JP2011254468A - 使用者の聴力損失を補うための聴覚装置をフィッティングするフィッティング装置および方法;および聴覚装置および聴覚装置におけるフィードバックを軽減する方法 - Google Patents

使用者の聴力損失を補うための聴覚装置をフィッティングするフィッティング装置および方法;および聴覚装置および聴覚装置におけるフィードバックを軽減する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】改良されたフィードバック経路モデルを備える聴覚装置を提供する。
【解決手段】レシーバとマイクロホンを備える聴覚装置において、前記レシーバと前記マイクロホンの間にフィードバック経路が存在しており、前記聴覚装置は前記フィードバックの少なくとも一部を軽減するように構成された適応型フィードバックキャンセラをさらに備えており、前記適応型フィードバックキャンセラは、前記フィードバック経路の不変部分をモデル化するための固定フィルタと、前記フィードバック経路の変動部分をモデル化するための適応フィルタを備えており、前記聴覚装置を使用する実際の使用者および前記聴覚装置が使用される音響環境とは無関係に、前記不変部分が前記聴覚装置の前記固定フィルタに提供される。これによって、前記フィードバック経路の前記不変部分を備える固定フィルタを含む補聴器が実現される。
【選択図】図1

Description

本明細書は、使用者の聴力損失を補うための聴覚装置をフィッティングするためのフィッティング装置、および対応する方法に関連する。さらに、本明細書は、聴覚装置におけるフィードバックを軽減する方法、および対応する聴覚装置に関連する。
レシーバとマイクロホンを備える聴覚装置では、フィードバックが発生することがある。フィードバックは深刻な問題である。フィードバックは、レシーバの出力の一部が、マイクロホンによって拾われ、聴覚装置の処理によって増幅され、レシーバによって再び送出されるプロセスを意味している。聴覚装置における増幅がフィードバック経路における減衰よりも大きい場合、不安定性が生じて、通常はフィードバックホイッスリングをもたらす。フィードバックホイッスリングは、実現可能な最大ゲインを制限する。従って、フィードバックは、聴覚装置の装着時の快適さを損なってしまう。
J.MaxwellとP.Zurek(”reducing acoustic feedback in hearing aids”, IEEE Transactions on speech and audio processing 3 (4), pp304-323(1995))は、適応型の有限インパルス応答(FIR)フィルタを用いてフィードバック経路の全体をモデル化する適応型フィードバックキャンセレーション(AFC)を提案している。このモデルは、フィードバック経路のインパルス応答の大部分をカバーする長いフィルタを必要とするので、収束速度が遅く、計算負荷が高い。
この問題を解決するために、米国特許第6,072,884号は、フィードバック経路モデルの代替形態を開示している。その代替形態は、短い適応型FIRフィルタと固定フィルタ(通常はIIRフィルタ)の2つの部分を用いてフィードバック経路を表現している。固定フィルタは、フィードバック経路の不変部分、あるいは緩変動部分をモデル化することを意図しており、適応フィルタは、急変動部分のモデル化を意図している。このモデルは、大体において、より短い適応型FIRフィルタ、より速い収束速度、およびより小さい計算負荷を実現する。
しかしながら、実際に固定フィルタの係数を取得するには、補聴器ディスペンサーまたは使用者に補聴器をフィッティングする訓練を受けた者によって、個々の使用者について補聴器をフィッティングしたときのフィードバック経路の測定を行う。これにより、追加のフィッティングステップが必要となるばかりでなく、フィードバック経路の真の不変部分を取得し損ねてしまう。なぜなら、補聴器ディスペンサーによって測定されたフィードバック経路には、すでに幾らかの変動部分が含まれているからである。従って、上記のような測定されたフィードバック経路は、不変部分の影響だけでなく、幾らかの変動部分の影響も含んでいる。例えば、外耳道への補聴器のフィッティングは不変部分に含まれているが、使用者があくびをしたり、補聴器が耳に再挿入された場合に変化してしまうことがある。
従って、本発明の目的は、改良されたフィードバック経路モデルを備える聴覚装置を提供することにある。
本発明のフィッティング装置によれば、上記およびその他の目的が達成される。そのフィッティング装置は、使用者の聴力損失を補償するための聴覚装置をフィッティングする。前記聴覚装置は、レシーバと、マイクロホンを備えている。前記レシーバと前記マイクロホンの間にフィードバック経路が存在している。前記聴覚装置は、前記フィードバックを軽減するように構成された適応型フィードバックキャンセラをさらに備えている。前記適応型フィードバックキャンセラは、前記フィードバック経路の不変部分をモデル化するための固定フィルタと、前記フィードバック経路の変動部分をモデル化するための適応フィルタを備えている。前記フィッティング装置は、前記聴覚装置を使用する実際の使用者とは無関係に、前記固定フィルタに前記フィードバック経路の前記不変部分に関連する情報を提供するように構成されている
これによって、前記フィッティング装置は、前記固定フィルタにパラメータを提供することができる。それらのパラメータは、前記フィードバック経路の前記不変部分を記述している。従って、前記固定フィルタは、経時的に変化する部分を備えていない。
一実施形態において、前記情報は前記聴覚装置が使用される音響環境とは無関係に提供され得る。
一実施形態において、前記情報の提供は、母集団から取得された情報を使用した前記フィードバック経路の前記不変部分の計算を備える。
これによって、前記フィッティング装置は、実際の聴覚装置が使用者にフィッティングされるのに先立って取得された母集団データから、前記フィードバック経路の前記不変部分を取得するように構成される。これによって、前記フィッティング装置は、前記固定フィルタの前記フィードバック経路の前記不変部分を提供するように構成される。その不変部分は、経時的に変化する部分を含んでいない。
一実施形態では、前記フィッティング装置に含まれるプロセッサが、複数の測定されたフィードバック経路の共通部分として、前記不変部分を計算するように構成されている。前記複数の測定されたフィードバック経路は、製造公差の範囲内で前記聴覚装置と実質的に同一のタイプの聴覚装置について複数の使用者において測定されている。
これによって、使用者に固有の影響が、前記不変部分から排除され得る。
本発明はさらに、聴覚装置におけるフィードバックを軽減する方法に関連する。前記聴覚装置はレシーバとマイクロホンを備えている。前記レシーバと前記マイクロホンの間にフィードバック経路が存在している。前記聴覚装置は、前記フィードバックを軽減するように構成された適応型フィードバックキャンセラをさらに備えている。前記適応型フィードバックキャンセラは、前記フィードバック経路の不変部分をモデル化するための固定フィルタと、前記フィードバック経路の変動部分をモデル化するための適応フィルタを備えている。前記方法は、前記固定フィルタと前記適応フィルタを使用して、前記不変部分と前記変動部分を使用して、前記フィードバックをモデル化する工程を備えている。前記不変部分は、前記聴覚装置を使用する実際の使用者とは無関係に、前記聴覚装置の前記固定フィルタに提供される。
これによって、前記方法は前記固定フィルタにパラメータを提供することができる。それらのパラメータは、前記フィードバック経路の前記不変部分を記述している。従って、前記固定フィルタは経時的に変化する部分を備えていない。
一実施形態において、前記情報は前記聴覚装置が使用される音響環境とは無関係に提供され得る。
一実施形態において、前記提供は、母集団から取得された情報に基づいた前記不変部分の計算を備える。
これによって、前記方法は、実際の聴覚装置が使用者にフィッティングされるのに先立って取得された母集団データから、前記フィードバック経路の前記不変部分を取得するように構成される。これによって、前記フィッティング装置は、前記固定フィルタの前記フィードバック経路の前記不変部分を提供するように構成される。その不変部分は、経時的に変化する部分を含んでいない。
一実施形態において、前記提供は、複数の測定されたフィードバック経路の共通部分としての、前記不変部分の計算を備える。前記複数の測定されたフィードバック経路は、製造公差の範囲内で前記聴覚装置と実質的に同一のタイプの聴覚装置について複数の使用者において測定されている。
これによって、使用者に固有の影響が、前記不変部分から排除され得る。
一実施形態において、前記提供は、共通音響極・零モデルを使用した、前記不変部分の計算を備える。
これによって、前記方法は、少なくともノイズのない、または実質的にノイズのない環境で、正常に共通極を推定することができる。
一実施形態において、前記提供は、繰返し最小二乗探索を使用した、前記不変部分の計算を備える。
これによって、前記方法は、ノイズの多い環境で、正常に前記不変部分を推定することができる。
一実施形態において、前記不変部分の計算は、前記繰返し最小二乗探索の初期推定値としての、前記共通音響極・零モデルの提供を備える。
これによって、前記方法は、前記フィードバック経路の前記不変部分について、より正確な推定値を取得することができる。なぜなら、前記CPZ法と前記ILSS法の組み合わせは、前記CPZ法のようにノイズの多い環境で問題を抱えることがなく、前記ILSS法のように局所最小値の深刻な問題を有していないからである。
一実施形態において、前記方法は、前記適応フィルタに、異なる適応速度を有する2つのカスケード型適応フィルタを設ける工程をさらに備える。
これによって、前記方法は、前記フィードバック経路の前記不変部分についてのフィルタ(前記固定フィルタ)と、前記フィードバック経路の緩変動部分についてのフィルタ(第1適応速度のカスケード型適応フィルタ)と、前記フィードバック経路の急変動部分についてのフィルタ(第2適応速度のカスケード型適応フィルタ)を提供することができる。これによって、前記フィードバック経路のより正確な推定値を取得することができる。
一実施形態において、前記方法は、並列に前記適応フィルタを使用する工程と、前記聴覚装置に含まれるスイッチを介して、何れの前記適応フィルタをアクティブにするか制御する工程をさらに備えている。
本発明はさらに、レシーバとマイクロホンを備える聴覚装置に関連する。前記レシーバと前記マイクロホンの間に、フィードバック経路が存在している。前記聴覚装置は、前記フィードバックを軽減するように構成された適応型フィードバックキャンセラをさらに備えている。前記適応型フィードバックキャンセラは、前記フィードバック経路の不変部分をモデル化するための固定フィルタと、前記フィードバック経路の変動部分をモデル化するための適応フィルタを備えている。前記不変部分は、前記聴覚装置を使用する実際の使用者とは無関係に、前記聴覚装置の前記固定フィルタに提供される。
前記聴覚装置およびその実施形態は、フィードバックを軽減する前記方法と同じ理由で、同じ利点を有している。
一実施形態において、前記情報は前記聴覚装置が使用される音響環境とは無関係に提供され得る。
一実施形態において、前記不変部分は、母集団から取得された情報を備えている。
一実施形態において、前記不変部分は、複数の測定されたフィードバック経路の共通部分を備えている。前記複数の測定されたフィードバック経路は、製造公差の範囲内で前記聴覚装置と実質的に同一のタイプの聴覚装置について複数の使用者において測定されている。
一実施形態において、前記不変部分は、共通音響極・零モデルを使用して計算された情報を備えている。
一実施形態において、前記不変部分は、繰返し最小二乗探索を使用して計算された情報を備えている。
一実施形態において、前記不変部分は、前記共通音響極・零モデルを前記繰返し最小二乗探索の初期推定値として提供することによって計算された情報を備えている。
一実施形態において、前記適応フィルタは、異なる適応速度を有する2つのカスケード型適応フィルタを備えている。
一実施形態において、第1の前記カスケード型適応フィルタの前記適応速度は、例えばミリ秒単位で(すなわち1msから10msの範囲から)選択される。第2の前記カスケード型適応フィルタの前記適応速度は、例えば秒単位で(すなわち10msから1秒の範囲から)選択される。
一実施形態において、前記適応フィルタは並列に使用される。前記聴覚装置は、何れの適応フィルタをアクティブにするか制御するスイッチをさらに備えている。
本発明はさらに、使用者の聴力損失を補償するための聴覚装置をフィッティングする方法に関連する。前記聴覚装置は、レシーバとマイクロホンを備えている。前記レシーバと前記マイクロホンの間にフィードバック経路が存在している。前記聴覚装置は、前記フィードバックを軽減するように構成された適応型フィードバックキャンセラをさらに備えている。前記適応型フィードバックキャンセラは、前記フィードバック経路の不変部分をモデル化するための固定フィルタと、前記フィードバック経路の変動部分をモデル化するための適応フィルタを備えている。前記フィッティングする方法は、前記聴覚装置を使用する実際の使用者とは無関係に、前記不変部分を前記固定フィルタに提供する工程を備えている。
前記フィッティングする方法およびその実施形態は、前記フィッティング装置と同じ理由で、同じ利点を有している。
一実施形態において、前記不変部分はさらに、前記聴覚装置が使用される音響環境とは無関係に提供される。
一実施形態において、前記フィッティングする方法は、前記不変部分を、母集団から取得された情報を使用して計算する工程を備えている。
一実施形態において、前記フィッティングする方法は、前記不変部分を、複数の測定されたフィードバック経路の共通部分として計算する工程を備えている。前記複数の測定されたフィードバック経路は、製造公差の範囲内で前記聴覚装置と実質的に同一のタイプの聴覚装置について複数の使用者において測定されている。
一実施形態において、前記フィッティングする方法は、前記フィードバック経路の前記不変部分が前記聴覚装置に提供されると、使用者についての前記聴覚装置のオンラインキャリブレーションを実行する工程をさらに備えている。
これによって、前記不変部分が特定されて前記聴覚装置に提供されると、前記装置の使用中に各使用者に対するオンラインキャリブレーションの実行が可能となり、使用者の特性も取得可能となる。
適応型フィードバックキャンセラを備える補聴器の実施形態を示す。 フィッティング装置の実施形態を示す。
上記および下記において、聴覚装置は補聴器、人工聴覚器官などから構成されるグループから選択することができる。聴覚装置の実施例には、耳かけ型(BTE)補聴器および耳あな型(ITE)補聴器および完全外耳道挿入型(CIC)補聴器を含むことができる。
図1はマイクロホン101およびレシーバ102を備える聴覚装置100の実施形態を示している。
一実施形態では、インパルス応答b(n)を備えるフィードバック経路107が、レシーバ102とマイクロホン101の間に存在している。フィードバック経路107は、音響的および/または電気的および/または機械的フィードバック経路であってもよい。上記および下記において、nは離散的時間インデックスを示しており、nは0から始まる。
聴覚装置100は、さらにマイクロホン101からの信号を一またはそれ以上のアルゴリズムに従って処理することが可能なプロセッサ106などを備えていてもよい。一実施形態では、プロセッサ106は聴覚装置100の使用者の聴覚損失を補償してもよい。
一実施形態では、聴覚装置はフィードバック経路モデルの不変部分を含む固定フィルタ104を備えていてもよい。
一実施形態では、聴覚装置は適応型フィードバックキャンセラ103を備えていてもよい。適応型フィードバックキャンセラ103は、フィードバック経路モデルの不変部分を含む固定フィルタ104と、フィードバック経路モデルの変動部分を含む適応フィルタ105を備えていてもよい。
その結果、適応型フィードバックキャンセラ103は、フィードバック経路モデルのインパルス応答b^(n)を、インパルス応答f(n)を備える不変フィードバック経路モデルと、インパルス応答e(n)を備える変動フィードバック経路モデルの2つの部分に分割することができる。従って、適応型フィードバックキャンセラ103は、不変フィードバック経路モデルf(n)と変動フィードバック経路モデルe(n)を用いて、フィードバック経路b(n)の変動を追跡することができる。
一実施形態では、不変フィードバック経路モデルは、有限インパルス応答(FIR)フィルタまたは無限インパルス応答(IIR)フィルタに含まれていてもよい。
第一実施形態では、フィードバック経路の不変部分の抽出は、直接的な測定によって行うことができる。しかしながら、実際にはフィードバック経路において不変部分は変動部分と密接に結びついており、各コンポーネントを聴覚装置から切り離して個別に測定しなければ、不変部分を分離することは大変難しいであろうし、そのような測定は、高い精度で行う必要がある。
さらに、測定された不変部分は、コンポーネントの製造バッチ内における変動があるので、単一の装置についてのみ有効であろう。
第二実施形態では、各コンポーネントは、等価な電気音響モデルによって理論的にモデル化されるか、あるいは有限要素法などの方法を用いて数値的にモデル化される。不変部分についての良好な推定を得るためには、これらの方法は全てのコンポーネントについて精密なモデルを構築することを必要とするが、そのようなモデルの構築は幾つかのコンポーネントについては難しいであろう。
第三実施形態では、不変フィードバック経路モデル104は、一連の測定されたフィードバック経路から抽出される。このアイディアでは、同じタイプの聴覚装置を、異なる使用者に、および/または異なる音響環境の下で使用して、複数のフィードバック経路を測定する。フィードバック経路の不変部分は、これらの測定されたフィードバック経路の共通部分とみなすことができる。
第三実施形態では、インパルス応答b1(n);b2(n);...;bN(n)を備えるN個のフィードバック経路について測定され得る。原理上は、フィードバック経路のインパルス応答は無限の継続時間を有し得る。従って、以下ではフィードバック経路とフィードバック経路モデルのインパルス応答は、全て十分な長さLで丸め込まれていると想定し得る。例えば、フィードバック経路とフィードバック経路モデルは、丸め込みによるインパルス応答におけるエネルギー損失が、応答の全エネルギーを少なくとも35dB下回るように、丸め込まれていてもよい。N個のフィードバック経路は、母集団を構成し得る。
f(n)とek(n)が、それぞれ不変モデルとk番目のフィードバック経路の変動モデルのインパルス応答を表現するものとする。k番目のモデル化されたフィードバック経路b^k(n)は、ek(n)とf(n)の畳込み積分となる。すなわち、
Figure 2011254468
ここで、*は畳込み積分の演算子であり、^は上記および下記において対応する量の推定値を表すために用いられている。
不変部分を抽出する一つの手法は、不変フィードバック経路モデルを抽出する問題を定式化することである。その抽出問題は、モデル化されたフィードバック経路b^k(n)と測定されたフィードバック経路bk(n)の間の偏差を最小化することを目的として、f(n)を推定することによって、定式化することができる。異なる使用者について、通気孔のサイズ、耳介形状およびマイクロホン位置が異なることにより、測定されたフィードバックのインパルス応答の幾つかは、他のものよりも高いエネルギーを含んでいるであろう。その結果、長いフィードバック経路についてはモデル化誤差を最小化しようとする傾向となるであろう。測定されたフィードバック経路の全てについて、測定が同じやり方で行われた場合には、全ての測定されたフィードバック経路は公平に扱われなければならない。
従って、測定されたインパルス応答bk(n)は、まず任意のkについてΣi=0 L-1|b~k(i)|2が一定となるようなb~k(n)にスケーリングされる。
不変経路モデルの抽出問題は、以下のように定式化される。
Figure 2011254468
ここで、|| ||2はユークリッドノルムを表し、添え字Tは行列またはベクトルの転置を表し、b^k(n)は数式(1)で定義される。数式中における太字は、行列またはベクトルを表す。なお、文章中では、太字の代わりに、により行列またはベクトルを表現する。
数式(2)−(6)は、非線形の最適化問題を表している。以下では、共通音響極・零モデリング(CPZ)のモデルと繰返し最小二乗探索(ILSS)法及び両者の組み合わせに基づく解決手法を説明する。
代替実施形態では、抽出問題は周波数領域で定式化され、各周波数ビンの重要性についての重み付けを最適化問題に適用することができる。これは、下記の解決手法(CPZ、ILSSおよび両者の組み合わせ)において対応する変更を必要とする。
一実施形態において、上記の最適化問題は、共通音響極・零モデリング(CPZ)を使用して解くことができる。フィードバック経路のモデル化において、不変部分はレシーバ、聴覚装置のシェルの内部のチューブ、フック、マイクロホンなどの応答を含んでおり、それらの大部分は共鳴特性を示す。従って、共通零点も存在するかも知れないが、共通極を含んでいる必要がある。
通常、共鳴をモデル化するためには長いFIRフィルタを必要とするので、共通零点の数がそれほど多くない場合、CPZのモデルは、フィードバック経路の不変部分の大部分を取得する必要がある。この場合、少数の共通零点は、変動モデルek(n)の短いFIRフィルタに移すことができる。
共通極を推定するために、1つの単一インパルス応答の代わりに、幾つかの測定されたインパルス応答を使用する必要がある。なぜなら、単一インパルス応答においては、極は零点によって、強く影響を受けるか、キャンセルされているためである。
フィードバック経路の不変部分が、P個の極を有する全極フィルタによってモデル化され、フィードバック経路の変動部分が、Q個の零点(共通零点を含んでいてもよい)を有するFIRフィルタによってモデル化される場合、完全なフィードバック経路モデルは自己回帰移動平均(ARMA)モデルとなる。
Figure 2011254468
ここで、δは単位パルス関数(n=0のときにδ(n)=1であり、それ以外の任意のnのときにδ(n)=0)であり、aiは共通な自己回帰(AR)モデルの係数であり、ci,kはk番目のフィードバック経路モデルについての移動平均(MA)モデルの係数である。インパルス応答f(n)およびek(n)は、共通なARモデルおよびk番目のフィードバック経路モデルのMAモデルのインパルス応答にそれぞれ対応する。
数式(2)におけるf(n)の推定は、aiの推定になる。
Figure 2011254468
これは難しい問題であることが知られている。しかしながら、それは、モデル化されたフィードバック経路と測定されたフィードバック経路の間の誤差を、いわゆる"数式の誤差"と置き換えることによって、新たな問題として定式化することができる。この問題に対する最適な解析解は、数式(8)の元の問題に対しては必ずしも最適ではないが、存在する。
Figure 2011254468
ここで、a^iとc^k,iは、それぞれaiとck,iの推定値である。01xpは、P個の零点を含む行ベクトルである。行列Aは、付録Aで定義される。
一実施形態において、上記の最適化問題は、繰返し最小二乗探索(ILSS)法を用いて解かれる。
上記のように、フィードバック経路の不変モデルは、極だけでなく零点も含んでいる場合がある。従って、極と零点の構造について仮定をせずに、直接的にインパルス応答を推定するILSSのアプローチは、CPZ法よりもより一般的であろう。
不変モデルf(n)および変動モデルek(n)のインパルス応答の長さが、それぞれCとMに丸め込まれており、M+C-1≦Lであると仮定する。
長さLのフィードバック経路モデルbk^(n)は、ゼロパディングを用いたek(n)とf(n)の間の畳み込み積分となる。
Figure 2011254468
ここで、01x(L+1-M-C)は、(L+1-M-C)個の零点を有する行ベクトルであり、畳み込み行列EkおよびFは、付録Bに定義するように、それぞれek(n)およびf(n)により形成される。
f(n)の推定値を取得するために、繰返し探索は以下の4つのステップで実行される。
ステップ1:繰返しカウンタをi=0に設定し、f^を初期値f^0に設定する。ここで上付きの添え字は繰返し回数を示し、^は繰返し演算における対応する数量の推定値を示している。
ステップ2:最適化問題に、最小二乗解のf^iを与える。
Figure 2011254468
ここで、
Figure 2011254468
ここで、上付きの添え字trは、行列またはベクトルの丸め込みを表す。
ステップ3:最適化問題に、最小二乗解のe^k iを与える。
Figure 2011254468
ここで、行列Eは付録Bで定義される。および、
Figure 2011254468
ステップ4:i=i+1とし、iが所定値(例えば100)に到達するまで、ステップ2およびステップ3を繰り返す。初期値は、良好な推定値を探索するうえで重要となるであろう。
一実施形態において、上記の最適化問題は、繰返し最小二乗探索法と共通音響極・零モデリング法の組み合わせを用いて解かれる。
ILSS法とCPZ法の組み合わせは、"ILSSCPZ"法と呼ばれている。ILSSCPZ法は、CPZモデルベースのアプローチからの推定値を使用して、ILSSアプローチの初期推定値を提供する。まず不変モデルが、幾つかの極(例えば11個の極)を用いたCPZモデルベースのアプローチによって抽出され、抽出されたARモデルのインパルス応答が丸め込まれて、ILSS法における初期推定値となる。
フィードバック経路上にあるコンポーネントは、次の3つのカテゴリに分類することができる。
・カテゴリI:装置のタイプに依存するコンポーネント。特定の装置に対して、このカテゴリのコンポーネントの影響は、不変またはゆっくりとしか変化しないものであり、使用者や外部の音響環境から独立している。これらのコンポーネントには、補聴器のレシーバ、マイクロホン、補聴器のシェル内でレシーバに接続されたチューブ等を含んでいる。
・カテゴリII:使用者に依存するコンポーネント。PVCチューブ、イヤモールド、耳介等を含む。補聴器のフィッティングの変化は、このカテゴリのコンポーネントの変化によって引き起こされる。その変化は通常は遅いが、例えば、使用者が顎を素早く動かした場合など、速い場合もありうる。
・カテゴリIII:外部音響環境に依存するコンポーネント。例えば、使用者が電話の受話器を取った場合など、このカテゴリ内のコンポーネントの変化は、急速かつ劇的でありえる。
カテゴリIIとIIIのコンポーネントは、フィードバック経路における被験者間での大きなばらつきと、フィードバック経路の大きな経時的変動の原因となる。
一実施形態では、フィードバック経路のモデルは、固定フィルタ104に含まれており、例えば聴覚装置のレシーバ、マイクロホン、聴覚装置のシェル内でレシーバに接続されているチューブといったカテゴリIのコンポーネントのような、不変なコンポーネントを表す、不変フィードバック経路のモデルを備えている。
さらに、フィードバック経路モデルは、緩やかな変動をモデル化するために使用される、緩変動モデルを備えていてもよい。その緩やかな変動は、カテゴリI(経時劣化および/またはドリフトに起因する)、PCVチューブ、イヤモールド、耳介などの使用者に依存するコンポーネントといったカテゴリII(補聴器のフィッティングにおける緩やかな変動に起因する)およびカテゴリIII(音響環境における緩やかな変動に起因する)のコンポーネントにおけるものである。
また、フィードバック経路モデルは、例えば、使用者が電話の受話器を取るときなど、外部音響の急速かつ劇的な変化をモデル化するために主に使用される、急変動モデルを備えていてもよい。
不変モデルは、上記および下記のように特定することができ、固定フィルタ104に含まれていてもよい。緩変動モデルおよび急変動モデルは、異なる適応速度を有する2つのカスケード型適応フィルタとして、適応フィルタ105に含まれていてもよい。秒単位での緩やかな適応速度を用いて緩変動コンポーネントをモデル化することができ、ミリ秒単位での急速な適応速度を用いて急変動コンポーネントをモデル化することができる。
一実施形態において、上記のカスケード型適応フィルタは並列に使用することができ、聴覚装置は、固定フィルタと組み合わせて、2つの適応フィルタの何れ(緩変動コンポーネントをモデル化したものと、急変動コンポーネントをモデル化したものの何れか)をアクティブにするかを制御するスイッチ(図示せず)を含むことができる。
一実施形態において、測定されたフィードバック経路は、同じタイプの聴覚装置、すなわち製造公差の範囲内で同じ聴覚装置を用いて、複数の使用者において測定される。例えば、10個の聴覚装置の製造バッチを、100人のグループについてテストすることができ(各聴覚装置が各人についてテストされ、結果として合計1000個のフィードバック経路が得られる)、各人のフィードバック経路を利用して、上記および下記のように、フィードバック経路の不変部分を特定することができる。その後に、特定されたフィードバック経路モデルの不変部分を、聴覚装置の幾つかのその後の製造バッチ(例えば聴覚装置の次の100製造バッチ)に実装することができる。
一実施形態において、聴覚装置はデジタル補聴器などのデジタル聴覚装置である。
一実施形態において、適応型フィードバックキャンセラ103がプロセッサ106に含まれていてもよい。あるいは、プロセッサ106が上記の適応型フィードバックキャンセラ103の処理を実行するように構成されていてもよい。一実施形態において、適応型フィードバックキャンセラ103の一部、例えば、固定フィルタ104または適応フィルタ105が、プロセッサ106に含まれていてもよい。あるいは、プロセッサ106が適応型フィードバックキャンセラ103の一部の処理を実行するように構成されていてもよい。
一実施形態において、聴覚装置100が複数のプロセッサ106を含んでいてもよい。一実施形態において、聴覚装置100が2つのプロセッサ106を含み、2つのプロセッサ106のうちの1つが聴力損失の補償を実行し、もう1つが上記および下記のようなフィードバックの補償を実行してもよい。
図1に示すような実施形態において、フィードバック信号t(n)を含むであろう入力信号w(n)が、マイクロホン101の障害となる場合がある。マイクロホン101からの出力信号m(n)は加算器108に供給され得る。加算器108において、適応型フィードバックキャンセラ103からのフィードバック補償信号v(n)が、マイクロホン101の出力信号m(n)から減算され得る。加算器108からのフィードバック補償済み信号r(n)は、プロセッサ106および適応型フィードバックキャンセラ103の適応フィルタ105に送られ得る。プロセッサ106では、フィードバック補償済み信号r(n)は、聴覚装置100を装着した使用者の聴力損失を補償するアルゴリズムによって修正され得る。プロセッサ106からの聴覚損失補償済み信号u(n)は、レシーバ102および適応型フィードバックキャンセラ103に送られ得る。レシーバ102は、聴覚装置100の使用者に、聴覚損失補償済みの音声出力信号y(n)を提供し得る。聴覚装置100における増幅がフィードバック経路b(n)における減衰よりも大きければ、聴覚損失補償済みの音声出力信号y(n)の少なくとも一部が、フィードバック経路b(n)を介してマイクロホン101へフィードバック信号t(n)としてフィードバックされ得る。上記のように、適応型フィードバックキャンセラ103は、固定フィルタ104と、適応フィルタ105を含み得る。適応型フィードバックキャンセラ103は、フィードバック補償信号v(n)を提供し得る。v(n)は、上記のようにフィードバック経路モデルb^k(n)によって計算し得る。
図2は、使用者の聴力損失を補償するために聴覚装置100をフィッティングする装置201の一実施形態を示している。
聴覚装置100は、図1の聴覚装置であって、レシーバとマイクロホンを備え、レシーバとマイクロホンの間にフィードバック経路が存在し得る。聴覚装置100は、フィードバックを軽減するように構成されている適応型フィードバックキャンセラ103を備え、その適応型フィードバックキャンセラ103はフィードバックの不変部分をモデル化するための固定フィルタ104と、フィードバックの変動部分をモデル化するための適応フィルタ105を備え得る。聴覚装置100およびフィッティングのための装置201は、さらに、Bluetoothトランシーバおよび/またはIRポートおよび/またはIEEEポートといった、通信ポート202、204をそれぞれ備え得る。
フィッティング装置201は、フィッティング装置201および聴覚装置100のそれぞれの通信ポート202、204の間で確立された電気配線またはBluetoothリンクといった、有線および/または無線の通信リンク203を介して、聴覚装置100と通信可能に接続するように構成し得る。
さらに、フィッティング装置201は、上記で特定されるようなフィードバック経路の不変部分を、有線および/または無線の通信リンク203を介して聴覚装置100の固定フィルタ104に提供するように構成し得る。適応型フィードバックキャンセラに2つの適応フィルタがある場合、フィッティング装置201は有線および/または無線の通信リンクを介して、聴覚装置100の適応フィルタ105に含まれる2つの適応フィルタの1つまたはそれ以上の適応速度を提供するように構成し得る。それらの適応フィルタは、フィッティング中または聴覚装置の使用中に行われる初期化によって拘束することができる。
一般的に、コンポーネントの製造バッチ内において変動がある場合でも、不変部分は取るに足らないものではなく、上記および下記の方法および装置は、得られるフィードバック経路モデルを複数の聴覚装置の使用者に対して使用することができるレベルに、それを抽出することができる。
変動モデルの固定次数を与え、フィードバック経路のモデル化の精度を制限する要因は2つある:第1に、方法それ自体が局所最小値に収束し得る。これらの方法を改善するために、幾つかの試行錯誤的な方法を使用して、探索が局所最小値に容易に捕捉されてしまうことを防止することができる。一実施形態において、焼きなまし法(simulated annealing method)を試行錯誤的な方法として使用することができる。第2に、現実には、コンポーネントの製造バッチ内における変動と、各人の特性の双方が、モデル化するために長いFIRモデルを必要とする変動モデルの一部である。
付録A
数式(9)で使用される行列Aは、次のように定義される。
Figure 2011254468
ここでAkは、大きさが(L+P)×Pであり、次のように定義される。
Figure 2011254468
また、Dは、大きさが(L+P)×(Q+1)であり、次のように定義される。
Figure 2011254468
付録B
畳込み行列Fは、大きさがM×(M+C-1)であり、次のように定義される。
Figure 2011254468
畳込み行列Eは、次のように定義される。
Figure 2011254468
ここで行列Ekは、大きさがC×(M+C-1)であり、次のように定義される。
Figure 2011254468

Claims (15)

  1. 使用者の聴力損失を補償するための聴覚装置をフィッティングするフィッティング装置であって、
    前記聴覚装置が、レシーバと、マイクロホンを備えており、
    前記レシーバと前記マイクロホンの間にフィードバック経路が存在しており、
    前記聴覚装置が、前記フィードバックを軽減するように構成された適応型フィードバックキャンセラをさらに備えており、
    前記適応型フィードバックキャンセラが、前記フィードバック経路の不変部分をモデル化するための固定フィルタと、前記フィードバック経路の変動部分をモデル化するための適応フィルタを備えており、
    前記フィッティング装置が、前記聴覚装置を使用する実際の使用者とは無関係に、前記固定フィルタに前記フィードバック経路の前記不変部分に関連する情報を提供するように構成されていることを特徴とするフィッティング装置。
  2. 前記フィッティング装置に含まれるプロセッサが、複数の測定されたフィードバック経路の共通部分として、前記不変部分を計算するように構成されており、
    前記複数の測定されたフィードバック経路が、製造公差の範囲内で前記聴覚装置と実質的に同一のタイプの聴覚装置について複数の使用者において測定されていることを特徴とする請求項1のフィッティング装置
  3. 聴覚装置におけるフィードバックを軽減する方法であって、
    前記聴覚装置がレシーバとマイクロホンを備えており、
    前記レシーバと前記マイクロホンの間にフィードバック経路が存在しており、
    前記聴覚装置が、前記フィードバックを軽減するように構成された適応型フィードバックキャンセラをさらに備えており、
    前記適応型フィードバックキャンセラが、前記フィードバック経路の不変部分をモデル化するための固定フィルタと、前記フィードバック経路の変動部分をモデル化するための適応フィルタを備えており、
    前記方法は、前記固定フィルタと前記適応フィルタを使用して、前記不変部分と前記変動部分を使用して、前記フィードバックをモデル化する工程を備えており、
    前記不変部分が、前記聴覚装置を使用する実際の使用者とは無関係に、前記聴覚装置の前記固定フィルタに提供されることを特徴とする方法。
  4. 前記提供が、複数の測定されたフィードバック経路の共通部分としての、前記不変部分の計算を備えており、
    前記複数の測定されたフィードバック経路が、製造公差の範囲内で前記聴覚装置と実質的に同一のタイプの聴覚装置について複数の使用者において測定されていることを特徴とする請求項3の方法。
  5. 前記不変部分の計算が、繰返し最小二乗探索に対する初期推定値としての、共通音響極・零モデルの提供を備えることを特徴とする請求項3または4の方法。
  6. 前記方法が、前記適応フィルタに、異なる適応速度を有する2つのカスケード型適応フィルタを設ける工程をさらに備えることを特徴とする請求項3から5の何れか一項の方法。
  7. レシーバとマイクロホンを備える聴覚装置であって、
    前記レシーバと前記マイクロホンの間に、フィードバック経路が存在しており、
    前記聴覚装置が、前記フィードバックを軽減するように構成された適応型フィードバックキャンセラをさらに備えており、
    前記適応型フィードバックキャンセラが、前記フィードバック経路の不変部分をモデル化するための固定フィルタと、前記フィードバック経路の変動部分をモデル化するための適応フィルタを備えており、
    前記不変部分が、前記聴覚装置を使用する実際の使用者とは無関係に、前記聴覚装置の前記固定フィルタに提供されることを特徴とする聴覚装置。
  8. 前記不変部分が、複数の測定されたフィードバック経路の共通部分を備えており、
    前記複数の測定されたフィードバック経路が、製造公差の範囲内で前記聴覚装置と実質的に同一のタイプの聴覚装置について複数の使用者において測定されていることを特徴とする請求項7の聴覚装置。
  9. 前記不変部分が、共通音響極・零モデルを使用して計算された情報を備えることを特徴とする請求項7または8の聴覚装置。
  10. 前記不変部分が、繰返し最小二乗探索を使用して計算された情報を備えることを特徴とする請求項7または8の聴覚装置。
  11. 前記不変部分が、前記共通音響極・零モデルを前記繰返し最小二乗探索の初期推定値として提供することによって計算された情報を備えることを特徴とする請求項9および10の聴覚装置。
  12. 前記適応フィルタが、異なる適応速度を有する2つのカスケード型適応フィルタを備えることを特徴とする請求項7から11の何れか一項の聴覚装置。
  13. 前記カスケード型適応フィルタが、並列に使用され、
    前記聴覚装置が、何れのカスケード型適応フィルタをアクティブにするかを制御するスイッチをさらに備えることを特徴とする請求項12の聴覚装置。
  14. 使用者の聴力損失を補償するための聴覚装置をフィッティングする方法であって、
    前記聴覚装置は、レシーバとマイクロホンを備えており、
    前記レシーバと前記マイクロホンの間にフィードバック経路が存在しており、
    前記聴覚装置は、前記フィードバックを軽減するように構成された適応型フィードバックキャンセラをさらに備えており、
    前記適応型フィードバックキャンセラは、前記フィードバック経路の不変部分をモデル化するための固定フィルタと、前記フィードバック経路の変動部分をモデル化するための適応フィルタを備えており、
    前記フィッティングする方法は、前記不変部分を、前記聴覚装置を使用する実際の使用者とは無関係に、前記固定フィルタに提供する工程を備えることを特徴とする方法。
  15. 前記フィッティングする方法が、前記不変部分を、複数の測定されたフィードバック経路の共通部分として計算する工程を備えており、
    前記複数の測定されたフィードバック経路が、製造公差の範囲内で前記聴覚装置と実質的に同一のタイプの聴覚装置について複数の使用者において測定されていることを特徴とする請求項14の方法。
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