JP2011256477A - 染色されたポリ乳酸繊維構造体および繊維製品 - Google Patents

染色されたポリ乳酸繊維構造体および繊維製品 Download PDF

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Abstract

【課題】高い染色堅牢度を有するポリ乳酸繊維構造体および繊維製品、さらには、耐加水分解性が改善され、溶融時等に遊離のイソシアネート化合物が発生しないポリ乳酸繊維構造体および繊維製品を提供すること。
【解決手段】分散染料によって染色されるとともに(1)顔料(a)、疎水基とイオン性基を必須成分とする高分子型分散剤(b)及び水性媒体(c)からなる顔料分散体、および(2)架橋剤(d)、を配合した着色用組成物により捺染し、次いで、該高分子型分散剤(b)と架橋剤(d)との間で架橋反応を生起させることにより得られる、顔料(a)が繊維構造体上に固着されてなるポリ乳酸繊維構造体。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリ乳酸繊維を含む染色された繊維構造体であって、染色堅牢度に優れ、さらには耐湿熱性に優れた繊維構造体、および該染色された繊維構造体を用いてなる衣料に関する。
近年、地球規模での環境に対する意識が高まる中で、植物由来成分より誘導される原料から合成されるポリ乳酸が注目を浴びている。ポリ乳酸は植物から抽出したでんぷんやセルロースを発酵することにより得られる乳酸を原料としたポリマーであり、植物由来ポリマーの中では、力学特性、耐熱性、コストのバランスが優れている。そして、これを利用した樹脂製品、繊維、フィルム、シート等の開発が行われている。このうち、ポリ乳酸繊維については、衣料用途、カーテン、カーペットといったインテリア用途、車両内装用途、産業資材への適用のための開発が行われている。(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
しかしながら、ポリ乳酸繊維は生分解性という優れた特徴を有している反面、湿熱下で繊維強度が低下しやすいという欠点を有している。
他方、ポリ乳酸繊維は、衣料などとして用いられる場合、ファッション性などを高めるため通常染色される。その際、用いられる染料は、一般にポリエチレンテレフタレート繊維用の分散染料が使用されるが、ポリ乳酸繊維はポリエチレンテレフタレート繊維などの芳香族ポリエステル繊維とは異なり加水分解を受け易いため、低温で染色処理を行う必要がある。そして、その結果として、ポリ乳酸繊維内部への染料の拡散が進まず、ポリ乳酸繊維表面に付着する染料量が多くなるため、染色洗濯堅牢度が悪くなるという問題があった。
また、分散染料を用いて染色処理を行う際、染色堅牢度を向上させるため、強いアルカリ条件下でハイドロサルファイト、二酸化チオ尿素などの還元剤を用いて還元洗浄を行うのが一般的である。しかしながら、ポリ乳酸繊維は強いアルカリ条件下では加水分解を受け易いため、ポリ乳酸繊維の脆化や劣化を招き、極端な強度劣化につながるため、強いアルカリ条件下で還元洗浄を行うことができず、染色洗濯堅牢度がさらに低下するという問題があった。
このため、特許文献3では、染色処理後に70℃以下の低温かつ酸性条件下で還元洗浄処理することが提案されているが、染色堅牢度および湿熱処理後の繊維強度を満足なレベルまで高めることはできなかった。
また特許文献4では、染色処理した後に還元洗浄処理を施すことによって染色堅牢度、湿熱環境下で繊維強度低下抑制を図っているが、やはり湿熱条件下における堅牢性を維持することは十分ではなかった。
この問題を解決するため、特許文献5,6では、カルボジイミド化合物等を添加して耐加水分解性を向上させたポリ乳酸が提案されている。しかしながら用いられているカルボジイミド化合物を高分子化合物の末端封止剤として用いると、カルボジイミド化合物がポリ乳酸の末端に結合する反応に伴いイソシアネート基を有する化合物が遊離し、イソシアネート化合物の独特の臭いを発生し、作業環境を悪化させることが問題となっており、その改善が求められていた。
また染色堅牢度の改善には、染色方法の改善も行なわれている。例えば特許文献7には、顔料分散液中の高分子型分散剤を着色時に架橋剤で架橋して、顔料を繊維上に固着させる技術が例示されている。確かに本方法によって堅牢度はある程度改善されるものの、繊維表面への顔料の固着による着色法ゆえ、比較的磨耗性の弱いポリ乳酸繊維構造体においては、摩擦堅牢度の向上が求められていた。
特開2003−105629号公報 特許第3731432号公報 特開2001−355187号公報 特開2009−167585号公報 特開2009−256837号公報 特開2009−256838号公報 特開2009−150010号公報
本発明の目的は上記従来技術が有していた問題を解決し、高い染色堅牢度を有するポリ乳酸繊維構造体および繊維製品、さらには、耐加水分解性が改善され、溶融時等に遊離のイソシアネート化合物が発生しないポリ乳酸繊維構造体および繊維製品を提供することにある。
本発明者らは、ポリ乳酸系繊維構造体の染色・着色、さらにはその堅牢度について鋭意検討した結果、分散染料によって染色されるとともに、顔料分散液中の高分子型分散剤を着色時に架橋剤で架橋して顔料を繊維上に固着させることにより得られたポリ乳酸繊維構造体により、染色堅牢度を大幅に改善できることを見出した。またポリ乳酸ポリマーの高分子鎖末端と反応しても、イソシアネート化合物を遊離しない特定の構造を有するカルボジイミド化合物を含有させた組成物を用いることに、さらにその効果を向上せしめることができることも見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明の目的は、
分散染料によって染色されるとともに(1)顔料(a)、疎水基とイオン性基を必須成分とする高分子型分散剤(b)及び水性媒体(c)からなる顔料分散体、および(2)架橋剤(d)、を配合した着色用組成物により捺染し、次いで、該高分子型分散剤(b)と架橋剤(d)との間で架橋反応を生起させることによって得られる、顔料(a)が繊維構造体上に固着されてなるポリ乳酸繊維構造体により達成される。
本発明によれば、染色堅牢度が改善されたポリ乳酸繊維構造体および繊維製品を提供することができる。
以下に本発明の詳細を説明する。
<ポリ乳酸繊維構造体>
本発明において、ポリ乳酸繊維は後述のポリ乳酸組成物からなる繊維であり、該ポリ乳酸繊維は例えば以下の方法により製造することができる。すなわち、後述のポリ乳酸組成物をエクストルーダー型やプレッシャーメルター型の溶融押出し機で溶融した後、ギヤポンプにより計量し、パック内で濾過した後、口金に設けられたノズルからモノフィラメンント、マルチフィラメント等として吐出され紡糸する。その際、吐出孔数は特に制限されるものではない。吐出された糸は直ちに冷却・固化された後集束され、油剤を付加されて巻き取られる。紡糸速度は特に限定されるものではないが、配向結晶性の観点より300〜5000m/分の範囲が好ましい。巻き取られた未延伸糸はその後延伸工程に供されるが、紡糸工程と延伸工程は必ずしも分離する必要はなく、紡糸後いったん巻き取ることなく引続き延伸を行う直接紡糸延伸法を採用してもよい。
延伸は、1段でも、2段以上の多段延伸でも良く、高強度の繊維を製造する観点から、延伸倍率は、好ましくは3倍以上、より好ましくは4倍以上、さらに好ましくは3〜10倍である。しかし、延伸倍率が高すぎると繊維が失透し白化するため、繊維の強度が低下する。延伸の予熱は、ロールの昇温のほか、平板状あるいはピン状の接触式加熱ヒータ、非接触式ヒータ、熱媒浴などにより行うことができる。延伸温度は、好ましくは70〜140℃、より好ましくは80〜130℃である。
さらに、かかる延伸糸を熱処理することが好ましい。熱処理は110〜210℃(好ましくは120〜200℃)で行う。熱処理はテンション下で行うことが好ましい。熱処理は、ホットローラー、接触式加熱ヒータ、非接触式熱板などで行うことができる。
本発明の製造方法に用いるポリ乳酸繊維構造体は、前記のポリ乳酸繊維を含むポリ乳酸繊維構造体(本願において、単に繊維構造体と称することもある。)である。ここで、前記のポリ乳酸繊維の形態としては、単糸繊度が0.01〜20dtex(より好ましくは0.1〜7dtex)、総繊度が30〜500dtex、フィラメント数が20〜200本の範囲内のマルチフィラメント(長繊維)であることが好ましい。また、該糸条に撚糸や空気加工、仮撚捲縮加工など施してもよい。また、前記糸条(ポリ乳酸繊維)のみを用いて布帛を構成することが好ましいが、布帛重量に対して60重量%以下であれば、ポリエステル繊維など他の繊維が含まれていてもさしつかえない。その際、かかるポリエステル繊維としては通常のポリエチレンテレフタレート繊維が好適である。また、前記ポリ乳酸繊維および/または前記ポリエステル繊維の単繊維横断面形状は特に限定されず、通常の丸断面、丸中空断面、三角断面、四角断面、扁平断面、くびれ付扁平断面いずれでもよい。
また、前記の繊維構造体において、その構造は特に限定されず糸条の形態でもよいが、通常の織機または編機により製編織された織物または編物であることが好ましい。もちろん、不織布や、マトリックス繊維と熱接着性繊維とからなる繊維構造体でもよい。例えば、織物の織組織としては、平織、綾織、朱子織等の三原組織、変化組織、たて二重織、よこ二重織等の片二重組織、たてビロードなどが例示される。編物の種類は、丸編物(よこ編物)であってもよいしたて編物であってもよい。丸編物(よこ編物)の組織としては、平編、ゴム編、両面編、パール編、タック編、浮き編、片畔編、レース編、添え毛編等が好ましく例示され、たて編組織としては、シングルデンビー編、シングルアトラス編、ダブルコード編、ハーフトリコット編、裏毛編、ジャガード編等が例示される。層数も単層でもよいし、2層以上の多層でもよい。さらには、カットパイルおよび/またはループパイルからなる立毛部と地組織部とで構成される立毛布帛であってもよい。
本発明の繊維構造体は分散染料を用いた染色処理が施されている。例えば、繊維構造体Aに他の繊維としてポリエチレンテレフタレート繊維などの芳香族ポリエステル繊維が含まれる場合、分散染料の他、均染剤、pH調整剤等を含んだ染料水溶液にて120℃以上(好ましくは120〜135℃)の温度で20〜40分間染色処理を行うとよい。染色に用いる染料としては、洗濯堅牢度が良好なアゾ系分散染料が好ましく例示されるが、特に限定されない。なかでも、後記の洗浄処理液中で容易に分解される分散染料として、ジエステル基を有する分散染料、アゾ系分散染料、中でもチアゾール型、チオフェン型が好ましく例示されるが、特に限定されない。さらに、アントラキノン系分散染料、ベンゾジフィラノン型分散染料、アルキルアミン基を有する分散染料なども挙げられる。ただし、その後行なう構造体へ顔料を付着させるため、顔料と同色に染色することが望ましい。
次いで、かかる染色処理された繊維構造体に還元洗浄処理を施す。その際、pH8〜2の還元浴中で還元洗浄処理する事が好ましい。pH8より大のアルカリ領域では、ポリ乳酸繊維が加水分解され、繊維強度が低下するおそれがある。
また、還元剤としては、錫系還元剤、ロンガリットC、ロンガリットZ、塩化第1スズ、スルフィン系還元剤、ハイドロサルファイトなどが挙げられる。還元剤の使用濃度は、1〜10g/L、が好ましく、使用染料タイプ、染色濃度、還元浴温度によって濃度を選定すればよい。還元浴の処理温度は特に限定しないが、60〜98℃の範囲が好ましく、処理時間は10〜40分が好ましい。
さらには、還元浴中での処理の際に、繊維膨潤剤として、一般に用いられるキャリヤー、例えばクロルベンゼン系キャリヤー、メチルナフタレン系キャリヤー、オルソフェニールフェノール系キャリヤー、芳香族エーテル系キャリヤー、芳香族エステル系キャリヤーなどを用いてもよい。この繊維膨潤剤としては、繊維に親和性があると考えられるポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミンエーテル、ポリオキシエチレンアルキルベンジルアンモニウムクロライド、アルキルピコリニウムクロライドなどが挙げられるが、限定はされない。
以上の製造方法によれば、還元洗浄処理をpH8以下の弱アルカリ性〜酸性領域で処理するので、還元洗浄処理の際、乳酸繊維が加水分解されることなく、余剰な繊維表層部の染料を還元分解することできる。
かくして得られた染色された繊維構造体は、染色堅牢度に優れ、かつ湿熱環境下で繊維強度の低下が小さい繊維構造体である。その際、染色された繊維構造体を温度70℃、湿度90%RHの環境下で1週間処理した後、該繊維構造体に含まれる前記ポリ乳酸繊維の繊維強度が0.5gr/dtex以上(より好ましくは3〜10gr/dtex)であることが好ましい。また、染色された繊維構造体において、明度指数L値が80以下の濃色であると、本発明の効果が一層発現され好ましい。また、AATCC IIA法により測定した、染色された繊維構造体の洗濯堅牢度が3級以上であることが好ましい。
本発明のポリ乳酸繊維構造体においては、さらに分散染料による染色法に加え、顔料分散液中の高分子型分散剤を着色時に架橋剤で架橋して、顔料を繊維上に固着させる処理も施されている。すなわち顔料、疎水基とイオン性基を必須成分とする高分子型分散剤及び水性媒体からなる顔料分散体と、架橋剤を配合した着色用組成物を用い、該組成物を、着色時に該高分子型分散剤と架橋剤との間で架橋反応せしめ、顔料を繊維構造体上に固着させることによっても着色させるものであり、これらが分散混合された着色用組成物を用いるものである。
該着色用組成物は、顔料及び高分子型分散剤を有効成分とする顔料分散体と架橋剤とを配合したものである。該顔料分散体は、(1)顔料、(2)高分子型分散剤、及び(3)水性媒体から製造される。顔料は、平均粒子径が0.1〜0.5μmのものを用いることが得られる繊維製品の風合い等の観点から好ましい。該分散体に用いる顔料としては、有機顔料、無機顔料を問わず、繊維製品の着色剤として用いることのできる顔料であれば、何れも使用することができる。
例えば、黒色顔料としてのカーボンブラック、酸化鉄黒顔料など、赤色顔料としてのキナクリドン系顔料、クロムフタール系顔料、アゾ系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、アンスラキノン系顔料など、黄色顔料としてのアゾ系顔料、イミダゾロン系顔料、チタン黄色顔料など、オレンジ顔料としてのインダンスレン系顔料、アゾ系顔料など、青色系顔料としてのフタロシアニン系顔料、群青、紺青など、緑色顔料としてのフタロシアニン系顔料など、紫色顔料としてのジオキサジン系顔料、キナクリドン系顔料など、白色顔料としての酸化チタン、アルミニウムシリケート、酸化ケイ素などを用いることができるが、必ずしもこれ等に限定されるものではない。
また高分子型分散剤は、疎水基とイオン性基を必須成分とする高分子型分散剤であり、顔料の分散性を向上せしめ、また着色時には、架橋剤の作用により架橋し、固着剤としての機能を有するものである。
該高分子型分散剤は、必須成分として、疎水基(電気的に中性の非極性物質で水と親和性が低い)とイオン性基(電気的にイオン性の極性物質で、水との親和性が高い)からなり、その構造は、直鎖又は分岐したものいずれでもよく、ランダム、交互、周期、ブロックのいずれの構造でもよく、幹と枝の構造がデザインされたグラフトポリマーであってもよい。なお高分子型分散剤は、水性媒体に配合した状態が、水溶液、ディスパージョン、エマルジョンのいずれのものでも用いることができる。
該高分子型分散剤は、疎水基含有単量体とイオン性基含有単量体とを共重合させることにより製造できる。尚、それぞれの単量体は一種類のみでも、又は二種類以上用いてもよく、疎水基含有単量体としては、例えば、スチレン系単量体、フェニル基含有(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリル酸アルキルエステル類、アルキルビニルエーテル類、(メタ)アクリロニトリル等のビニル単量体;ポリイソシアネートとポリオール又はポリアミン等から形成されるウレタン基含有ビニル単量体;エピクロルヒドリンとビスフェノール等から形成されるエポキシ基含有ビニル単量体;多価カルボン酸とポリアルコール等を単量体から形成されるエステル基含有ビニル単量体;オルガノポリシロキサン等から形成されるシリコーン基含有ビニル単量体などが挙げられる。
またイオン性基には、陰イオン性基と陽イオン性基があるが、これらのイオン性基を与える単量体としては、陰イオン性基であれば(メタ)アクリル酸、クロトン酸、ソルビン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、不飽和ジカルボン酸のモノアルキルエステル等またはそれらの無水物及び塩などの不飽和カルボン酸単量体、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシアルキルの硫酸エステル等、又はそれらの塩などの不飽和スルホン酸単量体、ビニルホスホン酸、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル(炭素数2〜6)の燐酸エステル、(メタ)アクリル酸アルキルホスホン酸類などの不飽和リン酸単量体、陽イオン性基含有単量体であれば、ビニルアミン、アリルアミン、ビニルピリジン、メチルビニルピリジン、N,N−ジアルキルアミノスチレン、N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、ジアルキルアミノエチルビニルエーテルなどの不飽和アミン含有単量体、前記不飽和3級アミン含有単量体を4級化剤で4級化させた不飽和アンモニウム塩含有単量体等などが挙げられる。
高分子型分散剤の形成法としては、上記の共重合法によるもの以外に、例えば、イオン性基を予め導入したウレタン形成基含有単量体をウレタン重合、又はイオン性基を予め導入したエポキシ形成基含有単量体をエポキシ重合するなどの方法も採用することができる。
また、基幹の高分子を重合形成した後、目的のイオン性基を導入することで、本発明の高分子分散剤と得ることもできる。
なお、本発明の高分子型分散剤は、必須成分の疎水基とイオン性基の外に、その他の成分を含有していてもよく、例えば、イオン性を伴わない、ヒドロキシル基やアミド基を持つポリエチレンオキサイド、ポリオールやヒドロキシアルキルエステル類含有単量体、アクリルアミド、ヒドロキシアルキルアクリレート、酢酸ビニル、ビニルアルコール、N−エチルメタクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン等を単量体として共重合させることができる。
また水性媒体としては、水や水溶性有機溶剤等を用いることができ、水溶性有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール、t−ブタノール、トリメチロールプロパン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオ−ル、チオグルコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,5−ペンタンジオ−ル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。
顔料分散体は、前記の顔料、高分子型分散剤、水性媒体を混合し、ガラスビーズ、ジルコニアビーズ、チタニアビーズなどを用いてミル分散機で処理することで顔料分散体が得られ、平均粒径0.1〜0.5μmとするのが着色濃度、鮮明性、堅牢性に優れ好ましい。平均粒径0.1μm未満のものは分散に長時間を要し、顔料の凝集による作業上の問題や着色濃度が低下する問題が生じる恐れがあり、平均粒径0.5μm以上のものは着色濃度に乏しく、不鮮明の着色剤となり、また、着色布の堅牢性が悪く好ましくない。
また、これらの顔料分散体には、必要に応じ湿潤剤としてのグリコール溶剤、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコールなどや、尿素、ヒアルロン酸、ショ糖などを添加することができる。
その他に、分散助剤としての非イオン性界面活性剤や陰イオン界面活性剤を添加することができるが、これ等の、界面活性剤は、本発明の顔料分散体としての性能を低下させるため、多量に配合することは好ましくない。
架橋剤は、顔料分散剤として疎水基とイオン性基をもつ高分子型分散剤のイオン性基を架橋させることにより、親水性であるイオン性基を封鎖し、高分子型分散剤を非水溶性の大きな樹脂様高分子体とすることで、顔料の固着剤としての機能を生じさせるものである。
架橋剤としては、オキサゾリン化合物、イソシアネート化合物、ブロックイソシアネート化合物、エポキシ樹脂化合物、エチレン尿素化合物、エチレンイミン化合物、メラミン系化合物、有機酸ジヒドラジド化合物、ジアセトンアクリルアミド、カルボジイミド、シランカップリング剤からなる架橋基を含有する化合物であれば、特に限定されない。これらの架橋剤は複数併用して用いることもできる。
なお、架橋剤は、その反応性のため、着色インク中で徐々に硬化が進行する、いわゆるポットライフが生じるため、着色加工の直前に配合される。ただし、官能基をブロックやプロテクトされている架橋剤は、インク中で硬化が進行することがないため、下記で述べるレジューサー中に予め配合して用いることもできる。
着色インクは、繊維を着色するためのインクであり、上記の着色組成物を、以下のレジューサーに配合することにより得ることができる。該着色組成物を用いて、そのまま繊維に着色することは顔料濃度や粘度の関係でできないため、着色組成物を加工方法に応じた粘度のレジューサーにより任意に希釈して加工方法に適した顔料濃度をもつ着色インクとして用いる。
本発明中のレジューサーとは、水性の希釈剤のことを指し、ターペンを含むターペンレジューサー、又はターペンを含まないターペンレスレジューサーの何れも使用することができる。
ターペンレジューサーは、水とターペンを非イオン界面活性剤により乳化し、糊状としたものであり、非イオン界面活性剤の種類を変えること、及び、水とターペンの比率を変えることで、加工方法に応じた様々な粘性と粘度のレジューサーが得られる。
また、ターペンレスレジューサーは、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、アルギンなどの水溶性糊料を水に溶解させたもの、又は、アルカリ可溶型の架橋されたアクリル樹脂、アルカリ増粘型のアクリル酸ポリマー等を水で任意に希釈し糊状としたものを用いることができ、その種類や濃度により様々な粘性と粘度のレジューサーが得られる。ターペンレスレジューサーには着色布の堅牢性の点から水溶性糊料ではなく樹脂型の増粘剤を用いることが好ましい。
着色インクの粘度、粘性は、加工方法に準じた調整が必要であり、概ねパディング法では、100〜1,000mPa/s、ローラー捺染では、1,000〜5,000mPa/s、スクリーン捺染では、3,000〜100,000mPa/s、ナイフコーティングでは、1,000〜5,000mPa/sに調整したインキを用いる。通常、この粘度は、予めレジューサーの粘度を調整しておくことによりもたらされる。
また、着色インクに占める着色組成物の量は、着色組成物の顔料濃度や必要とするインク濃度により異なるが、0.1〜20重量%の配合が好ましく、また着色インクには、固着剤、湿潤剤、可塑剤、その他の添加剤等を適時配合することができる。その場合の配合は、予めレジューサーに混合していてもよく、着色インクに後から添加してもよい。
繊維構造体を着色するための着色方法としては、着色インクに繊維を浸漬しマングル等で絞り乾燥固着させるパディング法、凹版を用いて着色インクを繊維上に着色し乾燥固着させるローラー捺染法、スクリーン版で着色インクを繊維上にプリント捺染し乾燥固着させるスクリーン捺染法等がある。
なお、スクリーン捺染法には、加工機種として、オートスクリーン捺染機、ハンドスクリーン捺染機、ロータリー捺染機、円形自動捺染機、楕円形自動捺染機等がある。
また、着色インクを繊維上に全面コーティングし乾燥固着するコーティング法があり、コーティング機械としては、ナイフコーター、ワイヤーコーター、コンマコーターなどがある。また、セルロース繊維をカチオン化剤により予め前処理し、その後、本発明の顔料分散体をイオン吸着させる吸尽染色法があり、染色機械としては、パドル型染色機、ドラム型染色機、ウィンス型染色機、液流染色機などを用いることができる。
なお、着色方法は、例示した方法に限定されるものではなく、本発明における着色組成物を用いた繊維の着色が可能な方法であれば、何れの方法も適用できる。
着色インクを用いて繊維を着色した着色布は、着色組成物の高分子型分散剤を架橋剤により架橋硬化させる。着色布は乾燥の後、室温においても架橋反応は徐々に進行するが、より架橋硬化を促進させるため熱処理を行うことが好ましく、通常100℃〜180℃で3〜10分間の熱処理を行うことで目的を達する。
さらに後処理として、着色布に後処理剤を全面にパディング処理することで、風合いの柔軟性や堅牢性(特に摩擦堅牢性)が向上した着色布を得ることができる。
柔軟化を目的とした後処理剤としては、カチオン系・アニオン系・非イオン系界面活性剤、ジメチルシリコーンオイル、アミノシリコーンオイル、カルボキシ変性シリコーンオイル、ヒドロキシ変性シリコーンオイル、脂肪酸、脂肪酸アマイド、鉱物油、植物油、動物油、可塑剤などが挙げられる。また、着色繊維表面のスベリ性を向上させる目的の後処理剤としては、金属石鹸、パラフィンワックス、カルナバワックス、マイクロスタリンワックス、ジメチルシリコーンオイル、アミノシリコーンオイル、カルボキシ変性シリコーンオイル、ヒドロキシ変性シリコーンオイルなどが挙げられる。
パディング処理は、これ等後処理剤を水溶媒にミキサー攪拌により乳化、熱乳化、又は分散したものに、着色布を浸漬しマングル等で絞り乾燥、熱処理を加えて処理する。
また、後処理剤中に固着剤として樹脂エマルジョンを少量配合することにより、着色布の摩擦堅牢性を向上させることも可能である。固着剤として配合する樹脂エマルジョンとしては、特に限定するものではないが、アクリル酸エステル樹脂エマルジョン、ウレタン樹脂エマルジョン、EVA樹脂エマルジョン、シリコーン/アクリル樹脂エマルジョン、ポリエステル樹脂エマルジョンなどを用いることができ、着色布の風合いを柔らかくするために、これ等の樹脂エマルジョンのガラス転移点が0℃以下であることが好ましい。
かくして得られた染色された繊維構造体は、染色堅牢度に優れ、かつ湿熱環境下で繊維強度の低下が小さい繊維構造体である。その際、染色された繊維構造体を温度70℃、湿度90%RHの環境下で1週間処理した後、該繊維構造体に含まれる前記ポリ乳酸繊維の繊維強度が0.5gr/dtex以上(より好ましくは3〜10gr/dtex)であることが好ましい。また、染色された繊維構造体において、明度指数L値が80以下の濃色であると、本発明の効果が一層発現され好ましい。また、AATCC IIA法により測定した、染色された繊維構造体の洗濯堅牢度が3級以上であることが好ましい。
なお、本発明の染色された繊維構造体には、常法の難燃加工、撥水加工、起毛加工、紫外線遮蔽あるいは抗菌剤、消臭剤、防虫剤、蓄光剤、再帰反射剤、マイナスイオン発生剤等の機能を付与する各種加工を本発明の効果を奏する範囲内で付加適用してもよい。
次に、本発明の繊維製品は前記のポリ乳酸繊維構造体を用いてなる、スポーツ衣料、インナー衣料、紳士衣料、婦人衣料からなる群より選択されるいずれかの繊維製品である。かかる繊維製品には前記のポリ乳酸繊維構造体が含まれるので、優れた染色堅牢度を呈する。
なお、前記のポリ乳酸繊維構造体は前記の繊維製品以外の、カーシート表皮材、床材、天井材などの車両内装材、カップ、パッド等の衣料資材、カーテン、カーペット、マット、家具等のインテリア用品、ベルト、ネット、ロープ、重布、袋類、フェルト、フィルター等の産業資材、アクセサリー、形態ストラップ、めがね拭き、食器拭き、マウスパッド、ぬいぐるみ、おもちゃ張り、帽子、手袋、ホワイトボードクリーナー、ノートの表紙等の小物類としても好適に使用される。
<環状カルボジイミド化合物の反応について>
本発明においては、上述の染色されたポリ乳酸繊維構造体において、該構造体を構成するポリ乳酸が、カルボジイミド化合物で末端封止されていることが好ましく、特に、環状カルボジイミド化合物によりその分子末端を封止されているポリ乳酸である構造体を用いることが望ましい。環状カルボジイミド化合物により、ポリ乳酸の末端を封止すると、ポリ乳酸の末端にイソシアネート基が形成され、そのイソシアネート基の反応により、ポリ乳酸の高分子量化が可能となる。また環状カルボジイミド化合物は、ポリ乳酸中の遊離単量体やその他酸性基を有する化合物を捕捉する作用も有する。さらに本発明によれば、環状カルボジイミド化合物は、環状構造を有することにより、通常用いられる線状カルボジイミド化合物に比較して、より温和な条件で、末端封止できる利点を有する。
末端封止の反応機構における、線状カルボジイミド化合物と環状カルボジイミド化合物との相違点は以下に説明する通りである。
線状カルボジイミド化合物(R−N=C=N−R)を、ポリ乳酸のカルボキシル末端封止剤として用いると以下の式で表されるような反応となる。線状カルボジイミド化合物がカルボキシル基と反応することにより、ポリ乳酸の末端にはアミド基が形成され、イソシアネート化合物(RNCO)が遊離される。
Figure 2011256477
(式中、Wはポリ乳酸の主鎖である。)
一方、環状カルボジイミド化合物を、ポリ乳酸のカルボキシル末端封止剤として用いると以下の式で表されるような反応となる。環状カルボジイミド化合物がカルボキシル基と反応することにより、ポリ乳酸の末端にはアミド基を介してイソシアネート基(−NCO)が形成され、イソシアネート化合物が遊離されないことが分かる。
Figure 2011256477
(式中、Wはポリ乳酸の主鎖であり、Qは、脂肪族基、脂環族基、芳香族基またはこれらの組み合わせである2〜4価の結合基である。)
<環状カルボジイミド化合物(C成分)>
本発明において、環状カルボジイミド化合物(C成分)は環状構造を有する。環状カルボジイミド化合物は、環状構造を複数有していてもよい。
環状構造は、カルボジイミド基(−N=C=N−)を1個有しその第一窒素と第二窒素とが結合基により結合されている。一つの環状構造中には、1個のカルボジイミド基のみを有するが、例えば、スピロ環など、分子中に複数の環状構造を有する場合にはスピロ原子に結合するそれぞれの環状構造中に1個のカルボジイミド基を有していれば、化合物として複数のカルボジイミド基を有していてよいことはいうまでもない。環状構造中の原子数は、好ましくは8〜50、より好ましくは10〜30、さらに好ましくは10〜20、特に好ましくは10〜15である。
ここで、環状構造中の原子数とは、環構造を直接構成する原子の数を意味し、例えば、8員環であれば8、50員環であれば50である。環状構造中の原子数が8より小さいと、環状カルボジイミド化合物の安定性が低下して、保管、使用が困難となる場合があるためである。また反応性の観点よりは環員数の上限値に関しては特別の制限はないが、50を超える原子数の環状カルボジイミド化合物は合成上困難となり、コストが大きく上昇する場合が発生するためである。かかる観点より環状構造中の原子数は好ましくは、10〜30、より好ましくは10〜20、特に好ましくは10〜15の範囲が選択される。
環状構造は、下記式(1)で表される構造であることが好ましい。
Figure 2011256477
式中、Qは、それぞれヘテロ原子ならびに置換基を含んでいてもよい、脂肪族基、脂環族基、芳香族基またはこれらの組み合わせである2〜4価の結合基である。ヘテロ原子とはこの場合、O、N、S、Pを指す。この結合基の価のうち2つの価は環状構造を形成するために使用される。Qが3価あるいは4価の結合基である場合、単結合、二重結合、原子、原子団を介して、ポリマーあるいは他の環状構造と結合している。
結合基は、それぞれヘテロ原子ならびに置換基を含んでいてもよい、2〜4価の炭素数1〜20の脂肪族基、2〜4価の炭素数3〜20の脂環族基、2〜4価の炭素数5〜15の芳香族基またはこれらの組み合わせであり、上記で規定される環状構造を形成するための必要炭素数を有する結合基が選択される。組み合わせの例としては、アルキレン基とアリーレン基が結合した、アルキレン−アリーレン基のような構造などが挙げられる。
結合基(Q)は、下記式(1−1)、(1−2)または(1−3)で表される2〜4価の結合基であることが好ましい。
Figure 2011256477
式中、ArおよびArは各々独立に、それぞれヘテロ原子ならびに置換基を含んでいてもよい、2〜4価の炭素数5〜15の芳香族基である。
芳香族基として、それぞれへテロ原子を含んで複素環構造を持っていてもよい、炭素数5〜15のアリーレン基、炭素数5〜15のアレーントリイル基、炭素数5〜15のアレーンテトライル基が挙げられる。アリーレン基(2価)として、フェニレン基、ナフタレンジイル基などが挙げられる。アレーントリイル基(3価)として、ベンゼントリイル基、ナフタレントリイル基などが挙げられる。アレーンテトライル基(4価)として、ベンゼンテトライル基、ナフタレンテトライル基などが挙げられる。これらの芳香族基は置換されていても良い。置換基として、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基などが挙げられる。
およびRは各々独立に、それぞれヘテロ原子ならびに置換基を含んでいてもよい、2〜4価の炭素数1〜20の脂肪族基、2〜4価の炭素数3〜20の脂環族基、およびこれらの組み合わせ、またはこれら脂肪族基、脂環族基と2〜4価の炭素数5〜15の芳香族基の組み合わせである。
脂肪族基として、炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数1〜20のアルカントリイル基、炭素数1〜20のアルカンテトライル基などが挙げられる。アルキレン基として、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、へプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ドデシレン基、へキサデシレン基などが挙げられる。アルカントリイル基として、メタントリイル基、エタントリイル基、プロパントリイル基、ブタントリイル基、ペンタントリイル基、ヘキサントリイル基、ヘプタントリイル基、オクタントリイル基、ノナントリイル基、デカントリイル基、ドデカントリイル基、ヘキサデカントリイル基などが挙げられる。アルカンテトライル基として、メタンテトライル基、エタンテトライル基、プロパンテトライル基、ブタンテトライル基、ペンタンテトライル基、ヘキサンテトライル基、ヘプタンテトライル基、オクタンテトライル基、ノナンテトライル基、デカンテトライル基、ドデカンテトライル基、ヘキサデカンテトライル基などが挙げられる。これらの脂肪族基は置換されていても良い。置換基として、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基などが挙げられる。
脂環族基として、炭素数3〜20のシクロアルキレン基、炭素数3〜20のシクロアルカントリイル基、炭素数3〜20のシクロアルカンテトライル基が挙げられる。シクロアルキレン基として、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロへプチレン基、シクロオクチレン基、シクロノニレン基、シクロデシレン基、シクロドデシレン基、シクロへキサデシレン基などが挙げられる。シクロアルカントリイル基として、シクロプロパントリイル基、シクロブタントリイル基、シクロペンタントリイル基、シクロヘキサントリイル基、シクロヘプタントリイル基、シクロオクタントリイル基、シクロノナントリイル基、シクロデカントリイル基、シクロドデカントリイル基、シクロヘキサデカントリイル基などが挙げられる。シクロアルカンテトライル基として、シクロプロパンテトライル基、シクロブタンテトライル基、シクロペンタンテトライル基、シクロヘキサンテトライル基、シクロヘプタンテトライル基、シクロオクタンテトライル基、シクロノナンテトライル基、シクロデカンテトライル基、シクロドデカンテトライル基、シクロヘキサデカンテトライル基などが挙げられる。これらの脂環族基は置換されていても良い。置換基として、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基などが挙げられる。
芳香族基として、それぞれへテロ原子を含んで複素環構造を持っていてもよい、炭素数5〜15のアリーレン基、炭素数5〜15のアレーントリイル基、炭素数5〜15のアレーンテトライル基が挙げられる。アリーレン基として、フェニレン基、ナフタレンジイル基などが挙げられる。アレーントリイル基(3価)として、ベンゼントリイル基、ナフタレントリイル基などが挙げられる。アレーンテトライル基(4価)として、ベンゼンテトライル基、ナフタレンテトライル基などが挙げられる。これら芳香族基は置換されていても良い。置換基として、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基などが挙げられる。
およびXは各々独立に、それぞれヘテロ原子ならびに置換基を含んでいてもよい、2〜4価の炭素数1〜20の脂肪族基、2〜4価の炭素数3〜20の脂環族基、2〜4価の炭素数5〜15の芳香族基、またはこれらの組み合わせである。
脂肪族基として、炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数1〜20のアルカントリイル基、炭素数1〜20のアルカンテトライル基などが挙げられる。アルキレン基として、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、へプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ドデシレン基、へキサデシレン基などが挙げられる。アルカントリイル基として、メタントリイル基、エタントリイル基、プロパントリイル基、ブタントリイル基、ペンタントリイル基、ヘキサントリイル基、ヘプタントリイル基、オクタントリイル基、ノナントリイル基、デカントリイル基、ドデカントリイル基、ヘキサデカントリイル基などが挙げられる。アルカンテトライル基として、メタンテトライル基、エタンテトライル基、プロパンテトライル基、ブタンテトライル基、ペンタンテトライル基、ヘキサンテトライル基、ヘプタンテトライル基、オクタンテトライル基、ノナンテトライル基、デカンテトライル基、ドデカンテトライル基、ヘキサデカンテトライル基などが挙げられる。これらの脂肪族基は置換されていても良い。置換基として、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基などが挙げられる。
脂環族基として、炭素数3〜20のシクロアルキレン基、炭素数3〜20のシクロアルカントリイル基、炭素数3〜20のシクロアルカンテトライル基が挙げられる。シクロアルキレン基として、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロへプチレン基、シクロオクチレン基、シクロノニレン基、シクロデシレン基、シクロドデシレン基、シクロへキサデシレン基などが挙げられる。アルカントリイル基として、シクロプロパントリイル基、シクロブタントリイル基、シクロペンタントリイル基、シクロヘキサントリイル基、シクロヘプタントリイル基、シクロオクタントリイル基、シクロノナントリイル基、シクロデカントリイル基、シクロドデカントリイル基、シクロヘキサデカントリイル基などが挙げられる。アルカンテトライル基として、シクロプロパンテトライル基、シクロブタンテトライル基、シクロペンタンテトライル基、シクロヘキサンテトライル基、シクロヘプタンテトライル基、シクロオクタンテトライル基、シクロノナンテトライル基、シクロデカンテトライル基、シクロドデカンテトライル基、シクロヘキサデカンテトライル基などが挙げられる。これらの脂環族基は置換されていても良い。置換基として、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基などが挙げられる。
芳香族基として、それぞれへテロ原子を含んで複素環構造を持っていてもよい、炭素数5〜15のアリーレン基、炭素数5〜15のアレーントリイル基、炭素数5〜15のアレーンテトライル基が挙げられる。アリーレン基として、フェニレン基、ナフタレンジイル基などが挙げられる。アレーントリイル基(3価)として、ベンゼントリイル基、ナフタレントリイル基などが挙げられる。アレーンテトライル基(4価)として、ベンゼンテトライル基、ナフタレンテトライル基などが挙げられる。これらの芳香族基は置換されていても良い。置換基として、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基などが挙げられる。
式(1−1)、(1−2)においてs、kは0〜10の整数、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0〜1の整数である。sおよびkが10を超えると、環状カルボジイミド化合物は合成上困難となり、コストが大きく上昇する場合が発生するためである。かかる観点より整数は好ましくは0〜3の範囲が選択される。なお、sまたはkが2以上であるとき、繰り返し単位としてのX、あるいはXが、他のX、あるいはXと異なっていてもよい。
は、それぞれヘテロ原子ならびに置換基を含んでいてもよい、2〜4価の炭素数1〜20の脂肪族基、2〜4価の炭素数3〜20の脂環族基、2〜4価の炭素数5〜15の芳香族基、またはこれらの組み合わせである。
脂肪族基として、炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数1〜20のアルカントリイル基、炭素数1〜20のアルカンテトライル基などが挙げられる。アルキレン基として、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、へプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ドデシレン基、へキサデシレン基などが挙げられる。アルカントリイル基として、メタントリイル基、エタントリイル基、プロパントリイル基、ブタントリイル基、ペンタントリイル基、ヘキサントリイル基、ヘプタントリイル基、オクタントリイル基、ノナントリイル基、デカントリイル基、ドデカントリイル基、ヘキサデカントリイル基などが挙げられる。アルカンテトライル基として、メタンテトライル基、エタンテトライル基、プロパンテトライル基、ブタンテトライル基、ペンタンテトライル基、ヘキサンテトライル基、ヘプタンテトライル基、オクタンテトライル基、ノナンテトライル基、デカンテトライル基、ドデカンテトライル基、ヘキサデカンテトライル基などが挙げられる。これら脂肪族基は置換基を含んでいてもよく、置換基として、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基などが挙げられる。
脂環族基として、炭素数3〜20のシクロアルキレン基、炭素数3〜20のシクロアルカントリイル基、炭素数3〜20のシクロアルカンテトライル基が挙げられる。シクロアルキレン基として、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロへプチレン基、シクロオクチレン基、シクロノニレン基、シクロデシレン基、シクロドデシレン基、シクロへキサデシレン基などが挙げられる。アルカントリイル基として、シクロプロパントリイル基、シクロブタントリイル基、シクロペンタントリイル基、シクロヘキサントリイル基、シクロヘプタントリイル基、シクロオクタントリイル基、シクロノナントリイル基、シクロデカントリイル基、シクロドデカントリイル基、シクロヘキサデカントリイル基などが挙げられる。アルカンテトライル基として、シクロプロパンテトライル基、シクロブタンテトライル基、シクロペンタンテトライル基、シクロヘキサンテトライル基、シクロヘプタンテトライル基、シクロオクタンテトライル基、シクロノナンテトライル基、シクロデカンテトライル基、シクロドデカンテトライル基、シクロヘキサデカンテトライル基などが挙げられる。これら脂環族基は置換基を含んでいてもよく、置換基として、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜15のアリーレン基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基などが挙げられる。
芳香族基として、それぞれへテロ原子を含んで複素環構造を持っていてもよい、炭素数5〜15のアリーレン基、炭素数5〜15のアレーントリイル基、炭素数5〜15のアレーンテトライル基が挙げられる。アリーレン基として、フェニレン基、ナフタレンジイル基などが挙げられる。アレーントリイル基(3価)として、ベンゼントリイル基、ナフタレントリイル基などが挙げられる。アレーンテトライル基(4価)として、ベンゼンテトライル基、ナフタレンテトライル基などが挙げられる。これらの芳香族基は置換されていても良い。置換基として、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基などが挙げられる。
また、Ar、Ar、R、R、X、XおよびXはヘテロ原子を含有していてもよい、また、Qが2価の結合基であるときは、Ar、Ar、R、R、X、XおよびXは全て2価の基である。Qが3価の結合基であるときは、Ar、Ar、R、R、X、XおよびXの内の一つが3価の基である。Qが4価の結合基であるときは、Ar、Ar、R、R、X、XおよびXの内の一つが4価の基であるか、二つが3価の基である。
本発明で用いる環状カルボジイミド化合物として、下記式(2)〜(4)で表される化合物が挙げられる。
<環状カルボジイミド化合物(2)>
Figure 2011256477
式中、Qaは、脂肪族基、脂環族基、芳香族基またはこれらの組み合わせである2価の結合基であり、ヘテロ原子を含有していてもよい。脂肪族基、脂環族基、芳香族基は、式(1)で説明したものと同じである。但し、式(2)の化合物においては、脂肪族基、脂環族基、芳香族基は全て2価である。Qaは、下記式(2−1)、(2−2)または(2−3)で表される2価の結合基であることが好ましい。
Figure 2011256477
式中、Ar 、Ar 、R 、R 、X 、X 、X 、sおよびkは、各々式(1−1)〜(1−3)中のAr、Ar、R、R、X、X、X、sおよびkと同じである。但し、これらは全て2価である。
かかる環状カルボジイミド化合物(2)としては、以下の化合物が挙げられる。
Figure 2011256477
Figure 2011256477
Figure 2011256477
Figure 2011256477
Figure 2011256477
Figure 2011256477
Figure 2011256477
Figure 2011256477
Figure 2011256477
Figure 2011256477
Figure 2011256477
Figure 2011256477
Figure 2011256477
Figure 2011256477
<環状カルボジイミド化合物(3)>
Figure 2011256477
式中、Qは、脂肪族基、脂環族基、芳香族基、またはこれらの組み合わせである3価の結合基であり、ヘテロ原子を含有していてもよい。Yは、環状構造を担持する担体である。脂肪族基、脂環族基、芳香族基は、式(1)で説明したものと同じである。但し、式(3)の化合物においては、Qbを構成する基の内一つは3価である。Qは、下記式(3−1)、(3−2)または(3−3)で表される3価の結合基であることが好ましい。
Figure 2011256477
式中、Ar 、Ar 、R 、R 、X 、X 、X 、sおよびkは、各々式(1−1)〜(1−3)のAr、Ar、R、R、X、X、X、sおよびkと同じである。但しこれらの内の一つは3価の基である。
Yは、単結合、二重結合、原子、原子団またはポリマーであることが好ましい。Yは結合部であり、複数の環状構造がYを介して結合し、式(3)で表される構造を形成している。かかる環状カルボジイミド化合物(3)としては、下記化合物が挙げられる。
Figure 2011256477
Figure 2011256477
Figure 2011256477
Figure 2011256477
<環状カルボジイミド化合物(4)>
Figure 2011256477
式中、Qは、脂肪族基、脂環族基、芳香族基またはこれらの組み合わせである4価の結合基であり、ヘテロ原子を保有していてもよい。ZおよびZは、環状構造を担持する担体である。ZおよびZは、互いに結合して環状構造を形成していてもよい。
脂肪族基、脂環族基、芳香族基は、式(1)で説明したものと同じである。但し、式(4)の化合物において、Qは4価である。従って、これらの基の内の一つが4価の基であるか、二つが3価の基である。Qは、下記式(4−1)、(4−2)または(4−3)で表される4価の結合基であることが好ましい。
Figure 2011256477
Ar 、Ar 、R 、R 、X 、X 、X 、sおよびkは、各々式(1−1)〜(1−3)の、Ar、Ar、R、R、X、X、X、sおよびkと同じである。但し、Ar 、Ar 、R 、R 、X 、X およびX は、これらの内の一つが4価の基であるか、二つが3価の基である。
およびZは各々独立に、単結合、二重結合、原子、原子団またはポリマーであることが好ましい。ZおよびZは結合部であり、複数の環状構造がZおよびZを介して結合し、式(4)で表される構造を形成している。
かかる環状カルボジイミド化合物(4)としては、下記化合物を挙げることができる。
Figure 2011256477
Figure 2011256477
Figure 2011256477
<環状カルボジイミド化合物の製造方法>
環状カルボジイミド化合物は従来公知の方法により製造することができる。例として、アミン体からイソシアネート体を経由して製造する方法、アミン体からイソチオシアネート体を経由して製造する方法、アミン体からトリフェニルホスフィン体を経由して製造する方法、アミン体から尿素体を経由して製造する方法、アミン体からチオ尿素体を経由して製造する方法、カルボン酸体からイソシアネート体を経由して製造する方法、ラクタム体を誘導して製造する方法などが挙げられる。
また、本発明の環状カルボジイミド化合物は、以下の文献に記載された方法を組み合わせ及び改変して製造することができ、製造する化合物に応じて適切な方法を採用することができる。
Tetrahedron Letters,Vol.34,No.32,515−5158,1993.
Medium−and Large−Membered Rings from Bis(iminophosphoranes):An Efficient Preparation of Cyclic Carbodiimides, Pedro Molina etal.
Journal of Organic Chemistry,Vol.61,No.13,4289−4299,1996.
New Models for the Study of the Racemization Mechanism of Carbodiimides.Synthesis and Structure(X−ray Crystallography and 1H NMR) of Cyclic Carbodiimides, Pedro Molina etal.
Journal of Organic Chemistry,Vol.43,No8,1944−1946,1978.
Macrocyclic Ureas as Masked Isocyanates, Henri Ulrich etal.
Journal of Organic Chemistry,Vol.48,No.10,1694−1700,1983.
Synthesis and Reactions of Cyclic Carbodiimides,
R.Richteretal.
Journal of Organic Chemistry,Vol.59,No.24,7306−7315,1994.
A New and Efficient Preparation of Cyclic Carbodiimides from Bis(iminophosphoranea)and the System BocO/DMAP,Pedro Molina etal.
製造する化合物に応じて、適切な製法を採用すればよいが、例えば、(1)下記式(a−1)で表されるニトロフェノール、下記式(a−2)で表されるニトロフェノールおよび下記式(b)で表される化合物を反応させ、下記式(c)で表されるニトロ体を得る工程、
Figure 2011256477
Figure 2011256477
(2)得られたニトロ体を還元して下記式(d)で表わされるアミン体を得る工程、
Figure 2011256477
(3)得られたアミン体とトリフェニルホスフィンジブロミドを反応させ下記式(e)で表されるトリフェニルホスフィン体を得る工程、および
Figure 2011256477
(4)得られたトリフェニルホスフィン体を反応系中でイソシアネート化した後、直接脱炭酸させることによって製造したものは、本願発明に用いる環状カルボジイミド化合物として好適に用いることができる。
(上記式中、ArおよびArは各々独立に、炭素数1〜6のアルキル基またはフェニル基で置換されていてもよい芳香族基である。EおよびEは各々独立に、ハロゲン原子、トルエンスルホニルオキシ基およびメタンスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基、p−ブロモベンゼンスルホニルオキシ基からなる群から選ばれる基である。Arは、フェニル基である。Xは、下記式(i−1)から(i−3)の結合基である。)
Figure 2011256477
(式中、nは1〜6の整数である。)
Figure 2011256477
(式中、mおよびnは各々独立に0〜3の整数である。)
Figure 2011256477
(式中、RおよびRは各々独立に、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基を表す。)
<ポリ乳酸>
本発明のポリ乳酸は、主鎖が主として下記式(I)で表される乳酸単位からなり、末端の少なくとも一部が環状カルボジイミド化合物により封止されている。本発明において「主として」とは、好ましくは90〜100モル%、より好ましくは95〜100モル%、さらに好ましくは98〜100モル%の割合である。
Figure 2011256477
式(I)で表される乳酸単位には、互いに光学異性体であるL−乳酸単位とD−乳酸単位がある。ポリ乳酸の主鎖は主として、L−乳酸単位、D−乳酸単位またはこれらの組み合わせであってもよい。
また、ポリ乳酸は、耐熱性向上の観点からは、主鎖が主としてD−乳酸単位よりなるポリD−乳酸と主鎖が主としてL乳酸単位よりなるポリL−乳酸とからなり、ステレオコンプレックス結晶を有するステレオコンプレックスポリ乳酸であることが特に好ましい。
ここで、主鎖を構成する他の単位の割合は、好ましくは0〜10モル%、より好ましくは0〜5モル%、さらに好ましくは0〜2モル%の範囲である。
ステレオコンプレックス結晶は通常ポリL乳酸やポリD乳酸が単独で形成する結晶よりも融点が高いので、若干でも含まれることによって耐熱性を上げる効果が期待できるが、特にその効果は全体の結晶量に対するステレオコンプレックス結晶の量が多い場合に顕著に発揮される。下記式に従うステレオコンプレックス結晶化度(S)において、95%以上であることが好ましく、さらに好ましくは100%である。
S=[ΔHms/(ΔHmh+ΔHms)] × 100
(但し、ΔHmsはステレオコンプレックス相結晶の融解エンタルピー、ΔHmhはホモ相ポリ乳酸結晶の融解エンタルピー。)
ステレオコンプレックスポリ乳酸結晶の形成を安定的且つ高度に進めるために特定の添加物を配合する手法が好ましく適用される。
例えば、ステレオコンプレックス結晶化促進剤として下記式で表されるリン酸金属塩を添加する手法が挙げられる。
Figure 2011256477
式中、R11は水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、R12、R13はそれぞれ独立に、水素原子、または炭素原子数1〜12のアルキル基を表し、Mはアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、亜鉛原子またはアルミニウム原子を表し、pは1または2を表し、qはMがアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、亜鉛原子のときは0を、アルミニウム原子の時は1または2を表す。
Figure 2011256477
式中R14、R15およびR16は各々独立に、水素原子または炭素原子数1〜12のアルキル基を表し、Mはアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、亜鉛原子またはアルミニウム原子を表し、pは1または2を表し、qはMがアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、亜鉛原子のときは0を、アルミニウム原子の時は1または2を表す。
上記二つの式において表されるリン酸金属塩のM、Mは、Na、K、Al、Mg、Ca、Liが好ましく、特に、K、Na、Al、LiなかでもLi、Alが最も好適に用いることができる。
これらのリン酸金属塩は、(株)ADEKA製の商品名、「アデカスタブ」NA−11、NA−71等が好適な剤として例示される。
ポリ乳酸に対して、リン酸金属塩は0.001から2wt%、好ましくは0.005から1wt%、より好ましくは0.01から0.5wt%さらに好ましくは0.02から0.3wt%用いることが好ましい。少なすぎる場合には、ステレオコンプレックス結晶化度(S)を向上する効果が小さく、多すぎるとステレオコンプレックス結晶融点を低下させる。さらに、リン酸金属塩の作用を強化するため、公知の結晶化核剤を併用することができる。なかでも珪酸カルシウム、タルク、カオリナイト、モンモリロナイトが好ましくは選択される。
結晶化核剤の使用量はポリ乳酸に対し0.05から5wt%、より好ましくは0.06から2wt%、さらに好ましくは0.06から1wt%の範囲が選択される。
ポリ乳酸はいずれの製法によって得られたものであってもよい。たとえば、ポリ乳酸の製造方法には、L−乳酸及び/又はD−乳酸を原料として一旦環状二量体であるラクチドを生成させて、その後開環重合を行う二段階のラクチド法と、L−乳酸及び/又はD−乳酸を原料として溶媒中で直接脱水縮合を行う一段階の直接重合法など、一般に知られている重合法によって好適に得ることができる。
ポリ乳酸にはその製造上、カルボン酸基が含まれることがあるが、その含まれるカルボン酸基の量は少ないほどよい。そのような理由から、たとえばラクチドから水以外の開始剤を用いて開環重合したものや、重合後に化学的に処理をしてカルボン酸基を低減したポリマーを用いることは好ましい。
ポリ乳酸の重量平均分子量は、通常少なくとも5万、好ましくは少なくとも10万、好ましくは10〜30万である。平均分子量が5万よりも低い場合には繊維の強度物性が低下するため好ましくない。30万を越える場合には溶融粘度が高くなりすぎ、溶融紡糸が困難になる場合がある。
また、本発明におけるポリ乳酸は、L−乳酸、D−乳酸の他にエステル形成能を有するその他の成分を共重合した共重合ポリ乳酸であってもよい。共重合可能な成分としては、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸などのヒドロキシカルボン酸類の他、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール等の分子内に複数の水酸基を含有する化合物類またはそれらの誘導体、アジピン酸、セバシン酸、フマル酸等の分子内に複数のカルボン酸基を含有する化合物類またはそれらの誘導体が挙げられる。ただし、高い融点を維持するためや繊維強度を損なわないため、この場合ポリマーの70モル%以上が乳酸単位からなることが望ましい。
<ポリ乳酸組成物とカルボジイミド化合物の反応>
本発明のポリ乳酸組成物は、環状カルボジイミド化合物がポリ乳酸の末端に結合した構造を有する末端封止されたポリ乳酸であることが望ましい。環状カルボジイミド化合物は、ポリ乳酸のカルボキシル基と以下のように反応しポリ乳酸の末端に以下の構造を形成する。
Figure 2011256477
(式中、Wはポリ乳酸の主鎖で、Qは、脂肪族基、脂環族基、芳香族基またはこれらの組み合わせである2〜4価の結合基である。)
本発明のポリ乳酸繊維構造体は、ポリ乳酸と環状カルボジイミドとを混合したポリ乳酸組成物を用いて製造することもできる。環状カルボジイミド化合物は、ポリ乳酸の末端と反応し末端を封止するが、余剰の環状カルボジイミド化合物が存在する場合には未反応のままポリ乳酸組成物中に残留する。このとき、ポリ乳酸繊維構造体には、末端が封止されたポリ乳酸および環状カルボジイミド化合物を含有するが、末端変性の反応の程度により、末端が封止されていないポリ乳酸も含有することもある。
なお、ポリ乳酸繊維構造体において、未反応のまま組成物中で残留する環状カルボジイミド化合物の含有量は、ポリ乳酸100重量部あたり、0.001〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量部、より好ましくは0.1〜1重量部である。
未反応のまま組成物中で残留する環状カルボジイミド化合物が存在する場合には、耐加水分解性をさらに向上させることが可能である。
ポリ乳酸への環状カルボジイミド化合物の添加は、該ポリ乳酸の重合反応完了直後から紡糸口金より吐出されるまでの任意の段階に行うことができ、例えば、ポリ乳酸チップに粉体として環状カルボジイミド化合物を添加する方法、溶融紡糸前の段階でポリ乳酸と環状カルボジイミド化合物とを強制的に溶融混練する方法などが挙げられる。
環状カルボジイミド化合物をポリ乳酸に添加、混合する方法は特に限定なく、従来公知の方法により、溶液、融液あるいは適用するポリ乳酸のマスターバッチとして添加する方法、あるいは環状カルボジイミド化合物が溶解、分散または溶融している液体にポリ乳酸の固体を接触させ環状カルボジイミド化合物を浸透させる方法などを採ることができる。
溶液、融液あるいは適用するポリ乳酸のマスターバッチとして添加する方法を採る場合には、従来公知の混練装置を使用して添加することができる。混練に際しては、溶液状態での混練法あるいは溶融状態での混練法が、均一混練性の観点より好ましい。混練装置としては、とくに限定なく、従来公知の縦型の反応容器、混合槽、混練槽あるいは一軸または多軸の横型混練装置、例えば一軸あるいは多軸のルーダー、ニーダーなどが例示される。混練時間は特に指定はなく、混練装置、混練温度にもよるが、0.1分間から2時間、好ましくは0.2分間から1時間、より好ましくは1分間から30分間が選択される。
溶媒としては、ポリ乳酸および環状カルボジイミド化合物に対し、不活性であるものを用いることができる。特に、両者に親和性を有し、両者を少なくとも部分的に溶解、あるいは両者に少なくとも部分的に溶解より溶媒が好ましい。
このような溶媒としてはたとえば、炭化水素系溶媒、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒、ハロゲン系溶媒、アミド系溶媒などを用いることができる。
炭化水素系溶媒として、ヘキサン、シクロへキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘプタン、デカンなどが挙げられる。ケトン系溶媒として、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、シクロへキサノン、イソホロンなどが挙げられる。エステル系溶媒としては、酢酸エチル、酢酸メチル、コハク酸エチル、炭酸メチル、安息香酸エチル、ジエチレングリコールジアセテートなどが挙げられる。エーテル系溶媒としては、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、ジフェニルエーテルなどが挙げられる。ハロゲン系溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラクロロメタン、ジクロロエタン、1,1’,2,2’−テトラクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどを挙げることができる。アミド系溶媒としては、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどが挙げられる。
これらの溶媒は単一であるいは所望により混合溶媒として使用することができる。
本発明において、溶媒は、ポリ乳酸と環状カルボジイミド化合物との合計、100重量部あたり1〜1,000重量部の範囲で適用される。1重量部より少ないと、溶媒適用に意義がない。また、溶媒使用量の上限値は、特にないが、操作性、反応効率の観点より1,000重量部程度である。
環状カルボジイミド化合物が溶解、分散または溶融している液体にポリ乳酸の固体を接触させ環状カルボジイミド化合物を浸透させる方法を採る場合には、上記のような溶剤に溶解したカルボジイミドに固体のポリ乳酸を接触させる方法や、カルボジイミドのエマルジョン液に固体のポリ乳酸を接触させる方法などをとることができる。接触させる方法としては、ポリ乳酸を浸漬する方法や、ポリ乳酸に塗布する方法、散布する方法などを好適にとることができる。
環状カルボジイミド化合物による封止反応は、室温(25℃)〜300℃程度の温度で可能であるが、反応効率の観点より50〜250℃、より好ましくは80〜200℃の範囲ではより促進される。ポリ乳酸は、溶融している状態ではより反応が進行しやすいが、環状カルボジイミド化合物の揮散、分解などを抑制するため、300℃より低い温度で反応させることが好ましい。またポリ乳酸の溶融温度を低下、攪拌効率を上げるためにも、溶媒を適用することは効果がある。
反応は無触媒で十分速やかに進行するが、反応を促進する触媒を使用することもできる。触媒としては、従来の線状カルボジイミド化合物で使用される触媒が適用できる。これらは1種または2種以上使用することができる。触媒の添加量は、特に限定されるものではないが、ポリ乳酸と環状カルボジイミド化合物の合計100重量部に対し、0.001〜1重量部が好ましく、また0.01〜0.1重量部がより好ましく、さらには0.02〜0.1重量部が最も好ましい。
環状カルボジイミド化合物の適用量は、酸性基1当量あたり、環状カルボジイミド化合物に含まれるカルボジイミド基が0.5〜100当量の範囲が選択される。0.5当量より過少に過ぎると、カルボジイミド適用の意義がない場合がある。また100当量より過剰に過ぎると、基質の特性が変成する場合がある。かかる観点より、上記基準において、好ましくは0.6〜100当量、より好ましくは0.65〜70当量、さらに好ましくは0.7〜50当量、とりわけ好ましくは0.7〜30当量の範囲が選択される。
<安定剤>
本発明のポリ乳酸繊維構造体には、安定剤を含有することができる。安定剤としては通常の熱可塑性樹脂の安定剤に使用されるものを用いることができる。例えば酸化防止剤、光安定剤等を挙げることができる。これらの剤を配合することで機械的特性、成形性、耐熱性および耐久性に優れた成形品を得ることができる。
酸化防止剤としてはヒンダードフェノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物、ホスファイト系化合物、チオエーテル系化合物等を挙げることができる。
ヒンダードフェノール系化合物としては、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−オクタデシル−3−(3’−メチル−5’−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−テトラデシル−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、1,4−ブタンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−tert−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、3,9−ビス[2−{3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン等が挙げられる。
ヒンダードアミン系化合物として、N,N’−ビス−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオニルヘキサメチレンジアミン、N,N’−テトラメチレン−ビス[3−(3’−メチル−5’−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ジアミン、N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオニル]ヒドラジン、N−サリチロイル−N’−サリチリデンヒドラジン、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール、N,N’−ビス[2−{3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]オキシアミド等を挙げることができる。好ましくは、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、およびテトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等が挙げられる。
ホスファイト系化合物としては、少なくとも1つのP−O結合が芳香族基に結合しているものが好ましく、具体的には、トリス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレンホスファイト、ビス(2,6―ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェニル−ジ−トリデシル)ホスファイト、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ジトリデシルホスファイト−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、トリス(ミックスドモノおよびジ−ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、4,4’−イソプロピリデンビス(フェニル−ジアルキルホスファイト)等が挙げられる。
なかでもトリス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジホスファイト、テトラキス(2,6―ジ−tert−ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレンホスファイト等が好ましく使用できる。
チオエーテル系化合物の具体例として、ジラウリルチオジプロピオネート、ジトリデシルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−ドデシルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−オクタデシルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ミリスチルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−ステアリルチオプロピオネート)等が挙げられる。
光安定剤としては、具体的には例えば、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、芳香族ベンゾエート系化合物、蓚酸アニリド系化合物、シアノアクリレート系化合物およびヒンダードアミン系化合物等を挙げることができる。
ベンゾフェノン系化合物としては、ベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−5−スルホベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、5−クロロ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−メチル−アクリロキシイソプロポキシ)ベンゾフェノン等が挙げられる。
ベンゾトリアゾール系化合物としては、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−メチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−アミル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(5−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(4’−オクトキシ−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
芳香族ベンゾエート系化合物としては、p−tert−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート等のアルキルフェニルサリシレート類が挙げられる。
蓚酸アニリド系化合物としては、2−エトキシ−2’−エチルオキザリックアシッドビスアニリド、2−エトキシ−5−tert−ブチル−2’−エチルオキザリックアシッドビスアニリド、2−エトキシ−3’−ドデシルオキザリックアシッドビスアニリド等が挙げられる。
シアノアクリレート系化合物としては、エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、2−エチルヘキシル−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート等が挙げられる。
ヒンダードアミン系化合物としては、4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(フェニルアセトキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−オクタデシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−フェノキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(エチルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(シクロヘキシルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(フェニルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)カーボネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)オギザレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)マロネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピ−4−ペリジル)アジペート、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピ−4−ペリジル)テレフタレート、1,2−ビス(2,2,6,6−テトラメチルピ−4−ペリジルオキシ)−エタン、α,α’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシ)−p−キシレン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−トリレン−2,4−ジカルバメート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ヘキサメチレン−1,6−ジカルバメート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ベンゼン−1,3,5−トリカルボキシレート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ベンゼン−1,3,4−トリカルボキシレート、1−「2−{3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β’,β’−テトラメチル−3,9−[2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン]ジメタノールとの縮合物等を挙げることができる。本発明において上記の安定剤成分は1種類で使用してもよいし2種以上を組み合わせて使用してもよい。また安定剤成分として、ヒンダードフェノール系化合物およびまたはベンゾトリアゾール系化合物が好ましい。安定剤の含有量はポリ乳酸100重量部当たり、好ましくは0.01〜3重量部、より好ましくは0.03〜2重量部である。
<耐摩耗剤>
本発明のポリ乳酸繊維構造体の耐摩耗性を向上させるために、脂肪酸ビスアミドおよび/またはアルキル置換型モノアミドを含有させることができる。
脂肪族ビスアミドは、飽和脂肪酸ビスアミド、不飽和脂肪酸ビスアミド、芳香族系脂肪参ビスアミド等の1分子中にアミド結合を2つ有する化合物を指し、例えば、メチレンビスカプリル酸アミド、メチレンビスカプリン酸アミド、メチレンビスラウリン酸アミド、メチレンビスミリスチン酸アミド、メチレンビスパルミチン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、メチレンビスイソステアリン酸アミド、メチレンビスベヘニン酸アミド、メチレンビスオレイン酸アミド、メチレンビスエルカ酸アミド、エチレンビスカプリル酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビスミリスチン酸アミド、エチレンビスパルミチン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスイソステアリン酸アミド、エチレンビスベヘニン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド、ブチレンビスステアリン酸アミド、ブチレンビスベヘニン酸アミド、ブチレンビスオレイン酸アミド、ブチレンビスエルカ酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスベヘニン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスエルカ酸アミド、m−キシリレンビスステアリン酸アミド、m−キシリレンビス−12−ヒドロキシステアリン酸アミド、p−キシリレンビスステアリン酸アミド、p−フェニレンビスステアリン酸アミド、N,N′−ジステアリルアジピン酸アミド、N,N′−ジステアリルセバシン酸アミド、N,N′−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N′−ジステアリルテレフタル酸アミド、メチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、ブチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド等が挙げられる。
また、本発明でいうアルキル置換型のモノアミドとは、飽和脂肪酸モノアミドや不飽和脂肪酸モノアミド等のアミド水素をアルキル基で置き換えた構造の化合物を指し、例えば、N−ラウリルラウリン酸アミド、N−パルミチルパルミチン酸アミド、N−ステアリルステアリン酸アミド、N−ヘベニルヘベニン酸アミド、N−オレイルオレイン酸アミド、N−ステアリルオレイン酸アミド、N−オレイルステアリン酸アミド、N−ステアリルエルカ酸アミド、N−オレイルパルミチン酸アミド等が挙げられる。該アルキル基は、その構造中にヒドロキシル基等の置換基が導入されていても良く、例えば、メチロースステアリン酸アミド、N−ステアリル−12−ヒドロキシステアリン酸アミド、N−オレイル−12−ヒドロキシステアリン酸アミド等も本発明のアルキル置換型の脂肪酸アミドに含むものとする。
これらの化合物は、通常の脂肪酸モノアミドに比べてアミドの反応性が低く、溶融成形時においてポリ乳酸との反応が起こりにくい。また、高分子量のものが多いため、一般的に耐熱性が良く、昇華しにくいという特徴がある。特に、脂肪酸ビスアミドは、アミドの反応性がさらに低いためポリ乳酸と反応しにくく、また、高分子量であるため耐熱性が良く、昇華しにくいことから、より好ましい耐摩耗剤として用いることができる。このような耐摩耗剤としては、例えばエチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスイソステアリン酸アミド、エチレンビスベヘニン酸アミド、ブチレンビスステアリン酸アミド、ブチレンビスベヘニン酸アミド、ヘキサメチレンビスベヘニン酸アミド、m−キシリレンビスステアリン酸アミドが好ましい。
本発明における脂肪酸ビスアミドおよび/またはアルキル置換型のモノアミド(以下、総称として脂肪酸アミドと略す)の短繊維全体に対する含有量は0.1〜1.5wt%が好ましい。より好ましくは0.5〜1.0wt%である。該脂肪酸アミドの含有量が0.1wt%以下であると目的に対して十分な効果が現れず、1.5wt%以上では短繊維の滑り性は向上するが、効果が大きすぎるため短繊維の絡合性悪化による操業性の不良ならび捲縮の均一性劣化などの品位低下を招く。脂肪酸アミドは単一成分でも良いし、また複数の成分が混合されていても良い。
<結晶化促進剤>
本発明のポリ乳酸組成物は、有機若しくは無機の結晶化促進剤を含有することができる。結晶化促進剤を含有することで、機械的特性、耐熱性、および成形性に優れた成形品を得ることができる。
即ち結晶化促進剤の適用により、成形性、結晶性が向上し、通常の射出成形においても十分に結晶化し耐熱性、耐湿熱安定性に優れた成形品を得ることができる。加えて、成形品を製造する製造時間を大幅に短縮でき、その経済的効果は大きい。
本発明で使用する結晶化促進剤は一般に結晶性樹脂の結晶化核剤として用いられるものを用いることができ、無機系の結晶化核剤および有機系の結晶化核剤のいずれをも使用することができる。
無機系の結晶化核剤として、タルク、カオリン、シリカ、合成マイカ、クレイ、ゼオライト、グラファイト、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫化カルシウム、窒化ホウ素、モンモリロナイト、酸化ネオジム、酸化アルミニウム、フェニルホスホネート金属塩等が挙げられる。これらの無機系の結晶化核剤は組成物中での分散性およびその効果を高めるために、各種分散助剤で処理され、一次粒子径が0.01〜0.5μm程度の高度に分散状態にあるものが好ましい。
有機系の結晶化核剤としては、安息香酸カルシウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸リチウム、安息香酸カリウム、安息香酸マグネシウム、安息香酸バリウム、蓚酸カルシウム、テレフタル酸ジナトリウム、テレフタル酸ジリチウム、テレフタル酸ジカリウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム、ミリスチン酸ナトリウム、ミリスチン酸カリウム、ミリスチン酸カルシウム、ミリスチン酸バリウム、オクタコ酸ナトリウム、オクタコ酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸バリウム、モンタン酸ナトリウム、モンタン酸カルシウム、トルイル酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、サリチル酸カリウム、サリチル酸亜鉛、アルミニウムジベンゾエート、β−ナフトエ酸ナトリウム、β−ナフトエ酸カリウム、シクロヘキサンカルボン酸ナトリウム等の有機カルボン酸金属塩、p−トルエンスルホン酸ナトリウム、スルホイソフタル酸ナトリウム等の有機スルホン酸金属塩が挙げられる。
また、ステアリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、トリメシン酸トリス(tert−ブチルアミド)等の有機カルボン酸アミド、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリイソプロピレン、ポリブテン、ポリ−4−メチルペンテン、ポリ−3−メチルブテン−1、ポリビニルシクロアルカン、ポリビニルトリアルキルシラン、高融点ポリ乳酸、エチレン−アクリル酸コポマーのナトリウム塩、スチレン−無水マレイン酸コポリマーのナトリウム塩(いわゆるアイオノマー)、ベンジリデンソルビトールおよびその誘導体、例えばジベンジリデンソルビトール等が挙げられる。
これらのなかでタルク、および有機カルボン酸金属塩から選択された少なくとも1種が好ましく使用される。本発明で使用する結晶化促進剤は1種のみでもよく、2種以上を併用しても良い。
結晶化促進剤の含有量は、ポリ乳酸100重量部当たり、好ましくは0.01〜30重量部、より好ましくは0.05〜20重量部である。
<帯電防止剤>
本発明のポリ乳酸繊維構造体には、帯電防止剤を含有することができる。帯電防止剤として、(β−ラウラミドプロピオニル)トリメチルアンモニウムスルフェート、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどの第4級アンモニウム塩系、スルホン酸塩系化合物、アルキルホスフェート系化合物等が挙げられる。
本発明において帯電防止剤は1種類で用いても良いし2種以上を組み合わせて用いても良い。帯電防止剤の含有量は、ポリ乳酸100重量部に対し、好ましくは0.05〜5重量部、より好ましくは0.1〜5重量部である。
<可塑剤>
本発明のポリ乳酸繊維構造体には、可塑剤を含有することができる。可塑剤としては一般に公知のものを使用することができる。例えば、ポリエステル系可塑剤、グリセリン系可塑剤、多価カルボン酸エステル系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、ポリアルキレングリコール系可塑剤、およびエポキシ系可塑剤、等が挙げられる。
ポリエステル系可塑剤として、アジピン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸等の酸成分とエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール等のジオール成分からなるポリエステルやポリカプロラクトン等のヒドロキシカルボン酸からなるポリエステル等が挙げられる。これらのポリエステルは単官能カルボン酸または単官能アルコールで末端封止されていても良い。
グリセリン系可塑剤として、グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、グリセリンモノアセトモノラウレート、グリセリンモノアセトモノステアレート、グリセリンジアセトモノオレート、グリセリンモノアセトモノモンタネート等が挙げられる。
多価カルボン酸系可塑剤として、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジベンジル、フタル酸ブチルベンジル等のフタル酸エステル、トリメリット酸トリブチル、トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリヘキシル等のトリメリット酸エステル、アジピン酸イソデシル、アジピン酸−n−デシル−n−オクチル等のアジピン酸エステル、アセチルクエン酸トリブチル等のクエン酸エステル、アゼライン酸ビス(2−エチルヘキシル)等のアゼライン酸エステル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ビス(2−エチルヘキシル)等のセバシン酸エステルが挙げられる。
リン酸エステル系可塑剤として、リン酸トリブチル、リン酸トリス(2−エチルヘキシル)、リン酸トリオクチル、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸ジフェニル−2−エチルヘキシル等が挙げられる。
ポリアルキレングリコール系可塑剤として、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリ(エチレンオキシド−プロピレンオキシド)ブロックおよびまたはランダム共重合体、ビスフェノール類のエチレンオキシド付加重合体、ビスフェノール類のテトラヒドロフラン付加重合体等のポリアルキレングリコールあるいはその末端エポキシ変性化合物、末端エステル変性化合物および末端エーテル変性化合物等の末端封止剤化合物等が挙げられる。
エポキシ系可塑剤として、エポキシステアリン酸アルキルと大豆油とからなるエポキシトリグリセリド、およびビスフェノールAとエピクロルヒドリンを原料とするエポキシ樹脂が挙げられる。
その他の可塑剤の具体的な例としては、ネオペンチルグリコールジベンゾエート、ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコール−ビス(2−エチルブチレート)等の脂肪族ポリオールの安息香酸エステル、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド、オレイン酸ブチル等の脂肪酸エステル、アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル等のオキシ酸エステル、ペンタエリスリトール、各種ソルビトール、ポリアクリル酸エステル、シリコーンオイル、およびパラフィン類等が挙げられる。
可塑剤として、特にポリエステル系可塑剤およびポリアルキレン系可塑剤から選択された少なくとも1種よりなるものが好ましく使用でき、1種のみでも良くまた2種以上を併用することもできる。
可塑剤の含有量は、ポリ乳酸100重量部当たり、好ましくは0.01〜30重量部、より好ましくは0.05〜20重量部、さらに好ましくは0.1〜10重量部である。本発明においては結晶化核剤と可塑剤を各々単独で使用してもよいし、両者を併用して使用することがさらに好ましい。
以下に実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら具体例に限定されるものではない。なお、本実施例で用いた特性の測定方法は次の通りである。
(1)耐加水分解性:
耐加水分解性は、組成物のカルボキシル基末端量が0当量/tonである時に良と判定し、10当量/ton以下であるときに、可と判定し、10当量/tonを超える場合には否と判定した。カルボキシル基末端量は、秤量したサンプルを含水率5%に調整したo−クレゾールに溶解し、この溶液にジクロロメタンを適量添加した後、0.02規定の水酸化カリウムメタノール溶液で滴定して求めた。
(2)融点、結晶化点:
TAインストルメンツ製TA−2920示差走査熱量測定計DSCを用いた。測定は、試料10mgを窒素雰囲気下、昇温速度10℃/分で室温から260℃まで昇温し、結晶融解吸熱ピーク及び結晶化発熱ピークのピークトップ温度を各々融点及び結晶化点と定義した。
(3)強度:
オリエンティック社製「テンシロン」(商品名)を用い、測定対象の繊維構造体から無作為に10本の対象単糸(フィラメント)を抜き取り、糸試料長50mm(チャック間長さ)、伸長速度500mm/分の条件で歪−応力曲線を雰囲気温度20℃、相対湿度65%条件下で測定し、破断点での応力と伸びから強度(cN/本)を求めた後、この強度を繊度で割って繊維強度(cN/dtex)とする。
(4)洗濯堅牢度:
以下のAATCC II−A法により測定した。
1)試験法:AATCC61−1980IIA
2)装置および材料
1.ラウンダオメータ:40〜44rpm
2.試験瓶(ステンレス製):450〜550ml
3.ステンレス鋼球:径0.4mm 1びん当り50個
4.石けん:固形洗濯石けん(JIS K3302)無添剤(1種)
5.メタ硅酸ナトリウム(NaSiO・5HO)
6.氷酢酸
7.フラットアイロン
8.遠心脱水機または絞り機
3)添付白布
AATCC Multifiber No.1
緯糸:アセテート、コットン、ナイロン、シルク、レーヨン、ウール
経糸:ポリエステル(スパンヤーン)
4)試験片の調製
たて15cm×よこ5cmの試験片を1枚採取し、5cm×5cmの添付白布(マルチファイバー No1)1枚を試験片の中央で接触するようにして4辺をあらく白木綿糸で縫い合わせる。編物の場合は、試験片と同じ大きさの密度80(本/2.54cm)×80(本/2.54cm)の漂白モスリンを用い、4辺とも試験片に縫いつけて端が試験中に巻き込むのを防ぐ。
5)試験の操作
試験瓶の中に石けん0.2%メタ硅酸ナトリウム0.2%の溶液を150ml入れ、ステンレス硬球50個を入れる。温度49℃に予熱した後、複合試験片を入れ、密閉して回転機軸に取り付け、温度49℃て45分間回転操作する。つぎに冷却することなくただちに試験瓶から複合試験片を取り出し、温水(40℃)100mlで1分間洗浄すること2回後、さらに水(27℃)100mlで1分間洗浄する、その後、遠心脱水機または絞り機により脱水し、試験片と添付白布をつけたまま、温度135℃〜150℃のフラットアイロンでプレス乾燥する。
6)判定
マルチファイバーNo1の汚染の判定は、ナイロン部の汚染をグレースケールにてJIS L−0801に従って行う。
(5)カラーL値:
染色後の構造体のL値は、分光側光器(Gretag MacBeth Color−Eye 7000A)で生地表面を測定した。L値は明度を示し、その数値が大きいほど明度が高いことを示し、100に近いほど、淡色で白色に近く、0に近いほど、濃色である事を示す。
(6)摩擦堅牢度:
染色された構造体の摩擦堅牢度の評価は、JIS L−0849IIにしたがって行ない、3級以上を合格とした。
(7)作業環境の良否:
樹脂組成物製造時、作業環境がイソシアネート臭により悪化するかどうかにより判定した。悪化しない場合には良と評価した。
(8)イソシアネート臭の発生の有無:
得られたポリ乳酸繊維構造体を300℃、5分間溶融したとき、官能評価により、測定者がイソシアネート臭を感じるかどうかで判定した。イソシアネート臭を感じないとき、合格と判断した。
本実施例では、環状カルボジイミド化合物を使用する場合は、以下の剤を製造、使用した。
[製造例1]環状カルボジイミド化合物CC1(MW=252)の合成:
o−ニトロフェノール(0.11mol)と1,2−ジブロモエタン(0.05mol)、炭酸カリウム(0.33mol)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)200mlを攪拌装置及び加熱装置を設置した反応装置にN雰囲気下仕込み、130℃で12時間反応後、DMFを減圧により除去し、得られた固形物をジクロロメタン200mlに溶かし、水100mlで3回分液を行った。有機層を硫酸ナトリウム5gで脱水し、ジクロロメタンを減圧により除去し、中間生成物A(ニトロ体)を得た。
次に中間生成物A(0.1mol)と5%パラジウムカーボン(Pd/C)(1g)、エタノール/ジクロロメタン(70/30)200mlを、攪拌装置を設置した反応装置に仕込み、水素置換を5回行い、25℃で水素を常に供給した状態で反応させ、水素の減少がなくなったら反応を終了した。Pd/Cを回収し、混合溶媒を除去すると中間生成物B(アミン体)が得られた。
次に攪拌装置及び加熱装置、滴下ロートを設置した反応装置に、N雰囲気下、トリフェニルホスフィンジブロミド(0.11mol)と1,2−ジクロロエタン150mlを仕込み攪拌した。そこに中間生成物B(0.05mol)とトリエチルアミン(0.25mol)を1,2−ジクロロエタン50mlに溶かした溶液を25℃で徐々に滴下した。滴下終了後、70℃で5時間反応させた。その後、反応溶液をろ過し、ろ液を水100mlで5回分液を行った。有機層を硫酸ナトリウム5gで脱水し、1,2−ジクロロエタンを減圧により除去し、中間生成物C(トリフェニルホスフィン体)が得られた。
次に、攪拌装置及び滴下ロートを設置した反応装置に、N雰囲気下、ジ−tertブチルジカーボネート(0.11mol)とN,N−ジメチル−4−アミノピリジン(0.055mol)、ジクロロメタン150mlを仕込み攪拌させた。そこに、25℃で中間生成物C(0.05mol)を溶かしたジクロロメタン100mlをゆっくりと滴下させた。滴下後、12時間反応させた。
その後、ジクロロメタンを除去し得られた固形物を精製することで、下記構造式にて示されるCC1を得た。CC1の構造はNMR,IRにより確認した。
Figure 2011256477
[製造例2]環状カルボジイミド化合物CC2(MW=516)の合成:
o−ニトロフェノール(0.11mol)とペンタエリトリチルテトラブロミド(0.025mol)、炭酸カリウム(0.33mol)、N,N−ジメチルホルムアミド200mlを攪拌装置及び加熱装置を設置した反応装置にN雰囲気下仕込み、130℃で12時間反応後、DMFを減圧により除去し、得られた固形物をジクロロメタン200mlに溶かし、水100mlで3回分液を行った。有機層を硫酸ナトリウム5gで脱水し、ジクロロメタンを減圧により除去し、中間生成物D(ニトロ体)を得た。
次に中間生成物D(0.1mol)と5%パラジウムカーボン(Pd/C)(2g)、エタノール/ジクロロメタン(70/30)400mlを、攪拌装置を設置した反応装置に仕込み、水素置換を5回行い、25℃で水素を常に供給した状態で反応させ、水素の減少がなくなった時点で反応を終了した。Pd/Cを回収し、混合溶媒を除去して中間生成物E(アミン体)が得られた。
次に攪拌装置及び加熱装置、滴下ロートを設置した反応装置に、N雰囲気下、トリフェニルホスフィンジブロミド(0.11mol)と1,2−ジクロロエタン150mlを仕込み攪拌させた。そこに中間生成物E(0.025mol)とトリエチルアミン(0.25mol)を1,2−ジクロロエタン50mlに溶かした溶液を25℃で徐々に滴下した。滴下終了後、70℃で5時間反応させた。
その後、反応溶液をろ過し、ろ液を水100mlで5回分液を行った。有機層を硫酸ナトリウム5gで脱水し、1,2−ジクロロエタンを減圧により除去し、中間生成物F(トリフェニルホスフィン体)が得られた。
次に、攪拌装置及び滴下ロートを設置した反応装置に、N雰囲気下、ジ−tert−ブチルジカーボネート(0.11mol)とN,N−ジメチル−4−アミノピリジン(0.055mol)、ジクロロメタン150mlを仕込み攪拌させる。そこに、25℃で中間生成物F(0.025mol)を溶かしたジクロロメタン100mlをゆっくりと滴下させた。滴下後、12時間反応させた。
その後、ジクロロメタンを除去し得られた固形物を、精製することで、下記構造式にて示されるCC2を得た。CC2の構造はNMR、IRにより確認した。
Figure 2011256477
[製造例3](ポリL−乳酸の製造)
Lラクチド(株式会社武蔵野化学研究所製、光学純度100%)100重量部に対し、オクチル酸スズを0.005重量部加え、窒素雰囲気下、攪拌翼のついた反応機にて、180℃で2時間反応し、オクチル酸スズに対し1.2倍当量の燐酸を添加しその後、13.3kPaで残存するラクチドを除去し、チップ化し、ポリL−乳酸を得た。
得られたL−乳酸の重量平均分子量は15万、ガラス転移点(Tg)63℃、融点は180℃であった。
[製造例4](ポリD−乳酸の製造)
Dラクチド(株式会社武蔵野化学研究所製、光学純度100%)100重量部に対し、オクチル酸スズを0.005重量部加え、窒素雰囲気下、攪拌翼のついた反応機にて、180℃で2時間反応し、オクチル酸スズに対し1.2倍当量の燐酸を添加しその後、13.3kPaで残存するラクチドを除去し、チップ化し、ポリD−乳酸を得た。
得られたポリD−乳酸の重量平均分子量は15万、ガラス転移点(Tg)63℃、融点は180℃であった。
[製造例5](ステレオコンプレックスポリ乳酸樹脂の製造)
製造例3で得られたポリL−乳酸ならびに製造例4のポリD−乳酸を各50重量部と、リン酸エステル金属塩(燐酸2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)ナトリウム塩、平均粒径5μm、株式会社ADEKA製アデカスタブNA−11)0.1重量部を230℃で溶融混練し水槽中にストランドを取り、チップカッターにてチップ化してステレオコンプレックスポリ乳酸チップを得た。得られたステレオコンプレックスポリ乳酸樹脂のMwは13.5万、融点(Tm)は217℃、ステレオコンプレックス結晶化度は100%であった。
[製造例6](顔料分散体の調整)
青色有機顔料(C.I. Solvent Blue 45,クラリアント社製)25部、イオン性基としてカルボキシル基、疎水基としてフェニル基を持つ重量平均分子量8,500の高分子型分散剤(ジョンクリル62:BASFジャパン(株)製)25部、プロピレングリコール5部、水45部を混合し、アトライター(0.6mm径のガラスビーズ、バッチ式分散機)にて48時間分散し、青色顔料分散体1を得た。
次に水95部とポリアクリル樹脂系増粘剤(アルコプリントPTF:チバスペシャリティケミカル(株)製)2.5部を均一に攪拌混合させて、ターペンレスレジューサー(レジューサー1)を得た。
さらに上記の青色顔料分散体1:5部、上記のレジューサー1:95部、ブロックイソシアネート系架橋剤(フィクサーN:(株)松井色素化学工業所製)3部を配合して、スクリーン捺染用着色インク1を得た。
[実施例1]ポリ乳酸繊維構造体の製造1:
製造例3の操作で得られたポリL−乳酸チップを200℃の温度で溶融し、吐出孔を30個有した口金から吐出させ、紡糸筒により冷却した後、油剤を付加して、500m/分の速度で未延伸糸を巻き取った。この未延伸糸を予熱温度80℃で4.9倍延伸し、引続き130℃で熱処理を行った。紡糸工程、延伸工程での工程通過性は良好であり、巻き取られた延伸糸は繊度167dTex/36filのマルチフィラメントであり、強度3.6cN/dTex、伸度35%であった。
得られたポリ乳酸フィラメントを2本合糸し、160T/mの撚りを施した後、経糸および緯糸に配して、ツイル織物組織の織物を製織した後、該織物を、温度130℃、2分間の乾熱セットした後、液流染色機を用いて、温度120℃で30分間の染色を行った。その際、以下の分散染料を用いて染色、還元洗浄処理を実施した。
(染色条件)
分散染料:C.I.Disperse Blue 79 1%owf
得られた染色物を下記の還元浴中(pH5.5)で洗浄した。
浴比;1:20
温度×時間;120℃×30分間
還元浴組成および洗浄条件:
二酸化チオ尿素 1g/l
浴比;1:20
温度×時間;70℃×15分間
次いで、温度110℃で10分間乾燥した後に温度130℃、2分間の乾熱セットを施した。さらに、製造例6で得られたスクリーン捺染用着色インク1を綿ニット上にハンドプリントし、乾燥機にて100℃で乾燥した後、130℃で3分間の熱処理を行って、青色の着色布を得た。
このような処理をした染色された繊維構造体において、L値は38、洗濯堅牢度は4級、摩擦堅牢度は3級であった。
次いで、該織物を用いてユニフォーム衣料および車両内装材(カーシート表皮材)およびインテリア用品(椅子張り)を得たところ、洗濯堅牢度に優れ耐久性も良好であった。
なお溶融混練および製糸時にイソシアネート臭の発生は感じられなかった。また、得られた構造体を300℃、5分間溶融したとき、イソシアネート臭評価は合格であった。
また、紡出直後のポリ乳酸フィラメントをサンプリングしたところ、カルボキシル末端基量は28当量/ton、染色前の布帛のカルボキシル末端基量は29当量/tonであった。
[実施例2]ポリ乳酸繊維構造体の製造2:
製造例3の操作で得られたポリL−乳酸チップと環状カルボジイミド化合物(CC1)とをそれぞれ乾燥させた後、重量比で99:1となるように混合しエクストルーダー型紡糸機にて220℃の温度で溶融し、吐出孔を30個有した口金から吐出させ、紡糸筒により冷却した後、油剤を付加して、500m/分の速度で未延伸糸を巻き取った。以降は実施例1と同様の操作を行なった。
以上の処理を施した繊維構造体において、L値は39、洗濯堅牢度は4級、摩擦堅牢度は3級であった。
次いで、該織物を用いてユニフォーム衣料および車両内装材(カーシート表皮材)およびインテリア用品(椅子張り)を得たところ、洗濯堅牢度に優れ耐久性も良好であった。
なお溶融混練および製糸時にイソシアネート臭の発生は感じられなかった。また、得られた構造体を300℃、5分間溶融したとき、イソシアネート臭評価は合格であった。
また、紡出直後のポリ乳酸フィラメントをサンプリングしたところ、カルボキシル末端基量は1当量/ton、染色前の布帛のカルボキシル末端基量は2当量/tonであった。
[実施例3]ポリ乳酸繊維構造体の製造3:
製造例5の操作で得られたステレオコンプレックスポリ乳酸チップを240℃の温度で溶融し、吐出孔を30個有した口金から吐出させ、紡糸筒により冷却した後、油剤を付加して、500m/分の速度で未延伸糸を巻き取った。この未延伸糸を予熱温度80℃で4.9倍延伸し、引続き180℃で熱処理を行った。紡糸工程、延伸工程での工程通過性は良好であり、巻き取られた延伸糸は繊度167dTex/36filのマルチフィラメントであり、強度3.8cN/dTex、伸度35%であった。
得られたポリ乳酸フィラメントを2本合糸し、160T/mの撚りを施した後、経糸および緯糸に配して、ツイル織物組織の織物を製織した後、該織物を、温度160℃、2分間の乾熱セットした後、液流染色機を用いて、温度120℃で30分間の染色を行った。その際、以下の分散染料を用いて染色、還元洗浄処理を実施した。
(染色条件)
分散染料:C.I.Disperse Blue 79 1%owf
得られた染色物を下記の還元浴中(pH5.5)で洗浄した。
浴比;1:20
温度×時間;120℃×30分間
還元浴組成および洗浄条件:
二酸化チオ尿素 1g/l
浴比;1:20
温度×時間;70℃×15分間
次いで、温度130℃で10分間乾燥した後に温度160℃、2分間の乾熱セットを施した。このような処理をした染色された繊維構造体において、L値は38、洗濯堅牢度は4級であった。
さらに、製造例6で得られたスクリーン捺染用着色インク1を綿ニット上にハンドプリントし、乾燥機にて100℃で乾燥した後、130℃で3分間の熱処理を行って、青色の着色布を得た。
以上の処理を施した、捺染された繊維構造体において、L値は37、洗濯堅牢度は4級、摩擦堅牢度は3〜4級であった。次いで、該織物を用いてユニフォーム衣料および車両内装材(カーシート表皮材)およびインテリア用品(椅子張り)を得たところ、洗濯堅牢度に優れ耐久性も良好であった。
なお溶融混練および製糸時にイソシアネート臭の発生は感じられなかった。また、得られた構造体を300℃、5分間溶融したとき、イソシアネート臭評価は合格であった。
また、紡出直後のポリ乳酸フィラメントをサンプリングしたところ、カルボキシル末端基量は26当量/ton、染色前の布帛のカルボキシル末端基量は27当量/tonであった。
[実施例4]ポリ乳酸繊維構造体の製造4:
製造例5の操作で得られたステレオコンプレックスポリ乳酸チップと環状カルボジイミド化合物(CC2)とをそれぞれ乾燥させた後、重量比で99:1となるように混合しエクストルーダー型紡糸機にて220℃の温度で溶融し、吐出孔を30個有した口金から吐出させ、紡糸筒により冷却した後、油剤を付加して、500m/分の速度で未延伸糸を巻き取った。以降は実施例3と同様の操作を行なった。
以上の処理を施した、捺染された繊維構造体において、L値は36、洗濯堅牢度は4級、摩擦堅牢度は3〜4級であった。次いで、該織物を用いてユニフォーム衣料および車両内装材(カーシート表皮材)およびインテリア用品(椅子張り)を得たところ、洗濯堅牢度に優れ耐久性も良好であった。
なお溶融混練および製糸時にイソシアネート臭の発生は感じられなかった。また、得られた構造体を300℃、5分間溶融したとき、イソシアネート臭評価は合格であった。
また、紡出直後のポリ乳酸フィラメントをサンプリングしたところ、カルボキシル末端基量は1当量/ton、染色前の布帛のカルボキシル末端基量は1当量/tonであった。
[実施例5]
実施例2において、環状カルボジイミド(CC1)に代えて、線状ポリカルボジイミド化合物[日清紡ケミカル株式会社製;「カルボジライト」HMV−8CA]を使用したこと以外は同様の操作を行った。
捺染された繊維構造体の洗濯堅牢度は4級、摩擦堅牢度は3級であった。次いで、該織物を用いてユニフォーム衣料および車両内装材(カーシート表皮材)およびインテリア用品(椅子張り)を得たところ、洗濯堅牢度に優れ耐久性も良好であった。
紡出直後のポリ乳酸フィラメントをサンプリングしたところ、カルボキシル末端基量は2当量/ton、布帛のカルボキシル末端基量は2当量/tonであった。
ただし、紡糸時にイソシアネート臭の発生を感じた。また得られた布帛を300℃、5分間溶融したとき、イソシアネート臭評価は不合格であった。
[比較例1]
実施例1において、分散染料による染色のみを行ない、製造例6で得られたスクリーン捺染用着色インクによる着色処理を実施しなかった以外は実施例1と同様に行なった。
得られた繊維構造体において、L値は38、洗濯堅牢度は4級、摩擦堅牢度は2〜3級であった。
なお溶融混練および製糸時にイソシアネート臭の発生は感じられなかった。また、得られた構造体を300℃、5分間溶融したとき、イソシアネート臭評価は合格であった。
また、紡出直後のポリ乳酸フィラメントをサンプリングしたところ、カルボキシル末端基量は28当量/ton、染色前の布帛のカルボキシル末端基量は32当量/tonであった。
[比較例2]
実施例1において、分散染料による染色を行なわず、製造例6で得られたスクリーン捺染用着色インクによる着色処理のみを実施した以外は実施例1と同様に行なった。
得られた繊維構造体において、L値は40、洗濯堅牢度は4級、摩擦堅牢度は2〜3級であった。
なお溶融混練および製糸時にイソシアネート臭の発生は感じられなかった。また、得られた構造体を300℃、5分間溶融したとき、イソシアネート臭評価は合格であった。
また、紡出直後のポリ乳酸フィラメントをサンプリングしたところ、カルボキシル末端基量は29当量/ton、染色前の布帛のカルボキシル末端基量は33当量/tonであった。
本発明によれば、高い染色堅牢度を有するポリ乳酸繊維構造体および繊維製品、さらには、耐加水分解性が改善され、溶融時等に遊離のイソシアネート化合物が発生しないポリ乳酸繊維構造体および繊維製品を提供することができる。

Claims (17)

  1. 分散染料によって染色されるとともに(1)顔料(a)、疎水基とイオン性基を必須成分とする高分子型分散剤(b)及び水性媒体(c)からなる顔料分散体、および(2)架橋剤(d)、を配合した着色用組成物により捺染し、次いで、該高分子型分散剤(b)と架橋剤(d)との間で架橋反応を生起させることにより得られる、顔料(a)が繊維構造体上に固着されてなるポリ乳酸繊維構造体。
  2. イオン性基が、カルボキシル基、スルホン酸基、スルホニル基、又はリン酸基、1級から3級のアミノ基又は4級アンモニウム塩基のいずれか一種類以上よりなる請求項1記載のポリ乳酸繊維構造体。
  3. 架橋剤が、オキサゾリン化合物、イソシアネート化合物、ブロックイソシアネート化合物、エポキシ樹脂化合物、エチレン尿素化合物、エチレンイミン化合物、メラミン系化合物、有機酸ジヒドラジド化合物、ジアセトンアクリルアミド化合物、カルボジイミド化合物、シランカップリング化合物からなる架橋基を含有する化合物から選ばれる、請求項1または2記載のポリ乳酸繊維構造体。
  4. ポリ乳酸繊維構造体が、ポリ乳酸およびカルボジイミド基を1個有しその第一窒素と第二窒素とが結合基により結合されている環状構造を含む化合物(C成分)を含有する請求項1記載のポリ乳酸繊維構造体。
  5. C成分の環状構造を形成する原子数が8〜50である請求項4に記載のポリ乳酸繊維構造体。
  6. C成分の環状構造が、下記式(1)で表される請求項4または5に記載のポリ乳酸繊維構造体。
    Figure 2011256477
    (式中、Qは、脂肪族基、脂環族基、芳香族基またはこれらの組み合わせである2〜4価の結合基であり、ヘテロ原子を含有していてもよい。)
  7. Qは、下記式(1−1)、(1−2)または(1−3)で表される2〜4価の結合基である請求項6に記載のポリ乳酸繊維構造体。
    Figure 2011256477
    (式中、ArおよびArは各々独立に、2〜4価の炭素数5〜15の芳香族基である。RおよびRは各々独立に、2〜4価の炭素数1〜20の脂肪族基、2〜4価の炭素数3〜20の脂環族基またはこれらの組み合わせ、またはこれら脂肪族基、脂環族基と2〜4価の炭素数5〜15の芳香族基の組み合わせである。XおよびXは各々独立に、2〜4価の炭素数1〜20の脂肪族基、2〜4価の炭素数3〜20の脂環族基、2〜4価の炭素数5〜15の芳香族基、またはこれらの組み合わせである。sは0〜10の整数である。kは0〜10の整数である。なお、sまたはkが2以上であるとき、繰り返し単位としてのX、あるいはXが、他のX、あるいはXと異なっていてもよい。Xは、2〜4価の炭素数1〜20の脂肪族基、2〜4価の炭素数3〜20の脂環族基、2〜4価の炭素数5〜15の芳香族基、またはこれらの組み合わせである。但し、Ar、Ar、R、R、X、XおよびXはヘテロ原子を含有していてもよい、また、Qが2価の結合基であるときは、Ar、Ar、R、R、X、XおよびXは全て2価の基である。Qが3価の結合基であるときは、Ar、Ar、R、R、X、XおよびXの内の一つが3価の基である。Qが4価の結合基であるときは、Ar、Ar、R、R、X、XおよびXの内の一つが4価の基であるか、二つが3価の基である。)
  8. C成分の環状構造を含む化合物が、下記式(2)で表される請求項6に記載のポリ乳酸繊維構造体。
    Figure 2011256477
    (式中、Qaは、脂肪族基、脂環族基、芳香族基またはこれらの組み合わせである2価の結合基であり、ヘテロ原子を含有していてもよい。)
  9. Qaは、下記式(2−1)、(2−2)または(2−3)で表される2価の結合基である請求項8に記載のポリ乳酸繊維構造体。
    Figure 2011256477
    (式中、Ar 、Ar 、R 、R 、X 、X 、X 、sおよびkは、各々式(1−1)〜(1−3)中のAr、Ar、R、R、X、X、X、sおよびkと同じである。)
  10. C成分の環状構造を含む化合物が、下記式(3)で表される請求項6に記載のポリ乳酸繊維構造体。
    Figure 2011256477
    (式中、Qは、脂肪族基、脂環族基、芳香族基またはこれらの組み合わせである3価の結合基であり、ヘテロ原子を含有していてもよい。Yは、環状構造を担持する担体である。)
  11. は、下記式(3−1)、(3−2)または(3−3)で表される3価の結合基である請求項10に記載のポリ乳酸繊維構造体。
    Figure 2011256477
    (式中、Ar 、Ar 、R 、R 、X 、X 、X 、sおよびkは、各々式(1−1)〜(1−3)のAr、Ar、R、R、X、X、X、sおよびkと同じである。但しこれらの内の一つは3価の基である。)
  12. Yは、単結合、二重結合、原子、原子団またはポリマーである請求項10または11に記載のポリ乳酸繊維構造体。
  13. C成分の環状構造を含む化合物が、下記式(4)で表される請求項6に記載のポリ乳酸繊維構造体。
    Figure 2011256477
    (式中、Qは、脂肪族基、芳香族基、脂環族基またはこれらの組み合わせである4価の結合基であり、ヘテロ原子を保有していてもよい。ZおよびZは、環状構造を担持する担体である。)
  14. は、下記式(4−1)、(4−2)または(4−3)で表される4価の結合基である請求項13に記載のポリ乳酸繊維構造体。
    Figure 2011256477
    (式中、Ar 、Ar 、R 、R 、X 、X 、X 、sおよびkは、各々式(1−1)〜(1−3)の、Ar、Ar、R、R、X、X、X、sおよびkと同じである。但し、これらの内の一つが4価の基であるか、二つが3価の基である。)
  15. およびZは各々独立に、単結合、二重結合、原子、原子団またはポリマーである請求項14に記載のポリ乳酸繊維構造体。
  16. C成分の含有量が、100重量部のポリ乳酸あたり0.001〜10重量部である請求項4〜15のいずれかに記載のポリ乳酸繊維構造体。
  17. 請求項1〜16のいずれかに記載のポリ乳酸繊維構造体を用いてなる、スポーツ衣料、インナー衣料、紳士衣料、婦人衣料からなる群より選択されるいずれかの繊維製品。
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