JP2011252201A - 耐衝突性に優れた鋼材の高能率製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐衝突性に優れた鋼材を能率良く製造する。
【解決手段】鋼を加熱後、Ar3以上850℃以下の温度域まで、圧延中の一部または全部のパス間において15〜300℃/秒で急冷しつつ、累積圧下率50%以上の圧延を行う。第1段冷却として、鋼材平均温度が(Ar3) 未満 (Ar3−80)以上から(Ar3−120)℃以上 (Ar3−50)℃以下の範囲まで鋼材平均冷却速度10℃/秒以上で急冷し、鋼材平均温度が(Ar3−120)℃以上(Ar3−50)℃以下の範囲で5秒以上の放冷を行う。第2段冷却として、鋼材平均温度が(Ar3−120)℃以上から300℃以上650℃以下の範囲まで鋼材平均冷却速度10℃/秒以上で急冷する。以上より、組織が、フェライト相と硬質相からなり、フェライト相における、相分率が板厚中央部で70%以上かつ板厚表層部で50%以上、硬さがHv160以下、粒径が2μm以上である鋼材が得られる。
【選択図】なし
【解決手段】鋼を加熱後、Ar3以上850℃以下の温度域まで、圧延中の一部または全部のパス間において15〜300℃/秒で急冷しつつ、累積圧下率50%以上の圧延を行う。第1段冷却として、鋼材平均温度が(Ar3) 未満 (Ar3−80)以上から(Ar3−120)℃以上 (Ar3−50)℃以下の範囲まで鋼材平均冷却速度10℃/秒以上で急冷し、鋼材平均温度が(Ar3−120)℃以上(Ar3−50)℃以下の範囲で5秒以上の放冷を行う。第2段冷却として、鋼材平均温度が(Ar3−120)℃以上から300℃以上650℃以下の範囲まで鋼材平均冷却速度10℃/秒以上で急冷する。以上より、組織が、フェライト相と硬質相からなり、フェライト相における、相分率が板厚中央部で70%以上かつ板厚表層部で50%以上、硬さがHv160以下、粒径が2μm以上である鋼材が得られる。
【選択図】なし
Description
本発明は、船舶等の大型構造物に使用される鋼材の製造方法に関し、特に船舶の衝突時等の損害抑制に効果がある高い一様伸びを有する、耐衝突性に優れた鋼材の高能率製造方法に関するものである。
近年、大型タンカーの座礁や衝突による油流出による環境汚染が問題となっている。これらの事故による油流出を防止するために、船殻の二重構造化等の船体構造面からの取り組みは行われているが、般体用鋼材については十分な対応策が検討されていない。その中でも、船体用鋼材面からの取り組みとして、衝突時のエネルギーを鋼材自体に多く吸収させることが提案されているが、未だ十分な実用段階には達していない。
衝突時のエネルギー吸収能力を向上させる方法としては、鋼板の組織をフェライト主体とし、かつフェライト相を強化する技術が特許文献1に提案されている。この技術は、フェライト分率Fが80%以上であり、かつフェライトの硬さHについては下限値(H≧400−2.6×F)を規定することを特徴としている。
また、鋼板の表裏層に残留γ相を含ませる技術が特許文献2に提案されている。この技術は、C、Si、Mn、Alを含有し、さらに必要に応じて強化元素を含有し、鋼板の少なくとも板厚の1/8以上の表裏層に面積率で1.0〜20%の残留γを含むというものである。
これらの技術においては、衝突時のエネルギー吸収を、鋼材の強度(降伏応力と破断応力の平均)と全伸びの積として評価している。そのため、強度と全伸びの両者の向上により吸収エネルギーの増加を図っている。
しかし、上記の従来技術で用いられている全伸びによる吸収エネルギーの評価は、必ずしも船体構造の安全性の評価に繋がるとはかぎらず、耐衝突性を議論する場合には相応しくない。すなわち、引張試験における標点距離とは比べものにならない長大なスパンで防撓材に支えられている船体外板の伸び変形は、試験片形状の影響を受ける局部伸びを含んだ全伸びで評価するのは適していない。そこで、衝突時の吸収エネルギーを考える場合には、船体外板の伸び特性と相関が高いと判断される一様伸びで評価する必要がある。
前述の従来技術でもこの点は解決されておらず、例えば、特許文献1に記載の技術では、フェライト粒径が5μm以下で、フェライトの硬さは実施例ではHv160〜190であり高めとなっている。そのため、全伸び(表のEL)でも23〜32%であり、一様伸びはこれより高くなり得ないので、せいぜい10〜20数%程度に止まるものと推定される。
また、特許文献2に記載の技術では、組織に残留γを含むようにするため合金元素が添加されており、実施例の鋼は炭素当量(以下、Ceqと称す)が高いか、Siが高い鋼種となっている。例えば、実施例の表1を見ると、鋼種AではCeqを計算すると約0.38であり、鋼種B〜FではSiが0.55〜1.94%であり、いずれも高めとなっている。そのため、全般に延性が低く、表層だけ残留γにより一様伸びを高くしても、一様伸びは延性の低い部分に律則されるため、一様伸びを向上させることが困難であるものと推測される。さらに、これらの鋼種については、靭性あるいは溶接性に関する試験結果が、全く開示されていない。なお、特許文献2において、衝撃吸収エネルギーというのは、表2のEL×(YP+TS/2)であり、全伸びと強度の積のことである。そこで、これらの鋼種の材質について、通常の厚鋼板の材質から考えると、Siが高めの鋼種は靭性が低く、Ceqが高めの鋼種は溶接性に問題があると推測される。
一般に、船体用鋼材においては設計上の要求から必要な降伏応力が決められており、使用する部位に応じて鋼材の強度等級が変更されるため必要以上の強度は特に必要とされない、および強度を向上させるための合金元素の添加等によりコスト上昇や溶接性の劣化を生じるため、強度増加による吸収エネルギーの向上は好ましくない。
以上の観点から、特許文献3には、船舶の衝突時のエネルギー吸収性能に優れた鋼材およびその製造方法が開示されている。
しかしながら、特許文献3の製造方法では、全ての圧延を終了した後に鋼材を冷却するため、製造に時間がかかっており、さらに能率良く耐衝突性に優れた鋼材を製造する方法が望まれていた。すなわち、圧延を終了した鋼材は、温度調整冷却設備まで運ばれ、圧延終了後の第1段の急冷温度まで水冷され、その後、第1段の急冷が開始される。この水冷の時間を短縮することができれば、鋼材の製造効率が大幅に向上することになる。
本発明は、かかる事情に鑑み、現状用いられている鋼材に対して合金元素の添加等によるコス卜の増加や、船体構造設計の変更なしに、衝突時のエネルギー吸収能を増加させることが可能な耐衝突性に優れた鋼材を能率良く製造する方法を提供することを目的とする。
本発明の要旨は以下のとおりである。
[1] 鋼組成が、質量%で、C:0.05〜0.16%、Si:0.1〜0.5%、Mn:0.8〜1.6%、Sol.Al:0.002〜0.07%を含み、残部が鉄および不可避不純物からなり、Ceq≦0.36%を満たす鋼に対して、加熱し、次いで、Ar3以上850℃以下の温度域まで、圧延中の一部または全部のパス間において鋼材平均冷却速度15〜300℃/秒で急冷しつつ、累積圧下率50%以上の圧延を行い、該圧延終了後、第1段の冷却として、鋼材平均温度が(Ar3) 未満 (Ar3−80)以上から(Ar3−120)℃以上 (Ar3−50)℃以下の範囲まで鋼材平均冷却速度10℃/秒以上で急冷し、次いで、鋼材平均温度が(Ar3−120)℃以上(Ar3−50)℃以下の範囲で5秒以上の放冷を行い、次いで、第2段の冷却として、鋼材平均温度が(Ar3−120)℃以上から300℃以上650℃以下の範囲まで鋼材平均冷却速度10℃/秒以上で急冷し、組織を、フェライト相と硬質相からなり、前記フェライト相における、相分率が板厚中央部で70%以上かつ板厚表層部で50%以上、硬さがHv160以下、平均粒径が2μm以上とすることを特徴とする耐衝突性に優れた鋼材の高能率製造方法。
ただし、
Ceq=C+Mn/6+(Cr+Mo+V)/5+(Ni+Cu)/15
であり、元素記号は含有量(質量%)を表す。
[2]前記[1]において、前記鋼組成として、さらに、質量%で、Ti:0.003〜0.03%を含有することを特徴とする耐衝突性に優れた鋼材の高能率製造方法。
[3]前記[1]または[2]において、前記鋼組成として、さらに、質量%で、Nb:0.005〜0.05%を含有することを特徴とする耐衝突性に優れた鋼材の高能率製造方法。
[4]前記[1]〜[3]のいずれかにおいて、前記鋼組成として、さらに、質量%で、Cr:0.1〜0.5%、Mo:0.02〜0.3%、V:0.01〜0.08%、Cu:0.1〜0.6%の中の1種以上を含有することを特徴とする耐衝突性に優れた鋼材の高能率製造方法。
[5]前記[1]〜[4]のいずれかにおいて、前記鋼組成として、さらに、質量%で、Ni:0.1〜0.5%を含有することを特徴とする耐衝突性に優れた鋼材の高能率製造方法。
[1] 鋼組成が、質量%で、C:0.05〜0.16%、Si:0.1〜0.5%、Mn:0.8〜1.6%、Sol.Al:0.002〜0.07%を含み、残部が鉄および不可避不純物からなり、Ceq≦0.36%を満たす鋼に対して、加熱し、次いで、Ar3以上850℃以下の温度域まで、圧延中の一部または全部のパス間において鋼材平均冷却速度15〜300℃/秒で急冷しつつ、累積圧下率50%以上の圧延を行い、該圧延終了後、第1段の冷却として、鋼材平均温度が(Ar3) 未満 (Ar3−80)以上から(Ar3−120)℃以上 (Ar3−50)℃以下の範囲まで鋼材平均冷却速度10℃/秒以上で急冷し、次いで、鋼材平均温度が(Ar3−120)℃以上(Ar3−50)℃以下の範囲で5秒以上の放冷を行い、次いで、第2段の冷却として、鋼材平均温度が(Ar3−120)℃以上から300℃以上650℃以下の範囲まで鋼材平均冷却速度10℃/秒以上で急冷し、組織を、フェライト相と硬質相からなり、前記フェライト相における、相分率が板厚中央部で70%以上かつ板厚表層部で50%以上、硬さがHv160以下、平均粒径が2μm以上とすることを特徴とする耐衝突性に優れた鋼材の高能率製造方法。
ただし、
Ceq=C+Mn/6+(Cr+Mo+V)/5+(Ni+Cu)/15
であり、元素記号は含有量(質量%)を表す。
[2]前記[1]において、前記鋼組成として、さらに、質量%で、Ti:0.003〜0.03%を含有することを特徴とする耐衝突性に優れた鋼材の高能率製造方法。
[3]前記[1]または[2]において、前記鋼組成として、さらに、質量%で、Nb:0.005〜0.05%を含有することを特徴とする耐衝突性に優れた鋼材の高能率製造方法。
[4]前記[1]〜[3]のいずれかにおいて、前記鋼組成として、さらに、質量%で、Cr:0.1〜0.5%、Mo:0.02〜0.3%、V:0.01〜0.08%、Cu:0.1〜0.6%の中の1種以上を含有することを特徴とする耐衝突性に優れた鋼材の高能率製造方法。
[5]前記[1]〜[4]のいずれかにおいて、前記鋼組成として、さらに、質量%で、Ni:0.1〜0.5%を含有することを特徴とする耐衝突性に優れた鋼材の高能率製造方法。
なお、本明細書において、鋼の成分を示す%は、すべて質量%である。
本発明によれば、通常の船体用鋼材とほぼ同じ成分で、軟質相であるフェライトと硬質相の2相以上の組織からなる鋼を用い、それぞれの相の機械的性質を最適化し、その組み合わせを最適化することにより、一様伸びが高く耐衝突性に優れた鋼材を能率良く製造できる。その結果、合金元素の添加等によるコストの増加なしに、船舶の衝突時のエネルギー吸収性能に優れた鋼材を迅速に提供可能で、産業上その効果は極めて大きい。また、大型タンカーの座礁や衝突による油流出を防止するという観点から、環境保護の効果も極めて大きい。
以下に、本発明の詳細を説明する。
1)鋼組成
Ceq: 0.36%以下
Ceqが高いほど強度が上がりフェライトの強度も高くなるため、一様伸びが低下する。0.36%を超えると一様伸びの低下が著しい。また、Ceqは溶接熱影響部の靭性の指標であり、0.36%を超えた場合、大入熱溶接の熱影響部靭性が劣化する。このため、Ceqは0.36%以下とする。なお、ここで、
Ceq=C+Mn/6+(Cr+Mo+V)/5+(Ni+Cu)/15
である。元素記号は含有量(質量%)を表す。
Ceq: 0.36%以下
Ceqが高いほど強度が上がりフェライトの強度も高くなるため、一様伸びが低下する。0.36%を超えると一様伸びの低下が著しい。また、Ceqは溶接熱影響部の靭性の指標であり、0.36%を超えた場合、大入熱溶接の熱影響部靭性が劣化する。このため、Ceqは0.36%以下とする。なお、ここで、
Ceq=C+Mn/6+(Cr+Mo+V)/5+(Ni+Cu)/15
である。元素記号は含有量(質量%)を表す。
C: 0.05〜0.16%
Cは強度を確保するため含有するが、0.05%未満ではその効果が十分でなく、0.16%を超えるとフェライト主体の組織が得られず一様伸びが劣化する。よって、0.05%〜0.16%とする。
Cは強度を確保するため含有するが、0.05%未満ではその効果が十分でなく、0.16%を超えるとフェライト主体の組織が得られず一様伸びが劣化する。よって、0.05%〜0.16%とする。
Si: 0.1〜0.5%
Siは製鋼段階の脱酸材および強度向上元素として含有するが、0.1%未満ではその効果が十分でなく、0.5%を超えると延性を劣化させる。よって、0.1〜0.5%とする。
Siは製鋼段階の脱酸材および強度向上元素として含有するが、0.1%未満ではその効果が十分でなく、0.5%を超えると延性を劣化させる。よって、0.1〜0.5%とする。
Mn: 0.8〜1.6%
Mnは強度を確保するため含有するが、0.8%未満ではその効果が十分でなく、1.6%を超えて含有するとフェライト主体の組織が得られない。よって、0.8〜1.6%とする。
Mnは強度を確保するため含有するが、0.8%未満ではその効果が十分でなく、1.6%を超えて含有するとフェライト主体の組織が得られない。よって、0.8〜1.6%とする。
Sol.Al: 0.002〜0.07%
Alは脱酸のため添加する。Sol.Al量で0.002%未満の場合はその効果が十分でなく、0.07%を超えて含有すると鋼材の表面疵が発生し易くなる。よって、0.002〜0.07%とする。
Alは脱酸のため添加する。Sol.Al量で0.002%未満の場合はその効果が十分でなく、0.07%を超えて含有すると鋼材の表面疵が発生し易くなる。よって、0.002〜0.07%とする。
残部はFeおよび不可避的不純物である。
ただし、これらの成分元素に加えて、以下の合金元素を必要に応じて添加することができる。
Ti: 0.003〜0.03%
本発明では、靭性をより向上させるため、Tiを添加することができる。Tiは圧延加熱時あるいは溶接時にTiNを生成し、オーステナイト粒径を微細化し、母材靭性ならびに溶接熱影響部の靭性を向上させる。その添加量が、0.003%未満ではその効果が十分でなく、0.03%を超えて添加すると溶接熱影響部の靭性を劣化させる。よって、Tiを添加する場合はその添加量を0.003〜0.03%とする。
Ti: 0.003〜0.03%
本発明では、靭性をより向上させるため、Tiを添加することができる。Tiは圧延加熱時あるいは溶接時にTiNを生成し、オーステナイト粒径を微細化し、母材靭性ならびに溶接熱影響部の靭性を向上させる。その添加量が、0.003%未満ではその効果が十分でなく、0.03%を超えて添加すると溶接熱影響部の靭性を劣化させる。よって、Tiを添加する場合はその添加量を0.003〜0.03%とする。
Nb: 0.005〜0.05%
本発明では、強度を向上させるため、Nbを添加することができる。その添加量が0.005%未満ではその効果が十分でなく、0.05%を超えると溶接熱影響部の靭性が劣化する。よって、Nbを添加する場合はその添加量を0.005〜0.05%とする。
本発明では、強度を向上させるため、Nbを添加することができる。その添加量が0.005%未満ではその効果が十分でなく、0.05%を超えると溶接熱影響部の靭性が劣化する。よって、Nbを添加する場合はその添加量を0.005〜0.05%とする。
本発明では、強度を向上させるためCr、Mo、V、Cuを単独添加あるいは複合添加することができる。
Cr: 0.1〜0.5%
Crは、0.1%未満ではその効果が十分でなく、0.5%を超えると溶接性および溶接影響部の靭性が劣化する。よって、添加する場合は0.1〜0.5%とする。
Mo: 0.02〜0.3%
Moは、0.02%未満ではその効果が十分でなく、0.3%を超えると溶接性および溶接熱影響部の靭性が著しく劣化する。よって、添加する場合は0.02〜0.3%とする。
V: 0.01〜0.08%
Vは、0.01%未満ではその効果が十分でなく、0.08%超えでは著しく靭性が劣化する。よって、添加する場合は0.01〜0.08%とする。
Cu: 0.1〜0.6%
Cuは、0.1%未満ではその効果が十分でなく、0.6%を超えて添加するとCu割れの懸念が高まる。よって、添加する場合は0.1〜0.6%とする。
Cr: 0.1〜0.5%
Crは、0.1%未満ではその効果が十分でなく、0.5%を超えると溶接性および溶接影響部の靭性が劣化する。よって、添加する場合は0.1〜0.5%とする。
Mo: 0.02〜0.3%
Moは、0.02%未満ではその効果が十分でなく、0.3%を超えると溶接性および溶接熱影響部の靭性が著しく劣化する。よって、添加する場合は0.02〜0.3%とする。
V: 0.01〜0.08%
Vは、0.01%未満ではその効果が十分でなく、0.08%超えでは著しく靭性が劣化する。よって、添加する場合は0.01〜0.08%とする。
Cu: 0.1〜0.6%
Cuは、0.1%未満ではその効果が十分でなく、0.6%を超えて添加するとCu割れの懸念が高まる。よって、添加する場合は0.1〜0.6%とする。
本発明では、靭性を向上させるためNiを添加することもできる。
Ni:0.1〜0.5%
Niの添加量が0.1%未満ではその効果が十分でなく、0.5%を超えると鋼材コストの上昇が著しい。よって、Niを添加する場合はその添加量を0.1〜0.5%とする。
Ni:0.1〜0.5%
Niの添加量が0.1%未満ではその効果が十分でなく、0.5%を超えると鋼材コストの上昇が著しい。よって、Niを添加する場合はその添加量を0.1〜0.5%とする。
2)製造条件
本発明者は、従来の圧延方法が、圧延中のパス間は放冷(緩冷却)のままAr3〜850℃の温度域まで圧延し、圧延終了後の第1段の急冷開始まで、圧延材を放冷または水冷し、その後、第1段の急冷開始温度から急冷するというように、温度調整に時間がかかることに問題があると考えた。
そこで、圧延が完了した時点ではほぼ圧延終了後の目標温度(Ar3〜850℃)になるように、つまり板厚の調整と温度調整を同時進行することについて検討した。
そして、圧延材を所定の板厚まで圧延するには複数の圧延パスを行うことになるが、この圧延パス間で急冷を行うことで、同時進行が可能であると考えた。
本発明者は、従来の圧延方法が、圧延中のパス間は放冷(緩冷却)のままAr3〜850℃の温度域まで圧延し、圧延終了後の第1段の急冷開始まで、圧延材を放冷または水冷し、その後、第1段の急冷開始温度から急冷するというように、温度調整に時間がかかることに問題があると考えた。
そこで、圧延が完了した時点ではほぼ圧延終了後の目標温度(Ar3〜850℃)になるように、つまり板厚の調整と温度調整を同時進行することについて検討した。
そして、圧延材を所定の板厚まで圧延するには複数の圧延パスを行うことになるが、この圧延パス間で急冷を行うことで、同時進行が可能であると考えた。
さらに、特に圧延条件と冷却条件を規定することで、耐衝突性に優れた鋼材を能率良く製造できることがわかった。圧延条件と冷却条件の規定は、本発明において重要な要件である。以上の知見をもとに完成した本発明の製造方法は以下の通りである。
上記の鋼組成を有する鋼に対して、加熱し、次いで、Ar3以上850℃以下の温度域まで、圧延中の一部または全部のパス間において鋼材平均冷却速度15〜300℃/秒で急冷しつつ、累積圧下率50%以上の圧延を行い、該圧延終了後、第1段の冷却として、鋼材平均温度がAr3未満 (Ar3−80)以上から(Ar3−120)℃以上 (Ar3−50)℃以下の範囲まで鋼材平均冷却速度10℃/秒以上で急冷し、次いで、鋼材平均温度が(Ar3−120)℃以上(Ar3−50)℃以下の範囲で5秒以上の放冷を行い、次いで、第2段の冷却として、鋼材平均温度が(Ar3−120)℃以上から300℃以上650℃以下の範囲まで鋼材平均冷却速度10℃/秒以上で急冷することで、製造される。
以下、詳細に説明する。
上記の鋼組成を有する鋼に対して、加熱し、次いで、Ar3以上850℃以下の温度域まで、圧延中の一部または全部のパス間において鋼材平均冷却速度15〜300℃/秒で急冷しつつ、累積圧下率50%以上の圧延を行い、該圧延終了後、第1段の冷却として、鋼材平均温度がAr3未満 (Ar3−80)以上から(Ar3−120)℃以上 (Ar3−50)℃以下の範囲まで鋼材平均冷却速度10℃/秒以上で急冷し、次いで、鋼材平均温度が(Ar3−120)℃以上(Ar3−50)℃以下の範囲で5秒以上の放冷を行い、次いで、第2段の冷却として、鋼材平均温度が(Ar3−120)℃以上から300℃以上650℃以下の範囲まで鋼材平均冷却速度10℃/秒以上で急冷することで、製造される。
以下、詳細に説明する。
加熱
加熱は通常行われる条件で行うことができる。
加熱は通常行われる条件で行うことができる。
圧延条件: Ar3以上850℃以下の温度域まで、圧延中の一部または全部のパス間において鋼材平均冷却速度15〜300℃/秒で急冷しつつ、累積圧下率50%以上
圧延においては、靭性を向上させるため、オーステナイトの未再結晶温度域であるAr3以上850℃以下の温度域で加工歪を導入する。累積圧下率については、50%以上で、変態後のフェライト結晶粒径が十分微細化して靭性向上が図られる。従って、圧延中の累積圧下率をAr3以上850℃以下の温度域で50%以上とする。なお、Ar3は、例えば、Ar3=910−310C−80Mn−20Cu−15Cr−55Ni−80Mo(℃、元素記号は質量%)として求められる。
圧延においては、靭性を向上させるため、オーステナイトの未再結晶温度域であるAr3以上850℃以下の温度域で加工歪を導入する。累積圧下率については、50%以上で、変態後のフェライト結晶粒径が十分微細化して靭性向上が図られる。従って、圧延中の累積圧下率をAr3以上850℃以下の温度域で50%以上とする。なお、Ar3は、例えば、Ar3=910−310C−80Mn−20Cu−15Cr−55Ni−80Mo(℃、元素記号は質量%)として求められる。
また、圧延中の一部または全部のパス間において、圧延と同時に急冷を行う。このように圧延と急冷を同時に行うことは、従来の、圧延後にAr3以上850℃以下の温度域まで一旦放冷して圧延終了後に第1段の急冷を行う場合より能率が良い。
検討の結果、従来例のように高温の圧延材を所定の板厚まで圧延する場合とは違い、圧延パスの途中に急冷を行い、しかも所定板厚まで早期に圧延するためには、圧延パスの途中に行う急冷工程における、急冷速度をいかにするかが重要であるとの知見を得た。
そして、この点をさらに鋭意検討し、種々の仕上板厚の鋼材について検討し、最適な冷却速度を見出したのが本発明である。
本発明の製造方法は、図1に示す通り、鋼材3を可逆式圧延機7によって熱間圧延する鋼材(厚鋼板)の製造方法である。そして、圧延パスのパス間に前記可逆式圧延機7の片側において鋼材3のパス間急冷工程を有し、該パス間急冷工程は、当該圧延パス(Nパス)において鋼材が可逆式圧延機7を通過後、次の圧延パス(N+1パス)において可逆式圧延機7に入る前までの間に、15〜300℃/秒の急冷速度で前記鋼材3を冷却する。この時の冷却は、例えば、冷却水を噴射する。
本実施の実施形態においては、急冷設備9を可逆式圧延機7の片側に設置し、鋼材3がNパスにおいて可逆式圧延機7を通過した後、(N+1)パスのための可逆式圧延機7に入る前においてのみパス間急冷を行い、鋼材3が(N+1)パスにおいて可逆式圧延機7を通過した後、次の圧延パスのために可逆式圧延機7に入る前においては空冷するようにしたので、空冷の期間に復熱により鋼材3の材質を向上させることができる。なお、復熱とは、冷却された表面と冷却途中の内部との温度勾配が時間と共に緩和される結果、表面温度が上昇する現象をいう。
急冷設備9を可逆式圧延機7の両側に設置して、鋼材3がNパスにおいて可逆式圧延機7を通過した後、(N+1)パスのために可逆式圧延機7に入る前においてパス間急冷を行い、さらに鋼材3が(N+1)パスにおいて可逆式圧延機7を通過した後、次の圧延パスのために可逆式圧延機7に入る前においてもパス間急冷を行うようにしてもよい。このように可逆式圧延機7の両側でパス間急冷を行うようにすると、板厚が厚い場合などで、冷却効率を高くできて冷却水量を削減できるという効果がある。
本発明では、圧延工程の途中にパス間急冷工程を備えている。そして、本実施の実施形態におけるパス間急冷工程は、図2において、図中右方向へ鋼材3を搬送しながら圧延するパスをNパス、Nパス後に鋼材3を図中左方向へ復動させて圧延するパスを(N+1)パスとすれば、鋼材3がNパスにおいて可逆式圧延機7を通過した後、(N+1)パスのために可逆式圧延機7に入る前において鋼材3を通過し冷却するようにしている。冷却水を噴射することによる通過し冷却する範囲は、鋼材搬送方向で50〜200cm程度にするのが好ましい。
パス間急冷工程において、本実施の形態では、鋼材平均冷却速度を制御して、その鋼材平均冷却速度を15℃/秒〜300℃/秒になるようにしている。
検討の結果、従来例のように高温の圧延材を所定の板厚まで圧延する場合とは違い、圧延パスの途中に急冷を行い、しかも所定板厚まで早期に圧延するためには、圧延パスの途中に行う急冷工程における、急冷速度をいかにするかが重要であるとの知見を得た。
そして、この点をさらに鋭意検討し、種々の仕上板厚の鋼材について検討し、最適な冷却速度を見出したのが本発明である。
本発明の製造方法は、図1に示す通り、鋼材3を可逆式圧延機7によって熱間圧延する鋼材(厚鋼板)の製造方法である。そして、圧延パスのパス間に前記可逆式圧延機7の片側において鋼材3のパス間急冷工程を有し、該パス間急冷工程は、当該圧延パス(Nパス)において鋼材が可逆式圧延機7を通過後、次の圧延パス(N+1パス)において可逆式圧延機7に入る前までの間に、15〜300℃/秒の急冷速度で前記鋼材3を冷却する。この時の冷却は、例えば、冷却水を噴射する。
本実施の実施形態においては、急冷設備9を可逆式圧延機7の片側に設置し、鋼材3がNパスにおいて可逆式圧延機7を通過した後、(N+1)パスのための可逆式圧延機7に入る前においてのみパス間急冷を行い、鋼材3が(N+1)パスにおいて可逆式圧延機7を通過した後、次の圧延パスのために可逆式圧延機7に入る前においては空冷するようにしたので、空冷の期間に復熱により鋼材3の材質を向上させることができる。なお、復熱とは、冷却された表面と冷却途中の内部との温度勾配が時間と共に緩和される結果、表面温度が上昇する現象をいう。
急冷設備9を可逆式圧延機7の両側に設置して、鋼材3がNパスにおいて可逆式圧延機7を通過した後、(N+1)パスのために可逆式圧延機7に入る前においてパス間急冷を行い、さらに鋼材3が(N+1)パスにおいて可逆式圧延機7を通過した後、次の圧延パスのために可逆式圧延機7に入る前においてもパス間急冷を行うようにしてもよい。このように可逆式圧延機7の両側でパス間急冷を行うようにすると、板厚が厚い場合などで、冷却効率を高くできて冷却水量を削減できるという効果がある。
本発明では、圧延工程の途中にパス間急冷工程を備えている。そして、本実施の実施形態におけるパス間急冷工程は、図2において、図中右方向へ鋼材3を搬送しながら圧延するパスをNパス、Nパス後に鋼材3を図中左方向へ復動させて圧延するパスを(N+1)パスとすれば、鋼材3がNパスにおいて可逆式圧延機7を通過した後、(N+1)パスのために可逆式圧延機7に入る前において鋼材3を通過し冷却するようにしている。冷却水を噴射することによる通過し冷却する範囲は、鋼材搬送方向で50〜200cm程度にするのが好ましい。
パス間急冷工程において、本実施の形態では、鋼材平均冷却速度を制御して、その鋼材平均冷却速度を15℃/秒〜300℃/秒になるようにしている。
これは想定される複数種類の仕上板厚の鋼材について、パス間急冷を実施して最適な冷却速度を求めたものである。
パス間の鋼材平均冷却速度を15℃/秒〜300℃/秒にすることで、想定される全ての板厚の鋼材について、冷却待ち時間をなくして目的の圧延終了後の第1段急冷開始温度でかつ所定板厚まで連続して圧延を行うことができる。そのため、圧延時間の短縮ができ、生産性の向上を図ることができる。鋼材平均冷却速度が15℃/秒未満では本発明のパス間急冷を行う能力が不足し、300℃/秒超えでは不必要な過大な能力を有する急冷設備となって経済的ではない。
鋼材平均冷却速度は、冷却水量、冷却水流量密度、鋼材搬送速度、冷却水温度等を調整することで制御する。
以上のように、本実施の形態では、圧延しながらパス間で冷却を行うため、圧延機の冷却待ち時間がなく、圧延時間を短縮して、鋼材(厚鋼板)の製造効率を高めることができる。
パス間の鋼材平均冷却速度を15℃/秒〜300℃/秒にすることで、想定される全ての板厚の鋼材について、冷却待ち時間をなくして目的の圧延終了後の第1段急冷開始温度でかつ所定板厚まで連続して圧延を行うことができる。そのため、圧延時間の短縮ができ、生産性の向上を図ることができる。鋼材平均冷却速度が15℃/秒未満では本発明のパス間急冷を行う能力が不足し、300℃/秒超えでは不必要な過大な能力を有する急冷設備となって経済的ではない。
鋼材平均冷却速度は、冷却水量、冷却水流量密度、鋼材搬送速度、冷却水温度等を調整することで制御する。
以上のように、本実施の形態では、圧延しながらパス間で冷却を行うため、圧延機の冷却待ち時間がなく、圧延時間を短縮して、鋼材(厚鋼板)の製造効率を高めることができる。
第1段の冷却:鋼材平均温度が(Ar3) 未満 (Ar3−80)以上から(Ar3−120)℃以上 (Ar3−50)℃以下の範囲まで鋼材平均冷却速度10℃/秒以上で急冷圧延終了後の第1段の冷却(急冷)は、第1段の冷却(急冷)に続く放冷により、フェライト相の相分率、硬さ、平均粒径を所定のものにするため行う。このため、急冷温度域は、鋼材平均温度が(Ar3)未満(Ar3−80)℃以上の温度から開始し、放冷中に変態の制御が行い易い(Ar3−120)℃以上(Ar3−50)℃以下の温度範囲までとする。
鋼材平均冷却速度は、10℃/秒未満であると、変態が進行して放冷中の変態制御が難しくなるため、10℃/秒以上とする。ただし、70℃/秒を超えると冷却停止温度を制御するのが難しくなるため、鋼材平均冷却速度(急冷速度)は70℃/秒以下が好ましい。
第1段の冷却(急冷)後の放冷:鋼材平均温度が(Ar3−120)℃以上(Ar3−50)℃以下の範囲で5秒以上
第1段の冷却(急冷)後の放冷は、フェライト相の相分率、硬さ、平均粒径を所定のものにするため行う。放冷温度域については、鋼材平均温度が(Ar3−120)℃未満ではフェライト変態を進行させるのに長時間を要し、(Ar3−50)℃を超える温度ではフェライトの変態率が所定の分率に達しない。従って、放冷温度域は(Ar3−120)℃以上(Ar3−50)℃以下とする。放冷時間については、5秒未満であるとフェライト変態が十分に進行しないためフェライト分率が所定の分率に満たず、またCのフェライト相からオーステナイト相への拡散が十分に進行せずフェライト相の硬さがHv160以下にならない。従って、放冷時間は5秒以上とする。ただし、50秒を超えると時間が掛かりすぎて圧延能率を低下させるので、放冷時間は50秒以下が好ましい。
なお、鋼材平均温度は、鋼材の形状と表面温度、冷却条件等が与えられた場合に、シミュレーション計算等により求められたものを用いることができる。
第1段の冷却(急冷)後の放冷は、フェライト相の相分率、硬さ、平均粒径を所定のものにするため行う。放冷温度域については、鋼材平均温度が(Ar3−120)℃未満ではフェライト変態を進行させるのに長時間を要し、(Ar3−50)℃を超える温度ではフェライトの変態率が所定の分率に達しない。従って、放冷温度域は(Ar3−120)℃以上(Ar3−50)℃以下とする。放冷時間については、5秒未満であるとフェライト変態が十分に進行しないためフェライト分率が所定の分率に満たず、またCのフェライト相からオーステナイト相への拡散が十分に進行せずフェライト相の硬さがHv160以下にならない。従って、放冷時間は5秒以上とする。ただし、50秒を超えると時間が掛かりすぎて圧延能率を低下させるので、放冷時間は50秒以下が好ましい。
なお、鋼材平均温度は、鋼材の形状と表面温度、冷却条件等が与えられた場合に、シミュレーション計算等により求められたものを用いることができる。
第2段の冷却:鋼材平均温度が(Ar3−120)℃以上から300℃以上650℃以下の範囲まで鋼材平均冷却速度10℃/秒以上で急冷
第2段の冷却(急冷)は、硬化相の強度の向上により所定の強度を確保するために行う。冷却開始温度は、低いほど強度が低下し、鋼材平均温度が(Ar3−120)℃未満になると所定の強度が得られなくなるため、(Ar3−120)℃以上とする。鋼材平均冷却速度は、速いほど強度が向上するが、10℃/秒未満では所定の強度が得られないので、10℃/秒以上とする。冷却終了温度は、低いほど強度が向上するが、300℃未満まで冷却すると延靭性が劣化する。逆に、650℃を超える温度で冷却を停止すると所定の強度が得られないので、冷却終了温度は300℃以上650℃以下とする。なお、第2段の冷却は、前記第1段の冷却と同様の理由で、鋼材平均冷却速度は70℃/秒以下が好ましい。
第2段の冷却(急冷)は、硬化相の強度の向上により所定の強度を確保するために行う。冷却開始温度は、低いほど強度が低下し、鋼材平均温度が(Ar3−120)℃未満になると所定の強度が得られなくなるため、(Ar3−120)℃以上とする。鋼材平均冷却速度は、速いほど強度が向上するが、10℃/秒未満では所定の強度が得られないので、10℃/秒以上とする。冷却終了温度は、低いほど強度が向上するが、300℃未満まで冷却すると延靭性が劣化する。逆に、650℃を超える温度で冷却を停止すると所定の強度が得られないので、冷却終了温度は300℃以上650℃以下とする。なお、第2段の冷却は、前記第1段の冷却と同様の理由で、鋼材平均冷却速度は70℃/秒以下が好ましい。
本発明は、通常の船体用鋼材とほぼ同じ成分で、耐衝突性に優れた、すなわち一様伸び性に優れた鋼材の高能率製造方法を提供するものである。製造に当たっては、上記の鋼組成、製造方法に基づき、組織制御を行う。例えば、通常の転炉や電炉等で所定の鋼組成の鋼を溶製し、連続鋳造等により得られた鋳片をそのままあるいは冷却後、圧延を行う。圧延においては、圧延条件あるいは冷却条件を調節して鋼材の組織制御を行い、目標の複合組織を得る。この場合、本発明の製造方法を用いることにより、組織制御を容易に実施することができる。
以上により、本発明の耐衝突性に優れた鋼材が得られる。
そして、以上の製造方法により製造された本発明の耐衝突性に優れた鋼材の組織は、フェライト相と硬質相からなり、前記フェライト相の相分率が板厚中央部で70%以上かつ板厚表層部で50%以上、硬さがHv160以下、平均粒径が2μm以上となる。以下、鋼材の組織ついて、説明する。
3)鋼組織
フェライト相と硬質相
本発明の製造方法により製造された鋼材は、強度を低下させることなく、一様伸びを向上させるために、軟質相であるフェライトと硬質相であるベイナイト、パーライト、セメンタイト、マルテンサイト等のフェライト相に比べて硬度の高い組織の2相以上の組織からなる。なお、この鋼材の組織は、それぞれの相の機械的性質を最適化するとともに、その組み合わせを最適化することを基本方針に検討を行う中で得られたものであり、後述の知見に基づいている。
そして、以上の製造方法により製造された本発明の耐衝突性に優れた鋼材の組織は、フェライト相と硬質相からなり、前記フェライト相の相分率が板厚中央部で70%以上かつ板厚表層部で50%以上、硬さがHv160以下、平均粒径が2μm以上となる。以下、鋼材の組織ついて、説明する。
3)鋼組織
フェライト相と硬質相
本発明の製造方法により製造された鋼材は、強度を低下させることなく、一様伸びを向上させるために、軟質相であるフェライトと硬質相であるベイナイト、パーライト、セメンタイト、マルテンサイト等のフェライト相に比べて硬度の高い組織の2相以上の組織からなる。なお、この鋼材の組織は、それぞれの相の機械的性質を最適化するとともに、その組み合わせを最適化することを基本方針に検討を行う中で得られたものであり、後述の知見に基づいている。
フェライト相分率: 板厚中央部で70%以上かつ板厚表層部で50%以上
軟質相と硬質相の割合と一様伸びの関係を検討したところ、軟質相であるフェライト相の分率が高いほど一様伸びの向上が見られ、特にフェライト相分率が板厚中央部で70%以上、板厚表層部で50%以上で、一様伸びに優れることを見出した。従って、十分な一様伸びを得るにはフェライト相分率が板厚中央部で70%以上とすることが必要である。板厚表層部では、これより低くてもよいが、50%未満では一様伸びが低下する。よって、フェライト相分率を板厚中央部では70%以上、板厚表層部では50%以上とする。この場合、フェライト相分率が板厚方向で多少変化するが、機械的特性値としての差は小さく、一様伸びを損なうことはない。このようにフェライト相分率を所定割合確保するには、冷却条件を適切に調節すればよい。
軟質相と硬質相の割合と一様伸びの関係を検討したところ、軟質相であるフェライト相の分率が高いほど一様伸びの向上が見られ、特にフェライト相分率が板厚中央部で70%以上、板厚表層部で50%以上で、一様伸びに優れることを見出した。従って、十分な一様伸びを得るにはフェライト相分率が板厚中央部で70%以上とすることが必要である。板厚表層部では、これより低くてもよいが、50%未満では一様伸びが低下する。よって、フェライト相分率を板厚中央部では70%以上、板厚表層部では50%以上とする。この場合、フェライト相分率が板厚方向で多少変化するが、機械的特性値としての差は小さく、一様伸びを損なうことはない。このようにフェライト相分率を所定割合確保するには、冷却条件を適切に調節すればよい。
相分率への冷却速度Vcと冷却時間Tの影響については、Vcが大きい場合は、相平衡としては相変態に必要な温度域に速やかに温度低下する。この場合、冷却速度 Vcが大きいほど相変態の駆動力が大きくなるので、冷却時間Tは短くてよい。但し、ある程度原子が拡散し、相変態が進行する時間が必要であるため、Tには下限がある。
次に、強度に対する組織の影響を検討した。強度は、硬質相の強度と分率に大きく影響を受けるが、鋼の成分組成が一定の場合は、たとえ組織が変化しても、製造条件の選択により、強度をほぼ一定に制御できることを確認した。すなわち、硬質相の分率を比較的大きくしたい場合には、圧延後の水冷温度を高めにしたり冷却速度を低目にして硬質相の強度を低目とすることにより、一方、硬質相の分率を比較的小さくしたい場合には、逆に圧延
後の水冷温度を低目にしたり冷却速度を高目にして硬質相の強度を高くすることにより、強度を一定に保つことが可能である。
次に、強度に対する組織の影響を検討した。強度は、硬質相の強度と分率に大きく影響を受けるが、鋼の成分組成が一定の場合は、たとえ組織が変化しても、製造条件の選択により、強度をほぼ一定に制御できることを確認した。すなわち、硬質相の分率を比較的大きくしたい場合には、圧延後の水冷温度を高めにしたり冷却速度を低目にして硬質相の強度を低目とすることにより、一方、硬質相の分率を比較的小さくしたい場合には、逆に圧延
後の水冷温度を低目にしたり冷却速度を高目にして硬質相の強度を高くすることにより、強度を一定に保つことが可能である。
なお、このような強度の制御は、硬質相の分率が小さい場合には、フェライト相から変態時に排出され硬質相に濃化する炭素濃度が高くなり、硬質相がより硬化し易くなるという原理から、比較的容易に達成される。
また、本発明では、板厚表層部を板の表面から板厚の1/10程度の深さまでの領域とする。この板厚表層部は、冷却時において、板厚中央部に比べて相対的に冷却速度が速くなり、硬質相が生成しやすく、一様伸びが劣化しやすい領域である。板厚全体を考慮した場合、分率的にはさほど大きくなく、特性的にもその影響はある程度は許容できるが、板厚中央部との特性差が大きくなると影響を無視できなくなってくる。そのため、板厚表層部についても、このようにフェライト相分率を確保する必要がある。
フェライト相の硬さ: Hvで160以下
一般に2相以上の組織を有する鋼においては、軟質相が主に延靭性向上の役割を担い、硬質相が主に強度向上の役割を担う。そこで、まず一様伸びを向上させるために軟質相であるフェライト相の性質を検討した。一様伸びは軟質材ほど優れていることは明らかであるが、他に硬質相が存在する場合は、両相の差がある程度大きい方が軟質相への歪の集中が大きくなり、一様伸びに対する軟質相の寄与が大きくなる。硬質相として例えば比較的強度の低いベイナイト相を考えた場合、フェライト相への歪集中を大きくするためには、フェライト相の硬度をHv160以下にしなければならない。
以上より、フェライト相の硬さがHvで160以下で一様伸びが優れるため、Hvで160以下とする。
一般に2相以上の組織を有する鋼においては、軟質相が主に延靭性向上の役割を担い、硬質相が主に強度向上の役割を担う。そこで、まず一様伸びを向上させるために軟質相であるフェライト相の性質を検討した。一様伸びは軟質材ほど優れていることは明らかであるが、他に硬質相が存在する場合は、両相の差がある程度大きい方が軟質相への歪の集中が大きくなり、一様伸びに対する軟質相の寄与が大きくなる。硬質相として例えば比較的強度の低いベイナイト相を考えた場合、フェライト相への歪集中を大きくするためには、フェライト相の硬度をHv160以下にしなければならない。
以上より、フェライト相の硬さがHvで160以下で一様伸びが優れるため、Hvで160以下とする。
フェライト相の平均結晶粒径: 2μm以上
また、一様伸びは結晶粒径が小さくなるほど低下するため、2相以上の組織を有する鋼のフェライト結晶粒径の影響を調査したところ、平均結晶粒径が2μm未満になると急速に一様伸びが低下することを確認した。ここで、局部伸びは結晶粒径の影響を比較的受けないため、結晶粒径の減少による全伸びの低下は、一様伸びの低下に比べ相対的に小さいことも確認した。よって、このことからも、延性を評価する場合には、一様伸びと全伸びを区別して考える必要がある。
船舶等に使用される鋼材においては、靭性も重要な機械的性質の一つであるが、本発明が対象にしているフェライト主体の組織の鋼材においては、靭性は主にフェライト結晶粒径の影響を受けるため、望ましくは結晶粒径を40μm以下にする。結晶粒径の制御は、圧延工程で圧下率を一定値以上にすること等により可能である。
なお、上記鋼組織は以下の測定方法により確認することができる。本発明におけるフェライト相の相分率とは、観察面積に占める面積の割合のことである。上記相分率は、例えば、鋼材の圧延方向に平行な板厚断面を研磨後、3%ナイタールで腐食し、SEM(走査電子顕微鏡)を用いて2000倍の倍率で10視野観察し、市販の画像処理ソフトを用いて求めることができる。
また、フェライト相の硬さはマイクロビッカース硬度計により測定することで、確認することができる。
また、一様伸びは結晶粒径が小さくなるほど低下するため、2相以上の組織を有する鋼のフェライト結晶粒径の影響を調査したところ、平均結晶粒径が2μm未満になると急速に一様伸びが低下することを確認した。ここで、局部伸びは結晶粒径の影響を比較的受けないため、結晶粒径の減少による全伸びの低下は、一様伸びの低下に比べ相対的に小さいことも確認した。よって、このことからも、延性を評価する場合には、一様伸びと全伸びを区別して考える必要がある。
船舶等に使用される鋼材においては、靭性も重要な機械的性質の一つであるが、本発明が対象にしているフェライト主体の組織の鋼材においては、靭性は主にフェライト結晶粒径の影響を受けるため、望ましくは結晶粒径を40μm以下にする。結晶粒径の制御は、圧延工程で圧下率を一定値以上にすること等により可能である。
なお、上記鋼組織は以下の測定方法により確認することができる。本発明におけるフェライト相の相分率とは、観察面積に占める面積の割合のことである。上記相分率は、例えば、鋼材の圧延方向に平行な板厚断面を研磨後、3%ナイタールで腐食し、SEM(走査電子顕微鏡)を用いて2000倍の倍率で10視野観察し、市販の画像処理ソフトを用いて求めることができる。
また、フェライト相の硬さはマイクロビッカース硬度計により測定することで、確認することができる。
以下、実施例について説明する。表1に実施例に用いた供試鋼の成分を示す。表示しない残部は鉄および不可避不純物よりなる。表1における鋼種A〜Hは本発明を満足する成分組成の鋼で、鋼種IはCeqが発明の範囲外(上限0.36%超)となっている。
これらの鋼組成を有する鋳片を加熱後、板厚12〜25mmの鋼材に圧延して種々の冷却パターンで冷却した。表2に製造条件を示す。鋼番1〜11は本発明の製造条件を満足する本発明例であり、鋼番12〜17は本発明の製造条件又は成分組成から外れている比較例である。
以上により得られた鋼材の組織を光学顕微鏡により観察し、板厚中央部と板厚表層部のフェライト相の分率、フェライトの結晶粒径(平均粒径)を測定した。フェライト相の硬さはマイクロビッカース硬度計により測定した。
また、機械的特性として、強度、一様伸び、靭性を求めた。引張試験は、全厚のJIS1B号試験片を、鋼材の圧延方向と直角の方向に採取して、試験した。一様伸びは、最大応力時の伸びとして評価した。衝撃試験は、JIS 4号標準試験片を、圧延方向と平行に、かつ表層に寄せて(鋼材の表面と試験片の端面との間隔が2mm以下)採取して、試験した。靭性は、vTsにより評価した。表3に鋼材の組織および機械的特性を示す。
表3に示すように、鋼番1〜11の本発明例は、いずれもTSが500MPa前後であり、一様伸びが24%以上の優れた特性が得られている。また、本発明例のYSは360MPa以上、vTsは−40℃より低く、いずれも目標特性とするYS≧315MPa、TS≧440MPa、一様伸び≧20%、vTs≦0℃を満足している。
これに対して、鋼番12〜17の比較例については、まず、鋼組成と組織の観点から説明すると、次のようになる。鋼番12、13、16は、板厚中央部および板厚表層部のフェライト相分率がいずれも小さいため、一様伸びが劣っている。鋼番14も、板厚表層部のフェライト相分率が小さいため、一様伸びが劣っている。鋼番15も、板厚中央部のフェライト相分率が小さいため、一様伸びが劣っている。鋼番17は、Ceqが高いため、フェライト相の硬度が高く、一様伸びが劣っている。
次に、これらの比較例について製造条件の観点から説明すると、次のようになる。なお、組織についても繰り返しになるが記しておく。鋼番12、13は、第l段の冷却速度が低すぎ、かつ、第一段急冷と第二段急冷の間の放冷を行っていないため、フェライト相分率が小さくなり、一様伸びが劣っている。
鋼番14は、第l段冷却の開始温度が高すぎるため、フェライト相分率が小さくなり、一様伸びが劣っている。鋼番15は、第l段冷却の終了温度が高すぎるため、フェライト相分率が小さくなり、一様伸びが劣っている。鋼番16は、第1段冷却と第2段冷却の間の放冷時間が短かったため、フェライト相分率が低くなり、一様伸びが劣っている。
また、本発明では、加熱後のスラブから圧延において、圧延パス間でAr3〜850℃まで急冷し、(Ar3)未満 (Ar3−80)以上の第一段急冷開始前までの時間は145〜185秒と短かったのに対し、比較例では、圧延パス間で放冷(緩冷却)し圧延後にAr3〜850℃まで放冷して、その後、(Ar3)未満 (Ar3−80)以上の第一段急冷開始前までの時間は200〜235秒と長かった。その結果、本発明は、従来の比較例に比べて、耐衝突性に優れた鋼材を能率良く製造できることがわかった。
これに対して、鋼番12〜17の比較例については、まず、鋼組成と組織の観点から説明すると、次のようになる。鋼番12、13、16は、板厚中央部および板厚表層部のフェライト相分率がいずれも小さいため、一様伸びが劣っている。鋼番14も、板厚表層部のフェライト相分率が小さいため、一様伸びが劣っている。鋼番15も、板厚中央部のフェライト相分率が小さいため、一様伸びが劣っている。鋼番17は、Ceqが高いため、フェライト相の硬度が高く、一様伸びが劣っている。
次に、これらの比較例について製造条件の観点から説明すると、次のようになる。なお、組織についても繰り返しになるが記しておく。鋼番12、13は、第l段の冷却速度が低すぎ、かつ、第一段急冷と第二段急冷の間の放冷を行っていないため、フェライト相分率が小さくなり、一様伸びが劣っている。
鋼番14は、第l段冷却の開始温度が高すぎるため、フェライト相分率が小さくなり、一様伸びが劣っている。鋼番15は、第l段冷却の終了温度が高すぎるため、フェライト相分率が小さくなり、一様伸びが劣っている。鋼番16は、第1段冷却と第2段冷却の間の放冷時間が短かったため、フェライト相分率が低くなり、一様伸びが劣っている。
また、本発明では、加熱後のスラブから圧延において、圧延パス間でAr3〜850℃まで急冷し、(Ar3)未満 (Ar3−80)以上の第一段急冷開始前までの時間は145〜185秒と短かったのに対し、比較例では、圧延パス間で放冷(緩冷却)し圧延後にAr3〜850℃まで放冷して、その後、(Ar3)未満 (Ar3−80)以上の第一段急冷開始前までの時間は200〜235秒と長かった。その結果、本発明は、従来の比較例に比べて、耐衝突性に優れた鋼材を能率良く製造できることがわかった。
1 圧延設備
3 鋼材
5 テーブルローラ
7 可逆式圧延機
9 急冷設備
11 上ヘッダユニット
13 下ヘッダユニット
3 鋼材
5 テーブルローラ
7 可逆式圧延機
9 急冷設備
11 上ヘッダユニット
13 下ヘッダユニット
Claims (5)
- 鋼組成が、質量%で、C:0.05〜0.16%、Si:0.1〜0.5%、Mn:0.8〜1.6%、Sol.Al:0.002〜0.07%を含み、残部が鉄および不可避不純物からなり、Ceq≦0.36%を満たす鋼に対して、
加熱し、
次いで、Ar3以上850℃以下の温度域まで、圧延中の一部または全部のパス間において鋼材平均冷却速度15〜300℃/秒で急冷しつつ、累積圧下率50%以上の圧延を行い、
該圧延終了後、第1段の冷却として、鋼材平均温度が(Ar3) 未満 (Ar3−80)以上から(Ar3−120)℃以上 (Ar3−50)℃以下の範囲まで鋼材平均冷却速度10℃/秒以上で急冷し、
次いで、鋼材平均温度が(Ar3−120)℃以上(Ar3−50)℃以下の範囲で5秒以上の放冷を行い、
次いで、第2段の冷却として、鋼材平均温度が(Ar3−120)℃以上から300℃以上650℃以下の範囲まで鋼材平均冷却速度10℃/秒以上で急冷し、
組織を、フェライト相と硬質相からなり、前記フェライト相における、相分率が板厚中央部で70%以上かつ板厚表層部で50%以上、硬さがHv160以下、平均粒径が2μm以上
とすることを特徴とする耐衝突性に優れた鋼材の高能率製造方法。
ただし、
Ceq=C+Mn/6+(Cr+Mo+V)/5+(Ni+Cu)/15
であり、元素記号は含有量(質量%)を表す。 - 前記鋼組成として、さらに、質量%で、Ti:0.003〜0.03%を含有することを特徴とする請求項1に記載の耐衝突性に優れた鋼材の高能率製造方法。
- 前記鋼組成として、さらに、質量%で、Nb:0.005〜0.05%を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の耐衝突性に優れた鋼材の高能率製造方法。
- 前記鋼組成として、さらに、質量%で、Cr:0.1〜0.5%、Mo:0.02〜0.3%、V:0.01〜0.08%、Cu:0.1〜0.6%の中の1種以上を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の耐衝突性に優れた鋼材の高能率製造方法。
- 前記鋼組成として、さらに、質量%で、Ni:0.1〜0.5%を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の耐衝突性に優れた鋼材の高能率製造方法。
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---|---|---|---|
JP2010126693A Withdrawn JP2011252201A (ja) | 2010-06-02 | 2010-06-02 | 耐衝突性に優れた鋼材の高能率製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2011252201A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013080398A1 (ja) * | 2011-11-30 | 2013-06-06 | Jfeスチール株式会社 | 耐衝突性に優れた鋼材およびその製造方法 |
JP2015214724A (ja) * | 2014-05-09 | 2015-12-03 | Jfeスチール株式会社 | 耐衝突性に優れた鋼板の高能率製造方法 |
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2010
- 2010-06-02 JP JP2010126693A patent/JP2011252201A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013080398A1 (ja) * | 2011-11-30 | 2013-06-06 | Jfeスチール株式会社 | 耐衝突性に優れた鋼材およびその製造方法 |
CN103958716A (zh) * | 2011-11-30 | 2014-07-30 | 杰富意钢铁株式会社 | 耐碰撞性优异的钢材及其制造方法 |
JP2015214724A (ja) * | 2014-05-09 | 2015-12-03 | Jfeスチール株式会社 | 耐衝突性に優れた鋼板の高能率製造方法 |
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