JP2011250163A - 中継装置の経路試験システムおよび経路試験方法 - Google Patents

中継装置の経路試験システムおよび経路試験方法 Download PDF

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裕紀 樋口
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Abstract

【課題】中継装置において、アイソレーションを考慮した通信経路の自己検査を行う。
【解決手段】中継装置10は、疑似信号の送信電力を設定する送信電力制御部42と、設定された送信電力でドナーアンテナ21およびサービスアンテナ31の一方(送信アンテナ)から疑似信号を送信させる疑似信号供給部43と、送信された疑似信号をその他方(受信アンテナ)に受信させる疑似信号取得部45と、疑似信号の受信電力を取得する受信電力取得部44と、設定された送信電力と取得された受信電力とがアイソレーションに係る所定の条件を満たすか否かを判定する第1判定部46による判定結果と、送信された疑似信号と受信された疑似信号との同一性を判定する第2判定部47よる判定結果と、に基づいて、送信アンテナから受信アンテナに送信される疑似信号の伝送経路が正常であるか否かを推定する経路状態推定部48と、を含む。
【選択図】図2

Description

本発明は、中継装置の経路試験システムおよびその経路試験方法に関する。
基地局が通信経路を自己検査する方法として、ループバックテストが知られている。ループバックテストによれば、送信経路(ダウンリンク)から送信された疑似信号を自局の受信経路(アップリンク)で受信し、送信した疑似信号と受信した疑似信号とを比較することで通信経路の異常の有無を判別することができる。
たとえば、図5に示すように、送信アンテナと受信アンテナとを備える基地局では、送信アンテナからの無線出力を受信アンテナで取り込むことによりループバックテストを行うことができる。
一方、図6に示すように、スイッチの切り替えによって送信アンテナおよび受信アンテナのいずれかとして選択的に用いられるアンテナを複数備える基地局では、一方のアンテナからの無線出力を他方のアンテナで取り込むことによりループバックテストを行うことができる。
特開平10−107744号公報
ところで、図7に示すように、たとえば基地局(第1通信装置の一例)と移動局(第2通信装置の一例)との間の通信を中継する中継装置(リピータ)は、基地局と無線通信を行うドナー部と、移動局と無線通信を行うサービス部と、を備えている。また、ドナー部を構成するドナーアンテナとサービス部を構成するサービスアンテナとの相互干渉を極力避けるため、両アンテナの間には一定のアイソレーションが確保されている。両アンテナの間にアイソレーションを確保するための方策としては、ドナーアンテナとサービスアンテナとの空間的距離を離すこと、両アンテナの間に反射板を配置すること、などがある。
このように、中継装置では、対第1通信装置用のアンテナと対第2通信装置用のアンテナとのアイソレーションが確保されているため、上記従来の基地局で行われているループバックテストと同様の方法では、通信経路の自己検査を正確に行うことができない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、対第1通信装置用のアンテナと対第2通信装置用のアンテナとの間に確保されるアイソレーションを考慮した通信経路の自己検査を行うことができる中継装置の経路試験システムおよび経路試験方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る中継装置の経路試験システムは、対第1通信装置用のアンテナと対第2通信装置用のアンテナとを備え、前記第1通信装置と前記第2通信装置との間の通信を中継する中継装置の経路試験システムであって、疑似信号の送信電力を設定する送信電力制御手段と、前記送信電力制御手段により設定された送信電力で前記アンテナの一方から疑似信号を送信させるともに、該送信された疑似信号を前記アンテナの他方に受信させる疑似信号伝送手段と、前記アンテナの他方で受信された疑似信号の受信電力を取得する受信電力取得手段と、前記送信電力制御手段により設定された送信電力と前記受信電力取得手段により取得された受信電力とがアイソレーションに係る所定の条件を満たすか否かを判定する第1判定手段と、前記アンテナの一方から送信された疑似信号と前記アンテナの他方で受信された疑似信号との同一性を判定する第2判定手段と、前記第1判定手段よる判定結果と前記第2判定手段よる判定結果とに基づいて、前記アンテナの一方から他方に送信される疑似信号の伝送経路が正常であるか否かを推定する推定手段と、を含むことを特徴とする。
本発明では、対第1通信装置用のアンテナおよび対第2通信装置用のアンテナの一方から送信された疑似信号とその他方で受信された疑似信号との同一性について判定した結果だけでなく、疑似信号の送信電力と受信電力とがアイソレーションに係る所定の条件を満たすか否かについて判定した結果にさらに基づいて、疑似信号の伝送経路が正常であるか否かを推定する。
このため、本発明によれば、対第1通信装置用のアンテナと対第2通信装置用のアンテナとの間に確保されるアイソレーションを考慮した通信経路の自己検査を行うことができる。
また、本発明の一態様では、前記推定手段は、前記第1判定手段により前記アイソレーションに係る所定の条件が満たされると判定され、さらに前記第2判定手段により前記疑似信号の間に同一性があると判定された場合に、前記疑似信号の伝送経路が正常または準正常であると推定する。
また、本発明の一態様では、前記送信電力制御手段は、前記第2判定手段により前記疑似信号の間に同一性がないと判定された場合に、予め定められた送信電力の上限値以下の範囲で前記疑似信号の送信電力を所定値だけ増加させ、前記疑似信号伝送手段は、前記送信電力制御手段により増加された送信電力で前記アンテナの一方から疑似信号を送信させるともに、該送信された疑似信号を前記アンテナの他方に受信させる。
また、本発明の一態様では、前記推定手段は、前記送信電力制御手段が前記疑似信号の送信電力を増加させる前に、前記第1判定手段により前記アイソレーションに係る所定の条件が満たされると判定され、さらに前記第2判定手段により前記疑似信号の間に同一性があると判定された場合には、前記疑似信号の伝送経路が正常であると推定する。
また、本発明の一態様では、前記推定手段は、前記送信電力制御手段が前記疑似信号の送信電力を増加させた後に、前記第1判定手段により前記アイソレーションに係る所定の条件が満たされると判定され、さらに前記第2判定手段により前記疑似信号の間に同一性があると判定された場合には、前記疑似信号の伝送経路が準正常であると推定する。
また、本発明の一態様では、前記推定手段は、前記第1判定手段により前記アイソレーションに係る所定の条件が満たされないと判定された場合に、前記疑似信号の伝送経路に異常があると推定する。
また、本発明に係る中継装置の経路試験方法は対第1通信装置用のアンテナと対第2通信装置用のアンテナとを備え、前記第1通信装置と前記第2通信装置との間の通信を中継する中継装置の経路試験方法であって、疑似信号の送信電力を設定するステップと、前記設定された送信電力で前記アンテナの一方から疑似信号を送信させるともに、該送信された疑似信号を前記アンテナの他方に受信させるステップと、前記アンテナの他方で受信された疑似信号の受信電力を取得するステップと、前記設定された送信電力と前記取得された受信電力とがアイソレーションに係る所定の条件を満たすか否かを判定する第1判定ステップと、前記アンテナの一方から送信された疑似信号と前記アンテナの他方で受信された疑似信号との同一性を判定する第2判定ステップと、前記第1判定ステップにおける判定結果と前記第2判定ステップにおける判定結果とに基づいて、前記アンテナの一方から他方に送信される疑似信号の伝送経路が正常であるか否かを推定するステップと、を含むことを特徴とする。
本発明の実施形態に係る中継装置の構成を示す図である。 本実施形態に係る経路試験部の機能ブロック図である。 本実施形態に係る中継装置の経路試験処理の一例を示すフロー図である。 本実施形態に係る中継装置の経路試験処理の一例を示すフロー図である。 基地局の構成の一例を示す図である。 基地局の構成の他の例を示す図である。 中継装置の構成の一例を示す図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明の実施形態に係る中継装置10は、基地局からの電波が直接届きにくい場所(たとえば屋内や地下街など)に設置され、基地局と移動局との間の通信を中継する。
図1は、中継装置10の構成を示す図である。図1に示すように、中継装置10は、基地局(第1通信装置の一例)と無線通信を行うドナー部20と、移動局(第2通信装置の一例)と無線通信を行うサービス部30と、を含んで構成される。
ドナー部20には、ドナーアンテナ21と、スイッチ22と、送信部23と、受信部24と、制御部25と、が含まれる。
ドナーアンテナ21は、対基地局用のアンテナであり、スイッチ22を介して送信部23および受信部24のいずれかと選択的に接続される。ドナーアンテナ21が送信部23に接続されているとき、ドナーアンテナ21は、送信部23から供給される無線信号を基地局に対して送信する。一方、ドナーアンテナ21が受信部24に接続されているとき、ドナーアンテナ21は、基地局から送信される無線信号を受信し、受信された無線信号を受信部24に出力する。
スイッチ22は、ドナーアンテナ21に送信部23および受信部24のいずれかを選択的に接続するものである。
送信部23は、電力増幅器、周波数変換器、帯域通過フィルタ、およびD/A変換器を含んで構成される。送信部23は、制御部25から入力されるデジタル信号を、アナログ信号に変換した後、無線信号にアップコンバートし、電力増幅器で送信出力レベルまで増幅してから、スイッチ22を介してドナーアンテナ21に供給する。
受信部24は、低雑音増幅器、周波数変換器、帯域通過フィルタ、およびA/D変換器を含んで構成される。受信部24は、スイッチ22を介してドナーアンテナ21から入力される無線信号を、低雑音増幅器で増幅した後、中間周波数信号にダウンコンバートし、さらにデジタル信号に変換してから、制御部25に出力する。
制御部25は、たとえばCPUおよびCPUの動作を制御するプログラムで構成される。本実施形態では、制御部25が、後述する経路試験部40の一部として動作する。
また、サービス部30にも同様に、サービスアンテナ31と、スイッチ32と、送信部33と、受信部34と、制御部35と、が含まれる。
サービスアンテナ31は、対移動局用のアンテナであり、スイッチ32を介して送信部33および受信部34のいずれかと選択的に接続される。サービスアンテナ31が送信部33に接続されているとき、サービスアンテナ31は、送信部33から供給される無線信号を移動局に対して送信する。一方、サービスアンテナ31が受信部34に接続されているとき、サービスアンテナ31は、移動局から送信される無線信号を受信し、受信された無線信号を受信部34に出力する。
スイッチ32は、サービスアンテナ31に送信部33および受信部34のいずれかを選択的に接続するものである。
送信部33は、電力増幅器、周波数変換器、帯域通過フィルタ、およびD/A変換器を含んで構成される。送信部33は、制御部35から入力されるデジタル信号を、アナログ信号に変換した後、無線信号にアップコンバートし、電力増幅器で送信出力レベルまで増幅してから、スイッチ32を介してサービスアンテナ31に供給する。
受信部34は、低雑音増幅器、周波数変換器、帯域通過フィルタ、およびA/D変換器を含んで構成される。受信部34は、スイッチ32を介してサービスアンテナ31から入力される無線信号を、低雑音増幅器で増幅した後、中間周波数信号にダウンコンバートし、さらにデジタル信号に変換してから、制御部35に出力する。
制御部35は、たとえばCPUおよびCPUの動作を制御するプログラムで構成される。本実施形態では、制御部35が、後述する経路試験部40の一部として動作する。
なお、ドナーアンテナ21とサービスアンテナ31との間には、相互干渉を極力避けるために、一定のアイソレーションが確保される。このため、中継装置10では、上記従来の基地局で行われているループバックテストと同様の方法では、通信経路の自己検査を正確に行うことができない。つまり、単に、送信経路(ダウンリンク)から送信された疑似信号を自装置の受信経路(アップリンク)で受信し、送信した疑似信号と受信した疑似信号とを比較することで通信経路の異常の有無を正確に判別することは難しい。
この点、中継装置10の経路試験では、制御部25および制御部35の少なくとも一方(ここでは双方とする)により実現される経路試験部40が、ドナーアンテナ21およびサービスアンテナ31の一方から送信された疑似信号とその他方で受信された疑似信号との同一性について判定した結果だけでなく、疑似信号の送信電力と受信電力とがアイソレーションに係る所定の条件を満たすか否かについて判定した結果にさらに基づいて、通信経路(疑似信号の伝送経路)が正常であるか否かを推定する。このため、ドナーアンテナ21とサービスアンテナ31との間に確保されるアイソレーションを考慮した通信経路の自己検査を行うことができる。
以下では、上記経路試験処理を実現するために経路試験部40が備える機能的構成について具体的に説明する。
図2は、経路試験部40の機能ブロック図である。図2に示すように、経路試験部40は、伝送経路設定部41、送信電力制御部42、疑似信号供給部43、受信電力取得部44、疑似信号取得部45、第1判定部46、第2判定部47、および経路状態推定部48を含んで構成される。
伝送経路設定部41は、経路試験において送受される疑似信号の伝送経路を設定する。具体的には、伝送経路設定部41が、ドナーアンテナ21およびサービスアンテナ31の一方を送信アンテナ、他方を受信アンテナとして設定する。そして、ドナーアンテナ21が送信アンテナ、サービスアンテナ31が受信アンテナとして設定された場合、疑似信号の伝送経路は、経路試験部40を起点として、送信部23、スイッチ22、ドナーアンテナ21(ここまでが送信経路)、サービスアンテナ31、スイッチ32、受信部34(ここまでが受信経路)を順次通過し、最後に経路試験部40に帰還する経路となる。逆に、サービスアンテナ31が送信アンテナ、ドナーアンテナ21が受信アンテナとして設定された場合、疑似信号の伝送経路は、経路試験部40を起点として、送信部33、スイッチ32、サービスアンテナ31(ここまでが送信経路)、ドナーアンテナ21、スイッチ22、受信部24(ここまでが受信経路)を順次通過し、最後に経路試験部40に帰還する経路となる。
送信電力制御部42は、伝送経路設定部41が設定した送信アンテナ(ドナーアンテナ21およびサービスアンテナ31の一方)から送信される疑似信号の送信電力を設定する。具体的には、まず、初回に送信されれる疑似信号の送信電力として、予め定められた送信電力の基準値(たとえば送信アンテナから送信される無線信号の基準送信電力)が設定される。そして、後述する第2判定部47によって疑似信号の間に同一性がない判定された場合に送信される疑似信号の送信電力には、その送信回数に応じて送信電力が増加するよう、予め定められた送信電力の上限値(定格値)以下の範囲で疑似信号の送信回数に応じた値が設定される。
疑似信号供給部43は、疑似信号を生成し、生成された疑似信号を伝送経路設定部41が設定した送信アンテナ(ドナーアンテナ21およびサービスアンテナ31の一方)に接続された送信部(送信部23または送信部33)に供給する。そして、疑似信号供給部43は、その疑似信号を送信電力制御部42が設定した送信電力で送信アンテナから送信させる。なお、疑似信号は、予め定められた既知の信号でもよいし、所定のアルゴリズムに従って生成される信号でもよいし、ランダムに生成される信号であってもよいが、実際に送信される通信信号に近い特性を有する信号である方が望ましい。
受信電力取得部44は、伝送経路設定部41が設定した受信アンテナ(ドナーアンテナ21およびサービスアンテナ31の他方)で受信された疑似信号の受信電力をその受信アンテナに接続された受信部(受信部24または受信部34)から取得する。
疑似信号取得部45は、送信アンテナ(ドナーアンテナ21およびサービスアンテナ31の一方)から送信された疑似信号を受信アンテナ(ドナーアンテナ21およびサービスアンテナ31の他方)に受信させる。そして、疑似信号取得部45は、受信された疑似信号をその受信アンテナに接続された受信部(受信部24または受信部34)から取得する。
第1判定部46は、送信電力制御部42により設定された送信電力と受信電力取得部44により取得された受信電力とがアイソレーションに係る所定の条件を満たすか否かを判定する。ここでいうアイソレーションに係る条件とは、ドナーアンテナ21とサービスアンテナ31との間に一定のアイソレーションを確保するための条件であり、たとえば、送信電力と受信電力の差(または比)が所定レベル以上であることが一例として挙げられる。なお、送信電力と受信電力とが上記アイソレーションに係る条件を満たさなければ、ドナーアンテナ21とサービスアンテナ31との間に必要なアイソレーションが確保されていない可能性が高い。
第2判定部47は、送信アンテナ(ドナーアンテナ21およびサービスアンテナ31の一方)から送信された疑似信号と受信アンテナ(ドナーアンテナ21およびサービスアンテナ31の他方)で受信された疑似信号との同一性を判定する。疑似信号の同一性を判定する基準には、たとえば、送信された疑似信号と受信された疑似信号との相関係数を算出しその相関係数が所定の閾値以上であるか否か(所定の閾値以上であれば同一性あり)、送信された疑似信号から復調される疑似データと受信された疑似信号から復調される疑似データとが同一であるか否か、などを用いることができる。
なお、送信された疑似信号と受信された疑似信号との間に同一性がなければ、疑似信号の伝送経路に異常があるおそれが考えられる。そこで、送信された疑似信号と受信された疑似信号との間に同一性がない場合、伝送経路の異常の有無を判別するために、疑似信号供給部43は、前回よりも高い送信電力で疑似信号を送信アンテナから再度送信させ、疑似信号取得部45も、送信アンテナから再度送信された疑似信号を受信アンテナに受信させる。
経路状態推定部48は、第1判定部46よる判定結果と第2判定部47よる判定結果とに基づいて、送信アンテナ(ドナーアンテナ21およびサービスアンテナ31の一方)から受信アンテナ(ドナーアンテナ21およびサービスアンテナ31の他方)に送信される疑似信号の伝送経路が正常であるか否かを推定する。
たとえば、第1判定部46によりアイソレーションに係る所定の条件が満たされると判定され、さらに第2判定部47により疑似信号の間に同一性があると判定された場合、経路状態推定部48は、疑似信号の伝送経路が「正常」または「準正常」であると推定する。すなわち、送信電力制御部42が疑似信号の送信電力を増加させる前に、第1判定部46により上記アイソレーションに係る条件が満たされると判定され、さらに第2判定部47により疑似信号の間に同一性があると判定された場合、経路状態推定部48は、疑似信号の伝送経路が「正常」であると推定する。一方、送信電力制御部42が疑似信号の送信電力を増加させた後に、第1判定部46により上記アイソレーションに係る条件が満たされると判定され、さらに第2判定部47により疑似信号の間に同一性があると判定された場合、経路状態推定部48は、疑似信号の伝送経路が「準正常」であると推定する。
一方、第1判定部46により上記アイソレーションに係る条件が満たされないと判定された場合、ドナーアンテナ21とサービスアンテナ31との間に必要なアイソレーションが確保されていない可能性が高いため、経路状態推定部48は、疑似信号の伝送経路に「異常」があると推定する。
次に、中継装置10の経路試験処理に係る動作を説明する。
図3は、ドナーアンテナ21が送信アンテナ、サービスアンテナ31が受信アンテナとして設定された場合の経路試験処理の一例を示すフロー図である。
図3に示すように、中継装置10は、まず、疑似信号の送信電力を設定する(S100)。送信電力の設定が初回であれば、疑似信号の送信電力として予め定められた送信電力の基準値(たとえば送信電力から送信される無線信号の基準送信電力)が設定される。次に、中継装置10は、S100で設定された送信電力でドナーアンテナ21から疑似信号を送信するとともに(S102)、ドナーアンテナ21から送信された疑似信号をサービスアンテナ31で受信する(S104)。また、中継装置10は、サービスアンテナ31で受信された疑似信号の受信電力を検出する(S106)。
そして、中継装置10は、S100で設定された送信電力とS106で検出された受信電力とがアイソレーションに係る所定の条件(上述)を満たすか否かを判定する(S108)。ここで、アイソレーションに係る条件が満たされないと判定された場合(S108:N)、中継装置10は、疑似信号の伝送経路に「異常」があるものと推定する。
一方、アイソレーションに係る条件が満たされると判定された場合(S108:Y)、中継装置10は、S102で送信された疑似信号とS104で受信された疑似信号との同一性を判定する(S110)。ここで、2つの疑似信号の間に同一性がないと判定された場合(S110:N)、中継装置10は、疑似信号の送信電力を所定値だけ増加させ(S114)、その増加させた送信電力が予め定められた上限値以下である限り(S116:Y)、S102以降の処理を再実行する。逆にS114で増加させた送信電力が上限値を超えていれば(S116:N)、中継装置10は、疑似信号の伝送経路に「異常」があるものと推定する。
これに対し、S110において2つの疑似信号の間に同一性があると判定された場合(S110:Y)、S100で設定された送信電力が基準値以下であれば(S112:N)、つまり疑似信号の送信電力を増加させる前であれば、中継装置10は、疑似信号の伝送経路が「正常」であると推定する。逆に、S100で設定された送信電力が基準値を上回っていれば(S112:Y)、つまり疑似信号の送信電力を増加させた後であれば、中継装置10は、疑似信号の伝送経路が「準正常」であると推定する。この「準正常」とは、疑似信号の伝送経路に異常は確認されないが、送信電力の基準値で疑似信号が送信された場合には疑似信号の同一性が得られないため、条件付きで「正常」とみなすという意味である。
図4は、サービスアンテナ31が送信アンテナ、ドナーアンテナ21が受信アンテナとして設定された場合の経路試験処理の一例を示すフロー図である。本処理は、送信アンテナと受信アンテナとを入れ替えたことを除いて図3に示す処理と同様であるため、詳細説明は割愛する。
以上説明した中継装置10では、ドナーアンテナ21(対第1通信装置用のアンテナ)およびサービスアンテナ31(対第2通信装置用のアンテナ)の一方から送信された疑似信号とその他方で受信された疑似信号との同一性について判定した結果だけでなく、疑似信号の送信電力と受信電力とがアイソレーションに係る所定の条件を満たすか否かについて判定した結果にさらに基づいて、疑似信号の伝送経路が正常であるか否かを推定する。このため、ドナーアンテナ21とサービスアンテナ31との間に確保されるアイソレーションを考慮した通信経路の自己検査を行うことができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。
たとえば、上記実施形態では、ドナー部20の制御部25およびサービス部30の制御部35の双方が経路試験部40を構成する例を示したが、経路試験部40は、制御部25および制御部35のいずれで構成してもよいし、中継装置10に接続される外部装置内に実装されてもよい。
また、送信電力制御部42が疑似信号を初回に送信する際の送信電力の基準値を、事前に経路試験部40で判断してもよい。たとえば、伝送経路設定部41が設定した経路で、送信電力制御部42に設定可能な最低の送信電力から徐々に増加させつつ、疑似信号供給部43に出力させ、第1判定部46においてアイソレーションに係る所定の条件が満たされると判断され、さらに、第2判定部47において疑似信号の間に同一性があると最初に判定されたときの送信電力を、予め定められた送信電力の基準値として利用する。
もちろん、本発明は、基地局と移動局との間の通信を中継する中継装置に限らず、対第1通信装置用のアンテナと対第2通信装置用のアンテナとを備え、第1通信装置と第2通信装置との間の通信を中継する中継装置全般に広く適用可能である。
10 中継装置、20 ドナー部、21 ドナーアンテナ、22,32 スイッチ、23,33 送信部、24,34 受信部、25,35 制御部、30 サービス部、31 サービスアンテナ、40 経路試験部、41 伝送経路設定部、42 送信電力制御部、43 疑似信号供給部、44 受信電力取得部、45 疑似信号取得部、46 第1判定部、47 第2判定部、48 経路状態推定部。

Claims (7)

  1. 対第1通信装置用のアンテナと対第2通信装置用のアンテナとを備え、前記第1通信装置と前記第2通信装置との間の通信を中継する中継装置の経路試験システムであって、
    疑似信号の送信電力を設定する送信電力制御手段と、
    前記送信電力制御手段により設定された送信電力で前記アンテナの一方から疑似信号を送信させるともに、該送信された疑似信号を前記アンテナの他方に受信させる疑似信号伝送手段と、
    前記アンテナの他方で受信された疑似信号の受信電力を取得する受信電力取得手段と、
    前記送信電力制御手段により設定された送信電力と前記受信電力取得手段により取得された受信電力とがアイソレーションに係る所定の条件を満たすか否かを判定する第1判定手段と、
    前記アンテナの一方から送信された疑似信号と前記アンテナの他方で受信された疑似信号との同一性を判定する第2判定手段と、
    前記第1判定手段よる判定結果と前記第2判定手段よる判定結果とに基づいて、前記アンテナの一方から他方に送信される疑似信号の伝送経路が正常であるか否かを推定する推定手段と、
    を含むことを特徴とする経路試験システム。
  2. 請求項1に記載の経路試験システムにおいて、
    前記推定手段は、前記第1判定手段により前記アイソレーションに係る所定の条件が満たされると判定され、さらに前記第2判定手段により前記疑似信号の間に同一性があると判定された場合に、前記疑似信号の伝送経路が正常または準正常であると推定する、
    ことを特徴とする経路試験システム。
  3. 請求項1または2に記載の経路試験システムにおいて、
    前記送信電力制御手段は、前記第2判定手段により前記疑似信号の間に同一性がないと判定された場合に、予め定められた送信電力の上限値以下の範囲で前記疑似信号の送信電力を増加させ、
    前記疑似信号伝送手段は、前記送信電力制御手段により増加された送信電力で前記アンテナの一方から疑似信号を送信させるともに、該送信された疑似信号を前記アンテナの他方に受信させる、
    ことを特徴とする経路試験システム。
  4. 請求項3に記載の経路試験システムにおいて、
    前記推定手段は、前記送信電力制御手段が前記疑似信号の送信電力を増加させる前に、前記第1判定手段により前記アイソレーションに係る所定の条件が満たされると判定され、さらに前記第2判定手段により前記疑似信号の間に同一性があると判定された場合には、前記疑似信号の伝送経路が正常であると推定する、
    ことを特徴とする経路試験システム。
  5. 請求項4に記載の経路試験システムにおいて、
    前記推定手段は、前記送信電力制御手段が前記疑似信号の送信電力を増加させた後に、前記第1判定手段により前記アイソレーションに係る所定の条件が満たされると判定され、さらに前記第2判定手段により前記疑似信号の間に同一性があると判定された場合には、前記疑似信号の伝送経路が準正常であると推定する、
    ことを特徴とする経路試験システム。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の経路試験システムにおいて、
    前記推定手段は、前記第1判定手段により前記アイソレーションに係る所定の条件が満たされないと判定された場合に、前記疑似信号の伝送経路に異常があると推定する、
    ことを特徴とする経路試験システム。
  7. 対第1通信装置用のアンテナと対第2通信装置用のアンテナとを備え、前記第1通信装置と前記第2通信装置との間の通信を中継する中継装置の経路試験方法であって、
    疑似信号の送信電力を設定するステップと、
    前記設定された送信電力で前記アンテナの一方から疑似信号を送信させるともに、該送信された疑似信号を前記アンテナの他方に受信させるステップと、
    前記アンテナの他方で受信された疑似信号の受信電力を取得するステップと、
    前記設定された送信電力と前記取得された受信電力とがアイソレーションに係る所定の条件を満たすか否かを判定する第1判定ステップと、
    前記アンテナの一方から送信された疑似信号と前記アンテナの他方で受信された疑似信号との同一性を判定する第2判定ステップと、
    前記第1判定ステップにおける判定結果と前記第2判定ステップにおける判定結果とに基づいて、前記アンテナの一方から他方に送信される疑似信号の伝送経路が正常であるか否かを推定するステップと、
    を含むことを特徴とする経路試験方法。

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