JP2011257553A - 画像安定化装置、画像安定化方法、及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】時系列の動きデータから振動を検出する振動センサと、複数のレイヤーにより構成される画像データを取得する画像データ取得部と、前記画像データ取得部により取得された画像データを表示する画像データ表示部と、前記画像データを構成する各レイヤーの種類に応じた度合いで、前記画像データ取得部に対し、前記振動センサにより検出された振動をキャンセルする方向に当該各レイヤーを動かす制御を実行する動き補正部と、を備える、画像安定化装置が提供される。
【選択図】図1
Description
ここで、以下に記載する本発明の実施形態に関する説明の流れについて簡単に述べる。
1:第1実施形態
1−1:携帯機器10の機能構成
1−2:状態検知部115の動作
1−2−1:処理の流れ
1−2−2:振動係数の算出方法
1−2−3:キャンセル適用強度の算出方法
1−3:フィルタ部117の動作
1−3−1:処理の流れ
1−3−2:予測値の算出
1−3−3:補正量の算出
1−4:(変形例)フィルタ部117の動作
1−4−1:処理の流れ
1−4−2:補正量の減衰
2:第2実施形態
2−1:携帯機器10の機能構成
2−2:キャンセル適用強度の調整方法
3:第3実施形態
3−1:携帯機器10の機能構成
3−2:補正量の調整方法
4:ハードウェア構成
5:まとめ
本発明の第1実施形態について説明する。本実施形態は、携帯機器10に振動が加えられた状況で、ユーザの視点に対して生じる表示画像の振動を低減させる方法に関する。この方法は、ユーザの視点に対して表示画像を「静止」させる方法ではなく、ユーザの疲労を軽減させるために表示画像の振動を「低減」させる方法である点に注意されたい。
まず、図1を参照しながら、本実施形態に係る携帯機器10の機能構成について説明する。図1は、本実施形態に係る携帯機器10の機能構成について説明するための説明図である。
画像データ取得部111は、画像データを取得する手段である。例えば、画像データ取得部111は、時系列で並んだフレーム群を取得する。但し、このフレーム群を構成する各フレームは、一定の時間間隔(固定フレーム間隔)で配置されていてもよいし、不定の時間間隔(可変フレーム間隔)で配置されていてもよい。また、各フレームは、複数のレイヤーにより構成される。
動きセンサ112は、携帯機器10の動きを検知する手段である。例えば、動きセンサ112は、6軸センサや2軸センサなどにより構成される。なお、6軸センサは、互いに直交する3つの軸方向に対する加速度と、互いに直交する3つの軸を基軸とする回転とを検知することが可能なセンサである。また、2軸センサは、直交する2つの軸方向に対する加速度を検知することが可能なセンサである。以下の説明においては、動きセンサ112により検知された動きを示すデータを動きデータと呼ぶことにする。
座標変換部113は、動きセンサ112から入力された動きデータを後段のフィルタ部117において利用できるデータ形式に変換する手段である。例えば、動きセンサ112が6軸センサの場合、重力加速度を含む動きデータが得られる。つまり、座標変換部113に入力される動きデータは、純粋に携帯機器10の動きを表現した動きデータになっていない。そこで、座標変換部113は、動きセンサ112から入力された動きデータから重力加速度の成分を除去し、携帯機器10の動きを表現した動きデータを生成する。座標変換部113により生成された動きデータは、FIFOバッファ114に入力される。
FIFOバッファ114は、座標変換部113により入力された動きデータを蓄積する手段である。なお、FIFOバッファ114は、所定の蓄積量が一杯になった状態で次の動きデータが入力されると、最も古い動きデータを廃棄する。この蓄積量は、例えば、1秒分(例えば、フレームレートが30fpsならば30フレーム分)のデータ量に設定される。FIFOバッファ114に蓄積された動きデータは、状態検知部115、フィルタ部117により読み出される。
状態検知部115は、キャンセル適用強度を算出する手段である。但し、ここで言うキャンセル適用強度とは、ユーザの視点に対する画像データの振動をキャンセルする強さを表す値である。まず、状態検知部115は、FIFOバッファ114から動きデータ(Dt,…,Dt+n)を取得する。但し、Dtは、時刻tにおいて検知された動きデータである。動きデータ(Dt,…,Dt+n)を取得した状態検知部115は、下記の式(1)に示すように、所定の関数fに動きデータ(Dt,…,Dt+n)を入力して振動係数sを算出する。
ユーザ入力部116は、ユーザが様々なデータを入力する手段である。
フィルタ部117は、ユーザの視点に対する画像データの振動をキャンセルするために画像データを動かす量(以下、補正量)を算出する手段である。まず、フィルタ部117は、FIFOバッファ114から動きデータ(Dt,…,Dt+n)を読み出し、次フレームの表示時点t+n+1における動きデータDt+n+1を算出する。このとき、動きデータDt+n+1(予測値)は、動きセンサ112の軸毎に算出される。
補正ベクトル生成部118は、フィルタ部117により入力された補正量を用いてレイヤーの位置を補正するための補正ベクトルを生成する手段である。この補正ベクトルは、動き補償によりキャンセル適用前のレイヤーをキャンセル適用後のレイヤーに変換する変換手段である。キャンセル適用前のレイヤーを構成する各画素の座標をX、キャンセル適用後の各画素の座標をX’とすると、座標X’は、下記の式(2)〜式(7)を用いて表現される。但し、パラメータ(h,v,θ,p,hc,vc)は、フィルタ部117により入力された各軸の補正量に関するパラメータである。
次に、図2を参照しながら、状態検知部115の動作について説明を補足する。図2は、状態検知部115による処理の流れについて説明するための説明図である。
図2に示すように、状態検知部115は、FIFOバッファ114から動きデータを取得する(S101)。次いで、状態検知部115は、ステップS101で取得した動きデータに基づいて振動係数を算出する(S102)。次いで、状態検知部115は、ステップS102で算出した振動係数に基づいてキャンセル適用強度を算出する(S103)。
ここで、ステップS102における振動係数sの算出方法について説明する。なお、ステップS101において状態検知部115により動きデータ(Dt,…,Dt+n)が取得されているものとする。振動係数sは、動きデータ(Dt,…,Dt+n)で表現された動きの激しさを表現するための数値である。動きの激しさは、高周波成分の強度により表現することができる。そこで、状態検知部115は、動きデータ(Dt,…,Dt+n)をフーリエ変換して周波数データを算出し、その高周波成分の振幅を利用する。例えば、状態検知部115は、周波数データのうち、所定の周波数領域における最大振幅値を振動係数sとして算出する。
次に、ステップS103におけるキャンセル適用強度の算出方法について説明する。
キャンセルを適用する場合とキャンセルを適用しない場合の2状態しか考慮しない場合、図3に示すように、状態検知部115は、2つの閾値T1、T2と振動係数sとの比較結果に基づいてキャンセル適用強度を算出する。但し、キャンセル適用状態の場合にはキャンセル適用強度は1.0である。一方、キャンセル非適用状態の場合にはキャンセル適用強度は0.0である。
また、振動係数sに応じて連続的にキャンセル適用強度を決定する方法も考えられる。例えば、図4に示すように、キャンセル適用強度を0.0〜1.0の実数で定義することができる。このとき、キャンセル非適用状態は、キャンセル適用強度が0.0の状態として定義される。図4に例示したキャンセル適用強度の特性曲線は、振動係数sの増加に伴って滑らかにキャンセル適用強度が増減するものであるが、キャンセル適用強度の特性はこれに限定されない。例えば、振動係数s1からキャンセル適用強度が線形に増加し、振動係数s2(s2>s1)でキャンセル適用強度1.0に到達した後、振動係数s3(s3>s2)からキャンセル適用強度が線形に減少するような特性であってもよい。
次に、図8を参照しながら、フィルタ部117の動作について説明を補足する。図8は、フィルタ部117による処理の流れについて説明するための説明図である。
図8に示すように、フィルタ部117は、FIFOバッファ114から読み出した動きデータに基づいて次フレームの表示時刻における動きデータ(予測値;図9を参照)を予測する(S111)。次いで、フィルタ部117は、キャンセル適用強度に応じたタップ長を選択する(S112)。このとき、フィルタ部117は、レイヤーの用途毎に設定された重み係数をキャンセル適用強度に乗算し、その乗算結果からタップ長を選択する。
ここで、ステップS111における予測値の算出方法について説明する。
次に、ステップS113、S114における補正量の算出方法について説明する。
ここで、図14を参照しながら、本実施形態の一変形例に係るフィルタ部117の動作について説明する。図14は、同変形例に係るフィルタ部117により実行される処理の流れについて説明するための説明図である。
図14に示すように、フィルタ部117は、FIFOバッファ114から読み出した動きデータに基づいて次フレームの表示時刻における動きデータ(予測値;図9を参照)を予測する(S121)。次いで、フィルタ部117は、予測値を含む動きデータを所定のフィルタに適用してキャンセル適用後の予測値を算出する(S122)。次いで、フィルタ部117は、キャンセル適用後の予測値からフィルタ適用前の予測値を差し引いて補正量(図10を参照)を算出する(S123)。
ここで、ステップS125における減衰係数に応じた補正量の減衰処理について説明を補足する。先に述べたように、各レイヤーには、属性情報が対応付けられている。また、先に説明した例においては、各レイヤーに対して属性毎に重み係数が対応付けられていた。本変形例では、キャンセル適用強度を調整するための重み係数に代えて、補正量を調整するための減衰係数を導入する。本変形例の場合、例えば、図15〜図17に示すように、属性情報の種類に応じて減衰係数が予め設定されている。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、ユーザの操作状況に応じて、操作オブジェクトに対するキャンセル適用強度を調整する方法に関する。
まず、図18を参照しながら、本実施形態に係る携帯機器10の機能構成について説明する。図18は、本実施形態に係る携帯機器10の機能構成について説明するための説明図である。なお、上記の第1実施形態に係る携帯機器10と実質的に同じ機能を有する構成要素については同一の符号を付することにより詳細な説明を省略する。
距離センサ120は、図19に示すように、操作体14(例えば、ユーザの指やスタイラスなど)が表示部13の表面に近づいた場合に、操作体14と表示部13の表面との間の距離を検知する手段である。このような距離は、例えば、光学的に検知することも可能であるし、操作体14が近づくことにより生じる静電容量の変化から検知することも可能である。距離センサ120により検知された距離は、フィルタ部117に入力される。
先に説明したように、フィルタ部117は、状態検知部115により算出されたキャンセル適用強度、ユーザ入力部116を介して入力されたフィルタ強度、レイヤー毎に設定された重み係数に応じてフィルタのタップ長を選択する。そして、フィルタ部117は、選択したタップ長のフィルタに動きデータを通過させて得られるフィルタ適用後データから補正量を算出する。なお、先に説明した変形例のように、レイヤー毎に設定された減衰係数に応じて補正量に対する減衰処理が施されるように構成されていてもよい。このような構成にすることで、レイヤーの用途に応じたキャンセル適用強度の制御が実現される。
ここで、図19〜図21を参照しながら、本実施形態に係るキャンセル適用強度の調整方法について説明する。キャンセル適用強度の調整方法としては、重み係数を調整する方法と減衰係数を調整する方法がある。以下、それぞれの方法について説明する。
上記の第1実施形態のように、操作オブジェクトを含むレイヤーに対応する重み係数を0.0に設定し、そのレイヤーに対してキャンセルを適用しないことで、ユーザの操作性を向上させることができる。しかし、キャンセルが適用されないと、そのレイヤーに含まれる表示内容に対するユーザの視認性が低い状態となる。例えば、操作ボタン上に表示された文字の視認性が低い状態となる。そのため、操作オブジェクトを含むレイヤーに対して常にキャンセルを適用しないのではなく、ユーザが操作する際に、操作対象の操作オブジェクトを含むレイヤーがキャンセル非適用となるように制御すればよい。
重み係数を調整する場合と同様に、減衰係数を調整することにより、距離hに応じてキャンセルの強さを調整することができる。先に説明したように、減衰係数は、キャンセルの強さを表す補正量に乗算される。つまり、操作体14が表示部13に近づくにつれて操作オブジェクトを含むレイヤーに対するキャンセルの強さが弱まる。例えば、減衰係数は、図20に示すように、距離hが短くなるにつれて小さくなるように設定される。また、減衰係数と距離hとの関係は、図21のように設定されていてもよい。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態は、三次元仮想空間の奥行きの深さ(深度)に応じてフィルタ強度を決定する方法に関する。
まず、図22を参照しながら、本実施形態に係る携帯機器10の機能構成について説明する。図22は、本実施形態に係る携帯機器10の機能構成について説明するための説明図である。なお、上記の第1実施形態に係る携帯機器10と実質的に同じ機能を有する構成要素については同一の符号を付することにより詳細な説明を省略する。
ここで、図23〜図27を参照しながら、フィルタ部117による仮想カメラの位置と角度に関する補正量の調整方法について説明する。上記の通り、3DCGの場合、レンダリング後の画像データを補正するのではなく、仮想カメラの位置と角度を補正対象とする。なお、レンダリング後の画像データを補正する場合には、レンダリング後の画像データを1つの平面レイヤーと考え、上記の第1実施形態と同じ方法により補正すればよい。
上記の携帯機器10が有する各構成要素の機能は、例えば、図28に示す情報処理装置のハードウェア構成を用いて実現することが可能である。つまり、当該各構成要素の機能は、コンピュータプログラムを用いて図28に示すハードウェアを制御することにより実現される。なお、このハードウェアの形態は任意であり、例えば、パーソナルコンピュータ、携帯電話、PHS、PDA等の携帯情報端末、ゲーム機、又は種々の情報家電がこれに含まれる。但し、上記のPHSは、Personal Handy−phone Systemの略である。また、上記のPDAは、Personal Digital Assistantの略である。
最後に、本発明の実施形態に係る技術内容について簡単に纏める。ここで述べる技術内容は、例えば、PC、携帯電話、携帯ゲーム機、携帯情報端末、情報家電、カーナビゲーションシステム等、種々の情報処理装置に対して適用することができる。
上記の状態検知部115、フィルタ部117、補正ベクトル生成部118、動き補償部119は、動き補正部の一例である。また、上記の距離センサ120は、タッチセンサの一例である。上記の画像安定化モジュール11は、画像安定化装置の一例である。
11 画像安定化モジュール
111 画像データ取得部
112 動きセンサ
113 座標変換部
114 FIFOバッファ
115 状態検知部
116 ユーザ入力部
117 フィルタ部
118 補正ベクトル生成部
119 動き補償部
120 距離センサ
121 仮想空間取得部
122 仮想カメラレンダリング部
12 多重化部
13 表示部
Claims (9)
- 時系列の動きデータから振動を検出する振動センサと、
複数のレイヤーにより構成される画像データを取得する画像データ取得部と、
前記画像データ取得部により取得された画像データを表示する画像データ表示部と、
前記画像データを構成する各レイヤーの種類に応じた度合いで、前記画像データ取得部に対し、前記振動センサにより検出された振動をキャンセルする方向に当該各レイヤーを動かす制御を実行する動き補正部と、
を備える、
画像安定化装置。 - 前記動き補正部は、制御の対象となるレイヤーの種類がテキストの表示画面に対応する場合、前記振動をキャンセルする方向に当該レイヤーを動かす度合いを大きくする制御を実行する、
請求項1に記載の画像安定化装置。 - 前記動き補正部は、制御の対象となるレイヤーの種類が画面端付近に表示される補助的な情報の表示画面に対応する場合、前記振動をキャンセルする方向に当該レイヤーを動かす度合いを小さくするか、或いは、前記振動をキャンセルする方向に当該レイヤーを動かさない制御を実行する、
請求項1に記載の画像安定化装置。 - 前記動き補正部は、制御の対象となるレイヤーの種類が操作対象のオブジェクトに対応する場合、前記振動をキャンセルする方向に当該レイヤーを動かす度合いを小さくするか、或いは、前記振動をキャンセルする方向に当該レイヤーを動かさない制御を実行する、
請求項1又は2に記載の画像安定化装置。 - 前記画像データ表示部の上部に操作体が近接又は接触した状態、及び、前記画像データ表示部から前記操作体までの距離を検知することが可能なタッチセンサをさらに備え、
前記動き補正部は、前記タッチセンサにより検知された距離が所定の距離よりも短い場合、操作対象のオブジェクトに対応するレイヤーを、前記振動をキャンセルする方向に動かさない制御を実行する、
請求項4に記載の画像安定化装置。 - 前記動き補正部は、前記画像データが3次元仮想空間を表現した3次元データである場合、前記3次元仮想空間の奥行き方向の深度に応じた度合いで、前記振動をキャンセルする方向に前記各レイヤーを動かす制御を実行する、
請求項1に記載の画像安定化装置。 - 前記動き補正部は、前記3次元仮想空間の消失点において前記振動がキャンセルされるように、前記振動をキャンセルする方向に前記各レイヤーを動かす制御を実行する、
請求項6に記載の画像安定化装置。 - 時系列の動きデータから振動を検出する振動検出ステップと、
複数のレイヤーにより構成される画像データを取得する画像データ取得ステップと、
前記画像データ取得ステップで取得された画像データを表示する画像データ表示ステップと、
前記画像データ取得ステップにおいて、前記画像データを構成する各レイヤーの種類に応じた度合いで、前記振動検出ステップで検出された振動をキャンセルする方向に当該各レイヤーを動かす制御を実行する動き補償ステップと、
を含む、
画像安定化方法。 - 時系列の動きデータから振動を検出する振動センサ機能と、
複数のレイヤーにより構成される画像データを取得する画像データ取得機能と、
前記画像データ取得機能により取得された画像データを表示する画像データ表示機能と、
前記画像データを構成する各レイヤーの種類に応じた度合いで、前記画像データ取得機能に対し、前記振動センサ機能により検出された振動をキャンセルする方向に当該各レイヤーを動かす制御を実行する動き補償機能と、
をコンピュータに実現させるためのプログラム。
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