JP2011248878A - 流体構造連成シミュレーション方法、装置及びプログラム - Google Patents

流体構造連成シミュレーション方法、装置及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】流体構造連成シミュレーション方法、装置及びプログラムにおいて、流体と構造間のメッシュの整合性に依存せず、正確なシミュレーションを行うことを目的とする。
【解決手段】流体構造連成シミュレーションにおいて、メッシュで表される流体と構造の夫々について計算領域を離散化した節点間のグラフ情報を構成し、物理現象をシミュレートする主要時間発展ループをコンピュータにより実行し、主要時間発展ループは、構造の境界上に構造の変位に伴って移動する相互作用仲介要素を配置し、相互作用仲介要素内に、流体の圧力と速度及び構造の変位と相互作用する、流体の圧力及び速度の補正函数を定義し、補正函数に基づいて流体と構造でメッシュが不整合の状態でシミュレーションを実行するように構成する。
【選択図】図12

Description

本発明は、流体構造連成シミュレーション方法、装置及びプログラムに関する。本発明は、流体構造連成シミュレーションプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体にも関する。
流体構造連成シミュレーションとは、流体構造連成(FSI: Fluid Structure Interaction)解析を用いた数値解析シミュレーションのことを言う。
流体と構造間の自由境界(又は、移動境界)は普遍的に存在し、近年の計算機の性能向上と有限要素法等の数値シミュレーション手法の高度化に伴って、基礎科学においてのみならずCAE(Computer Aided Engineering)、生体力学等の応用的分野においても流体構造連成シミュレーションが行なわれるようになった。これにより、より現実的な問題設定下における現象の理解が可能となってきている。流体構造連成問題に対するシミュレーションには、境界追跡(IT:Interface-Tracking)型のALE(Arbitrary Lagrangian-Eulerian)法が用いられることが多い(例えば、非特許文献4、5)。
図1は、IT型のALE法を用いた数値シミュレーションを説明する図である。ALE法のアルゴリズム又はプログラムは、図1に示す計算機システム1により実行される。計算機システム1は、入力装置2、計算機3、及び出力装置4を有する。入力装置2は、流体と構造の物理定数(例えば、粘性係数や密度、ヤング率(Young's Modulus)等)と初期条件、計算領域(又は、定義域)やメッシュ情報を計算機3に入力する。出力装置4は、計算機3で計算された各離散時刻ステップでの流体の圧力、速度や構造の変位等の自由度の数値情報、可視化情報等を出力する。
ALE法のアルゴリズム又はプログラムは、入力装置2からのメッシュ情報を読み取るメッシュ情報読み取り部6、コネクティビティ(Connectivity)と呼ばれる計算領域を離散化した節点間のグラフ情報(即ち、有限要素を構成する節点リスト)を構成するグラフ情報構成部7、初期条件を設定する初期条件設定部8、及びNタイムステップ(N Time Step)を繰り返す主要時間発展ループ部9を含む。
図2は、IT型のALE法の主要時間発展ループ部9の構成の一例を説明する図である。主要時間発展ループ部9は、FSI部11とメッシュ制御部12を有する。FSI部11は、物理現象をシミュレートする主体であり、時間の離散化手法に対応して構造の要素毎の小マトリクス及び等価節点力を構成するマトリクス作成ルーチン111と、時間の離散化手法に対応して流体の要素毎の小マトリクス及び等価節点力を構成するマトリクス作成ルーチン112と、構造と流体の境界条件を適用する境界条件適用ルーチン113を有する。FSI部11は更に、これらのルーチン111〜113から得られる要素毎の小行列からの寄与を再構成して全自由度に対する行列方程式を作成するマトリクスアセンブラルーチン(Matrix Assembler Routine)114、FSI部11内でニュートン・ラフソン(Newton-Raphson)ループを実行する毎に流体と構造の従属変数(圧力、速度、変位等)の変化量を求解して評価する線形ソルバ(Solver)115、及びソルバ115が求めた従属変数の変化量とその評価を例えば表示して出力する出力部116を有する。
構造の変位をdで表すと、|d|≠0であるため、FSI部11内でNewton-Raphsonループを実行する毎に流体と構造の境界で節点の不整合が生じる。主要時間発展ループ部9内のメッシュ制御部12は、このメッシュの不整合を回復させる役割を担うものであり、数値的な求解を可能にするための補助的な部分を形成する。具体的には、メッシュ制御部12は、構造の変位を境界条件とし、流体領域のメッシュを弾性体として扱って変形させることで、メッシュの整合性を回復させる。このため、メッシュ制御部12は、構造の要素毎の小マトリクスを作成するマトリクス作成ルーチン121、構造の変位の境界条件を適用する境界条件適用ルーチン122、全自由度に対する行列方程式を作成するマトリクスアセンブラルーチン124、及びメッシュ制御部12内でループを実行する毎にメッシュの整合性を評価するソルバ125を有する。メッシュ制御シミュレーションの対象を非線型弾性体として扱う場合には、メッシュ制御部12内でNewton-Raphsonループが繰り返し実行される。一方、シミュレーションの対象を線型弾性体として扱えるのであれば、メッシュ制御部12内でNewton-Raphsonループが1回実行されると処理はこのループから抜ける。
このように、ALE法ではメッシュ制御部11によりメッシュ制御を行う必要があるが、メッシュ制御は、特に大変形問題において破綻する可能性がある。メッシュ制御が破綻すると、シミュレーションの実行が止まるので、求めるべき近似解を得ることができない。又、構造同士が接触する問題であれば、メッシュが必ず破綻する(接触により体積がゼロとなる流体メッシュが存在する)のでメッシュ制御の適用が制限される。更に、メッシュ制御部11が実行するべき計算量は比較的多いので、メッシュ制御部11(即ち、計算機3)への計算負荷は比較的大きい。従って、従来のIT型のALE法を用いた流体構造連成シミュレーション方法は、流体と構造間のメッシュの整合性に依存し、大変形問題や構造同士が接触する問題を扱うことができず、メッシュ制御の計算量が比較的多いので計算機への計算負荷も比較的大きい。
一方、メッシュ制御を行なわずにIT型のALE法を用いた流体構造連成シミュレーションを行なう方法も提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2、非特許文献3、及び非特許文献6)。しかし、このような提案方法は、流体と構造間のメッシュの整合性に依存するIT型の手法であるため、例えば構造が複雑な幾何形状の場合は流体のメッシュが比較的細かくなり、計算量が比較的多くなるので、計算機への計算負荷も比較的大きい。
ラグランジュ(Lagrange)未定乗数法を用いて、流体と構造の境界付近での流体の非圧縮条件を制約条件として、流体と構造の運動を連成する手法も提案されている(例えば、非特許文献3)。しかし、この手法では、粘性による境界面での粘着条件が無視される。このように、メッシュの整合性に依存しない流体構造連成シミュレーション方法では、正確なシミュレーションを行うことは難しい。
特開平9−245080号公報 特開2000−352545号公報
久田俊明,「非線形有限要素法のためのテンソル解析の基礎」,丸善,東京,1992 久田俊明,野口裕之,「非線形有限要素法の基礎と応用」,丸善,東京,1995 久田俊明,鷲尾巧,「心臓弁の流体構造連成シミュレーション法に関する数理的考察」,応用数理,Vol.16,No.2,36-50,2006 登坂宣好,宮田秀明,島崎洋治,野村卓史,志村正幸,畑中勝守,数値流体力学編集委員会編,「数値流体力学シリーズ4移動境界流れ解析」,東京大学出版会,東京,1995 Q. Zhang and T. Hisada, "Analysis of Fluid-Structure Interaction Problems with Structural Buckling and Large Domain Changes by ALE Finite Element Method", Comput. Methods Appl. Mech. Engrg., Vol.190,pp.6341-6357,2001 J. de Hart, G. W. M. Peters, P. J. G. Schreurs, F. P. T. Baaijens, "A three-dimensional computational analysis of fluid-structure interaction in the aortic valve", J. Biomech., Vol.36, No.1,103-112,2003
上記の如く、従来のIT型のALE法を用いた流体構造連成シミュレーション方法は、流体と構造間のメッシュの整合性に依存し、メッシュ制御の計算量が比較的多いので計算機への計算負荷も比較的大きい。一方、IC(Interface-Capturing)型のメッシュの整合性に依存しない従来の流体構造連成シミュレーション方法では、正確なシミュレーションを行うことは難しい。このように、従来の流体構造連成シミュレーション方法では、流体と構造間のメッシュの整合性に依存せずに正確なシミュレーションを行うことは難しいという問題があった。
そこで、本発明は、流体と構造間のメッシュの整合性に依存せず、正確なシミュレーションを行うことのできる流体構造連成シミュレーション方法、装置及びプログラムを提供することを目的とする。
本発明の一観点によれば、メッシュで表される流体と構造の夫々について計算領域を離散化した節点間のグラフ情報を構成するグラフ情報構成処理と、物理現象をシミュレートする主要時間発展ループ処理をコンピュータにより実行し、前記主要時間発展ループ処理は、前記構造の境界上に前記構造の変位に伴って移動する相互作用仲介要素を配置し、前記相互作用仲介要素内に、前記流体の圧力と速度及び前記構造の変位と相互作用する、前記流体の圧力及び速度の補正函数を定義し、前記補正函数に基づいて、前記流体と前記構造でメッシュが不整合の状態でシミュレーションを実行する流体構造連成シミュレーション方法が提供される。
本発明の一観点によれば、メッシュで表される流体と構造の夫々について計算領域を離散化した節点間のグラフ情報を構成するグラフ情報構成部と、物理現象をシミュレートする主要時間発展ループ部を備え、前記主要時間発展ループ部は、前記構造の境界上に前記構造の変位に伴って移動する相互作用仲介要素を配置し、前記相互作用仲介要素内に、前記流体の圧力と速度及び前記構造の変位と相互作用する、前記流体の圧力及び速度の補正函数を定義し、前記補正函数に基づいて、前記流体と前記構造でメッシュが不整合の状態でシミュレーションを実行する流体構造連成シミュレーション装置が提供される。
本発明の一観点によれば、コンピュータに流体構造連成シミュレーションを実行させるプログラムであって、メッシュで表される流体と構造の夫々について計算領域を離散化した節点間のグラフ情報を構成するグラフ情報構成手順と、物理現象をシミュレートする主要時間発展ループ手順を前記コンピュータにより実行させ、前記主要時間発展ループ手順は、前記構造の境界上に前記構造の変位に伴って移動する相互作用仲介要素を配置し、前記相互作用仲介要素内に、前記流体の圧力と速度及び前記構造の変位と相互作用する、前記流体の圧力及び速度の補正函数を定義し、前記補正函数に基づいて、前記流体と前記構造でメッシュが不整合の状態でシミュレーションを実行するプログラムが提供される。
開示の流体構造連成シミュレーション方法、装置及びプログラムによれば、流体と構造間のメッシュの整合性に依存せず、正確なシミュレーションを行うことができる。
IT型のALE法を用いた数値シミュレーションを説明する図である。 IT型のALE法の主要時間発展ループ部の構成の一例を説明する図である。 本発明の一実施例における流体構造連成シミュレーション装置の一例を示すブロック図である。 曲面Σに適合するメッシュを用いた場合と、実施例における解析による、定常問題(ポワッソン方程式)の数値解を示す図である。 曲面Σに適合するメッシュを用いた場合と、実施例における解析による、定常問題(粘性オペレータ)の数値解を示す図である。 ALE法によるFSIシミュレーション結果の一例を示す図である。 実施例によるFSIシミュレーション結果の一例を示す図である。 非圧縮条件に基づく拘束条件のみを適用した場合のシミュレーション結果の一例を示す図である。 ALE法、本実施例、及び非圧縮条件に基づく拘束条件のみを適用した場合の夫々のシミュレーションにおける変位を示す図である。 本実施例における圧力と速度の基底函数を説明する図である。 2次元三角形要素を例として、各有限要素毎に持つ自由度の独立性を説明する図である。 流体と構造の連成を説明する図である。 実施例におけるIC型の数値シミュレーションを説明する図である。 IC型の実施例の主要時間発展ループ部の構成の一例を説明する図である。 第1のサブパートの構成の一例を示す図である。 第1及び第2のサブパートの動作を説明するフローチャートである。 図16の処理Aを説明する図である。 図16の処理Bを説明する図である。 第2のサブパートの構成の一例を示す図である。 第3のサブパートの構成の一例を示す図である。 第3及び第4のサブパートの動作を説明するフローチャートである。 図21の処理aを説明する図である。 図21の処理bを説明する図である。 第4のサブパートの構成の一例を示す図である。 運動する構造の変位に追随して移動するIMEのイメージを示す図である。 圧力の補正函数の基底函数を説明する図である。 半開球と極座標の定義を説明する図である。 直円柱と極座標の定義を説明する図である。 速度の補正函数の基底函数を説明する図である。 流体と構造の相互作用を説明する図である。 流体と構造の相互作用を説明する図である。 相互作用境界Σ上での粘着条件のラグランジュ未定乗数による結果のイメージを示す図である。
開示の流体構造連成シミュレーション方法、装置及びプログラムでは、メッシュで表される流体と構造の夫々について計算領域を離散化した節点間のグラフ情報を構成し、物理現象をシミュレートする主要時間発展ループを実行する。主要時間発展ループは、構造の境界上に構造の変位に伴って移動する相互作用仲介要素を配置し、相互作用仲介要素内に、流体の速度及び構造の変位と相互作用する、流体の圧力及び速度の補正函数を定義し、補正函数に流体と構造の相互作用を担わせて、流体と構造のメッシュが不整合の状態でシミュレーションを実行する。以下に、開示の流体構造連成シミュレーション方法、装置及びプログラムの各実施例を図面と共に説明する。
図3は、本発明の一実施例における流体構造連成シミュレーション装置の一例を示すブロック図である。本実施例では、流体構造連成シミュレーション装置は、計算機システム(又は、コンピュータシステム)により形成される。図3において、計算機システム20は、CPU(Central Processing Unit)21、ネットワークのインタフェース(I/F)22、記憶装置23、キーボードやマウス等を含む入力装置24、及び表示装置25がバス26を介して接続された構造を有する。CPU21は、計算機システム20全体の制御を司ると共に、流体構造連成シミュレーションプログラムを実行することで、流体構造連成シミュレーション機能を実現する。I/F22は、計算機システム20から送信されるコマンド(又は、要求)やデータをネットワーク(図示せず)へ出力すると共に、ネットワークから受信したコマンドやデータを計算機システム20に入力する機能を有する。記憶装置23は、CPU21が実行する流体構造連成シミュレーションプログラムを含む各種プログラム、メッシュで表される流体と構造のメッシュ情報、CPU21が実行する演算の中間データを含む各種データ等を格納する。入力装置24は、CPU21に各種コマンドやデータを入力するのに用いられる。表示装置25は、ユーザに操作を促す画面やCPU21が実行したシミュレーション結果や評価結果等を表示するのに用いられる。
記憶装置23は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体により形成可能である。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、一例として、磁気記録媒体、光記録媒体、光磁気記録媒体、ディスクを記録媒体として用いるディスク装置、ROM(Read Only Memory)等を含む半導体記憶装置等を含む。
先ず、本実施例において用いる流体構造連成解析手法について、図4〜図10と共に説明する。
上記の方程式(8)から、Lagrange未定乗数に対しては、Δuが曲面Σ周辺の節点上に置かれたポテンシャルのソースに対応しており、このΔuを調節することで曲面Σでの境界条件(5)を満足させるものと捉えることができる。
図6は、上記の問題に対するALE法によるシミュレーション結果(数値解v)の一例を示す図であり、図7は、本実施例によるシミュレーション結果(数値解v)の一例を示す図である。図8は、比較のために例えば上記非特許文献3の非圧縮条件に基づく拘束条件(30)のみを適用した場合のシミュレーション結果(数値解v)の一例を示す図である。図6〜図8では、いずれも上端と接触して紙面に垂直におかれた暖簾)即ち、曲面Σ)に流れが当たり、後流に渦を発生させながら曲面Σを押して変位させ、曲面Σの変位が一定になった時刻で観測されるスナップショットを示し、定義域の奥行き方向中心断面での速度が描かれている。尚、図6〜図8描画条件はいずれも同じである。
図7のシミュレーション結果は、図8のシミュレーション結果と比較して曲面Σの表面付近での接線方向の速度が小さくなり、粘性による粘着条件が満たされていることが確認された。図7のシミュレーション結果では、曲面Σの後流での速度は比較的強めであるが、流れの向きや曲面Σの変位も図6のシミュレーション結果に近付いて図8と比較すると改善されることが確認された。
図9は、ALE法を適用した場合、本実施例を適用した場合、及び例えば上記非特許文献3のような非圧縮条件に基づく拘束条件(30)のみを適用した場合の夫々のシミュレーションにおける曲面Σの下端中央の変位(displacement)dのx成分の時間変化を示す図である。図9中、縦軸は変位dのx成分、横軸は時間tを表す。図9において、IはALE法を適用した場合の変位、Iは本実施例を適用した場合の変位、Iは非圧縮条件に基づく拘束条件(30)のみを適用した場合の変位を示す。尚、図6〜図9のシミュレーション結果の計算条件はρ=1.0×10,μ=3.8×10−3,ρ=200,g=0とし、境界条件は左端x=0においてのみ一様にV=(0.3,0,0)を与えた。
このように、本実施例では、Newton流体の粘性オペレータに対してGreenの定理を適用した関係式に基づいて、メッシュの整合性に依存しない流体構造連成シミュレーションを行ない、シェル要素を用いた薄膜構造との相互作用を対象として、広く使われているIT型のALE法との比較検討を行なった。この比較検討の結果、本実施例を用いることで、構造境界での粘着条件を満たし、従来手法よりもALE法によるシミュレーション結果に近い流れと構造の変位が再現できることが確認された。又、一般的な流体要素での基底函数による補間を用いたLagrange未定乗数法であれば、粘着条件によって生じてしまう流体の逆流が抑えられることも確認できた。
次に、上記実施例の流体構造連成シミュレーションを、図11以降と共に、より詳細に説明する。上記の如く、本実施例では、流体と構造の相互作用についての境界捕捉(IC:Interface-Capturing)型数値シミュレーションを行う。これは、例えば風船や石鹸膜、暖簾や旗等の薄膜として扱える構造物と周囲の流体との相互作用、剛体として扱える構造や、弾性体として扱える心筋等の厚さを持つ構造と内外の流体との相互作用等を含む。尚、構造として、紐や梁と言った2次元的で表面を定義できない構造の有限要素は本実施例の対象としない。
本実施例の流体構造連成シミュレーション方法は、次のような手順(又は、ステップ)ST1〜ST3を含んでも良い。
手順ST1:流体領域と構造の相互作用境界は、構造の変位のために移動境界(又は、自由境界)となるが、この移動境界の表裏に運動する構造の変位に追随して移動する有限要素を定義する。即ち、この有限要素内でのみ非零の値を持つ流体の圧力及び速度の補正函数を定義する。
手順ST2:定義された補正函数が、流体と構造の相互作用を仲介しながら圧力と速度勾配の不連続性を表現できるように、値を持つ領域(サポート又は台)や、構造上での函数値、微分値、要素境界の函数値、微分値等について夫々に条件を課す。
手順ST3:流体と構造の相互作用を記述するために、従来の流体構造連成シミュレーションで用いられる弱形式とは異なる、構造上の境界積分が露に出現した弱形式を用いる。この弱形式は、Greenの定理に基づいており、流体の非圧縮条件と粘性オペレータの満たす関係式に由来する。
流体構造連成シミュレーションにおいて、運動する構造の変位に追随して移動する有限要素を定義し、非圧縮性や速度の連続性を満足しながら、流体と構造の境界上での粘着条件、構造の表裏での圧力と速度勾配の不連続性を表現し得る補正函数を導入することで、構造の変位dと流体の圧力p、速度vの相互作用の仲介をさせる。以下の説明では、このように定義した有限要素を「相互作用仲介要素(IME:Interaction Mediating Element)」と呼ぶものとする。
図11は、2次元三角形要素を例として、各有限要素毎に持つ自由度の独立性を説明する図である。図11では、節点を○印で示し、流体メッシュ29の要素毎に、相互作用を持つ節点のみが◎印で示され、流体と共有されない場合の構造の節点をハッチング付きの○印で示している。図11中、(a)はALE法の場合を示し、(b)は本実施例の場合を示す。図11(a)の場合、流体部を構成する三角形要素の辺と構造を構成する要素の辺が一致し、辺上の節点が両要素で共有され、この三角形要素単位で自由度間の相互作用が閉じている。このため、ALE法の場合は、常に流体と構造のメッシュを整合させる必要がある。
一方、図11(b)の場合、流体部を構成する三角形要素とは独立して構造が存在する。この場合、各有限要素毎に持つ自由度の独立性(即ち、メッシュ整合性に対する非依存性)のため、流体と構造間の相互作用をもつ節点の集合は、構造の変位によって各時間ステップ(又は、離散時刻)毎に変化する。このため、流体と構造の両者が重なりを持つ部分をサーチして、流体と構造間の相互作用を持つ節点の集合を決定すれば良い。言い換えれば、このような相互作用を持つ節点の集合として要素を定義すれば良い。従って、本実施例の場合、流体と構造でメッシュが不整合の状態でシミュレーションを実行できる。
本実施例においてこのようにメッシュが不整合の状態でシミュレーションを実行可能にするのが、構造表面上に配置されている流体と構造の間の相互作用を仲介するIMEである。流体と構造の連成には、Greenの定理に基づき、流体の非圧縮性と粘性オペレータが満たす関係式に依存する拘束条件を用いる。
図12は、流体と構造の連成を説明する図である。図12中、(a)はALE法を用いた流体と構造の連成を示し、(b)は本実施例による流体と構造の連成を示す。
図12(a)に示すように、ALE法を用いた連成処理310の場合、流体311と構造312は夫々の領域を重複なく分割する小領域毎に相互作用する節点の集合が閉じており(有限要素)、その節点の持つ自由度が相互作用し合う。節点の持つ自由度は、流体311ならば例えば圧力p及び速度vであり、構造312ならば変位d等である。
一方、図12(b)に示すように、本実施例を用いた連成処理30の場合、流体31の持つ自由度は直接に構造32の自由度と相互作用しない。移動する構造32上に相互作用の仲介となるIME33が定義され、このIME33内に流体の圧力と速度についての補正函数が定義される。つまり、構造32の境界上に、構造32の変位に伴って移動する有限要素であるIME33を配置し、このIME33内に流体31の圧力及び速度に対する補正函数を定義する。これらの補正函数は、流体31の大域的な速度及び構造32の変位と相互作用する。又、これらの補正函数は、Greenの定理に基づいた、流体31と構造32の境界付近での流体31の非圧縮条件、及び、Newton流体の粘性作用素の満たす関係を制約条件とするLagrange未定乗数である。このように、IME33は構造32の変位に追随して移動するため、構造32の持つ自由度との相互作用ペアは変化しないが、時々刻々のIME33の移動に伴って、流体31の持つ自由度との相互作用ペアは変化する。そこで、IME33と重なりを持つバックグラウンドの流体要素をサーチし、その流体要素のメンバである流体節点が相互作用ペアとして決まる。IC型の数値シミュレーション、即ち、流体構造連成シミュレーションは、相互作用ペアに基づいて実行すれば良い。このようにして、流体31の各自由度はIME33を通して移動する構造32との相互作用境界を認識し、適切に相互作用することができるようになり、流体31と構造32のメッシュの整合性への依存性を断ち切ることができる。
図13は、本実施例におけるIC型の数値シミュレーションを説明する図である。IC型数値シミュレーションのアルゴリズム又はプログラムは、図13に示す計算機システム41により実行される。計算機システム41は、入力装置42、計算機43、及び出力装置44を有する。入力装置42は、例えば図3の入力装置24又はI/F22で構成可能であり、流体と構造の物理定数(例えば、粘性や密度、ヤング率(Young's Modulus)等)と初期条件、計算領域(又は、定義域)やメッシュ情報を計算機43に入力する。出力装置44は、例えば図3の表示装置25で構成可能であり、計算機43で計算された各離散時刻ステップでの流体の圧力、速度や構造の変位等の自由度の数値情報、可視化情報等をシミュレーション結果として出力する。本実施例では、ALE法を用いた場合と異なり、メッシュのグラフ(又は、コネクティビティ)を流体と構造の夫々について作成すると共に、構造が3次元的な分布を持つ場合にはこのグラフ作成時に流体と構造の相互作用境界を構成する2次元的な要素についてのグラフを別途作成する。尚、構造が3次元的な分布を持つ場合とは、シェルや膜要素といった2次元的な「面」の要素ではなく、体積を持つ要素である場合を指す。
IC型数値シミュレーションのアルゴリズム又はプログラムは、入力装置42からのメッシュ情報を読み取るメッシュ情報読み取り処理を実行するメッシュ情報読み取り部46、流体と構造の夫々についてコネクティビティと呼ばれる計算領域を離散化した節点間のグラフ情報(即ち、有限要素を構成する節点リスト)を構成するグラフ情報構成処理を実行するグラフ情報構成部47、初期条件を設定する初期条件設定処理を実行する初期条件設定部48、及びNタイムステップ(N Time Step)が繰り返される主要時間発展ループ処理を実行する主要時間発展ループ部49を含む。
図14は、IC型の実施例の主要時間発展ループ部の構成の一例を説明する図である。主要時間発展ループ部49は、FSI部51を有する。FSI部51は、物理現象をシミュレートする主体であり、時間の離散化手法に対応して構造の要素毎の小マトリクス及び等価節点力を構成するマトリクス作成ルーチン151と、時間の離散化手法に対応して流体の要素毎の小マトリクス及び等価節点力を構成するマトリクス作成ルーチン152と、IME毎に速度、圧力と補正函数の相互作用を表すマトリクスを構成するマトリクス作成ルーチン153、これらのルーチン151〜153から得られる要素毎の小行列からの寄与を再構成して全自由度に対する行列方程式を作成するマトリクスアセンブラルーチン(matrix assembler routine)155、FSI部内でニュートン・ラフソン(Newton-Raphson)ループを実行する毎に流体と構造の従属変数(圧力、速度、変位等)の変化量を求解して評価する線形ソルバ156、及びソルバ156が求めた従属変数の変化量とその評価を例えば表示して出力する出力部157を有する。
マトリクス作成部153内の境界条件適用部は、補正函数と構造の変位の相互作用を表すモジュール61〜64で形成されている。これらのモジュール61〜64によって、運動する構造の変位に追随して移動するIMEが生成され、流体と構造のメッシュの分離(即ち、メッシュ整合性の非依存)が実現される。以下の説明では、モジュール61〜64のことを、サブパート61〜64と呼ぶ。
第1のサブパート61は、圧力の補正函数と流体の速度の相互作用マトリクスを計算する。第2のサブパート62は、速度の補正函数と流体の速度の相互作用マトリクスを計算する。第3のサブパート63は、圧力の補正函数と構造の変位速度の相互作用マトリクスを計算する。第4のサブパート64は、速度の補正函数と構造の変位速度の相互作用マトリクスを計算する。以下の説明でも、流体領域(又は、積分領域)をΩで表し、その境界∂Ωのうち移動境界(又は、自由境界)となる流体と構造の相互作用境界(即ち、曲面)をΣで表すものとする。
図15は、第1のサブパート61の構成の一例を示す図である。サブパート61には、IMEのサイズ(又は、空間スケール)κ、予め作成されている流体領域と構造領域のメッシュの夫々についてのグラフ(又は、コネクティビティ)、及び節点座標が入力される。又、このサブパート61は、流体と構造の相互作用境界Σを構成する2次元的な要素毎に定義される、構造の変位に追随して移動する有限要素の夫々が、相互作用する流体節点の集合をサーチした結果を返すサーチ部611と、サーチ部611のサーチ結果に基づいて必要なメモリ領域を確保するアロケーション(allocation)部612、及び各節点の自由度への行列の寄与を返す流体寄与計算(fluid contribution computation)部613を有する。
本実施例では、流体のメッシュとは独立して構造の変位が決まり、IMEが相互作用する流体節点のリストは時間発展及びNewton-Raphsonのループの都度異なる。そこで、要素毎のマトリクスを作成するために、サーチを行ない相互作用する節点リストを更新する必要がある。サーチ部611は、このサーチを行うのに例えばセル・インデックス法(又は、バケット・ソート)を用いる。セル・インデックス法は定義域Ωを矩形セルに分割して、全ての要素をその体積中心の座標に従ってセルに対応させ、セル単位でサーチを行なうものである。このように、サーチ部611は、各IMEが相互作用する流体節点の数を決定する。具体的には、IME内部に離散的に配置された積分点を用いて積分を行なう場合であれば、夫々の積分点毎に、内包する流体要素をセル・インデックス法を用いてサーチし、その流体要素の構成メンバである速度節点をカウントする。大域的な流体要素毎にGauss積分を用いて積分を行なう場合には、IMEの体積中心を含むセルを中心とした周囲のセルに含まれる流体要素のGauss積分の積分点をIMEが包含するかどうかを確認し、包含する場合はその流体要素の構成メンバである速度節点をカウントする。従ってサーチ部611は、相互作用境界Σを構成する各2次元的要素毎に定義されるIME毎に、(s1)相互作用境界と共に移動するIME内の積分点座標を求め、(s2)積分点を包含する流体要素をサーチし、(s3)メッシュのグラフ情報に基づいて、サーチされた流体要素のメンバである流体節点(又は、自由度)を相互作用節点数として重複なくカウントする。或いは、(s1’)相互作用境界と共に移動するIMEの体積中心座標を求め、(s2’)その体積中心から周囲の流体要素をサーチし、(s3’)IMEが流体要素のGauss積分点を包含する場合は、流体要素のメンバである流体節点(又は、自由度)を相互作用節点数として重複なくカウントする。
アロケーション部612は、サーチ部611がカウントした相互作用節点数に基づいて、マトリクスへの寄与を記憶するためのメモリ領域を確保する。
流体寄与計算部613は、サーチ部611と同様の処理を行なうことで、IME毎に相互作用する流体節点のリストを作成し、同時に相互作用マトリクスへの寄与を計算する。従って、流体寄与計算部613は、IME内部に離散的に配置された積分点を用いて積分を行なう場合であれば、相互作用境界Σを構成する各2次元的要素毎に定義されるIME毎に、(s11)相互作用境界と共に移動するIME内の積分点座標を求め、(s12)積分点を包含する流体要素をサーチし、(s13)メッシュのグラフ情報に基づいて、サーチされた流体要素のメンバである流体節点(又は、自由度)をメモリに記憶し、(s14)積分点での基底函数値及び微分値を求め、(s15)要素内小マトリクスへの寄与を足し合わせる。或いは、大域的な流体要素毎にGauss積分を用いて積分を行なう場合には、(s11’)相互作用境界と共に移動するIMEの体積中心座標を求め、(s12’)その体積中心から周囲の流体要素をサーチし、(s13’)IMEが流体要素のGauss積分点を包含する場合は、メッシュのグラフ情報に基づいて、流体要素のメンバである流体節点(又は、自由度)をメモリに記憶し、(s14’)積分点での基底函数値及び微分値を求め、(s15’)要素内小マトリクスへの寄与を足し合わせる。
このメモリ、及び後述する各メモリは、例えば図3に示す記憶装置23により形成可能である。これにより、圧力の補正函数と大域的な流体の速度との相互作用を表す要素毎の小マトリクスが作成される。
図16は、第1及び第2のサブパートの動作を説明するフローチャートである。又、図17は図16の処理Aを説明する図であり、図18は図16の処理Bを説明する図である。図16の処理は、IME内部に離散的に配置された積分点を用いて積分を行なう場合を例として、処理の流れをまとめたものである。尚、第1のサブパート61の処理の場合、上記の手順(s1)〜(s3)では処理A,Bは行なわれず、上記の手順(s11)〜(s15)で処理A,Bが行なわれる。
第1のサブパート61の処理の場合、図16のステップS1は、ポインタをpointer(1)=1に設定すると共に、図17に示す処理Aを実行する。処理Aは、フラグndflag及びフラグmatimeがアロケート(allocate)されている場合にのみ実行される。フラグndflag,matimeは、IME内部に離散的に配置された積分点を用いて積分を行なう場合にアロケートされる。図17に示すステップS101は、フラグndflagをndflag(1:pointer(#IME+1)-1)=0に設定し、第1のサブパート61の場合はフラグmatimeをmatime(1:3,ndflag(1:pointer(#IME+1)-1)=0に設定し、後述する第2のサブパート62の場合はフラグmatimeをmatime(1:3,1:3,ndflag(1:pointer(#IME+1)-1)=0に設定する。
図16の説明に戻るに、ステップS2は、IMEのID(IDentification)ime_idをime_id=0に初期化する。ステップS3は、フラグflagをflag(1:nnode)=0に設定すると共に、リストlistをlist(1:nnode)=0に設定する。ステップS4は、IMEのIDであるime_idをインクリメントしてime_id=ime_id+1とし、ステップS5は、コネクティビティカウンタncountをncount=0に設定する。ステップS6は、三角形要素上のガウス点IDであるigauss_triをigauss_tri=0に設定する。
ステップS7は、ガウス点IDをインクリメントしてigauss_tri=igauss_tri+1とし、ステップS8は、ガウス点ID(又は、ガウス点座標)igauss_triと重みweight_triをメモリに記憶する。ステップS9は、IME内の離散積分点ID integをinteg=0に設定する。
ステップS10は、離散積分点IDをインクリメントしてinteg=integ+1とし、ステップS11は、積分点座標tpointとガウス点座標gauss_triの相対関係をrel=tpoint-gauss_triに設定する。ステップS12は、セル・インデックス法によって積分点座標tpointを包含する流体要素jelemをサーチする。ステップS13は、流体要素jelem内の節点ID jnodeを0に初期化する。
ステップS14は、節点IDをインクリメントしてjnode=jnode+1とする。ステップS15は、節点IDjnodeに対するフラグflagがflag(jnode)==0であるか否かを判定し、判定結果が否(FALSE)であると処理はステップS14へ戻り、判定結果が正(TRUE)であると処理はステップS16へ進む。ステップS16は、コネクティビティカウンタをインクリメントしてncount=ncount+1とすると共に、フラグ及びリストを夫々flag(jnode)=ncount、list(ncount)=jnodeに設定して図18に示す処理Bを実行する。処理Bは、フラグndflag及びフラグmatimeがアロケート(allocate)されている場合にのみ実行される。図18に示すステップS161は、流体要素jelemにおける、積分点での基底函数と基底函数の勾配を求める。ステップS162は、IMEにおける、積分点での基底函数と基底函数の勾配を求める。ステップS163は、基底函数とその勾配に積分点での重みを乗算して、弱形式における積分項の寄与contribを評価する。ステップS164は、インデックスをindex=pointer(ime_id)+ncountに設定し、フラグndflagをndflag(index)="global id of inode"に設定し、フラグmatimeをmatime(:,:,index)+=contribに設定する。
図16の説明に戻るに、ステップS17は、流体要素jelem内の節点IDjnodeが節点数#nodesと等しくjnode==#nodesであるか否かを判定し、判定結果がFALSEであると処理はステップS14へ戻り、判定結果がTRUEであると処理はステップS18へ進む。ステップS18は、IME内の離散積分点IDintegが離散積分点数#integ_pointsと等しくinteg==#integ_pointsであるか否かを判定し、判定結果がFALSEであると処理はステップS10へ戻り、判定結果がTRUEであると処理はステップS19へ進む。ステップS19は、ガウス点IDigauss_triがガウス点数#gauss_triと等しくigauss_tri==#gauss_triであるか否かを判定し、判定結果がFALSEであると処理はステップS7へ戻り、判定結果がTRUEであると処理はステップS20へ進む。
ステップS20は、ポインタをpointer(ime_id+1)=pointer(ime_id)+ncountに設定し、ステップS21は、フラグflagをflag(list(1:ncount))=0に設定する。ステップS22は、IMEのIDime_idがIME数#IMEと等しくime_id==#IMEであるか否かを判定し、判定結果がFALSEであると処理はステップS4へ戻り、判定結果がTRUEであると処理は終了する。
図19は、第2のサブパート62の構成の一例を示す図である。サブパート62への入力は、サブパート61への入力と同じである。このサブパート62は、流体と構造の相互作用境界Σを構成する2次元的な要素毎に、構造の表裏に定義される、構造の変位に追随して移動する有限要素の夫々が、相互作用する流体節点の集合をサーチした結果を返すサーチ部621と、サーチ部621のサーチ結果に基づいて必要なメモリ領域を確保するアロケーション部622、及び各節点の自由度への行列の寄与を返す流体寄与計算部623を有する。
上記の如く、本実施例では、流体のメッシュとは独立して構造の変位が決まり、IMEが相互作用する流体節点のリストは、時間発展及びNewton-Raphsonのループの都度異なる。そこで、要素毎のマトリクスを作成するために、サーチを行ない相互作用する節点リストを更新する必要がある。サーチ部621は、このサーチを行うのにやはり、例えばセル・インデックス法を用いる。このように、サーチ部621は、各IMEが相互作用する流体節点の数を決定する。具体的には次のようになる。IME内部に離散的に配置された積分点を用いて積分を行なう場合は、夫々の積分点毎に、内包する流体要素をセル・インデックス法を用いてサーチし、その流体要素の構成メンバである速度節点をカウントする。大域的な流体要素毎にGauss積分を用いて積分を行なう場合には、IMEの体積中心を含むセルを中心とした周囲のセルに含まれる流体要素のGauss積分の積分点をIMEが包含するかどうかを確認し、包含する場合はその流体要素の構成メンバである速度節点をカウントする。従ってサーチ部621は、相互作用境界Σを構成する各2次元的要素毎に定義されるIME毎に、(s21)相互作用境界と共に移動するIME内の積分点座標を求め、(s22)積分点を包含する流体要素をサーチし、(s23)メッシュのグラフ情報に基づいて、サーチされた流体要素のメンバである流体節点(又は、自由度)を相互作用節点数として重複なくカウントする。或いは、(s21’)相互作用境界と共に移動するIMEの体積中心座標を求め、(s22’)その体積中心から周囲の流体要素をサーチし、(s23’)IMEが流体要素のGauss積分点毎を包含する場合は、流体要素のメンバである流体節点(又は、自由度)を相互作用節点数として重複なくカウントする。
アロケーション部622は、サーチ部621がカウントした相互作用節点数に基づいて、マトリクスへの寄与を記憶するためのメモリ領域を確保する。
流体寄与計算部623は、サーチ部621と同様の処理を行なうことで、IME毎に相互作用する流体節点のリストを作成し、同時に相互作用マトリクスへの寄与を計算する。従って、流体寄与計算部623は、IME内部に離散的に配置された積分点を用いて積分を行なう場合であれば、相互作用境界Σを構成する各2次元的要素毎に、相互作用境界Σの表裏に定義されるIME毎に、(s31)相互作用境界と共に移動するIME内の積分点座標を求め、(s32)積分点を包含する流体要素をサーチし、(s33)メッシュのグラフ情報に基づいて、サーチされた流体要素のメンバである流体節点(又は、自由度)をメモリに記憶し、(s34)積分点での基底函数値及び微分値を求め、(s35)要素内小マトリクスへの寄与を足し合わせる。或いは、(s31’)相互作用境界と共に移動するIMEの体積中心座標を求め、(s32’)その体積中心から周囲の流体要素をサーチし、(s33’)IMEが流体要素のGauss積分点毎を包含する場合は、メッシュのグラフ情報に基づいて、流体要素のメンバである流体節点(又は、自由度)をメモリに記憶し、(s34’)積分点での基底函数値及び微分値を求め、(s35’)要素内小マトリクスへの寄与を足し合わせる。
第2のサブパート62の処理も、上記第1のサブパート61の処理の場合と同様に、図16に示す処理の手順を実行すれば良い。尚、第2のサブパート62の処理の場合、上記の手順(s21)〜(s23)では処理A,Bは行なわれず、上記の手順(s31)〜(s35)で処理A,Bが行なわれる。又、処理AのステップS101の処理が図17と共に説明したように、第1のサブパート61の処理の場合と一部異なる。
これにより、速度の補正函数と大域的な流体の速度との相互作用を表す要素毎の小マトリクスが作成される。
図20は、第3のサブパート63の構成の一例を示す図である。サブパート63への入力は、サブパート61への入力と同じである。このサブパート63では、各要素と相互作用する構造要素は、要素が配置されている構造要素のみであるとして、サーチは行なわない。
サブパート63は、必要なメモリ領域を確保するアロケーション部631、及び各節点の自由度への行列の寄与を返す構造寄与計算(structure contribution computation)部632を有する。構造寄与計算部632は、圧力の補正函数と構造の速度との相互作用を表すためにGreenの定理を用いて取り出した、相互作用境界Σ上の境界積分項の計算を担う。
アロケーション部631は、各IME毎に、相互作用を行なう構造の変位節点は、IMEが配置されている構造要素の節点だけであるとして、マトリクスへの寄与を記憶するために必要なメモリ領域を確保する。
構造寄与計算部632は、各IMEが配置されている構造要素の変位節点を相互作用する節点とし、相互作用マトリクスへの寄与を計算する。具体的には、相互作用境界Σを構成する各2次元的要素毎に定義されるIME毎に、(s41)相互作用ペアである、IMEが配置されている構造要素のメンバである構造節点(又は、自由度)をメモリに記憶し、(s42)要素内小マトリクスへの寄与を足し合わせる。これにより、非圧縮条件が適用され、圧力の補正函数と構造の速度との相互作用を表す要素毎の小マトリクスが作成される。
図21は、第3及び第4のサブパートの動作を説明するフローチャートである。又、図22は図21の処理aを説明する図であり、図23は図21の処理bを説明する図である。
第3のサブパート63の処理の場合、図21のステップS31は、ポインタをpointer(1)=1に設定すると共に図22に示す処理aを実行する。図22に示すステップS311は、フラグndflagをndflag(1:(3×#IME))=0に設定し、第3のサブパート63の処理の場合はフラグmatimeをmatime(1:3, ndflag(1:(3×#IME)))=0に設定し、後述する第4のサブパート64の処理の場合はフラグmatimeをmatime(1:3,1:3, ndflag(1:(3×#IME)))=0に設定する。
図21の説明に戻るに、ステップS32は、IMEのIDime_idをime_id=0に初期化する。ステップS33は、IMEのIDをインクリメントしてime_id=ime_id+1とし、ステップS34は、裏表を含めた法線ベクトルvnを定義する。又、ステップS35は、三角形の面積areaを定義する。ステップS36は、ポインタをpointer(ime_id+1)=pointer(ime_id)+3に設定し、ステップS37は、三角形要素の頂点IDivertをivert=0に初期化する。
ステップS38は、三角形要素の頂点IDをインクリメントしてivert=ivert+1とする。ステップS39は、インデックスindexをindex=pointer(ime_id)+ivertに設定する。ステップS40は、図23に示す処理bを実行する。図23に示すステップS401は、法線ベクトルvnと、要素面積areaに注目して、弱形式における積分項の寄与contribを評価する。ステップS402は、フラグndflagをndflag(index)="global id of ivert"に設定すると共に、フラグmatimeをmatime(:,:,index)+=contribに設定する。
図21の説明に戻るに、ステップS41は、三角形要素の頂点IDがivert==3であるか否かを判定し、判定結果がFALSEであると処理はステップS38へ戻り、判定結果がTRUEであると処理はステップS42へ進む。ステップS42は、IMEのIDime_idがIME数#IMEと等しくime_id==#IMEであるか否かを判定し、判定結果がFALSEであると処理はステップS33へ戻り、判定結果がTRUEであると処理は終了する。
図24は、第4のサブパート64の構成の一例を示す図である。サブパート64への入力は、サブパート61への入力と同じである。このサブパート64では、各要素と相互作用する構造要素は、要素が配置されている構造要素のみであるとして、サーチは行なわない。
サブパート64は、必要なメモリ領域を確保するアロケーション部641、及び各節点の自由度への行列の寄与を返す構造寄与計算(structure contribution computation)部642を有する。構造寄与計算部642は、速度の補正函数と構造の速度との相互作用を表すためにGreenの定理を用いて取り出した、相互作用境界Σ上の境界積分項の計算を担う。
アロケーション部641は、各IME毎に、相互作用を行なう構造の変位節点は、IMEが配置されている構造要素の節点だけであるとして、マトリクスへの寄与を記憶するために必要なメモリ領域を確保する。
構造寄与計算部642は、各IMEが配置されている構造要素の変位節点を相互作用する節点とし、相互作用マトリクスへの寄与を計算する。具体的には、相互作用境界Σを構成する各2次元的要素毎に、相互作用境界Σの表裏に定義されるIME毎に、(s51)相互作用ペアである、IMEが配置されている構造要素のメンバである構造節点(又は、自由度)をメモリに記憶し、(s52)要素内小マトリクスへの寄与を足し合わせる。これにより、粘着条件が適用され、速度の補正函数と構造の速度との相互作用を表す要素毎の小マトリクスが作成される。
第4のサブパート64の処理も、上記第3のサブパート63の処理の場合と同様に、図21に示す処理の手順を実行すれば良い。又、処理aのステップS311の処理が図22と共に説明したように、第3のサブパート63の処理の場合と一部異なる。
上記の如く、本実施例では、流体領域と構造領域の相互作用境界(即ち、移動境界、自由境界)となる表面(曲面)Σに配置する、構造の変位に伴って移動する有限要素(IME)を用いる。このIMEに基づき、IME内でのみ非零の値を持ち、且つ、相互作用境界以外の要素境界では零となる圧力補正函数、及びIME内でのみ非零の値を持ち、且つ、相互作用境界以外の要素境界では勾配が零となる速度の補正函数を用いる。又、流体と構造の相互作用を記述するために通常の流体、構造連成とは異なる弱形式の構成を用いる。
次に、IMEについてより詳細に説明する。移動境界(又は、自由境界)となる流体と構造の相互作用境界Σは、構造の有限要素分割によって2次元的に要素分割されている。この相互作用境界Σを構成する2次元的な有限要素の中心や頂点、積分点を代表点として圧力の補正函数の節点を配置する。この節点を中心として、相互作用境界Σの表裏にサイズκの球形又は直円柱形の要素を配置し、この要素内部に流体の圧力の補正函数を定義する。
同様にして、相互作用境界Σを構成する2次元的な有限要素の中心や頂点、積分点を代表点として速度の補正函数の節点を相互作用境界Σの表裏に夫々配置する。この節点を中心として、相互作用境界Σの表裏の夫々にサイズκの半球形又は直円柱形の要素を配置し、この要素内部に流体の速度の補正函数を定義する。
図25は、流体と構造の相互作用境界Σ上に離散的に配置された、運動する構造の変位に追随して移動するIMEのイメージを示す図である。図25(a)は、圧力の補正函数に対するIMEであり、表裏に跨って定義され、相互作用境界Σの表裏で要素が1つの節点に対応する。図25(b)は、速度の補正函数に対するIMEであり、相互作用境界Σの裏面にも同様に要素が配置される。速度の補正函数に対するIMEでは、相互作用境界Σの表裏の要素に夫々対応する節点が存在する。図25は、一例として半球形の要素を示し、見やすいように本来よりも要素サイズが小さく描かれているが、IME同士が重なり合うように要素サイズを決めても良い。
運動する構造の変位に追随して移動するIMEのサイズκは、流体と構造の相互作用境界Σ上でIME同士が隙間なく重なり合う程度の大きさを採用可能である。例えば、相互作用境界Σの有限要素分割が三角形要素でなされており、その中心に1つずつIMEを配置する場合には、相互作用境界Σを構成する有限要素のサイズの最大値Lと、1程度の実数αに対して、κ=αLを半径とする半球か、κを半径や高さとする直円柱を流体と構造の相互作用境界Σの表裏に配置すれば良い。
ところで、本実施例における流体構造連成シミュレーションは、流体と構造のメッシュが独立になることを目的の1つとしているが、メッシュの独立性に依らず、流体と構造間の相互作用を表現できなければ、流体と構造の整合性のある運動をシミュレートすることは不可能である。つまり、物理現象に基づいて、流体の物理量(圧力p,速度v)と構造の物理量(変位d)を適切に関連付ける必要がある。そこで、以下の説明では、どのような物理現象が起きているかを確認しながら、定式化との関連を再度説明する。
先ず、どのような現象が起きているか、言い換えれば実現したい現象について簡単に説明する。
いずれにしても、構造の運動に影響を与えるトータルとしての応力は、構造表裏の圧力や速度勾配の不連続性によってもたらされる。これらの物理量の不連続性は、弁によって仕切られた二つのシリンダ内部の流体が弁を挟んで不連続に変化し得る状況を思い浮かべれば理解し易い。速度の連続性は、弁付近に真空が発生することがないことから明らかである。又、弁を挟む二つの部屋で全く異なる流体運動が生じている状況があり得ることを想像すれば、壁の前後で全く異なる応力が発生し、弁の両サイドで全く異なる圧力や速度勾配が生まれ、不連続になることが理解できる。
次に、構造が圧力に押され、圧力が不連続となることを如何に実現するかについて、図30と共に説明する。図30は、流体と構造の相互作用を説明する図である。図30中、梨地付きの○印は高圧節点、白抜きの○印は低圧節点、ハッチング付きの○印は構造の節点を示し、矢印は変位を示す。又、「高圧」は高圧領域を示し、「低圧」は低圧領域を示す。図30では、構造は流体の圧力に押されて変位し、流体の圧力は構造の前後で不連続となる様子を示す。
図30に示したように、流体の圧力と構造の相互作用の結果、構造に阻まれて流体の圧力は構造の表裏で空間的に不連続になり、主として構造の表裏の圧力差によって構造は変位する。これは、メッシュに整合性がない状況下であれば、圧力に対して要素単位で連続な基底函数が用いられる通常の方法では実現不可能である(有限要素の基底函数は、通常要素内で圧力や速度勾配が連続函数となるように定義されており、要素内の不連続性を表現する能力はない)。そこで、相互作用境界Σを中心として、構造の運動に追随して移動する有限要素(IME)を定義し、その要素内部をサポートとし、構造の表裏で符合を変える圧力の補正函数を導入して流体の圧力を修飾することで流体圧力の不連続を実現する。又同時に、弱形式における流体の圧力勾配力項と非圧縮条件項の、圧力の補正函数と大域的な流体速度との相互作用項において、Greenの定理を用いて構造上の境界積分を出現させ、流体と構造の速度を一致させることで、変位を制御する。そのため、圧力補正函数は通常の圧力よりも高い正則性が要求される。
又、上記の如く、補正函数のサポートサイズκは、流体と構造の相互作用境界Σ上でIME同士が隙間なく重なり合う程度の大きさを採用すれば良い。具体的には、例えばΣの有限要素分割が三角形要素でなされており、その中心に一つずつIMEを配置する場合には、相互作用境界Σを構成する有限要素のサイズの最大値Lと、1程度の実数αに対して、κ=αLを半径とする半球か、κを半径や高さとする直円柱を流体と構造の相互作用境界Σの表裏に配置する。これらの有限要素内で圧力の補正函数を定義することで、いずれの補正函数もそのサポートがκ程度の長さスケールを持つことになる。
図32は、例えば非特許文献6のような、相互作用境界Σ上での粘着条件のLagrange未定乗数による結果のイメージを示す図である。相互作用境界Σ上の一点(図32中、白抜きの○印で示す)での粘着条件をLagrange未定乗数で実装すると、粘着境界条件を実現するために同一三角要素に含まれる速度節点では、構造の一方の端に存在する流体節点での速度(図32中、太い実線の矢印で示す)からの寄与をキャンセルするように、構造のもう一方の端に存在する流体節点上では逆向きの速度(図32中、破線の矢印で示す)が発生してしまうことになる。このような現象は、物理現象と整合するとは限らない。
又、速度の補正函数のサポートサイズについても、圧力の場合と同様に決めることができる。即ち、補正函数のサポートサイズκは、流体と構造の相互作用境界Σ上でIME同士が隙間なく重なり合う程度の大きさとする。ここでもやはり、相互作用境界Σが巻き上がるように変形して、表裏が一意に決まらないような運動は想定していない。vは通常の有限要素法で用いられる流体の速度であり、要素内でその勾配も連続である。しかしこのように速度を補正することで、全体の速度Vとしては、相互作用境界Σ上で連続、且つ、勾配の不連続が実現できる。
次に、弱形式の定義について再び説明する。本実施例では、流体の自由度(又は、従属変数)を補正し、補正函数に構造との相互作用を担わせている。そこで、流体の支配方程式であるNavier-Stokes方程式と構造の運動方程式を基礎方程式とする。
上記の如く、流体構造連成シミュレーションにおいて、流体と構造の相互作用境界に、運動する構造の変位に追随して移動する有限要素を定義し、この要素内に圧力と速度の補正函数を配置し、境界積分を露出させた弱形式を用いて流体構造間の相互作用を記述することで、両領域のメッシュが独立した状態でシミュレーションを行うことが可能となる。これにより、メッシュの不整合問題が解決され、メッシュ制御が不要になる。
本実施例では、メッシュの整合性に依存しない流体構造連成シミュレーションを行うので、次のような特徴(k1)〜(k7)を実現できる。
(k1)メッシュの破綻によってシミュレーションが止まることがない。つまり、構造が流体領域のメッシュ範囲を飛び出す運動をしない限り、メッシュが問題になることはない。
(k2)構造同士が接触するような問題にも適用可能である。
(k3)ALE法と比べてメッシュ制御のための自由度が必要無くなるので、演算処理に必要となるメモリ領域を減少させることができる。厳密には、自由境界上での補正函数を表現するための自由度が必要になるが、3次元から2次元に定義域の次元が下がるため、ALE法と比べてその自由度は著しく小さくできる。
(k4)メッシュ制御として、弾性体問題を求解する必要がないので、その分処理の高速化が図れる。
(k5)流体メッシュの作成が、ALE法と比べてデリケートではないため、メッシュ作成に要する人的、経験的リソースを削減できる。
(k6)IT型の手法であれば、メッシュの整合性のために、構造が複雑な幾何形状であれば流体部のメッシュも細かくなるが、本実施例では流体のシミュレーションが円滑に進むメッシュを準備するだけで良い。
(k7)既存の流体コードに相互作用ルーチンを付け足すことで、流体構造連成シミュレーションを行なうことができる。その際、既存の流体コードとしては、有限要素法に限らず、差分法、有限体積法等任意の数値シミュレーション手法を用いることができ、流体の圧力と速度が与えられる離散点以外の任意の点での、それら物理量の補間方法が確立されていれば良い。
以上の実施例を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
メッシュで表される流体と構造の夫々について計算領域を離散化した節点間のグラフ情報を構成するグラフ情報構成処理と、
物理現象をシミュレートする主要時間発展ループ処理
をコンピュータにより実行し、
前記主要時間発展ループ処理は、
前記構造の境界上に前記構造の変位に伴って移動する相互作用仲介要素を配置し、
前記相互作用仲介要素内に、前記流体の圧力と速度及び前記構造の変位と相互作用する、前記流体の圧力及び速度の補正函数を定義し、
前記補正函数に基づいて、前記流体と前記構造でメッシュが不整合の状態でシミュレーションを実行する、
流体構造連成シミュレーション方法。
(付記2)
前記主要時間発展ループ処理は、
前記相互作用仲介要素の移動に伴う前記流体の持つ自由度との相互作用ペアの変化に基づいて、前記相互作用仲介要素と重なりを持つバックグラウンドの流体要素をサーチし、
前記流体要素のメンバである流体節点を相互作用ペアとして決定し、
前記相互作用ペアに基づいて前記シミュレーションを実行する、
付記1記載の流体構造連成シミュレーション方法。
(付記3)
前記補正函数は、グリーンの定理に基づいた、前記流体と前記構造の境界付近での前記流体の非圧縮条件及びニュートン流体の粘性作用素の満たす関係を制約条件とするラグランジュ未定乗数である、付記1又は2記載の流体構造連成シミュレーション方法。
(付記4)
前記主要時間発展ループ処理は、
時間の離散化手法に対応して前記構造及び前記流体の夫々の要素毎のマトリクス及び等価節点力を構成する第1の処理と、
前記相互作用仲介要素毎に速度、圧力と補正函数の相互作用を表すマトリクスを構成する第2の処理と、
前記要素毎のマトリクス及び前記相互作用を表すマトリクスに基づいて、要素毎の行列からの寄与を再構成して全自由度に対する行列方程式を作成する第3の処理と、
前記主要時間発展ループ処理においてニュートン・ラフソンループを実行する毎に流体と構造の圧力、速度及び変位を含む従属変数の変化量を求解して評価する第4の処理と、
前記従属変数の変化量とその評価を出力する第5の処理を含む、
付記1乃至3のいずれか1項記載の流体構造連成シミュレーション方法。
(付記5)
前記第2の処理は、
前記圧力の前記補正函数と前記流体の速度の相互作用マトリクスを計算し、
前記速度の前記補正函数と前記流体の速度の相互作用マトリクスを計算し、
前記圧力の前記補正函数と前記構造の変位速度の相互作用マトリクスを計算し、
前記速度の前記補正函数と前記構造の変位速度の相互作用マトリクスを計算する、
付記4記載の流体構造連成シミュレーション方法。
(付記6)
前記補正函数は、前記相互作用仲介要素内でのみ非零の値を持ち、
前記主要時間発展ループ処理は、前記補正函数が、前記流体と構造の相互作用を仲介しながら圧力と速度勾配の不連続性を表現するように、値を持つ領域、前記構造上での函数値、微分値、要素境界の函数値、微分値について夫々に条件を課す、付記1乃至5のいずれか1項記載の流体構造連成シミュレーション方法。
(付記7)
メッシュで表される流体と構造の夫々について計算領域を離散化した節点間のグラフ情報を構成するグラフ情報構成部と、
物理現象をシミュレートする主要時間発展ループ部を備え、
前記主要時間発展ループ部は、
前記構造の境界上に前記構造の変位に伴って移動する相互作用仲介要素を配置し、
前記相互作用仲介要素内に、前記流体の圧力と速度及び前記構造の変位と相互作用する、前記流体の圧力及び速度の補正函数を定義し、
前記補正函数に基づいて、前記流体と前記構造でメッシュが不整合の状態でシミュレーションを実行する、
体構造連成シミュレーション装置。
(付記8)
前記主要時間発展ループ部は、
前記相互作用仲介要素の移動に伴う前記流体の持つ自由度との相互作用ペアの変化に基づいて、前記相互作用仲介要素と重なりを持つバックグラウンドの流体要素をサーチし、
前記流体要素のメンバである流体節点を相互作用ペアとして決定し、前記相互作用ペアに基づいて前記シミュレーションを実行する、
付記7記載の流体構造連成シミュレーション装置。
(付記9)
前記補正函数は、グリーンの定理に基づいた、前記流体と前記構造の境界付近での前記流体の非圧縮条件及びニュートン流体の粘性作用素の満たす関係を制約条件とするラグランジュ未定乗数である、付記7又は8記載の流体構造連成シミュレーション装置。
(付記10)
前記主要時間発展ループ部は、
時間の離散化手法に対応して前記構造及び前記流体の夫々の要素毎のマトリクス及び等価節点力を構成する第1の部分と、
前記相互作用仲介要素毎に速度、圧力と補正函数の相互作用を表すマトリクスを構成する第2の部分と、
前記要素毎のマトリクス及び前記相互作用を表すマトリクスに基づいて、要素毎の行列からの寄与を再構成して全自由度に対する行列方程式を作成するマトリクスアセンブラと、
前記主要時間発展ループ処理においてニュートン・ラフソンループを実行する毎に流体と構造の圧力、速度及び変位を含む従属変数の変化量を求解して評価するソルバと、
前記従属変数の変化量とその評価を出力する出力部を有する、
付記7乃至9のいずれか1項記載の流体構造連成シミュレーション装置。
(付記11)
前記第2の部分は、
前記圧力の前記補正函数と前記流体の速度の相互作用マトリクスを計算する第1のサブパートと、
前記速度の前記補正函数と前記流体の速度の相互作用マトリクスを計算する第2のサブパートと、
前記圧力の前記補正函数と前記構造の変位速度の相互作用マトリクスを計算する第3のサブパートと、
前記速度の前記補正函数と前記構造の変位速度の相互作用マトリクスを計算する第4のサブパートを有する、
付記10記載の流体構造連成シミュレーション装置。
(付記12)
前記補正函数は、前記相互作用仲介要素内でのみ非零の値を持ち、前記主要時間発展ループ処理は、前記補正函数が、前記流体と構造の相互作用を仲介しながら圧力と速度勾配の不連続性を表現するように、値を持つ領域、前記構造上での函数値、微分値、要素境界の函数値、微分値について夫々に条件を課す、付記7乃至11のいずれか1項記載の流体構造連成シミュレーション装置。
(付記13)
コンピュータに流体構造連成シミュレーションを実行させるプログラムであって、
メッシュで表される流体と構造の夫々について計算領域を離散化した節点間のグラフ情報を構成するグラフ情報構成手順と、
物理現象をシミュレートする主要時間発展ループ手順
を前記コンピュータにより実行させ、
前記主要時間発展ループ手順は、
前記構造の境界上に前記構造の変位に伴って移動する相互作用仲介要素を配置し、
前記相互作用仲介要素内に、前記流体の圧力と速度及び前記構造の変位と相互作用する、前記流体の圧力及び速度の補正函数を定義し、
前記補正函数に基づいて、前記流体と前記構造でメッシュが不整合の状態でシミュレーションを実行する、
プログラム。
(付記14)
前記主要時間発展ループ手順は、
前記相互作用仲介要素の移動に伴う前記流体の持つ自由度との相互作用ペアの変化に基づいて、前記相互作用仲介要素と重なりを持つバックグラウンドの流体要素をサーチし、
前記流体要素のメンバである流体節点を相互作用ペアとして決定し、
前記相互作用ペアに基づいて前記シミュレーションを実行する、
付記13記載のプログラム。
(付記15)
前記補正函数は、グリーンの定理に基づいた、前記流体と前記構造の境界付近での前記流体の非圧縮条件及びニュートン流体の粘性作用素の満たす関係を制約条件とするラグランジュ未定乗数である、付記13又は14記載のプログラム。
(付記16)
前記主要時間発展ループ手順は、
時間の離散化手法に対応して前記構造及び前記流体の夫々の要素毎のマトリクス及び等価節点力を構成する第1の処理と、
前記相互作用仲介要素毎に速度、圧力と補正函数の相互作用を表すマトリクスを構成する第2の処理と、
前記要素毎のマトリクス及び前記相互作用を表すマトリクスに基づいて、要素毎の行列からの寄与を再構成して全自由度に対する行列方程式を作成する第3の処理と、
前記主要時間発展ループ処理においてニュートン・ラフソンループを実行する毎に流体と構造の圧力、速度及び変位を含む従属変数の変化量を求解して評価する第4の処理と、
前記従属変数の変化量とその評価を出力する第5の処理
を実行する、
付記13乃至15のいずれか1項記載のプログラム。
(付記17)
前記第2の処理は、
前記圧力の前記補正函数と前記流体の速度の相互作用マトリクスを計算し、
前記速度の前記補正函数と前記流体の速度の相互作用マトリクスを計算し、
前記圧力の前記補正函数と前記構造の変位速度の相互作用マトリクスを計算し、
前記速度の前記補正函数と前記構造の変位速度の相互作用マトリクスを計算する、
付記16記載のプログラム。
(付記18)
前記補正函数は、前記相互作用仲介要素内でのみ非零の値を持ち、前記主要時間発展ループ処理は、前記補正函数が、前記流体と構造の相互作用を仲介しながら圧力と速度勾配の不連続性を表現するように、値を持つ領域、前記構造上での函数値、微分値、要素境界の函数値、微分値について夫々に条件を課す、付記13乃至17のいずれか1項記載のプログラム。
以上、開示の流体構造連成シミュレーション方法、装置及びプログラムを実施例により説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形及び改良が可能であることは言うまでもない。
20 計算機システム
21 CPU
22 I/F
23 記憶装置
24 入力装置
25 表示装置
26 バス
30 連成処理
31 流体
32 構造
33 IME
49 主要時間発展ループ
61〜64 サブパート

Claims (8)

  1. メッシュで表される流体と構造の夫々について計算領域を離散化した節点間のグラフ情報を構成するグラフ情報構成処理と、
    物理現象をシミュレートする主要時間発展ループ処理
    をコンピュータにより実行し、
    前記主要時間発展ループ処理は、
    前記構造の境界上に前記構造の変位に伴って移動する相互作用仲介要素を配置し、
    前記相互作用仲介要素内に、前記流体の圧力と速度及び前記構造の変位と相互作用する、前記流体の圧力及び速度の補正函数を定義し、
    前記補正函数に基づいて、前記流体と前記構造でメッシュが不整合の状態でシミュレーションを実行する、
    流体構造連成シミュレーション方法。
  2. コンピュータに流体構造連成シミュレーションを実行させるプログラムであって、
    メッシュで表される流体と構造の夫々について計算領域を離散化した節点間のグラフ情報を構成するグラフ情報構成手順と、
    物理現象をシミュレートする主要時間発展ループ手順
    を前記コンピュータにより実行させ、
    前記主要時間発展ループ手順は、
    前記構造の境界上に前記構造の変位に伴って移動する相互作用仲介要素を配置し、
    前記相互作用仲介要素内に、前記流体の圧力と速度及び前記構造の変位と相互作用する、前記流体の圧力及び速度の補正函数を定義し、
    前記補正函数に基づいて、前記流体と前記構造でメッシュが不整合の状態でシミュレーションを実行する、
    プログラム。
  3. 前記主要時間発展ループ手順は、
    前記相互作用仲介要素の移動に伴う前記流体の持つ自由度との相互作用ペアの変化に基づいて、前記相互作用仲介要素と重なりを持つバックグラウンドの流体要素をサーチし、
    前記流体要素のメンバである流体節点を相互作用ペアとして決定し、前記相互作用ペアに基づいて前記シミュレーションを実行する、
    請求項2記載のプログラム。
  4. 前記補正函数は、グリーンの定理に基づいた、前記流体と前記構造の境界付近での前記流体の非圧縮条件及びニュートン流体の粘性作用素の満たす関係を制約条件とするラグランジュ未定乗数である、請求項2又は3記載のプログラム。
  5. 前記主要時間発展ループ手順は、
    時間の離散化手法に対応して前記構造及び前記流体の夫々の要素毎のマトリクス及び等価節点力を構成する第1の処理と、
    前記相互作用仲介要素毎に速度、圧力と補正函数の相互作用を表すマトリクスを構成する第2の処理と、
    前記要素毎のマトリクス及び前記相互作用を表すマトリクスに基づいて、要素毎の行列からの寄与を再構成して全自由度に対する行列方程式を作成する第3の処理と、
    前記主要時間発展ループ処理においてニュートン・ラフソンループを実行する毎に流体と構造の圧力、速度及び変位を含む従属変数の変化量を求解して評価する第4の処理と、
    前記従属変数の変化量とその評価を出力する第5の処理
    を実行する、
    請求項2乃至4のいずれか1項記載のプログラム。
  6. 前記第2の処理は、
    前記圧力の前記補正函数と前記流体の速度の相互作用マトリクスを計算し、
    前記速度の前記補正函数と前記流体の速度の相互作用マトリクスを計算し、
    前記圧力の前記補正函数と前記構造の変位速度の相互作用マトリクスを計算し、
    前記速度の前記補正函数と前記構造の変位速度の相互作用マトリクスを計算する、
    請求項5記載のプログラム。
  7. 前記補正函数は、前記相互作用仲介要素内でのみ非零の値を持ち、
    前記主要時間発展ループ処理は、前記補正函数が、前記流体と構造の相互作用を仲介しながら圧力と速度勾配の不連続性を表現するように、値を持つ領域、前記構造上での函数値、微分値、要素境界の函数値、微分値について夫々に条件を課す、請求項2乃至6のいずれか1項記載のプログラム。
  8. メッシュで表される流体と構造の夫々について計算領域を離散化した節点間のグラフ情報を構成するグラフ情報構成部と、
    物理現象をシミュレートする主要時間発展ループ部を備え、
    前記主要時間発展ループ部は、
    前記構造の境界上に前記構造の変位に伴って移動する相互作用仲介要素を配置し、
    前記相互作用仲介要素内に、前記流体の圧力と速度及び前記構造の変位と相互作用する、前記流体の圧力及び速度の補正函数を定義し、
    前記補正函数に基づいて、前記流体と前記構造でメッシュが不整合の状態でシミュレーションを実行する、
    流体構造連成シミュレーション装置。
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