JP2011251570A - クローラ走行装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】クローラベルト6の内周面側に駆動スプロケットの駆動爪体31と係合する係合用凹部62を備え、駆動スプロケットは、左右の芯金突起63との間に嵌り込む円盤状部材30の外周側に、クローラベルト6に形成された係合用凹部62に係入する駆動爪体31を備え、芯金突起63のベルト内周面側に突出する部位は、ベルト幅方向で相対向する左右一対の芯金突起63の頂部付近を除く範囲が、クローラベルト6を構成する一連のゴム材で被覆され、芯金突起63の頂部付近に、クローラベルト6を構成する一連のゴム材が被覆されていない、もしくは他の部位よりも薄く被覆された凹入部63b又は凸部を設けてある。
【選択図】図18
Description
このように芯金突起部分をゴム材で被覆することにより、駆動爪体との金属同士の接当による騒音発生を抑制する点では有効であるが、そのゴム材での被覆を行うためには、クローラベルトをモールド成形する際に、芯金を金型内で位置決めして保持する必要がある。この従来構造のものでは、その芯金の位置決めを、ベルト本体に埋め込まれる芯金の芯金本体部分の一部分を掴み保持することによって行っていた。
このため、従来構造のものでは、ベルト本体に埋め込まれる芯金本体部分の一部に、ゴム材で被覆されていない部分が生じることになる。この部分は泥土や雨水が溜まりやすい部位であり、ここに小石等が入り込むと被覆されていない部分の周辺のゴム材が芯金から剥離したり、芯金本体の表面に錆が広がるなどして、耐久性の低下につながる虞がある。
本発明の技術手段は、請求項1に記載のように、ゴム材からなるベルト本体に芯金をベルト周方向に一定ピッチで埋設するとともに、各芯金のベルト幅方向中間部位からベルト内周面側に転輪案内用の左右一対の芯金突起を突設してあるクローラベルトと、そのクローラベルトにベルト周方向での回転動力を付与する駆動スプロケットとを備えたクローラ走行装置であって、
前記クローラベルトの内周面側に駆動スプロケットの駆動爪体と係合する係合用凹部を備え、この係合用凹部は、ベルト周方向での芯金同士の間に位置して、かつベルト幅方向では左右の芯金突起同士にわたる範囲に形成され、
前記駆動スプロケットは、左右の芯金突起との間に嵌り込む円盤状部材の外周側に、円盤状部材の周方向での所定間隔毎に前記クローラベルトに形成された係合用凹部に係入する駆動爪体を備え、この駆動爪体を、前記円盤状部材の盤面に交差するベルト幅方向で、円盤状部材の盤面から左右両側の芯金突起の存在箇所にわたる範囲にまで突出形成してあり、
前記芯金突起のベルト内周面側に突出する部位は、ベルト幅方向で相対向する左右一対の芯金突起の頂部付近を除く範囲が、クローラベルトを構成する一連のゴム材で被覆され、
前記芯金突起の頂部付近に、前記クローラベルトを構成する一連のゴム材が被覆されていない、もしくは他の部位よりも薄く被覆された凹入部又は凸部を設けてあることを特徴とする。
上記解決手段1で示した構成によると、クローラベルトの内周面側で駆動スプロケットの駆動爪体と係合する係合用凹部が、ベルト周方向での芯金同士の間に位置し、ベルト幅方向では左右の芯金突起同士にわたる範囲に形成されている。そして、駆動爪体は、側面視で前記芯金突起の移動軌跡と重複する円盤状部材の外周側で、その円盤状部材の盤面に交差するベルト幅方向で盤面から横側方に突出形成されている。
このように、係合用凹部と駆動爪体との係入状態での接触面をベルト幅方向で長くして接触面積を増大することにより、接触面での面圧をベルト幅方向で広く分散させることができる。
したがって、ベルト本体に埋め込まれる芯金本体部分がベルト本体から露呈する部分を無くし、この芯金本体部分がベルト本体から露呈することによる前述した弊害を回避することができる。
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、請求項2に記載のように、芯金突起の頂部付近の横外方側に、クローラベルトを構成する一連のゴム材が被覆されていない、もしくは他の部位よりも薄く被覆された凹入部が形成されている点に特徴がある。
上記解決手段2で示した構成によると、クローラベルトを構成する一連のゴム材が被覆されていない、もしくは他の部位よりも薄く被覆された凹入部は芯金突起の頂部付近で、かつ左右一対の芯金突起の横外方側箇所に形成されている。このように前記凹入部の設けられる箇所が、左右一対の芯金突起の横内方側ではなく、横外方側箇所であることによる作用及び効果は次のとおりである。
すなわち、クローラ走行装置が傾斜地を走行する場合などには、駆動爪体が係合用凹部の左右方向での中心位置よりも傾斜下方側へ位置ずれした状態で駆動されることがある(図19参照)。このとき、前記凹入部が芯金突起の横内方側箇所に形成されていると、駆動爪体が係合用凹部に係入しようとする際に、駆動爪体の傾斜上方側の端縁が、芯金突起の横内方側箇所に形成された凹入部の芯金突起の内側に向く面よりも傾斜下方側に寄って、その凹入部に引っ掛かる状態となることがある。
その結果、駆動爪体がスムースに係合用凹部側へ進入できなくなったり、駆動爪体の傾斜上方側への移行が妨げられる虞があるが、この解決手段2にかかる発明では、このような不具合がない。
つまり、掴み部が芯金突起の横外方側箇所に形成されていると、クローラ走行装置が傾斜地を走行する場合などに、駆動爪体が係合用凹部の左右方向での中心位置よりも傾斜下方側へ位置ずれした状態で駆動される状態となっても、常にその駆動爪体は、傾斜下方側でも傾斜上方側でも、芯金突起の凹入部が形成されていない箇所を含んでその前後方向に対向する位置に存在している(図18参照)。
したがって、前述したような駆動爪体の傾斜上方側の端縁が掴み部に引っ掛かるような事態の発生を回避でき、傾斜地走行であるか否かに関わらず駆動爪体と係合用凹部との係合動作を円滑に行えるようにして、良好な駆動性能を確保できる利点がある。
したがって、芯金突起の横内方側の面を、外れ止めガイドとの近接規制部として広い接触面を形成したり、駆動スプロケットやアイドルホィールとの接触面を広く確保して、芯金突起の耐久性を高めるなど、芯金突起の横内方側の面の機能を高め得る利点がある。
〔トラクタの全体構成〕
図1は、本発明に係るクローラ走行装置2を機体後部側に設けたセミクローラ型トラクタを示す。このセミクローラ型トラクタは、4輪駆動型のトラクタをセミクローラ型に仕様変更したものであり、キャビン付きのトラクタ本機1の前部に操向可能な左右一対の前輪10を備えるとともに、機体後部に主推進装置として左右一対のクローラ走行装置2を備えて構成されている。また、機体後部には、図示しない三点リンク機構を介して耕耘装置や収穫装置、あるいは各種の中間管理用の作業装置を連結するように構成されている。
図1,2に示すように、前記クローラ走行装置2は、トラクタ本機1における後部ミッションケース11に後輪駆動用として備えられた後車軸12に連結した大径の駆動スプケット3を備えている。
この駆動スプロケット3と、トラックフレーム20の前後に備えられたアイドラホィール4,4、およびトラックフレーム20の長手方向に並列配備された複数の転輪5に亘ってクローラベルト6を巻回張設して、前記駆動スプロケット3が、前後のアイドラホィール4,4の中間位置で、かつ前記転輪5の上方側箇所に位置するように設けられている。
このクローラ走行装置2の左右方向のトレッドは、畑地における畝の間を走行するために前輪10のトレッドとほぼ同一に設定されている。
そして、その後方側の2個の転輪5,5は、前記トラックフレーム20に取り付けられた支持ブラケット22に対して、中間部を横軸心x周りで上下揺動自在に枢着された天秤状部材23の両端側に振り分け配置してあり、シーソー揺動自在に構成されている。
前側の外れ止めガイド7は、最前端の転輪5を固定支持する固定ブラケット21の下端側に連設してあり、後側の外れ止めガイド7は、天秤状部材23の下端側で、最後端位置の転輪5の前後にわたる状態で連設してある。
前記クローラベルト6は、図3乃至図7に示すように構成されている。
このクローラベルト6は、ゴム材で無端帯状に成形されたベルト本体60に芯金61がベルト周方向に一定ピッチで埋設されているとともに、各芯金61の間におけるベルト内周面側に、駆動スプロケット3の駆動爪体31が係入してクローラベルト6側へ動力を伝えるための係合用凹部62が形成されている。
そして、このようにベルト傾斜角度βを有した傾斜面である端面62aがベルト幅方向の両端側に形成された係合用凹部62は、その左右両側の端面62aによって内奥側(図中下方側)ほど幅狭となるテーパー面に形成されている。
また、各芯金突起63の横外側箇所に位置するベルト本体60の内周面には転輪5が転動移動する偏平な転輪軌道面64が形成されるとともに、ベルト本体60の外周面側には、ベルト周方向で前記係合用凹部62と表裏で重複する位置に、芯金突起63部分を除くベルト本体60の厚さより厚い推進ラグ65が一体に突出形成されている。
前記突起部分61Bは、芯金本体部分61Aに連なる支柱部61aの上側に、クローラベルト6の芯金突起63の頂部付近の形状とほぼ同形状となるように山形に形成した頭頂部61bを一体に備え、この頭頂部61bの左右方向での端部側に向く面、つまり横外方側に向く面に凹入部63bを形成してある。
この凹入部63bの前記左右方向及び前後方向に向く面を掴んで芯金61の全体を支持し、芯金61の加硫金型内での位置ずれを阻止した状態に位置決めして、芯金本体部分61Aの全体及び突起部分61Bの前記凹入部63bを除く範囲を、ベルト本体60と一体のゴム材で被覆する。
つまり、芯金突起63は、図4に示すベルト幅方向でも、図6に示すベルト周方向でも、断面視で山形状に形成されている。そして、図7に示すように、芯金突起63のベルト幅方向での内方側に向く面が、アイドラホィール4や外れ止めガイド7に対する案内面Cとなる傾斜面によって形成され、その案内面Cとは反対側に向く横外向き面Dを備えている。
また、この山形状の芯金突起63は、その頂部63aが、ベルト周方向に沿う部分とその部分に直交するように外側に向けられた部分とで平面視T字状に形成され、かつ山形突起部67の前記案内面Cとは反対側における前記頂部63a近くのベルト幅方向での外側に位置する箇所に、前記突起部分61Bの前後一対の凹入部63bが存在する状態で構成されている。つまり、この凹入部63bは芯金突起63の前記案内面Cとは反対側の横外向き面Dで、芯金突起63の横外方側箇所の頂部近くに設けられている。
尚、このように左右一対の芯金突起63の、夫々の前後両側の外側位置に凹入部63bを設けて、4箇所で掴めるようにしたことで、芯金61を前後左右のずれなく安定して保持し易い。また、前後両側の外側位置の凹入部63bを前後で連ねて芯金突起63の頂部が薄くなってしまうこともないので、芯金突起63の頂部の強度も低下させにくい。
前記駆動スプロケット3は、図2、及び図8乃至図13に示すように構成されている。
すなわち、後車軸12に連結した大径の円盤状部材30と、その円盤状部材30の外周縁よりも径方向の外方へ突出するように設けられた複数の駆動爪体31とを備えて構成されている。
そして、この外周部材14の外周端縁16の半径方向での外方側に突出させて、かつ前記リブ部32よりも左右方向での外側へ突出させて前記駆動爪体31を一体に形成してある。
つまり、図12(a)に示すように、駆動爪体31の左右方向での端面31aが係合用凹部62の端面62aに接当した後に、前記係合用凹部62の前記端面62aが駆動爪体31の押圧力を受けて、図12(b)に示すように、ある程度の圧縮量δだけ変形されると、前記リブ部32の端縁32aが芯金突起63の内端側の面63cに接当する。
このように、駆動爪体31の左右方向での端面31aが係合用凹部62の端面62aに接当してある程度弾性変形した後に、前記円盤状部材30の左右方向での端面に相当するリブ部32の左右方向の端縁32aが芯金突起63の内端側の面63cに接当するように、前記リブ部32の左右方向の端縁32aと駆動爪体31との相対的な左右方向位置を設定してある。
前記駆動爪体31の左右方向での中心位置がベルト幅方向で係合用凹部62の中心線CL上に位置している場合に、前記駆動爪体31の左右方向での端面31aと係合用凹部62の端面62aとの接当箇所P1、及び前記リブ部32の端縁32aと芯金突起63の内端側の面63cとの接当箇所P2とは、それぞれ非接当状態にある。
このとき、接当箇所P1のうち、前記中心線CLから係合用凹部62の端面62aの接当箇所P1までの距離LP1−1と、前記中心線CLから駆動爪体31の左右方向での端面31aの接当箇所P1までの距離LP1−2との間に第1間隙LP1が存在している。
また、接当箇所P2のうち、前記中心線CLから芯金突起63の内端側の面63cの接当箇所P2までの距離LP2−1と、前記中心線CLから前記リブ部32の端縁32aの接当箇所P2までの距離LP2−2との間に第2間隙LP2が存在している。
そして、前記第1間隙LP1よりも第2間隙LP2を、前記係合用凹部62の前記端面62aが駆動爪体31の押圧力を受けて圧縮変形した際の圧縮量δに相当する量だけ大きく設定してあるので、前述のように係合用凹部62の端面62aが駆動爪体31の押圧力を受けて圧縮変形して、リブ部32の端縁32aが芯金突起63の内端側の面63cに接当するに必要な移動量に達するまでの間にタイムラグを生じる。
駆動爪体31は、図8乃至図13に示すように、円盤状部材30の板面に対して直交する横方向(左右方向)へ張り出すことにより、係合用凹部62のベルト幅方向の長さよりもやや短く、かつ左右の芯金突起63の両方にわたる長さと同程度の左右方向長さに形成されている。
この駆動爪体31の左右方向の端面31aは、図10及び図12に示すように、この駆動爪体31の外端縁が水平面上に位置する状態で、その左右方向の端面31aは水平面に対して垂直ではなく、所定の爪傾斜角度α(水平面に対する傾斜角度に相当)を有した傾斜面によって形成してある。
そして、前記爪傾斜角度αを有した傾斜面である端面31aは駆動爪体31の左右両端側に形成してあって、駆動爪体31は、その左右両側の端面31aによって半径方向外方側が幅狭となるテーパー面に形成されている。
この爪傾斜角度αは、前記係合用凹部62におけるベルト幅方向での端面62aに形成されたベルト傾斜角度βと同じ角度に設定してある。
つまり、図15に示す係合点a1〜a9が、この図中で反時計回りに回動する駆動スプロケット3の駆動爪体31と係合用凹部62との噛み合い箇所を示しており、係合点a1よりも駆動スプロケット3の回転方向上手側では、駆動スプロケット3の駆動爪体31と係合用凹部62とは、まだ噛み合っていない。係合点a9よりも駆動スプロケット3の回転方向下手側では、駆動スプロケット3の駆動爪体31と係合用凹部62との係合は外れている。
このように、図15に示す係合点a1〜a9のうち、係合点a1が噛み合い開始点であり、係合点a9が噛み合い終了点である。この各係合点a1〜a9のうち、係合点a8で駆動爪体31による係合用凹部62への押圧作用が最大となるように構成されている。駆動爪体31の配設ピッチと、係合用凹部62の配設ピッチとの関係が定められている。
そして、この駆動爪体31の周方向での前後に位置する前向き面31b、及び後向き面31cには、クローラベルト6の係合用凹部62におけるベルト周方向での前向き端面62b、及び後向き端面62cに対向するように、膨出接当部33が形成されている。
この膨出接当部33は、図8、図9、及び図16、図17(a),(c)に示すように、前記係合用凹部62の接触面である前向き端面62b、及び後向き端面62cに対向する前記前向き面31b、及び後向き面31cにおいて、前記ベルト幅方向で左右の芯金突起63同士の間に相当する部位に、前記係合用凹部62への係入状態で、その前向き端面62b、及び後向き端面62c側へ向けて膨出する部分を形成することによって構成されている。
そして、この膨出接当部33の膨出部分の側面視での形状は、図17(a),(b)に示すように、駆動スプロケット3を、インボリュート曲線で形成される歯縁を有した歯車で形成した場合の歯縁形状に沿うように形成してあり、芯金突起63の外形形状に沿う移動軌跡を有している。
したがって、この膨出接当部33の移動軌跡が、図17(b)に示すように側面視では芯金突起63の外形形状に接近して回動しても、平面視では図17(c)に示すように、ベルト幅方向で左右の芯金突起63からは外れている。これによって、膨出接当部33の移動軌跡がベルト周方向で多少位置変化しても、その膨出接当部33が芯金突起63に接当することを回避できる。
また、この膨出接当部33は、図12(b)に示すように、駆動スプロケット3の円盤状部材30の外周部に設けられるリブ部32が、左右方向の一方の芯金突起63に接当して横移動を抑止された状態でも、その芯金突起63には接当しないようにリブ部32の中央側寄りに形成されている。
このとき、駆動爪体31の駆動スプロケット3の周方向での中心位置は、中心線y1上にある。
この場合、前記領域cに相当する量を変形させる膨出接当部33が存在しないので、前記領域cに相当する量だけ、前向き面31bによって変形される量である前記領域bに相当する変形量を増加させることになる。このため、駆動爪体31は、図16中に実線で示される領域bよりも少し駆動スプロケット3の回転方向での前方側へ移行して仮想線で表される箇所に位置する。このとき、駆動スプロケット3の回転方向における駆動爪体31の中心位置は、前記中心線y1よりも駆動スプロケット3の回転方向での前方側の中心線y2上に位置するようになる。
換言すれば、前記膨出接当部33が存在していれば、存在していない場合よりも、駆動爪体31は、駆動スプロケット3の回転方向で前方側の中心線y2よりも後方側の中心線y1へ寄るので、ベルト周方向で係合用凹部62の中心位置側へ戻されることになる。
駆動スプロケット3のリブ部32についてさらに詳述する。
図8乃至図11に示すように、駆動スプロケット3の円盤状部材30の外周部に設けられるリブ部32は、駆動スプロケット3の周方向で所定間隔おきに配設されている各駆動爪体31の間に位置する外周面が、リブ部32の左右方向での中央側が円盤状部材30の半径方向外方側に位置し、左右両側が半径方向内方側に位置する山形の傾斜面34に形成されている。
この山形の傾斜面34において、円盤状部材30を構成する外周部材14の外周端縁16は山形の頂部に位置することになる。
このように、駆動爪体31に近い位置でリブ部32に周方向間隔Sを残すことにより、リブ部32による駆動爪体31の支持強度を向上するとともに、その周方向間隔Sに相当する残されたリブ部32の左右方向の端縁が芯金突起63との接当によって、駆動スプロケット3とクローラベルト6の位置ずれを規制する作用を残すことができる。
図18及び図19に、凹入部63bを芯金突起63の横外方側の横外向き面D側に設けた場合と、芯金突起63の横内方側の案内面C側に設けた場合とにおける、駆動爪体31との関連動作状態を示す。
図18は、凹入部63bを芯金突起63の横外方側の横外向き面D側に設けた場合を示し、図19は、凹入部63bを芯金突起63の横内方側の案内面C側に設けた場合を示している。
このときの駆動爪体31の移動軌跡r1,r2は図中仮想線に示す状態である。この状態で駆動爪体31の軌跡は、左右両側の芯金突起63の凹入部63bを形成した箇所の存在に関係なく、凹入部63bを形成した部位以外の芯金突起63の頂部箇所に案内されながら係合用凹部62側へ円滑に案内される。
このときの駆動爪体31の移動軌跡r1,r2は図中仮想線に示す状態である。この状態で駆動爪体31の右端側の軌跡r2が、凹入部63bの横内方向きの面f1と同一もしくはそれよりも左側に位置する場合がある。
この状態で駆動爪体31が上方から下方へ移動すると、駆動爪体31の下端が凹入部63bの上向き面f2に引っ掛かったり、前記横内方向きの面f1に引っ掛かって右方向へ動き難くなったりすることがあるので、このような引っ掛かりをなくすには、凹入部63bは前記横外向き面D側に設けた方がよい。
この外れ止めガイド7は、内部に上方側が開放された鋳抜きによる凹入空間76を形成して全体重量の軽減を図ってあり、横外側面が上広がりのテーバー状に形成されている。
この外れ止めガイド7のベルト横幅方向での接当箇所の横幅L1は、クローラベルト6側の芯金突起63の上部における接当箇所での横幅L2よりも大きく設定されているので、図示のように、外れ止めガイド7とクローラベルト6の内周面との接近の際に、外れ止めガイド7の接当箇所と芯金突起63の上部における接当箇所との接当によって、それ以上の接近が阻止され、両者の接触を回避するように間隔S2を確保することができる。
つまり、前記外れ止めガイド7に設定された横幅L1を有した部分の接当箇所によって、その外れ止めガイド7の下縁がクローラベルト6の内周面側に接当することを阻止する近接規制部Aが構成されている。
このとき、外れ止めガイド7の接当箇所と芯金突起63の上部における接当箇所との接当によって、それ以上の接近が阻止され、両者の接触を回避するように間隔S2を確保することができる。
このように凹入部63bが芯金突起63の前記横外向き面D側に設けてあることにより、前記駆動スプロケット3のリブ部32やアイドラホィール4に対しても、同様に接触面を広く確保することができ、芯金突起63の耐久性を高めることができる。
凹入部63bの形状は、実施の形態に示したように、芯金突起63の前後のそれぞれに凹入部63bを形成した形状のものに限らず、例えば、芯金突起63の前後に形成された凹入部63bが前後で連なって、芯金突起63の横外向き面Dの頂部側の全面が扁平な掴み部68となる形状であったり、芯金突起63の前後方向での両側ではなく、前後方向での中間箇所に横外向き開放の凹入部63bを形成するなど、芯金突起63の頂部側で芯金61を支持して位置決めすることのできるものであれば、任意の形状を採用することができる。
凹入部63bは、芯金突起63の前記横外向き面D側に設けたものに限らず、図19及び図20のように内向きの案内面C側に設けても良い。あるいは、横外向き面D側と内向きの案内面C側との両側に凹入部63bを設けても良い。
ベルト幅方向で相対向する左右一対の芯金突起63の頂部付近に、クローラベルト6を構成する一連のゴム材が被覆されていない、もしくは他の部位よりも薄く被覆された部分を構成するにあたり、実施の形態に示したような凹入部63bに限らず、図21に示すように構成してもよい。
すなわち、外形形状がほぼ山形状の芯金突起63の頂部付近で、芯金突起63山形状の外形形状から上方側へ膨出するように立ち上がる凸部63dが形成されるように、芯金61の突起部分61Bの頭頂部61bの上端部形状を構成してある。
この例では、凸部63dは、芯金突起63の横外向き面D側に設けてあるが、反対側の案内面C側に設けても良く、あるいは、横外向き面D側でも案内面C側でもなく、芯金突起63の左右方向での中央部に設けてもよい。
また、凸部63dの形状も、前述したモールド成形時の掴み箇所としての利用など、所要の機能に応じて適宜に形成すればよい。
6 クローラベルト
30 円盤状部材
31 駆動爪体
32 リブ部
33 膨出接当部
60 ベルト本体
61 芯金
62 係合用凹部
63 芯金突起
63b 凹入部
63d 凸部
68 掴み部
Claims (2)
- ゴム材からなるベルト本体に芯金をベルト周方向に一定ピッチで埋設するとともに、各芯金のベルト幅方向中間部位からベルト内周面側に転輪案内用の左右一対の芯金突起を突設してあるクローラベルトと、そのクローラベルトにベルト周方向での回転動力を付与する駆動スプロケットとを備えたクローラ走行装置であって、
前記クローラベルトの内周面側に駆動スプロケットの駆動爪体と係合する係合用凹部を備え、この係合用凹部は、ベルト周方向での芯金同士の間に位置して、かつベルト幅方向では左右の芯金突起同士にわたる範囲に形成され、
前記駆動スプロケットは、左右の芯金突起との間に嵌り込む円盤状部材の外周側に、円盤状部材の周方向での所定間隔毎に前記クローラベルトに形成された係合用凹部に係入する駆動爪体を備え、この駆動爪体を、前記円盤状部材の盤面に交差するベルト幅方向で、円盤状部材の盤面から左右両側の芯金突起の存在箇所にわたる範囲にまで突出形成してあり、
前記芯金突起のベルト内周面側に突出する部位は、ベルト幅方向で相対向する左右一対の芯金突起の頂部付近を除く範囲が、クローラベルトを構成する一連のゴム材で被覆され、
前記芯金突起の頂部付近に、前記クローラベルトを構成する一連のゴム材が被覆されていない、もしくは他の部位よりも薄く被覆された凹入部又は凸部を設けてあることを特徴とするクローラ走行装置。 - 芯金突起の頂部付近の横外方側に、クローラベルトを構成する一連のゴム材が被覆されていない、もしくは他の部位よりも薄く被覆された凹入部が形成されている請求項1記載のクローラ走行装置。
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