JP2011249819A - 配線基板及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】配線基板最表層の樹脂層に高精度でパッドを露出することができる配線基板の製造方法と、その方法により製造され、高精度で露出したパッドを有する配線基板を提供すること。
【解決手段】一部の厚みが他の部分より大きい配線を含む最上層配線層4を覆う絶縁樹脂層を形成し、そしてこの絶縁樹脂層の一部を、最上層配線増の厚みの大きい部分6の上部を露出するまで除去してパッドを形成することを特徴とする方法により、配線基板を製造する。あるいは、最上層配線層全体を覆う絶縁樹脂層上に形成した、最上層配線層のパッドとして露出させるべき部分より広い開口部を持つサンドブラスト用マスクを使用するサンドブラスト処理により、最上層配線層の一部をパッドとして露出させる方法により配線基板を製造する。この場合、最上層配線層のさせるべき部分だけを他の部分より厚く形成してもよく、あるいは最上層配線層全体を同一の厚みで形成してもよい。
【選択図】図1
【解決手段】一部の厚みが他の部分より大きい配線を含む最上層配線層4を覆う絶縁樹脂層を形成し、そしてこの絶縁樹脂層の一部を、最上層配線増の厚みの大きい部分6の上部を露出するまで除去してパッドを形成することを特徴とする方法により、配線基板を製造する。あるいは、最上層配線層全体を覆う絶縁樹脂層上に形成した、最上層配線層のパッドとして露出させるべき部分より広い開口部を持つサンドブラスト用マスクを使用するサンドブラスト処理により、最上層配線層の一部をパッドとして露出させる方法により配線基板を製造する。この場合、最上層配線層のさせるべき部分だけを他の部分より厚く形成してもよく、あるいは最上層配線層全体を同一の厚みで形成してもよい。
【選択図】図1
Description
本発明は、配線基板とその製造方法に関する。より詳しく言えば、本発明は、半導体チップ、半導体部品、その他の実装部品を実装する配線基板、あるいは半導体チップ、半導体部品、その他の実装部品を搭載して他の基板に接続する配線基板(例えばフリップチップ接続用のパッケージ)と、その製造方法に関する。
半導体チップ、半導体部品、その他の実装部品を配線基板に実装する場合には、通常、配線基板の最表層の配線のうち実装時にチップ等との接続に必要な部分(一般に「パッド」と呼ばれる)以外は、はんだの付着や汚染等から保護するために、ソルダーレジストと呼ばれる樹脂材料により保護される。その場合、接続に必要な配線部分の露出は、フォトリソグラフィー法、スクリーン印刷法、レーザー加工法などにより行われる。フォトリソグラフィー法では、ソルダーレジストの樹脂材料として感光性のものを使用し、露光と現像によるパターン化が行われる。スクリーン印刷法では、印刷マスクを使用して、必要な部分のみに樹脂材料を印刷する。レーザー加工では、全面に樹脂材料を塗布してから、露出させる領域の樹脂材料をレーザー光照射により除去する。
一例として、従来の絶縁樹脂(ソルダレジスト)層のフォトリソグラフィーでのパターニングによるパッドの露出を説明する。図12(a)に示したように、絶縁基板101上に必要な数の下層配線102とそれを覆う絶縁層103を形成後、最上層の配線層104とそれを覆う絶縁樹脂(ソルダレジスト)層105を形成する。続いて、フォトリソグラフィーにより絶縁樹脂層105を露光・現像して、図12(b)示したように所定パターンの開口を形成し、最上層配線104の一部をパッド106(上面)、106’(下面)として露出する。
スクリーン印刷法による場合は、図12(a)の最上層配線層104までを形成後、所定パターンのマスクを使って絶縁樹脂をスクリーン印刷して、図12(b)示したのと同様の開口パターンの絶縁樹脂層を形成する。
サンドブラスト法を利用して配線基板表面にパッドを露出させることも知られている。この場合は、露出させようとするパッドに対応する部分に開口を形成したサンドブラスト用のレジストマスクを形成し、開口部に砥粒を含んだ空気流を当てて、パッド部分を露出させる。例えば、特許文献1〜3には、パッドの露出にサンドブラスト法を用いることが記載されている。
従来のサンドブラスト法によるパッドの露出の例を、一つのパッド形成領域を拡大して示す図を参照して説明する。図13(a)に示したように、絶縁基板201(その片側のみを図示する)上に必要な数の下層配線202とそれを覆う絶縁層203を形成後、最上層の配線層204とそれを覆う絶縁樹脂層205を形成する。図13(b)に示したように、絶縁樹脂層205の上にサンドブラスト用のドライフィルムレジスト(DFR)206を貼り付け、露光・現像により所定パターンの開口部を形成する。次に、図13(c)に示したように開口部に砥粒207を吹きつけて絶縁樹脂を除去し、配線層204の一部をパッド208として露出する。その後、図13(d)に示したようにサンドブラスト用DFRを除去する。
一方、ウエハレベルチップスケールパッケージ(WL−CSP)の分野では、半導体チップ表面の導体層上に形成した円柱状のパッドを樹脂で覆い、研磨もしくはエッチングでパッド表面を露出させることが記載されている(特許文献4)。
近年の半導体チップの小型化、高精度化とともに、それらを実装する配線基板もその接続端子が小型化、高精度化している。しかし、配線基板の最表層のソルダレジスト(保護樹脂)には、絶縁信頼性といった電気的特性や、実装に必要とされるアンダーフィルやモールド樹脂等との密着性といった化学的特性が要求され、更には信頼性向上のため、樹脂層開口部におけるパッドと開口部内壁とのクリアランスや、開口形状についての要求もある。ソルダレジストの組成を、これらの要求を全て満たすように設計するのは容易でなく、特に感光性のソルダレジスト材料を使用する必要のあるフォトリソグラフィーでの開口形成の場合、開口部の寸法精度を向上させるのは困難である。しかも、フォトリソグラフィーの場合、フォトマスクのアラインメントずれの問題もあり、これもまた開口部の寸法精度向上を妨げる要因となっている。
スクリーン印刷、あるいはレーザー加工の手法によれば、ソルダレジスト層をフォトリソグラフィーで直接パターニングしない(感光性を付与したソルダレジストを使用しない)ため、ソルダレジストの化学組成の点では有利である。しかし、スクリーン印刷の場合、やはり印刷マスクのアラインメントずれの問題がある。また、小型化、高精度化のために必要な微細なパターンを印刷法で形成するのは容易でない。アラインメントずれの問題は、レーザー加工の場合も同様である。また、レーザー加工の場合、加工寸法や形状のばらつきが避けられない。
サンドブラスト法によれば、ソルダレジスト層をフォトリソグラフィーで直接パターニングしないため、ソルダレジストの化学組成の点でやはり有利である。しかし、この場合も、サンドブラスト用レジストマスクの位置がずれると、必要な位置・面積のパッドの露出ができなくなるため、マスクの精度の高いアラインメントが必要になる。ところが、配線基板は温度変化や加工に伴う寸法変化が大きく、微細配線になった場合、露出すべき部分とサンドブラスト用レジストマスクとの高精度でのアラインメントは困難となる。そのため、従来のサンドブラスト法によるパッドの露出では、図13(d)に示したサンドブラストにより形成する開口と、露出させるべきパッド部分を含む最上層配線204とのアラインメントのずれを考慮して、最上層配線204の幅は、パッドに必要な幅よりも広く(例えば片側で10μm程度)形成しておかなければならない。配線幅のこの余計な分は、実装部品の小型化に伴い配線ピッチが狭くなると、設計上不利になる。
このように、小型化、高精度化したチップ等の実装部品を実装するための微細配線の配線基板最表層のソルダレジスト等の樹脂層に、実装部品との接続用パッドを高精度で露出するのは、ますます困難となっている。本発明の目的は、配線基板最表層の樹脂層に高精度でパッドを露出することができる配線基板の製造方法と、その方法により製造され、最表層の樹脂層に高精度で露出したパッドを有する配線基板を提供することである。
最表層の絶縁樹脂層に高精度で露出したパッドを有する本発明の配線基板は、所定数の下層配線層上に形成した最上層配線層とこれを被覆する絶縁樹脂層とを有し、最上層配線層の一部が実装部品との接続用のパッドとして露出された配線基板であって、最上層配線層のパッドとして露出される部分の厚みが他の部分より大きいことを特徴とする。
最上層配線層のパッドとして露出される部分の厚みが他の部分より大きい本発明の配線基板は、所定数の下層配線層上に、一部の厚みが他の部分より大きい配線を含む最上層配線層を形成し、最上層配線層全体を覆う絶縁樹脂層を形成し、そしてこの絶縁樹脂層の一部を、最上層配線増の厚みの大きい部分の上部を露出するまで除去してパッドを形成することを特徴とする方法により製造することができる。
最表層の絶縁樹脂層に高精度で露出したパッドを有する本発明の配線基板は、所定数の下層配線層上に最上層配線層を形成し、最上層配線層全体を覆う絶縁樹脂層を形成し、この絶縁樹脂層の上に最上層配線層の露出させるべき部分より広い開口部を持つサンドブラスト用マスクを形成し、このマスクを用いるサンドブラスト処理により最上層配線層の一部をパッドとして露出させる方法により製造することもできる。
最上層配線層は、露出させるべき部分だけを他の部分より厚く形成することができる。あるいは、最上層配線層全体を同一の厚みで形成してもよい。
本発明によれば、半導体チップ等の小型化、高精度化に対応して、それらを実装するためのパッドを高精度で露出した配線基板を提供することが可能になる。
図1に、最上層配線層のパッドとして露出される部分の厚みが他の部分より大きい本発明の配線基板を模式的に示す。この図では、最上層の配線のうちの、パッドのある部分とない部分を一つずつ示している。絶縁基板(コア基板)1の上に、下層配線層2とそれを覆う絶縁層3が所定数形成されている。一番上の絶縁層3の上には、最上層の配線層4が位置し、それを絶縁樹脂層5が覆っている。最上層配線の一部は、配線基板に実装する半導体チップその他の実装部品との接続用に、絶縁樹脂層5の表面に露出したパッド6を有する。図から明らかなように、最上層配線層4のパッドとして露出される部分の厚みは、他の部分より大きくなっていて、絶縁層の表面は同一平面にある。図1では、簡略にするため絶縁基板(コア基板)1の片面のみを示しているが、一般には、その反対側にも配線層が設けられる。
このような配線基板は、一部の厚みが他の部分より大きい配線を含む最上層配線層4(図1)を、例えばセミアディティブ法による2段めっき処理により形成し、最上層配線層4の全体を覆う絶縁樹脂層を形成後、例えばバフ研磨、樹脂エッチング、サンドブラストなどを利用して、絶縁樹脂層の一部をパッド6(図1)の上面が露出するまで除去して製造することができる。特に樹脂エッチング又はサンドブラストを利用する場合、除去する厚みが基板全面で同じになるように、最上層配線層4の上に所定量の樹脂材料を配置してプレスすることにより表面が平坦な絶縁樹脂層を形成後、その一部を除去するのが好ましい。
除去する樹脂層の厚さ、すなわちパッド上に位置する樹脂材料の厚さは、生産性の観点から小さい方が好ましく、本発明において除去する樹脂層の厚さは10μm以下が好適であり、より好ましくは5μm以下である。
マトリックス配置のパッドを有する本発明の配線基板の例を、図2(a)(上面図)と図2(b)(図2(a)のIIb−IIb線断面図)に示す。図2(a)に示したように、配線基板の上面は、実装するチップ等との接続用にパッド11が露出されているのを除き、絶縁樹脂層12で覆われている。図2(b)の断面図では、簡略のために、チップを実装するパッド11につながる最上層配線層13以外の配線層を省略しており、また、チップ等を実装した配線基板を別の配線基板(図示せず)に搭載するための配線基板裏面のはんだバンプ14に接続する配線も省略している。
図2(a)、2(b)に示した配線基板に半導体チップを実装したところを、図3(a)(上面図)と図3(b)(側面図)に示す。はんだバンプ等(図示せず)を介して配線基板15に接続した半導体チップ16と基板15との間にはアンダーフィル材17が充填され、その一部が半導体チップ16の周囲に位置している。
従来技術による同様のマトリックス配置のパッドを有する配線基板を、図4(a)(上面図)と図4(b)(図2(b)と同様に簡略化した、図4(a)のIVb−IVb線断面図)に示す。パッド21は、その周囲に空隙を設けて形成した絶縁層22の開口部内にあり、パッドにつながる配線23(図4(a)の左一番上の開口部内にのみ示す)が最上層配線層にある場合、その一部が開口部内に露出している。従来技術によるこの配線基板に半導体チップを実装し、チップと基板間にアンダーフィル材を充填すると、外観は、図3に示した本発明の基板にチップを実装したものと同様になる。
配線基板最表層の樹脂層に高精度でパッドを露出した配線基板は、本発明のもう一つの製造方法で得ることもできる。この方法によれば、最上層配線層を形成し、最上層配線層全体を覆う絶縁樹脂層を形成後に、この絶縁樹脂層の上に形成したサンドブラスト用マスクを使ってマスク開口部内の樹脂層をサンドブラストにより除去することにより、パッドを露出する。サンドブラスト用マスクは、最上層配線層の露出させるべきパッド部分より広い開口部を持つように形成する。アラインメントの精度の観点から、パッド端部とマスク開口部とのクリアランスが3〜10μm程度となるようにするのが好ましい。サンドブラスト前のマスク開口部内のこのクリアランス部分は、露出すべき最上層配線が下にない部分であり、サンドブラスト後には絶縁樹脂材料が除去されて、マスクされていた部分との段差が生じる。この段差は、除去する樹脂層の厚さ、すなわちパッド上に位置する樹脂材料の厚さを小さくしておくことにより、実用上問題とならないレベルに抑えることができる。また、生産性の面から、除去する樹脂層の厚さはやはり小さい方が好ましい。これらから、除去する樹脂層の厚さは10μm以下が好適であり、より好ましくは5μm以下である。
この方法では、最上層配線層は、パッドとして露出させるべき部分だけを他の部分より厚く形成してもよく、あるいは最上層配線層全体を同一の厚みで形成してもよい。
最上層配線層のパッドとして露出させるべき部分だけを他の部分より厚く形成する場合は、図5(a)に示したように、絶縁基板31上に必要な数の下層配線32とそれを覆う絶縁層33を形成後、最上層配線層34とそれを覆う絶縁樹脂層35を形成する。最上層配線層34の配線の一部(図5(a)では左側の配線)は、他の部分より厚く形成した、後にパッドとして露出させるべき部分38を有する。図5(b)示したように、絶縁樹脂層35の上に貼り付けたドライフィルムレジスト(DFR)を露光・現像によりパターニングして、後に露出するパッド38の位置に対応する所定パターンの開口を持つサンドブラスト用マスク36を形成する。マスク36の開口幅Woはパッド38の幅Wpよりわずかに大きく、パッド端部とマスク開口部とのクリアランスCが3〜10μm程度となるようにするのが好ましい。図5(c)に示したようにマスク36の開口部に砥粒37を吹きつけて絶縁樹脂を除去し、配線層34の一部をパッド38として露出する。除去する樹脂層の厚さは好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下である。その後、図5(d)に示したようにサンドブラスト用DFRを除去する。
最上層配線層全体を同一の厚みで形成する場合は、図6(a)に示したように、絶縁基板41上に必要な数の下層配線42とそれを覆う絶縁層43を形成後、同一厚みの最上層配線層44と、それを覆う絶縁樹脂層45を形成する。この後は、上述の最上層配線層のパッドとして露出させるべき部分だけを他の部分より厚く形成する場合と同じように、絶縁樹脂層45の上に貼り付けたドライフィルムレジスト(DFR)をパターニングして、開口幅がパッドの幅よりわずかに大きいパターンのサンドブラスト用マスク46を形成し(図6(b))、マスク46の開口部に砥粒47を吹きつけて配線層44の一部をパッド48として露出し(図6(c))、そしてサンドブラスト用DFRを除去する(図6(d))。この場合も、パッド端部とマスク開口部とのクリアランスは3〜10μm程度、除去する樹脂層の厚さは10μm以下が好ましく、より好ましくは5μm以下である。
こうして製造した配線基板では、図6(d)に見られるように、配線44を覆う部分の絶縁層45の厚さが、サンドブラストで除去する絶縁層の厚さ(上述のとおり、最も好ましい厚さは5μm以下)と同じであり、比較的薄い。そのため、配線44を覆う部分の絶縁特性は、図5(d)に見られるような、最上層配線のうちの一部をパッド用に他の部分より厚くした配線基板において配線を覆う部分の絶縁特性にはかなわない。しかし、最上層配線のうちの一部をパッド用に他の部分より厚く形成するためには、最上層配線層を2段階で(例えばセミアディテブ法による2段めっき処理により)形成する必要がある。そのため、同一厚みの配線層を使ってパッドを形成する場合は、パッド部分を他の部分より厚くする場合に比べ、製造工程が簡単であるという利点がある。
このように、本発明によれば、パッドを一部を厚くした配線から形成する場合も、同一厚みの配線から形成する場合も、多少のアラインメントずれが生じたとしても目的とするパッドはその上面が全て露出される。
マスク開口部をサンドブラスト処理してパッドを形成することにより製造した、ペリフェラル配置のパッドを有する本発明の配線基板の例を、図7(a)(上面図)と図7(b)(図7(a)のVIIb−VIIb線断面の部分拡大図)に示す。この例のパッドは、最上層配線の他の部分より厚く形成したものである。パッド51は、絶縁樹脂層52に形成した開口部内に露出していて、パッド51の幅は絶縁樹脂層52の開口幅よりわずかに小さくなっている。簡略にするため、図7(a)に絶縁樹脂層の開口部は表示していない。パッド51につながる配線53(図6(a))は、絶縁層52で覆われている。ペリフェラル配置のパッドを有する本発明の配線基板に半導体チップを実装し、チップと基板間にアンダーフィル材を充填すると、外観は、マトリックス配置のパッドを有する本発明の配線基板の場合と同様(図3参照)になる。
従来技術による同様のペリフェラル配置のパッドを有する配線基板を、図8(a)(上面図)と図8(b)(図8(a)のVIIIb−VIIIb線断面の部分拡大図)に示す。パッド61は、配線基板の外側領域の最上層絶縁樹脂層62と内側領域の最上層絶縁樹脂層62’の間の矩形の帯状領域(パッドを含む最上層配線層の全体を被覆した絶縁樹脂層をパターニングして形成される)に露出していて、隣接パッド間に最上層絶縁樹脂は存在しない。この場合も、配線基板に半導体チップを実装し、チップと基板間にアンダーフィル材を充填すると、外観は、マトリックス配置のパッドを有する本発明の配線基板の場合と同様(図3参照)になる。
一方、従来技術でパッド部分のみ開口して露出したペリフェラル配置のパッドを有する基板の場合(この場合も、基板に半導体チップを実装してアンダーフィル材を充填した外観は図3に示したようになる)、先に図13(d)を参照して説明したように、パッドが位置する箇所の配線幅は、パッドに必要な幅より広くなり、実装部品の小型化に伴い配線ピッチ幅が狭くなると、設計上不利になる。
実施例により、本発明をより詳しく説明するが、以下の例は本発明を限定するものではない。
本発明の製造方法の各工程で利用する手法自体はいずれも既知のものであり、それらについて必要以上には説明しない。本発明で使用する材料も、特に制限されず、以下の例で挙げるものの外に、通常の配線基板で用いられるものを使用することができる。
本発明の製造方法の各工程で利用する手法自体はいずれも既知のものであり、それらについて必要以上には説明しない。本発明で使用する材料も、特に制限されず、以下の例で挙げるものの外に、通常の配線基板で用いられるものを使用することができる。
〔実施例1〕
マトリックス配置のパッドを有する配線基板の製造例を説明する。
図9(a)に示したように、コア基板71の両面に、所定数の下層配線層72とそれを覆う絶縁層73を形成し(例えばビルドアップ法により)、一番上の絶縁層の上に銅(Cu)の最上層配線層74を、例えばセミアディティブ法で形成する。下層配線層72とそれを覆う絶縁層73は、ここでは簡略化のため1つずつを示している。上下層の配線は、必要に応じビア75でつなぐ。
マトリックス配置のパッドを有する配線基板の製造例を説明する。
図9(a)に示したように、コア基板71の両面に、所定数の下層配線層72とそれを覆う絶縁層73を形成し(例えばビルドアップ法により)、一番上の絶縁層の上に銅(Cu)の最上層配線層74を、例えばセミアディティブ法で形成する。下層配線層72とそれを覆う絶縁層73は、ここでは簡略化のため1つずつを示している。上下層の配線は、必要に応じビア75でつなぐ。
図9(b)に示したように、上面の最上層配線層74の上にパッド76、下面の最上層配線74の上にパッド76’を、セミアディティブ法で形成し、配線層74を形成するのに用いたシード層(図示せず)をエッチングにより除去する。形成する上面のパッド76は、直径が例えば75μm、高さが例えば20μmであり、隣接パッド間のピッチは例えば200μmである。下面のパッド76’は、直径が例えば250μm、高さが例えば20μmであり、隣接パッド間のピッチは例えば800μmである。
続いて、最上層配線層74の上に絶縁樹脂材料を配置してプレスすることにより、図9(c)に示したように、最上層配線層74上のパッド76、76’を覆う絶縁樹脂層77を、その表面が平らになるよう形成する。使用する絶縁樹脂材料の量は、絶縁樹脂層77のパッド76、76’を覆う部分の層の厚みが10μm以下、好ましくは5μm以下となるように、形成する絶縁層に必要な量を前もって計算により求めておく。
形成した絶縁樹脂層77の一部を、厚さ方向に均一に除去して、図9(d)に示したように絶縁樹脂層77の表面にパッド76、76’の上部を露出する。絶縁樹脂の除去は、バフ研磨、サンドブラスト、樹脂エッチングなどの手法で行う。
図9(d)の配線基板のパッド76、76’の表面は、Cuソフトエッチングにより清浄にすることができる。更に、パッド76、76’の表面に保護めっき(例えばNi/Auめっき)層を形成することができる。
この例で製造した図9(d)の配線基板は、上面のマトリックス配置のパッド76に半導体チップ(図示せず)などを実装することができ、下面のパッド76’にははんだなどで形成したバンプ(図示せず)を設けて、別の実装基板に実装することができる。
〔実施例2〕
ペリフェラル配置のパッドを有する配線基板の製造例を説明する。
図10(a)に示したように、コア基板81の両面に、ビルドアップ法により所定数の下層配線層82とそれを覆う絶縁層83を形成し、一番上の絶縁層の上にセミアディティブ法によりCuの最上層配線層84を形成する。図示した上面の配線層84の5つの配線のうち、両端の2つが上にパッドを形成するペリフェラル領域の配線である。下層配線層82とそれを覆う絶縁層83は、ここでも簡略化のため1つずつを示している。上下層の配線をつなぐビアは省略している。
ペリフェラル配置のパッドを有する配線基板の製造例を説明する。
図10(a)に示したように、コア基板81の両面に、ビルドアップ法により所定数の下層配線層82とそれを覆う絶縁層83を形成し、一番上の絶縁層の上にセミアディティブ法によりCuの最上層配線層84を形成する。図示した上面の配線層84の5つの配線のうち、両端の2つが上にパッドを形成するペリフェラル領域の配線である。下層配線層82とそれを覆う絶縁層83は、ここでも簡略化のため1つずつを示している。上下層の配線をつなぐビアは省略している。
図10(b)に示したように、上面の最上層配線層84のペリフェラル領域の配線上にパッド86、下面の最上層配線層84の配線上にパッド86’を、セミアディティブ法で形成し、配線層84を形成するのに用いたシード層(図示せず)をエッチングにより除去する。形成する上面のパッド86は、幅が例えば20μm、高さが例えば20μmであり、隣接パッド間のピッチは例えば50μmである。下面のパッド86’は、直径が例えば250μmの円形とし、高さは例えば20μm、隣接パッド間のピッチは例えば800μmである。
実施例1で説明したように、最上層配線層84の上に絶縁樹脂材料を配置してプレスすることにより、図10(c)に示したように、最上層配線層84上のパッド86、86’を覆う絶縁樹脂層87を、パッド86、86’上の厚さが10μm以下、好ましくは5μm以下となるように形成する。
図10(d)に示したように、パッド86の幅、パッド86’の直径よりそれぞれ20μm大きい開口部を持つサンドブラスト用マスク88、88’を形成する。続いて、マスク88、88’の開口部に露出した絶縁樹脂層87の一部をサンドブラストにより除去し、その後マスク88、88’を取り除いて、図10(e)に示したように絶縁樹脂層87のわずかにくぼんだ部分にパッド86、86’の上部が露出した配線基板を得る。
図10(e)の配線基板のパッド86、86’の表面は、Cuソフトエッチングにより清浄にすることができる。更に、パッド86、86’の表面に保護めっき(例えばNi/Auめっき)層を形成することができる。
この例で製造した図10(e)の配線基板も、上面のペリフェラル配置のパッド86に半導体チップ(図示せず)などを実装し、下面のパッド86’にははんだなどで形成したバンプ(図示せず)を設けて、別の実装基板に実装することができる。
〔実施例3〕
ペリフェラル配置のパッドを有する配線基板のもう一つの製造例を説明する。
図11(a)に示したように、コア基板91の両面に、ビルドアップ法により所定数の下層配線層92とそれを覆う絶縁層93を形成し、一番上の絶縁層の上にセミアディティブ法によりCuの最上層配線層94を形成する。図示した上面の配線層94の5つの配線のうち、両端の2つがペリフェラル領域のパッドとなる部分の配線である。下層配線層92とそれを覆う絶縁層93は、ここでも簡略化のため1つずつを示している。上下層の配線をつなぐビアは省略している。
ペリフェラル配置のパッドを有する配線基板のもう一つの製造例を説明する。
図11(a)に示したように、コア基板91の両面に、ビルドアップ法により所定数の下層配線層92とそれを覆う絶縁層93を形成し、一番上の絶縁層の上にセミアディティブ法によりCuの最上層配線層94を形成する。図示した上面の配線層94の5つの配線のうち、両端の2つがペリフェラル領域のパッドとなる部分の配線である。下層配線層92とそれを覆う絶縁層93は、ここでも簡略化のため1つずつを示している。上下層の配線をつなぐビアは省略している。
実施例1で説明したように、最上層配線層94の上に絶縁樹脂材料を配置してプレスすることにより、図11(b)に示したように、最上層配線層94を覆う絶縁樹脂層97を、配線層94の配線上の厚さが10μm以下、好ましくは5μm以下となるように形成する。
図11(c)に示したように、サンドブラスト用マスク98、98’を形成し、その開口部に露出した絶縁樹脂層97の一部をサンドブラストにより除去し、その後マスク98、98’を取り除いて、図11(d)に示したように絶縁樹脂層97のわずかにくぼんだ部分にパッド96、96’の上部が露出した配線基板を得る。
図11(d)の配線基板のパッド96、96’の表面も、Cuソフトエッチングにより清浄にすることができる。更に、パッド96、96’の表面に保護めっき(例えばNi/Auめっき)層を形成することができる。
この例で製造した図11(d)の配線基板も、上面のペリフェラル配置のパッド96に半導体チップ(図示せず)などを実装し、下面のパッド96’にははんだなどで形成したバンプ(図示せず)を設けて、別の実装基板に実装することができる。
実施例1〜3では、下面側のパッド76’、86’、96’を、半導体チップなどを搭載する上面側のパッド76、86、96と同じやり方で形成しているが、それらは上面側のパッド76、86、96と異なるやり方で形成することも可能である。例えば、実施例1で説明した配線基板の場合、下面側のパッド76’は実施例2又は3のやり方で形成してもよく、あるいは既知の更に別のやり方で形成してもよい。
1、31、41、71、81、91 絶縁基板
2、32、42、72、82、92 下層配線層
3、33、43、73、83、93 絶縁層
4、34、44、53、74、84、94 最上層配線層
5、12、22、35、45、52、62、62’、77、87、97 絶縁樹脂層
6、11、21、38、48、51、61、76、76’、86、86’、96、96’ パッド
36、46、88、88’98、98’ サンドブラスト用マスク
2、32、42、72、82、92 下層配線層
3、33、43、73、83、93 絶縁層
4、34、44、53、74、84、94 最上層配線層
5、12、22、35、45、52、62、62’、77、87、97 絶縁樹脂層
6、11、21、38、48、51、61、76、76’、86、86’、96、96’ パッド
36、46、88、88’98、98’ サンドブラスト用マスク
図1に、最上層配線層のパッドとして露出される部分の厚みが他の部分より大きい本発明の配線基板を模式的に示す。この図では、最上層の配線のうちの、パッドのある部分とない部分を一つずつ示している。絶縁基板(コア基板)1の上に、下層配線層2とそれを覆う絶縁層3が所定数形成されている。一番上の絶縁層3の上には、最上層の配線層4が位置し、それを絶縁樹脂層5が覆っている。最上層配線の一部は、配線基板に実装する半導体チップその他の実装部品との接続用に、絶縁樹脂層5の表面に露出したパッド6を有する。図から明らかなように、最上層配線層4のパッドとして露出される部分の厚みは、他の部分より大きくなっていて、絶縁樹脂層の表面とは同一平面にある。図1では、簡略にするため絶縁基板(コア基板)1の片面のみを示しているが、一般には、その反対側にも配線層が設けられる。
Claims (8)
- 所定数の下層配線層上に形成した最上層配線層とこれを被覆する絶縁樹脂層とを有し、最上層配線層の一部が実装部品との接続用のパッドとして露出された配線基板であって、最上層配線層のパッドとして露出される部分の厚みが他の部分より大きいことを特徴とする配線基板。
- 最上層配線層のパッドとして露出される部分の厚みが他の部分より大きい配線基板の製造方法であって、所定数の下層配線層上に、一部の厚みが他の部分より大きい配線を含む最上層配線層を形成し、最上層配線層全体を覆う絶縁樹脂層を形成し、そしてこの絶縁樹脂層の一部を、最上層配線増の厚みの大きい部分の上部を露出するまで除去してパッドを形成することを特徴とする配線基板製造方法。
- 前記絶縁樹脂層の一部の除去をバフ研磨、樹脂エッチング、又はサンドブラストにより行う、請求項2記載の配線基板製造方法。
- 所定数の下層配線層上に最上層配線層を形成し、最上層配線層全体を覆う絶縁樹脂層を形成し、この絶縁樹脂層の上に最上層配線層の露出させるべき部分より広い開口部を持つサンドブラスト用マスクを形成し、このマスクを用いるサンドブラスト処理により最上層配線層の一部をパッドとして露出させることを特徴とする配線基板製造方法。
- 前記最上層配線層を、露出させるべき部分だけを他の部分より厚くした層として形成する、請求項4記載の配線基板製造方法。
- 前記最上層配線層の全体を同一の厚みで形成する、請求項4記載の配線基板製造方法。
- 前記サンドブラスト処理により除去する絶縁樹脂層の厚さが10μm以下である、請求項4〜6のいずれか一つに記載の配線基板製造方法。
- 前記パッドの端部と前記マスクの開口部とのクリアランスが3〜10μmである、請求項4〜7のいずれか一つに記載の配線基板製造方法。
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JPH10107446A (ja) * | 1996-09-27 | 1998-04-24 | Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd | 多層配線板の製造方法 |
JPH1154896A (ja) * | 1997-04-11 | 1999-02-26 | Ibiden Co Ltd | プリント配線板及びその製造方法 |
-
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