JP2011256151A - 気道異物除去用製剤及び気道異物除去方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ウイルスや、ほこり、雑菌、花粉等のアレルゲン等の異物に対して、粘膜線毛運動を促進させ、これらの異物を除去する気道異物除去製剤及び気道異物除去方法を提供する。
【解決手段】揮発性線毛運動促進剤及び去痰剤を含有する気道異物除去用製剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、気道異物除去用製剤及び気道異物に対する除去方法に関するものである。より詳細には、ウイルスや、ほこり、雑菌、花粉等のアレルゲン等の異物に対して、粘膜線毛運動を促進させ、これらの異物を除去する気道異物除去用製剤及び気道異物除去方法に関するものである。
風邪等の感染症や花粉症等のアレルギー疾患は、外部からの異物侵入によって生じるが、こうした侵入した異物を気道から除去する役割を、粘膜線毛運動が担っている。すなわち、気道粘膜の表面に分泌される粘液のゲル層に捕捉された異物は、その下側の粘液ゾル層内で毎分900〜1000回の鞭打ち運動する線毛により、粘液と共に喉頭方向へ輸送され、痰として口腔外へ、あるいは、食道へと排出される。この異物が輸送される速度は、線毛運動の鞭打ち運動の周波数(CBF)が高いほど速い。例えば、交感神経β受容体刺激薬はCBFを上昇させる薬剤であるが、CBFを上昇させることにより粘膜線毛運動による移送を促進する(非特許文献1参照)。ところが、エアコン空調による室内空気の乾燥化及び冬季の室内外大気の温度低下によって、線毛運動の低下が起こり、また、ディーゼル排気等は線毛運動の低下した状態を加速化することが知られている。このため、粘膜線毛運動を促進させ、気管支炎や喘息における気道異物のクリアランスを促進する方法が開示されている(特許文献1〜3参照)。
一方、気道異物の除去剤としては、気道異物を痰として対外に排出する生体作用を促進する去痰剤が知られている(非特許文献2参照)。しかし、去痰剤の作用メカニズムは、主に粘液分泌を促進し粘液の流動性を高めることにあり、去痰剤単独では、気道異物除去作用は十分とはいえなかった。このことから、粘膜線毛運動を促進させ、簡便に気道に付着した異物を除去することができ、感染症、花粉症、アレルギーから身体を保護する、より効果の高い気道異物除去製剤や除去方法が望まれていた。
特表2001−526635号公報 特表2001−505553号公報 特表2000−512289号公報
玉置淳、呼吸器科、11(6):587−594、2007 田中千賀子編、NEW薬理学(改訂第5版)、南江堂、2007年、P417
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、ウイルスや、ほこり、雑菌、花粉等のアレルゲン等の異物に対して、気道粘膜線毛運動を活性化させ、これらの異物を除去する気道異物除去用製剤及び気道異物除去方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、特定の揮発性線毛運動促進剤と去痰剤との併用により、粘膜線毛運動を促進させ、ウイルスや、ほこり、雑菌、花粉等のアレルゲン等の異物を除去する顕著な効果を有することを知見し、本発明をなすに至ったものである。上記揮発性線毛運動促進剤とは、揮発または蒸発しやすい性質をもち、かつ、粘膜線毛運動を促進する物質のことをいう。
従って、本発明は下記気道異物除去用製剤及び気道異物除去方法を提供する。
[1].揮発性線毛運動促進剤及び去痰剤を含有する気道異物除去用製剤。
[2].揮発性線毛運動促進剤が、2−トリデセン−1−オール、テトラハイドロゲラニオール、デュピカル、イソシクレモン、シトラールジメチルアセタール、アセトフェノン、カルボン、ヘキシルシクロペンタノン、メントフラン、ブルボーネン、β−メチル−デカラクトン、ムスコン、イソオイゲノール、γ−ドデカラクトン又はγ−ヘキサデカラクトンからなる群より選ばれる1種以上である[1]記載の気道異物除去用製剤。
[3].去痰剤が、アセチルシステイン、エチルシステイン、メチルシステイン、カルボシステイン、カンゾウ、マオウ、キキョウ、アセンヤク、キョウニン、セネガ、ニンジンからなる群より選ばれる1種以上である[1]又は[2]記載の気道異物除去用製剤。
[4].揮発性線毛運動促進剤及び去痰剤を用いる気道異物除去方法。
[5].揮発性線毛運動促進剤が、2−トリデセン−1−オール、テトラハイドロゲラニオール、デュピカル、イソシクレモン、シトラールジメチルアセタール、アセトフェノン、カルボン、ヘキシルシクロペンタノン、メントフラン、ブルボーネン、β−メチル−デカラクトン、ムスコン、イソオイゲノール、γ−ドデカラクトン又はγ−ヘキサデカラクトンからなる群より選ばれる1種以上である[4]記載の気道異物除去方法。
[6].去痰剤が、アセチルシステイン、エチルシステイン、メチルシステイン、カルボシステイン、カンゾウ、マオウ、キキョウ、アセンヤク、キョウニン、セネガ、ニンジンからなる群より選ばれる1種以上である[4]又は[5]記載の気道異物除去方法。
本発明によれば、ウイルスや、ほこり、雑菌、花粉等のアレルゲン等の異物に対して、気道粘膜線毛運動を促進させ、これらの異物を簡便に除去する気道異物除去用製剤及び気道異物除去方法を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の気道異物除去用製剤および気道異物除去方法に用いる揮発性線毛運動促進剤は下記成分からなるものである。これらは単独で用いてもよいし、一種以上を組み合わせてもよい。
(1)2−トリデセン−1−オール(CASNo.68480−25−1、別名:トリデカ−2−エン‐1−オール、トリデセノール、トリデセニルアルコール)。
(2)テトラハイドロゲラニオール(CASNo.106−21−8、別名:テトラヒドロゲラニオール、ジヒドロシトロネロール、3,7−dimethyl−1−octanol)。
(3)デュピカル(CASNo.30168−23−1、別名:デュピカール、ドゥピカル、ドゥピカール、(4−(tricyclo[5,2,1,0]−decylidene−8)butanal)。
(4)イソシクレモン(CASNo.54464−57−2、別名:イソサイクレモン、イソEスーパー、1−(tetramethyl−hexahydronaphthalen−2−yl)ethanone)。
(5)シトラールジメチルアセタール(CASNo.7549−37−3、別名:geranial dimethyl acetal、(2E)−1,1−dimethoxy−3,7−dimethylocta−2,6−diene)。
(6)アセトフェノン(CASNo.98−86−2、別名:メチルフェニルケトン、1−Phenylethanone、Acetylbenzene)。
(7)カルボン(CASNo.6485−40−1、別名:l−カルボン、カルボール、2−methyl−5−prop−1−en−2−ylcyclohex−2−en−1−one)。
(8)ヘキシルシクロペンタノン(CASNo.13074−65−2、別名:2−hexylcyclopentan−1−one)。
(9)メントフラン(CASNo.494−90−6、別名:メンソフラン、3,9−epoxy−p−Mentha−3,8−diene、3,6−dimethyl−4,5,6,7−tetrahydro−1−benzofuran)。
(10)ブルボーネン(CASNo.5208−59−3、別名:β−ブルボネン、β−ブルボーネン)。
(11)β−メチル−デカラクトン(CASNo.7011−83−8、別名:β−メチル−γ−デカラクトン、5−hexyl−4−methyloxolan−2−one、5−hexyl−4−methyldihydro−2(3H)−furanone)。
(12)ムスコン(CASNo.541−91−3、別名:3−methylcyclopentadecan−1−one)。
(13)イソオイゲノール(CASNo.97−54−1、別名:2−methoxy−4−[(E)−prop−1−enyl]phenol)。
(14)γ−ドデカラクトン(CASNo.2305−05−7、別名:4−ドデカノライド)。
(15)γ−ヘキサデカラクトン(CASNo.730−46−1、別名:4−ヘキサデカノライド)。
上記揮発性線毛運動促進剤は、精製品を用いてもよく、これらを含む精油などの混合物を用いてもよい。また市販されているものをそのまま用いてもよいし、市販品を加工精製して用いてもよい。
上記揮発性線毛運動促進剤の中でも、2−トリデセン−1−オール、テトラヒドロゲラニオール、デュピカル、イソシクレモン、シトラールジメチルアセタール、カルボン、ヘキシルシクロペンタノン、メントフラン、ブルボーネン、β−メチル−デカラクトン、ムスコン、イソオイゲノール、γ−ドデカラクトン、γ−ヘキサデカラクトンが好ましく、2−トリデセン−1−オールがより好ましい。
上記揮発性繊毛運動促進剤は、揮発性を持つ物質であるが、このほかにも揮発性を持つことが知られる物質は多く存在する。しかしながら、それらが必ずしも線毛運動促進効果をもつものとは限らない。
本発明の気道異物除去用製剤及び気道異物除去方法に用いる去痰剤としては、医薬成分や生薬をあげることができる。これらは単体としてそのまま用いることができるし、一種単独または二種以上を組み合わせて用いてもよい。
医薬成分としては、例えば、L‐カルボシステイン、アセチルシステイン、フドステイン、エチルシステイン塩酸塩、メチルシステイン塩酸塩、アンブロキソールまたはその塩、ブロムヘキシンまたはその塩、グアヤコールスルホン酸カリウム、グアイフェネシン、ヨウ化カリウム、炭酸水素ナトリウム、塩酸エプラジノン、アミノフィリン、テオフィリン、ジプロフィリン、プロキシフィリン、塩化アンモニウム、クレゾールスルホン酸カリウム、l−メントール、塩酸トリメトキノール、塩酸フェニルプロパノールアミン、テルピン水和物、塩酸メトキシフェナミン等が挙げられるが、これらに限定されない。
これらのうち、アンブロキソールの塩やブロムヘキシンの塩としては、塩酸塩、硝酸塩、炭酸塩、硫酸塩等の鉱酸塩、フマル酸塩、メタンスルホン酸塩等の有機酸塩等を挙げることができる。これらの医薬成分は、一般的な合成法により合成することもできるし、市販品を用いることもできる。
生薬としては、生薬末およびそのエキス等を用いることができ、例えば、カンゾウ(甘草)、マオウ(麻黄)、キキョウ(桔梗)、アセンヤク(阿仙薬)、キョウニン(杏仁)、セネガ(セネガ)、ニンジン(人参)、ウイキョウ(茴香)、ナンテンジツ(南天実)、セキサン(石蒜)、トコン(吐根)、バイモ(貝母)、オンジ(遠志)、ゴオウ(牛黄)、ブクリョウ(茯苓)、オウヒ(桜皮)、オウゴン(黄ゴン)、チンピ(陳皮)、ソウハクヒ(桑白皮)、チクセツニンジン(竹節人参)、シオン(紫苑)、シャゼンシ(車前子)、ゴミシ(五味子)、ハンゲ(半夏)、シャジン(沙参)、バクモンドウ(麦門冬)、シャゼンソウ(車前草)、ショウキョウ(生姜)、ソヨウ(蘇葉)、ケイヒ(桂皮)、フキタンポポ(蕗蒲公英)、ソウキョウ(皀莢)、ビャクゴウ(百合)、キッピ(橘皮)、トウガシ(冬瓜子)、ゼンコ(前胡)、ビワヨウ(枇杷葉)等があげられる。
生薬を用いる場合には、生薬本体をそのまま用いてもよいが、植物抽出物を得る一般の抽出法により、生薬エキスとして用いてもよい。また、これらは一種以上を組み合わせてもよい。また、これら生薬や生薬末、生薬エキスは、市販品を用いることもできる。
上記去痰剤では、アセチルシステイン、エチルシステイン、メチルシステイン、カルボシステイン、カンゾウ、マオウ、キキョウ、アセンヤク、キョウニン、セネガ、ニンジンが好ましく、カルボシステイン、カンゾウ、マオウ、キキョウ、アセンヤク、キョウニン、ニンジン、セネガがより好ましい。
一般に、鼻、喉といった気道の粘膜は常に外気に接していることから、いろいろなトラブルのリスクに曝されている。本発明において、気道とは、鼻から鼻腔、鼻咽腔、咽頭及び喉頭等の上気道、ならびに肺側の気管、気管支等の下気道をいう。気道異物の除去剤は、ウイルスや、ほこり、雑菌、花粉等のアレルゲン等の異物に対して、粘膜線毛運動を促進させて異物を除去する。粘膜線毛運動促進効果は、線毛を含む気道粘膜層を用いた培養系での線毛運動周波数(CBF値)において、例えば、通常の培養液等に対し、これに試料を添加したものが、線毛運動活性が向上することにより確認することができる。本発明の上記特定の揮発性線毛運動促進剤が、いかなる作用機序で粘膜線毛運動を促進させ、気道異物の除去効果を示すかは明確ではないが、気道リスクの低減効果に対して有効である。
上記線毛を含む気道粘膜層を用いた培養系での線毛運動周波数(CBF値)とは、後述の試験例において示すように、ウサギから摘出、調製した粘膜層を10質量%子牛血清、ペニシリン、ストレプトマイシンを含むダルベッコイーグルMEM(シグマ 社製D6046)で培養し、この培養物の線毛部分を顕微鏡観察し、その画像情報の輝度変化を数値データとして保存した後、フーリエ変換することで線毛の運動周波数(CBF値)を解析し、算出したものである。
気道異物除去用製剤の処理量は、揮発性線毛運動促進剤及び去痰剤の有効量であり、適宜選定される。例えば、1回の処理量は、揮発性線毛運動促進剤を作用させる場合には、通常0.1mg〜10mgであり、1日1回〜5回である。去痰剤を作用させる場合には、基本的に去痰剤の使用方法に準ずるが、通常、成人の1日量として1mg〜3000mgであり、好ましくは、成人の1日量として6mg〜2000mgである。例えば、カルボシステインの場合は、1回500mgを1日3回使用する。生薬の使用量は、通常、成人の1日量として、エキス(原生薬換算量)では0.01g〜300g、粉末では0.0001g〜60gであり、好ましくは、成人の1日量としてエキス(原生薬換算量)では0.05g〜30g程度、粉末では0.002g〜6g程度である。処理の方法としては、去痰剤は内服すればよく、揮発性線毛運動促進剤は、揮発性線毛運動促進剤を含有する気体を気道へ導入し、気道に接触できればよい。あるいは内服し、血液を介して作用させてもよい。
気道異物除去用製剤としては、医薬品、医薬部外品、食品等の分野の製剤があげられる。具体的には、鼻・喉洗浄剤(うがい薬)、点鼻薬、点喉薬、内服薬、ネブライザ−、吸入薬、ミスト、キャンディ、グミ、飲料水等が挙げられる。
上記揮発性線毛運動促進剤の気道異物除去用製剤中の配合濃度は特に限定されるものではなく、製剤の設計に影響がなければ任意の濃度の配合が可能であるが、気道異物の除去効果の点から、粘膜に直接適用する液体製剤の場合では、0.0001〜0.1質量%が好ましく、0.001〜0.05質量%がより好ましい。揮発性線毛運動促進剤を吸入して作用させる場合には、揮発させる空間の体積や揮発させる手段にもよるが、製剤中に0.001〜10質量%、あるいは気相中に0.001〜100ppm(体積)となることが好ましく、0.005〜100ppmがより好ましく、0.01〜50ppmが更に好ましく、0.1〜10ppmが特に好ましい。揮発性線毛運動促進剤濃度が高すぎると、臭いを不快に感じて使用感が損なわれるおそれがある。
気道異物除去方法としては、医薬品、医薬部外品、食品等の分野の製剤として同一の組成内に配合した形態、例えば、シロップ、ドライシロップ、のように1剤の形にして用いることもできる。
また、去痰剤と揮発性線毛運動促進剤とをそれぞれ別の製剤として、化粧品、日用品等と組合せた形態、例えば、去痰剤がカプセルであり、揮発性線毛運動促進剤が肌等に塗布し、呼吸することにより気道に導入される揮発性製剤、上記成分を含む水溶液を蒸気にして鼻・喉から吸引する蒸気吸引性製剤、上記成分を含む水溶液を含浸させたマスク、ティッシュ等の日用品であるように別々に用いてもよい。
本発明の気道異物除去用製剤には、本発明の効果を損なわない範囲において、既知の薬効成分や通常製剤に配合される任意成分を必要に応じて適宜配合することができ、これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて、適量用いることができる。これらの成分としては、例えば、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、油分、アルコール類、ポリオール類、殺菌剤、抗炎症剤、鎮咳薬、鎮痛剤、保湿剤、増粘剤、防腐剤、酸化防止剤、キレート剤、pH調整剤、香料、色素、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、糖類、ビタミン類、アミノ酸類、生薬類、水等が挙げられる。
以下、試験例、実施例、比較例及び参考例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[試験例1](実施例1〜22、比較例1〜31、参考例1〜2)
[線毛運動機能評価試験(去痰剤(培地)+揮発性線毛運動促進剤(気相))]
(1)評価液の調製:
コントロール溶液:10質量%子牛血清、ペニシリン、ストレプトマイシンを含むダルベッコイーグルMEM(シグマ社製:D6046)
去痰剤評価液:コントロール溶液0.99gに対し、試験物質を0.001質量%から0.1質量%含有するエタノール溶液0.01gを添加して被検液(試験物質濃度は0.1質量ppmから10質量ppm)とした。なお、生薬エキスの場合、エタノールの代わりに水を用い同様に調製した。
試験物質が医薬成分の場合は、カルボシステイン(和光純薬工業株式会社製)を用いた。生薬エキスの場合は生薬より精製して用いた。生薬そのものは市販品を用いてもよく、各生薬粉末50gに対して50体積%エタノールを50mL加え、常温で一週間静置した。3回の抽出作業を繰り返し、3回分の抽出液をまとめて吸引ろ過により、残渣を除去した。上清の溶媒はエバポレーターを用いて除去(エタノールを除去)し、溶媒が水だけになったら、冷メタノールを用いて、上清を凍結させ、濃縮乾固した。調製された粉末は速やかにバイアル瓶に入れ、デシケーター内で保存した。
揮発性線毛運動促進剤評価液:試験物質(市販品)をエタノールに1質量%溶解させた。
揮発性物質評価液:試験物質(精製試薬:市販品)をエタノールに1質量%溶解させた。
(2)粘膜片調製
ウサギ(NZW、16−21週齢、オス)から摘出した気管を生理食塩水中でシート状に切り開き、ピンセットを用いて粘膜片を剥離した。得られた粘膜片を、メスを用いて適度な大きさに細片化し、10質量%子牛血清、ペニシリン、ストレプトマイシンを含むダルベッコイーグルMEM(シグマ社製:D6046)の中に入れ、5体積%炭酸ガス条件にて、37℃でインキュベートした。
(3)線毛運動解析:
得られた前培養した粘膜片を6穴培養皿の連続する2つのウェルの片側に入れ、気相と粘膜片が接するように量を調整しながら、コントロール液を加え密封し、30℃で10分程度馴化させた。6穴培養皿のウェルのうち、空の4つのウェルはポリエチレンフィルムで蓋をした。
その後、20倍の対物レンズを用いた透過型倒立顕微鏡(オリンパスIX70)にて線毛部分を観察し、アクアコスモス(浜松ホトニクス製)を用いて一定区画の画像情報を70Hz程度の頻度で連続的にコンピューターに取り込んだ。すなわちアクアコスモス(浜松ホトニクス製)は、カメラ(C−4742−95(浜松ホトニクス製))をオリンパスIX70に取り付けたものであり、以下の設定で観察した。
露光時間:0.0005〜0.001秒
ゲイン:255(最大)
サブアレイ:64×64(最小)
サブアレイ内ビニング:1×1
サンプリング間隔:0.014sec(約71Hz)
サンプリング数:1024(約15秒間)
周波数解析用ROI:25ヵ所(サイズ:3×3pixel)
1024点の画像情報の輝度変化を数値データとして保存した後、フーリエ変換することで線毛の運動周波数(CBF値)を測定した。
去痰剤単独の効果を評価する場合、まずコントロール溶液にて測定し(コントロールCBF)、続いて去痰剤評価液に交換し、10分間静置した後、同様にCBFを測定した(去痰剤CBF)。
揮発性線毛運動促進剤単独の効果を評価する場合、コントロールCBFを測定後、粘膜片の隣のウェルに、密封状態のまま揮発性線毛運動促進剤評価液を50mg滴下した。試験物質を気化させ、粘膜片を入れたウェルまで充満させた。本試験例における培養皿内の空間体積は、約50mLであることから、エタノールに溶解した試験物質がすべて気化した場合の濃度は、例えばエタノールに1質量%溶解した場合には10ppmである。15分後、同様に線毛の運動周波数(CBF値)を測定した(揮発性線毛運動促進剤CBF)。
コントロールCBF値に対する去痰剤CBF、あるいは揮発性線毛運動促進剤CBFの比率を線毛運動活性比として評価した。得られた線毛運動活性比は表中に示した。
線毛運動活性比(去痰剤)=去痰剤CBF/コントロールCBF
線毛運動活性比(揮発性線毛運動促進剤)=揮発性線毛運動促進剤CBF/コントロールCBF
去痰剤と揮発性線毛運動促進剤の併用効果は、コントロールCBFを測定後、去痰剤評価液に交換して密封後、密封状態のまま揮発性線毛運動促進剤評価液を50mg滴下した。15分後、CBFを測定した(併用CBF)。その場合の線毛運動活性比(併用)は、コントロールCBFに対する相対値で評価した。得られた線毛運動活性比は表中に示した。
線毛運動活性比(併用)=併用CBF/コントロールCBF
Figure 2011256151
表1に示すように、去痰剤のカルボシステイン単独、あるいは揮発性線毛運動促進剤の2−トリデセン−1−オール単独では線毛運動活性比が頭打ちとなる濃度において、両者を併用すると、さらに高い線毛運動活性比が得られた。
Figure 2011256151
さらに、表2に示すように、去痰剤のカルボシステインと揮発性線毛運動促進剤のテトラハイドロゲラニオール、デュピカル、イソシクレモン、シトラールジメチルアセタール、アセトフェノン、カルボン、ヘキシルシクロペンタノン、メントフラン、ブルボーネン、β−メチル−デカラクトン、ムスコン、イソオイゲノール、γ−ドデカラクトン、γ−ヘキサデカラクトンとを併用すると高い線毛運動活性比が得られた。
Figure 2011256151
一方、表3に示すように、揮発性物質であるリラールの線毛運動活性比は、単独では0.90、カルボシステインとの併用系でも0.99であり、比較例1のコントロールの線毛運動活性比1.00よりも低い値であった。
Figure 2011256151
去痰剤は、線毛運動とは異なる薬理作用(粘液分泌促進など)により気道異物を除去するものもあり、必ずしも線毛運動を高めるわけではない。表4に示すように、生薬エキスの去痰剤である、カンゾウエキス、マオウエキス、キキョウエキス、アセンヤクエキスでは線毛運動促進効果はごくわずかであったが、2−トリデセン−1−オールと併用すると高い線毛運動活性比が得られた。
Figure 2011256151
表5に示すように、比較例29〜31の去痰剤単独では、線毛運動を高めるものではなく、線毛運動を抑制するものであった。しかしながら、実施例20〜22に示すように、去痰剤に揮発性線毛運動促進剤を併用することにより線毛運動活性比を顕著に高める、あるいは、線毛運動を抑制する去痰剤と揮発性線毛運動促進剤を併用することにより線毛運動活性比の低下を防ぐことを確認した。
[試験例2](実施例23〜41、比較例32〜51)
[線毛運動機能評価試験(去痰剤(培地)+揮発性線毛運動促進剤(培地))]
(1)被検液の調製:
コントロール溶液:試験例1と同様
被検液:コントロール溶液0.99gに対し、去痰剤0.01質量%または0.1質量%と揮発性線毛運動促進剤0.1質量%を含有するエタノール溶液0.01gを添加して被検液(去痰剤濃度は、1質量ppm(表6)または10質量ppm(表7)、揮発性線毛運動促進剤濃度はそれぞれ10質量ppm)とした。なお、生薬エキスの場合、エタノールの代わりに水を用い同様に調製した。生薬エキスは、試験例1に記載した方法と同様に調製した。すなわち、各生薬粉末50gに対して50体積%エタノールを50mL加え、常温で一週間静置した。3回の抽出作業を繰り返し、3回分の抽出液をまとめて吸引ろ過により、残渣を除去した。上清の溶媒をエバポレーターを用いて除去(エタノールを除去)し、溶媒が水だけになったら、冷メタノールを用いて、上清を凍結させ、濃縮乾固した。調製された粉末は速やかにバイアル瓶に入れ、デシケーター内で保存した。
(2)線毛運動解析:
試験例1(2)と同様に調製した粘膜片を35mmシャーレに移し、コントロール液中に30℃のステージ上で約10分馴化させた。その後、試験例1(3)と同様にCBFを測定した(コントロールCBF)、続いて被検液に交換し、10分間静置した後、同様にCBFを測定した(被検液CBF)。
(3)線毛運動活性比の算出
コントロールCBFに対する被検液CBFの比率を線毛運動活性比
(線毛運動活性比=被検液CBF/コントロールCBF)
とした。得られた線毛運動活性比を表中に示した。
Figure 2011256151
表6に示すように、線毛運動を促進する揮発性線毛運動促進剤とカルボシステインを併用すると高い線毛運動活性比が得られた。
Figure 2011256151
表7に示すように、本発明の揮発性線毛運動促進剤は、液中で去痰剤と同時に作用させることによっても、線毛運動促進効果が確認された。
以下に、本発明の気道異物除去製剤を配合したキャンディの処方例を示す。処方例1、処方例2は、いずれも優れた気道異物除去効果が確認された。
処方例1 キャンディ
Figure 2011256151
処方例2 キャンディ
Figure 2011256151

Claims (6)

  1. 揮発性線毛運動促進剤及び去痰剤を含有する気道異物除去用製剤。
  2. 揮発性線毛運動促進剤が、2−トリデセン−1−オール、テトラハイドロゲラニオール、デュピカル、イソシクレモン、シトラールジメチルアセタール、アセトフェノン、カルボン、ヘキシルシクロペンタノン、メントフラン、ブルボーネン、β−メチル−デカラクトン、ムスコン、イソオイゲノール、γ−ドデカラクトン、γ−ヘキサデカラクトンからなる群より選ばれる1種以上である請求項1記載の気道異物除去用製剤。
  3. 去痰剤が、アセチルシステイン、エチルシステイン、メチルシステイン、カルボシステイン、カンゾウ、マオウ、キキョウ、アセンヤク、キョウニン、セネガ、ニンジンからなる群より選ばれる1種以上である請求項1又は2記載の気道異物除去用製剤。
  4. 揮発性線毛運動促進剤及び去痰剤を用いる気道異物除去方法。
  5. 揮発性線毛運動促進剤が、2−トリデセン−1−オール、テトラハイドロゲラニオール、デュピカル、イソシクレモン、シトラールジメチルアセタール、アセトフェノン、カルボン、ヘキシルシクロペンタノン、メントフラン、ブルボーネン、β−メチル−デカラクトン、ムスコン、イソオイゲノール、γ−ドデカラクトン、γ−ヘキサデカラクトンからなる群より選ばれる1種以上である請求項4記載の気道異物除去方法。
  6. 去痰剤が、アセチルシステイン、エチルシステイン、メチルシステイン、カルボシステイン、カンゾウ、マオウ、キキョウ、アセンヤク、キョウニン、セネガ、ニンジンからなる群より選ばれる1種以上である請求項4又は5記載の気道異物除去方法。

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