JP2011251258A - 海水の処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】蒸発法において、加熱エネルギーを増やすことなく、短時間で海水の塩分濃度を低減させる海水の処理装置を提供する。
【解決手段】遠心力発生器の回転によって海水または濃縮した海水を霧化し、製塩室2と濾過済水槽5との間に複数段のスクリーン3を配置し、蒸発水分がスクリーン3を通過する際に、塩分をスクリーン3に付着させ、その後、付着した塩分をスクリーン3から剥離落下させることにより水分を蒸発させて塩分を結晶させ、前記遠心力発生器は、噴霧化手段6と遠心力発生器で構成され、前記遠心力発生器のブロアモータの回転軸には、半径方向に向けた羽根が取り付けられ、噴霧化手段6により噴霧化した海水または濃縮した海水は、前記遠心力発生器の前記回転軸の軸方向から各羽根の取付シャフト方向に吹き付けられ、遠心力発生器の遠心力と風圧で付勢されながら360度方向に拡散するようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、海水を蒸発させて海水を濃縮化あるいは淡水化する処理装置に関する。
飲料用等で真水が必要とされる場所の近くに河川等がなく、気候等の関係で雨水にも頼れない場合、もしその場所が海辺であれば、海水を淡水化して利用することが可能となる。
海水は、約96.5%の水と約3.5%の塩分からなっており、単に真水の原料としてではなく、濃縮化することで、ナトリウム、マグネシウムなどの原料になる。一般的な海水濃縮化(淡水化)方式として、逆浸透法、蒸発法などが知られている。
逆浸透法の実施例としては、沖縄の海水淡水化センターがあり、63本の逆浸透膜モジュールで1ユニットを構成し1ユニット当たり約5,000平方メートル/日の淡水を生産している。しかし、平成9度の全面供用開始〜平成18年度においての日平均生産量は約1万平方メートルにおいて平均造水コストが1平方メートル あたり約282円かかった報告があり、平均的な給水原価(水道水を作るための費用)とされる180円前後と比較してコストが高く、コスト削減が課題となっている。
蒸発法では、遠心力発生器の回転によって海水または濃縮した海水を霧化し、かつ温風を当てることで、水分を蒸発させて塩分を結晶させ、製塩する方法において、製塩室と濾過済水槽との間に複数段のスクリーンを配置し、蒸発水分がスクリーンを通過する際に、塩分をスクリーンに付着させ、その後、付着した塩分をスクリーンから剥離落下させる技術が知られている。(特許文献1)
上記に関連した省エネ技術として、海水を微細霧化するためにモータを高速回転させなくてはならず、その時に発生する排熱を利用してモータの冷却風として利用する為に排気ダクトで外部に排出する海水微細霧発生用モータの冷却方法も知られている。(特許文献2)
特許3250738号公報 特許4200119号公報
逆浸透法や電気透析法と比較すると蒸発法の能率は高いが、特許文献1の方法では、海水をそのまま遠心力発生器の羽根車の羽根に注いで羽根車の高速回転による遠心力で羽根車外周から飛散させている。水滴の粒径を小さくするために羽根車の外周に取り付けたブレードの枚数を100枚以上に増やし、また微細な霧状水粒を生成する為にモータの回転数を毎分1万回転以上に設定しているが、高回転数で連続駆動できる大型モータは高価格であり、しかも短寿命なので、システム全体としてはランニングコストやメンテナンスコストが高くなる。
また特許文献2では高速回転モータの排熱を利用して海水の水滴を蒸発させる補助エネルギーとしているが、大量の海水を処理する場合には流速も早くなるので冷却効果はあまり期待できない。
また、どちらの発明においても水滴は噴霧化されていないので粒径が大きく、蒸発させるには相当な気化熱が必要となり、大量の海水を処理するには海水を蒸発させる為の相当な加熱エネルギーが不可欠となる。
本発明の海水の処理装置においては、煙霧発生装置全体を振動させ、海水の微細霧発生用のモータより外側に、該モータを囲むように流水路を設け、海水の微細霧を製塩室に送る際に、前記流水路に、海水を流すことによって海水を暖め、暖まった海水を煙霧発生装置によって空中に拡散させるようにした。
海水を噴霧化するのに、煙霧発生装置全体を超音波振動させて羽根に接触する海水を噴霧化するので、高価な高速回転モータを使わなくとも安価に大量の海水を処理することができるようになる。
製塩室の内部平面図である。 図1のA−A断面図である。 煙霧発生装置の構造図である。 モータ組立の断面図である。 遠心力発生装置に取り付けられた羽根の正面図である。
本発明は、遠心力発生器の回転によって海水または濃縮した海水を霧化し、製塩室と濾過済水槽との間に複数段のスクリーンを配置し、蒸発水分がスクリーンを通過する際に、塩分をスクリーンに付着させ、その後、付着した塩分をスクリーンから剥離落下させることにより水分を蒸発させて塩分を結晶させ、製塩する海水の処理装置に関する発明である。
従来は放射状の空洞を有する水車型の歯車に海水を注入して海水を飛散させることによる水滴の粒径を小さくする手段として羽根車の回転数を毎分1万回転することにより微細霧を発生させていたが、本発明においては、高速回転モータで海水を飛散させる代わりに、加湿機などで使われている圧電素子の超音波によってキャピラリー波を発生させて噴霧化した海水の噴霧を遠心発生器で空中に拡散することにより水分の蒸発時間を短くする。
図1は、製塩室の内部平面図である。本発明に係る海水の処理装置のシステム概要を図示している。本海水の処理装置は、大量の海水を噴霧化するために、従来のヒータによるミスト発生装置に超音波式の振動ユニットを追加することで海水の水滴を微細化して淡水化効率を向上させている。
製塩室の前後左右は側壁で囲まれている。側壁は対候性のボードで作っても良いし、太陽熱が利用できるのであれば割れにくいガラスなどを使うことも考えられる。
水平方向に噴霧を放射する噴霧発生装置6からは、噴霧化した海水が遠心力で放出される。壁面4には、噴霧発生装置6と、噴霧発生装置6よりも低い位置に温風発生装置8が備えられている。
温風発生装置8は、ファンモータと熱源とで構成されている。熱源で発生された熱は、ファンモータのファンが発生する風によって、温風排出口8から製塩室2内部に送り込まれる。
温風排出口8から送り込まれた温風によって噴霧発生装置6で発生した噴霧状態の海水が最初のスクリーン3に吹き付けられる。
遮蔽された噴霧の一部はスクリーン3に付着し、残りは次のスクリーン3の方向に流れる。
噴霧化した海水は、複数枚のスクリーン3を経て、集水ネットを兼ねたスクリーン3から濾過済み水槽5に集積される。
スクリーン3や集水ネットは、直線状に配置され、互いに平行状態に垂下した状態で対向している。
スクリーン3については、圧電素子などの振動手段を使って付着した海水成分をふるい落とすことによりネットの目詰まりを防止することも考えられる。
天井は、太陽光が使える立地条件にあれば、太陽熱を利用して内部温度を上昇させる目的で天窓構造としてもよいし、更に集光器を使って噴霧発生装置6付近に太陽熱を集めることにより噴霧化した海水を補助的に加熱することも考えられる。
図2は、海水淡水化装置1のA−A断面図を示している。海水淡水化装置1には濾過済水槽5と超音波式噴霧装置6が備えられ、給気口7から流入した空気は排気口8で排出される。
給気口2aには外部からの粉塵などを濾過するエアフィルターが取り付けられ、排気口2bには内部の噴煙化された海水が流出しないように濾過フィルターが取り付けられている。
海水は、海水槽12から海水ポンプ13によって汲み上げられ、超音波式噴霧装置6によって微細霧化され、遠心力発生装置16によって付勢され、温風排出口8からの風に流されながら天井方向に拡散される。
付勢されながら拡散された海水の噴霧は、給気口9から流入した空気と一緒に排気口10の方向に向かう空気の流れに製塩室2の中を流れる。
スクリーン3は天井からつり下げられて、天井からの長さは噴霧発生装置6から離れるほど長くなっている。
海水の噴霧は、スクリーン3を通過しようとする時に網目と接触すると一部が網目部分に接触する。この接触した海水の噴霧に含まれる塩分などの海水成分は、蒸発せずに網目部分に付着する。
給気口9から流入した空気は排気口10から排出されるので、この空気の流れに沿って海水の噴霧も海水淡水化装置1内部を流れる海水の噴霧のうち、そのクリーン3の網目部分に接触した一部分は網目部分に付着し、それ以外は空気の流れに沿って次のスクリーン3を通過する。
床傾斜面11は濾過済み水槽5に近づくに従って高くなっていて、塩分などが床傾斜面11に堆積したものに水をかけることにより噴霧発生装置6側に流して集積することができる。
海水淡水化装置1の内部は密閉されていて、壁面を透明な壁面材で構成することにより外部からの太陽光を入射させ、太陽光熱により室内温度を高めれば、噴霧化された海水の水分を蒸発させて純水化することができ、集水ネット4からの集水効率を上げることができる。
図3は、煙霧発生装置の構造図を示している。給水ポンプ13から汲み上げられた海水は、モータ組立に給水され、モータ本体15が発生する熱で暖められてから遠心力発生装置16の羽根に吹き付けられる。
煙霧発生装置6は支持台17上に、振動ユニット18とスペーサ19を介して設置されている。振動ユニット18は、例えば圧電素子などの超音波振動ユニットを使うことができ、煙霧発生装置6全体を高速で振動させることにより、遠心力発生装置16内部で発生させる海水の水滴を噴霧化する機能を持つ。
マクロ的に見ると、遠心力発生装置16内部の海水は超音波振動子から強力な超音波が発生されると、音圧が高い中心位置で波が立ち、さらに超音波エネルギーが集中して水柱を作り出し水柱の表面でキャピラリー波を発生させ、この波の先端から液滴を霧として飛散させることにより噴霧状態を作り出す。
パンチングメタル9の振動によって超微粒子に噴霧化された海水は、噴霧状態のまま遠心力発生装置16から空中に散布される。
図4は、モータ組立の断面図を示している。モータ本体15には、例えば株式会社日立産機システムの屋外型モータ(JPW44)などを使うことが可能であり、防水仕様のハウジングにカバーを取り付け、モータ本体とカバーの隙間に海水を上から下に流すことによりモータ本体が発生する熱を使って海水を暖めることができる。
図4(a)はモータ組立の軸の長手方向の断面図を示している。モータ組立14の注入口から内部に流入した海水は、モータ組立14とモータ本体15との間の隙間を流れ落ちて、モータ組立14の排水口から排出され、パイプを通って海水噴射口20から羽根21に向かって噴射される。
図4(b)は、モータ組立の軸の断面方向の断面図を示している。モータ組立14の上部にある注入口から内部に流入した海水は、モータ組立14とモータ本体15との間の隙間を流れ落ちて、モータ組立14の排水口から排出される。
図5は、遠心力発生装置に取り付けられた羽根の正面図を示している。海水噴出口20から噴出した海水は、回転板に対して鉛直方向に起立する羽根21に向けて吹き付けられ、遠心力で360度方向に拡散される。この時、前記の振動ユニット18によって噴霧発生装置6に振動が与えられているので、羽根21自体が超音波で振動し、表面にキャピラリー波を発生させる。
噴霧化した海水の噴霧は煙霧発生装置6によって空中に拡散され、更に前記の給気口9から排気口10へ向かう空気の流れに沿って製塩室2内部を流動する。
噴霧発生装置全体を超音波で振動させることにより、従来に比べてモータを低速回転させても微細な噴霧を発生させることができ、安価なモータを長寿命化して使えるので、海水が安価に淡水化できるようになる。
1…海水淡水化装置
2…製塩室
3…スクリーン
4…壁面部
5…濾過済み水槽
6…噴霧発生装置
7…温風発生装置
8…温風排出口
9…給気口
10…排気口
11…床傾斜面
12…海水槽
13…給水ポンプ
14…モータ組立
15…モータ本体
16…遠心力発生装置
17…支持台
18…振動ユニット
19…スペーサ
20…海水噴射口
21…羽根
22…モータシャフト。

Claims (1)

  1. 煙霧発生装置によって海水または濃縮した海水を霧化し、製塩室と濾過済水槽との間に複数段のスクリーンを配置し、蒸発水分がスクリーンを通過する際に、塩分をスクリーンに付着させ、その後、付着した塩分をスクリーンから剥離落下させることにより水分を蒸発させて塩分を結晶させ、製塩する海水の処理装置において、前記煙霧発生装置全体を振動させ、海水の微細霧発生用のモータより外側に、該モータを囲むように流水路を設け、海水の微細霧を製塩室に送る際に、前記流水路に、海水を流すことによって海水を暖め、暖まった海水を煙霧発生装置によって空中に拡散させることを特徴とする海水の処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104926011A (zh) * 2015-06-24 2015-09-23 北京纬纶华业环保科技股份有限公司 一种高cod废水的蒸发结晶零排放处理系统及处理方法
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