。
米国特許出願第11/027,509号(出願日2004年12月29日、発明名称「Method for Creating a Reference Region and a Sample Region on a Biosensor and the Resulting Biosensor」、公開番号第US20060141527 A1号、公開日2006年6月29日)。例えば、図1を参照すると、単一のバイオセンサ上に基準領域及び標本領域を形成するための3つの異なる方法が示されている。
米国特許出願第11/210,920号(出願日2005年8月23日、発明名称「Optical Reader System and Method for Monitoring and Correcting Lateral and Angular Misalignments of Label Independent Biosensors」、公開番号第US20060139641 A1号、公開日2006年6月29日)。当該出願は、走査される光ビームを使用してバイオセンサをインタロゲーションしてバイオセンサの表面において生体分子結合事象が起きたかを判定する光学リーダシステムに言及している。この実施例において、光学リーダシステムは、光源、検出器及びプロセッサ(例えば、コンピュータDSP)を含む。光源は光ビームを射出し、当該ビームは移動するバイオセンサにを横切って走査され、検出器が当該バイオセンサから反射された光ビームを収集する。コンピュータは、収集された光ビームを処理し、得られたバイオセンサにおける位置(場合によっては時間)の関数である未加工のスペクトルまたは角度データを記録する。その後、プロセッサは、未加工のデータを解析して、共鳴波長(ピーク位置)または共鳴角度の空間マップを形成する。これらは、バイオセンサにおいて生体分子の結合事象が発生したか否かを示す。未加工データの他のいくつかの使用も説明されている。
米国特許出願第60/781,397号(出願日2006年3月10日、発明名称「Optimized Method for LID Biosensor Resonance Detection」)(現在は、米国特許出願第11/716,425号(出願日2007年、3月9日)になっている)。
米国特許出願第60/844,736号(出願日2006年9月9日、発明名称「Active Microplate Position Correction for Biosensors.」、公開番号第US20060141611 A1号、公開日2006年6月29日)。
米国特許出願第11/711,207号(出願日2007年2月27日、発明名称「Swept Wavelength Imaging Optical Interrogation System and Method for Using Same」。
実施例において、本開示は、マイクロプレート走査解析の方法及びシステムを提供する。実施例において、方法及びシステムは、優れたマイクロプレート走査及びデータ解析方法を使用して、Corning(コーニング)(登録商標)Epic(登録商標)解析器、自動化バイオセンサシステムプラットフォーム等の性能を向上させることが可能である。本開示の方法及びシステムは、Corning(登録商標)Epic(登録商標)において特に有用であると示されているが、当該方法及びシステムは、1Dまたは2Dの空間データを解像(画像処理等)する任意の装置または方法等の用途においても有用であり得る。
システム及び方法
ここに記載されているのは、バイオセンサ基質画像解析のためのシステム及び方法である。このシステム及び方法は、ラベル非依存検出の走査等のための診断的または治療的アッセイ等を行うのに有用である。実施例において、1または複数のバイオセンサが、マイクロプレートのウェル内に配され、開示されたシステム及び方法は、1または複数のバイオセンサをインタロゲーションして、固定された細胞等のバイオセンサ表面と結合標的またはパートナー(partner)との結合情報を提供する。
実施例において、本開示は、バイオセンサ結合の検出等のためにバイオセンサを解析する方法を提供し、当該方法は、バイオセンサのある領域を走査するステップと、当該走査された領域内で第1限定信号領域及び第2限定基準領域を選択するステップと、当該第1限定信号領域内の少なくとも1つの部分領域と、当該第2限定基準領域内の少なくとも1つの部分領域と、を走査するステップと、当該部分領域の各々において走査されたポイントΔλ(Δλpoint)全てに関する標準偏差を計算するステップと、最小の標準偏差を有する当該走査された部分領域の各々内の全てのサンプリングポイントを信号部分領域として及び基準部分領域として選択するステップと、Msig、Mref及びBmedを計算するステップと、を含み、例えば、少なくとも1つの信号部分領域は、最小標準偏差信号部分領域を含み、少なくとも1つの基準部分領域は、最小標準偏差信号部分領域を含み、ポイントΔλは、Δλ=λt2−λt1に従った2つの異なった時刻におけるあるポイントの波長の差であり、λt2及びλt1は、第2及び第1の時刻の各々において測定された波長を示しており、Msigは、最適な、すなわち当該選択された最小信号部分領域内のポイントΔλ全ての中央値であり、Mrefは、最適な、すなわち当該選択された最小基準部分領域内のポイントΔλ全ての中央値であり、Bmedは、式(1)に従ったバイオセンサ結合値の中央値であることを特徴とする方法である。
Figure 2011501124
実施例において、バイオセンサ接触表面は、例えば、発現させられなくともよい。従って、本開示の方法は、未処理の、発現させられていない、もしくは使用されていないマイクロプレートのバイオセンサ、またはこれらと同様の製造時の表面のバイオセンサの品質に関する基準または参照データ等を判定するための有用なツールを提供し得る。追加的にまたは代替的に、バイオセンサ接触表面は、発現させられ得る。従って、例えば、本開示の方法は、化学的、医薬的、生物学的等のアッセイ等において、マイクロプレート内のバイオセンサから取得されるデータの品質用を判定するための有用なツールであり得る。
実施例において、走査された領域内で選択された第1限定信号領域及び第2限定基準領域は、相互に排他的である。実施例において、第1限定信号領域及び第2限定基準領域内の部分領域の走査は、第1限定信号領域及び第2限定基準領域の各々内の複数の部分領域を含み得る。第1限定信号領域及び第2限定基準領域内の複数の部分領域は、各々が、例えば、約1から約10,000の部分領域、約1から約1,000の部分領域、約2から約500の部分領域、及び約10から100の部分領域を含む。一次元限定法を使用する実施例において、「掃引矩形」は「高さゼロ」であり、第1限定信号領域及び第2限定基準領域内の複数の部分領域は、各々、上述の範囲の部分領域等、例えば、約1から約10の部分領域を含み得る。上述の一次元限定「高さゼロ」法は、単一掃引、高速走査または高速化解析実施例等に特に適用可能である。バイオセンサは、例えば、単一ウェル群、マルチウェル群及び複合ウェル群を含む、96ウェルもしくは384ウェルまたは同様の数のウェル等を有するマイクロプレート内の複数のバイオセンサを含み得る。追加的にまたは代替的に、バイオセンサは他の適切な形式を含み得る。
実施例において、開示された方法は、異常値が排除された場合等において、約0.5から約0.95のZ’統計値、及び約0.6から約0.99のZ’統計値を有する結果を容易に提供可能である。
実施例において、本開示は、バイオセンサを解析してバイオセンサ結合の存在及び範囲等を判定する方法を提供し、当該方法は、当該バイオセンサのある領域を走査するステップと、当該走査された領域内で第1限定信号領域及び第2限定基準領域を選択するステップと、当該第1限定信号領域内の少なくとも1つの部分領域及び当該第2限定基準領域内の少なくとも1つの部分領域を走査するステップと、部分領域の各々内の走査されたポイントΔλの全てに対する標準偏差を計算するステップと、最小の標準偏差を有する当該走査された部分領域の各々内の全てのサンプリングポイントを選択するステップと、Asig、Aref及びBaveを計算するステップと、を含み、例えば、少なくとも1つの信号部分領域は、当該走査された信号部分領域の最小の標準偏差を有し、少なくとも1つの基準部分領域は、当該走査された基準部分領域の最小の標準偏差を有する、換言すれば、当該信号走査領域及び基準走査領域の各々に関して変化が最小すなわち最適な部分領域が選択のために識別され、ポイントΔλは、Δλ=λt2−λt1に従った2つの異なった時刻におけるあるポイントの波長の差であり、λt2及びλt1は、第2及び第1の時刻の各々において測定された波長を示しており、Asigは、当該選択された最小信号部分領域内の全てのポイントΔλの平均値であり、Arefは、当該選択された最小基準部分領域内の全てのポイントΔλの平均値であり、Baveは、式(2)に従った平均化されたバイオセンサ結合値である。
Figure 2011501124
実施例において、本開示は、バイオセンサ結合を判定するシステムを提供し、当該システムは、内部に形成された複数のウェルを含むフレームを備えるマイクロプレートであって、基準領域及び標本領域を備える表面を有するバイオセンサをウェルの各々が包含するマイクロプレートと、当該バイオセンサの一部を照明する光ビーム及び光学系、当該照明されたバイオセンサからの反射光を受信する画像化光学系、並びに当該照明されたバイオセンサからの一連の画像をキャプチャする2D画像化デバイスを含む光学リーダインタロゲータと、本開示の方法のいずれかに従って当該取得された走査データを処理するプロセッサと、を含む。
実施例において、本開示は、バイオセンサに向けて光ビームを射出する照明器と、当該バイオセンサからの光ビームを収集して当該収集された光ビームに対応する信号を出力する受信器と、本開示の方法のいずれかに従って当該信号を処理してバイオセンサ結合を判定するプロセッサと、を含む光学インタロゲーションシステムを提供する。
実施例において、プロセッサは、システム及び方法の計算、コンピュータ計算、選択等のためのプログラム可能コンピュータ、デジタル信号プロセッサ(DSP)等のデバイスであり得る。
本開示の実施例において、Corning Epic(登録商標)ラベル非依存検出システムは、ラベル非依存生化学的結合検出システムとして使用され得る。当該システムは、ウェルの各々内に光バイオセンサを有する384ウェルマイクロプレート、及びこれらのマイクロプレートをインタロゲーションする光学リーダからなっていてもよい。ウェルの各々は、共鳴導波路回折格子(RWG)として知られている、微小な(例えば、約2mm×2mm)光回折格子を含み得る。当該回折格子によって反射される光の波長は、ウェル内のセンサの表面における光屈折率の影響の大きい関数である。従って、タンパク質、抗体、薬剤、細胞等の物質、または同様の物質がウェル底部またはセンサ表面に結合した場合、反射波長が変化するだろう。
走査されるラベル非依存検出の代わりにSLIDと称される光学リーダは、連続した収束光ビームを使用し、このビームがマイクロプレートの底部に亘って走査されて、光センサの各々からの反射波長が測定される。このリーダは、センサの各々からの反射波長における変化を時間の関数としてモニタリングするために使用され得る。このリーダは、センサの各々内の位置の関数として波長または波長における変化、すなわち空間的に解像されるかまたは画像化される情報を評価するためにも使用され得る。
生化学物質がセンサの表面に結合すると、局所的な屈折率が変化し、光学センサによる反射波長が変化する。リーダは、ウェルの各々内の生化学事象を測定するためにこの波長変化を検出して量子化する。センサに作用する光は、波長と入射角(すなわち波動ベクトル)とが適切に組み合わさっている場合にのみ導波路内に共鳴的に結合される。
反射波長(または角度)を時間に応じてモニタリングすることによって、物質がセンサの表面に結合したかまたはセンサの表面から脱離したがを判定することが可能である。通常のアッセイは、最初にマイクロプレートの表面にタンパク質等を固定することによって行われる。その後、基準値が読み取られ、プレート内のセンサの各々による反射波長が測定されて記録される。その後、結合化合物(薬剤化合物すなわち薬剤候補等)がウェルに加えられ、第2の波長読み取りが行われる。2つの読み取りの間に発生する波長変化は、どれだけ多くの薬剤がマイクロプレートのセンサの各々に結合したかの評価となる。
しばしば、各々のセンサの一部が化学的または物理的に遮断されて結合を阻止され得、環境変化によって発生する偽の波長変化を除去するための基準信号としての役目を果たし得る。この環境の変化としては、例えば、内部屈折率変化、物質ドリフト、非特異性化合物結合、熱事象、またはこれらと同様な事象がある。インタロゲーションシステムは、結合領域及び基準領域からの信号を識別することが可能でなくてはならず、この信号の各々はセンサ帯域内のほとんどの波長において発生し、同一の極性を有している。実施例において、ウェル内部基準部は、ウェルの各々の微小な部分が化学的に遮断され得る場合に、空間局所基準部としての役割を果たし得る。
図8Aを参照すると、本開示の他の実施例に従った斜め入射構成を有する例示の画像化システム814が示されている(上述の米国特許出願第11/711,207号参照)。斜め入射角は、ビームスプリッタの必要を除去し、光学効率を4倍に向上させることが可能である。この実施例において、画像化システム814は、光レンズ830を含む照明光学系822有し、光レンズ830は、光ビーム818を受光し、コリメートレンズ832に向けて所定の角度でインタロゲーションビーム828を射出する。コリメートレンズ832は、インタロゲーションビーム828を受信して、平行インタロゲーションビーム828を射出し、この平行インタロゲーションビーム828が、マイクロプレート804のウェル内に配されている所定の数のバイオセンサ802を照明する。代替的に、照明光学系822は、受光した光ビーム818を複数のインタロゲーションビーム828に変換する等に構成されても良く、この場合、インタロゲーションビーム828の各々が、マイクロプレート804のウェル内に配されている対応するバイオセンサ802を照明するだろう。さらに、画像化システム814は、テレセントリックレンズ838を有し、テレセントリックレンズ838は、所定の角度で配され、照明されたバイオセンサ(1または複数)から画像829を収集するように選択された視野を有する。最後に、画像化システム814は、テレセントリックレンズ838に取り付けられた画像化デバイス826を有する。画像化デバイスは、マイクロプレート804上の照明されたバイオセンサ(1または複数)の一連の像/画像829を撮影/収集する。像/画像829の各々は、光ビーム818またはインタロゲーションビーム828の異なった波長に対応する。
図8Bを参照すると、例えば、マイクロプレート804のバイオセンサ列(図示せず)の各々のにつき1個ある一連の16個の光ビームを有するレンズアレイ855を備える例示のSLIDリーダ850が示されている。マイクロプレート804は、方向865においてレンズアレイ855に亘って走査され得る。光源870は、例えば、広帯域スペクトル875(パワー対波長)を有し、レンズアレイ及びマイクロプレート804を照明する。レンズアレイは、光ファイバ880を介して光を伝達する。レンズアレイは、反射された共鳴光を受光すなわち取得して、波長及びパワー情報(パワー対λ曲線)890をウェルの各々内の位置の関数として、光ファイバ880を介してスペクトロメータ(1または複数)885に伝送する。プロセッサは、情報890を処理して、時間の関数として結合信号(波長変化)を出力する。この構成において、光ビームは、下方から法線入射でプレートに当たり得、スポットサイズは、公称値で100マイクロメータ(1/e直径)である。他の適切な入射角も使用され得る。
図9を参照すると、例示の光学インタロゲーションシステム900及び関連する光学リーダシステム構成要素がさらに詳しく示されている。光学インタロゲーションシステム900は、ホルダ908(XY並進移動ステージ908)上に配されたマイクロプレート906のウェル904内に配されたバイオセンサをインタロゲーションすることが可能である。以下の説明は、384ウェルマイクロプレートについてなされているが、任意の他の適切なマイクロプレート形式も使用可能である。光学インタロゲーションシステム900は、光源910(例えば、高輝度発光ダイオード(SLD))を含む。光源910は、光ファイバ付きであり、偏光変換器914に接続されている可変光減衰器(VOA)912に接続されている。偏光変換器914は光ビームを出力し、当該光ビームは1×16スプリッタによって16の個別の光ファイバ918に分光される。16のチャンネルを有する1×2スプリッタアレイ920は、図8aに示されように、光ファイバ918の各々を16個のファイバマイクロレンズ922の1つに接続する。ファイバマイクロレンズ922(シングルモードファイバ等を有する)の各々は、光ビーム924を移動バイオセンサ902(または固定バイオセンサ902)に伝達し、かつ反射光ビーム926を受信する。反射光ビーム926は、1×2スプリッタアレイ920を通過し、16個のスペクトロメータ928のうちの1つによって検出される。スペクトロメータ928(光検出システム928)の各々は、反射光ビーム926内の未処理のスペクトルデータ(インタロゲーション測定値)を収集し、この未処理スペクトルデータは、パーソナルコンピュータ(PC)930によって読み出される。PC930は、当該未処理のスペクトルデータ/インタロゲーション測定値をホルダ908(XY並進移動ステージ908)の位置の関数として記録する。さらに、PC930は、当該未処理のスペクトルデータ(インタロゲーション波長/角度測定値)を分析する。これによって、再配置されたマイクロプレート906の位置ミスアラインメントを検出して考慮しつつ、バイオセンサ902をインタロゲーション可能である。このインタロゲーションシステム900において、広帯域スペクトル光源910は、バイオセンサ902を照明するために使用され得、PC930は、垂直逆反射光ビーム926の共鳴スペクトル成分を解析するために使用され得る。代替的にまたは追加的に、必要ならば角度光学インタロゲーションシステムが使用されて、開示の方法が実施され得る。図9に示されているように、マイクロプレート906は、固定された光学ヘッド(図示せず)を横切って移動させられ得る。固定された光学ヘッドは、16個のファイバマイクロレンズ922を保持し、ファイバマイクロレンズ922の各々は、マイクロプレート906状の1つの列内でバイオセンサ902をインタロゲーションする光ビーム924を射出する。精密X/Y並進移動ステージ908は、マイクロプレート906を移動するために使用され得る。通常の384ウェル形式のマイクロプレート906は、例えば、幅が約3インチで長さが約5インチであり得る。従って、マイクロプレート906全体を読み取るためには、X/Y並進移動ステージ908がマイクロプレート906のx寸法に沿って125mmまで移動し得、通常はy寸法において4.5mm以上移動し得る。なぜならば、16個のレンズ922がy寸法に沿って直線状に配されているからである。この例において、X/Y並進移動ステージ908は、200nmの移動毎にパルスをもたらす光学エンコーダを含む。PC930は、これらのパルスをトラッキングして記録するので、マイクロプレート906を保持するX/Y並進移動ステージ908の絶対位置は、マイクロプレート906内のバイオセンサ902のインタロゲーション中はいつでもわかる。
従って、実施例において、広帯域高輝度発光ダイオード(SLD)光源は、シングルモードファイバ内に接続され得る。その後、光は偏光変換要素及び可変光減衰器(VOA)を介して伝達され、パワー調節が可能とされる。その後、光は、16本のファイバ内に分光され得、16本のファイバは、最終的に16個の光レンズに光を供給する。1×2光ファイバスプリッタは、レンズの各々の直前に配されて、逆反射光を一連のスペクトロメータに向かわせしめることを可能とし得る。スペクトロメータの各々は、1つのレンズから反射された光をモニタリングし、プレートが光学要素を横切って走査された際に、マイクロプレートの1つの列をインタロゲーションする。光アイソレータは、レンズ群の頂部に任意に配されて、フレネル(非共鳴)反射を抑制させ得る。所与の光ビームが回折格子を横切る際に、光スペクトルが取得される。このスペクトルは、光学共鳴を含む。この共鳴のセントロイド(centroid)(公称波長)は、ピーク振幅とともに測定される。このシステムにおいて通常観測される共鳴は、例えば、UVCC Epic(登録商標)センサを用いた850−1000pmのFWHMを有する。その後、ビームが回折格子の各々に亘って走査された際に、波長及びピークパワーが時間の関数として記録される。走査の分布様式(spatial pattern)がわかるならば、この時間情報は、(x,y)位置(空間ピクセル)に変換可能である。
実施例において、光ビームは、他の任意の適切な態様で走査され得る。例えば、走査は、回折格子に亘る1Dスライスを取得し得、これらはラスタ走査されて、2D画像または同様のパターン及びこれらの組み合わせがもたらされ得る。空間スキャンの形式は、必要ならば、読み込みソフトウェアを用いてユーザによって容易に変更され得る。
上述の画像化リーダシステムは、光ビームのサイズ(例えば、100ミクロン 1/e2 または58ミクロンFWHM)によって決まる空間解像度を有する。任意のサイズ及び形状の領域は、ともに平均化される。これは、後処理技術等において、データが取得された後に行われ得る。従って、データが取得されると、センサは複数の方法で再解析され得る。従って、SLIDリーダアーキテクチャは、多くの技術的問題に対する解決法を提供する。
これらの例としては:
広範な角度許容範囲が、再アラインメント無しで行われ得るプレートの高速走査を提供すること;
画像ベース走査が、ウェルの特定の領域に関して選択的に取得されて処理されるスペクトル及び波長情報を提供し、同一ウェル内の共通の自己基準領域及び信号(結合)領域を可能とし、熱の影響が最小化されること;
広範な領域が一連のピクセルにとって構成され(平均化され)得、効率的に大きなサイズのビームが形成され得るので、スポットサイズの小さいシステムに比べてシステムの移動過敏性が低減され得るかまたは少なくとも軽減され得、センサのマイクロスケールの波長粗さの影響が減少すること;
が含まれる。
図10は、SLID光学システムが、マイクロプレート804の一部からどのようにデータを取得するかの一例を示している。一連の同時に存在するかまたは順次的に発生する光ビーム1005、1006、1007、...等(例えば、A、B、Cと定められる16本のビーム)は、最初に(第1の期間t)バイオセンサ回折格子1010に亘って、走査方向1015の方向で走査され、バイオセンサの列に亘る一連の座標ポイント等の位置の関数としてスペクトルが記録されて処理される。その後、同一の位置的走査が、後の期間(第2の期間t)において再度行われ、測定された波長が最初のすなわち前の走査において取得された値と比較され、結合が時間の関数として評価される。
Corning Epic(登録商標)ラベル非依存検出システムは、光学リーダを含み、当該光学リーダは、例えば、共鳴導波路回折格子バイオセンサを含むマイクロプレートインタロゲーションして、反射波長内のスペクトル変化を検出することによってセンサ上の生化学的結合を評価する。これらの波長変化の大きさは、例えば、約2000ピコメートル(pm)(大きなタンパク質/抗体相互作用または結合)から約1pm(小さな薬剤の結合)までの大きさであり得る。走査ラベル非依存検出(SLID)リーダは、マイクロプレートに亘って小さな直径(例えば、100ミクロン未満)の光ビームを並進移動させ、ウェルの各々から一次元または二次元の空間的に解像された波長データを取得する.実施例において、センサ及びスペクトロメータを照明して反射共鳴波長を測定するために、高輝度発光ダイオード光源が使用され得る。画像化リーダにおいて、化学的に遮断された(基準)部分領域を有するかまたはウェル(信号)部分領域内のタンパク質のパターンを有するプレートが使用され得る。実施例において、リーダは、マイクロプレートの位置を約200nm未満能動的に制御して、プレート移動事象によって誘引される波長変化を最小化する(例えば、上述の米国特許出願第11/210,920号及び60/844,736号参照)。このシステムは、薬剤化合物等のための光スループットスクリーニング(選別)(screening)法を実行可能であり、非常に良好な感度(例えば、約1pmレベルの結合事象の検出)、読み取り速度(1プレート毎に約1分の読み取り速度)及びプレートイン/アウト機能を有する。このシステムは、様々な設計事項または設計オプション、光システムコンポーネント、ノイズ性能、及び動作モードを包含し得る。
実施例において、本開示の方法は、動作例を含めて以下でさらに説明される。図11A及び11Bは、走査データから結合値を計算する方法をまとめた段階的なフローチャートを提供する。図11Aは、事前ポイント発現波長と事後ポイント発現波長との差からのマイクロプレートウェルのポイントλの2Dアレイの取得及び計算をまとめている。従って、このシステム及び方法は、マイクロプレートウェルの事前ポイント発現波長に関してポイントλの2Dアレイを収集し1100、その後、マイクロプレートウェルの事後ポイント発現波長ポイント変化に関して2Dアレイを収集し1110、その後、事後のポイント波長の各々を対応する事前のポイント波長から減算することによって、ポイントΔλの2Dアレイを計算する1115。
ウェルの各々に関して、各ポイントΔλに対する信号中央値(Msig)及び基準中央値(Mref)が、以下及び図11B(1120)に記載のi.)からix.)に従って計算される。その後、バイオセンサ結合値の中央値(B)が、中央値の差異に従って計算される:B=Msig−Mref(1130)。ウェルの各々に対するi.)からix.)のサブルーチンステップは、以下及び図11B(1120)において良くまとめられている。
i.)信号領域または区域(すなわち、信号インタロゲーション矩形領域または限定信号領域)内のポイントΔλのアレイを選択する。
ii.)予期される基準領域(すなわち、基準インタロゲーション矩形領域または限定基準領域)を含むポイントΔλのアレイを選択する。
iii.)信号インタロゲーション矩形領域(信号掃引矩形領域または信号部分領域として定められる)内のポイントのアレイを選択する。
iv.)基準インタロゲーション矩形領域(基準掃引矩形領域または基準部分領域として定められる)内のポイントのアレイを選択する。
v.)選択された信号掃引矩形領域と、信号インタロゲーション矩形領域上の対応するアレイポイントを重ね合わせる。
vi.)信号掃引矩形領域の可能性のある位置の各々に関して、含まれるポイントΔλの標準偏差を計算する。
vii.)信号掃引矩形領域が最小のコンピュータ計算標準偏差または計算標準偏差のポイントΔλ有する場合に、信号掃引矩形領域の全ての可能性のある位置から最適すなわち最小化された信号掃引矩形領域の位置、すなわち特定の最小値を選択する。
viii.)特定の最小化位置における信号掃引矩形領域内のポイントΔλの信号中央値(Msig)をコンピュータ計算する。
ix.)基準掃引矩形領域及び基準インタロゲーション矩形領域に関する上記のサブルーチンステップv.)−viii)を再度行い、特定の最小化位置における基準掃引矩形領域内のポイントΔλの基準中央値(Mref)を提供する。
x.)最後に、図11A(1130)のように、バイオセンサ結合値の中央値(B=Msig−Mref)を計算する。
矩形アレイの選択が上述の例において特に説明されたが、アレイに関する他の適切な形状(正方形、円、三角形、平行四辺形、台形等)及びそれらの組み合わせも選択され得る。
同様にかつ本明細書で開示されているように、代替実施例は、Bave=Asig−Arefに従った平均バイオセンサ結合値の計算に基づいて平均バイオセンサ結合値を決定する方法を提供する。
本開示はラベリングされたリガンドを使用した検出に有用であり得るが、例えば、コーニング社のEpic(登録商標)システム等の共鳴導波路(RWG)光学バイオセンサ、または表面プラズモン共鳴(SPR)に基づいたバイオセンサ等のラベルフリーまたはラベル非依存検出(LID)方式にも特に良好に適している。
以下の実施例は、上述の開示内容を利用する態様をさらに完全に説明するため、かつ本開示内容の様々な態様の実施に関する最良の形態を説明するために提供される。これらの実施例は、本開示内容の本質的な範囲を全く限定するものではなく、説明のために提供される。
Corning(登録商標)Epic(登録商標)等の市場入手可能な機器は、ウェルの信号部分及びウェルの基準部分の両方の短い直線領域を走査する一次元(1D)デュアル走査法を使用する。実施例において、本開示の方法は、例えば、x−y走査矩形ではなくx−走査直線とするような、高さゼロの限定矩形及び掃引矩形を有する一次元走査領域ルーチンにおける使用に適している。実施例において、本開示の方法は、信号領域並びに少なくとも基準領域及び任意で「周囲」(換言すれば、直接囲堯、すなわち基準領域を縁取っている領域)を少なくとも含む2D領域を包含する二次元(2D)走査領域ルーチンにおける使用に適している。走査された領域内で最も均一な部分領域を探索して選択することによって、欠陥が回避され得、測定の正確性が向上する。さらに、基準パッドが、基準パッドが探索され得る場所の許容誤差を減少させる開示の検索方法によって探索される。許容誤差の減少が、不良品または不要品を減らしてさらに高い全体的な歩留まりをもたらすので、マイクロプレート製品の改善(コスト減少及び製造効率向上等)がなされる。
二次元解析法は、Corning(登録商標)Epic(登録商標)等のリーダによって収集されたデータを処理するために開発された。リーダは、選択された空間位置においてマイクロプレートの共鳴波長を測定する。本方法は、比較される1Dデュアル走査法に比べてウェル内の欠陥に対してさらに感受性が低いので、機器の感度及び解析の感度が向上される。開示の方法は、基準パッドの位置を探索するので、当該基準パッドの配置における許容誤差を減少させることが可能であり、製造の容易性及び信頼性がされる。
マイクロプレートの解析に関して、1Dデュアル走査法が2D掃引法と比較された。開示の2D法は、信号領域及び基準領域の両方に関する2D領域を使用し、探索によって当該領域において最適な信号領域及び基準領域が発見される。1D法に比べて、2D法は多数の注目すべき利点を有する。当該利点は:
特に、低いプレートZ’(Z’Plates)に関するZ’値の改善;
異常値の数の減少;
所定の閾値レベルに対する偽陰性及び偽陽性の可能性の減少(この特徴は、およそ2以上の因子による測定の感度を著しく向上させる);
基準パッドの位置に対する感度の減少;及び、
結合計算において使用されるピクセルの数の最大化、を含む。
信号領域及び基準領域の両方におけるピクセルポイントの数の増加または最大化は、機器ノイズを減少させる。なぜならば、使用されるポイントの数が増加すればするほど、機器のノイズが少なくなるからである。
実施例において、限定信号領域または限定基準領域(例えば、矩形)の寸法は、例えば、掃引矩形領域の寸法と同一の広がりを有するかまたはこれよりも大きくてもよい。実施例において、信号部分領域の寸法(例えば、掃引矩形領域)は、例えば、基準領域の寸法または信号領域の寸法よりも大きいか、小さいか、またはこれらと同一(すなわち同一の広がりを有する)の少なくともいずれかであり得る。実施例において、限定矩形領域の寸法は、例えば、基準領域の寸法または信号領域の寸法よりも大きいか、小さいか、またはこれら同一のうちの少なくともいずれかであり得る。実施例において、領域の各々に対するポイントΔλの数は、1D法に使用される数よりも多くされ得る。
比較例
一次元(1D)デュアル走査法 Epic(登録商標)においてデータを走査及び解析する比較例の方法は、下位の1Dデュアル走査アルゴリズムを使用する。この方法は、信号領域内の短い直線領域(例えば、672μm)を走査し、かつ基準領域を横切る同一の短い距離の直線走査を行う。図1を参照すると、図1は、マイクロプレート内のウェルの二次元Δλマップを示しており、上部の基準部(110)及び下部の信号部(120)に対応する2本の直線を示している。これらの直線経路は、各々計5回走査され、各々の結果が平均化される。信号領域内のポイントの各々のΔ波長(Δλ)値は、基準領域内の全てのΔ波長(Δλ)値と同様に平均化される。これらの各々の領域内の平均化されたΔλの間の差異は、ウェルの結合値となる。ウェル内の領域(130)は、欠陥によって生ずる。例示の欠陥は、例えば、ウェル内の気泡、非特異性結合物質の塊、プレート表面の物理的欠陥(ひっかき傷等)、または同様の物理的欠陥もしくは変形を含み得、これらは、基準領域変動性とは異なっている異常なΔλ値(例えば、高いΔλ値)もしくは統計的に有意なΔλ値(異常値等)、または基準領域の残りの部分もしくは通常に応答する基準領域よりも大きい標準偏差を含む。Δλマップによって提供される他の測定値は、マイクロプレートウェル内の表面凸凹の画像あり、カラーまたは対応するグレースケール(図示せず)で表示され、この画像において、例えば、−40の値が大きな負の凸凹差(1または複数)を有する領域を表し得、+40の値が大きな正の凸凹差(1または複数)を有する領域を表す。Δλマップは、マイクロプレート発現後に測定された波長からマイクロプレート発現前に測定された波長を引いた波長変化または遷移、すなわち波長差(Δλ)の図画表示を提供する。欠陥領域130から得られたΔλ値は、基準パッドの残りの部分の値を示しているものではなく、判定される結合値に悪影響を与え得る。
実施例
2D掃引法 開示の2D掃引法において、マイクロプレートの二次元領域は、2つの異なった時刻において走査される。これらの2つの異なった時刻の各々のポイントの波長差は、ポイントΔλを生成する。すなわち、ここにおいてΔλ=λt2−λt1であり、λt2及びλt1は、第2及び第1の時刻の各々で測定された波長を示す。これらのポイントΔλの2Dデータ収集の後、2つの「限定」矩形領域が画定される。これらの領域は、1つが信号領域であり、もう1つが基準領域である。これらの領域は、図2において単一ウェルに関して示されている。図2を参照すると、矩形領域(210)が限定信号領域に対応し、限定矩形領域(200)が基準領域に対応する。次に、「掃引」矩形領域の寸法が、当該基準領域及び信号領域に関して画定される。基準掃引矩形領域に関して定められたサイズは、例えば、全体として基準限定矩形領域のサイズよりも小さくかつ信号掃引矩形領域のサイズと同等である。掃引矩形領域の例は、図2にも示されている。基準掃引矩形領域(220)及び信号掃引矩形領域(260)が示されている。図2内の掃引矩形領域は、おおよそ同一のサイズを有する様に示されている。しかし、矩形領域は、同一もしくは近似寸法、または同一形状である必要は無く、例えば、任意の適切な寸法もしくはサイズ、または正方形、長方形、平行四辺形、台形等の形状もしくはこれらの組み合わせであってもよい。従って、本明細書において用いられている「矩形」には、一般的もしくは特定の矩形形状、及び追加的もしくは代替的に他の適切な形状の領域を含む。掃引矩形領域は、境界が限定矩形領域の境界を越えていなければ、その限定矩形領域の各々内の全ての可能性のある位置を占有することが可能である。掃引矩形位置の各々に関し、そこに含まれる全てのポイントΔλの標準偏差が計算される。最小の標準偏差を有する掃引矩形領域は、最も均一な領域と見なされる。基準掃引矩形領域のこの最も均一な領域は、結合の計算に使用される基準領域として選択される。同様に、信号掃引領域の最も均一な領域も、結合の計算に使用される信号領域として選択される。結合計算は、信号領域内の全てのポイントΔλの中央値を取得し、この値を基準領域内の全てのポイントΔλの中央値から引き算する。この例において、基準限定領域の最良の矩形領域(230)は、欠陥領域(250)を全く含まないように表されている。本開示の2D掃引ルーチンは、最も低い標準偏差を有する領域を探索することによってこのような欠陥を避けることが可能である。信号領域及び基準領域の中央値(平均値ではない)の間の差と定義された結合値の中央値は、欠陥の一部が領域(230)に含まれることを許容し、欠陥がこの領域(230)の半分または半分よりも多い部分を専有しない限り、結合値の中央値に影響を与えない。
Corning Epic(登録商標)機器内の光学リーダの機能は、選択された空間位置においてマイクロプレートの共鳴波長を測定するものである。マイクロプレートのウェルの各々内の(時間における)任意の変化(リガンド−受容体結合事象等)を判定するために、選択された空間位置における共鳴波長(Δλ)の差が計算される。非生化学的な影響、例えば、熱、内部屈折率変化の影響等、を除去するために、非結合基準領域(またはパッド)が、ウェルの各々内に配されて選択され得る。その後、信号領域のΔλと基準領域Δλとの差を得ることによって、結合信号の中央値が決定される。信号領域及び基準領域が各々完全に均一である起こりそうもない事象においては、選択された収集方法及び解析方法に関わらず、結合に関する唯一の値が取得される。信号領域及び基準領域内の変化が、製品の変化、ランダムな表面粗さ、結合の範囲及び結合における変化等の故に回避不能であるので、任意の結合事象の規模に関して与えられた値は、これらのポイントがどのように選択されたか及びどのように解析されたかによって部分的に決定される。従って、走査パターン及の選択及び結果データの解釈を含む任意の解析方法の試行が、ウェルに関する最も典型的な結合値を得るためになされる。比較対象の一次元(1D)デュアル走査法において、ウェルの2本の直線経路が走査される;1本は信号領域に関し、1本は基準領域に関する。1D法の性能が、本開示の二次元(2D)掃引法の性能と比較された。
本開示の2D掃引法において、ウェルの1領域が走査され、この領域内で最適すなわち最小化された信号領域及び基準領域が配されかつ選択される。改良されたアッセイ能力に加えて、本開示の2D掃引法は、基準パッドの配置における広い許容誤差を許容する。本開示の2D掃引法は、以下に説明されるように、1D法と比べてさらに著しく欠陥に対して感度が低い。
1Dデュアル走査法と2D掃引法との比較
2D掃引法の結果が、1Dデュアル走査法と比較される。例えば、比較対象の1Dデュアル走査法において、各々の測定に対して10回の走査がされる故に、2D掃引法に対して10回の走査が使用された。このことは、比較に関して、両方の方法の全データ収集時間が同一であることを保証する。1D測定に関しては、信号領域及び基準領域において、各々672μmの長さの5回の走査が行われた。2D測定に関しては、回折格子全体をカバーする29本の走査線からなるプレートマップが使用され、これらの走査線の内の3本は、信号領域に対して使用され、7本は基準領域に対して使用される。このようにして、10回の走査の実際の測定がシミュレーションされた。従って、この方法で取得されるデータは、まさに2Dの10回走査測定において収集されるだろうものである。掃引矩形領域は、信号領域において960μmの長さの3本の走査線であり、基準領域において960μmの長さの5本の走査線であった。
この比較に関し、15枚のマイクロプレートが、1D法及び2D法の両方を使用して解析された。標準のアッセイは、陽性対照ウェル及び陰性対照ウェルの50/50混合であるマイクロプレートにおいて行われた。これらのプレートは、1Dデュアル走査ルーチンに基づいて、Z’の値が0よりも大きいか0よりも小さいかによって2つのグループに分けられた。陽性対照及び陰性対照のZ’値(異常値を含む、含まない)及び標準偏差は、例えば、以下の式に従ってエクセルのマクロを使用して計算された。サンプリング頻度対結合のプロットにおいて、Z’統計値すなわちZ’値が判定され、この値はデータ価値及びアッセイの全体品質自体の評価をあらわすものであり、以下の式によって与えられる。
Figure 2011501124
ここで、
σは、陽性対照の標準偏差であり、
σは、陰性対照の標準偏差であり、
μは、陽性対照の測定された結合値であり、
μは、陰性対照の測定された結合値である。
J.Zhang氏等による「A Simple Statistical Parameter for Use in Evaluation and Validation of High Throughput Screening Assays」(Journal of Biomolecular Screening、第4巻、第2号、67−73ページ(1999年))を参照のこと(Z’の定義を提供する71ページの式(5)を参照のこと)。
実施例において、Z’は、マイナス無限大から1の範囲にあり得、例えば、特定の試験的な環境条件に基づいて、例えば0.2から0.5の正のZ’値が良好なデータとされ得、例えば0.75から1.0のZ’値が非常に良好なデータとされ得る。μに対する標準値は、例えば、約40であり得、μに対する標準値は、例えば、約0であり得る。σに対する標準値は、陽性対照に関して、例えば、約0.1から約8ピコメートルであり得、σに対する標準値は、陰性対照に関して、例えば、約0.1から約4ピコメートルであり得る。
実施例において、Z’統計値は代替的に以下のように書ける。
Figure 2011501124
ここで、η及びσは、陽性対照(pc)の平均偏差及び標準偏差を示し、陰性対照(nc)もこれに各々対応する。ここで、平均差は、絶対値として取得される。陽性対照は、例えば、化学的または生物学的に変更されたバイオセンサ表面であり得、当該表面は、ポテンシャルアッセイ結合相手に対して曝されている。陰性対照は、例えば、化学的または生物学的に変更されておらず、バッファのみと接触させられているバイオセンサ表面であり得る。アッセイに関する「良好な」システムは、約0.5よりも大きいかまたは約0.5と等しいZ’値を提供すべきであり、完璧なZ’値は1.0である。Z’>0である第1のグループ(11枚のプレート)の結果が表1において以下にまとめられている。
Figure 2011501124
良好ないし極めて優れた性能を有するマイクロプレートに関して、Z’値は、2D解析を用いた場合に平均して約0.05高かった。このことは、異常値ウェル(すなわち、異常に高いかまたは低い結合値を有するウェル)が含まれている場合でも含まれていない場合でも当てはまった。異常値ウェルは、タイプ1の異常値及びタイプ2の異常値を含む。タイプ1の異常値は、分布平均から+/−10Xの中央値平均偏差の外に存在する結合値を有するウェルである。タイプ2の異常値は、タイプ1の異常値の全てが除去された後に計算され、この残りの分布の平均から+/−3.5の標準偏差の外側に存在する結合値を有するウェルである。標準偏差も、当該残りの分布を用いて計算される。本開示の2D法の他の重要な特徴は、1D法と比較して異常値の発生が非常に低減されることである。これら11のプレートに関する1Dの結果は、全部で67個の異常値ウェルを有し、それに比べて、本開示の2D掃引法では56個の異常値しか取得されなかった。「異常値の減少」とは、例えば、約5パーセントから約40パーセント及び約10パーセントから約30パーセントの典型的な良好ないし極めて優れた異常値の縮小または減少をいう。表1は、非常に高いZ’値を有するいくつかのマイクロプレートに対して、2D法がZ’に関して若干小さな値を与えたことを示している。これは、1Dデータ収集及び2Dデータ収集が正確に同一の時刻において行われずに結合シグナルの非常に小さな時間依存変化が結果に影響し得た故であるだろう。興味深いのは、2D法を用いたZ’における改善度合いが、図3に示されているようにZ’値の減少とともに増していることである。このことは、(1D法で測定された)Z’値が低下すると、ウェル内の欠陥または他の異常が多く存在することとなる故に予測される。2D法がこの様な欠陥に対して感度が低いので、Z’における改善度合(1Dの結果に対する)は、欠陥の数の増加に従って増すと予想される。図3は、2D掃引法の使用を伴ったZ’における改善を、1Dデュアル走査手法で測定されたZ’の関数として示している。図3からわかるように、相関関係が正確で無くとも、予想される傾向は、裏付けられているように見受けられる。解析された残りの4枚のマイクロプレートは、不良な結果(Z’<0)を有し、2つの方法に対するこれらのプレートからの結果は表2に示されている。
Figure 2011501124
ここで、プレート解析の結果は、本開示の2D法の使用によって著しく改善された。2D法の使用により、異常値が除外された場合、4枚全てのプレートが良好ないし極めて優れた結果を示した。他の11枚のマイクロプレートと同様に、2D法を使用すると、異常値の数が73個から52個に減少した。この異常値の減少による利点は、異常値の基準が各々の方法によって趣致得される分布の幅に依存する故にいくらか覆隠される。比較対照の1D法と本開示の2D法との間の差異を理解する他の手段は、陽性対照及び陰性対照の標準偏差を調べることである。例えば、図3は、表2に示された4枚のプレートのこれらの対照の標準偏差を比較している(異常値は除外している)。
Figure 2011501124
ここで、これらの値における変化の著しい低減が2D法によって可能とされた。表3の値は、異常値ウェルの結果を含んでいない。σは陽性対照の標準偏差であり、σは陰性対照の標準偏差である。
上述の解析において、Z’測定基準は、1D及び2Dアルゴリズムの品質を判定するために使用された。他の重要な測定基準は、所与の閾値レベルの偽陰性及び偽陽性の発生可能性である。これらの可能性を判定するために、多数のプレートからの結果が組み合わされる必要がある。最も良好な結果を示した11枚のマイクロプレート(表1に示されている)は、この測定基準に関係する後の解析に使用される。陽性対照及び陰性対照の平均値がプレート間で大きく変化した故に、結合値は、有意義な方法で組み合わされ得る前にスケーリング(scale)される必要があった。使用されたスケーリングでは、各々のプレートに対して、陰性対照に0pmの値を持たせ、陽性対照に50pmの値を持たせた。スケーリングは、各々のプレートのZ’値が保たれる様に選択された。このスケーリングが行われた後、11枚のプレート全てからの結果が組み合わされた。組み合わされた11枚のプレートに関する全体Z’は、1Dデュアル走査法に対しては0.50であり、2D掃引法に対しては0.56であった。次に、累積確率が陽性対照及び陰性対照に対して計算されて、偽陰性及び偽陽性の確率が各々取得できた。図4において、陰性対照の累積確率が、1Dデュアル走査法(420)及び2D掃引法(410)の両方に対してプロットされている。ここで、偽陽性の発生は、1Dデュアル走査法の方が常に著しく大きかった。例えば、6pmの閾値では、偽陽性すなわち6pmを上回る値の確率が、1D法を使用すると2.5%だが、2D解析が使用された場合は、約1%のレベルまで大きく低下したことが示された。
図5において、陽性対照の累積確率が、1Dデュアル走査法(520)及び2D掃引法(510)の両方に対してプロットされている。この場合、偽陰性の発生は、1Dデュアル走査法の方が常に著しく大きかった。例えば、閾値が37pmの場合、偽陰性(すなわち37pm未満の値)の確率は、1D法を使用すると2.0%であったが、2D法が使用された場合は、1%のレベルまで著しく低下した。
基準パッドの位置許容誤差
基準パッドの位置は、パッドが走査された際に正確な読み取り値が得られるように、十分に精度よく位置合わせされなければならない。この節では、(正確な読み取り値を取得するために)基準パッドの中央部によって占有され得る許容領域を1Dデュアル走査法と2D掃引法との間で比較する。図6は、2×2mmのセンサ領域内の1つの位置における例示の基準パッドを示している。この解析に関して、基準パッドは、x座標において1,100ミクロン、y座標において650ミクロンの(Δλが)完全に均一な矩形領域と仮定される。走査ビームが基準パッドのエッジに配されると、読み取りが信号値と基準値との中間であるだろうと仮定される。走査ビームの直径が100ミクロンなので、走査ビームの中心がパッドの内部にありかつ最も近接したエッジから少なくとも50ミクロン離れている場合に、正確な基準値が取得されるだろう。従って、正確な基準読み取り値を得るためには、物理基準パッド上の中央に配された、例えば、x座標において1,000μm、y座標において550μmの寸法を有する矩形内にビームが無ければならない。走査ビームのサイズの故に、基準パッドの応答は、図6に示されたように、基準値(610)から信号値(630)まで徐々に遷移する。
この遷移は、基準値と信号値との間の線形変化としてモデル化され、100ミクロンの幅の境界(620)が、図6内の基準パッドの1,000×550ミクロンの均一な応答矩形領域(610)の囲堯していた。1Dデュアル走査法に関して、基準走査は、672ミクロンの長さのx方向の単一直線走査で構成されている。基準パッドの均一領域のy寸法が550ミクロンである故に、基準パッドの中心は、この走査線のy方向において+/−275ミクロン内に位置していなければならない。x方向において、基準パッドの中心は、走査線が当該パッドの均一領域の外側に伸長しないように、+/−164ミクロン内になければならない。図7は、基準パッド中心ポイント領域(710)(328×550ミクロン)を示しており(すなわち、基準領域の中心がこの領域内になければならず、さもなければ解析が害される)、1Dデュアル走査の正確な結果のために、基準パッドの中央(730)が基準パッド中心ポイント領域を占有していなければならない。図7は、例えば、八角形または湾曲させられた側部を有する他の非矩形形状であるさらに大きい非矩形領域(720)も示しており、2D掃引(720)法において当該領域を基準パッドが占有することが可能である。
2D掃引法に関して、1Dの場合において使用された走査線の中央に配され、y座標において約100ミクロン(μm)離間されている7本の走査線が使用された。掃引される領域のサイズは、x座標において1,000μm、y座標において600μmとなるように画定された。使用された掃引領域のサイズは、960μm×400μmであった。結合値は、ウェル内の基準パッドの全ての可能性のある位置に関して計算された。基準パッドの位置は、2×2mmのセンサ領域の境界内に常に完全に収容されていた。この計算の結果は、図7の領域(720)として示される。この領域(720)は、2D掃引法に対する基準パッドの中心の許容位置を示す。この領域は、1Dデュアル走査に対する領域よりも非常に広い。x座標における最大寸法は+/−400μmであり、y座標における最大寸法は+/−325μmである。
実施例において、センサは空間的にインタロゲーションされ得、センサは広帯域スペクトル光源を使用して固定された入射角においてインタロゲーションされ、波長は反射ビームにおいて検出される。光源は、広帯域スペクトル光源であり、検出器はスペクトロメータ等の波長感知検出器である。しかし、実施例において、センサは角度的にインタロゲーションされることが可能であり、この場合センサは単色光によってインタロゲーションされて、反射ビームにおいて共鳴角度が検出される。
本開示は、様々な具体的な実施例及び方法を参照して説明されてきた。しかし、本開示の趣旨及び範囲内において、多くの変形例及び変更例が可能であることが理解されるべきである。

Claims (20)

  1. バイオセンサ結合を検出する方法であって、
    前記バイオセンサの領域を走査するステップと、
    当該走査された領域内での第1限定信号領域及び第2限定基準領域を選択するステップと、
    前記第1限定信号領域内の少なくとも1つの部分領域及び前記第2限定基準領域内の少なくとも1つの部分領域を走査するステップと、
    各々の部分領域内の全てのポイントΔλの標準偏差を計算するステップと、
    最小の標準偏差を有する当該走査された各々の部分領域内のサンプリングされた全てのポイントを信号部分領域及び基準部分領域として選択するステップと、
    sig、Mref及びBmedを計算するステップと、を含み、
    ポイントΔλは、Δλ=λt2−λt1に従った2つの異なった時刻のあるポイントにおける波長の差であり、λt2及びλt1は、それぞれ第2の時刻及び第1の時刻で測定された波長を示し、
    sigは、当該選択された最小信号部分領域における全てのポイントΔλの中央値であり、
    refは、当該選択された最小基準部分領域における全てのポイントΔλの中央値であり、
    medは、式(1)に従ったバイオセンサ結合値の中央値であることを特徴とする方法。
    Figure 2011501124
  2. 請求項1に記載の方法であって、前記バイオセンサの接触表面が、発現させられていないか、発現させられているか、またはその両方であることを特徴とする方法。
  3. 請求項1に記載の方法であって、少なくとも1つの前記信号部分領域及び少なくとも1つの前記基準部分領域は、最小標準偏差を各々有していることを特徴とする方法。
  4. 請求項1に記載の方法であって、当該走査された領域内の当該選択された第1限定信号領域と第2限定基準領域とが相互排他的であることを特徴とする方法。
  5. 請求項1に記載の方法であって、前記第1限定信号領域及び前記第2限定基準領域内の部分領域の走査が、前記第1限定信号領域及び前記第2限定基準領域の各々の内部の複数の部分領域を含むことを特徴とする方法。
  6. 請求項5に記載の方法であって、前記第1限定信号領域及び前記第2限定基準領域内の複数の部分領域が、約1から約1000の部分領域を各々含むことを特徴とする方法。
  7. 請求項5に記載の方法であって、前記第1限定信号領域及び前記第2限定基準領域内の複数の部分領域が、約10から約100の部分領域を各々含むことを特徴とする方法。
  8. 請求項1に記載の方法であって、前記バイオセンサがマイクロプレート内の複数のバイオセンサを含むことを特徴とする方法。
  9. 請求項1に記載の方法であって、異常値が除外された場合に、前記方法のZ’統計値が約0.6から約0.9であることを特徴とする方法。
  10. 請求項1に記載の方法であって、前記第1限定信号領域及び前記第2限定基準領域の寸法の各々が、前記信号部分領域及び前記基準部分領域の各々の寸法と同一の広がりを有するかまたはそれよりも大きいことを特徴とする方法。
  11. 請求項1に記載の方法であって、前記信号部分領域及び前記基準部分領域の各々が、少なくとも、前記信号領域及び前記基準領域の各々の寸法よりも大きいか、小さいか、または当該寸法と同一であるかのいずれかであることを特徴とする方法。
  12. 請求項1に記載の方法であって、前記限定信号領域及び前記限定基準領域の各々が、少なくとも、前記信号領域及び前記基準領域の各々の寸法よりも大きいか、小さいか、または当該寸法と同一であるかのいずれかであることを特徴とする方法。
  13. 請求項1に記載の方法であって、当該選択された信号部分領域及び当該選択された基準部分領域が前記限定信号領域及び前記限定基準領域の各々よりも小さいかまたはこれらと等しい場合に、前記限定信号領域及び前記限定基準領域の寸法の各々が高さ0であることを特徴とする方法。
  14. 請求項13に記載の方法であって、前記限定領域、前記部分領域またはこれらの両方が、x軸走査線まで減少させられることを特徴とする方法。
  15. 請求項1に記載の方法であって、当該選択された信号部分領域及び当該選択された基準部分領域が前記限定信号領域及び前記限定基準領域の各々よりも小さいかまたはこれらと等しい場合に、個別の信号部分領域及び個別の基準部分領域の寸法が、高さ0であることを特徴とする方法。
  16. 請求項15に記載の方法であって、前記限定領域、前記部分領域またはこれらの両方が、x軸走査線まで減少させられることを特徴とする方法。
  17. 請求項1に記載の方法であって、少なくとも1つの信号部分領域及び少なくとも1つの基準部分領域が、最小標準偏差を各々有していることを特徴とする方法。
  18. バイオセンサ結合を判定する方法であって、
    前記バイオセンサの領域を走査するステップと、
    当該走査された領域内での第1限定信号領域及び第2限定基準領域を選択するステップと、
    前記第1限定信号領域内の少なくとも1つの部分領域及び前記第2限定基準領域内の少なくとも1つの部分領域を走査するステップと、
    各々の部分領域内の全てのポイントΔλに対する標準偏差を計算するステップと、
    最小の標準偏差を有する当該走査された各々部分領域内のサンプリングされた全てのポイントを信号部分領域及び基準部分領域として選択するステップと、
    sig、Aref及びBmedを計算するステップと、を含み、
    Δλは、Δλ=λt2−λt1に従った2つの異なった時刻のあるポイントにおける波長の差であり、λt2及びλt1は、それぞれ第2の時刻及び第1の時刻で測定された波長を示し、
    sigは、当該選択された最小標準偏差信号部分領域における全てのポイントΔλの平均値であり、
    refは、当該選択された最小標準偏差基準部分領域における全てのポイントΔλの平均値であり、
    medは、式(2)に従った平均化されたバイオセンサ結合値であることを特徴とする方法。
    Figure 2011501124
  19. 請求項17に記載の方法であって、少なくとも1つの信号部分領域及び少なくとも1つの基準部分領域が、最小標準偏差を各々有していることを特徴とする方法。
  20. バイオセンサ結合を判定するシステムであって、
    内部に複数のウェルを含むフレームを備えるマイクロプレートであって、ウェルの各々が基準領域及びサンプリング領域を備える表面を有するバイオセンサを包含しているマイクロプレートと、
    前記バイオセンサの一部を照明する光ビーム及び光学系、当該照明されたバイオセンサからの反射光を受光する画像化光学系、並びに当該照明されたバイオセンサから一連の画像をキャプチャする2D画像化デバイスを含む光学リーダインタロゲータと、
    請求項1記載の方法に従って一連の画像を処理してバイオセンサ結合値を取得するプロセッサと、
    を含むことを特徴とするシステム。
JP2010528878A 2007-10-12 2008-10-08 マイクロプレート画像解析のためのシステム及び方法 Pending JP2011501124A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US11/974,406 US7978893B2 (en) 2007-10-12 2007-10-12 System and method for microplate image analysis
PCT/US2008/011581 WO2009048570A1 (en) 2007-10-12 2008-10-08 System and method for microplate image analysis

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011501124A true JP2011501124A (ja) 2011-01-06

Family

ID=40219491

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010528878A Pending JP2011501124A (ja) 2007-10-12 2008-10-08 マイクロプレート画像解析のためのシステム及び方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US7978893B2 (ja)
EP (1) EP2198253B1 (ja)
JP (1) JP2011501124A (ja)
WO (1) WO2009048570A1 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2462429A1 (en) * 2009-08-05 2012-06-13 Corning Inc. Label-independent optical reader system and methods with optical scanning
US8384905B2 (en) * 2009-11-10 2013-02-26 Corning Incorporated Tunable light source for label-independent optical reader
JP2013170861A (ja) * 2012-02-20 2013-09-02 Dainippon Screen Mfg Co Ltd 撮像装置、試料保持プレートおよび撮像方法
WO2023212290A1 (en) * 2022-04-29 2023-11-02 Singular Genomics Systems, Inc. Microplate carrier

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003202285A (ja) * 2001-10-26 2003-07-18 Fuji Photo Film Co Ltd 全反射を利用した測定装置の測定用プレート
JP2005024456A (ja) * 2003-07-04 2005-01-27 Mitsubishi Chemicals Corp 表面プラズモン共鳴センサ及びバイオセンサ
JP2005069980A (ja) * 2003-08-27 2005-03-17 Toyobo Co Ltd 表面プラズモン共鳴装置
JP2006105914A (ja) * 2004-10-08 2006-04-20 Fuji Photo Film Co Ltd 測定方法および測定装置

Family Cites Families (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6512868B1 (en) 1999-11-16 2003-01-28 Xros, Inc. Precision fiber optic collimator
AU2073801A (en) * 1999-12-09 2001-06-18 Cellomics, Inc. A system for cell-based screening
US7217574B2 (en) 2000-10-30 2007-05-15 Sru Biosystems, Inc. Method and apparatus for biosensor spectral shift detection
US7575939B2 (en) * 2000-10-30 2009-08-18 Sru Biosystems, Inc. Optical detection of label-free biomolecular interactions using microreplicated plastic sensor elements
US7202076B2 (en) 2000-10-30 2007-04-10 Sru Biosystems, Inc. Label-free high-throughput optical technique for detecting biomolecular interactions
US7118710B2 (en) * 2000-10-30 2006-10-10 Sru Biosystems, Inc. Label-free high-throughput optical technique for detecting biomolecular interactions
AU2002303150A1 (en) * 2001-03-26 2002-10-08 Cellomics, Inc. Methods for determining the organization of a cellular component of interest
US7927822B2 (en) * 2002-09-09 2011-04-19 Sru Biosystems, Inc. Methods for screening cells and antibodies
US20060141527A1 (en) * 2004-12-29 2006-06-29 Caracci Stephen J Method for creating a reference region and a sample region on a biosensor and the resulting biosensor
US7604984B2 (en) * 2004-12-29 2009-10-20 Corning Incorporated Spatially scanned optical reader system and method for using same
US7629173B2 (en) * 2004-12-29 2009-12-08 Corning Incorporated Optical reader system and method for monitoring and correcting lateral and angular misalignments of label independent biosensors
CN101238360A (zh) * 2005-08-08 2008-08-06 康宁股份有限公司 用于增大ccd-检测器的读出速率的方法
US7576333B2 (en) * 2007-08-01 2009-08-18 Corning Incorporated Optical interrogation system and method for using same
US7819320B2 (en) * 2007-10-12 2010-10-26 Corning Incorporated System and method for image analysis pointing-error correction
US7999944B2 (en) * 2008-10-23 2011-08-16 Corning Incorporated Multi-channel swept wavelength optical interrogation system and method for using same

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003202285A (ja) * 2001-10-26 2003-07-18 Fuji Photo Film Co Ltd 全反射を利用した測定装置の測定用プレート
JP2005024456A (ja) * 2003-07-04 2005-01-27 Mitsubishi Chemicals Corp 表面プラズモン共鳴センサ及びバイオセンサ
JP2005069980A (ja) * 2003-08-27 2005-03-17 Toyobo Co Ltd 表面プラズモン共鳴装置
JP2006105914A (ja) * 2004-10-08 2006-04-20 Fuji Photo Film Co Ltd 測定方法および測定装置

Also Published As

Publication number Publication date
EP2198253A1 (en) 2010-06-23
US7978893B2 (en) 2011-07-12
WO2009048570A1 (en) 2009-04-16
EP2198253B1 (en) 2014-08-27
US20090097013A1 (en) 2009-04-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8673650B2 (en) Optical molecular detection
US7790406B2 (en) Grating-based sensor combining label-free binding detection and fluorescence amplification and readout system for sensor
US9823197B2 (en) Detecting method, microarray analyzing method, and fluorescence reading device
KR101885939B1 (ko) 마이크로어레이의 해석 방법 및 판독 장치
US8619260B2 (en) Multi-grating biosensor for label-independent optical readers
US20060205058A1 (en) Spatially scanned optical reader system and method for using same
US20010052976A1 (en) Scanning optical detection system
US20060139641A1 (en) Optical reader system and method for monitoring and correcting lateral and angular misalignments of label independent biosensors
US8408461B2 (en) System and method for image analysis pointing-error correction
US8810804B2 (en) Optical reader systems and methods with rapid microplate position detection
US9897535B2 (en) Optical reader systems and methods for microplate position detection
JP2010515011A (ja) 光学インターロゲーションシステム及びマイクロプレート位置の補正方法
JP2011501124A (ja) マイクロプレート画像解析のためのシステム及び方法
US7413893B2 (en) Methods, apparatus and compositions for improved measurements with optical biosensors
KR101446210B1 (ko) 광영역 시료 내 다수 생체 표지자를 고속 정량 분석하는 라만 분석 방법 및 장치
US20090292479A1 (en) Method for analyzing image from bio-detection analyzer
CN101008609B (zh) 光学波导生物感测装置
JP2013224894A (ja) マイクロアレイの解析方法
US8400551B2 (en) High resolution label free imaging
JP2007285975A (ja) 走査型プローブ顕微鏡及び基板検査方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100610

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110801

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130723

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131023

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20140311