以下、本発明を実施するための形態(以下、実施の形態と称する)について説明する。説明は以下の順序により行う。
1.第1の実施の形態(セクションフィルタごとに対応する接続情報レジスタに基づくデータフィルタリング装置の構成:1つのセクションフィルタが1つのパケットフィルタと接続されることを前提とする場合の例)
2.第2の実施の形態(セクションフィルタごとに対応する接続情報レジスタに基づくデータフィルタリング装置の構成:1つのセクションフィルタが2つのパケットフィルタと接続可能であることを前提とする場合の例)
3.本発明の実施の形態が具現化される機器の構成例(本発明の実施の形態の構成をテレビジョン受像機により具現化した例)
<1.第1の実施の形態>
[セクション]
まず、本発明の実施の形態のデータフィルタリング装置が抽出対象とするセクションについて説明する。本発明の実施の形態が対応するデジタル放送規格においては、トランスポートストリームといわれる形式の信号によりデータを伝送する。このトランスポートストリームにおいて、圧縮符号化された映像および音声のデータはパケット化エレメンタリストリーム(PES:Packetized Elementary Stream)といわれる形式により伝送される。また、映像および音声以外のテーブルまたはメッセージなどといわれる種別のデータは、セクションといわれる形式により伝送される。
図1は、テーブルまたはメッセージの一例を示している。このテーブルまたはメッセージのデータは、大別して、選局情報、限定受信情報、番組情報(EPG)、ダウンロード情報、および、データ放送コンテンツに分けることができる。
選局情報は、番組を特定してデコードできるようにするための情報である。例えば、プラグラム統合テーブル(PAT)、限定受信テーブル(CAT)、プログラム対応テーブル(PMT)、および、ネットワーク情報テーブル(NIT)などとされる。
限定受信情報は、放送されるデータのスクランブルを解除するための情報であり、共通情報メッセージ(ECM)、および、個別情報メッセージ(EMM)などとされる。
番組情報は、受信装置が電子番組表の作成に利用する情報である。例えば、放送情報テーブル(BIT)、サービス記述テーブル(SDT)、イベント情報テーブル(EIT)、および、時間オフセットテーブル(TOT)などとされる。
ダウンロード情報は、データのダウンロードサービスのために利用される情報であり、ソフトウェアダウンロードテーブル(SDTT)、および、共通データテーブル(CDT)などとされる。
データ放送コンテンツは、デジタル放送におけるデータ放送のために利用される情報である。例えば、ダウンロード情報指示メッセージ(DII)、ダウンロードデータブロックメッセージ(DDB)、および、イベントメッセージ(Event Message)などとされる。
図2は、セクションのデータ構造を示している。セクション700は、図示するようにして、先頭のセクションヘッダ710と、これに続くデータ部701およびエラーチェック符号(CRC:Cyclic Redundancy Check)部702から成る。データ部701は、テーブルまたはメッセージを所定長に分割したセクションデータを格納する。エラーチェック符号部702は、当該セクション700におけるデータのエラーをチェックするための符号を格納する。
セクションヘッダ710は、例えば8バイトから成り、先頭のバイトインデックス「0」により示される1バイトの領域にはテーブル識別子711が格納される。続くバイトインデックス「1」「2」により示される2バイトの領域には、セクション長712が格納される。バイトインデックス「3」「4」により示される2バイトの領域には、テーブル識別子拡張713が格納される。バイトインデックス「5」により示される1バイトの領域には、バージョン番号714が格納される。バイトインデックス「6」により示される1バイトの領域には、セクション番号715が格納される。終端のバイトインデックス「7」により示される1バイトの領域には、最終セクション番号716が格納される。
上記のセクションヘッダ710において、テーブル識別子711は、データ部701に格納しているテーブルまたはメッセージを識別するための識別子を格納する。セクション長712は、セクション700のサイズを示す情報を格納する。テーブル識別子拡張713は、ユーザ定義のために確保された領域である。
バージョン番号714は、データ部701に格納するテーブルまたはメッセージのデータのバージョン番号を格納する。バージョン番号714は、例えば対応するテーブルまたはメッセージのデータの内容が更新されるごとにインクリメントされる。
セクション番号715は、現セクション700のデータ部701に格納されるセクションデータの、テーブルまたはメッセージにおける位置を番号により示すものである。最終セクション番号716は、テーブル識別子711により示されるテーブルまたはメッセージを形成するセクションのデータの連結における最後のセクション番号を示す。例えば、セクション番号715の昇順に従って最終セクション番号716までのセクションデータを連結していくことで、1つのテーブルまたはメッセージが復元されるようにして形成される。
図3は、トランスポートストリームにおけるセクションの伝送方法を示している。この図においては、テーブルまたはメッセージのデータを格納するセクション700が示されている。これらのセクション700は、例えばデータ部701に格納されるセクションデータの連結順に従って配列されている。そのうえで、この配列されたセクション700に対して、図示するようにして、トランスポートストリームパケット610のペイロード部620のサイズに対応する固定長ごとに分割していく。
トランスポートストリームパケット610のヘッダ部611には、パケット識別子(PID:Packet Identifier)を格納する。トランスポートストリームパケット610がペイロード部620においてセクション700を格納する場合、そのパケット識別子は、セクション700の種別に応じて予め定められた値が記述される。図3においては、セクション700の種別に応じたパケット識別子を「100」としている。
そして、上記「100」のパケット識別子を格納するトランスポートストリームパケット(TSパケット)610は、他の値のパケット識別子を格納するトランスポートストリームパケット610と時分割多重される。これにより、トランスポートストリーム600が形成される。なお、図においては、例えば「100」以外のパケット識別子の値として、「200」、「300」、「400」などが示されている。これらのパケット識別子を有するトランスポートストリームパケット610が、例えばここでは映像、音声などを格納するものや、他の種別のセクションを格納するものであることになる。
[セクション取得のためのフィルタ構成]
上記のセクション700は、例えば放送局などの送出装置側から、同じ内容を周期的に繰り返して送出される。これにより、デジタル放送の受信機側では、任意の時刻から受信を開始しても最終的に所望のテーブルまたはメッセージのデータを受信取得できることになる。また、テーブルまたはメッセージの内容を変更して送出する際には、そのテーブルまたはメッセージのデータをデータ部701に格納するセクション700のバージョン番号714をインクリメントするようにして更新する。受信機側では、一旦取得したテーブルまたはメッセージのデータについては、その後、バージョン番号714が更新されたセクション700のみを選別して抽出する。そして、この選別したセクション700のデータ部701に格納されたデータを利用してテーブルまたはメッセージの内容を更新する。すなわち、テーブルまたはメッセージの更新に応じては、更新されたテーブルまたはメッセージを形成するデータを全て取得し直す必要がないようにされている。
上記のような仕組みに対応して、デジタル放送受信機においては、例えば次のようなセクションデータをフィルタリングするための構成を有する。すなわち、まず、受信により取得したトランスポートストリーム600を形成するトランスポートストリームパケット610のうちから、所望のトランスポートストリームパケット610を選別して抽出するフィルタリングを行う。このフィルタリングのためにデジタル放送受信機はパケットフィルタを備える。パケットフィルタは、例えばフィルタ条件として指定されたパケット識別子の値を利用してトランスポートストリームパケット610の選別を実行する。
次に、パケットフィルタにより抽出されたトランスポートストリームパケット610から、所望のテーブルまたはメッセージの形成に使用するデータを格納するセクション700を抽出する処理を実行する。このためにデジタル放送受信機はセクションフィルタを備える。セクションフィルタは、セクションフィルタ条件として指定されたテーブル識別子やバージョン番号を利用してセクション700を選別する。すなわち、パケットフィルタとセクションフィルタとによる2段階の選別処理を実行する構成を採る。
例えば本発明の実施の形態が対応するデジタル放送規格では、パケット識別子とセクションとについて下記のようにして運用することが規定されている。
「1つ以上のパケット識別子および1種類以上のセクションを伝送する。」
「同一のパケット識別子により複数の種類のセクションを伝送する。」
上記の運用規定に応じて、デジタル放送受信機については下記の2つの項目が要求される。
「パケットフィルタとセクションフィルタをそれぞれ複数持つこと。」
「同一のパケットフィルタに複数のセクションフィルタを接続できること。」
なお、ここで「パケットフィルタとセクションフィルタを接続する」とは、「パケットフィルタにより抽出されたデータをセクションフィルタに入力すること」をいう。
そのうえで、デジタル放送受信機は、パケットフィルタとセクションフィルタの接続に関して、下記の2つの要件(以降、フィルタ接続要件ともいうことにする。)を満たすことが好ましいとされている。
「任意のパケットフィルタに任意数のセクションフィルタを接続できること。」
「任意のパケットフィルタに任意のセクションフィルタを接続できること。」
これらのフィルタ接続要件を満足することで、例えば多様なセクションの放送形態に対してさらに柔軟に対応することが可能になる。
図4は、先に述べた2段階選別処理に対応したパケットフィルタとセクションフィルタの一構成例を示している。この図では、パケットフィルタ部200とセクションフィルタ部300が示されている。パケットフィルタ部200は、0番乃至(M−1)番までの計M個のパケットフィルタ210−0乃至(M−1)を備える。なお、パケットフィルタ210の各々において括弧内に示される数がそのパケットフィルタ210に付された番号を示す。また、セクションフィルタ部300も、0番乃至(N−1)番までによる計N個のセクションフィルタ310−0乃至(N−1)を備える。
そのうえで、図4においては、0番のパケットフィルタ210−0に対して、0番乃至(N−3)番までの(N−2)個のセクションフィルタ310−0乃至(N−3)が接続されている。また、(M−1)番のパケットフィルタ210−(M−1)に対して、(N−2)番および(N−1)番の2つのセクションフィルタ310−(N−2)および(N−1)が接続されている。
この図4に示されるパケットフィルタ210とセクションフィルタ310との接続の態様は、上記した2つの項目の要求に応じたものとなっている。すなわち、パケットフィルタとセクションフィルタはそれぞれ複数存在し、同一のパケットフィルタ210に複数のセクションフィルタ310が接続されている。そのうえで、パケットフィルタ210とセクションフィルタ310の接続に関しては、さらに、上記のフィルタ接続要件を満足することが好ましいということになる。このために、例えば従来においては、パケットフィルタごとに接続情報レジスタを設けることとしていた。この接続情報の各々は、セクションフィルタ310の総数に応じたビット数を有しており、ビット位置とセクションフィルタとが対応付けられている。そして、接続すべき1以上のセクションフィルタごとに対応するビット位置のビット値を「1」とする。これにより、1つのパケットフィルタと接続される1以上のセクションフィルタを指定することとしていた。
しかし、上記接続情報レジスタ全体としてのビット容量は、パケットフィルタ210とセクションフィルタ310の増加に応じて著しく増加する。例えばパケットフィルタ210とセクションフィルタ310の数をそれぞれM、Nとすると、接続情報レジスタ全体のビット容量は(M×N)を確保する必要がある。より具体的には、パケットフィルタ210とセクションフィルタ310がそれぞれ32個であればビット容量は1024ビットになる。また、パケットフィルタ210とセクションフィルタ310がそれぞれ64個であればビット容量は4096ビットにまで増加する。さらに、パケットフィルタ210とセクションフィルタ310がそれぞれ128個であれば16384ビットにまで増加する。
従来において、上記の接続情報レジスタを使用したうえでビット容量の増加を抑制するには、例えば1つのパケットフィルタ210に接続可能なセクションフィルタの範囲数を制限することになる。かつ、接続情報レジスタのビット位置に対応させるセクションフィルタの範囲を決定するための回路が別途必要になる。このような構成では、パケットフィルタ210とセクションフィルタ310との接続についての柔軟性や利便性を得ることが難しい。
そこで、本発明の実施の形態としては、上記のフィルタ接続要件を満たすのにあたり、上記の柔軟性や利便性を損なうことなく、パケットフィルタ210とセクションフィルタ310の増加に応じたビット容量の増加を抑制できるようにする。そのための構成について、以下に説明を行っていく。
[本発明の実施の形態のパケットフィルタ接続情報]
本発明の実施の形態では、パケットフィルタ210とセクションフィルタ310との間の接続関係を示す情報を、パケットフィルタ210側に対応させるのではなく、セクションフィルタ310ごとに対応させる。この接続関係を示す情報を、以降においてはパケットフィルタ210に対する接続関係を示す意味から、パケットフィルタ接続情報ということにする。
図5は、本発明の実施の形態におけるパケットフィルタ接続情報410の構造例を示している。1つのセクションフィルタに対応するパケットフィルタ接続情報410は、1以上のパケットフィルタ指定情報部411を有して形成される。図においては、パケットフィルタ指定情報部411−1乃至411−Pとして示すように、P個のパケットフィルタ指定情報部411を有した構造が示されている。
パケットフィルタ指定情報部411の各々は、図示するようにしてビット番号0乃至(X−1)までによるXビットの配列から成る。そして、このXビットにより表現される0乃至(2x−1)の値によりパケットフィルタ210の番号を指定する。また、パケットフィルタ接続情報410として必要になるビット数であるXは、パケットフィルタ210の総数Mに応じて次のようにして決まる。例えば説明を分かりやすくするために、パケットフィルタ210の総数Mが2のべき乗で表されるものとした場合には、(X=log2M)で表されるものとなる。
上記の説明から理解されるように、1つのパケットフィルタ指定情報部411は、接続対象とするパケットフィルタ210を1つのみ指定するものとなる。したがって、1つのセクションフィルタ310に対して接続関係を指定することのできるパケットフィルタ210の数は、パケットフィルタ接続情報410が備えるパケットフィルタ指定情報部411の数に応じて決まることになる。本発明の第1の実施の形態においては、基本的な例として、パケットフィルタ接続情報410が1つのパケットフィルタ指定情報部411を備えることを前提とする。すなわち、本発明の第1の実施の形態において、1つのセクションフィルタ310は、1つのパケットフィルタ210に対してのみ接続可能となる。パケットフィルタ接続情報410は、特許請求の範囲に記載のフィルタ接続情報の一例である。また、パケットフィルタ指定情報部411は、特許請求の範囲に記載のフィルタ指定情報部の一例である。
図6は、先に図4に示したパケットフィルタ210とセクションフィルタ310との接続関係を、第1の実施の形態に対応するパケットフィルタ接続情報410により指定した例を模式的に示している。この図には、0番乃至(N−1)番のセクションフィルタ310−0乃至(N−1)ごとに対応するパケットフィルタ接続情報410−0乃至(N−1)が示されている。これらのパケットフィルタ接続情報410−0乃至(N−1)におけるパケットフィルタ指定情報部411のうち、パケットフィルタ接続情報410−0乃至(N−3)においては、それぞれ「0」の値が設定される。これにより、0番乃至(N−3)番のセクションフィルタ310−0乃至(N−3)は、すべて0番のパケットフィルタ210に接続される。また、残る2つのパケットフィルタ接続情報410−(N−2)および(N−1)においては、それぞれ「M−1」の値が設定される。これにより、(N−2)番のセクションフィルタ310(N−2)および(N−1)番のセクションフィルタ310(N−1)は、いずれもパケットフィルタ(M−1)に接続される。
上記図6に示されるようにして、本発明の第1の実施の形態のパケットフィルタ接続情報410によっても、図4と同様の接続態様を設定できる。すなわち、前述のフィルタ接続要件を満たすことができている。パケットフィルタ210は、特許請求の範囲に記載の前段フィルタの一例である。また、セクションフィルタ310は、特許請求の範囲に記載の後段フィルタの一例である。
そして、上記パケットフィルタ接続情報410全体として必要なビット容量(サイズ)は、以下のようにして表すことができる。すなわち、パケットフィルタ210とセクションフィルタ310の数をそれぞれM、Nとすると、上記のビット容量は(N×log2M)により表される。これは、例えば先に述べた従来技術の場合と比較して、パケットフィルタ210とセクションフィルタ310の増加に対するビット容量の増加が大幅に抑制されていることを意味している。具体的には、パケットフィルタ210とセクションフィルタ310がそれぞれ32個の場合の上記ビット容量は160ビットである。また、パケットフィルタ210とセクションフィルタ310がそれぞれ64個であれば上記ビット容量は384ビットである。パケットフィルタ210とセクションフィルタ310がそれぞれ128個の場合、上記ビット容量は896ビットとなる。先に述べた従来技術での同じパケットフィルタ210とセクションフィルタ310の数に応じたビット容量と比較すれば、本発明の実施の形態においては、ビット容量の増加が有効に抑制されているといえる。
上記のようにしてビット容量の増加が抑制されることで、本発明の実施の形態としては、従来技術のようにして1つのパケットフィルタ210に対して接続可能なセクションフィルタ310の最大数を制限する必要性もなくなる。このようにして、本発明の実施の形態では、パケットフィルタ210とセクションフィルタ310との間での接続関係に関して、高い柔軟性が得られている。
[実施の形態におけるデータフィルタリング装置の全体構成例]
図7は、本発明の実施の形態に対応してトランスポートストリーム(TS)からセクションデータを抽出するデータフィルタリング装置の構成例を示している。
この図に示すデータフィルタリング装置は、パケットフィルタ部200と、その後段のセクションフィルタ部300とを備える。すなわち、図4にて説明した2段階選別処理を行うための基本構成を有する。また、パケットフィルタ部200またはセクションフィルタ部300がフィルタリングに利用するものとして、パケットフィルタ条件情報格納部510、セクションフィルタ条件情報格納部520、および、パケットフィルタ接続情報格納部400を備える。
パケットフィルタ部200は、例えば先に図6に示したように、0番乃至(M−1)番までのM個のパケットフィルタ210−0乃至(M−1)を備えて構成される。これらのパケットフィルタ210−0乃至(M−1)に対しては、トランスポートストリーム(TS)600が入力される。そして、パケットフィルタ210−0乃至(M−1)の各々は、後述するパケットフィルタ条件情報#0乃至#(M−1)の内容に従って、トランスポートストリーム600から所望の種別のデータを格納するトランスポートストリームパケット610を選別する。そのうえで、選別したトランスポートストリームパケット610のペイロード部620に格納されたデータを抽出する。このようにして抽出されたデータのうち、セクション700を形成するものについては、例えばデータが連結されてセクション700の形式に復元されたうえで後段のセクションフィルタ部300に出力されることになる。
また、本発明の実施の形態におけるパケットフィルタ210−0乃至(M−1)の各々は、上記のようにして抽出したセクション700をセクションフィルタ部300に出力する際において、自身についての識別情報であるパケットフィルタ識別子の情報も出力する。なお、パケットフィルタ識別子は、例えば、対応のパケットフィルタ210に付した番号を示す情報とされればよい。
セクションフィルタ部300も、例えば先に図6に示したように、0番乃至(N−1)番までのN個のセクションフィルタ310−0乃至(N−1)を備えて構成される。セクションフィルタ310−0乃至(N−1)は、それぞれ、後述するセクションフィルタ条件情報#0乃至#(M−1)の内容に従って、パケットフィルタ部200から入力したセクション700から所望のセクションデータを抽出する。ここでいうセクションデータとは、図3に示したパケット形式のセクション700のデータ部701に格納されているテーブルまたはメッセージのデータである。このようにしてセクションフィルタ部300から出力されたセクションデータを利用して、例えば先に図1に例示したテーブルまたはメッセージのデータが形成される。また、既に取得しているテーブルまたはメッセージのデータの更新が行われる。
パケットフィルタ条件情報格納部510は、上記したパケットフィルタ条件情報#0乃至#(M−1)を格納する部位である。また、セクションフィルタ条件情報格納部520は、上記したセクションフィルタ条件情報#0乃至#(N−1)を格納する部位である。また、パケットフィルタ接続情報格納部400は、図6に示したように0番乃至(N−1)番ごとに対応するパケットフィルタ接続情報410−0乃至(N−1)を格納する部位である。後述するようにして、セクションフィルタ条件情報#0乃至#(N−1)における一部の情報は、それぞれ、0番乃至(N−1)番のパケットフィルタ接続情報410−1乃至(N−1)が反映されたものとなる。
図8は、パケットフィルタ条件情報格納部510の構造例を示している。この図に示すようにして、パケットフィルタ条件情報格納部510は、#0乃至#(M−1)のパケットフィルタ番号ごとに、パケットフィルタ条件としてのパケット抽出情報#0乃至#(M−1)を格納する構造を有する。パケット抽出情報は、例えば抽出対象とするトランスポートストリームパケットのパケット識別子などからなる。
図9は、セクションフィルタ条件情報格納部520の構造例を示している。この図に示すセクションフィルタ条件情報格納部520は、#0乃至#(N−1)のセクションフィルタ番号ごとに、セクションフィルタ条件情報を対応付けて格納した構造を有する。この場合のセクションフィルタ条件情報の全体としては、セクション抽出情報格納部521およびパケットフィルタ指定情報格納部522から成る。すなわち、セクションフィルタ番号#0乃至(N−1)ごとに対応するセクションフィルタ条件情報#0乃至#(N−1)の各々は、セクション抽出情報#0乃至(N−1)およびパケットフィルタ指定情報#0乃至(N−1)から成る。
セクション抽出情報格納部521におけるセクション抽出情報は、それぞれに対応するセクションフィルタ310が抽出対象とするセクションの種別を示すテーブル識別子を含む。また、対応する番号のセクションフィルタ310が抽出対象とすべきセクション種別におけるバージョン番号を含む。これらのテーブル識別子およびバージョン番号は、先に図2に示したセクションヘッダ710のテーブル識別子711およびバージョン番号714に対応するものとなる。
パケットフィルタ指定情報格納部522におけるパケットフィルタ指定情報は、それぞれが対応するセクションフィルタ310が接続されるべきパケットフィルタの番号(パケットフィルタのフィルタ識別子)を格納する。このパケットフィルタ指定情報格納部522におけるパケットフィルタ指定情報は、同じセクションフィルタ310に対応するパケットフィルタ接続情報410のパケットフィルタ指定情報部411と同じ内容を有するようにして設定される。セクションフィルタ条件情報格納部520は、特許請求の範囲に記載のフィルタ条件情報保持部の一例である。
図10は、上記パケットフィルタ指定情報格納部522におけるパケットフィルタ指定情報の値の設定例を模式的に示している。この図に示すように、パケットフィルタ指定情報格納部522におけるパケットフィルタ指定情報#0乃至#(M−1)は、それぞれ、パケットフィルタ接続情報格納部400におけるパケットフィルタ接続情報410−0乃至(M−1)に対応している。すなわち、本発明の第1の実施の形態においては、同じ番号のセクションフィルタ310ごとに対応して、パケットフィルタ指定情報とパケットフィルタ接続情報410とが対応付けられる。そして、0番のセクションフィルタ310−0に対応するパケットフィルタ指定情報#0に対しては、同じセクションフィルタ310−0に対応するパケットフィルタ接続情報410−0におけるパケットフィルタ指定情報部411が示す値を設定する。同様にして、以降のパケットフィルタ指定情報#1乃至(M−1)に対しても、それぞれ、パケットフィルタ接続情報410−1乃至(M−1)におけるパケットフィルタ指定情報部411が示す値を設定する。
上記のようにして、本発明の実施の形態においては、セクションフィルタ310側に対してパケットフィルタ接続情報410を割り当てることとしている。このことは、パケットフィルタ210側においては接続すべきセクションフィルタを特定しないということを意味する。このために、本発明の実施の形態におけるパケットフィルタ210は、抽出したセクション700をセクションフィルタ部300におけるセクションフィルタ310−0乃至(M−1)の全てに対して出力することとしている。すなわち、パケットフィルタ210は、ブロードキャストによりセクションフィルタ310に対してセクション700を出力する。
図11は、セクション700のブロードキャストに応じた、1つのセクションフィルタ310とパケットフィルタ部200の各パケットフィルタ210との関係を模式的に示している。ここでは、パケットフィルタ部200において0番乃至3番までの4つのパケットフィルタ210−0乃至3を備えるものとしている。この図においては、これら4つのパケットフィルタ210−0乃至3と、セクションフィルタ部300におけるn番目のセクションフィルタ310−nとの関係が示されている。
上述のように、4つのパケットフィルタ210−0乃至3の各々は、それぞれにより抽出したセクション700をブロードキャストにより出力する。また、本発明の実施の形態のパケットフィルタ210は、前述のようにして、セクション700とともにパケットフィルタ識別子を出力するため、パケットフィルタ識別子もセクション700とともにブロードキャストにより出力される。この結果、1つのセクションフィルタ310−nに対しては、図示するようにして、パケットフィルタ部200における各パケットフィルタ210−0乃至3から出力されたセクション700およびパケット識別子が入力される。
セクションフィルタ310−nは、上記のようにして各パケットフィルタ210から出力されるセクション700から抽出対象のセクションを抽出する処理を実行する。このために、セクションフィルタ310−nは、セクションフィルタ条件情報格納部520から読み出したセクションフィルタ条件情報#nと、各パケットフィルタ210からセクション700とともに出力されるパケット識別子とを利用する。
[セクションフィルタの構成例]
図12は、1つのセクションフィルタ310についての構成例を示している。このセクションフィルタ310は、上記図11に示したn番目のセクションフィルタ310−nに対応するものとなる。したがって、セクションフィルタ部300におけるN個のセクションフィルタ310−0乃至(N−1)の各々が、この図12に示すセクションフィルタ310の構成を共通に有するものとなる。
この図に示すセクションフィルタ310は、パケットフィルタ一致判定部311、セクション抽出条件一致判定部312、セクション抽出可否判定部313、データバッファ314、および、セクションデータ抽出部315を備える。
パケットフィルタ一致判定部311は、パケットフィルタ識別子とフィルタ接続情報#nが指定するパケットフィルタ210とが一致しているか否かを判定する部位である。このために、パケットフィルタ一致判定部311は、セクションフィルタ条件情報格納部520から読み出したセクションフィルタ条件情報#nにおけるパケットフィルタ指定情報#nを入力する。また、パケットフィルタ210がセクションフィルタ310−nに対してセクション700とともに出力しているパケットフィルタ識別子を入力する。そして、パケットフィルタ一致判定部311は、入力したパケットフィルタ指定情報#nの値とパケットフィルタ識別子の値とを比較し、両者が一致しているか否かを示す判定結果を出力する。両者が一致していれば、セクションフィルタ310に入力されたセクション700の出力元であるパケットフィルタ210と、パケットフィルタ接続情報#nにより接続対象として指定されているパケットフィルタ210は一致していることになる。これに対して、両者が一致していなければ、セクションフィルタ310に入力されたセクション700の出力元であるパケットフィルタ210は、パケットフィルタ接続情報#nにより指定されているものとは一致しないことになる。
例えば、上記パケットフィルタ一致判定部311により、一致の判定結果が得られたとする。しかし、このことを以て直ちに入力されたセクション700が必要なセクションデータを含むものになるとは限らない。例えば、同じパケット識別子のトランスポートストリームパケット610により送出されるセクションであっても、テーブル識別子711によってその種別がさらに細分化されている場合がある。また、既に取得しているテーブルまたはメッセージについては更新が行われない部分は不要であり、更新された部分のみを抽出し、この抽出したデータを利用してテーブルまたはメッセージのデータを更新していけばよい。
セクション抽出条件一致判定部312は、セクションフィルタ310に入力されたセクション700が、セクション抽出条件を満足するものであるか否かを判別する部位である。すなわち、セクションフィルタ310に入力されたセクション700が抽出すべきセクションデータを含むものであるか否かについて判定する。
このために、セクション抽出条件一致判定部312は、セクションフィルタ条件情報#nにおけるセクション抽出情報#nを入力する。また、セクションフィルタ310に対して、上記パケットフィルタ一致判定部311が入力したパケット識別子と同じ出力先のパケットフィルタ210からのセクション700を入力する。
そして、セクション抽出条件一致判定部312は、入力したセクション700からセクションヘッダ710を取り出す。次に、このセクションヘッダ710に格納される所定の項目とセクション抽出情報#nの内容とを比較する。例えば、セクション抽出情報#nには、抽出対象のセクションデータに対応するテーブル識別子およびバージョン番号の情報が含まれる。セクション抽出条件一致判定部312は、例えばセクションヘッダ710におけるテーブル識別子711およびバージョン番号714の組合せと、セクション抽出情報#nのテーブル識別子およびバージョン番号の組合せとを比較する。そして、両者の組あわせが一致していると判定されれば、セクションフィルタ310に入力されたセクション700はセクション抽出条件を満足していることになる。
セクション抽出可否判定部313は、現在入力されているセクション700からセクションデータを抽出することについての可否を判定する部位である。このために、セクション抽出可否判定部313は、パケットフィルタ一致判定部311とセクション抽出条件一致判定部312の各判定結果を入力する。セクション抽出可否判定部313は、パケットフィルタ一致判定部311とセクション抽出条件一致判定部312の判定結果がともに一致を示している場合に、セクションデータの抽出を行うべきとの判定結果を出力する。これに対して、パケットフィルタ一致判定部311とセクション抽出条件一致判定部312の判定結果の少なくとも何れか一方が不一致であるとの判定結果である場合には、セクションデータの抽出を行うべきではないとの判定結果を出力する。
データバッファ314は、入力されたセクション700のデータを所定時間遅延させて出力する部位である。上記パケットフィルタ一致判定部311、セクション抽出条件一致判定部312、および、セクション抽出可否判定部313による一連の判定処理が終了するまでには一定時間を要する。そこで、データバッファ314は、入力されたセクション700を上記一連の判定処理に要する時間に対応した遅延時間により遅延させて出力する。これにより、次に説明するセクションデータ抽出部315がセクション700を入力するタイミングと、このセクション700に対応したセクション抽出可否判定部313の判定結果を適切なタイミングで入力することができる。
セクションデータ抽出部315は、セクション抽出可否判定部313の判定結果に応じて、データバッファ314から入力されるセクション700からセクションデータを抽出する部位である。例えば、セクションデータ抽出部315は、セクション抽出可否判定部313の判定結果がセクションデータを抽出すべきことを示す場合には、入力されるセクション700のデータ部701に格納されているセクションデータを抽出して出力する。これに対して、セクション抽出可否判定部313の判定結果がセクションデータを抽出すべきではないことを示す場合には、入力されるセクション700を破棄する。
このようなセクションフィルタ310の構成では、パケットフィルタ一致判定部311の判定結果が不一致を示すものである限り、そのときにパケットフィルタ210から入力されるセクション700からのパケットデータの抽出は実行されない。パケットフィルタ一致判定部311の判定結果が一致であることを示し、そのうえで、セクション抽出条件が一致してはじめてセクション700からのパケットデータの抽出が行われる。すなわち、本発明の実施の形態においては、パケットフィルタ一致判定部311の判定処理によって、パケットフィルタ接続情報410が指定するパケットフィルタ210との接続を確立しているといえる。
[セクションフィルタの処理手順例]
図13は、上記図12に示したセクションフィルタ310が実行する処理手順例を示している。この図に示す各ステップの処理は、図12におけるパケットフィルタ一致判定部311、セクション抽出条件一致判定部312、セクション抽出可否判定部313、および、セクションデータ抽出部315の何れかが適宜実行するものとなる。
まず、パケットフィルタ一致判定部311は、パケットフィルタ指定情報#nを入力するとともに(ステップS901)、パケットフィルタ識別子を入力する(ステップS902)。次に、パケットフィルタ一致判定部311は、入力したパケットフィルタ指定情報#nとパケットフィルタ識別子のそれぞれの値を比較し(ステップS903)、両者の値が一致しているか否かについて判定する(ステップS904)。
上記ステップS904において一致していないとの判定結果が得られたということは、図12にて説明したように、セクション抽出可否判定部313によりセクションデータを抽出すべきでないとの判定結果が得られたことにも相当する。そこで、この場合のセクションデータ抽出部315は、入力されたセクション700を破棄する(ステップS910)。
これに対して、ステップS904にて一致したとの判定結果が得られた場合には、まず、入力されたセクション700は、接続関係にあることが指定されたパケットフィルタ210からのものであることになる。そこで、この場合には、セクション抽出条件一致判定部312はセクション抽出情報#nを入力する(ステップS905)。また、これとともに、入力されるセクション700から抽出したセクションヘッダ710における所定項目の情報を取得する(ステップS906)。そして、これらのセクション抽出情報#nの内容とセクションヘッダ710における所定項目の情報内容とを比較し(ステップS907)、両者が一致しているか否かについて判定する(ステップS908)。
上記ステップS908により一致しているとの判定結果が得られた段階では、ステップS904においても既に一致の判定結果が得られている。すなわち、上記ステップS908にて一致の判定結果が得られたということは、セクション抽出可否判定部313によりセクションデータを抽出すべきであるとの判定結果が得られたことに相当する。そこで、この場合のセクションデータ抽出部315は、入力されたセクション700のデータ部701に格納されているセクションデータを抽出して出力する(ステップS909)。
これに対して上記ステップS908により一致していないとの判定結果が得られた場合には、セクション抽出可否判定部313によりセクションデータを抽出すべきではないとn判定結果が得られたことになる。そこで、この場合には、セクションデータ抽出部315は、入力されたセクション700を破棄する(ステップS910)。本発明の第1の実施の形態におけるセクションフィルタ310は、以上の処理を、パケットフィルタ部200のパケットフィルタ210の何れかからセクション700およびパケットフィルタ識別情報が入力されるごとに繰り返し実行する。
このように、本発明の第1の実施の形態によれば、セクションフィルタ300と接続すべきパケットフィルタ200を示すパケットフィルタ接続情報410を、セクションフィルタ300側に対応させている。これにより、まず、パケットフィルタ210とセクションフィルタ310についてはフィルタ接続要件が満たされる。そして、パケットフィルタ210とセクションフィルタ310の増加に応じたビット容量の増加は従来よりも抑制されるが、データフィルタリング装置としての柔軟性や利便性が損なわれることはない。
<2.第2の実施の形態>
[第2の実施の形態の概要]
上記第1の実施の形態において図9に示したセクションフィルタ条件情報格納部520の構造では、1つのセクションフィルタ310が接続可能なパケットフィルタ210の数については1つであることを前提としていた。そこで、本発明の第2の実施の形態としては、1つのセクションフィルタ310が接続可能なパケットフィルタ210の数を2以上とするための構成例について説明する。なお、説明を簡単で分かりやすいものとすることの便宜上、以降においては、セクションフィルタ310が接続可能なパケットフィルタ210の数を2つとした場合について説明する
図14は、第2の実施の形態に対応するセクションフィルタ条件情報格納部520Aの構造例を示している。このセクションフィルタ条件情報格納部520Aにおいては、セクション抽出情報格納部521およびパケットフィルタ指定情報格納部522に対して、さらに、情報対応データ部523が追加される構造を有する。
ここで、セクション抽出情報格納部521が格納するセクション抽出情報の数は、セクションフィルタの総数に対応するものとなる。すなわち、図9と同様に、0番乃至(N−1)番までのN個のセクションフィルタ310ごとに対応するセクション抽出情報#0乃至#(N−1)を格納する。
これに対して、第2の実施の形態におけるパケットフィルタ指定情報格納部522が格納するパケットフィルタ指定情報の最大数は、セクション抽出情報の数よりも多い所定数となる。すなわち、セクション抽出情報格納部521が格納するセクション抽出情報の数をN、パケットフィルタ指定情報格納部522が格納するパケットフィルタ指定情報の最大数をQとすると、(N<Q)の関係が成り立つ。このために、第2の実施の形態においては、セクションフィルタ310に付与する番号(0乃至(N−1))とパケットフィルタ指定情報に付与する番号(0乃至(Q−1))の各々は必ずしも一致しない。
情報対応データ部523は、図示するようにして、N個のセクション抽出情報#0乃至(N−1)と同じ数のビット数を有して形成される。すなわち、情報対応データ部523はNビットのサイズを有し、これはセクションフィルタ数と同じであることになる。情報対応データ部523において0番乃至(Nー1)番のインデックス番号で示される1ビットの各々が、セクションフィルタ抽出情報#0乃至#(Nー1)に対応する。すなわち、0番乃至(Nー1)番のセクションフィルタ310−0乃至(N−1)に対応する。
そして、情報対応データ部523における各ビットには「0」または「1」を設定することになる。例えばインデックス番号#nのビットに「0」が設定されている場合、セクションフィルタ抽出情報#nに対応付けられるパケットフィルタ指定情報は1つであることを示す。これに対して、インデックス番号#nのビットに「1」が設定されている場合、セクションフィルタ抽出情報#nに対応付けられるパケットフィルタ指定情報は2つであることを示す。
次に、セクション抽出情報#0乃至#(N−1)の各々とパケットフィルタ指定情報#0乃至#(Q−1)との対応関係は、次のようにして設定される。すなわち、セクション抽出情報#0乃至#(N−1)の各々に対して、セクション抽出情報#0から順に、1つまたは2つ分のパケットフィルタ指定情報を割り当るようにして対応付けしていくというものである。
具体的に、図14における情報対応データ部523のビット#0には「0」が格納されている。そこで、セクション抽出情報#0に対しては、パケットフィルタ指定情報#0を1つ対応付ける。次に、情報対応データ部523のビット#1には「1」が格納されている。そこで、セクション抽出情報#1に対しては、パケットフィルタ指定情報#0に続く2つのパケットフィルタ指定情報#1および#2を対応付ける。以降、同様にして、セクション抽出情報に対応する情報対応データ部523のビットの値に応じて、1つまたは2つのパケットフィルタ指定情報を、その番号の昇順に従って順次割り当てるようにして対応付けていく。なお、このような対応付けを行う場合には、パケットフィルタ210に接続されないセクションフィルタ310は存在しないことが前提になる。
図15は、第2の実施の形態に対応するパケットフィルタ指定情報格納部522におけるパケットフィルタ指定情報#0乃至#(Q−1)ごとの値の設定例を模式的に示している。なお、この図における設定例は、上記図14に例示したセクション抽出情報#0乃至(N−1)とパケットフィルタ指定情報#0乃至#(Q−1)との関係設定結果に対応したものを示している。
この場合、セクションフィルタ310−0は1つのパケットフィルタ210と接続すべきこととなっている。これに応じて、セクションフィルタ310−0に対応するパケットフィルタ接続情報410−0は1つのパケットフィルタ指定情報部411を有するようにして形成される。そして、パケットフィルタ指定情報#0には、パケットフィルタ接続情報410−0における1つのパケットフィルタ指定情報部411が格納する値を設定する。
次に、セクションフィルタ310−1は2つのパケットフィルタ210と接続すべきこととなっている。これに応じて、パケットフィルタ接続情報410−1は2つのパケットフィルタ指定情報部411−1および411−2を有するようにして形成される。そして、パケットフィルタ指定情報#0に続くパケットフィルタ指定情報#1に対して、まず、パケットフィルタ接続情報410−1におけるパケットフィルタ指定情報部411−1が格納する値を設定する。次いで、パケットフィルタ指定情報#2に対して、パケットフィルタ接続情報410−1におけるパケットフィルタ指定情報部411−2が格納する値を設定する。以降、同様にして、パケットフィルタ指定情報#3乃至#(Q−1)に対して、順次、パケットフィルタ接続情報410−3乃至(N−1)における1または2のパケットフィルタ指定情報部411が格納する値を格納していく。
ここで、情報対応データ部523を用いることなく、1つのセクションフィルタ310に対して2つのパケットフィルタ210を接続可能に構成することを想定してみる。この場合には、例えばパケットフィルタ指定情報格納部522において、(N×2)個のパケットフィルタ指定情報を用意して格納する。これら(N×2)個のパケットフィルタ指定情報は、例えば1つのセクション抽出情報に対して予め2つずつ対応付けが行われている。そのうえで、実際に得るべきパケットフィルタ210とセクションフィルタ310の接続関係に対応させて、各々のパケットフィルタ指定情報に接続対象のパケットフィルタ210の番号の値を設定するというものになる。
この場合、セクション抽出情報格納部521が格納するセクション抽出情報の数Nに対して、パケットフィルタ指定情報格納部522が格納するパケットフィルタ指定情報の数Qは、最大で2倍となる。ただし、例えば図14に示したセクションフィルタ条件情報格納部520Aの形式では、或る限定された数のセクションフィルタ310を2つのパケットフィルタ210に接続可能な仕様を前提としている。このような場合、パケットフィルタ指定情報として必要な数(Q)は、セクション抽出情報の数(N)の2倍未満であることになる。しかし、情報対応データ部523を用いない構成では、必ず、パケットフィルタ指定情報としてセクション抽出情報の数の2倍を常に確保しておく必要がある。すなわち、上記の仕様の下では、パケットフィルタ指定情報の数を過剰に確保することになってしまう。また、本発明の実施の形態の場合、パケットフィルタ接続情報410におけるパケットフィルタ指定情報部411は、パケットフィルタ指定情報と同数となる。このため、パケットフィルタ接続情報410としても、セクション抽出情報の数の2倍を確保することになってしまう。
これに対して、図14に示した本発明の第2の実施の形態としてのセクションフィルタ条件情報格納部520Aの構造であれば、パケットフィルタ指定情報およびパケットフィルタ接続情報410については実際に必要とされる数を確保すればよいことになる。これにより、セクションフィルタ条件情報格納部520Aとして必要なデータサイズ、およびパケットフィルタ接続情報格納部400のために必要なデータサイズを縮小できる。また、全てのセクションフィルタ310が2つのパケットフィルタ210と接続可能な仕様であるとしても、パケットフィルタ接続情報410全体としてのビット容量は下記のようになる。すなわち、パケットフィルタ210とセクションフィルタ310の数をそれぞれMとして、(N×log2M×2)で表されるものとなる。例えば、このビット容量を従来技術の場合と比較したとしても、本発明の実施の形態ではビット容量の増加は依然として抑制されているといえる。
[セクションフィルタの処理手順例]
図16は、第2の実施の形態に対応してセクションフィルタ310が実行する処理手順例を示している。なお、ここでの図16に示す処理に対応するセクションフィルタ310は、先に図12に示したのと同様の構成であることを前提とする。
第2の実施の形態の場合には、まず、パケットフィルタ一致判定部311は、セクションフィルタ条件情報格納部520Aのパケットフィルタ指定情報格納部522から入力対象のパケットフィルタ指定情報が何れであるのか判定する(ステップS911)。入力対象のパケットフィルタ指定情報とは、このn番目となるセクションフィルタ310に対応付けられている1または2のパケットフィルタ指定情報となる。
このために、パケットフィルタ一致判定部311は、例えば情報対応データ部523におけるインデックス番号#nのビット値を参照する。そして、例えばまず、参照したビット値「0」と「1」の何れであるのかに基づき、入力対象のパケットフィルタ指定情報が1つまたは2つの何れであるのかについて判定する。次に、例えばインデックス番号#0乃至#nまでのビット値を利用した演算によって、入力対象のパケットフィルタ指定情報が何番であるのかを判定する。ここでは、入力対象のパケットフィルタ指定情報の1つ目の番号をqとする。ここで入力対象のパケットフィルタ指定情報が2つである場合には、パケットフィルタ一致判定部311は、パケットフィルタ指定情報#qおよび#(q+1)の2つが入力対象であると判定することになる。
上記の判定結果にしたがって、パケットフィルタ一致判定部311は、下記の処理を実行する。すなわち、セクションフィルタ条件情報格納部520Aのパケットフィルタ指定情報格納部522から、入力対象として判定した1または2のパケットフィルタ指定情報を読み出して入力する(ステップS901A)。また、これとともに、パケットフィルタ識別子を入力する(ステップS902)。
次に、パケットフィルタ一致判定部311は、パケットフィルタ指定情報#qとパケットフィルタ識別子のそれぞれの値を比較し(ステップS903A)、両者の値が一致しているか否かについて判定する(ステップS904)。なお、ステップS901Aにより入力したパケットフィルタ指定情報が2つの場合、ステップS903Aにおいては、まず、番号が小さい方のパケットフィルタ指定情報を比較対象とすることになる。
上記ステップS904にて一致していないと判定された場合には、未だ比較を行っていないパケットフィルタ指定情報が残っているか否かについて判定する(ステップS912)。ここで、入力したパケットフィルタ指定情報が1つであった場合には、ステップS912にて残りは無いと判定される。この場合には、セクションデータ抽出部315は、入力されたセクション700を破棄する(ステップS910)。
これに対して、入力したパケットフィルタ指定情報が2つであった場合には、ステップS912にて残りが有ると判定される。この判定結果に応じては、パケットフィルタ一致判定部311は、2番目のパケットフィルタ指定情報#q+1とパケットフィルタ識別子の値を比較し(ステップS913)、両者の値が一致しているか否かについて判定する(ステップS914)。
上記ステップS914にて一致していないと判定された場合には、セクション700の出力元のパケットフィルタ210は、指定パケットフィルタ指定情報#qおよび#q+1の何れによっても示されていないものであることになる。そこで、この場合のセクションデータ抽出部315は、入力されたセクション700を破棄する(ステップS910)。
これに対して、上記ステップS914またはステップS904において一致しているとの判定結果が得られた場合には、ステップS905以降の処理が実行される。ステップS905乃至ステップS910の処理は、先の図13における説明と同様となる。
なお、上記第2の実施の形態の説明においては、1つのセクションフィルタ310が最大2つのパケットフィルタ210に接続可能な例について説明しているが、3以上のパケットフィルタ210に接続可能なようにして構成することも可能である。このためには、図14に示した情報対応データ部523におけるインデックス番号ごとに、接続可能なパケットフィルタ210の最大数を表現可能なだけのビット数を設定すればよい。例えば、最大で8個接続するのであれば、インデックス番号ごとに3ビットを設けることとすればよい。
このように、本発明の第2の実施の形態によれば、セクションフィルタ条件情報格納部520Aにおいて情報対応データ部523が追加される。これにより、1つのセクションフィルタ310に対して複数のパケットフィルタ210を接続させてセクションデータのフィルタリングを行うことが可能になる。
<3.本発明の実施の形態が具現化される機器の構成例>
これまでに説明した本発明の第1の実施の形態または第2の実施の形態としてのデータフィルタリング装置は、例えばデジタル放送を受信する各種機器により具現化できる。そこで、本発明の実施の形態のデータフィルタリング装置の構成が具現化される機器の一例として、テレビジョン受像機について説明する。
図17は、本発明の実施の形態におけるデータフィルタリング装置が適用されるテレビジョン受像機の構成例を示している。この図に示すテレビジョン受像機100は、チューナ部101、復調部102、デスクランブラ部103、パケットフィルタ部200、セクションフィルタ部300、および、映像音声分離部104を備える。また、映像デコーダ部105、映像モニタ部106、音声デコーダ部107、音声モニタ部108、操作部109、メインコントローラ部110、および、メモリ部120を備える。テレビジョン受像機100にはアンテナ140が接続されている。
アンテナ140は、放送電波を受信する。チューナ部101は、アンテナ140にて電波を受信したことにより発生する受信信号を入力して、例えばメインコントローラ部110により設定される選局情報に基づいて、指定されたデジタル放送のチャンネルに対応する周波数信号を抽出する部位である。チューナ部101は、例えば抽出した周波数信号をベースバンド信号に変換して復調部102に対して出力する。
復調部102は、例えばメインコントローラ部110により設定される復調制御情報により、チューナ部101から入力したベースバンド信号について、例えばビタビ復調処理や誤り訂正処理などの復調処理を施す部位である。この復調処理によって、指定されたチャンネル(プログラム)のデータを含むトランスポートストリーム(TS)600の信号が得られる。
例えば復調部102から出力されるトランスポートストリーム600には暗号化が施されている。デスクランブラ部103は、例えばメインコントローラ部110により設定される限定受信情報に基づいて、トランスポートストリーム600の暗号化を解除する部位である。デスクランブラ部103にて暗号化が解除されたトランスポートストリームは、パケットフィルタ部200に対して出力される。
パケットフィルタ部200は、メインコントローラ部110により設定されるパケットフィルタ条件に基づいて、入力されたトランスポートストリーム600から所望のトランスポートストリームパケット610に格納されるデータを抽出する部位である。この場合、パケットフィルタ部200は、抽出したデータがセクション700である場合には、その抽出したデータをセクションフィルタ部300に出力する。また、抽出したデータがパケット化エレメンタリストリーム(PES)などの形式による映像、音声である場合には、映像音声分離部104に出力する。
セクションフィルタ部300は、パケットフィルタ部200からのセクション700を入力して、メインコントローラ部110が設定したセクションフィルタ条件に基づいて所望のセクションデータを抽出する部位である。抽出されたセクションデータは、例えばデータバス130経由でメモリ部120に転送される。この場合、データバス130には、上記セクションフィルタ部300およびメモリ部120の他、映像音声分離部104、メインコントローラ部110、パケットフィルタ部200、映像デコーダ部105、および、音声デコーダ部107が接続されている。
例えば図6および図7などに示したパケットフィルタ部200およびセクションフィルタ部300の構成が、それぞれ、この図12におけるパケットフィルタ部200およびセクションフィルタ部300として実装されている。
映像音声分離部104は、パケットフィルタ部200から入力されるパケット化エレメンタリストリーム(PES)を解析して、そのペイロード部から映像データと音声データとを分離して抽出する部位である。抽出した映像データと音声データは、例えばメモリ部120に転送する。また、映像音声分離部104は、例えばパケット化エレメンタリストリームのヘッダ部に格納されるタイムスタンプなどの同期制御情報も抽出してメモリ部120に転送する。
映像デコーダ部105は、メインコントローラ部110により設定される映像復号設定情報に基づいて、メモリ部120にて保持されている映像データに対する復号処理を実行する部位である。ここでの復号処理としては、例えば圧縮符号化に対する伸長処理などとなる。映像デコーダ部105により復号して得られた映像信号は、映像モニタ部106に供給されて画像として表示される。
また、音声デコーダ部107は、メインコントローラ部110により設定される音声復号設定情報に基づいて、メモリ部120にて保持されている音声データに対する復号処理を実行する部位である。ここでの復号処理としても、例えば圧縮符号化に対する伸長処理などとなる。音声デコーダ部107により復号して得られた音声信号は、音声モニタ部108に供給されて例えば音として再生出力される。
ここで、映像デコーダ部105と音声デコーダ部107は、それぞれ、メモリ部120に保持されている同期制御情報を入力して、この同期制御情報に従ったタイミングで復号処理後の映像信号と音声信号を出力する。これにより、映像と音声の同期が図られた状態で再生出力が行われることになる。
メモリ部120は、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)などにより構成され、上記した映像データ、音声データおよびセクションデータなどをはじめ、適宜、所要のデータを保持する部位である。また、例えばメモリ部120は、後述するメインコントローラ部110が処理を実行する際の作業領域としても利用される。
メインコントローラ部110は、例えばCPU(Central Processing Unit)およびその周辺記憶装置などを備えて構成され、テレビジョン受像機100における各部を制御する部位である。また、セクションデータに対応しては以下の処理を実行する。すなわち、メインコントローラ部110は、メモリ部120に保持されたセクションデータを解析して、選局情報、復調制御情報、限定受信情報、ダウンロード情報、および、データ放送コンテンツなどを生成する。例えば選局情報、復調制御情報、限定受信情報などは、先に述べたようにして、チューナ部101、復調部102、およびデスクランブラ部103などに対して設定する。また、ダウンロード情報は、例えばここでは図示しない補助記憶装置などに記憶される。また、データ放送コンテンツは、例えば映像デコーダ部105および音声デコーダ部107などによって、映像信号および音声信号などに合成されて再生出力される。
操作部109は、テレビジョン受像機100の本体に備えられる各種の操作子およびこれらの操作子に対して行われた操作に応じた操作信号を生成してメインコントローラ部110に出力する操作信号出力部などを一括して示している。また、例えばテレビジョン受像機100に対応するリモートコントロール装置と、このリモートコントロール装置からのコマンド信号を受信して操作信号に変換して出力するテレビジョン受像機100内の受信部なども、この操作部109に含まれる。メインコントローラ部110は、操作部109から入力された操作信号に応じた所要の制御、処理を実行する。
この図17に示す構成においては、セクションデータのフィルタリングは例えば次のようにして実行される。まず、メインコントローラ部110は、現在において必要なセクションデータに応じて、セクションフィルタ310ごとに対応するパケットフィルタ接続情報410におけるパケットフィルタ指定情報部411の値を設定する。例えばこのパケットフィルタ接続情報410は、メモリ部120に保持される。または、図示は省略するが、メインコントローラ部110におけるCPUが備えるSRAMなどに保持させておくこととしてもよい。または、メインコントローラ部110に接続したレジスタなどの回路により保持させておくことも考えられる。すなわち、テレビジョン受像機100において、パケットフィルタ接続情報格納部400は、例えば上記のメモリ部120をはじめ、メインコントローラ部110周辺のSRAMやレジスタなどが相当する。
そのうえで、メインコントローラ部110は、所望のセクション700の種別に対応するパケット識別子などを利用してパケット抽出情報を生成する。そして、このようにして生成したパケット抽出情報を、例えば、他の映像音声のデータ(PES)を抽出するために生成されたパケット抽出情報などとともにパケットフィルタ条件情報格納部510に格納してメモリ部120に保持させる。このようにしてパケット抽出情報(パケットフィルタ条件情報)をメモリ部120に保持させる処理が、パケットフィルタ210に対してパケットフィルタ条件を設定することに相当する。また、この場合のパケットフィルタ条件情報格納部510は、例えばメモリ部120において備えられるものとなる。
また、メインコントローラ部110は、所望のセクションデータごとに対応するテーブル識別子やバージョン番号などの情報を利用してセクション抽出情報#0乃至#(N−1)を生成する。また、パケットフィルタ接続情報410−0乃至(N−1)に基づいて、生成したセクション抽出情報#0乃至#(N−1)ごとに、パケットフィルタ指定情報#0乃至#(N−1)を生成して対応付ける。これにより、図9のセクションフィルタ条件情報が得られることになる。メインコントローラ部110は、このようにして生成したセクションフィルタ310ごとのセクションフィルタ条件情報データを、メモリ部120に保持させる。この処理が、セクションフィルタ310に対してセクションフィルタ条件を設定する処理に相当する。また、セクションフィルタ条件情報格納部520は、メモリ部120において備えられるものとなる。
パケットフィルタ部200における0番乃至(M−1)番のパケットフィルタ210−0乃至(M−1)は、それぞれ、メモリ部120にアクセスして、ここに保持されているパケット抽出情報#0乃至#(M−1)を読み出して入力する。そして、入力したパケット抽出情報に一致する条件のトランスポートストリームパケット610を選別して、そのペイロード部620に格納されているデータを抽出する。
また、セクションフィルタ部300における0番乃至(N−1)番のセクションフィルタ310−0乃至(N−1)の各々も、メモリ部120に保持されているセクションフィルタ条件情報#0乃至#(N−1)を読み出して入力する。そして、セクションフィルタ条件情報におけるセクション抽出情報およびパケットフィルタ指定情報を利用して、例えば図12にて説明したようにしてセクションデータを抽出する。
上記したテレビジョン受像機100の動作によれば、メインコントローラ部110は、フィルタ条件の設定処理として、パケットフィルタ条件情報およびセクションフィルタ条件情報をメモリ部120に保持させることとしている。そして、パケットフィルタ部200とセクションフィルタ部300は、メモリ部120にアクセスしてフィルタ条件情報を入力するようにされている。
これに対して、テレビジョン受像機100においては、例えば次のようなフィルタ条件の設定処理としてもよい。すなわち、メインコントローラ部110が、生成したパケットフィルタ条件情報およびセクションフィルタ条件情報をパケットフィルタ部200とセクションフィルタ部300に対して入力させるという処理である。ただし、この処理の場合には、メインコントローラ部110の処理が重くなる。そこで、上記したように、パケットフィルタ部200およびセクションフィルタ部300が、メインコントローラ部110を経由することなく、メモリ部120のパケットフィルタ条件情報およびセクションフィルタ条件情報にアクセスすることとしている。これにより、例えばメインコントローラ部110の処理負担が軽減される。
また、上記図17によるテレビジョン受像機100についての説明では、テレビジョン受像機100において、パケットフィルタ条件情報およびセクションフィルタ条件情報を、メモリ部120に保持させることとしている。すなわち、映像、音声、および、セクションなどのデータを保持するための記憶装置の一部記憶領域にパケットフィルタ条件情報およびセクションフィルタ条件情報を保持させている。パケットフィルタ条件情報およびセクションフィルタ条件情報を保持させておくための部位としてはメモリ部120以外であってもよい。例えば、メモリ部120とは別にパケットフィルタ条件情報およびセクションフィルタ条件情報のためのメモリを設けることとして、このメモリに対して保持させておくようにしてもよい。また、パケットフィルタ部200およびセクションフィルタ部300内のそれぞれにメモリを設けて、このメモリに対して保持させておくようにしてもよい。
このようにして、図17に示される構成のテレビジョン受像機100においては、先の第1または第2の実施の形態のデータフィルタリング装置によって、受信したデジタル放送からセクションデータを抽出して取得することができる。
また、本発明は、テレビジョン受像機100のほか、例えばデジタル放送チューナといわれる受信装置をはじめ、デジタル放送受信機能を有する機器全般により具現化することができる。また、デジタル放送受信機能を有さなくとも、トランスポートストリームに相当する信号を入力可能な機器全般により具現化することができる。
また、本発明の実施の形態は本発明を具現化するための一例を示したものであり、本発明の実施の形態において明示したように、本発明の実施の形態における事項と、特許請求の範囲における発明特定事項とはそれぞれ対応関係を有する。同様に、特許請求の範囲における発明特定事項と、これと同一名称を付した本発明の実施の形態における事項とはそれぞれ対応関係を有する。ただし、本発明は実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において実施の形態に種々の変形を施すことにより具現化することができる。
また、本発明の実施の形態において説明した処理手順は、これら一連の手順を有する方法として捉えてもよく、また、これら一連の手順をコンピュータに実行させるためのプログラム乃至そのプログラムを記憶する記録媒体として捉えてもよい。この記録媒体として、例えば、CD(Compact Disc)、MD(MiniDisc)、DVD(Digital Versatile Disk)、メモリカード、ブルーレイディスク(Blu-ray Disc(登録商標))等を用いることができる。