JP3858335B2 - 誘導加熱装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、感温磁性金属で構成した発熱体を使用して温度制御を実行する誘導加熱装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
キュリー温度を有する感温磁性金属を使って温度を制御する誘導加熱技術は、例えば実公昭61−16615に開示されている。以下この構成を図18に基づいて説明する。1は調理に使用する容器で、キュリー温度を有する感温磁性金属を使用している。容器1は支持板2上に載置されており、加熱コイル3によって誘導加熱される発熱体である。
【0003】
図19は、このときの容器1の温度と、加熱コイル3の電圧を一定にした条件で容器1に加えた熱量との関係を示している。横軸には温度を、縦軸には容器1に加えた熱量を示している。曲線aに示しているように、加熱コイル3の電圧を一定にした条件ではキュリー温度θ付近では、容器に加わる加熱量が低下するものである。直線bは容器1からの放熱量を示しており、容器1の温度と室温との差に比例している。実公昭61−16615に開示されている技術では、容器1は加熱量と放熱量とがバランスしているキュリー温度よりやや低い温度θで、容器1の温度が精度良く制御されるものとなっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし前記従来の構成のものは、図18のaに示しているように、キュリー温度θを超えても多少は加熱されるようになっている。また、容器1の表面積が小さかったり、あるいは容器1の周囲が断熱材で囲われた構成となっている場合には、図18のcに示しているように放熱量は一層減少するものである。この結果、容器1の温度がキュリー温度θを超えても、さらに温度が上昇することになるものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、加熱コイルの負荷インピーダンスに応じて発熱体に供給する平均加熱電力を調整するようにして、温度制御の精度の高い誘導加熱装置としている。
【0006】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載した発明は、高周波磁界を発生する加熱コイルと、前記加熱コイルの負荷である温度によって飽和磁束密度が変化する感温磁性金属で構成した断熱材で囲んだ容器と、前記加熱コイルの負荷インピーダンスを測定するインピーダンス測定手段と、前記加熱コイルに高周波電流を供給する高周波インバータと、前記高周波インバータを構成する高周波スイッチング手段を制御する制御手段と、前記インピーダンス測定手段の出力と判定値を比較することにより、前記容器の温度がキュリー温度に対応する温度より高いかどうかを判断する比較手段と、前記インピーダンス測定手段の出力が判定値に達するまでの間は、前記加熱コイルへの高周波電流の供給を印可し、前記インピーダンス測定手段の出力が判定値を超えると前記加熱コイルへの高周波電流の供給を印加と休止を繰り返す間欠供給とすることによって前記容器に供給する平均加熱電力を低下させるようにして、発熱体の放熱量が小さくても発熱体の温度の上昇を防止でき、温度制御の精度の高い誘導加熱装置としている。
【0007】
【実施例】
以下本発明の実施例について説明する。図1は本実施例の構成を示すブロック図である。支持板2の上部には、周囲を断熱材10で囲んだ発熱体である容器11を載置している。容器11は、キュリー温度以下では温度が上昇するにつれて飽和磁束密度が低下する磁性体であり、キュリー温度を越えると非磁性となる感温磁性金属によって構成している。断熱材10としては、本実施例ではグラスウールを使用している。支持板2の下部には、高周波インバータ9が供給する高周波電流を流して高周波磁界を発生する加熱コイル3を設けている。
【0008】
図2は高周波インバータ9の構成を示すブロック図である。高周波インバータ9は、容器11等の加熱コイル3の負荷インピーダンスを測定するインピーダンス測定手段13と、インピーダンス測定手段13の出力を受けて制御信号を出力する制御手段14と、制御手段14の指示によって高周波電流を出力する出力手段12を有している。
【0009】
また、図3は具体回路を示す回路図である。本実施例の高周波インバータ9は、商用電源15を、整流器16で整流し、IGBT等の高周波スイッチング手段17と、高周波スイッチング手段17のオンオフを制御する制御手段14と、加熱コイル3と並列に接続した共振コンデンサ19によって高周波に変換して、加熱コイル3に供給している。高周波スイッチング手段17には、逆電圧がかかったときに電流を流す逆導通ダイオード20を接続している。また、高周波スイッチング手段17のコレクタ−エミッタ間には、インピーダンス測定手段13を構成する電圧測定手段22を接続している。また商用電源15から入力される入力電流を検出する入力電流検出手段23を接続している。また、整流器16の両端にはノイズ防止用コンデンサ25を接続している。
【0010】
以下本実施例の動作について説明する。調理物を内部に収容した調理容器11を支持板2上に載置して、図示していないスイッチをオンすると、誘導加熱装置は動作を開始する。すなわち、高周波インバータ9が加熱コイル3に高周波電流を供給し、加熱コイル3が高周波磁界を発生して、容器11が誘導加熱されて調理が進行するものである。このとき、本実施例では容器11の周囲を断熱材10によって囲んでいるため、調理終了時の調理物の温度は効率的に保温されるものである。
【0011】
本実施例の回路構成は、一般に電圧共振型インバータと呼ばれている。制御手段14は、入力電流検出手段23が検出している入力電流を定格電流以下となるように、高周波スイッチング手段17のオンオフ時間を制御している。このとき入力電流検出手段23が検出する入力電流は、商用電源15がAC100Vで一定しているため、入力電力を示しているものである。
【0012】
図4は、このときの高周波スイッチング手段17のコレクタ−エミッタ間の電圧Vceを示している。実線aは、容器11等が構成している加熱コイル3の負荷インピーダンスの抵抗成分が大きい場合の波形を、破線bは同じく負荷インピーダンスの抵抗成分が小さい場合を示している。負荷インピーダンスの抵抗成分が小さい場合は、共振時のQが大きくなって共振電圧の振幅が大きくなるものである。
【0013】
本実施例で使用している容器11は、前記したように、キュリー温度以下では温度が上昇するにつれて飽和磁束密度が低下する磁性体であり、キュリー温度を越えると非磁性となる感温磁性金属によって構成している。この容器11を使用して、容器11の温度を一定に温度制御する方法を示す。図5は容器11の温度と、高周波インバータ9から見た負荷インピーダンスの抵抗成分との関係を示す特性図である。横軸は温度を、縦軸は抵抗値Rを採っている。この図から明らかであるように、容器11は、キュリー温度θ付近では抵抗値が低下しているものである。この理由は、図6に示しているように、容器11を流れる高周波電流の厚さが温度によって変化するためである。高周波電流が導体中を流れる厚さである表皮深さδは、数1で表現される。
【0014】
【数1】
Figure 0003858335
【0015】
ここでKは定数、fは高周波電流の周波数、μは容器11の材質の比透磁率である。容器11がステンレス系で温度が低いときは、fを20kHzとすると、μは約100で、δは0.4mmとなる。つまり、図6(a)に示しているように加熱コイル3からの磁束は容器11の底部の下表面に集中するものである。従って、発生する渦電流も下表面に集中し断面積が小さくなるため電気抵抗は大きくなるものである。容器11の温度が高くなるにつれて、容器11を構成する金属材料の飽和磁束密度が低下する。このため、加熱コイル3が発生する高周波磁束は容器11の内部にまで侵入するようになる。このため、発生する渦電流の流れる厚さが増大し、断面積が大きくなって電気抵抗は低下してくるものである。さらに温度が上昇してキュリー温度θに達すると、μ=1となるので、δ=4mmとなって、図6(b)に示しているように、渦電流は容器11の厚さ全体を流れて、電気抵抗は最小となるものである。
【0016】
以上のように容器11の温度が変化すると、インピーダンス測定手段13を構成する電圧測定手段22が検出するVceは、図7(a)に示すように変化している。つまり、キュリー温度θに対応する温度Taの前後で、Vceが変化するものである。従って、制御手段14がこの電圧測定手段22が検出したVceの値を判定値mより大きいか小さいかを認識することによって、容器11の現在の温度がTaより高いか低いかを判断できるものである。図7(b)は、この判断の結果制御手段14が出力手段12に出力する信号を示している。つまり本実施例の場合には、制御手段14の信号は、高周波スイッチング手段17に印加している。制御手段14は、電圧測定手段22が検出するVceが判定値mに達するまでの間は、入力電流検出手段23が検出する入力電流によって決定される入力電力がaとなるように、高周波スイッチング手段17を制御しているものである。また、電圧測定手段22が検出するVceが判定値mを越えると、加熱コイル3への高周波電流の供給を、印加と休止を繰り返す間欠供給としているものである。この印加時間と休止時間との比を1:4とした場合には、平均電力としてはbに示しているように、温度が低い間の加熱電力aの約5分の1の電力を加熱コイル3に供給するものである。このときの容器11の放熱特性がcで示す特性であるとすると、前記制御の結果、容器11の温度は、加熱電力よりも放熱量の方が多いため徐々に低下してくるものである。電圧測定手段22が検出する電圧Vceが所定値m以下となると、制御手段14は低温時の所定電力aを再び出力するように指示するものである。このときの加熱電力は、放熱量cよりも大きいため容器11の温度は徐々に上昇する。こうして、容器11の温度はTaで安定する。このとき、放熱特性cが温度Taにおいて、b以上a以下であれば容器11の温度は確実にTaで安定する。本実施例では、この放熱特性の幅をdとして示している。この結果、容器11の温度は、図8に示すような特性で変化するものである。図8(a)は、時間の経過とVceの変化を示しており、図8(b)はこのときの容器11の温度の変化を示している。
【0017】
以上のように本実施例によれば、制御手段14が加熱コイル3への高周波電流の供給を間欠的に行うことによって容器11に供給する平均加熱電力を低下させる構成とすることによって、特に容器11の放熱量が小さくても容器11の温度の上昇を防止でき、温度制御の精度の高い誘導加熱装置を実現できるものである。
【0018】
なおこのとき、制御手段14が小さい印加電力を連続して加えた場合には、容器11の温度リプルをより小さくする制御が可能となるものである。図9(a)はVceの温度特性を、図9(b)は容器に印加する電力を示している。また図10(a)は、このときの高周波スイッチング手段17のVceの時間変化を示している。図10(b)は、容器11の温度の時間変化を示している。つまり容器11の温度が上昇して、電圧測定手段22が検出するVceが図9に示している特性aに従って変化し、判定値mに達すると制御手段14は加熱コイル3に対する供給電力をaからbに低下させる。この時のVceの温度特性は図9(a)のbになる。この結果、容器11の温度が図10(b)に示しているように徐々に低下して、電圧測定手段22が検出するVceが判定値nに達すると、制御手段14は印加電力が図9(b)のaとなるように高周波スイッチング手段17駆動するものである。この時の容器11の温度がTaである。この結果、容器11の温度は図10(b)に示しているようにリプルの無い状態で制御されるものである。
【0019】
なおこのとき、容器11に供給する加熱量が多い間、つまり加熱コイル3に供給する電力がaまたはbと大きい間は、制御手段14が2値の判定値mとnを有し連続制御を実行できるようする。電力bを加えてもさらに温度が上昇する場合には、間欠動作をしてさらに平均印加電力を低下させる。すなわち、制御手段14が判定値pを有して、電圧測定手段22が検出するVceが判定値pを越えると、加熱コイル3への高周波電流の供給を、印加と休止を繰り返す間欠供給をして平均印加電力をさらにcにまで低下させる。cは零でもよい。このように容器11はリプルの無い安定した温度制御ができるとともに、平均印可電力を零まで連続的に絞ることができて、使い勝手の良い誘導加熱装置を実現できるものである。
【0020】
なお、高温になったときの印加電力は零にまで下げてもよいが、負荷インピーダンスの測定して温度を検知するためには多少なりとも高周波電流を流す必要があるので、一定時間毎、もしくは温度が下がった頃を見計らって高周波電流を印加し、負荷インピーダンス測定の結果、温度が低下していれば元の大きい電力を印加するという制御を行う。
【0021】
(実施例2)
続いて本発明の第2の実施例について説明する。図11は、本実施例の構成を示す断面図である。本実施例では、容器11は、感温磁性金属28と非磁性の低抵抗率の金属29とを感温磁性金属が加熱コイル側となるように積層して構成しているものを使用している。この非磁性の低抵抗率の金属としては、銅やアルミあるいは銀を使用している。
【0022】
以上のように構成することによって、容器11の温度がキュリー温度を越えて上昇した場合に、加熱コイル3が発生する高周波磁界が容器11に鎖交したときに容器11に流れる誘導電流は非磁性の低抵抗率の金属29の中を流れるものである。この結果、加熱コイル3から見た負荷インピーダンスの抵抗分Rと容器11の温度との関係は、図12(a)に示すように変化するものである。すなわち、容器11が感温磁性金属だけで構成した場合には、aに示すような特性であったものが、感温磁性金属と非磁性の低抵抗率の金属を積層することによってbに示すような特性となるものである。つまり、容器11の温度が高い間は、抵抗Rは感温磁性金属だけで構成した場合よりも低くなるものである。このとき同時に、高周波スイッチング手段15のVceと容器11の温度との関係も、図12(b)に示すように変化するものである。つまり、容器11の温度が高くなると、容器11が感温磁性金属だけで構成した場合には、aに示すような特性であったものが、感温磁性金属と非磁性の低抵抗率の金属を積層することによってbに示すように大きくなるものである。このため、電圧測定手段22による電圧検出が容易に出来、前記実施例で説明した温度制御がより確実に出来るものである。また、容器11の感温磁性金属部が非磁性となったときには、非磁性の低抵抗率の金属部が磁気シールド機能を発揮するものである。つまり、加熱コイル3が発生する高周波磁界が図11に示している容器11内の例えば金属製のお玉30と鎖交することを防止できる。このため、お玉30が高周波磁界によって誘導加熱され高温になったりすることはないものである。
【0023】
(実施例3)
続いて高周波インバータの入力電流を測定して負荷インピーダンスを測定する実施例について説明する。図13は、本実施例の制御方法を説明する特性図である。図13(a)には、容器11の温度と加熱コイル3から見た負荷インピーダンスの抵抗分Rとの関係を示している。このとき、高周波スイッチング手段17のVceのピーク電圧が一定となるように制御手段14によって制御していると、図2に示しているインピータンス測定手段13を構成する入力電流検出手段23が検知する高周波インバータ9に対する入力電流Iinは、図13(b)に示すように変化するものである。mは、本実施例の制御手段14が有している入力電流Iinの判定値である。入力電流検出手段23が検知する入力電流Iinが判定値m以下になると、つまり容器11の温度がTc以下になると、加熱コイル3に対する高周波電流の供給を間欠的に行うようにして、容器11に対する加熱量を例えばそれまでの1/5とする。こうして容器11の放熱量の方が容器11に供給する加熱量よりも多くなる。容器11の温度がTcまで低下して入力電流検出手段23が入力電流Iinが判定値mを越えると、加熱コイル3に対する高周波電流の供給を連続的に行うようにして、容器11に対する加熱量を通常状態に戻すものである。この様子は図13(c)に示している。図13(c)に示している直線cは、容器11の放熱特性を示している。以上のように制御することによって、容器11の温度はTcで安定するものである。
【0024】
次に入力電流Iinの判定値をnにすると同様の動作をして、容器11の温度はTdで安定するものである。つまり本実施例では、負荷インピーダンスに応じて容器11に供給する平均印加電力を変更するようにして、容器11の制御温度を調整できる誘導加熱装置を実現できるものである。
【0025】
また図14は、別の制御方法を説明する特性図である。図14(a)は、高周波スイッチング手段15のVceのピーク電圧aが一定となるように制御したときの、高周波スイッチング手段のVceの特性を示している。また図14(b)は、高周波スイッチング手段17のコレクタ電流Icの変化を示している。図14(c)は、逆導通ダイオード16に流れる電流の波形を示している。容器11の温度が低く、加熱コイル3の負荷インピーダンスの抵抗成分が大きい場合は、Icは実線bに示すようになる。容器11の温度が高く加熱コイル3の負荷インピーダンスの抵抗成分が小さい場合にはIcは破線cに示すように変化する。従って、図2に示すインピータンス測定手段13として高周波スイッチング手段17を流れる電流を検出する電流検出手段とし、制御手段14が前記bとcの差を判断できる設定値を有する構成とすると、前記説明に準じた温度制御が実行できるものである。
【0026】
また図14(c)に示している、逆導通ダイオード20を流れる電流は、実線bで示した容器11の温度が低い場合と、破線cで示した容器11の温度が高い場合との差が大きいため、インピーダンス測定手段13として設けた逆導通ダイオード20を流れる電流を検出する電流検出手段と、制御手段14に設けた前記bとcの差を判断できる設定値とを使用することによって、感度の高い温度制御を実行することが出来るものである。
【0027】
(実施例4)
図15はハーフブリッジ方式の高周波インバータの構成を示す接続図である。直流電源35が供給する電流を、制御手段36が2石の高周波スイッチング手段37・38を交互にオンするように制御して高周波に変換して、加熱コイル40と共振コンデンサ41に高周波電流を供給するようにして、容器11を誘導加熱するものである。図16は、このときの各部の動作波形を示している。Vce1・Vce2は、高周波スイッチング手段37・38のコレクタ・エミッタ間の電圧である。この回路構成とした場合には、高周波スイッチング手段37・38には直流電源35の電圧E以上の電圧はかからないものである。またIは、加熱コイル40および共振コンデンサ41を流れる電流である。この電流Iは、容器11の温度が低く負荷インピーダンスの抵抗成分が大きいときは実線aで示すように変化し、容器11の温度が高く負荷インピーダンスの抵抗成分が小さいときは破線bで示すように変化する。つまり、容器11の温度が低くなると、電流Iの振幅が大きくなるものである。Vは共振コンデンサ41の両端の電圧を示している。このVもIと同様、容器11の温度が低く負荷インピーダンスの抵抗成分が大きいときは実線aで示すように変化し、容器11の温度が高く負荷インピーダンスの抵抗成分が小さいときは破線bで示すように変化する。つまり、容器11の温度が低くなると振幅が大きくなるものである。
【0028】
従って、前記各実施例と同様、インピーダンス測定手段13として、加熱コイル40または共振コンデンサ41を流れる電流を測定する電流測定手段を使用し、制御手段14がaとbの差を検出できる設定値を有するようにすれば、容器11の温度を正確に制御することが出来るものである。またインピーダンス測定手段13として、共振コンデンサ41の両端の電圧を測定する電圧測定手段を使用し、制御手段14がaとbの差を検出できる設定値を有するようにすれば、容器11の温度を正確に制御することが出来るものである。
【0029】
(実施例5)
続いて本発明の第5の実施例について説明する。図17は、本実施例で使用しているインピーダンスの計測方法を説明する特性図で、加熱コイル3のインダクタンスLの温度特性を示している。容器11の温度が高くなるとインダクタンスは低下し、従って図1に示している共振コンデンサ19との間の共振周波数は高くなるものである。そこで本実施例では、インピーダンス測定手段13として、高周波インバータ9の発振周波数を測定する周波数測定手段を使用し、制御手段14が発振周波数の差を検出する構成としているものである。周波数の測定はマイコンなどディジタル式の回路では容易に精度よく行える。
【0030】
【発明の効果】
請求項1に記載した発明は、発熱体の放熱量が小さくても発熱体の温度の上昇を防止でき、温度制御の精度の高い誘導加熱装置を実現できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例である誘導加熱装置の構成を示すブロック図
【図2】 同、高周波インバータの構成を示すブロック図
【図3】 本発明の第1の実施例である誘導加熱装置の高周波インバータの回路構成を示す接続図
【図4】 同、高周波スイッチング手段のVceの変化を示す特性図
【図5】 同、容器の温度と負荷の抵抗成分との関係を示す特性図
【図6】 (a)同、容器の温度が低いときに容器に流れる誘導電流の状態を示す説明図
(b)同、容器の温度が高いときに容器に流れる誘導電流の状態を示す説明図
【図7】 (a)同、高周波スイッチング手段のVceのピーク電圧と容器の温度との関係を示す特性図
(b)同、容器に供給する加熱電力と容器の温度との関係を示す特性図
【図8】 (a)同、Vceの時間的変化を示す説明図
(b)同、容器の温度の変化を示す説明図
【図9】 同、制御手段が2値の設定値を有して高周波スイッチング手段を駆動したときの高周波スイッチング手段の動作特性を示す説明図
【図10】 (a)同、高周波スイッチング手段の時系列的な動作を示す特性図
(b)同、容器の温度の時系列的な変化を示す特性図
【図11】 本発明の第2の実施例である誘導加熱装置に使用している容器の構成を示す断面図
【図12】 (a)同、負荷インピーダンスの抵抗分の温度変化を示す特性図
(b)同、Vceの温度変化を示す特性図
【図13】 本発明の第3の実施例である誘導加熱装置の負荷インピーダンスの計測方法を説明する特性図
(a)負荷インピーダンスの抵抗分と温度との関係を示す特性図
(b)入力電流と温度との関係を示す特性図
(c)制御手段が制御する入力電流の変化を示す特性図
【図14】 同、誘導加熱装置の別の負荷インピーダンスの計測方法を説明する特性図
(a)Vceのピーク値を一定としたときのVceの変化を示す特性図
(b)同、コレクタ電流の変化を示す特性図
(c)同、逆導通ダイオードを流れる電流の変化を示す特性図
【図15】 本発明の第4の実施例であるハーフブリッジ方式の高周波インバータの構成を示す接続図
【図16】 同、各部の動作を示す波形図
【図17】 本発明の第5の実施例である高周波インバータの負荷インピーダンスの計測方法を示す特性図
【図18】 従来の誘導加熱装置の構成を示す接続図
【図19】 同、容器の温度と加熱量との関係を示す特性図
【符号の説明】
3 加熱コイル
9 高周波インバータ
11 容器
13 インピーダンス測定手段
14 制御手段
17 高周波スイッチング手段
19 共振コンデンサ
22 電圧測定手段
23 入力電流測定手段

Claims (1)

  1. 高周波磁界を発生する加熱コイルと、前記加熱コイルの負荷である温度によって飽和磁束密度が変化する感温磁性金属で構成した断熱材で囲んだ容器と、前記加熱コイルの負荷インピーダンスを測定するインピーダンス測定手段と、前記加熱コイルに高周波電流を供給する高周波インバータと、前記高周波インバータを構成する高周波スイッチング手段を制御する制御手段と、前記インピーダンス測定手段の出力と判定値を比較することにより、前記容器の温度がキュリー温度に対応する温度より高いかどうかを判断する比較手段と、前記インピーダンス測定手段の出力が判定値に達するまでの間は、前記加熱コイルへの高周波電流の供給を印可し、前記インピーダンス測定手段の出力が判定値を超えると前記加熱コイルへの高周波電流の供給を印加と休止を繰り返す間欠供給とすることによって前記容器に供給する平均加熱電力を低下させる誘導加熱装置。
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