JP2011257162A - 位置推定判定装置及び位置推定判定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】位置情報を受け付ける利用者を混乱させにくくすることができる位置推定判定装置及び位置推定判定方法を提供すること。
【解決手段】移動局の位置を推定する推定装置が、水平偏波及び垂直偏波の双方を受信可能なアンテナを有し、かかるアンテナによって受信された水平偏波の受信電界強度と垂直偏波の受信電界強度との比である偏波比を算出するとともに、偏波比の時間変動量を算出し、偏波比が大きく、かつ、偏波比の時間変動量が小さいほど、位置推定精度が高いと判定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、位置推定判定装置及び位置推定判定方法に関する。
近年、移動局の所在位置を推定する位置推定技術が知られている。位置推定技術は、例えば、現在地を表示する機能や、利用者が所望する目的地までナビゲーションするナビ機能を提供する場合などに用いられる。
位置推定技術では、例えば、移動局と受信局との間で送受される信号の受信電界強度に基づいて、移動局の位置を推定する。かかる手法を用いる場合は、予め受信電界強度と受信局から移動局までの距離との対応関係を測定しておき、かかる測定結果を受信局が保持しておく。そして、移動局の所在位置を推定する場合には、複数の受信局が、移動局から送信される信号を受信し、受信電界強度を測定する。そして、複数の受信局は、検証環境において測定済みの受信電界強度と受信局から移動局までの距離との対応関係に基づいて、受信電界強度に対応する距離を取得する。そして、複数の受信局のうち代表となる受信局や位置推定装置が、各々の受信局によって得られた距離に基づいて、移動局の所在位置を推定する。
また、位置推定技術の他の例としては、最尤推定法(Maximum Likelihood Estimation)を用いた手法がある。最尤推定法を用いた手法も、上記例と同様に、予め検証環境において、移動局と受信局との間で信号を送受することで、受信電界強度と受信局から移動局までの距離との対応関係を保持しておくことになる。
このような受信電界強度を用いた位置推定技術は、移動局と受信局との間に障害物が存在する場合であっても、移動局と受信局との間で通信が可能な環境であれば実現できる。したがって、受信電界強度を用いた位置推定技術は、移動局が建物内や地下街等に所在する場合であっても適用することができる。
特開2008−216084号公報
しかしながら、上記の従来技術には、正確な位置情報を提供できずに、利用者を混乱させるおそれがあるという問題がある。
具体的には、検証環境と運用環境とでは、信号の伝搬環境が異なる場合があるので、検証環境において測定した受信電界強度と距離との対応関係は、運用環境における受信電界強度と距離との対応関係と異なる場合がある。例えば、検証環境においては、一般に、移動局と受信局との間に障害物が存在しない状況で受信電界強度と距離との対応関係を測定する。しかし、運用環境においては、移動局があらゆる環境下に移動するので、移動局と受信局との距離が同一であっても、受信局において検出される受信電界強度が変動する。
したがって、受信局は、位置推定処理を行う場合に、検証環境で測定した受信電界強度と距離との対応関係から、実際の移動局と受信局との正確な距離情報を取得できるとは限らない。このため、受信局は、利用者の位置情報を正確に推定することが困難であり、その結果、誤差を含む位置情報を利用者に提供するおそれがある。このようなことから、上記の従来技術を用いると、正確な位置情報を提供できずに、利用者を混乱させるという問題を招く。
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、位置情報を受け付ける利用者を混乱させにくくすることができる位置推定判定装置及び位置推定判定方法を提供することを目的とする。
本願の開示する位置推定判定装置は、一つの態様において、水平偏波及び垂直偏波を含む信号を受信するアンテナと、前記アンテナによって受信された信号の受信電界強度に基づいて、該信号の送信元である移動局の所在位置を推定する位置推定部と、前記アンテナによって受信された水平偏波の受信電界強度と垂直偏波の受信電界強度との比である偏波比を算出する偏波比算出部と、前記偏波比算出部によって算出された偏波比の時間変動量を算出する偏波比変動算出部と、前記偏波比算出部によって算出された偏波比が大きく、かつ、前記偏波比変動算出部によって算出された偏波比の時間変動量が小さいほど、前記位置推定部によって推定された所在位置の精度が高いと判定する品質判定部とを有する。
本願の開示する位置推定判定装置及び位置推定判定方法の一つの態様によれば、位置情報を受け付ける利用者を混乱させにくくすることができるという効果を奏する。
図1は、実施例1に係る位置推定判定装置の構成例を示すブロック図である。 図2は、実施例2に係る基地局を有する測位システムの構成例を示す図である。 図3は、実施例2に係る基地局が有するアンテナを模式的に示す図である。 図4は、実施例2における携帯電話機の構成例を示すブロック図である。 図5は、実施例2に係る基地局の構成例を示すブロック図である。 図6は、相対角算出部による相対角度算出処理の一例を示す図である。 図7は、偏波比算出部による偏波比算出処理の一例を示す図である。 図8は、偏波比の時間変動の一例を示す図である。 図9は、品質判定部による品質判定結果の一例を示す図である。 図10は、実施例2における携帯電話機による処理手順を示すフローチャートである。 図11は、実施例2に係る基地局による処理手順を示すフローチャートである。 図12は、品質判定部による品質判定処理手順を示すフローチャートである。 図13は、実施例3に係る位置推定判定装置を有する測位システムの構成例を示す図である。 図14は、実施例3における基地局の構成例を示すブロック図である。 図15は、実施例3に係る位置推定判定装置の構成例を示すブロック図である。 図16は、携帯電話機が品質判定処理を行う場合における基地局及び携帯電話機による処理手順を示すシーケンス図である。 図17は、位置推定判定プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
以下に、本願の開示する位置推定判定装置及び位置推定判定方法の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例により本願の開示する位置推定判定装置及び位置推定判定方法が限定されるものではない。
まず、図1を用いて、実施例1に係る位置推定判定装置について説明する。図1は、実施例1に係る位置推定判定装置の構成例を示すブロック図である。図1に示すように、実施例1に係る位置推定判定装置1は、アンテナ2と、位置推定部3と、偏波比算出部4と、偏波比変動算出部5と、品質判定部6とを有する。
アンテナ2は、外部から送信される信号の水平偏波及び垂直偏波の双方を受信する。すなわち、実施例1におけるアンテナ2は、水平偏波及び垂直偏波の双方を受信できるように、各偏波方向に対応したアンテナ素子を有する。
位置推定部3は、移動局から送信される信号がアンテナ2によって受信された場合に、かかる信号の受信電界強度に基づいて、移動局の位置を推定する。なお、位置推定部3は、アンテナ2によって受信された水平偏波又は垂直偏波のいずれを用いて位置推定処理を行ってもよい。
偏波比算出部4は、アンテナ2によって受信された水平偏波の受信電界強度と、垂直偏波の受信電界強度との比を算出する。なお、以下では、水平偏波の受信電界強度と、垂直偏波の受信電界強度との比を「偏波比」と表記する場合がある。
偏波比変動算出部5は、偏波比算出部4によって算出された偏波比の時間変動量を算出する。例えば、偏波比変動算出部5は、偏波比算出部4によって定期的に算出される偏波比の変動量を、偏波比算出部4によって偏波比が算出される時間間隔により除算することで、偏波比の時間変動量を算出する。
品質判定部6は、偏波比算出部4によって算出された偏波比と、偏波比変動算出部5によって算出された偏波比の時間変動量とに基づいて、位置推定部3による位置の推定精度を判定する。具体的には、品質判定部6は、偏波比算出部4によって算出された偏波比が大きいほど、位置推定部3の位置推定精度が高いと判定する。また、品質判定部6は、偏波比変動算出部5によって算出された偏波比の時間変動量が小さいほど、位置推定部3の位置推定精度が高いと判定する。
このように判定する理由を説明する。一般に、移動局は、単一偏波成分のみを送信する。したがって、仮に移動局が垂直偏波を送信している際に、移動局と位置推定判定装置1との間に障害物が存在しない場合等の理想的な環境では、位置推定判定装置1は、移動局からほぼ垂直偏波のみを受信する。しかし、移動局と位置推定判定装置1との間に障害物が存在する場合には、移動局から送信された垂直偏波が障害物に反射等することにより変化するので、位置推定判定装置1は、水平偏波も検出することになる。
すなわち、位置推定判定装置1は、移動局から垂直偏波が送信された場合に、例えば、受信した垂直偏波を水平偏波により除算した偏波比が大きいほど、移動局と位置推定判定装置1との間に存在する障害物が少ないと判定できる。移動局と位置推定判定装置1との間に障害物が存在しない環境は、上述した受信電界強度と距離との対応関係を測定する検証環境に近い環境であるといえる。このようなことから、品質判定部6は、偏波比算出部4によって算出された偏波比が大きいほど、位置推定部3の位置推定精度が高いと判定することができる。
一方、位置推定判定装置1は、垂直偏波と水平偏波との比率が小さいほど、移動局と位置推定判定装置1との間に多くの障害物が存在すると判定できる。これは、移動局と位置推定判定装置1との間に多くの障害物が存在する場合には、例えば、移動局から送信された垂直偏波が障害物に反射することで変化して位置推定判定装置1に届いたと考えられるからである。
また、偏波比の時間変動量が大きい場合には、移動局が所在する環境の変化が激しいことを意味する。言い換えれば、偏波比の時間変動量が大きい場合には、移動局が高速に移動していることを意味する。移動局が高速に移動している場合には、一般に、位置推定部3の位置推定精度が下がる。一方、偏波比の時間変動量が小さい場合には、移動局が停止しているか、又は、低速で移動していることを意味する。移動局が停止又は低速移動している場合には、一般に、位置推定部3の位置推定精度は高くなる。このようなことから、品質判定部6は、偏波比変動算出部5によって算出された偏波比の時間変動量が小さいほど、位置推定部3の位置推定精度が高いと判定することができる。
このように、実施例1に係る位置推定判定装置1は、受信した水平偏波の受信電界強度と垂直偏波の受信電界強度との偏波比に基づいて、位置推定部3の位置推定精度を判定する。また、位置推定判定装置1は、偏波比の時間変動量に基づいて、位置推定部3の位置推定精度を判定する。これにより、位置推定判定装置1は、移動局と位置推定判定装置1との伝搬状態を判定し、位置推定部3の位置推定精度を判定することができる。
例えば、位置推定判定装置1は、位置推定部3によって推定された位置情報とともに、位置推定部3の位置推定精度を移動局等に送信することで、移動局の利用者を混乱させにくくすることができる。具体的には、利用者は、位置推定精度に基づいて、位置推定判定装置1から受信した位置情報の信頼度を認識することができるので、仮に位置情報に誤りがあっても混乱することがない。
なお、位置推定判定装置1は、移動局から水平偏波が送信される場合には、受信した水平偏波を垂直偏波により除算した偏波比を算出し、算出した偏波比を用いて、移動局と位置推定判定装置1との伝搬状態を判定し、位置推定部3の位置推定精度を判定することができる。
次に、実施例2では、上記実施例1において説明した位置推定判定装置1を有する測位システムについて説明する。なお、実施例2では、実施例1に係る位置推定判定装置1を基地局に適用し、実施例1における移動局を携帯電話機に適用する場合について説明する。
[実施例2における測位システムの構成]
まず、図2を用いて、実施例2に係る基地局を有する測位システムについて説明する。図2は、実施例2に係る基地局を有する測位システムの構成例を示す図である。図2に示すように、実施例2における測位システムSY1は、携帯電話機10と、基地局100a〜100dを有する。
携帯電話機10は、実施例1において説明した移動局に対応し、基地局100a〜100dに対して、垂直偏波又は水平偏波のいずれか一方を送信する。なお、実施例2における携帯電話機10は、垂直偏波を送信するものとする。
基地局100a〜100dは、携帯電話機10から送信される垂直偏波の受信電界強度を計測する。そして、基地局100a〜100dのうち代表となる基地局は、基地局100a〜100dによって計測された受信電界強度に基づいて、携帯電話機10の所在位置を推定する。図2に示した例では、基地局100aが、代表の基地局であり、携帯電話機10の所在位置を推定するものとする。すなわち、基地局100aは、実施例1において説明した位置推定判定装置1に対応する。
ここで、基地局100aは、水平偏波及び垂直偏波の双方を受信できるアンテナを有する。図3に、実施例2に係る基地局100aが有するアンテナを模式的に示す。図3に示すように、基地局100は、アンテナ110を有する。アンテナ110は、水平偏波を受信できるように、水平偏波方向に水平偏波成分受信用の偏波面を有するとともに、垂直偏波を受信できるように、垂直偏波方向に垂直偏波成分受信用の偏波面を有する。これにより、アンテナ110は、図3に示すように、垂直偏波Eと、水平偏波Eとを受信することができる。
そして、基地局100aは、携帯電話機10から送信された信号がアンテナ110によって受信された場合に、アンテナ110によって受信された水平偏波の受信電界強度と、垂直偏波の受信電界強度との比である偏波比を算出する。また、基地局100aは、偏波比の時間変動量を算出する。そして、基地局100aは、偏波比と、かかる偏波比の時間変動量とに基づいて、位置推定精度を判定し、判定結果を携帯電話機10に送信する。これにより、携帯電話機10の利用者は、基地局100aから送信される推定位置情報の精度を認識することができる。
以下に、図2に示した携帯電話機10及び基地局100aの構成及び処理手順等を説明する。なお、以下の説明では、所在位置を推定する処理等を行う代表の基地局100aを単に「基地局100」と表記する場合がある。
[実施例2における携帯電話機の構成]
次に、図4を用いて、図2に示した携帯電話機10の構成について説明する。図4は、実施例2における携帯電話機10の構成例を示すブロック図である。図4に示すように、実施例2における携帯電話機10は、アンテナ11と、傾度測定部12と、送信部13と、受信部14と、表示部15とを有する。なお、図4に示した例では、主に、実施例2に係る基地局100による位置推定判定処理と関連する処理部を図示している。
アンテナ11は、各種信号を空中へ発射することで基地局100a〜100d等の外部装置に各種信号を送信する。また、アンテナ11は、基地局100a〜100d等の外部装置から送信される信号を受信する。
傾度測定部12は、所定の基準方向に対する携帯電話機10の傾き角度を測定する。実施例2における傾度測定部12は、例えば磁気センサや加速度センサ等であり、鉛直方向を所定の基準方位とし、鉛直方向と携帯電話機10とのなす角度を測定するものとする。以下では、鉛直方向と携帯電話機10とのなす角度を「傾度」と表記する場合がある。なお、傾度測定部12は、後述する基地局100から、傾度測定要求を受け付けた場合に、傾度を測定する。傾度測定部12が傾度を測定する理由は、基地局100とともに説明する。
送信部13は、アンテナ11を介して、外部に信号を送信する。例えば、送信部13は、アンテナ11を介して垂直偏波を定期的に送信する。また、例えば、送信部13は、傾度測定部12によって測定された携帯電話機10の傾度を基地局100へ送信する。
受信部14は、アンテナ11を介して、基地局100等の外部装置から信号を受信する。例えば、受信部14は、基地局100から、携帯電話機10の所在位置を示す位置情報や、かかる位置情報の精度を示す品質判定情報を受信する。
表示部15は、各種情報を表示する表示デバイスであり、例えば、液晶ディスプレイやスピーカ等である。例えば、表示部15は、受信部14によって受信された位置情報や、かかる位置情報の精度を示す品質判定情報を表示する。
[実施例2に係る基地局の構成]
次に、図5を用いて、実施例2に係る基地局100の構成について説明する。図5は、実施例2に係る基地局100の構成例を示すブロック図である。図5に示すように、実施例2に係る基地局100は、アンテナ110と、受信電界強度計測部120と、サンプリング周波数算出部130と、受信制御部140と、位置推定部150とを有する。
アンテナ110は、各種信号を空中へ発射することで携帯電話機10等の外部装置に各種信号を送信する。また、アンテナ110は、携帯電話機10等の外部装置から送信される信号を受信する。
実施例2におけるアンテナ110は、図3に示したように、水平偏波及び垂直偏波の双方を受信できるように、各偏波方向に対応した素子を有する。具体的には、アンテナ110は、RF(Radio Frequency)スイッチを有し、後述する受信制御部140によってRFスイッチが切り替えられることにより、水平偏波用給電点と垂直偏波用給電点とが切り替えられる。これにより、アンテナ110は、携帯電話機10から送信される信号の垂直偏波成分を受信することができる。さらに、アンテナ110は、携帯電話機10から送信される信号の水平偏波成分を受信することができる。
受信電界強度計測部120は、アンテナ110によって受信された信号の受信電界強度を測定する。具体的には、受信電界強度計測部120は、アンテナ110において水平偏波素子が選択された場合には、水平偏波の受信電界強度を測定する。また、受信電界強度計測部120は、アンテナ110において垂直偏波素子が選択された場合には、垂直偏波の受信電界強度を測定する。
ここで、受信電界強度計測部120は、アンテナ110が水平偏波を受信するように切り替えられている間に、アンテナ110によって受信される水平偏波を所定のサンプリング数だけサンプリングして、水平偏波の受信電界強度を計測する。そして、受信電界強度計測部120は、サンプリング数分の受信電界強度の平均値を算出し、算出した平均値を水平偏波の受信電界強度とする。同様に、受信電界強度計測部120は、アンテナ110が垂直偏波を受信するように切り替えられている間に、アンテナ110によって受信される垂直偏波を所定のサンプリング数だけサンプリングして、サンプリング数分の受信電界強度の平均値を算出することで、垂直偏波の受信電界強度を計測する。
以下では、受信電界強度計測部120によって水平偏波がサンプリングされるサンプリング数と、垂直偏波がサンプリングされるサンプリング数との合計のサンプリング数を「N」とする。なお、受信電界強度計測部120によって水平偏波及び垂直偏波がサンプリングされる際のサンプリング周波数は、後述するサンプリング周波数算出部130によって算出される。すなわち、受信電界強度計測部120は、後述するサンプリング周波数算出部130によって算出されるサンプリング周波数に従って、水平偏波及び垂直偏波をサンプリングする。
サンプリング周波数算出部130は、受信電界強度計測部120によって水平偏波及び垂直偏波がサンプリングされる際に用いられるサンプリング周波数を算出する。以下に、サンプリング周波数の望ましい値について説明する。
携帯電話機10や基地局100や障害物等の反射体がマルチパス空間を移動すると、ドップラ偏移の影響を受けて、携帯電話機10や基地局100が受信する信号の振幅や位相は時間変動する。ただし、かかる時間変動の周期よりも非常に短い時間内であれば、チャネルのインパルス応答に相関が存在し、チャネルがほぼ変化していないとみなせる。以下では、かかる時間変動の周期を「コヒーレンス時間」と呼ぶこととする。したがって、アンテナ110の水平偏波用給電点と垂直偏波用給電点とが切り替わる間隔は、「コヒーレンス時間」よりも短い間隔であることが望ましい。そして、受信電界強度計測部120による水平偏波及び垂直偏波に対する「N」回のサンプリングは、「コヒーレンス時間」よりも短い時間内に行われることが望ましい。
そこで、サンプリング周波数算出部130は、上記の条件を十分に満たすサンプリング周波数を算出する。具体的には、サンプリング周波数算出部130は、受信電界強度計測部120によって測定された受信電界の水平偏波成分の時間波形及び垂直偏波成分の時間波形を取得する。そして、サンプリング周波数算出部130は、取得した水平偏波成分の時間波形と、垂直偏波成分の時間波形とをフーリエ変換してドップラ周波数「f」を取得する。ここで、コヒーレンス時間「T」は、最大ドップラ周波数「f」の逆数とほぼ等しい。したがって、コヒーレンス時間「T」よりも短い時間内に、水平偏波及び垂直偏波に対する「N」回のサンプリングを完了させるためには、サンプリング周期=「1/f×N」よりも短いサンプリング周期であることを要する。
実施例2におけるサンプリング周波数算出部130は、コヒーレンス時間「T」の「1/10」の時間内に、水平偏波及び垂直偏波に対する「N」回のサンプリングを完了させるサンプリング周期を算出するものとする。したがって、サンプリング周波数算出部130は、以下の式(1)により表されるサンプリング周期「T」を算出する。
Figure 2011257162
そして、サンプリング周波数算出部130は、上記式(1)の逆数を求めることにより、サンプリング周波数を算出する。
なお、サンプリング周波数算出部130は、携帯電話機10の利用者が低速でのみ移動する場合には、上記式(1)に示したサンプリング周期を算出しなくてもよい。例えば、携帯電話機10の利用者が歩行している場合には、携帯電話機10の移動速度は時速4[km]程度であり、最大ドップラ周波数「f」は約10[Hz]となる。したがって、サンプリング周波数算出部130は、携帯電話機10の利用者が歩行していることが予め通知されている場合には、以下の式(2)により表されるサンプリング周期「T」を算出してもよい。
Figure 2011257162
サンプリング周波数算出部130は、上記式(2)を用いてサンプリング周期を算出する場合には、受信電界の時間波形をフーリエ変換しなくてよいので、処理負荷を低減することができる。なお、基地局100は、例えば、自装置が地下などに設置されている場合には、利用者が高速で移動する可能性が低いと判定し、上記式(2)を用いてサンプリング周期を算出するようにしてもよい。また、基地局100は、携帯電話機10から移動速度を取得し、移動速度が低速であり、かつ、一定時間変化がない場合には、上記式(2)を用いてサンプリング周期を算出するようにしてもよい。
このように、サンプリング周波数算出部130は、受信電界強度計測部120によって計測される受信電界強度を用いて、リアルタイムにコヒーレンス時間を測定する。そして、サンプリング周波数算出部130は、コヒーレンス時間よりも十分に短い時間内に、受信電界強度計測部120による水平偏波及び垂直偏波に対する「N」回のサンプリングが完了できるように適応的にサンプリング周波数を算出する。これにより、受信電界強度計測部120は、利用者の移動速度が変動する場合であっても、ドップラ偏移の影響をほぼ受けていない水平偏波及び垂直偏波を計測することができる。
受信制御部140は、アンテナ110のRFスイッチを切り替えることにより、アンテナ110が受信する偏波を水平偏波又は垂直偏波のいずれかに切り替える。具体的には、受信制御部140は、サンプリング周波数算出部130によって算出されたサンプリング周波数に基づいて、アンテナ110のRFスイッチを切り替える。すなわち、受信制御部140は、受信電界強度計測部120による水平偏波及び垂直偏波に対する「N」回のサンプリングは、「コヒーレンス時間」よりも短い時間内に完了するように、アンテナ110のRFスイッチを切り替える。
位置推定部150は、受信電界強度計測部120によって測定された受信電界強度に基づいて、基地局100と携帯電話機10との距離を推定する。なお、位置推定部150は、基地局100と携帯電話機10との距離を推定する場合には、受信電界強度計測部120によって測定された水平偏波の受信電界強度又は垂直偏波の受信電界強度のいずれを用いてもよい。例えば、位置推定部150は、携帯電話機10が垂直偏波を送信することが決められている場合には、受信電界強度計測部120によって測定された垂直偏波の受信電界強度を用いて、基地局100と携帯電話機10との距離を推定してもよい。また、例えば、位置推定部150は、携帯電話機10が水平偏波を送信することが決められている場合には、受信電界強度計測部120によって測定された水平偏波の受信電界強度を用いて、基地局100と携帯電話機10との距離を推定してもよい。
また、位置推定部150は、例えば、測位システムSY1に含まれる他の基地局によって推定された距離を用いて、携帯電話機10の所在位置を推定する。例えば、図2に示した例において、基地局100a〜100dは、自装置と携帯電話機10との距離を推定する。ここでは、基地局100が基地局100aであるので、基地局100b〜100dは、推定した距離を示す距離情報を基地局100に送信する。そして、基地局100の位置推定部150は、基地局100b〜100dから受信した距離情報と、自身が推定した距離情報とを用いて、携帯電話機10の所在位置を推定する。そして、位置推定部150は、推定した所在位置を示す推定位置情報を携帯電話機10へ送信する。なお、位置推定部150による位置推定手法については、後に詳述する。
また、基地局100は、図5に示すように、傾度測定部160と、相対角算出部170と、偏波比算出部180と、品質判定部190とを有する。これらの傾度測定部160等は、位置推定部150によって算出される推定位置情報の精度を判定する処理を行う。以下に、各処理部について具体的に説明する。
傾度測定部160は、所定の基準方向に対する基地局100の傾き角度を測定する。実施例2における傾度測定部160は、上記の傾度測定部12と同様に、鉛直方向を所定の基準方位とし、鉛直方向と基地局100とのなす角度を測定するものとする。
相対角算出部170は、基地局100と携帯電話機10との相対角度を算出する。具体的には、相対角算出部170は、相対角度を算出する場合に、携帯電話機10に対して傾度測定要求を送信する。これにより、相対角算出部170は、かかる傾度測定要求に応答した携帯電話機10から携帯電話機10の傾度を受信する。そして、相対角算出部170は、傾度測定部160によって算出された基地局100の傾度から、携帯電話機10の傾度を減算することにより、基地局100と携帯電話機10との相対角度を算出する。
図6を用いて、相対角算出部170による相対角度算出処理について説明する。図6は、相対角算出部170による相対角度算出処理の一例を示す図である。図6に示した例では、Z方向が鉛直方向であるものとする。図6に示すように、基地局100は、鉛直方向Zに対して角度「θ1」だけ傾いている。すなわち、図6に示した例では、基地局100の傾度は「θ1」である。また、図6に示すように、携帯電話機10は、鉛直方向Zに対して角度「θ2」だけ傾いている。すなわち、図6に示した例では、携帯電話機10の傾度は「θ2」である。
なお、図6に示した例において、鉛直方向Zよりも右側(東方向)に傾いている場合には傾度が「+(プラス)」であり、鉛直方向Zよりも左側(西方向)に傾いている場合には傾度が「−(マイナス)」であるものとする。したがって、基地局100の傾度は「−θ1」であり、携帯電話機10の傾度は「θ2」である。
相対角算出部170は、図6に示した例において、携帯電話機10の傾度「θ2」から、基地局100の傾度「−θ1」を減算することで「θ2−(−θ1)」を得る。そして、相対角算出部170は、かかる減算結果の絶対値を基地局100と携帯電話機10との相対角度とする。
偏波比算出部180は、受信電界強度計測部120によって計測された水平偏波及び垂直偏波の受信電界強度と、相対角算出部170によって算出された相対角度を用いて、偏波比を算出する。具体的には、基地局100と携帯電話機10の傾度の減算結果がプラスであった場合は、偏波比算出部180は、以下の式(3)により表される偏波比Rを算出する。一方、基地局100と携帯電話機10の傾度の減算結果がマイナスであった場合は、偏波比算出部180は、式(4)により表される偏波比Rを算出する。
Figure 2011257162
Figure 2011257162
上記式(3)及び(4)のうち、「E」は、受信電界強度計測部120によって計測された水平偏波の受信電界強度の絶対値を示す。また、「E」は、受信電界強度計測部120によって計測された垂直偏波の受信電界強度の絶対値を示す。また、「Δθ」は、相対角算出部170によって算出された相対角度を示す。
ここで、図7を用いて、偏波比算出部180が上記(3)又は(4)に表される偏波比を算出する理由について説明する。図7は、偏波比算出部180による偏波比算出処理の一例を示す図である。
図7に示した例において、「水平偏波軸」は、基地局100が有するアンテナ110における水平偏波方向に対応する。また、「垂直偏波軸」は、アンテナ110における垂直偏波方向に対応する。また、アンテナ110は、受信電界強度の絶対値が「E」である垂直偏波を受信し、受信電界強度の絶対値が「E」である水平偏波を受信しているものとする。また、相対角算出部170によって算出された相対角度は「Δθ」であるものとする。
図7に示した例のように、基地局100の垂直偏波軸方向に対して、垂直偏波を送信する携帯電話機10のアンテナの向きが傾いている場合がある。図7に示した例では、相対角算出部170によって算出された相対角度が「Δθ」であるので、携帯電話機10から送信された垂直偏波は、本来、図7に示したX方向の偏波である。このように、基地局100及び携帯電話機10の垂直偏波成分受信用アンテナの偏波面が一致していない場合には、仮に伝搬状況が良好であっても、携帯電話機10から送信された垂直偏波は、基地局100によって全ての成分を受信されない場合がある。このことは、水平偏波成分受信用アンテナの偏波面が一致していない場合にも同様のことがいえる。
基地局100によって計測される垂直偏波や水平偏波の受信電界強度が伝搬状況以外の要因で変動してしまうと、位置推定精度の判定がやや不正確になるおそれがある。これは、上述したように、偏波比が低下した場合には、携帯電話機10と基地局100との間に障害物等の反射体が存在すると判定するからである。すなわち、携帯電話機10が傾いていることが原因で偏波比が低下してしまうと、実際には位置推定精度が「良好」であるにもかかわらず、基地局100は、例えば「やや良好」と判定してしまうおそれがある。
そこで、実施例2における偏波比算出部180は、アンテナ110によって受信された水平偏波及び垂直偏波の受信電界強度を相対角度「Δθ」によって補正する。これにより、偏波比算出部180は、基地局100及び携帯電話機10における各偏波成分受信用アンテナの偏波面が一致している状態と同様の状態にする。
図7に示した例では、偏波比算出部180は、垂直偏波の受信電界強度「E」に「cos(Δθ)」を乗算することにより、基地局100の垂直偏波成分受信用アンテナの偏波面と、携帯電話機10の垂直偏波成分受信用アンテナの偏波面とが一致している状態と同様の状態にする。また、偏波比算出部180は、垂直偏波の受信電界強度「E」に「sin(Δθ)」を乗算することにより、基地局100の水平偏波成分受信用アンテナの偏波面と、携帯電話機10の水平偏波成分受信用アンテナの偏波面とが一致している状態と同様の状態にする。
偏波比算出部180は、水平偏波についても同様の処理を行う。すなわち、偏波比算出部180は、図7に示した例のように、水平偏波の受信電界強度「E」に「cos(Δθ)」を乗算し、水平偏波の受信電界強度「E」に「sin(Δθ)」を乗算する。
このように処理することで、偏波比算出部180は、基地局100の傾度と携帯電話機10の傾度との減算結果がプラスであることから、携帯電話機10から送信された垂直偏波として「E・cos(Δθ)+E・sin(Δθ)」を算出することができる。また、偏波比算出部180は、携帯電話機10から送信された水平偏波として「−E・sin(Δθ)+E・cos(Δθ)」を算出することができる。そして、偏波比算出部180は、このように相対角度「Δθ」によって補正した垂直偏波及び水平偏波を用いて、上記式(3)に示した偏波比を算出する。
なお、基地局100の傾度と携帯電話機10の傾度との減算結果がマイナスである場合には、偏波比算出部180は、携帯電話機10から送信された垂直偏波として「E・cos(Δθ)−E・sin(Δθ)」を算出する。また、偏波比算出部180は、携帯電話機10から送信された水平偏波として「E・sin(Δθ)+E・cos(Δθ)」を算出する。そして、偏波比算出部180は、このように相対角度「Δθ」によって補正した垂直偏波及び水平偏波を用いて、上記式(4)に示した偏波比を算出する。
また、偏波比算出部180は、時間微分値を用いて偏波比の時間変動量を算出する。例えば、偏波比算出部180は、「(RPn+1−RPn)/(tn+1−t)」を演算することにより、偏波比の時間変動量を算出する。なお、「Δt=(tn+1−t)」は、コヒーレンス時間よりも十分に短い時間に設定される。これにより、偏波比算出部180は、偏波比の時間変動量を正確に算出することができる。
品質判定部190は、偏波比算出部180によって算出された偏波比と、偏波比の時間変動量に基づいて、位置推定部150による位置推定精度を判定する。具体的には、品質判定部190は、偏波比「R」が所定の閾値「δ」よりも大きいか否かを判定する。また、偏波比算出部180は、偏波比の時間変動量「dR/dt」が所定の閾値「ζ」〜「ζ」の範囲内に含まれるか否かを判定する。なお、「ζ」<「ζ」である。
そして、品質判定部190は、位置推定部150による位置推定精度について、指標値を割り当てる。例えば、品質判定部190は、位置推定精度の指標値として、位置推定品質「良」、「中」、「悪」のいずれかを割り当てる。
ここで、図8及び図9を用いて、品質判定部190による品質判定処理の一例について説明する。図8は、偏波比の時間変動の一例を示す図である。図9は、品質判定部190による品質判定結果の一例を示す図である。なお、図8の縦軸は偏波比「R」を示し、図8の横軸は時間を示す。また、図9に示した「伝搬状態」の「LOS」は、携帯電話機10と基地局100との間に存在する障害物が少なく、見通し状態(Line Of Sight)であることを示す。また、図9に示した「伝搬状態」の「NLOS」は、携帯電話機10と基地局100との間に存在する障害物が多く、見通し外状態(Non Line Of Sight)であることを示す。
図8に例示した区間C1において、品質判定部190は、偏波比「R」が閾値「δ」よりも大きく、かつ、偏波比が変動していないと判定する。かかる場合には、品質判定部190は、携帯電話機10と基地局100との間には障害物がほとんどない状態であり、携帯電話機10から送信された垂直偏波が基地局100にほぼ変化なく届いたと判定する。したがって、品質判定部190は、例えば、図9に示した例のように、位置推定部150による位置推定品質が「良」であると判定する。
また、図8に例示した区間C2において、品質判定部190は、偏波比「R」が閾値「δ」よりも大きく、かつ、偏波比がゆるやかに変動していると判定する。かかる場合には、品質判定部190は、例えば、図9に示した例のように、位置推定部150による位置推定品質が「中」であると判定する。
また、図8に例示した区間C3において、品質判定部190は、偏波比「R」が閾値「δ」以下であり、かつ、偏波比がゆるやかに変動していると判定する。かかる場合には、品質判定部190は、例えば、図9に示した例のように、位置推定部150による位置推定品質が「悪」であると判定する。
また、図8に例示した区間C4において、品質判定部190は、偏波比「R」が閾値「δ」以下であり、かつ、偏波比が変動していないと判定する。かかる場合には、品質判定部190は、例えば、図9に示した例のように、位置推定部150による位置推定品質が「中」であると判定する。
また、図8に例示した区間C5において、品質判定部190は、偏波比がすばやく変動していると判定する。かかる場合には、品質判定部190は、例えば、図9に示した例のように、位置推定部150による位置推定品質が「悪」であると判定する。
品質判定部190は、このようにして判定した位置推定品質を携帯電話機10へ送信する。携帯電話機10は、例えば、位置推定品質が「良」である場合には「○」を表示したり、位置推定品質が「中」である場合には「△」を表示したり、位置推定品質が「悪」である場合には「×」を表示したりする。これにより、携帯電話機10の利用者は、視覚的に位置推定品質を把握することができる。
[実施例2における携帯電話機による処理手順]
次に、図10を用いて、実施例2における携帯電話機10による処理の手順について説明する。図10は、実施例2における携帯電話機10による処理手順を示すフローチャートである。
図10に示すように、携帯電話機10の送信部13は、垂直偏波を送信する(ステップS101)。そして、携帯電話機10の傾度測定部12は、基地局100から傾度測定要求を受け付けた場合に(ステップS102肯定)、携帯電話機10の傾度を測定する(ステップS103)。そして、傾度測定部12は、携帯電話機10の傾度を基地局100に送信する(ステップS104)。
[実施例2に係る基地局による処理手順]
次に、図11を用いて、実施例2に係る基地局100による処理の手順について説明する。図11は、実施例2に係る基地局100による処理手順を示すフローチャートである。
図11に示すように、基地局100の受信電界強度計測部120は、携帯電話機10から送信された信号のうち、アンテナ110によって受信された垂直偏波成分の受信電界強度を計測する(ステップS201)。また、受信電界強度計測部120は、携帯電話機10から送信された信号のうち、アンテナ110によって受信された水平偏波成分の受信電界強度を計測する(ステップS202)。
続いて、サンプリング周波数算出部130は、ドップラ周波数の測定を要する環境である場合には(ステップS203肯定)、ドップラ周波数を測定し、上記式(1)により表されるサンプリング周期「T」を算出する(ステップS204)。一方、サンプリング周波数算出部130は、ドップラ周波数の測定を要する環境でない場合には(ステップS203否定)、ドップラ周波数を測定せずに、上記式(2)により表されるサンプリング周期「T」を算出する(ステップS205)。その後、受信電界強度計測部120は、サンプリング周波数算出部130によって算出されたサンプリング周期「T」に従って、アンテナ110によって受信される垂直偏波の受信電界強度及び水平偏波の受信電界強度を計測する。
続いて、傾度測定部160は、自装置の傾度を測定する(ステップS206)。そして、相対角算出部170は、携帯電話機10に対して傾度測定要求を送信する(ステップS207)。そして、相対角算出部170は、傾度測定部160によって算出された基地局100の傾度から、携帯電話機10の傾度を減算することにより、基地局100と携帯電話機10との相対角度を算出する(ステップS208)。
続いて、偏波比算出部180は、受信電界強度計測部120によって計測された垂直偏波の受信電界強度と、水平偏波の受信電界強度と、相対角算出部170により算出された相対角度とを用いて、偏波比Rを算出する(ステップS209)。具体的には、偏波比算出部180は、上記式(3)又は式(4)に各種値を代入することにより、偏波比Rを算出する。また、偏波比算出部180は、偏波比Rの時間変動量「dR/dt」を算出する(ステップS210)。
続いて、品質判定部190は、偏波比算出部180によって算出された偏波比と、偏波比の時間変動量に基づいて、位置推定部150による位置推定処理に対する品質を判定する品質判定処理を行う(ステップS211)。なお、品質判定部190による品質判定処理手順については、図12を用いて後述する。
続いて、品質判定部190は、品質判定結果を携帯電話機10に通知する(ステップS212)。そして、位置推定部150は、受信電界強度計測部120によって計測された受信電界強度に基づいて、携帯電話機10の所在位置を推定する位置推定処理を行う(ステップS213)。
ここで、基地局による位置推定処理について具体的に説明する。まず、前提条件として、事前に、基地局と携帯電話機との距離rが既知である状態で、基地局と携帯電話機との間における受信電力が何点か測定される。そして、受信電力と距離rとの対応をグラフにプロットし、最小自乗近似によってアンサンブル平均受信電力Pと距離rとの関係が、以下の式(5)によって示されるものとする。
Figure 2011257162
なお、上記式(5)のうち、C、αは伝搬パラメータである。
続いて、運用環境においても、携帯電話機から送信される信号が基地局に受信された際の受信電力を測定する。ここで、例えば、携帯電話機から送信して、1、、2、・・・、n番目の基地局に受信された電力をP、P、・・・、Pとすると、測定場所においてレイリィ(Rayleigh)変動する伝搬環境である場合には、受信電力の確率密度関数p(P|θ)は、以下の式(6)によって表される。
Figure 2011257162
ここで、各基地局における受信電力値Pによる携帯電話機の推定位置θに関する結合確立密度関数は、上記式(6)の積により、以下の式(7)によって表される。
Figure 2011257162
上記式(7)に上記式(5)を代入し、両辺の対数を取ると、以下の式(8)によって表される。
Figure 2011257162
上記(8)で表される対数尤度関数Lの合計値が一番大きくなるように、各rを求めた結果が、携帯電話機の位置推定結果となる。したがって、位置推定部150は、対数尤度関数Lの合計値が一番大きくなるように、各rを求める処理を行うことで、携帯電話機10の所在位置を推定する。ここでは、携帯電話機10が垂直偏波を送信することが前提となっているので、位置推定部150は、上記式(8)のPに、以下の式(9)を代入して、携帯電話機10の所在位置を推定する。
Figure 2011257162
なお、上記式(9)のうち、Zは波動インピーダンスであり、λは使用周波数における波長であり、Gは受信アンテナのゲインである。また、上記式(9)のうち、「E・cos(Δθ)±E・sin(Δθ)」は、基地局100の傾度と携帯電話機10の傾度との減算結果がプラスである場合には、「E・cos(Δθ)+E・sin(Δθ)」となる。また、上記式(9)のうち、「E・cos(Δθ)±E・sin(Δθ)」は、基地局100の傾度と携帯電話機10の傾度との減算結果がマイナスである場合には、「E・cos(Δθ)−E・sin(Δθ)」となる。
なお、基地局100は、図11に示した順に処理を行わなくてもよい。例えば、基地局100は、ステップS204又はS205の後に、ステップS213における処理を行ってもよい。
[品質判定処理手順]
次に、図12を用いて、図11のステップS211に示した品質判定処理の手順について説明する。図12は、品質判定部190による品質判定処理手順を示すフローチャートである。
図12に示すように、品質判定部190は、まず、偏波比「R」が閾値「δ」よりも大きいか否かを判定する(ステップS301)。そして、品質判定部190は、偏波比「R」が閾値「δ」よりも大きい場合に(ステップS301肯定)、偏波比の時間変動量「dR/dt」が閾値「ζ」よりも小さいか否かを判定する(ステップS302)。
そして、品質判定部190は、偏波比の時間変動量「dR/dt」が閾値「ζ」よりも小さい場合には(ステップS302肯定)、位置推定部150の位置推定品質が「良」であると判定する(ステップS303)。
また、品質判定部190は、偏波比の時間変動量「dR/dt」が閾値「ζ」以上である場合には(ステップS302否定)、偏波比の時間変動量「dR/dt」が閾値「ζ」〜「ζ」の範囲内に含まれるか否かを判定する(ステップS304)。そして、品質判定部190は、偏波比の時間変動量「dR/dt」が閾値「ζ」〜「ζ」の範囲に含まれる場合には(ステップS304肯定)、位置推定部150の位置推定品質が「中」であると判定する(ステップS305)。
また、品質判定部190は、偏波比の時間変動量「dR/dt」が閾値「ζ」〜「ζ」の範囲に含まれない場合には(ステップS304否定)、位置推定部150の位置推定品質が「悪」であると判定する(ステップS306)。
また、品質判定部190は、偏波比「R」が閾値「δ」以下である場合には(ステップS301否定)、偏波比の時間変動量「dR/dt」が閾値「ζ」よりも小さいか否かを判定する(ステップS307)。
そして、品質判定部190は、偏波比の時間変動量「dR/dt」が閾値「ζ」よりも小さい場合には(ステップS307肯定)、位置推定部150の位置推定品質が「中」であると判定する(ステップS308)。一方、品質判定部190は、偏波比の時間変動量「dR/dt」が閾値「ζ」以上である場合には(ステップS307否定)、位置推定部150の位置推定品質が「悪」であると判定する(ステップS306)。
[実施例2の効果]
上述してきたように、実施例2に係る基地局100は、携帯電話機10から送信された信号のうち、アンテナ110によって垂直偏波成分及び水平偏波成分を受信する。そして、基地局100は、垂直偏波成分及び水平偏波成分の受信電界強度の比である偏波比と、かかる偏波比の時間変動量とに基づいて、位置推定部150による位置推定処理の品質を判定する。これにより、実施例2に係る基地局100は、携帯電話機10と基地局100との伝搬状況に基づいて、位置推定部150による位置推定処理の品質を判定することができる。
そして、実施例2に係る基地局100は、位置推定部150による位置推定とともに品質判定情報を携帯電話機10に送信する。これにより、実施例2に係る基地局100は、携帯電話機10の利用者を混乱させにくくすることができる。
また、実施例1に係る基地局100は、ドップラ周波数を算出し、かかるドップラ周波数の逆数により得られるコヒーレンス時間よりも短いサンプリング周期を算出する。そして、基地局100は、かかるサンプリング周期に従って、水平偏波及び垂直偏波をサンプリングする。これにより、実施例1に係る基地局100は、ドップラ偏移の影響をほぼ受けていない水平偏波及び垂直偏波を用いて、偏波比を正確に算出することができるので、位置推定部150による位置推定処理の品質を正確に判定することができる。
また、実施例1に係る基地局100は、携帯電話機10との相対角度を用いて偏波比を算出し、品質判定処理を行う。これにより、実施例1に係る基地局100は、携帯電話機10の姿勢に影響を受けずに、偏波比を算出することができる。その結果、基地局100は、位置推定部150による位置推定処理の品質を正確に判定することができる。
なお、上記実施例2では、携帯電話機10が垂直偏波を送信することを前提として、基地局100の偏波比算出部180が、上記式(3)又は(4)に示すように、受信信号の垂直偏波を水平偏波により除算することで偏波比を算出する例を示した。しかし、携帯電話機10が水平偏波を送信することが前提である場合には、基地局100の偏波比算出部180は、上記式(3)又は(4)の分子と分母と入れ替えて、受信信号の水平偏波を垂直偏波により除算することで偏波比を算出してもよい。これにより、基地局100は、携帯電話機10が水平偏波を送信する場合であっても、位置推定部150による位置推定処理の品質を判定することができる。
上記実施例2では、基地局100が携帯電話機10の所在位置を推定する場合を例に挙げて説明した。しかし、本願の開示する技術は、位置推定処理を行う専用の位置推定判定装置が携帯電話機の所在位置を推定する場合にも適用することができる。そこで、実施例3では、測位システムに配置される位置推定判定装置が携帯電話機の所在位置を推定する場合を例に挙げて説明する。
[実施例3における測位システムの構成]
まず、図13を用いて、実施例3に係る位置推定判定装置を有する測位システムについて説明する。図13は、実施例3に係る位置推定判定装置を有する測位システムの構成例を示す図である。図13に示すように、実施例3における測位システムSY2は、携帯電話機20と、基地局200a〜200dと、位置推定判定装置300とを有する。
基地局200a〜200dと、位置推定判定装置300とは、有線又は無線によって相互に通信可能である。なお、実施例3では、位置推定判定装置300と基地局200a〜200dとは、有線によって接続されているものとする。
携帯電話機20は、実施例1において説明した携帯電話機10に対応し、基地局200a〜200dに対して、垂直偏波又は水平偏波のいずれか一方を送信する。基地局200a〜200dは、携帯電話機20から送信される垂直偏波の受信電界強度を計測し、計測した受信電界強度を位置推定判定装置300に送信する。
位置推定判定装置300は、基地局200a〜200dから受信する受信電界強度を用いて、携帯電話機20の所在位置を推定する。また、位置推定判定装置300は、基地局200a〜200dから受信する受信電界強度を用いて、偏波比と偏波比の時間変動量とを算出し、位置推定精度を判定する。すなわち、位置推定判定装置300は、図2に示した基地局100aと同様の処理を行う。
[実施例3における基地局の構成]
次に、図14を用いて、実施例3における基地局の構成について説明する。図14は、実施例3における基地局の構成例を示すブロック図である。なお、以下では、既に示した構成部位と同様の機能を有する部位には同一符号を付すこととして、その詳細な説明を省略する。図14に示した基地局200は、図13に示した基地局200a〜200dに対応する。
図14に示すように、実施例3における基地局200は、アンテナ110と、IF(Interface)部210と、受信電界強度計測部220と、受信制御部240と、傾度測定部260とを有する。
IF部210は、位置推定判定装置300と接続され、位置推定判定装置300との間で各種データを送受する。受信電界強度計測部220は、図5に示した受信電界強度計測部120に対応し、アンテナ110によって受信された水平偏波及び垂直偏波の受信電界強度を測定する。そして、実施例3における受信電界強度計測部220は、測定した受信電界強度を、IF部210を介して位置推定判定装置300に送信する。これは、位置推定判定装置300によって位置推定処理が行われるからである。
また、受信電界強度計測部220及び受信制御部240は、位置推定判定装置300から送信されるサンプリング周波数に従って処理を行う。傾度測定部260は、位置推定判定装置300から傾度測定要求を受け付けた場合に、基地局200の傾度を測定し、測定結果を位置推定判定装置300に送信する。
このように、実施例3における基地局200は、位置推定判定装置300によって位置推定処理や品質判定処理が行われる際に用いられる各種情報を取得して、取得した各種情報を位置推定判定装置300に送信する。
[実施例3に係る位置推定判定装置の構成]
次に、図15を用いて、実施例3に係る位置推定判定装置300の構成について説明する。図15は、実施例3に係る位置推定判定装置300の構成例を示すブロック図である。図15に示すように、位置推定判定装置300は、IF部310と、サンプリング周波数算出部330と、受信タイミング生成部340と、位置推定部350と、相対角算出部370と、偏波比算出部380と、品質判定部390とを有する。
IF部310は、基地局200a〜200dと接続され、基地局200a〜200dとの間で各種データを送受する。サンプリング周波数算出部330は、図5に示したサンプリング周波数算出部130に対応し、基地局200a〜200dから受信した水平偏波及び垂直偏波の受信電界強度に基づいて、サンプリング周波数を算出する。
受信タイミング生成部340は、サンプリング周波数算出部330によって算出されたサンプリング周波数に基づいて、基地局200が有するアンテナ110の切り替えタイミングを生成する。すなわち、コヒーレンス時間「T」よりも十分に短い時間内に、水平偏波及び垂直偏波に対する「N」回のサンプリングが完了できるように、アンテナ110の切り替えタイミングを生成する。そして、受信タイミング生成部340は、生成したタイミング情報を基地局200a〜200dに送信する。
位置推定部350は、図5に示した位置推定部150に対応する。相対角算出部370は、図5に示した相対角算出部170に対応する。偏波比算出部380は、図5に示した偏波比算出部180に対応する。品質判定部390は、図5に示した品質判定部190に対応する。
これらの位置推定部350、相対角算出部370、偏波比算出部380、品質判定部390等は、基地局200a〜200dから送信される各偏波の受信電界強度を用いて各種処理を行う。すなわち、位置推定判定装置300は、実施例2に係る基地局200によって行われていた位置推定処理や品質判定処理を行う。
このように、本願の開示する位置推定判定装置は、図13に例示した測位システムSY2にも適用することができる。
また、本願の開示する位置推定判定装置は、携帯電話機が位置推定処理や品質判定処理を行う測位システムにも適用することができる。以下に、図16を用いて、携帯電話機が品質判定処理を行う場合における基地局及び携帯電話機による処理について説明する。図16は、携帯電話機が品質判定処理を行う場合における基地局及び携帯電話機による処理手順を示すシーケンス図である。なお、図16に示す測位システムには、携帯電話機30と基地局400とが含まれるものとする。
図16に示すように、基地局400は、携帯電話機30に対して垂直偏波を送信する(ステップS401)。携帯電話機30は、基地局400から送信された信号を受信して、垂直偏波及び水平偏波の受信電界強度を計測する(ステップS402)。そして、携帯電話機30は、垂直偏波及び水平偏波の受信電界強度を基地局400に送信する(ステップS403)。
基地局400は、ドップラ周波数の測定を要する環境である場合には(ステップS404肯定)、ドップラ周波数を測定するための信号を送信するように携帯電話機30に要求する(ステップS405)。携帯電話機30は、かかる要求に応答して、ドップラ周波数測定用の信号を基地局400に送信する(ステップS406)。そして、基地局400は、携帯電話機30から送信される信号に基づいて、ドップラ周波数を測定し、上記式(1)により表されるサンプリング周期「T」を算出する(ステップS407)。
一方、基地局400は、ドップラ周波数の測定を要する環境でない場合には(ステップS404否定)、ドップラ周波数を測定せずに、上記式(2)により表されるサンプリング周期「T」を算出する(ステップS408)。そして、基地局400は、算出したサンプリング周期「T」を携帯電話機30に送信する(ステップS409)。
続いて、携帯電話機30は、基地局400に傾度測定要求を送信する(ステップS410)。基地局400は、かかる傾度測定要求に応答して、自装置の傾度を測定し、測定結果を携帯電話機30に送信する(ステップS411)。携帯電話機30は、自装置の傾度と、基地局400の傾度を用いて、基地局400と携帯電話機30との相対角度を算出する(ステップS412)。
そして、携帯電話機30は、基地局400から送信される信号の垂直偏波成分の受信電界強度及び水平偏波成分の受信電界強度と、相対角度とを用いて、偏波比Rを算出する(ステップS413)。具体的には、携帯電話機30は、上記式(3)又は(4)に各種値を代入することにより、偏波比Rを算出する。また、携帯電話機30は、偏波比Rの時間変動量を算出する。
そして、携帯電話機30は、偏波比と、かかる偏波比の時間変動量とに基づいて、位置推定処理に対する品質を判定する品質判定処理を行う(ステップS414)。なお、かかる品質判定処理手順については、図12に示した処理手順と同様である。
続いて、携帯電話機30は、自装置の所在位置を推定する位置推定処理を行う(ステップS415)。そして、携帯電話機30は、例えば、自装置の所在位置や、位置推定処理に対する品質判定の結果等を表示部に表示したりする(ステップS416)。
[実施例3の効果]
このように、本願の開示する位置推定判定装置は、位置推定判定装置300が位置推定処理を行う測位システムや、携帯電話機30が位置推定処理を行う測位システムにも適用することができる。なお、上述してきたサンプリング周波数算出処理、位置推定処理、偏波比算出処理、品質判定処理等は、携帯電話機、基地局または位置推定判定装置のいずれで行ってもよく、上述してきた例に限られない。このような各処理を行う主体は、消費電力等を考慮することが考えられる。例えば、サンプリング周波数算出処理を行う場合には、フーリエ変換等を行ってドップラ周波数を測定する処理が含まれる。このような負荷が高い処理については、図16に示した例のように、携帯電話機ではなく、バッテリが備えられる基地局等によって行われることが望ましい。
ところで、本願の開示する位置推定判定装置及び位置推定判定方法は、上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、実施例4では、本願の開示する位置推定判定装置及び位置推定判定方法の他の実施例について説明する。
[アンテナ]
上記実施例1に示したアンテナ2や、上記実施例2に示したアンテナ110は、水平偏波と、垂直偏波とを同時に受信できるアンテナであってもよい。例えば、アンテナ2やアンテナ110は、水平偏波素子と垂直偏波素子との間におけるアイソレーションが十分に高いアンテナが適用されることで、水平偏波と垂直偏波とを同時に受信できる。このとき、水平偏波と垂直偏波の2系統の受信電界強度値を測定する処理部を設ける。これにより、両偏波間をRFスイッチによって切替えて、各々の偏波を独立に測定することなく、同時に測定することができ、さらに、サンプリングに要する時間をスイッチ切り換え時と比較して半分にすることができる。
[推定誤差通知]
上記実施例2では、基地局100が、位置推定品質に「良」、「中」、「悪」のいずれかを割り当て、かかる位置推定品質を携帯電話機10に送信する例を示した。しかし、基地局100は、各位置推定品質について、推定誤差の範囲を割り当てて、携帯電話機10に送信してもよい。例えば、位置推定品質が「良」である場合には、位置推定部150による位置推定の誤差が「1〜5メートル」であることが分かっている場合には、基地局100は、位置推定の誤差「1〜5メートル」を携帯電話機10に送信してもよい。これにより、携帯電話機10は、利用者に対して、例えば、「現在の位置推定品質は○、位置推定誤差は約1メートル〜5メートルです。」といった情報を表示部に表示することができる。
[プログラム]
また、上記実施例で説明した各種の処理は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することによって実現することができる。そこで、以下では、図17を用いて、図1に示した位置推定判定装置1と同様の機能を有する位置推定判定プログラムを実行するコンピュータの一例を説明する。
図17は、位置推定判定プログラムを実行するコンピュータを示す図である。図17に示すように、コンピュータ1000は、RAM(Random Access Memory)1010と、キャッシュ1020と、HDD1030と、ROM(Read Only Memory)1040と、CPU(Central Processing Unit)1050、バス1060とを有する。RAM1010、キャッシュ1020、HDD1030、ROM1040、CPU1050は、バス1060によって接続されている。
ROM1040には、図1に示した位置推定判定装置1と同様の機能を発揮する位置推定判定プログラムが予め記憶されている。具体的には、ROM1040には、位置推定プログラム1041と、偏波比算出プログラム1042と、品質判定プログラム1043とが記憶されている。そして、CPU1050は、ROM1040から、位置推定プログラム1041、偏波比算出プログラム1042、品質判定プログラム1043を読み出して実行する。
これにより、図17に示すように、位置推定プログラム1041は、位置推定プロセス1051になる。また、偏波比算出プログラム1042は、偏波比算出プロセス1052になる。また、品質判定プログラム1043は、品質判定プロセス1053になる。なお、位置推定プロセス1051は、図1に示した位置推定部3に対応する。また、偏波比算出プロセス1052は、図1に示した偏波比算出部4及び偏波比変動算出部5に対応する。また、品質判定プロセス1053は、図1に示した品質判定部6に対応する。
なお、上記した各プログラム1041〜1043については、必ずしもROM1040に記憶させなくてもよい。例えば、コンピュータ1000に挿入されるフレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MOディスク、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」にプログラム1041〜1043を記憶させてもよい。または、コンピュータ1000の内外に備えられるハードディスクドライブ(HDD)などの「固定用の物理媒体」にプログラム1041〜1043を記憶させてもよい。または、公衆回線、インターネット、LAN、WANなどを介してコンピュータ1000に接続される「他のコンピュータ(またはサーバ)」にプログラム1041〜1043を記憶させてもよい。そして、コンピュータ1000は、上述したフレキシブルディスク等から各プログラムを読み出して実行するようにしてもよい。
[システム構成等]
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、図5に示したサンプリング周波数算出部130と受信制御部140とは統合されてもよい。
SY1、SY2 測位システム
1 位置推定判定装置
2 アンテナ
3 位置推定部
4 偏波比算出部
5 偏波比変動算出部
6 品質判定部
10、20、30 携帯電話機
11 アンテナ
12 傾度測定部
13 送信部
14 受信部
15 表示部
100、100a〜100d、200、200a〜200d、400 基地局
110 アンテナ
120 受信電界強度計測部
130 サンプリング周波数算出部
140 受信制御部
150 位置推定部
160 傾度測定部
170 相対角算出部
180 偏波比算出部
190 品質判定部
210 IF部
220 受信電界強度計測部
240 受信制御部
260 傾度測定部
300 位置推定判定装置
310 IF部
330 サンプリング周波数算出部
340 受信タイミング生成部
350 位置推定部
370 相対角算出部
380 偏波比算出部
390 品質判定部

Claims (6)

  1. 水平偏波及び垂直偏波を含む信号を受信するアンテナと、
    前記アンテナによって受信された信号の受信電界強度に基づいて、該信号の送信元である移動局の所在位置を推定する位置推定部と、
    前記アンテナによって受信された水平偏波の受信電界強度と垂直偏波の受信電界強度との比である偏波比を算出する偏波比算出部と、
    前記偏波比算出部によって算出された偏波比の時間変動量を算出する偏波比変動算出部と、
    前記偏波比算出部によって算出された偏波比が大きく、かつ、前記偏波比変動算出部によって算出された偏波比の時間変動量が小さいほど、前記位置推定部によって推定された所在位置の精度が高いと判定する品質判定部と
    を有することを特徴とする位置推定判定装置。
  2. 前記アンテナによって受信された水平偏波と垂直偏波とに基づいて、前記移動局との間におけるドップラ周波数を算出し、該ドップラ周波数の逆数に相当する時間よりも短い時間内に、前記アンテナによって水平偏波と垂直偏波とが少なくとも1回ずつ受信されるように制御する受信制御部
    をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の位置推定判定装置。
  3. 所定の基準方向に対する自装置の角度を測定する傾度測定部と、
    前記傾度測定部によって測定された角度と、前記移動局から送信される前記基準方向に対する該移動局の角度とに基づいて、自装置と該移動局との相対角度を算出する相対角算出部をさらに有し、
    前記偏波比算出部は、
    前記相対角算出部によって算出された相対角度を用いて、前記アンテナによって受信された水平偏波又は垂直偏波を、前記移動局によって送信された水平偏波又は垂直偏波の方向の成分に補正した上で偏波比を算出する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の位置推定判定装置。
  4. 前記品質判定部は、
    前記位置推定部によって推定された所在位置の精度に対応する推定誤差を前記移動局に通知する
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の位置推定判定装置。
  5. 前記アンテナは、
    水平偏波素子と垂直偏波素子との間に、水平偏波及び垂直偏波を同時に受信できる程度に高いアイソレーションが形成される
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の位置推定判定装置。
  6. 位置推定判定装置で実行される位置推定判定方法であって、
    水平偏波及び垂直偏波を含む信号を受信するアンテナによって受信された信号の受信電界強度に基づいて、該信号の送信元である移動局の所在位置を推定し、
    前記アンテナによって受信された水平偏波の受信電界強度と垂直偏波の受信電界強度との比である偏波比を算出し、
    前記偏波比算出ステップによって算出された偏波比の時間変動量を算出し、
    前記偏波比算出ステップによって算出された偏波比が大きく、かつ、前記偏波比変動算出ステップによって算出された偏波比の時間変動量が小さいほど、前記位置推定ステップによって推定された所在位置の精度が高いと判定することを特徴とする位置推定判定方法。
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