JP2011253868A - p型拡散層形成組成物、並びに、太陽電池セルおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】p型拡散層形成組成物を、金属粒子と、アクセプタ元素を含むガラス粒子と、樹脂と、溶剤と、を含んで構成する。また、半導体基板上に該p型拡散層形成組成物を塗布した後、熱処理することで形成されたp型拡散層および電極を備える太陽電池セルである。
【選択図】なし
Description
本発明は、以上の従来の問題点に鑑みなされたものであり、結晶シリコン基板を用いた太陽電池セルの製造工程において、シリコン基板中の内部応力、基板の反りの発生を抑制しつつp型拡散層および電極を形成することが可能なp型拡散層形成組成物ならびに、これを用いる太陽電池セルの製造方法および該製造方法で製造された太陽電池セルを提供することを課題とする。
<2> 前記アクセプタ元素が、B(ホウ素)、Al(アルミニウム)及びGa(ガリウム)から選択される少なくとも1種である前記<1>に記載のp型拡散層形成組成物。
<3> 前記ガラス粒子が、B2O3、Al2O3及びGa2O3から選択される少なくとも1種のアクセプタ元素含有物質と、SiO2、K2O、Na2O、Li2O、BaO、SrO、CaO、MgO、BeO、ZnO、PbO、CdO、V2O5、Tl2O3、SnO、ZrO2、及びMoO3から選択される少なくとも1種のガラス成分物質と、を含有する前記<1>又は<2>に記載のp型拡散層形成組成物。
<4> 前記ガラス粒子中の前記アクセプタ元素含有物質の含有比率が、1質量%以上80質量%以下である前記<3>に記載のp型拡散層形成組成物。
<5> 前記金属粒子は、銀粒子、および銀被覆された銅粒子から選ばれる少なくとも1種である前記<1>〜<4>もいずれか1項に記載のp型拡散層形成組成物。
<7> 半導体基板上に、前記<1>〜<5>のいずれか1項に記載のp型拡散層形成組成物を付与し、これを熱処理して形成されたp型拡散層および電極を備える太陽電池セル。
本明細書において「〜」は、その前後に記載される数値をそれぞれ最小値および最大値として含む範囲を示すものとする。
本発明のp型拡散層形成組成物は、金属粒子の少なくとも1種と、アクセプタ元素を含むガラス粒子の少なくとも1種と、樹脂の少なくとも1種と、溶剤の少なくとも1種と、を含み、必要に応じてその他の成分を含んで構成される。
かかる構成であることにより、電極を形成する際の熱処理時に、特定の部分にのみp型拡散層を形成することが可能となる。
本発明のp型拡散層形成組成物は金属粒子の少なくとも1種を含有する。前記金属粒子としては、焼成により電極を形成可能な金属粒子であれば特に制限はなく、例えば、銀粒子、銅含有粒子、白金含有粒子、パラジウム含有粒子、コバルト含有粒子等を挙げることができる。
前記金属粒子としては、銀粒子単独、又は銀粒子と銅含有粒子の少なくとも1種とを含むことが好ましい。
本発明のp型拡散層形成組成物は、金属粒子として銀粒子の少なくとも1種を含むことが好ましい。銀粒子を含むことで、形成される電極としての抵抗率がより低下する。さらに太陽電池モジュールとした場合のはんだ接続性が向上するという効果も得られる。
本発明における銅含有粒子は、熱処理により電極を形成可能であれば特に制限はない。具体的には例えば、銀被覆された銅粒子、トリアゾール化合物、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、無機金属化合物塩、有機金属化合物塩、ポリアニリン系樹脂、および金属アルコキシドからなる群から選ばれる少なくとも1種で表面処理された銅粒子、並びに、リン含有銅合金粒子を挙げることができ、これらから選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましく、銀被覆された銅粒子および表面処理された銅粒子から選ばれる少なくとも1種を用いることがより好ましい。また前記銅含有粒子は1種単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また前記銅含有粒子の形状としては特に制限はなく、略球状、扁平状、ブロック状、板状、および鱗片状等のいずれであってもよいが、耐酸化性と低抵抗率の観点から、略球状、扁平状、または板状であることが好ましい。
また本発明においては、前記銅含有粒子以外の導電性の粒子を組み合わせて用いても良い。
本発明における銀被覆銅粒子としては、銅粒子の表面の少なくとも一部が銀で被覆されているものであればよい。本発明のp型拡散層形成組成物に含まれる銅含有粒子として、銀被覆銅粒子を用いることで、耐酸化性に優れ、抵抗率の低い電極を形成することができる。さらに銅粒子が銀で被覆されていることで、銀被覆銅粒子と銀粒子との界面抵抗が低下し、抵抗率がより低下した電極を形成することができる。またさらに、p型拡散層形成組成物としたとき、水分が混入した場合に、銀被覆銅粒子を用いることで、室温における銅の酸化を抑制でき、ポットライフを向上できるという効果を得ることができる。
また前記銀被覆銅粒子の形状としては特に制限はなく、略球状、扁平状、ブロック状、板状、および鱗片状等のいずれであってもよいが、耐酸化性と低抵抗率の観点から、略球状、扁平状、または板状であることが好ましい。
前記キレート化剤としては特に制限はないが、例えば、エチレンジアミン四酢酸塩、トリエチレンジアミン、ジエチレントリアミン五酢酸、イミノ二酢酸等を用いることができる。また銀イオン溶液としては、例えば、硝酸銀溶液等を用いることができる。
また本発明において前記銀被覆銅粒子は1種単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また本発明においては、前記銀被覆銅粒子以外の導電性の粒子をさらに組み合わせて用いてもよい。
本発明における銅含有粒子は、トリアゾール化合物、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、無機金属化合物塩、有機金属化合物塩、ポリアニリン系樹脂、および金属アルコキシドからなる群(以下、「表面処理剤」ということがある)から選ばれる少なくとも1種で表面処理された銅粒子であることもまた好ましく、トリアゾール化合物、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、および無機金属化合物塩からなる群から選ばれる少なくとも1種で表面処理された銅粒子であることがより好ましい。
本発明のp型拡散層形成組成物に含まれる銅含有粒子として、表面処理剤の少なくとも1種で表面処理された銅粒子を用いることで、耐酸化性に優れ、抵抗率の低い電極を形成することができる。さらにp型拡散層形成組成物としたとき、水分が混入した場合に、表面処理剤を用いることで、室温における銅の酸化を抑制でき、ポットライフを向上できるという効果を得ることができる。
また本発明において前記表面処理剤は1種単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、前記表面処理剤における無機金属化合物塩としては、例えば、ケイ酸ナトリウム、スズ酸ナトリウム、硫酸スズ、硫酸亜鉛、亜鉛酸ナトリウム、硝酸ジルコニウム、ジルコニウム酸ナトリウム、塩化酸化ジルコニウム、硫酸チタン、塩化チタン、シュウ酸チタン酸カリウム等が挙げられる。また、前記表面処理剤における有機金属化合物塩としては、例えば、ステアリン酸鉛、酢酸鉛、テトラアルコキシジルコニウムのp-クミルフェニル誘導体、テトラアルコキシチタニウムのp-クミルフェニル誘導体等が挙げられる。また、前記表面処理剤における金属アルコキシドとしては、例えば、チタニウムアルコキシド、ジルコニウムアルコキシド、鉛アルコキシド、シリコンアルコキシド、スズアルコキシド、インジウムアルコキシド等が挙げられる。
また、表面処理剤としてステアリン酸またはステアリン酸鉛を用いる場合、表面処理剤としてステアリン酸およびステアリン酸鉛の少なくとも1種と酢酸鉛とを併用することで、耐酸化性がより向上し、抵抗率のより低い電極を形成することができる。
また前記表面処理された銅粒子の形状としては特に制限はなく、略球状、扁平状、ブロック状、板状、および鱗片状等のいずれであってもよいが、耐酸化性と低抵抗率の観点から、略球状、扁平状、または板状であることが好ましい。
具体的には、例えば、表面処理剤としてベンゾトリアゾール、トリアゾール、ドデシルベンゼンスルホン酸を用いる場合、アルコール系溶剤を用いて表面処理溶液を調製し、銅粒子を表面処理することができる。
また表面処理剤としてステアリン酸またはステアリン酸鉛を用いる場合、アルコール系溶剤を用いて表面処理溶液を調製することができる。
また本発明において前記表面処理された銅粒子は1種単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、本発明において前記表面処理された銅粒子以外の導電性の粒子を組み合わせて用いても良い。
リン含有銅合金としては、リン銅ろう(リン濃度:7質量%程度以下)と呼ばれるろう付け材料が知られている。リン銅ろうは、銅と銅との接合剤としても用いられるものであるが、本発明のp型拡散層形成組成物に含まれる銅含有粒子としてリン含有銅合金粒子を用いることができる。
リン含有銅合金に含まれるリン含有率が8質量%以下であることで、より低い抵抗率を達成可能であり、また、リン含有銅合金の生産性に優れる。また0.01質量%以上であることで、より優れた耐酸性を達成できる。
また前記リン含有銅合金粒子の形状としては特に制限はなく、略球状、扁平状、ブロック状、板状、および鱗片状等のいずれであってもよいが、耐酸化性と低抵抗率の観点から、略球状、扁平状、または板状であることが好ましい。
具体的には例えば、リン含有銅合金を溶解し、これをノズル噴霧によって粉末化した後、得られた粉末を乾燥、分級することで、所望のリン含有銅合金粒子を製造することができる。また、分級条件を適宜選択することで所望の粒子径を有するリン含有銅合金粒子を製造することができる。
また本発明において前記リン含有銅合金粒子は1種単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また本発明においては、前記リン含有銅合金粒子以外の導電性の粒子を組み合わせて用いてもよい。
前記銅含有粒子の含有率が9質量%以上となることで、例えば、太陽電池としたときのエネルギー変換効率向上を目的とした電極形成シリコン基板のフッ酸水溶液処理において、電極材の耐フッ酸水溶液性(フッ酸水溶液によって電極材がシリコン基板から剥離しない性質)が向上する。
また前記銅含有粒子の含有率が88質量%以下となることで、銅含有粒子に含まれる銅がシリコン基板と接触することがより抑制され、電極の接触抵抗がより低下する。
本発明のp型拡散層形成組成物は、アクセプタ元素を含むガラス粒子の少なくとも1種を含有する。ガラス粒子がアクセプタ元素を含むことで、電極形成温度において、シリコン基板上にp型拡散層またはp+型拡散層が形成されるとともに、電極とシリコン基板とのオーミックコンタクトが形成される。
ガラス粒子は、例えば、アクセプタ元素含有物質とガラス成分物質とから構成することができる。
ガラス成分物質としては、SiO2、K2O、Na2O、Li2O、BaO、SrO、CaO、MgO、BeO、ZnO、PbO、CdO、Tl2O、V2O5、SnO、ZrO2、MoO3、La2O3、Nb2O5、Ta2O5、Y2O3、TiO2、GeO2、TeO2及びLu2O3等が挙げられ、SiO2、K2O、Na2O、Li2O、BaO、SrO、CaO、MgO、BeO、ZnO、PbO、CdO、V2O5、Tl2O、SnO、ZrO2、及びMoO3から選択される少なくとも1種を用いることが好ましく、SiO2、K2O、Na2O、Li2O、BaO、SrO、CaO、MgO、BeO、ZnO、PbO、CdO、Tl2O、SnO、ZrO2、及びMoO3から選択される少なくとも1種を用いることがより好ましい。
上記では1成分ガラスあるいは2成分を含む複合ガラスを例示したが、B2O3−SiO2−Na2O等必要に応じて3種類以上の複合ガラスでもよい。
最初に原料を秤量し、るつぼに充填する。るつぼの材質としては白金、白金−ロジウム、イリジウム、アルミナ、石英、炭素等が挙げられるが、溶融温度、雰囲気、溶融物質との反応性等を考慮して適宜選ばれる。
次に、電気炉でガラス組成に応じた温度で加熱し均一な融液とする。このとき融液が均一となるよう攪拌することが望ましい。
続いて均一になった融液をジルコニア基板やカーボン基板等の上に流し出して融液をガラス化する。
最後にガラスを粉砕し粉末状(粒子状)とする。粉砕にはジェットミル、ビーズミル、ボールミル等公知の方法が適用できる。
本発明のp型拡散層形成組成物は、溶剤の少なくとも1種と樹脂の少なくとも1種とを含む。これにより本発明のp型拡散層形成組成物の液物性(例えば、粘度、表面張力等)を、シリコン基板に付与する際の付与方法に応じて必要とされる液物性に調整することができる。
本発明において前記溶剤は1種単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明において前記樹脂は1種単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
溶剤と樹脂の総含有量が前記範囲内であることにより、p型拡散層形成組成物をシリコン基板に付与する際の付与適性が良好になり、所望の幅および高さを有する電極をより容易に形成することができる。
さらに本発明のp型拡散層形成組成物は、上述した成分に加え、必要に応じて、当該技術分野で通常用いられるその他の成分をさらに含むことができる。その他の成分としては、例えば、酸化防止剤、フラックス、可塑剤、分散剤、界面活性剤、無機結合剤、金属酸化物、セラミック、有機金属化合物等を挙げることができる。
p型拡散層形成組成物をシリコン基板上に付与する方法としては、例えば、スクリーン印刷、インクジェット法、ディスペンサー法等を挙げることができるが、生産性の観点から、スクリーン印刷による塗布であることが好ましい。
尚、p型拡散層形成組成物における固形分とは、不揮発性成分の総量を意味する。
一般に、熱処理温度(焼成温度)としては800〜900℃であり、良好な特性を有する電極を形成することができる。
また熱処理時間は、熱処理温度等に応じて適宜選択することができ、例えば、1秒〜300秒とすることができる。
一般には、電極を形成するための熱処理時間はなるべく短くすることが電極性能の観点から好ましく、一方で、アクセプタ元素を熱拡散させるための熱処理時間は、なるべく長くすることが好ましい。よってこれらの兼ね合いと、p型拡散層形成組成物の組成に応じて、適宜熱処理時間を調整することが好ましい。
本発明の太陽電池セルは、シリコン基板上に付与された前記p型拡散層形成組成物を、熱処理して形成されたp型拡散層および電極を有する。これにより、良好な特性を有し、反りの発生が抑制された太陽電池セルが得られ、該太陽電池セルの生産性に優れる。
まず、p型半導体基板である結晶シリコンにアルカリ溶液を付与してダメージ層を除去し、テクスチャー構造をエッチングにて得る。
詳細には、インゴットからスライスした際に発生するシリコン表面のダメージ層を20質量%苛性ソーダで除去する。次いで1質量%苛性ソーダと10質量%イソプロピルアルコールの混合液によりエッチングを行い、テクスチャー構造を形成する。太陽電池セルは、受光面(表面)側にテクスチャー構造を形成することにより、光閉じ込め効果が促され、高効率化が図られる。
熱処理時間は、p型拡散層形成組成物に含まれるアクセプタ元素の含有率などに応じて適宜選択することができる。例えば、1秒〜300秒間とすることができる。
この内部応力は、結晶の結晶粒界に損傷を与え、電力損失が大きくなるという課題があった。また、反りは、モジュール工程における太陽電池セルの搬送や、タブ線と呼ばれる銅線との接続において、セルを破損させ易くしていた。近年では、スライス加工技術の向上から、結晶シリコン基板の厚みが薄型化されつつあり、更にセルが割れ易い傾向にある。
より具体的には、上記混合ガス流量比NH3/SiH4が0.05〜1.0、反応室の圧力が0.1〜2Torr、成膜時の温度が300〜550℃、プラズマの放電のための周波数が100kHz以上の条件下で形成される。
尚、表面電極の形成は、裏面電極の形成およびp+型拡散層形成と同時に行なってもよい。
このような表面電極は、例えば、上述の金属ペーストのスクリーン印刷、又は電極材料のメッキ、高真空中における電子ビーム加熱による電極材料の蒸着などの手段により形成することができる。バスバー電極とフィンガー電極とからなる表面電極は受光面側の電極として一般的に用いられていて周知であり、受光面側のバスバー電極及びフィンガー電極の公知の形成手段を適用することができる。
n型拡散層の形成にn型拡散層形成組成物を用いる方法では、まず、p型半導体基板の表面である受光面にn型拡散層形成組成物を塗布し、裏面に本発明のp型拡散層形成組成物を塗布し、600〜1200℃で熱拡散処理する。この熱拡散処理により、表面ではp型半導体基板中へドナー元素が拡散してn型拡散層が形成され、裏面ではアクセプタ元素が拡散してp+型拡散層と裏面電極が形成される。この工程以外は上記方法と同様の工程により、太陽電池セルが作製される。
(a)p型拡散層形成組成物の調製
銀粒子を77質量%、B2O3−CeO2系ガラス(B2O3:39.6%、CeO2:10%、BaO:10.4%、MoO3:10%、ZnO:30%)粒子を10質量%、エチルセルロースを0.5質量%、ターピネオール12.5質量%をメノウ製乳鉢で20分間混合してペースト化し、p型拡散層形成組成物Aを調製した。なお、銀粒子の粒子径(D50%)は1.8μmであり、ガラス粒子の粒子径(D50%)は3.0μmであった。
受光面にシート抵抗100Ω/cm2を示すn型半導体層、テクスチャーおよび反射防止膜(窒化珪素膜)が形成された膜厚190μmのp型半導体基板を用意し、125mm×125mmの大きさに切り出した。その受光面にスクリーン印刷法を用い、電極用ペースト(デュポン社製)を用いて、150μm幅のフィンガーラインと1.1mm幅のバスバーで構成され、焼成後の膜厚が20μmとなるような電極パターンとなるように印刷した。印刷条件(スクリーン版のメッシュ、印刷速度、印圧)を適宜調整した。これを150℃に加熱したオーブンの中に15分間入れ、溶剤を蒸散により取り除いた。
続いて、赤外線急速加熱炉内で大気雰囲気下、850℃で10秒間の加熱処理(焼成)を行って、表面に所望の電極が、裏面にp型拡散層および電極が、それぞれ形成された太陽電池セル1を作製した。
得られた太陽電池セル1には、反りが発生していなかった。
実施例1において、電極形成時の加熱処理(焼成)を850℃で1分間に変更したこと以外は実施例1と同様にして、所望のp型拡散層および電極が形成された太陽電池セル2を作製した。
得られた太陽電池セル2には、反りが発生していなかった。
実施例1において、ガラス粒子をB2O3−ZnO系ガラス(B2O3:40%、ZnO:40%、CeO2:10%、MgO:5%、CaO:5%)とした以外は、実施例1と同様にして、p型拡散層形成組成物Bを調製した。なお、ガラス粒子の粒子径(D50%)は3.2μmであった。次いで、実施例1と同様にして、所望のp型拡散層および電極が形成された太陽電池セル3を作製した。
得られた太陽電池セル3には、反りが発生していなかった。
実施例1において、ガラス粒子をB2O3−SiO2系ガラス(B2O3:30%、SiO2:50%、CeO2:10%、ZnO:10%)とした以外は、実施例1と同様にして、p型拡散層形成組成物Cを調製した。なお、ガラス粒子の粒子径(D50%)は2.9μmであった。次いで、実施例1と同様にして、所望のp型拡散層および電極が形成された太陽電池セル4を作製した。
得られた太陽電池セル4には、反りが発生していなかった。
実施例1において、ガラス粒子をB2O3−PbO系ガラス(B2O3:30%、PbO:50%、ZnO:20%)とした以外は、実施例1と同様にして、p型拡散層形成組成物Dを調製した。なお、ガラス粒子の粒子径(D50%)は3.1μmであった。次いで、実施例1と同様にして、所望のp型拡散層および電極が形成された太陽電池セル5を作製した。
得られた太陽電池セル5には、反りが発生していなかった。
実施例1において、ガラス粒子をB2O3−SiO2系ガラス(B2O3:40%、SiO2:10%、PbO:30%、ZnO:10%、CaO:10%)とした以外は、実施例1と同様にして、p型拡散層形成組成物Eを調製した。なお、ガラス粒子の粒子径(D50%)は3.0μmであった。次いで、実施例1と同様にして、所望のp型拡散層および電極が形成された太陽電池セル6を作製した。
得られた太陽電池セル6には、反りが発生していなかった。
実施例1において、ガラス粒子をB2O3−SiO2系ガラス(B2O3:40%、SiO2:10%、PbO:20%、ZnO:20%、NaO:10%)とした以外は、実施例1と同様にして、太陽電池n型拡散層形成機能付与電極用ペースト組成物Fを調製した。なお、ガラス粒子の粒子径(D50%)は3.5μmであった。次いで、実施例1と同様にして、所望の電極が形成された太陽電池セル7を作製した。
得られた太陽電池セル7には、反りが発生していなかった。
実施例1において、ガラス粒子をB2O3−ZnO系ガラス(B2O3:30%、ZnO:40%、CaO:20%、Al2O3:10%)とした以外は、実施例1と同様にして、p型拡散層形成組成物Gを調製した。なお、ガラス粒子の粒子径(D50%)は2.8μmであった。次いで、実施例1と同様にして、所望のp型拡散層および電極が形成された太陽電池セル8を作製した。
得られた太陽電池セル8には、反りが発生していなかった。
実施例1において、ガラス粒子をB2O3−SiO2系ガラス(B2O3:50%、SiO2:10%、ZnO:30%、CaO:10)とした以外は、実施例1と同様にして、p型拡散層形成組成物Hを調製した。なお、ガラス粒子の粒子径(D50%)は3.2μmであった。次いで、実施例1と同様にして、所望のp型拡散層および電極が形成された太陽電池セル9を作製した。
得られた太陽電池セル9には、反りが発生していなかった。
実施例1において、銀粒子を特開平14-100191号公報に記載された方法に準じて調製した銀被覆銅粒子(日立化成工業(株)製、銀被覆量20質量%、粒子径5.8μm)とした以外は、実施例1と同様にしてp型拡散層形成組成物Iを調製した。次いで、実施例1と同様にして、所望のp型拡散層および電極が形成された太陽電池セル10を作製した。
得られた太陽電池セル10には、反りが発生していなかった。
実施例1におけるp型拡散層形成組成物の調製においてB2O3−CeO2系ガラス(B2O3:39.6%、CeO2:10%、BaO:10.4%、MoO3:10%、ZnO:30%)粒子を用いずに、PbO-SiO2系ガラス(PbO:65%、SiO2:35%)粒子とした以外は、実施例1と同様にして電極形成用組成物C1を調製した。
次いで、電極形成用組成物C1を用いたこと以外は、実施例1と同様にして太陽電池セルC1を作製した。
得られた太陽電池セルC1には、反りが発生していなかった。
実施例1におけるp型拡散層形成組成物の調製においてB2O3−CeO2系ガラス(B2O3:39.6%、CeO2:10%、BaO:10.4%、MoO3:10%、ZnO:30%)粒子を用いずに、Na2O-SiO2系ガラス(Na2O:35%、SiO2:65%)粒子とした以外は、実施例1と同様にして電極形成用組成物C2を調製した。
次いで、電極形成用組成物C2を用いたこと以外は、実施例1と同様にして太陽電池セルC2を作製した。
得られた太陽電池セルC2には、反りが発生していなかった。
実施例2においてp型拡散層形成組成物Aの代わりに、比較例1における電極形成用組成物C1を用いたこと以外は、実施例2と同様にして太陽電池セルC3を作製した。
得られた太陽電池セルC3には、反りが発生していなかった。
実施例2においてp型拡散層形成組成物Aの代わりに、アルミニウム電極ペースト(PVG Solutions社製)を用いて、焼成後の膜厚が20μmとなるように印刷条件を調整したこと以外は、実施例2と同様にして太陽電池セルC4を作製した。
得られた太陽電池セルC4には、反りが発生していなかった。
<比較例5>
実施例2においてp型拡散層形成組成物Aの代わりに、アルミニウム電極ペースト(PVG Solutions社製)を用いて、焼成後の膜厚が50μmとなるように印刷条件を調整したこと以外は、実施例2と同様にして太陽電池セルC4を作製した。
得られた太陽電池セルC5には、反りが発生していた。
作製した太陽電池セルの評価は、擬似太陽光として(株)ワコム電創製WXS−155S−10、電流−電圧(I-V)評価測定器としてI−V CURVE TRACER MP−160(EKO INSTRUMENT社製)の測定装置を組み合わせて行った。太陽電池としての発電性能を示すEff(変換効率)、FF(フィルファクター)、Voc(開放電圧)およびJsc(短絡電流)は、それぞれJIS−C−8912、JIS−C−8913およびJIS−C−8914に準拠して測定を行なうことで得られたものである。得られた各測定値を、比較例1の測定値を100.0とした相対値に換算して表1に示した。
また、作製した太陽電池セルを50%フッ酸と硝酸を1:1(質量比)で混合した混酸中に30分間浸漬して、裏面電極を溶解除去し、裏面電極が除去された部分におけるシリコン表面のシート抵抗を評価した。
また同時に電極も良好に焼結させることができ、これによって、優れた特性を示す太陽電池を構成できたことが分かる。
Claims (7)
- 金属粒子と、アクセプタ元素を含むガラス粒子と、樹脂と、溶剤と、を含むp型拡散層形成組成物。
- 前記アクセプタ元素が、B(ホウ素)、Al(アルミニウム)及びGa(ガリウム)から選択される少なくとも1種である請求項1に記載のp型拡散層形成組成物。
- 前記ガラス粒子が、B2O3、Al2O3及びGa2O3から選択される少なくとも1種のアクセプタ元素含有物質と、SiO2、K2O、Na2O、Li2O、BaO、SrO、CaO、MgO、BeO、ZnO、PbO、CdO、V2O5、Tl2O3、SnO、ZrO2、及びMoO3から選択される少なくとも1種のガラス成分物質と、を含有する請求項1又は請求項2に記載のp型拡散層形成組成物。
- 前記ガラス粒子中の前記アクセプタ元素含有物質の含有比率が、1質量%以上80質量%以下である請求項3に記載のp型拡散層形成組成物。
- 前記金属粒子は、銀粒子、および銀被覆された銅粒子から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のp型拡散層形成組成物。
- 半導体基板上に請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のp型拡散層形成組成物を塗布する工程と、
熱処理により、p型拡散層の形成と電極の形成とを行う熱処理工程と、
を有する太陽電池セルの製造方法。 - 半導体基板上に、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のp型拡散層形成組成物を付与し、これを熱処理して形成されたp型拡散層および電極を備える太陽電池セル。
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