JP2011249214A - 加熱調理器 - Google Patents

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Junji Hori
淳二 堀
Masahiro Shikai
正博 鹿井
Keita Mochizuki
敬太 望月
Kazuhiko Washimi
和彦 鷲見
Hiroshi Nakamura
宏 中村
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Abstract

【課題】本願発明は、被加熱物の容量および種類ならびに鍋の形状および材質によらず、被加熱物の沸騰状態を正確に検知できる加熱調理器を実現することを目的とする。
【解決手段】本願発明に係る加熱調理器は、鍋が載置されるトッププレートと、その下方に配置された加熱コイルと、加熱コイルに高周波電流を供給する駆動回路と、トッププレートを介して鍋の振動を検出し、検出された振動信号から、互いに異なる第1および第2の周波数帯域の信号成分を抽出し、抽出された第1および第2の周波数帯域の信号成分の強度(P1,P)の比(r=P/P)を算出する信号演算部と、信号演算部で算出された第1および第2の周波数帯域の信号成分の強度比に基づいて鍋に収容された被加熱物の沸騰状態を判定する状態判定部と、状態判定部で判定された沸騰状態に応じた高周波電流が加熱コイルに供給されるように駆動回路を制御する制御回路とを備える。
【選択図】図1

Description

本願発明は、誘導加熱コイルやラジエントヒータなどを利用する加熱調理器に関し、とりわけ被加熱体内の被加熱物が沸騰する際に生じる振動を検出することにより、被加熱物の沸騰状態を正確に検出できる加熱調理器に関する。
これまでの加熱調理器において、被加熱体の温度を正確に検出することにより、適正な電力を誘導加熱コイルやラジエントヒータに供給するものが数多く提案されており、たとえば温度センサを用いて、被加熱体の温度を直接的に測定するもの、あるいは被加熱物(たとえば水)が沸騰する際に生じる(核沸騰または部分沸騰による)振動を検出する振動センサを用いて、被加熱物の沸騰状態を検出しようとするものが提案されている。
一般に、温度センサを用いて被加熱体の温度を測定する加熱調理器おいて、温度センサがトッププレートの下方に配置されるために、温度センサで測定される温度が被加熱体の実際の温度に追随せず、被加熱体のリアルタイムの温度が検出しにくい。一方、振動センサを用いて被加熱体の温度を検知する加熱調理器においては、被加熱物(たとえば水)の核沸騰または部分沸騰に伴う振動を直ちに検出することができるので、時間応答性よく被加熱体の温度を検知できる点において、前者より優れている。
たとえば特許文献1に記載の加熱調理器は、鍋などを載置するためのトッププレートの下方に(裏面に当接するように)振動センサが取り付けられ、被加熱物(たとえば水)の核沸騰または部分沸騰に伴う振動を検出して、被加熱体の温度を検知しようとするものである。また特許文献1に記載の加熱調理器は、核沸騰および部分沸騰に起因して振動の周波数帯域が異なることを利用して、すなわち部分沸騰状態から、沸点近くで生じる核沸騰状態までに移行するタイミングを、高い周波数帯域および低い周波数帯域の振動の大きさ(振動信号の強度または振幅)を検出することにより、被加熱物が沸点近くまで加熱されたことを検知するものである。
特開2003−077643号公報
しかしながら、振動センサから出力される振動信号の強度は、被加熱体に収容される被加熱物の沸騰状態のみならず、被加熱物の容量にも大きく依存する。また振動信号の強度は、被加熱物が単なる水である場合や、固形状食材を含む水夜液である場合、油分を含む場合など、沸点が変化するさまざまな場合において被加熱物の種類によっても左右され、さらには鍋の形状および材質にも依存する。
すなわち特許文献1に記載の加熱調理器は、被加熱物の容量および種類ならびに鍋の形状および材質(被加熱パラメータ)を限定した状況においてのみ、振動センサから出力される振動信号の強度を検出することにより被加熱体の温度を正確に検知することができるものであり、上記被加熱パラメータが変化するとき、必ずしも正確に被加熱物の沸騰状態を検知することはできなかった。
そこで本願発明は、上記問題点を解消するためになされたもので、被加熱物の容量および種類ならびに鍋の形状および材質によらず、被加熱物の沸騰状態を適正に検知することができる加熱調理器を提供することを目的とする。
本願発明に係る加熱調理器は、被加熱体が載置されるトッププレートと、前記トッププレートの下方に配置された加熱コイルと、前記加熱コイルに高周波電流を供給する駆動回路と、前記トッププレートを介して前記被加熱体の振動を検出し、振動信号を出力する振動検出部と、前記振動検出部で検出された振動信号から、互いに異なる第1および第2の周波数帯域の信号成分を抽出する信号抽出部と、前記信号抽出部で抽出された第1および第2の周波数帯域の信号成分の強度(P1,P)の比(r=P/P)を算出する信号演算部と、前記信号演算部で算出された第1および第2の周波数帯域の信号成分の強度比に基づいて前記被加熱体に収容された被加熱物の沸騰状態を判定する状態判定部と、前記状態判定部で判定された沸騰状態に応じた高周波電流が前記加熱コイルに供給されるように前記駆動回路を制御する制御回路とを備えたことを特徴とするものである。
本願発明によれば、被加熱物の容量および種類ならびに鍋の形状および材質によらず、被加熱物の沸騰状態を正確に検知できる加熱調理器を実現することができる。
本願発明の実施の形態1に係る加熱調理器の概略的な電気的構成を示す回路ブロック図である。 (a)は被加熱物の加熱開始後の被加熱物の温度の時間的推移を示すグラフであり、(b)は振動信号の強度の一般的な時間的推移を示すグラフである。 (a)は被加熱物の加熱開始後の被加熱物の温度の時間的推移を示すグラフであり、(b)は振動信号の高周波数帯域の信号成分の時間的推移を示すグラフであり、(c)は振動信号の低周波数帯域の信号成分の時間的推移を示すグラフである。 (a)は被加熱物の加熱開始後の被加熱物の温度の時間的推移を示すグラフであり、(b)は高周波数帯域の信号成分に対する低周波数帯域の信号成分の強度比の時間的推移を示すグラフである。 制御回路の動作の一例を示すフローチャートである。 制御回路の動作の択一例を示すフローチャートである。 実施の形態2に係る加熱調理器の概略的な電気的構成を示す、図1と同様の回路ブロック図である。 (a)は被加熱物の加熱開始後の被加熱物の温度の時間的推移を示すグラフであり、(b)〜(e)は振動信号の各周波数帯域の信号成分の時間的推移を示すグラフである。 (a)は被加熱物の加熱開始後の被加熱物の温度の時間的推移を示すグラフであり、(b)は高周波数帯域群の信号成分に対する低周波数帯域群の信号成分の合計値の強度比の時間的推移を示すグラフである。 実施の形態3に係る加熱調理器の概略的な電気的構成を示す、図1と同様の回路ブロック図である。 実施の形態4に係る加熱調理器の概略的な電気的構成を示す、図1と同様の回路ブロック図である。 実施の形態5に係る加熱調理器の概略的な電気的構成を示す、図1と同様の回路ブロック図である。
以下、添付図面を参照して本願発明に係る加熱調理器の実施の形態を説明する。各実施の形態の説明および以下の添付図面において、理解を容易にするために方向を表す用語(例えば、「上方」および「下方」など)を適宜用いるが、これは説明のためのものであって、これらの用語は本発明を限定するものでない。また以下の添付図面において、同様の構成部品については同様の符号を用いて参照する。
実施の形態1.
図1〜図6を参照しながら、本願発明に係る加熱調理器の実施の形態1について以下詳細に説明する。図1は、実施の形態1による加熱調理器1の概略的な電気的構成を示す回路ブロック図である。図1に示す加熱調理器1は、概略、食材などの被加熱物Fを収容する鍋などの被加熱体Pが載置されるトッププレート(天板)6と、トッププレート6の下方に配置されるIH(Induction Heating )方式の誘導加熱コイル(以下、単に「加熱コイル」という。)10と、同様にトッププレート6の振動を検出できるように配置された振動センサ(振動検出部)12とを有する。振動センサ12は、トッププレート6を介して被加熱体Pから生じる振動を検出するものであれば任意のものを用いて構成することができ、たとえば圧電セラミックセンサや振動ピックアップコイル、非接触式の光学式変位センサなどであってもよい。
また加熱調理器1は、二相または三相の商用電源20からの交流電流を直流電流に整流する電源整流回路22と、加熱コイル10に所定の駆動周波数を有する高周波電流を供給する駆動回路24と、加熱コイル10およびこれに直列に接続された共振コンデンサ14からなるLCR誘導加熱部16と、LCR誘導加熱部16の両端に印加される駆動電圧を検出する駆動電圧検出部26と、LCR誘導加熱部16に流れる駆動電流を検出する駆動電流検出部28とを有する。さらに加熱調理器1は、駆動電圧検出部26および駆動電流検出部28に電気的に接続され、検出された駆動電圧および駆動電流に基づいて、適正な高周波電流が加熱コイル10に供給されるように駆動回路24を制御する制御回路30を有する。
電源整流回路22は、より具体的には、全波整流または半波整流するものであってもよく、直流成分を得るためのインダクタンスやコンデンサを含むフィルタ回路(ともに図示せず)を有するものであってもよい。また駆動回路24は、IGBTなどのスイッチング素子(図示せず)を含むインバータ回路であり、インバータ駆動する回路であれば任意のものを用いることができ、たとえばハーフブリッジ回路またはフルブリッジ回路を用いて構成することができる。
LCR誘導加熱部16は、上述のように、加熱コイル10およびこれに直列に接続された共振コンデンサ14からなり、加熱コイル10は、図1において、インダクタンスLと負荷抵抗Rの等価回路として図示されている。駆動回路24から加熱コイル10に高周波電流が供給されると、その周囲に交流磁場を形成し(交流磁場が導電体からなる被加熱体Pに鎖交し)、被加熱体Pに渦電流を形成して、被加熱体P自体を加熱する。
さらに図1に示す加熱調理器1は、振動センサ12に電気的に接続された信号抽出部40と、信号抽出部40に接続された信号演算部50と、信号演算部50および制御回路30に接続された状態判定部60と、制御回路30に接続された設定入力部70とを有する。
実施の形態1に係る信号抽出部40は、一般的なバンドパスフィルタ42a,42bおよびアナログデジタル変換器44a,44b(以下、単に「AD変換器」という。)を用いて構成されていてもよく、振動センサ12で検出された振動信号から、互いに異なる第1および第2の周波数帯域(高周波数帯域および低周波数帯域)の信号成分(P1,P)を選択的に抽出して得られたアナログ信号を、デジタル信号に変換するものである。
実施の形態1に係る信号演算部50は、信号抽出部40で抽出された第1および第2の周波数帯域の信号成分(P1,P)の強度比(r=P/P)を算出するものであり、状態判定部60は、この強度比に基づいて被加熱体Pに収容された被加熱物Fの沸騰状態を判定するものである。
本願発明に係る制御回路30は、駆動電圧検出部26および駆動電流検出部28で検出された駆動電圧および駆動電流のみならず、状態判定部60で判定された被加熱物Fの沸騰状態をフィードバックしつつ、適正な高周波電流が加熱コイル10に供給されるように駆動回路24を制御するものである。
設定入力部70は、加熱調理器1の「火力」(すなわち被加熱体Pから生じる熱量)や、後に詳述する加熱モード(長時間加熱モードまたは沸かしモード)をユーザにより選択することを可能にするものである。
ここで本願発明に係る加熱調理器1の動作についてより詳細に説明する。
ユーザが設定入力部70を用いて加熱調理器1の所定の「火力」を設定すると、制御回路30が駆動回路24を制御して、駆動回路24が適正な高周波電流を加熱コイル10(LCR誘導加熱部16)に供給する。このとき、駆動電圧検出部26および駆動電流検出部28で検出された駆動電圧および駆動電流が、所定の「火力」に見合う電力が消費されているか否か判断するために制御回路30にフィードバックされる。
振動センサ12は、被加熱体Pから生じる振動はトッププレート6を介して常時モニタする。通常、振動センサ12で検出される振動信号は、広範な周波数を含む信号成分からなるが、さまざまな周波数帯域全体における振動信号の強度は、被加熱物Fの実測温度とともに図2(b)に示すように推移する。
ところで、被加熱物F(特に水)は、低温状態から沸騰状態に推移するとき、小さな気泡が生じる部分沸騰が始まり、さらに加熱されると、部分沸騰が収束し、特定の部位から大きな気泡が生じる核沸騰が生じることが知られている。また被加熱物Fの部分沸騰が生じたときに被加熱体Pから発生する振動は、高周波数帯域の信号成分を多く含み、被加熱物Fの核沸騰が生じたときに被加熱体Pから発生する振動は、低周波数帯域の信号成分が支配的であることが分かっている。したがって、高周波数帯域の信号成分を抽出するバンドパスフィルタ42aを通過する信号成分の強度は、部分沸騰の発生に応じて、被加熱物Fの実測温度とともにピーク値を有し(図3(b))、低周波数帯域の信号成分を抽出するバンドパスフィルタ42bを通過する信号成分の強度は、被加熱物Fの実測温度とともに徐々に増大し、沸点に達した後は一定の値に維持される(図3(c))。これらの信号成分の強度は、各AD変換器44a,44bによりデジタル信号に変換される。
上述のように、振動信号の強度は、被加熱物の容量および種類ならびに鍋の形状および材質(被加熱パラメータ)に依存するので、振動センサ12から出力される振動信号の強度に基づいて被加熱物の沸騰状態を正確に検知することはできなかった。
しかしながら本願発明によれば、信号演算部50は、信号抽出部40で抽出された高周波数帯域および低周波数帯域の信号成分の強度(P1,P)の比(r=P/P)を算出する。この信号成分の強度の比(r=P/P)は、被加熱物Fの実測温度とともに図4(b)に示すように時間推移する。すなわち被加熱物Fの温度が上昇するにつれて、信号成分の強度比(r=P/P)は、部分沸騰の発生とともに小さくなり、極小値に達した後、増大に転じ、核沸騰状態で飽和すると一定の値に維持される。
そして本願発明者の研究によれば、高周波数帯域および低周波数帯域の信号成分の強度の比(r=P/P)は、被加熱物Fの容量および種類ならびに鍋Pの形状および材質(被加熱パラメータ)に依存することなく、被加熱物Fの温度により変化することが確認された。すなわち本願発明に係る状態判定部60は、信号成分の強度比(r=P/P)が所定の閾値rth1より小さいときには被加熱物Fが部分沸騰状態にあり、所定の閾値rth2より大きいときには被加熱物Fが核沸騰状態にあることを極めて正確に判定することができる。
換言すると、制御回路30は、信号成分の強度比(r=P/P)を所定の閾値rth1より小さく維持されるように駆動回路24を制御することにより、被加熱物Fの容量および種類ならびに鍋の形状および材質によらず、被加熱物Fを部分沸騰状態に精緻に制御することができる。
図5は、制御回路30の動作の一例を示すフローチャートである。被加熱物Fが核沸騰状態にあることを状態判定部60が判定すると、制御回路30は、加熱コイル10に供給される高周波電流を停止または抑制するように駆動回路24を制御する。これにより、本願発明に係る加熱調理器1は、被加熱物Fが鍋Pから吹きこぼれることを防止することができる。
図6は、制御回路30の動作の択一的な具体例を示すフローチャートである。加熱調理器1は、上述のように、長時間加熱モードまたは沸かしモードをユーザにより選択することができる設定入力部70を有する(図1)。長時間加熱モードとは、煮込み料理など、小さい火力で長時間加熱したい料理に適した調理モードであり、沸かしモードとは、できるだけ速やかに被加熱物Fを沸騰させたい場合に適した調理モードである。
加熱する前の被加熱物Fの信号成分の強度比(r=P/P)は、部分沸騰状態を示す閾値rth1より大きいので、ステップS1において、状態判定部60は、被加熱物Fが部分沸騰状態に至ったか否か(rth1<r)を判定する。被加熱物Fが部分沸騰状態に未だ至っていないと判定された場合(Yesの場合)、ステップS2において、制御回路30は、加熱コイル10に高周波電流を継続して供給するように駆動回路24を制御する。
一方、被加熱物Fが部分沸騰状態に至ったと判断された場合(Noの場合)、ステップS3において、制御回路30は、設定入力部70でユーザにより選択された加熱モードが長時間加熱モードか否かを確認する。
長時間加熱モードが選択されていた場合(Yesの場合)、ステップS4において、制御回路30は、被加熱物Fが部分沸騰状態で維持されるように、加熱コイル10に供給電流を抑制するように駆動回路24を制御する。
沸かしモードが選択されていた場合(Noの場合)、ステップS5において、状態判定部60は、被加熱物Fが核沸騰状態に至ったか否か(r<rth2)を判定する。被加熱物Fが核沸騰状態に未だ至っていないと判定された場合(Yesの場合)、ステップS6において、制御回路30は、加熱コイル10に高周波電流を継続して供給するように駆動回路24を制御する。
一方、被加熱物Fが核沸騰状態に至ったと判断された場合(Noの場合)、ステップS7において、制御回路30は、加熱コイル10に供給電流を停止(または抑制)するように駆動回路24を制御する。
以上のように、本願発明によれば、極めて簡便な構成で被加熱物Fの沸騰状態を判定することができ、これに基づいて適正な高周波電流で加熱コイル10を駆動することができる。
実施の形態2.
図7〜図9を参照しながら、本願発明に係る加熱調理器の実施の形態2について以下に説明する。実施の形態2の加熱調理器2は、状態判定部60が互いに異なる2つの周波数帯域群の信号成分の強度の合計値(ΣP,ΣP)の比を算出する点を除いて、実施の形態1の加熱調理器1と同様の構成を有するので、その他の構成部品に関連する詳細な説明を省略する。なお図中、同一構成部品については同一の符号を用いて示す。
実施の形態2の信号抽出部40は、図7に示すように、振動センサ12で検出された振動信号から、互いに異なる複数(3以上)の周波数帯域の信号成分の強度(P,P,・・・,P、nは3以上の自然数)を選択的に抽出する複数のバンドパスフィルタ42,42,・・・,42と、および対応するAD変換器44,44,・・・,44とを有する。このとき、各AD変換器44,44,・・・,44から出力される各周波数帯域の信号成分の強度(P,P,・・・,Pn−1,P)の強度は、図8(b)〜図(e)のように時間推移する。
実施の形態2に係る信号演算部50は、信号抽出部40で抽出された複数の周波数帯域の信号成分のうち、部分沸騰に主に起因して生じる周波数帯域を有する信号成分と、核沸騰に主に起因して生じる周波数帯域を有する信号成分とを2つのグループ(第1および第2の周波数帯域群)に分類して、各グループの信号成分の強度の合計値(ΣP,ΣP)を計算する。また信号演算部50は、各グループの信号成分の強度の合計値の比(R=ΣP/ΣP)を算出する。この強度比(R)は、被加熱物Fの実測温度とともに図9(b)に示すように時間推移する。
このとき、外乱による振動は特定の周波数でピーク値を有する信号として検出されるので、信号演算部50は各グループの信号成分の中で、その強度が所定値を超えるピーク値を有するとき、外乱によるものと判断して、その信号成分を取り除いて、各グループの信号成分の強度の合計値の比(R)を算出することが好ましい。
こうして、実施の形態2に係る状態判定部60は、実施の形態1と同様、信号成分の強度比(r)の代わりに、2つの周波数帯域群の信号成分の合計値の比(R)を用いることにより、被加熱物Fの容量および種類ならびに鍋の形状および材質によらず、被加熱体Pに収容された被加熱物Fの沸騰状態を判定することができる。
このように部分沸騰および核沸騰に主に起因して生じる複数の周波数帯域を有する複数の信号成分を抽出して、これらの信号成分の強度の合計値の比(R)を算出するので、実施の形態1に比して、被加熱体Pに収容された被加熱物Fの沸騰状態をより正確に判定することができる。また複数の周波数帯域を有する複数の信号成分のうち、特定の周波数でピーク値を有する外乱による信号成分だけを容易に排除できるので、外乱による悪影響を排除して、被加熱物Fの沸騰状態をよりいっそう正確に判定することができる。
実施の形態3.
図10を参照しながら、本願発明に係る加熱調理器の実施の形態3について以下に説明する。実施の形態3の加熱調理器3は、信号抽出部40が第1および第2の周波数帯域の信号成分の強度(P1,P)をそれぞれ整流する整流回路46a,46bを有する点を除いて、実施の形態1の加熱調理器1と同様の構成を有するので、その他の構成部品に関連する詳細な説明を省略する。なお図中、同一構成部品については同一の符号を用いて示す。
実施の形態3の信号抽出部40は、図10に示すように、バンドパスフィルタ42a,42bにより、振動センサ12で検出された振動信号から高周波数帯域および低周波数帯域の信号成分の強度(P1,P)を選択的に抽出し、整流回路46a,46bにより、信号成分のアナログ信号を平滑化し、AD変換器44a,44bにより平滑化された高周波数帯域および低周波数帯域の信号成分を信号演算部に出力するものである。換言すると、実施の形態2の加熱調理器2が、信号抽出部40が複数の(離散的な)周波数帯域を抽出した後、信号演算部50で信号成分の強度を合計演算することにより判定精度を改善するものであったのに対し、実施の形態3の加熱調理器3は、より広範な第1および第2の周波数帯域における信号成分の強度(P1,P)を平滑化することにより判定精度を向上させることができる。
特に、実施の形態3の信号抽出部40は、部分沸騰および核沸騰に主に起因して生じる周波数帯域がそれぞれ連続的に分布する場合には、上記の極めて簡便な構成を用いて、より広範な第1および第2の周波数帯域における信号成分の強度(P1,P)を平滑化することにより、被加熱物Fの沸騰状態をより正確に判定することができる。
実施の形態4.
図11を参照しながら、本願発明に係る加熱調理器の実施の形態4について以下に説明する。実施の形態4の加熱調理器4は、信号抽出部40がバンドパスフィルタ42a,42bおよび増幅回路48a,48bとからなり、信号演算部50が整流回路46a,46b、比較器52、およびAD変換器44からなる点を除いて、実施の形態1の加熱調理器1と同様の構成を有するので、その他の構成部品に関連する詳細な説明を省略する。なお図中、同一構成部品については同一の符号を用いて示す。
図11を参照すると、実施の形態4の信号抽出部40は、バンドパスフィルタ42a,42bにより、振動センサ12で検出された振動信号から高周波数帯域および低周波数帯域の信号成分(P1,P)を選択的に抽出し、増幅回路48a,48bにより、各信号成分を互いに異なる所定の増幅率k,kで増幅する。
実施の形態4の信号演算部50は、所定の増幅率k,kで増幅された高周波数帯域および低周波数帯域の信号成分(P1,P)を、整流回路46a,46bを用いて整流(平滑化)し、比較器52でこれらの大小を判定し、AD変換器44によりAD変換する。すなわち実施の形態4の加熱調理器4は、実施の形態1で説明した部分沸騰および核沸騰の判定基準となる信号成分(P1,P)の強度比(r=P/P=k/k)を、高周波数帯域および低周波数帯域の信号成分(P1,P)を増幅する増幅率k,kとして増幅回路48a,48bに事前に組み込んでおくことができる。こうして実施の形態4の加熱調理器4は、上記実施の形態と同様、極めて簡便な構成を用いて、被加熱物Fの沸騰状態をより正確に判定することができる。
実施の形態5.
図12を参照しながら、本願発明に係る加熱調理器の実施の形態5について以下に説明する。実施の形態5の加熱調理器5は、信号抽出部40がローパスフィルタ54およびAD変換器56からなり、信号演算部50が任意の周波数帯域の信号成分を算出(抽出)する点を除いて、実施の形態1の加熱調理器1と同様の構成を有するので、その他の構成部品に関連する詳細な説明を省略する。なお図中、同一構成部品については同一の符号を用いて示す。
上述のように、実施の形態5の信号抽出部40は、振動センサ12で検出された振動信号がエイリアシング防止用のローパスフィルタ54で処理された後、AD変換器56により、さまざまな周波数帯域においてAD変換される。
実施の形態5の信号演算部50は、デジタル化された振動信号の任意の第1および第2の周波数帯域における信号成分の強度(P1,P)の比(r=P/P)を算出する。そして実施の形態5の状態判定部60は、この比(r=P/P)に基づいて被加熱体Pに収容された被加熱物Fの沸騰状態を判定する。すなわち、これまでの実施の形態では、信号抽出部40が特定の周波数帯域における信号成分を抽出していたところ、実施の形態5によれば、信号演算部50がデジタル化された振動信号の第1および第2の周波数帯域における信号成分の強度(P1,P)を、たとえば高速フーリエ変換などの周波数解析(ソフトウェアまたはプログラム)を用いて算出(抽出)するとともに、これらの比を算出するものである。
このとき、実施の形態2で説明したように、信号演算部50は、特定の周波数でピーク値を有する外乱による振動信号を取り除いた後、信号成分の強度比(r=P/P)を算出することが好ましい。
以上のように、実施の形態5の信号抽出部40は、ローパスフィルタ54およびAD変換器56のみからなるので、部品点数を削減し、部品構成を簡略化することができる。また上記のように、外乱による振動信号を容易に除去できるので、被加熱物Fの沸騰状態をより正確に判定することができる。
1〜5:加熱調理器、6トッププレート(天板)、10:加熱コイル、12:振動センサ(振動検出部)、14:共振コンデンサ、16:LCR誘導加熱部、20:商用電源、22:電源整流回路、24:駆動回路、26:駆動電圧検出部、28:駆動電流検出部、30:制御回路、40:信号抽出部、42:バンドパスフィルタ、44:アナログデジタル変換器(AD変換器)、46:整流回路、48:増幅回路、50:信号演算部、52:比較器、54:ローパスフィルタ、56:アナログデジタル変換器(AD変換器)、60:状態判定部、70:設定入力部、F:被加熱物、P被加熱体。

Claims (6)

  1. 被加熱体が載置されるトッププレートと、
    前記トッププレートの下方に配置された加熱コイルと、
    前記加熱コイルに高周波電流を供給する駆動回路と、
    前記トッププレートを介して前記被加熱体の振動を検出し、振動信号を出力する振動検出部と、
    前記振動検出部で検出された振動信号から、互いに異なる第1および第2の周波数帯域の信号成分を抽出する信号抽出部と、
    前記信号抽出部で抽出された第1および第2の周波数帯域の信号成分の強度(P1,P)の比(r=P/P)を算出する信号演算部と、
    前記信号演算部で算出された第1および第2の周波数帯域の信号成分の強度比に基づいて前記被加熱体に収容された被加熱物の沸騰状態を判定する状態判定部と、
    前記状態判定部で判定された沸騰状態に応じた高周波電流が前記加熱コイルに供給されるように前記駆動回路を制御する制御回路とを備えたことを特徴とする加熱調理器。
  2. 状態判定部は、第1および第2の周波数帯域の信号の強度の比(r=P/P)が所定の閾値(rth2)以上であるとき、被加熱体内の被加熱物が核沸騰状態にあると判定することを特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。
  3. 制御回路は、被加熱体内の被加熱物が核沸騰状態にあると状態判定部が判定したとき、加熱コイルへの高周波電流の供給を停止するように駆動回路を制御することを特徴とする請求項2に記載の加熱調理器。
  4. 被加熱体内の被加熱物が部分沸騰状態で加熱される長時間加熱モード、または核沸騰状態に至るまで加熱される沸かしモードを、ユーザにより選択できるモード選択部を有し、
    制御回路は、前記モード選択部で選択された長時間加熱モードまたは沸かしモードに応じて、前記被加熱体内の被加熱物が加熱されるように駆動回路を制御することを特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。
  5. 信号抽出部は、振動検出部で検出された振動信号から、互いに異なる帯域の複数の信号成分を抽出し、
    信号演算部は、前記信号抽出部で抽出された複数の信号成分を第1および第2の周波数帯域群の信号成分の強度(ΣP,ΣP)の合計値の比(R=ΣP/ΣP)を算出し、
    状態判定部は、前記信号演算部で算出された第1および第2の周波数帯域群の信号成分の強度比に基づいて、前記被加熱体に収容された被加熱物の沸騰状態を判定することを特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。
  6. 信号演算部は、信号抽出部で抽出された複数の信号成分のうち、その強度が所定値を超えるとき、その信号成分を取り除いて、第1および第2の周波数帯域群の信号成分の強度(ΣP,ΣP)の合計値の比(R=ΣP/ΣP)を算出することを特徴とする請求項5に記載の加熱調理器。
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