JP2011251570A - クローラ走行装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】芯金突起部分をゴム材で被覆するものでありながら、ベルト本体に埋め込まれる芯金の芯金本体部分を外部へ露出させることなく芯金の位置保持を行えるようにする。
【解決手段】クローラベルト6の内周面側に駆動スプロケットの駆動爪体31と係合する係合用凹部62を備え、駆動スプロケットは、左右の芯金突起63との間に嵌り込む円盤状部材30の外周側に、クローラベルト6に形成された係合用凹部62に係入する駆動爪体31を備え、芯金突起63のベルト内周面側に突出する部位は、ベルト幅方向で相対向する左右一対の芯金突起63の頂部付近を除く範囲が、クローラベルト6を構成する一連のゴム材で被覆され、芯金突起63の頂部付近に、クローラベルト6を構成する一連のゴム材が被覆されていない、もしくは他の部位よりも薄く被覆された凹入部63b又は凸部を設けてある。
【選択図】図18

Description

本発明は、ゴム材からなるベルト本体に芯金をベルト周方向に一定ピッチで埋設するとともに、各芯金のベルト幅方向中間部位からベルト内周面側に転輪案内用の芯金突起を突設してあるクローラベルトと、そのクローラベルトにベルト周方向での回転動力を付与する駆動スプロケットとを備えたクローラ走行装置に関する。
この種のクローラ走行装置では、クローラベルトの周方向で一定ピッチで埋設された芯金同士の間におけるゴム製のベルト本体部分に、ベルト周方向よりもベルト幅方向に長く形成された係合用凹部を設け、前記クローラベルトを駆動する駆動スプロケットには、前記係合用凹部の長手方向と同じ方向に長く形成された駆動爪体を備えさせている。つまり、駆動爪体と係合用凹部との係合箇所における接触面積を大きくすることにより、クローラベルトのゴム製のベルト本体に対して駆動爪体側から大きな駆動力を伝えられるようにした構造のものが知られている(特許文献1参照)。
特開2009−78796号公報(段落〔0039〕、〔0041〕、図1、図2、図3、図4、図5)
上記のクローラ走行装置では、クローラベルトのベルト幅方向で長く形成された係合用凹部、及び同じ方向に長く形成された駆動爪体を備えた駆動スプロケットを用いることによって、駆動爪体と係合用凹部との接触面積を大きくしている。このように、駆動爪体と係合用凹部との接触面積を大きくすることにより、ゴム製のベルト本体部分に形成される係合用凹部の接触面に作用する駆動爪体側からの面圧をできるだけ低減させられるように工夫しているが、この構造によれば次のような問題がある。
すなわち、上記従来構造のものでは、駆動爪体としてクローラベルトのベルト幅方向で長く形成されたものを用いた場合に、その金属製の駆動爪体がクローラベルトの内周面側に突出する金属製の芯金突起と衝突して騒音を発することを抑制できるように、内周面側に突出する芯金突起部分を、クローラベルトのベルト本体を構成するゴム材で一体的に被覆している。
このように芯金突起部分をゴム材で被覆することにより、駆動爪体との金属同士の接当による騒音発生を抑制する点では有効であるが、そのゴム材での被覆を行うためには、クローラベルトをモールド成形する際に、芯金を金型内で位置決めして保持する必要がある。この従来構造のものでは、その芯金の位置決めを、ベルト本体に埋め込まれる芯金の芯金本体部分の一部分を掴み保持することによって行っていた。
このため、従来構造のものでは、ベルト本体に埋め込まれる芯金本体部分の一部に、ゴム材で被覆されていない部分が生じることになる。この部分は泥土や雨水が溜まりやすい部位であり、ここに小石等が入り込むと被覆されていない部分の周辺のゴム材が芯金から剥離したり、芯金本体の表面に錆が広がるなどして、耐久性の低下につながる虞がある。
本発明の目的は、クローラベルトのベルト幅方向で長く形成された係合用凹部や駆動爪体を用いた構造のクローラ走行装置において、芯金突起と駆動爪体との金属同士の接当を避けられるように芯金突起部分をゴム材で被覆するものでありながら、ベルト本体に埋め込まれる芯金の芯金本体部分を外部へ露出させることなく芯金の位置保持を行えるところのクローラ走行装置を提供することにある。さらに別の目的としては、機体が傾斜地を走行する場合などのように、駆動爪体と係合用凹部とのベルト横幅方向での位置が多少ずれても良好な駆動性能を確保できるようにすることにある。
上記目的を達成するために講じた本発明の技術手段は、次の点に構成上の特徴、及び作用効果がある。
〔解決手段1〕
本発明の技術手段は、請求項1に記載のように、ゴム材からなるベルト本体に芯金をベルト周方向に一定ピッチで埋設するとともに、各芯金のベルト幅方向中間部位からベルト内周面側に転輪案内用の左右一対の芯金突起を突設してあるクローラベルトと、そのクローラベルトにベルト周方向での回転動力を付与する駆動スプロケットとを備えたクローラ走行装置であって、
前記クローラベルトの内周面側に駆動スプロケットの駆動爪体と係合する係合用凹部を備え、この係合用凹部は、ベルト周方向での芯金同士の間に位置して、かつベルト幅方向では左右の芯金突起同士にわたる範囲に形成され、
前記駆動スプロケットは、左右の芯金突起との間に嵌り込む円盤状部材の外周側に、円盤状部材の周方向での所定間隔毎に前記クローラベルトに形成された係合用凹部に係入する駆動爪体を備え、この駆動爪体を、前記円盤状部材の盤面に交差するベルト幅方向で、円盤状部材の盤面から左右両側の芯金突起の存在箇所にわたる範囲にまで突出形成してあり、
前記芯金突起のベルト内周面側に突出する部位は、ベルト幅方向で相対向する左右一対の芯金突起の頂部付近を除く範囲が、クローラベルトを構成する一連のゴム材で被覆され、
前記芯金突起の頂部付近に、前記クローラベルトを構成する一連のゴム材が被覆されていない、もしくは他の部位よりも薄く被覆された凹入部又は凸部を設けてあることを特徴とする。
〔解決手段1にかかる発明の作用及び効果〕
上記解決手段1で示した構成によると、クローラベルトの内周面側で駆動スプロケットの駆動爪体と係合する係合用凹部が、ベルト周方向での芯金同士の間に位置し、ベルト幅方向では左右の芯金突起同士にわたる範囲に形成されている。そして、駆動爪体は、側面視で前記芯金突起の移動軌跡と重複する円盤状部材の外周側で、その円盤状部材の盤面に交差するベルト幅方向で盤面から横側方に突出形成されている。
このように、係合用凹部と駆動爪体との係入状態での接触面をベルト幅方向で長くして接触面積を増大することにより、接触面での面圧をベルト幅方向で広く分散させることができる。
そして、左右一対の芯金突起の頂部付近を除く範囲が、クローラベルトを構成する一連のゴム材でモールド成形により被覆され、前記芯金突起の頂部付近に、クローラベルトを構成する一連のゴム材が被覆されていない、もしくは他の部位よりも薄く被覆された凹入部又は凸部を設けてあるので、芯金突起の大部分をゴム材で被覆したものでありながら、ベルト本体に埋め込まれる芯金の芯金本体部分にはモールド成形時の位置決め用の掴み部を設ける必要がなく、この凹入部又は凸部を用いて芯金の位置保持を行うことができる。
したがって、ベルト本体に埋め込まれる芯金本体部分がベルト本体から露呈する部分を無くし、この芯金本体部分がベルト本体から露呈することによる前述した弊害を回避することができる。
〔解決手段2〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、請求項2に記載のように、芯金突起の頂部付近の横外方側に、クローラベルトを構成する一連のゴム材が被覆されていない、もしくは他の部位よりも薄く被覆された凹入部が形成されている点に特徴がある。
〔解決手段2にかかる発明の作用及び効果〕
上記解決手段2で示した構成によると、クローラベルトを構成する一連のゴム材が被覆されていない、もしくは他の部位よりも薄く被覆された凹入部は芯金突起の頂部付近で、かつ左右一対の芯金突起の横外方側箇所に形成されている。このように前記凹入部の設けられる箇所が、左右一対の芯金突起の横内方側ではなく、横外方側箇所であることによる作用及び効果は次のとおりである。
すなわち、クローラ走行装置が傾斜地を走行する場合などには、駆動爪体が係合用凹部の左右方向での中心位置よりも傾斜下方側へ位置ずれした状態で駆動されることがある(図19参照)。このとき、前記凹入部が芯金突起の横内方側箇所に形成されていると、駆動爪体が係合用凹部に係入しようとする際に、駆動爪体の傾斜上方側の端縁が、芯金突起の横内方側箇所に形成された凹入部の芯金突起の内側に向く面よりも傾斜下方側に寄って、その凹入部に引っ掛かる状態となることがある。
その結果、駆動爪体がスムースに係合用凹部側へ進入できなくなったり、駆動爪体の傾斜上方側への移行が妨げられる虞があるが、この解決手段2にかかる発明では、このような不具合がない。
つまり、掴み部が芯金突起の横外方側箇所に形成されていると、クローラ走行装置が傾斜地を走行する場合などに、駆動爪体が係合用凹部の左右方向での中心位置よりも傾斜下方側へ位置ずれした状態で駆動される状態となっても、常にその駆動爪体は、傾斜下方側でも傾斜上方側でも、芯金突起の凹入部が形成されていない箇所を含んでその前後方向に対向する位置に存在している(図18参照)。
したがって、前述したような駆動爪体の傾斜上方側の端縁が掴み部に引っ掛かるような事態の発生を回避でき、傾斜地走行であるか否かに関わらず駆動爪体と係合用凹部との係合動作を円滑に行えるようにして、良好な駆動性能を確保できる利点がある。
また、上記のように凹入部を左右一対の芯金突起の横外方側箇所に形成したことにより、各芯金突起の横内方側の面は、芯金突起の本来の位置規制用の機能が有効に発揮されるような任意の形状に形成することができる。
したがって、芯金突起の横内方側の面を、外れ止めガイドとの近接規制部として広い接触面を形成したり、駆動スプロケットやアイドルホィールとの接触面を広く確保して、芯金突起の耐久性を高めるなど、芯金突起の横内方側の面の機能を高め得る利点がある。
トラクタの全体側面図である。 クローラ走行装置の全体側面図である。 クローラベルトの平面図である。 図3におけるIV-IV線断面図である。 芯金を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。 クローラベルトのベルト周方向での部分断面図である。 芯金突起部分を示す概略斜視図である。 駆動スプロケットの一部を示す斜視図である。 駆動スプロケットの外周部分を示す側面図である。 図9におけるIX-IX線断面図である。 図9における矢視図である。 駆動爪体と係合用凹部及び芯金突起との関係を示す説明図であり、(a)は駆動爪体が係合用凹部の端部に位置する状態を示し、(b)は駆動爪体のリブ部が芯金突起に接当した状態を示す。 駆動爪体と係合用凹部及び芯金突起との関係を示す説明図である。 駆動スプロケットのリブ部と芯金突起との関係を示す説明図である。 駆動スプロケットとクローラベルトとの係合部を示す側面図である。 駆動爪体による係合用凹部内での作用状態を示す説明図である。 駆動爪体と係合用凹部及び芯金突起との関係を示し、(a)は駆動爪体の断面図、(b)は係合用凹部に対する駆動爪体の移動軌跡を示す説明図、(c)は係合用凹部に対する駆動爪体の位置関係を示す平面図である。 駆動爪体と係合用凹部及び芯金突起との位置関係を示す概略正面図である。 別実施形態における駆動爪体と係合用凹部及び芯金突起との位置関係を示す概略正面図である。 別実施形態の芯金突起部分を示す概略斜視図である。 別実施形態の芯金突起部分を示す概略斜視図である。 外れ止めガイドの最下端面を備える箇所での、芯金突起との近接規制状態を示し、(a)が基準姿勢、(b)が最大近接姿勢を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態の一例を図面の記載に基づいて説明する。
〔トラクタの全体構成〕
図1は、本発明に係るクローラ走行装置2を機体後部側に設けたセミクローラ型トラクタを示す。このセミクローラ型トラクタは、4輪駆動型のトラクタをセミクローラ型に仕様変更したものであり、キャビン付きのトラクタ本機1の前部に操向可能な左右一対の前輪10を備えるとともに、機体後部に主推進装置として左右一対のクローラ走行装置2を備えて構成されている。また、機体後部には、図示しない三点リンク機構を介して耕耘装置や収穫装置、あるいは各種の中間管理用の作業装置を連結するように構成されている。
〔クローラ走行装置〕
図1,2に示すように、前記クローラ走行装置2は、トラクタ本機1における後部ミッションケース11に後輪駆動用として備えられた後車軸12に連結した大径の駆動スプケット3を備えている。
この駆動スプロケット3と、トラックフレーム20の前後に備えられたアイドラホィール4,4、およびトラックフレーム20の長手方向に並列配備された複数の転輪5に亘ってクローラベルト6を巻回張設して、前記駆動スプロケット3が、前後のアイドラホィール4,4の中間位置で、かつ前記転輪5の上方側箇所に位置するように設けられている。
このクローラ走行装置2の左右方向のトレッドは、畑地における畝の間を走行するために前輪10のトレッドとほぼ同一に設定されている。
図2に示すように、前記転輪5は前後方向に3個が並設され、最前端側の転輪5はトラックフレーム20に対して固定ブラケット21を介して位置固定状態に取り付けてある。
そして、その後方側の2個の転輪5,5は、前記トラックフレーム20に取り付けられた支持ブラケット22に対して、中間部を横軸心x周りで上下揺動自在に枢着された天秤状部材23の両端側に振り分け配置してあり、シーソー揺動自在に構成されている。
上記各転輪5とクローラベルト6とがベルト横幅方向で所定の位置関係を保ち、かつ転輪5からクローラベルト6が外れることを防止するための外れ止めガイド7が、前後2箇所で横向き支点p周りで前後揺動自在に設けてある。
前側の外れ止めガイド7は、最前端の転輪5を固定支持する固定ブラケット21の下端側に連設してあり、後側の外れ止めガイド7は、天秤状部材23の下端側で、最後端位置の転輪5の前後にわたる状態で連設してある。
〔クローラベルト〕
前記クローラベルト6は、図3乃至図7に示すように構成されている。
このクローラベルト6は、ゴム材で無端帯状に成形されたベルト本体60に芯金61がベルト周方向に一定ピッチで埋設されているとともに、各芯金61の間におけるベルト内周面側に、駆動スプロケット3の駆動爪体31が係入してクローラベルト6側へ動力を伝えるための係合用凹部62が形成されている。
この係合用凹部62は、図3、図6、及び図12に示すように、ベルト周方向での芯金61同士の間に位置して、かつベルト周方向よりもベルト幅方向に長く形成されている。そして、この係合用凹部62のベルト幅方向での両端側の端面62aは、図12(a)に示すように、クローラベルト6が水平面上に位置する状態で、その水平面に対して垂直ではなく、所定のベルト傾斜角度β(水平面に対する傾斜角度に相当)を有した傾斜面によって形成してある。
そして、このようにベルト傾斜角度βを有した傾斜面である端面62aがベルト幅方向の両端側に形成された係合用凹部62は、その左右両側の端面62aによって内奥側(図中下方側)ほど幅狭となるテーパー面に形成されている。
また、係合用凹部62のベルト周方向での端面は、その係合用凹部62に係入する駆動爪体31の前向き面31b(接触面の一例)もしくは後向き面31c(接触面の一例)と係合して、駆動スプロケット3の駆動力をクローラベルト6へ伝達するための、駆動爪体31との接触面としての前向き端面62b、及び後向き端面62cを構成している。
各芯金61は、図3及び図4に示すように、ベルト幅方向中間部位からベルト内周面側に向けて転輪案内用の左右一対の芯金突起63が突設され、この芯金突起63の間を駆動スプロケット3および前後のアイドラホィール4,4が通過するよう構成されている。
また、各芯金突起63の横外側箇所に位置するベルト本体60の内周面には転輪5が転動移動する偏平な転輪軌道面64が形成されるとともに、ベルト本体60の外周面側には、ベルト周方向で前記係合用凹部62と表裏で重複する位置に、芯金突起63部分を除くベルト本体60の厚さより厚い推進ラグ65が一体に突出形成されている。
前記芯金61と前記係合用凹部62との間におけるベルト本体60の内周面側には、図3乃至図7に示すように、係合用凹部62に係入した駆動スプロケット3の駆動爪体31の駆動力を芯金61に伝えるための受圧用ブロック部66が設けられている。つまり、係合用凹部62に入り込んだ金属製の駆動爪体31によってゴム製の受圧用ブロック部66が圧縮作用を受けながら金属製の芯金61に駆動力を伝えるように構成されているものであり、駆動爪体31と芯金61との金属同士の直接の接触を避けて騒音の発生を回避できるようにしている。
前記芯金61は、図5(a)〜(c)に示すように、中央部付近の肉厚が左右方向での端部側の肉厚よりも大であるように形成された板状の芯金本体部分61Aと、その中央部付近で上方側へ向けて立設された左右一対の突起部分61Bとを一体に形成した金属材料で構成されている。
前記突起部分61Bは、芯金本体部分61Aに連なる支柱部61aの上側に、クローラベルト6の芯金突起63の頂部付近の形状とほぼ同形状となるように山形に形成した頭頂部61bを一体に備え、この頭頂部61bの左右方向での端部側に向く面、つまり横外方側に向く面に凹入部63bを形成してある。
凹入部63bは、図5(a)〜(c)乃至図7に示すように、前記頭頂部61bの横外方側に向く面に、左右方向及び前後方向で少し窪ませた形状に形成してある。
この凹入部63bの前記左右方向及び前後方向に向く面を掴んで芯金61の全体を支持し、芯金61の加硫金型内での位置ずれを阻止した状態に位置決めして、芯金本体部分61Aの全体及び突起部分61Bの前記凹入部63bを除く範囲を、ベルト本体60と一体のゴム材で被覆する。
前記芯金突起63は、図4乃至図7に示すように、芯金61の一部に一体形成されたベルト内周面側へ突出する金属製の突起部分61Bを、ベルト本体60を構成するゴム材からなる山形突起部67で覆うことによって外形形状がほぼ山形状に形成されている。
つまり、芯金突起63は、図4に示すベルト幅方向でも、図6に示すベルト周方向でも、断面視で山形状に形成されている。そして、図7に示すように、芯金突起63のベルト幅方向での内方側に向く面が、アイドラホィール4や外れ止めガイド7に対する案内面Cとなる傾斜面によって形成され、その案内面Cとは反対側に向く横外向き面Dを備えている。
また、この山形状の芯金突起63は、その頂部63aが、ベルト周方向に沿う部分とその部分に直交するように外側に向けられた部分とで平面視T字状に形成され、かつ山形突起部67の前記案内面Cとは反対側における前記頂部63a近くのベルト幅方向での外側に位置する箇所に、前記突起部分61Bの前後一対の凹入部63bが存在する状態で構成されている。つまり、この凹入部63bは芯金突起63の前記案内面Cとは反対側の横外向き面Dで、芯金突起63の横外方側箇所の頂部近くに設けられている。
尚、このように左右一対の芯金突起63の、夫々の前後両側の外側位置に凹入部63bを設けて、4箇所で掴めるようにしたことで、芯金61を前後左右のずれなく安定して保持し易い。また、前後両側の外側位置の凹入部63bを前後で連ねて芯金突起63の頂部が薄くなってしまうこともないので、芯金突起63の頂部の強度も低下させにくい。
〔駆動スプロケット〕
前記駆動スプロケット3は、図2、及び図8乃至図13に示すように構成されている。
すなわち、後車軸12に連結した大径の円盤状部材30と、その円盤状部材30の外周縁よりも径方向の外方へ突出するように設けられた複数の駆動爪体31とを備えて構成されている。
前記円盤状部材30は、駆動軸である後車軸12に固定されたハブ板13と、そのハブ板13の外周側にボルト連結された円環状の外周部材14(外周側部分に相当)とで構成してあり、外周部材14は、周方向で3等分された部分円弧状の分割円弧状部材14a,14b,14cの組み合わせで構成されている。
図8乃至図11に示すように、前記外周部材14は、半径方向内方側のハブ板13に対する取付箇所15の近くよりも、半径方向で外方側の外周端縁16の近くが厚肉となっていて、この外周端縁16の近くが環状のリブ部32となっている。
そして、この外周部材14の外周端縁16の半径方向での外方側に突出させて、かつ前記リブ部32よりも左右方向での外側へ突出させて前記駆動爪体31を一体に形成してある。
前記リブ部32の左右方向での厚みd1は、クローラベルト6の左右の芯金突起63同士の間における対向間隔よりも幅狭に形成されていて、前記芯金突起63や、前記駆動爪体31との相関で次のように設定されている。
つまり、図12(a)に示すように、駆動爪体31の左右方向での端面31aが係合用凹部62の端面62aに接当した後に、前記係合用凹部62の前記端面62aが駆動爪体31の押圧力を受けて、図12(b)に示すように、ある程度の圧縮量δだけ変形されると、前記リブ部32の端縁32aが芯金突起63の内端側の面63cに接当する。
このように、駆動爪体31の左右方向での端面31aが係合用凹部62の端面62aに接当してある程度弾性変形した後に、前記円盤状部材30の左右方向での端面に相当するリブ部32の左右方向の端縁32aが芯金突起63の内端側の面63cに接当するように、前記リブ部32の左右方向の端縁32aと駆動爪体31との相対的な左右方向位置を設定してある。
すなわち、図12(a)に示すように、駆動爪体31の左右方向での端面31aと係合用凹部62の端面62aとが接当する面の一部を便宜上接当箇所P1とした場合に、図12(b)に示すところの、リブ部32の端縁32aと芯金突起63の内端側の面63cとの接当箇所P2が接当するまでの間にタイムラグを生じるように、前記駆動爪体31の左右方向での端面31aと前記リブ部32の左右方向の端縁32aとの相対的な左右方向位置を設定してある。
つまり、この位置関係を図13に基づいて説明すると、次の通りである。
前記駆動爪体31の左右方向での中心位置がベルト幅方向で係合用凹部62の中心線CL上に位置している場合に、前記駆動爪体31の左右方向での端面31aと係合用凹部62の端面62aとの接当箇所P1、及び前記リブ部32の端縁32aと芯金突起63の内端側の面63cとの接当箇所P2とは、それぞれ非接当状態にある。
このとき、接当箇所P1のうち、前記中心線CLから係合用凹部62の端面62aの接当箇所P1までの距離LP1−1と、前記中心線CLから駆動爪体31の左右方向での端面31aの接当箇所P1までの距離LP1−2との間に第1間隙LP1が存在している。
また、接当箇所P2のうち、前記中心線CLから芯金突起63の内端側の面63cの接当箇所P2までの距離LP2−1と、前記中心線CLから前記リブ部32の端縁32aの接当箇所P2までの距離LP2−2との間に第2間隙LP2が存在している。
そして、前記第1間隙LP1よりも第2間隙LP2を、前記係合用凹部62の前記端面62aが駆動爪体31の押圧力を受けて圧縮変形した際の圧縮量δに相当する量だけ大きく設定してあるので、前述のように係合用凹部62の端面62aが駆動爪体31の押圧力を受けて圧縮変形して、リブ部32の端縁32aが芯金突起63の内端側の面63cに接当するに必要な移動量に達するまでの間にタイムラグを生じる。
〔駆動爪体〕
駆動爪体31は、図8乃至図13に示すように、円盤状部材30の板面に対して直交する横方向(左右方向)へ張り出すことにより、係合用凹部62のベルト幅方向の長さよりもやや短く、かつ左右の芯金突起63の両方にわたる長さと同程度の左右方向長さに形成されている。
この駆動爪体31の左右方向の端面31aは、図10及び図12に示すように、この駆動爪体31の外端縁が水平面上に位置する状態で、その左右方向の端面31aは水平面に対して垂直ではなく、所定の爪傾斜角度α(水平面に対する傾斜角度に相当)を有した傾斜面によって形成してある。
そして、前記爪傾斜角度αを有した傾斜面である端面31aは駆動爪体31の左右両端側に形成してあって、駆動爪体31は、その左右両側の端面31aによって半径方向外方側が幅狭となるテーパー面に形成されている。
この爪傾斜角度αは、前記係合用凹部62におけるベルト幅方向での端面62aに形成されたベルト傾斜角度βと同じ角度に設定してある。
駆動爪体31の周方向での前後に位置する前向き面31b(機体前進方向でのクローラベルト6に駆動力を付与する側の面)、及び後向き面31c(機体後進方向でのクローラベルト6に駆動力を付与する側の面)は、概ね円盤状部材30の回転軌跡に対する法線に沿う方向ではあるが、やや回転中心側寄りの部位(付け根側)における周方向幅d2が、回転中心から遠ざかる外方側の部位(爪先端側)の周方向幅d3よりも広く構成してあり、駆動爪体31の半径方向外方側ほど少し幅狭な先細り形状のテーパー面となっている。
この駆動爪体31は、クローラベルト6の係合用凹部62に対して、側面視で図15に示すように係合してクローラベルト6を駆動するように構成されている。
つまり、図15に示す係合点a1〜a9が、この図中で反時計回りに回動する駆動スプロケット3の駆動爪体31と係合用凹部62との噛み合い箇所を示しており、係合点a1よりも駆動スプロケット3の回転方向上手側では、駆動スプロケット3の駆動爪体31と係合用凹部62とは、まだ噛み合っていない。係合点a9よりも駆動スプロケット3の回転方向下手側では、駆動スプロケット3の駆動爪体31と係合用凹部62との係合は外れている。
このように、図15に示す係合点a1〜a9のうち、係合点a1が噛み合い開始点であり、係合点a9が噛み合い終了点である。この各係合点a1〜a9のうち、係合点a8で駆動爪体31による係合用凹部62への押圧作用が最大となるように構成されている。駆動爪体31の配設ピッチと、係合用凹部62の配設ピッチとの関係が定められている。
〔膨出接当部〕
そして、この駆動爪体31の周方向での前後に位置する前向き面31b、及び後向き面31cには、クローラベルト6の係合用凹部62におけるベルト周方向での前向き端面62b、及び後向き端面62cに対向するように、膨出接当部33が形成されている。
この膨出接当部33は、図8、図9、及び図16、図17(a),(c)に示すように、前記係合用凹部62の接触面である前向き端面62b、及び後向き端面62cに対向する前記前向き面31b、及び後向き面31cにおいて、前記ベルト幅方向で左右の芯金突起63同士の間に相当する部位に、前記係合用凹部62への係入状態で、その前向き端面62b、及び後向き端面62c側へ向けて膨出する部分を形成することによって構成されている。
前記膨出接当部33は、駆動スプロケット3の回動中心から駆動爪体31の爪先端部を通る仮想線分に沿う前向き面31bや後向き面31cに比べて、係合用凹部62の前向き端面62bや後向き端面62c側へ向けて膨出させることによって、係合用凹部62の前向き端面62b、及び後向き端面62cとの間における距離を短縮するように構成されている。
そして、この膨出接当部33の膨出部分の側面視での形状は、図17(a),(b)に示すように、駆動スプロケット3を、インボリュート曲線で形成される歯縁を有した歯車で形成した場合の歯縁形状に沿うように形成してあり、芯金突起63の外形形状に沿う移動軌跡を有している。
前記膨出接当部33以外の前向き面31b、及び後向き面31cは、前述したように、駆動爪体31の半径方向外方側ほど少し幅狭な先細り形状のテーパー面に形成されているが、このテーパー面は、駆動スプロケット3の歯縁をインボリュート曲線で形成した場合における歯縁よりも、駆動スプロケット3の回動中心から駆動爪体31の爪先端部を通る仮想線分(後述する中心線y1,y2に相当する)に近づく方向に変位した形状の面に相当する。
膨出接当部33の平面視での位置は、図17(c)に示すように、ベルト幅方向で左右の芯金突起63同士の間に相当する部位の前向き端面62b、及び後向き端面62cに対向し、左右の芯金突起63同士の間よりもベルト幅方向での外側に相当する部位における係合用凹部62からは外れて位置している。
したがって、この膨出接当部33の移動軌跡が、図17(b)に示すように側面視では芯金突起63の外形形状に接近して回動しても、平面視では図17(c)に示すように、ベルト幅方向で左右の芯金突起63からは外れている。これによって、膨出接当部33の移動軌跡がベルト周方向で多少位置変化しても、その膨出接当部33が芯金突起63に接当することを回避できる。
上記膨出接当部33自体の形状は、側面視では図17(a)に示すように、駆動爪体31の爪先端部側よりも付け根側で駆動スプロケット3の周方向に広がるように厚みを増す三角形状の断面形状であり、平面視では、図17(c)に示すように、駆動爪体31の中心部から駆動スプロケット3の周方向に離れる側が突出する滑らかな台形状に形成されている。
また、この膨出接当部33は、図12(b)に示すように、駆動スプロケット3の円盤状部材30の外周部に設けられるリブ部32が、左右方向の一方の芯金突起63に接当して横移動を抑止された状態でも、その芯金突起63には接当しないようにリブ部32の中央側寄りに形成されている。
駆動爪体31は、図16に実線で示すように、その前向き面31bが係合用凹部62の前向き端面62bに接当して、駆動方向の前方側(図中左方)へ押圧し、ゴム製のベルト本体60を、斜線で示すように領域bに相当する範囲で弾性変形させ、同時に、膨出接当部33が、領域cに相当する範囲を、格子状の斜線で示すように弾性変形させている。
このとき、駆動爪体31の駆動スプロケット3の周方向での中心位置は、中心線y1上にある。
上記の構造では、ベルト本体60の弾性変形量は、前記領域bと領域cとの和であるが、前記膨出接当部33がない場合の弾性変形量を図16中に表すと、同図中に仮想線で示すようになる。
この場合、前記領域cに相当する量を変形させる膨出接当部33が存在しないので、前記領域cに相当する量だけ、前向き面31bによって変形される量である前記領域bに相当する変形量を増加させることになる。このため、駆動爪体31は、図16中に実線で示される領域bよりも少し駆動スプロケット3の回転方向での前方側へ移行して仮想線で表される箇所に位置する。このとき、駆動スプロケット3の回転方向における駆動爪体31の中心位置は、前記中心線y1よりも駆動スプロケット3の回転方向での前方側の中心線y2上に位置するようになる。
換言すれば、前記膨出接当部33が存在していれば、存在していない場合よりも、駆動爪体31は、駆動スプロケット3の回転方向で前方側の中心線y2よりも後方側の中心線y1へ寄るので、ベルト周方向で係合用凹部62の中心位置側へ戻されることになる。
〔リブ部〕
駆動スプロケット3のリブ部32についてさらに詳述する。
図8乃至図11に示すように、駆動スプロケット3の円盤状部材30の外周部に設けられるリブ部32は、駆動スプロケット3の周方向で所定間隔おきに配設されている各駆動爪体31の間に位置する外周面が、リブ部32の左右方向での中央側が円盤状部材30の半径方向外方側に位置し、左右両側が半径方向内方側に位置する山形の傾斜面34に形成されている。
この山形の傾斜面34において、円盤状部材30を構成する外周部材14の外周端縁16は山形の頂部に位置することになる。
この傾斜面34では、駆動スプロケット3がクローラベルト6と係合して駆動されている状態で、クローラベルト6との間で圧縮される泥土の反力受けとしての機能を備えており、その傾斜面34とクローラベルト6との間に存在する泥土が圧縮作用を受けた際に、その泥土を左右方向への外方側へ逃がすための分力を与えることができるように傾斜している。
また、各駆動爪体31同士の間に位置する前記傾斜面34の一部には、その駆動爪体31同士の間に位置する傾斜面34毎に、左右交互に切り欠き部35が形成されている。この切り欠き部35によって、外周面である傾斜面34のうちの、頂部の一側で前記切り欠き部35が存在する側の泥土を、その切り欠き部35を通して円盤状部材30の左右方向の一側で半径方向内方側へ排出できるように構成されている。
ここでいう切り欠き部35とは、リブ部32の外周面側に付着する泥土が、前記外周面よりも半径方向での内方側へ移行することを許容するためのものである。つまり、前述した傾斜面34のような、駆動スプロケット3がクローラベルト6と係合して駆動されている状態で、クローラベルト6との間で圧縮される泥土の反力受けとしての機能を備えて、泥土をリブ部32の左右方向へ移行させる分力を生じさせるというものではなく、リブ部32とクローラベルト6との間に挟まれた泥土が圧縮されると、その圧縮による押し出し作用で泥土を排出するための空間を形成するように切り欠かれた部分をいう。
このリブ部32に形成される切り欠き部35は、円盤状部材30の周方向で前後の駆動爪体31同士の間に位置するリブ部32の全範囲に亘るものではなく、図8に示すように、円盤状部材30の周方向で、その切り欠き部35の前後に位置する駆動爪体31との間に周方向間隔Sを隔てて形成されている。
このように、駆動爪体31に近い位置でリブ部32に周方向間隔Sを残すことにより、リブ部32による駆動爪体31の支持強度を向上するとともに、その周方向間隔Sに相当する残されたリブ部32の左右方向の端縁が芯金突起63との接当によって、駆動スプロケット3とクローラベルト6の位置ずれを規制する作用を残すことができる。
〔凹入部の位置と関連する駆動爪体の動作との関係〕
図18及び図19に、凹入部63bを芯金突起63の横外方側の横外向き面D側に設けた場合と、芯金突起63の横内方側の案内面C側に設けた場合とにおける、駆動爪体31との関連動作状態を示す。
図18は、凹入部63bを芯金突起63の横外方側の横外向き面D側に設けた場合を示し、図19は、凹入部63bを芯金突起63の横内方側の案内面C側に設けた場合を示している。
図18に示すように、凹入部63bを芯金突起63の横外方側の横外向き面D側に設けたものでは、例えば、図中左方側が低い傾斜地を走行する場合などに、駆動爪体31がクローラベルト6の係合用凹部62の左側端部に接当した状態で駆動スプロケット3が駆動される場合がある。
このときの駆動爪体31の移動軌跡r1,r2は図中仮想線に示す状態である。この状態で駆動爪体31の軌跡は、左右両側の芯金突起63の凹入部63bを形成した箇所の存在に関係なく、凹入部63bを形成した部位以外の芯金突起63の頂部箇所に案内されながら係合用凹部62側へ円滑に案内される。
図19及び図20に示すように、凹入部63bを芯金突起63の横内方側の案内面C側に設けたものでは、例えば、図中左方側が低い傾斜地を走行する場合などに、駆動爪体31がクローラベルト6の係合用凹部62の左側端部に接当した状態で駆動スプロケット3が駆動される場合がある。
このときの駆動爪体31の移動軌跡r1,r2は図中仮想線に示す状態である。この状態で駆動爪体31の右端側の軌跡r2が、凹入部63bの横内方向きの面f1と同一もしくはそれよりも左側に位置する場合がある。
この状態で駆動爪体31が上方から下方へ移動すると、駆動爪体31の下端が凹入部63bの上向き面f2に引っ掛かったり、前記横内方向きの面f1に引っ掛かって右方向へ動き難くなったりすることがあるので、このような引っ掛かりをなくすには、凹入部63bは前記横外向き面D側に設けた方がよい。
図22は、凹入部63bを前記横外向き面D側に設けたものにおいて、外れ止めガイド7との関連動作を示す。
この外れ止めガイド7は、内部に上方側が開放された鋳抜きによる凹入空間76を形成して全体重量の軽減を図ってあり、横外側面が上広がりのテーバー状に形成されている。
この外れ止めガイド7のベルト横幅方向での接当箇所の横幅L1は、クローラベルト6側の芯金突起63の上部における接当箇所での横幅L2よりも大きく設定されているので、図示のように、外れ止めガイド7とクローラベルト6の内周面との接近の際に、外れ止めガイド7の接当箇所と芯金突起63の上部における接当箇所との接当によって、それ以上の接近が阻止され、両者の接触を回避するように間隔S2を確保することができる。
つまり、前記外れ止めガイド7に設定された横幅L1を有した部分の接当箇所によって、その外れ止めガイド7の下縁がクローラベルト6の内周面側に接当することを阻止する近接規制部Aが構成されている。
この外れ止めガイド7は、図22(a)に示す基準姿勢(全ての転輪5が転輪軌道面64に接してクローラベルト6が全体に平均的な圧力を受けている状態での走行姿勢)では、外れ止めガイド7の最下端となる位置とクローラベルト6の内周面との間には、十分大きな間隔S1を備えるように、転輪5の接触面と外れ止めガイド7の下面との相対高さ位置が設定されている。
ところが、図22(b)に示すように、最大近接姿勢(凸部に乗り上げるなどして一部の転輪5の下方から集中的な突き上げ力が作用する状態での走行姿勢)では、クローラベルト6が部分的に圧縮あるいは屈曲して、外れ止めガイド7が相対的にクローラベルト6内周面に接近する状態となる。
このとき、外れ止めガイド7の接当箇所と芯金突起63の上部における接当箇所との接当によって、それ以上の接近が阻止され、両者の接触を回避するように間隔S2を確保することができる。
この場合にも、凹入部63bが芯金突起63の前記横外向き面D側に設けてあるので、外れ止めガイド7に対する近接規制部Aが案内面C側に形成されることになり、外れ止めガイド7の横側面に対する接当面積を、前記案内面C側に凹入部63bを形成する場合よりも広く確保することができる。
このように凹入部63bが芯金突起63の前記横外向き面D側に設けてあることにより、前記駆動スプロケット3のリブ部32やアイドラホィール4に対しても、同様に接触面を広く確保することができ、芯金突起63の耐久性を高めることができる。
〔別実施形態の1〕
凹入部63bの形状は、実施の形態に示したように、芯金突起63の前後のそれぞれに凹入部63bを形成した形状のものに限らず、例えば、芯金突起63の前後に形成された凹入部63bが前後で連なって、芯金突起63の横外向き面Dの頂部側の全面が扁平な掴み部68となる形状であったり、芯金突起63の前後方向での両側ではなく、前後方向での中間箇所に横外向き開放の凹入部63bを形成するなど、芯金突起63の頂部側で芯金61を支持して位置決めすることのできるものであれば、任意の形状を採用することができる。
〔別実施形態の2〕
凹入部63bは、芯金突起63の前記横外向き面D側に設けたものに限らず、図19及び図20のように内向きの案内面C側に設けても良い。あるいは、横外向き面D側と内向きの案内面C側との両側に凹入部63bを設けても良い。
〔別実施形態の3〕
ベルト幅方向で相対向する左右一対の芯金突起63の頂部付近に、クローラベルト6を構成する一連のゴム材が被覆されていない、もしくは他の部位よりも薄く被覆された部分を構成するにあたり、実施の形態に示したような凹入部63bに限らず、図21に示すように構成してもよい。
すなわち、外形形状がほぼ山形状の芯金突起63の頂部付近で、芯金突起63山形状の外形形状から上方側へ膨出するように立ち上がる凸部63dが形成されるように、芯金61の突起部分61Bの頭頂部61bの上端部形状を構成してある。
この例では、凸部63dは、芯金突起63の横外向き面D側に設けてあるが、反対側の案内面C側に設けても良く、あるいは、横外向き面D側でも案内面C側でもなく、芯金突起63の左右方向での中央部に設けてもよい。
また、凸部63dの形状も、前述したモールド成形時の掴み箇所としての利用など、所要の機能に応じて適宜に形成すればよい。
本発明のクローラ走行装置は、実施形態で示したトラクタの他、コンバインや建設機械などの各種の車両の推進装置として用いることができる
3 駆動スプロケット
6 クローラベルト
30 円盤状部材
31 駆動爪体
32 リブ部
33 膨出接当部
60 ベルト本体
61 芯金
62 係合用凹部
63 芯金突起
63b 凹入部
63d 凸部
68 掴み部

Claims (2)

  1. ゴム材からなるベルト本体に芯金をベルト周方向に一定ピッチで埋設するとともに、各芯金のベルト幅方向中間部位からベルト内周面側に転輪案内用の左右一対の芯金突起を突設してあるクローラベルトと、そのクローラベルトにベルト周方向での回転動力を付与する駆動スプロケットとを備えたクローラ走行装置であって、
    前記クローラベルトの内周面側に駆動スプロケットの駆動爪体と係合する係合用凹部を備え、この係合用凹部は、ベルト周方向での芯金同士の間に位置して、かつベルト幅方向では左右の芯金突起同士にわたる範囲に形成され、
    前記駆動スプロケットは、左右の芯金突起との間に嵌り込む円盤状部材の外周側に、円盤状部材の周方向での所定間隔毎に前記クローラベルトに形成された係合用凹部に係入する駆動爪体を備え、この駆動爪体を、前記円盤状部材の盤面に交差するベルト幅方向で、円盤状部材の盤面から左右両側の芯金突起の存在箇所にわたる範囲にまで突出形成してあり、
    前記芯金突起のベルト内周面側に突出する部位は、ベルト幅方向で相対向する左右一対の芯金突起の頂部付近を除く範囲が、クローラベルトを構成する一連のゴム材で被覆され、
    前記芯金突起の頂部付近に、前記クローラベルトを構成する一連のゴム材が被覆されていない、もしくは他の部位よりも薄く被覆された凹入部又は凸部を設けてあることを特徴とするクローラ走行装置。
  2. 芯金突起の頂部付近の横外方側に、クローラベルトを構成する一連のゴム材が被覆されていない、もしくは他の部位よりも薄く被覆された凹入部が形成されている請求項1記載のクローラ走行装置。
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