JP2011249826A - 断熱壁体、加熱装置および基板処理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】発熱体42が設けられる取付溝40の側壁に断熱壁体33の中心方向に行くに従って発熱体42から遠ざかるように傾斜するテーパ面40b、40cを設ける。熱膨張に伴って発熱体42が取付溝40内において半径方向外向きに動く時に、発熱体42が取付溝40のテーパ面40b、40cに引っ掛かってしまうのを防止できるので、発熱体42が降温して収縮しても、発熱体42は取付溝40内において半径方向内向きに動いて元の位置に戻ることができる。発熱体の熱膨張および熱収縮に伴う変形を防止することにより、発熱体の熱膨張および熱収縮に伴って発生する発熱体の断線は未然に防止できるので、発熱体の寿命を延長できる。
【選択図】図3
Description
一般に、バッチ式縦形ホットウオール形拡散・CVD装置(以下、CVD装置という。)は、ウエハが搬入される処理室を形成するインナチューブおよびこのインナチューブを取り囲むアウタチューブから構成されて縦形に設置されたプロセスチューブと、被処理基板である複数枚のウエハを保持してインナチューブの処理室に搬入するボートと、インナチューブ内に原料ガスを導入するガス導入管と、プロセスチューブ内を排気する排気管と、プロセスチューブ外に設けられてプロセスチューブ内を加熱するヒータユニットとを備えている。
そして、複数枚のウエハがボートによって垂直方向に整列されて保持された状態でインナチューブ内に下端の炉口から搬入(ボートローディング)された後に、インナチューブ内に原料ガスがガス導入管から導入されるとともに、ヒータユニットによってプロセスチューブ内が加熱される。これにより、ウエハにCVD膜がデポジションされ、また、拡散処理が施される。
このようなヒータユニットにおいて、例えば30℃/分以上の急速加熱を実施する場合には、発熱有効面積を大きくするために板形状に形成された発熱体が使用されている。
この板形状の発熱体を断熱壁体の内周に設けた従来の発熱体の保持構造体としては、断熱壁体の内周に設けられた複数の取付溝のそれぞれに発熱体が溝底面から離間した状態で設けられているものがある。例えば、特許文献1参照。
しかし、発熱体の熱膨張および熱収縮に対処する必要上、発熱体は半径方向には動くことができるようになっている。
したがって、熱膨張時には、発熱体は取付溝内において半径方向外向きに動き、熱収縮時には、発熱体は取付溝内において半径方向内向きに動いて元の位置に戻る。
しかしながら、発熱体が熱膨張時に取付溝の側壁面に引っ掛かり、当該引っ掛かった部位が固定端となるように作用することで、発熱体が変形してしまう。同様に、発熱体が熱膨張時に取付溝の側壁面に引っ掛かり、その引っ掛かった状態のままで、発熱体が降温して収縮すると、当該引っ掛かった部位が固定端となるように作用することで発熱体が変形してしまう。
このような変形が蓄積した場合や変形が大きい場合には、発熱体の断線に至るという問題点がある。
本発明の第二の目的は、発熱体の引っ掛かりを防止し、発熱体の変形を未然に防止することができる発熱体の保持構造体を提供することにある。
本発明の第三の目的は、発熱体の引っ掛かりを防止し、発熱体の変形を未然に防止することができる加熱装置を提供することにある。
本発明の第四の目的は、発熱体の引っ掛かりを防止し、発熱体の変形を未然に防止することができる基板処理装置を提供することにある。
(1)基板処理装置に用いられる加熱装置の円筒形状の断熱壁体であって、
内周面に発熱体を収納するための取付溝を有する円筒形状の断熱ブロックを複数積み重ねられ、
前記断熱ブロックのうちの一つに前記取付溝を形成する一対の側壁の一方となる第一の側壁が形成されており、
前記第一の側壁が形成される断熱ブロックに隣り合って積み重ねられた断熱ブロックには、前記第一の側壁に対向し前記取付溝を形成する一対の側壁の他方となる第二の側壁が形成されており、
前記第一の側壁と前記第二の側壁との間隔は、前記取付溝の底部から該取付溝の頂部に向けて次第に大きくなるよう形成されている断熱壁体。
(2)前記(1)の断熱壁体を有する加熱装置。
(3)前記(2)の加熱装置を有する基板処理装置。
本実施の形態において、本発明に係る断熱壁体は、本発明に係る基板処理装置の一実施の形態であるCVD装置(バッチ式縦形ホットウオール形減圧CVD装置)に設置された本発明に係る加熱装置の一実施の形態であるヒータユニットに使用されている。
アウタチューブ12は石英(SiO2 )が使用されて円筒形状に一体成形されており、インナチューブ13は石英(SiO2 )もしくは炭化シリコン(SiC)が使用されて円筒形状に一体成形されている。
アウタチューブ12は内径がインナチューブ13の外径よりも大きく上端が閉塞し下端が開口した円筒形状に形成されており、インナチューブ13にその外側を取り囲むように同心円に被せられている。
インナチューブ13は上下両端が開口した円筒形状に形成されており、インナチューブ13の筒中空部はボート22によって垂直方向に整列した状態に保持された複数枚のウエハが搬入される処理室14を形成している。インナチューブ13の下端開口はウエハを出し入れするための炉口15を構成している。
マニホールド16がCVD装置のヒータベース19に支持されることにより、プロセスチューブ11は垂直に据え付けられた状態になっている。
排気管17がマニホールド16に接続されているため、排気管17は円筒形状の中空体を形成されて垂直方向に長く形成された排気路18の最下端部に配置された状態になっている。
ボート22は複数枚のウエハ1を水平にかつ互いに中心を揃えた状態に整列させて保持するようになっている。
ヒータユニット30はステンレス鋼(SUS)が使用されて上端閉塞で下端開口の円筒形状に形成されたケース31を備えており、ケース31の内径および全長はアウタチューブ12の外径および全長よりも大きく設定されている。
ケース31の内部には本発明の一実施の形態である発熱体の保持構造体が設置されている。本実施の形態に係る発熱体の保持構造体は、発熱体と断熱壁体33とを備えている。
本発明の一実施の形態である断熱壁体33はアウタチューブ12の外径よりも大きい円筒形状に形成されており、アウタチューブ12と同心円に設置されている。断熱壁体33とケース31の内周面との間の隙間32は、空冷のための空間である。
天井壁部34は側壁部35の上端の開口を閉塞するように被せられており、天井壁部34の上端面はケース31の天井壁の下面に接するように設けられている。
なお、天井壁部34およびケース31の天井壁を貫通する排気口を設け、断熱壁体33とアウタチューブ12との間の雰囲気を強制空冷させるよう構成してもよい。
側壁部35の外径がケース31の内径よりも小さく設定されていることにより、側壁部35とケース31との間には空冷空間としての隙間32が形成されている。
なお、隙間32と断熱壁体33とアウタチューブ12との間の空間を貫通させるように断熱壁体33の側壁部35に貫通孔を設け、断熱壁体33とアウタチューブ12との間の雰囲気を強制空冷させるよう構成してもよい。
そして、断熱壁体33の側壁部35は断熱ブロック36が複数個、垂直方向に積み重ねられることで一つの筒体として構築されている。
なお、断熱ブロック36および本体37は円筒形状の内周方向に複数個に分割、例えば円筒形状を所定の角度にて複数個に分割した状態で成形し、その後、円筒形状に組み立てるようにしてもよい。
こうすると、断熱ブロック36にも遊び(動き易さ)が形成されるために、断熱ブロック36へ応力が加わったとしても割れにくくなる。好ましくは、四分割とするとサイズ的にもよい。
本体37の下端部には、結合雄部(凸部)38が本体37の内周の一部を円形リング形状に切り欠かれた状態に形成されている。本体37の上端部には、結合雌部(凹部)39が本体37の外周の一部を円形リング形状に切り欠かれた状態に形成されている。
また、本体37の上端の内周側には、内側方向に突き出た突出部37aが形成されている。
隣り合う上下の断熱ブロック36の突出部37a間に、発熱体を取り付けるための取付溝(凹部)40が側壁部35の内周面を円形リング状に切り欠かれた状態となるように、一定深さ一定高さに形成されている。取付溝40はそれぞれの断熱ブロック36に対し一つずつ形成されており、一つの閉じた円形状となっている。
取付溝40の内周面には、図3(b)に示されているように、発熱体42を位置決め保持するための鎹(かすがい)形状の保持具41が複数個、周方向に略等間隔に取り付けられている。
取付溝40はその上下方向の幅が円筒形状の側壁部35の外径方向(円筒の中心と反対方向)すなわち溝底40aに近づくに従って漸次狭くなるように形成されている。すなわち、取付溝40の上下の一対の側壁にはテーパ面40b、40cが形成されており、両テーパ面40b、40c間の距離は溝底40aに近づくほど小さくなっている。
また、別の言い方をすれば、取付溝40の垂直方向の一対の側壁の間隔は、側壁の頂部(突出部37aの内周面上)から取付溝40の底部(溝底40aの内周面上)に近づくほど次第に小さくなっている。
なお、図3(c)に示されているように、テーパ面40bは取付溝40の垂直方向の一対の側壁のうち上側の側壁に形成され、取付溝40に収納されている発熱体42より垂直方向上側に位置し、取付溝40の円筒形状半径方向中心側に向けて次第に垂直方向上側に広がっている。
また、テーパ面40cは取付溝40の垂直方向の一対の側壁のうち下側の側壁に形成され、取付溝40に収納されている発熱体42より垂直方向下側に位置し、取付溝40の円筒形状半径方向中心側に向けて次第に垂直方向下側に広がっている。
発熱体42は断熱ブロック36の内周に沿って、円形リング形状に設けられている。発熱体42が形成する円形リング形状の外径は、断熱ブロック36の取付溝40の内径(内周面の直径)よりも若干だけ小径である。
また、発熱体42が形成する円形リング形状の内径は、断熱ブロック36の突出部37aの内径より若干だけ大径である。
以上述べたように、円形リング形状をした発熱体42の円筒部51が形成される。
図1〜図3に示されているように、発熱体42の円筒部51は断熱ブロック36の取付溝40毎に設けられている。その、上下段には隣合う他の発熱体42の円筒部51が隔離されて設けられている。
図3(a)(b)に示されているように、複数個の保持具41、41が上側隙間43aの下端から下側隙間43bの上端に跨がるようにそれぞれ配置され、断熱ブロック36に挿入される。このようにして、取付溝40の内周面から離間された状態で発熱体42は保持されている。
図2および図3に示されているように、発熱体42の円筒部51の両端部44、44には一対の給電部45、46が、円形リング形状の円周方向と直角であって半径方向外向きにそれぞれ屈曲されて形成されている。一対の給電部45、46の先端部には一対の接続部47、48が互いに逆方向となるように、給電部45、46と直角にそれぞれ屈曲されて形成されている。
一対の給電部45、46における発熱量の低下を抑制するために、一対の給電部45、46の間隔は小さく設定されている。
好ましくは、一対の給電部45、46が円形リング形状の円周方向から半径方向外向きの直角にそれぞれ屈曲される箇所は、発熱体42の上側波部42aの最上部付近もしくは下側波部42bの最下部付近とするとよい。
こうすることにより、発熱体42を一対の給電部45、46にさらに隙間なく敷き詰めることができる。
なお、挿通溝49、50は両給電部45、46が挿通される前は、両挿通溝49、50の間をも含め、両挿通溝49、50が一つの挿通溝となるように形成しておき、両給電部45、46を挿通後に、両給電部45、46間に繊維状または球状のアルミナやシリカ等の絶縁材としても機能する断熱材を埋めることで、断熱壁体33および挿通溝49、50を形成してもよい。
本体37の外周面における両挿通溝49、50の部分には、碍子(以下、外側碍子という。)52が設けられている。
外側碍子52は、アルミナやシリカ等の耐熱性を有する絶縁材としてのセラミックが使用されて、焼結法等の適当な製法により、断熱ブロック36よりも硬度、曲げ強度および密度を高くすることができる。例えば、外側碍子52は断熱ブロック36よりアルミナ成分の含有率を高くすることで硬度、曲げ強度、密度を高くすることができる。
図4(a)に示されているように、外側碍子52は略正方形であって、断熱ブロック36の外周面の曲面に対応するような若干の曲面R1を持つ平盤形状に一体成形されており、本体37の外周面に固定されている。
外側碍子52は、少なくとも断熱ブロック36と同等以上の硬度、同等以上の曲げ強度および同等以上の密度を備えている。
なお、好ましくは、外側碍子52の硬度を、断熱ブロック36の硬度よりも高くすると、効果的に発熱体42の暴れを抑止することができる。
また、好ましくは、外側碍子52の曲げ強度および/または密度を断熱ブロック36の曲げ強度および/または密度よりも高くすると、効果的に発熱体42の暴れを抑止することができる。
外側碍子52の上部には、一対の給電部を挿通するための挿通部としての一対の保持溝53、54がそれぞれ形成されている。両保持溝53、54の位置は、両挿通溝49、50の位置に対応させ、略同位置となるようにしている。両保持溝53、54には両挿通溝49、50に挿通された両給電部45、46がそれぞれ挿通されて保持されている。
好ましくは、図4(a)に示されているように、保持溝53、54は外側碍子52の最上部に至るまで切欠くように形成するとよい。一対の給電部を設置した後に、外側碍子52を取付けたり、交換することが可能となるからである。但し、保持溝53、54は外側碍子52の最上部まで切欠かずに孔形状で形成することもできる。
外側碍子52の両保持溝53、54は、発熱体42の給電部45、46を保持することにより、発熱体42の暴れを抑えることができる。両保持溝53、54の間隔は本体37の両挿通溝49、50の間隔に対応させて、同じ間隔としている。
ここで、発熱体42の暴れとは、発熱体42に給電することにより発熱体42が熱膨張を起こしたり、給電を止めることにより熱収縮を起こしたりして、本来配置されている位置からずれたり、移動したり、捩じれたりするように動く現象のことをいう。
内側碍子55はアルミナやシリカ等の耐熱性を有する絶縁材としてのセラミックが使用されて、焼結法等の適当な製法により、断熱ブロック36よりも硬度、曲げ強度および密度を高くすることができる。
例えば、内側碍子55は断熱ブロック36よりアルミナの成分の含有率を高くすることで、硬度、曲げ強度および密度を高くすることができる。
図4(b)に示されているように内側碍子55は略正方形であって、断熱ブロック36の取付溝40の内周面の曲面に対応するような若干の曲面R2を持つ平盤形状に一体成形されている。
内側碍子55は、少なくとも断熱ブロック36と同等以上の硬度が備えられている。
なお、好ましくは、内側碍子55の硬度を断熱ブロック36の硬度よりも高くすると、効果的に発熱体42の暴れを抑止することができる。
また、好ましくは、内側碍子55の曲げ強度および/または密度を断熱ブロック36の曲げ強度および/または密度よりも高くすると、効果的に発熱体42の暴れを抑止することができる。
内側碍子55の上部には、一対の給電部を挿通するための挿通部としての一対の保持溝56、57がそれぞれ形成されている。両保持溝56、57の位置は、両挿通溝49、50の位置に対応させ、略同位置となるようにしている。両保持溝56、57には両挿通溝49、50に挿通された両給電部45、46がそれぞれ挿通されて保持されている。
好ましくは、図4(b)に示されているように、保持溝56、57は内側碍子55の最上部に至るまで切欠くように形成するとよい。一対の給電部45、46を設置した後に内側碍子55を取り付けたり、交換することが可能となるからである。但し、保持溝56、57は内側碍子55の最上部まで切欠かずに孔形状で形成することもできる。
内側碍子55の両保持溝56、57は、発熱体42の給電部45、46を保持することにより発熱体42の暴れを抑えることができる。両保持溝56、57の間隔は本体37の挿通溝49、50に対応させ、同じ間隔としている。
内側碍子55の内側端面(断熱ブロック36と反対側の端面すなわち発熱体42の円筒部51側の端面)には、両保持溝56、57の間に、発熱体42の一対の給電部45、46および円筒部51を隔てる隔壁部58が設けられている。隔壁部58は取付溝40の内周面に当接し固定した際に、少なくとも発熱体42の円筒部51の内周面上の位置まで設けられる厚さ(t)になっている。
好ましくは、図2に示されているように、隔壁部58は取付溝40の内周面に接するように設けて固定した際に、発熱体42の円筒部51の内周面上を越えて円筒部51の内側まで設けられる厚さ(t)とするとよい。このようにすることにより、効果的に発熱体42の一対の給電部45、46および円筒部51を隔てることができる。
また、隔壁部58の高さ(h)は、取付溝40の内周面に当接し固定した際に、少なくとも、発熱体42の板幅と同等以上の値ないし寸法(h)とされている。また、発熱体42の一対の給電部45、46を隔てるように一対の給電部45、46を同じ高さの位置に設置できるように、両保持溝56、57と同じ高さ位置に設けられている。
好ましくは、隔壁部58の高さ(h)は、図3(a)に示されるように、取付溝40の内周面に接するように設けて固定した際に、発熱体42の円筒部51の上側波部42aの最上部の高さと下側波部42bの最下部の高さとの間の値(h1)より大きくするとよい。このようにすることにより、一対の給電部45、46および円筒部51を効果的に隔てることができる。
隔壁部58は内側碍子55の内側端面から両側に曲部R3を形成させて設けられている。この曲部R3が設けられることにより、内側碍子55を成形し易くできるとともに、内側碍子55の強度が増し、発熱体42の円筒部51が膨張し、伸び、隔壁部58と接触しても内側碍子55が割れたりし難くなる。
なお、曲部R3は曲面形状とするのみならず、平坦面から成るテーパ形状としてもよい。
したがって、下段側の発熱体42のプラス側接続部47は上段側の発熱体42のマイナス側接続部48の真下付近に位置しており、その分だけ下段側の発熱体42の円筒部51の両端部44、44は上段側の発熱体42の円筒部51の両端部44、44よりも周方向にずれた状態になっている。
渡り線62はこの渡り線62の表面からの放熱を小さく抑制するために、Fe−Cr−Al合金やMOSi2 およびSiC等の抵抗発熱材料が使用されて、断面が円形の丸棒形状に形成されている。但し、渡り線の電流容量の都合によっては、渡り線62は断面が四角形の角棒形状に形成してもよい。
この状態で、シールキャップ20はマニホールド16の下端開口をシールした状態となる。
また、プロセスチューブ11の内部が所定の温度となるようにヒータユニット30によって加熱される。この際、処理室14内が所定の温度分布となるように、温度センサ24が検出した温度情報に基づきヒータユニット30の発熱体42への通電具合がフィードバック制御される。
続いて、ボート22が回転機構25によって回転されることにより、ウエハ1が回転される。
導入された原料ガスは処理室14内を上昇し、インナーチューブ13の上端開口から排気路18に流出して排気管17から排気される。
原料ガスは処理室14内を通過する際にウエハ1の表面と接触し、この際に、熱CVD反応によってウエハ1の表面上に薄膜が堆積(デポジション)される。
その後に、処理済のウエハ1はボート22から取り出される(ウエハディスチャージ)。
例えば、図6(a)に示されているように、上下の側壁が互いに平行に形成された取付溝40’の場合には、取付溝40’内において半径方向外向きに動く時に、発熱体42が取付溝40’の側壁面に引っ掛かってしまい、引っ掛かった部位が固定端となるように作用することで発熱体が変形してしまう可能性がある。
また、同様に、発熱体が熱膨張時に取付溝40’の側壁面に引っ掛かりその引っ掛かった状態のままで、発熱体42が降温して収縮すると、当該引っ掛かった部位が固定端となるよう作用することで、発熱体42が変形してしまう。このような変形が蓄積した場合や変形が大きい場合には、発熱体42が断線に至る可能性がある。また、熱膨張により上側波部42aは上側に下側波部42bは、下側にそれぞれ伸びるため取付溝40の両側壁と発熱体42との距離はせまくなってしまうため、上述の問題はさらに顕著になる。
しかし、本実施の形態においては、取付溝40の両側壁にはテーパ面40b、40cが形成されているので、図6(b)に示されているように、取付溝40内において半径方向外向きに動く時に、発熱体42が取付溝40の側壁面に引っ掛かってしまうのを防止することができる。また、発熱体42が熱膨張時に一方の側壁側にずれたとしても、テーパ面を発熱体42が滑り、所定の上下位置に収めることができる。
したがって、発熱体42が降温して収縮しても、発熱体42は取付溝40内において半径方向内向きに動いて元の位置に戻る。つまり、発熱体42の熱膨張および熱収縮に伴う変形、劣化、断線は未然に防止することができる。
なお、好ましくは、取付溝40の溝底40aの垂直方向(上下方向)の幅は、少なくとも発熱体42の円筒部51の上側波部42aの最上部の高さと下側波42bの最下部の高さとの間の値(h1)より大きい幅にするとよい。こうすることにより、取付溝40の溝底40aまで発熱体42は側壁面に引っ掛かってしまうことなく、熱膨張することができる。
さらに、本発明に係る基板処理装置は、CVD装置に適用するに限らず、酸化膜形成装置や拡散装置およびアニール装置等の基板処理装置全般に適用することができる。
(1)基板処理装置に用いられる加熱装置の円筒形状の断熱壁体であって、
該円筒形状の内周面に発熱体を収納するための取付溝を有し、
前記取付溝を形成する一対の側壁の間隔が、溝底に近づくにつれて小さくなるよう形成されている断熱壁体。
(2)基板処理装置に用いられる加熱装置の円筒形状の断熱壁体であって、
該円筒形状の内周面に発熱体を収納するための取付溝を有し、
前記取付溝を形成する一対の側壁の間隔が、前記取付溝の底部から該側壁の頂部に向けて次第に大きくなるよう形成されている断熱壁体。
(3)基板処理装置に用いられる加熱装置の円筒形状の断熱壁体であって、
該円筒形状の内周面に発熱体を収納するための取付溝を有し、
前記取付溝を形成する一対の側壁の間隔が前記取付溝の底部から前記円筒形状の半径方向中心側に向けて次第に大きくなるよう形成されている断熱壁体。
(4)基板処理装置に用いられる加熱装置の円筒形状の断熱壁体であって、
該円筒形状の内周面に発熱体を収納するための取付溝を有し、
前記取付溝を形成する一対の側壁のうちの前記発熱体より垂直方向上側に位置する側壁は、前記円筒形状の半径方向中心側に向けて次第に垂直方向上側に広がり、
前記取付溝を形成する一対の側壁のうちの前記発熱体より垂直方向下側に位置する側壁は、前記円筒形状の半径方向中心側に向けて次第に垂直方向下側に広がるよう形成されている断熱壁体。
(5)基板処理装置に用いられる加熱装置の円筒形状の断熱壁体であって、
該円筒形状の内周面に発熱体を収納するための取付溝を有し、
前記取付溝の垂直方向の幅は少なくとも前記発熱体の垂直方向の上下端より大きく形成されており、該幅は前記円筒形状の半径方向中心側に向けて次第に大きくなるよう形成されている断熱壁体。
(6)基板処理装置に用いられる加熱装置の円筒形状の断熱壁体であって、
内周面に発熱体を収納するための取付溝を有する円筒形状の断熱ブロックを複数積み重ねられ、
前記断熱ブロックのうちの一つに前記取付溝を形成する一対の側壁の一方となる第一の側壁が形成されており、
前記第一の側壁が形成される断熱ブロックに隣り合って積み重ねられた断熱ブロックには、前記第一の側壁に対向し前記取付溝を形成する一対の側壁の他方となる第二の側壁が形成されており、
前記第一の側壁と前記第二の側壁との間隔は、前記取付溝の底部から該取付溝の頂部に向けて次第に大きくなるよう形成されている断熱壁体。
(7)基板処理装置に用いられる加熱装置の円筒形状の断熱壁体であって、
内周面に発熱体を収納するための取付溝を有する円筒形状の断熱ブロックを複数積み重ねられ、
前記断熱ブロックの下端部には、結合雄部が前記断熱ブロックの内周の一部を円形リング形状に切り欠かれた状態に形成されており、
前記断熱ブロックの上端部には、結合雌部が前記断熱ブロックの外周の一部を円形リング形状に切り欠かれた状態に形成されており、
前記断熱ブロックの内周面における上端と該断熱ブロックと隣接する断熱ブロックの内周面における上端との間に、前記取付溝が形成されており、
前記取付溝を形成する一対の側壁の間隔が前記取付溝の底部から該側壁の頂部に向けて次第に大きくなるよう形成されている断熱壁体。
(8)前記取付溝が垂直方向に複数個形成されている前記(1)〜(7)いずれかの断熱壁体。
(9)基板処理装置に用いられる発熱体の保持構造体であって、
円筒形状に形成された断熱壁体の内周面に取付溝が形成されており、この取付溝内に前記発熱体が設けられており、前記取付溝を形成する一対の側壁の間隔が、溝底に近づくにつれて小さくなるよう形成されている発熱体の保持構造体。
(10)前記(1)〜(8)いずれかの断熱壁体を有する加熱装置。
(11)前記(10)の加熱装置を有する基板処理装置。
(12)前記取付溝の溝底から側壁頂部までの高さが、前記取付溝の溝底から前記発熱体の内周側表面までの高さよりも高くなるよう形成されている前記(1)の断熱壁体。
(13)前記取付溝の底部から側壁頂部までの高さが、前記取付溝の底部から前記発熱体の内周側表面までの高さよりも高くなるよう形成されている前記(2)(6)または(7)の断熱壁体。
(14)前記取付溝が形成する底部から側壁頂部までの高さが、前記発熱体の内周側表面までの高さよりも高くなるよう形成されている前記(3)(4)(5)または(8)の断熱壁体。
(15)前記(12)(13)(14)の断熱壁体を有する加熱装置。
(16)前記(15)の加熱装置を有する基板処理装置。
Claims (3)
- 基板処理装置に用いられる加熱装置の円筒形状の断熱壁体であって、
内周面に発熱体を収納するための取付溝を有する円筒形状の断熱ブロックを複数積み重ねられ、
前記断熱ブロックのうちの一つに前記取付溝を形成する一対の側壁の一方となる第一の側壁が形成されており、
前記第一の側壁が形成される断熱ブロックに隣り合って積み重ねられた断熱ブロックには、前記第一の側壁に対向し前記取付溝を形成する一対の側壁の他方となる第二の側壁が形成されており、
前記第一の側壁と前記第二の側壁との間隔は、前記取付溝の底部から該取付溝の頂部に向けて次第に大きくなるよう形成されている断熱壁体。 - 前記請求項1の断熱壁体を有する加熱装置。
- 前記請求項2の加熱装置を有する基板処理装置。
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