JP2011247194A - 内燃機関の燃焼室構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃焼室およびシリンダヘッドの燃焼室周辺を均一に冷却してノッキングを防止し得る内燃機関の燃焼室構造を、簡単且つ製造が容易な構成で実現する。
【解決手段】シリンダ2を形成するシリンダブロック3と、シリンダブロック3の一端に底面側が接合されたシリンダヘッド5と、シリンダ2に摺合するピストン6とにより、少なくとも1つの燃焼室7が形成されるエンジン1の燃焼室構造において、シリンダヘッド5の底面5Bに、少なくとも一部が燃焼室7に露出する伝熱装置20を配置し、伝熱装置20の燃焼室7に露出する露出部分20aをシリンダ2の周縁に沿って環状に形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の燃焼室構造に係り、ノッキングを抑制するために燃焼室内温度の低下と温度分布の均一化を図る技術に関する。
内燃機関では、燃料の燃焼に伴って燃焼室およびその周辺が高温になる。特に、燃焼後の排ガスが流通する排気通路の周辺は高温になり易い。そのため、一般的にはシリンダブロックやシリンダヘッドの内部にウォータージャケットを形成し、燃焼室の周辺を一定温度以下に保つようにしている。ところが、1つのシリンダに2つの排気バルブが設けられた内燃機関では、排気通路間が狭く、ウォータージャケットによって排気通路間を効果的に冷却することができない。そこで、伝熱性の高いヒートパイプを2つの排気バルブ間に埋設するとともに、ヒートパイプの他端をシリンダヘッド内のウォータージャケットに望ませるようにした発明が提案されている(特許文献1参照)。
一方、吸気通路に噴射された燃料と吸気との混合気を加熱するために、伝熱性の高いヒートパイプをシリンダヘッドにはめ込み、ヒートパイプの一端を燃焼室に臨ませるとともに他端を吸気通路内に突出させることにより、吸気通路に伝達させた燃焼室の熱の一部を混合気の加熱に利用した発明が知られている(特許文献2参照)。
実開平5−10737号公報 特開平4−231669号公報
しかしながら、特許文献1の発明では、ヒートパイプがシリンダヘッド内に埋設されていることでシリンダヘッドの排気通路間を効果的に冷却することはできるが、ヒートパイプのシリンダヘッドに埋設された側の一端が燃焼室に臨んでいないため、燃焼室およびシリンダヘッドの燃焼室周辺を冷却することはできない。ここで、特許文献2の構成を組み合わせてヒートパイプの一端を燃焼室に臨ませる構成とすることも考えられるが、このような構成にしたとしても、ヒートパイプが燃焼室に露出した部分の周辺でしか燃焼室およびシリンダヘッドの温度を下げることができない。そのため、燃焼室およびシリンダヘッドの壁面の温度が不均一となり、ヒートパイプが露出しない部分が高温となった場合には、シリンダヘッドの壁面に押しつけられた未燃焼の混合気(エンドガス)が自己着火してノッキングを生じる虞もある。
一方、シリンダヘッドの燃焼室を画成する壁面の温度を均一に冷却し得る技術として、シリンダヘッド内に、隔壁を挟んで一側に燃焼室を他側に断熱層を設け、隔壁内の熱負荷を異にする複数の領域にそれぞれウォータージャケットを設け、熱負荷が大きな領域のウォータージャケットから熱負荷が小さな領域のウォータージャケットにわたって冷却媒体の流量を減少させた発明(特許第4191353号公報参照)や、シリンダヘッド内の燃焼室の上部に、燃焼室を覆うようにウォータージャケットを多層に設けるようにした発明(特許第3730900号公報参照)も存在するが、これら発明ではいずれもシリンダヘッドの形状が複雑になっており、その製造に手間とコストがかかる。
本発明は、このような背景に鑑みなされたものであり、その主な目的は、燃焼室およびシリンダヘッドの燃焼室周辺を均一に冷却してノッキングを防止し得る内燃機関の燃焼室構造を、簡単且つ製造が容易な構成で実現することにある。
このような課題を解決するために、本発明は、シリンダ(2)を形成するシリンダブロック(3)と、シリンダブロックの一端に底面側が接合されたシリンダヘッド(5)と、シリンダに摺合するピストン(6)とにより、少なくとも1つの燃焼室(7)が形成される内燃機関(1)の燃焼室構造であって、シリンダヘッドの底面(5B)には、少なくとも一部が燃焼室に露出する伝熱装置(20)が配置され、伝熱装置の燃焼室に露出する露出部分(20a)がシリンダの周縁に沿って環状に形成された構成とするものとした。なお、ここで伝熱装置とは、シリンダヘッドよりも熱伝導率が高い装置全般を意味するものである。
この発明によれば、伝熱装置が、燃焼室に直接露出し、さらにシリンダの周縁に沿って環状に形成された簡単且つ製造が容易な構成により、シリンダヘッドの燃焼室を画成する壁面の温度を均一にするとともに過剰に高温となることを防止できる。これにより、ノッキングの発生も防止される。
本発明の一側面によれば、伝熱装置の露出部分(20a)が、燃焼室の外周縁部に配設され、上死点におけるピストンの頂面(6T)との間にスキッシュエリア(16)を形成する構成とすることができる。
この構成によれば、上死点にあるピストンの頂面と伝熱装置とでスキッシュエリアが形成されることにより、燃焼室内における空気と燃料との撹拌・混合効率を向上し、未燃焼ガスの発生を抑制することが可能となる。これにより、ノッキングの発生がより効果的に防止される。
本発明の一側面によれば、伝熱装置(20)は、少なくとも露出部分に配置された管状部材(21)と、管状部材の内部に封入された液状の冷却媒体(23)と、管状部材の内壁面に取り付けられ、冷却媒体を露出部分の全域にわたって均一に分布させるための繊維状部材(22)とを有し、管状部材内に冷却媒体の気化を可能とする気化空間部(24)を形成する構成とすることができる。
この発明によれば、冷却媒体が毛細管現象によって繊維状部材を移動し、露出部分の全域にわたって均一に分布するため、燃焼室およびシリンダヘッドの壁面を効果的に均一の温度に冷却することが可能となる。
本発明の一側面によれば、繊維状部材(22)は、管状部材における燃焼室に露出する面(内側面21a,下面の一部21b)に対応する内面に延在している構成とすることができる。
この構成によれば、燃焼室に露出する面に対応する内面に繊維状部材を配設することにより、最も高温となる部位に確実且つ迅速に冷却媒体を補充することが可能となり、冷却効率を向上することができる。
本発明の一側面によれば、シリンダヘッド(5)には、伝熱装置が配置されない状態において燃焼室に開口するように形成された開口部(貫通孔15)が少なくとも1つ形成され、伝熱装置は、先端が閉塞されるとともに開口部(15)に挿入され且つ基端が管状部材と連結する管状突出部(25)を少なくとも1つ有し、管状突出部は、気化空間部と連通し、気化した冷却媒体を冷却して液化させる液化空間部(26)を形成する構成とすることができる。
この構成によれば、伝熱装置が、環状の環状部材に加え、シリンダヘッドの内部に挿入される環状突出部を有することにより、冷却媒体の容量を拡大し、且つ蒸発した冷却媒体を効率良く冷却して迅速に液化させることが可能となり、冷却効率を向上することができる。
本発明の一側面によれば、内燃機関(1)は、1つの燃焼室に対して複数の吸気バルブ(13)を備えるものであり、管状突出部のうち少なくとも1つが複数の吸気バルブの間に対応する位置に配置されている構成とすることができる。
この構成によれば、ノッキングを生じ易い吸気バルブ間に熱引きの良い管状突出部が配設されることにより、ノッキングをより効果的に防止できる。
本発明の一側面によれば、開口部は、燃焼室と相反する側の端部(上端)がシリンダヘッドの内部に形成されたウォータージャケット(10)に開口するように形成された貫通孔(15)であり、管状突出部の少なくとも一部(25a)がウォータージャケットに露出している構成とすることができる。
この構成によれば、管状突出部がウォータージャケットに露出することにより、蒸発した冷却媒体を速やかに冷却して液化させることが可能となり、冷却効率を向上することができる。
本発明の一側面によれば、繊維状部材(22)は、管状突出部のウォータージャケットに露出する部分(25a)に至る態様で管状突出部の内壁面に延在している構成とすることができる。
この構成によれば、液化した冷却媒体が繊維状部材を伝ってより速やかに伝熱装置の露出部分に戻されるため、冷却効率を向上することができる。
本発明の一側面によれば、伝熱装置(20)は、シリンダ軸線(2X)方向視において露出部分(20a)の燃焼室に露出する面(下面の一部21b)の幅(W)がシリンダの直径(Ds)の5%以上且つ20%以下となるように形成された構成とすることができる。
この構成によれば、燃焼室の内部に環状に露出する伝熱装置によってシリンダボアの5%〜20%の幅でスキッシュエリアを形成することができ、ノッキングを抑制することができる。
このように、本発明によれば、燃焼室およびシリンダヘッドの燃焼室周辺を均一に冷却してノッキングを防止し得る内燃機関の燃焼室構造を、簡単且つ製造が容易な構成で実現することができる。
実施形態に係る内燃機関のシリンダ軸線を通る要部断面図である。 図1中のII−II線に沿って燃焼室を底面側から見た図である。 実施形態に係る伝熱装置の斜視図である。 図2中のIV−IV線に沿う伝熱装置の断面図である。 図2中のV−V線に沿う伝熱装置の断面図である。
以下、添付の図面に示された一実施形態を参照して本発明に係る燃焼室構造について詳細に説明する。本実施形態は、本発明を直列型のガソリンエンジン(以下、単にエンジン1と記す)に適用しており、図1は、シリンダ軸線2Xを通るシリンダ列直角方向の断面を見たエンジン1の要部断面図を示しており、ピストン6が上死点にある状態を示している。なお、説明にあたり、エンジン1がシリンダ軸線2Xを鉛直にして配置された状態を基準にして上下の方向を定めるものとする。
図1に示すように、エンジン1は、例えば直列4気筒の自動車用ガソリンエンジンであり、複数(ここでは4つの)のシリンダ2を画成するシリンダブロック3と、シリンダブロック3の上面にガスケット4を介して締結され、図示しないカムシャフトを回転自在に支持するシリンダヘッド5と、シリンダ2に摺合するピストン6とを備えており、これらシリンダブロック3のシリンダ2の内面、シリンダヘッド5の底面5B、ピストン6の頂面6Tおよび側面6Sなどによって燃焼室7が形成されている。これらシリンダブロック3、シリンダヘッド5およびピストン6は、アルミニウム合金材のダイキャスト成型で形成されている。
シリンダヘッド5には、燃焼室7を形成するために円形の平坦なルーフを形成すべく底面5Bを対シリンダブロック接合面5bよりも上方へ凹ませた窪み5Hが形成されている他、シリンダ列方向に沿う一側面5Cと燃焼室7とに開口する吸気ポート8や、シリンダ列方向に沿う他側面5Dと燃焼室7とに開口する排気ポート9、シリンダヘッド5を冷却するためのウォータージャケット10、点火プラグ12を嵌入するための点火プラグ設置孔11などが形成されている。
図2に併せて示すように、エンジン1は、各シリンダ2に対して2本の吸気バルブ13および1本の排気バルブ14を備えた3バルブ式であり、シリンダ軸線2Xに沿って設置された点火プラグ12を中心にして等角度に2つの吸気バルブ13および1つの排気バルブ14が配置されている。これら吸排気バルブ13・14は、それぞれバルブステム13a・14aがシリンダ軸線2Xと平行、すなわちピストン6の頂面6Tに対して直角に設けられており、閉弁時においてそれぞれの弁13b・14bの下面がシリンダヘッド5の底面5B(ルーフ)と同一平面をなしている。点火プラグ12は、その先端部中央に中心電極12aが配置され、中心電極12aの下方に接地電極12bが配置されており、点火コイルから配電される高電圧によって両電極12a・12b間で放電して火花を飛ばし、燃焼室7の略中央において圧縮された混合気に点火する。
シリンダヘッド5の窪み5Hは、シリンダ2の直径(シリンダボアDs)よりも若干大きな直径D0を有しており、その外周部には、シリンダヘッド5の素材であるアルミニウム合金に比べて高速で熱を伝えることができる伝熱装置20が取り付けられている。
図3〜図5に併せて示すように、伝熱装置20は、環状に形成された容器としての管状部材21と、管状部材21の内壁面に取り付けられたウィックとしての繊維状部材22と、管状部材21の内部に封入された作動液としての冷却媒体23とを有し、管状部材21がその内部に冷却媒体23の気化(蒸発)を可能とする気化空間部24を形成したヒートパイプである。つまり、伝熱装置20は、燃焼室7に露出する露出部分20aが冷却媒体23の気化により燃焼室7の熱を吸収する蒸発部として機能し、燃焼室7に露出しない部分20bが気化した冷却媒体23の液化により熱を放出させる凝縮部として機能して、燃焼室7を効率的に冷却することができる。なお、作動液には、水やフロン類、アンモニア或いはアルコールなどを用いることができる。
そして、繊維状部材22は、管状部材21における露出部分20aに対応する内面に延在するように取り付けられており、これにより、露出部分20aの全域にわたって均一に冷却媒体23を分布させることが可能となっている。
管状部材21は、鉄や銅などの金属を素材とする断面が略正方形の中空部材を円形に繋げたものであり、その外径D1が窪み5Hの直径D0と同一、すなわちシリンダボアDsよりも大径とされ、圧入によってシリンダヘッド5に取り付けられる。そのため、シリンダヘッド5とシリンダブロック3とを締結すると、管状部材21がシリンダブロック3によって(正確にはガスケット4によって)抜け止めされるようになっている。そして、管状部材21の内径D2がシリンダボアDsよりも小径とされていることにより、管状部材21の内側面21aと下面の一部21b(図2においてはハッチングで示している。)とが燃焼室7に露出して伝熱装置20の露出部分20aを構成している。より詳細には、管状部材21の外径D1は、シリンダボアDsよりも2mm〜5mm大きく設定されており、管状部材21の内径D2は、シリンダボアDsの90%程度となるように設定されている。これにより、管状部材21の内側面21aと下面の一部21bとが燃焼室7の外周部の全周にわたって一定幅で燃焼室7に露出するようになっている。
そして、管状部材21は、その下面がピストン6の頂面6Tと平行をなし且つ上死点にあるピストン6の頂面6Tとの間に所定の間隔を形成する態様で設置されている。これにより、ピストン6と管状部材21の下面の一部21bとの間にスキッシュエリア16が形成されている。
なお、管状部材21の内径D2を小さくすると、スキッシュエリア16を大きくすることができる一方、吸排気バルブ13・14の配置領域が制限されるが、バルブの本数を増やすことでバルブの開口面積を確保できるため、管状部材21の内径D2をシリンダボアDsの90%〜60%に設定することができる。換言すれば、シリンダ軸線2X方向視における伝熱装置20の露出部20aの幅W、すなわち管状部材21の燃焼室7に露出する下面の一部21bの幅WをシリンダボアDsの5%〜20%に設定することができる。
伝熱装置20はさらに、管状部材21の上面から上方に突出する管状突出部25を備えている。管状突出部25は、管状部材21と同様に鉄や銅などの金属を素材とし、断面が円形の直管状の中空部材により構成され、その先端(上端)が閉塞されるとともに、その基端(下端)が中空部を連通させる態様で管状部材21と連結している。そして、管状突出部25の内面には、管状部材21の繊維状部材22と連結する態様でウィックとしての繊維状部材22が略全面にわたって取り付けられている。なお、管状部材21および管状突出部25に取り付けられる繊維状部材22は、管状部材21や管状突出部25と同様の鉄や銅などの金属素材からなり、ここではメッシュ状のものを用いるものとしたが、毛細管現象を発揮し得るものであれば如何なる形状であってもよい。
管状突出部25は、シリンダヘッド5の吸気側と排気側とにそれぞれ1つずつ、より具体的には、点火プラグ12を挟んでシリンダ列直角方向に相対する位置に配置されている。つまり、吸気側の管状突出部25は、燃焼室7の外周部における2つの吸気バルブ13の中間に対応する位置に、排気側の管状突出部25は、燃焼室7の外周部における排気バルブ14に最も近い位置に配置されている。
図1に戻り、シリンダヘッド5の管状突出部25に対応する部位には、シリンダ軸線2Xに沿って延び、下端が窪み5Hの外縁に開口し且つ上端がウォータージャケット10に開口する貫通孔15が形成されている。換言すれば、シリンダヘッド5には、伝熱装置20が配置されない状態において燃焼室7とウォータージャケット10とを連通させるように形成された貫通孔15が形成されている。そして、管状突出部25が、その上端部をウォータージャケット10に露出させる態様或いは突出させる態様でこの貫通孔15に嵌入している。
このように構成されたことにより、管状突出部25が、気化した冷却媒体23の潜熱を、ウォータージャケット10に露出する部分25aから冷却水に放出して冷却媒体23を液化させる凝縮部として機能する。これにより、伝熱装置20は、管状部材21の露出部分20aで吸収した熱を効率的に放出することが可能となる。すなわち、管状突出部25が気化空間部24と連通し、気化した冷却媒体23を冷却して液化させる液化空間部26を形成している。そのため、管状部材21の管状突出部25に近い部分の熱が管状突出部25へ効率的に伝達される。
一方、吸気側の管状突出部25が2つの吸気バルブ13の中間位置に対応する位置に配置されたことにより、火炎伝播速度が遅くノッキングが生じ易い吸気バルブ13側端部の燃焼室7の温度を低下させてノッキングの発生を抑制することができるようになっている。また、排気側の管状突出部25が排気バルブ14の近傍に配置されたことにより、排ガスによりシリンダヘッド5が加熱され易い排気バルブ14側の燃焼室7の温度も低下させることができるようになっている。
さらに、上死点にあるピストン6の頂面6Tと伝熱装置20とによってスキッシュエリア16が形成されたことにより、圧縮工程においてはスキッシュ流により燃焼室7内での空気と燃料との撹拌・混合効率を向上させ、膨張工程においては逆スキッシュ流により火炎を燃焼室7の外周部まで素早く伝播させることができ、ノッキングの発生をより効果的に防止できるようになっている。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。例えば、上記実施形態では、本発明に係る燃焼室構造を直列4気筒のガソリンエンジンに適用しているが、V型や水平対向型エンジン、単気筒或いは4気筒以外の多気筒エンジン、ディーゼルエンジン、アルコール燃料エンジン、船舶用エンジン等、異なる種類や目的の内燃機関に適用することができる。
また、上記実施形態では、伝熱装置20を、露出部20aが一定の幅で燃焼室7の全周にわたって露出するように構成しているが、露出部20aの幅(燃焼室7に露出する下面の一部21bの幅W)が変化するような形態としたり、露出部20aを燃焼室7の全周にわたらない分断された環状をなす態様に形成する形態としたり、分離した伝熱装置を複数個設ける形態としたりしてもよい。
また、上記実施形態では、管状突出部25をウォータージャケット10に露出させる態様で設けているが、ウォータージャケット10に露出させなくともウォータージャケット10の近傍に延在させる態様で設けてもよい。また、管状突出部25の数量や位置は、上記実施形態のものに限定されるものではなく、適宜変更することが可能である。或いは、管状突出部25を設けずに、管状部材21のみで伝熱装置20の容器を構成するようにしてもよい。また、シリンダ軸線2Xが鉛直となる向きで設置される上記実施形態のようなエンジンであれば、管状突起部25(凝縮部)が上部に配置されるため、液化した冷却媒体23を管状部材21に戻すための繊維状部材22(ウィック)を省略することも可能であり、管状部材21においても冷却媒体23がある程度全体へ行き渡るため、繊維状部材22を省略することも可能である。
また、上記実施形態では、シリンダブロック3とシリンダヘッド5とを別部材で構成し、両者をボルトなどで締結したエンジン1としているが、本発明は、シリンダブロック3とシリンダヘッド5とを一体成型してモノブロックとしたエンジンもその技術的範囲に含むものである。なお、このようなモノブロック構造のエンジンに本発明の燃焼室構造を適用する場合には、管状部材21の外径D1をシリンダボアDs以下に設定する必要があることは言うまでもない。この他、各部材や部位の具体的構成や配置など、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば適宜変更可能である。
1 エンジン(内燃機関)
2 シリンダ
2X シリンダ軸線
3 シリンダブロック
5 シリンダヘッド
5B 底面
6 ピストン
6T 頂面
7 燃焼室
10 ウォータージャケット
13 吸気バルブ
15 貫通孔
16 スキッシュエリア
20 伝熱装置
20a 露出部分
21 管状部材
21a 内側面(燃焼室に露出する面)
21b 下面の一部(燃焼室に露出する面)
22 繊維状部材
23 冷却媒体
24 気化空間部
25 管状突出部
25a ウォータージャケットに露出する部分
26 液化空間部
D2 管状部材の内径
Ds シリンダボア
W 管状部材の下面の一部の幅

Claims (9)

  1. シリンダを形成するシリンダブロックと、該シリンダブロックの一端に底面側が接合されたシリンダヘッドと、前記シリンダに摺合するピストンとにより、少なくとも1つの燃焼室が形成される内燃機関の燃焼室構造であって、
    前記シリンダヘッドの底面には、少なくとも一部が前記燃焼室に露出する伝熱装置が配置され、当該伝熱装置の燃焼室に露出する露出部分が前記シリンダの周縁に沿う環状に形成されたことを特徴とする内燃機関の燃焼室構造。
  2. 前記伝熱装置の露出部分は、前記燃焼室の外周縁部に配設され、上死点における前記ピストンの頂面との間にスキッシュエリアを形成することを特徴とする、請求項1に記載の内燃機関の燃焼室構造。
  3. 前記伝熱装置は、少なくとも前記露出部分に配置された管状部材と、該管状部材の内部に封入された液状の冷却媒体と、前記管状部材の内壁面に取り付けられ、前記冷却媒体を前記露出部分の全域にわたって均一に分布させるための繊維状部材とを有し、前記管状部材内に前記冷却媒体の気化を可能とする気化空間部を形成することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の内燃機関の燃焼室構造。
  4. 前記繊維状部材は、前記管状部材における前記燃焼室に露出する面に対応する内面に延在していることを特徴とする、請求項3に記載の内燃機関の燃焼室構造。
  5. 前記シリンダヘッドには、前記伝熱装置が配置されない状態において前記燃焼室に開口するように形成された開口部が少なくとも1つ形成され、
    前記伝熱装置は、先端が閉塞されるとともに前記開口部に挿入され且つ基端が前記管状部材と連結する管状突出部を少なくとも1つ有し、
    前記管状突出部は、前記気化空間部と連通し、前記気化した冷却媒体を冷却して液化させる液化空間部を形成することを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の内燃機関の燃焼室構造。
  6. 前記内燃機関は、1つの燃焼室に対して複数の吸気バルブを備えるものであり、
    前記管状突出部のうち少なくとも1つが前記複数の吸気バルブの間に対応する位置に配置されていることを特徴とする、請求項5に記載の内燃機関の燃焼室構造。
  7. 前記開口部は、前記燃焼室と相反する側の端部が前記シリンダヘッドの内部に形成されたウォータージャケットに開口するように形成された貫通孔であり、
    前記管状突出部の少なくとも一部が前記ウォータージャケットに露出していることを特徴とする、請求項5または請求項6に記載の内燃機関の燃焼室構造。
  8. 前記繊維状部材は、前記管状突出部のウォータージャケットに露出する部分に至る態様で前記管状突出部の内壁面に延在していることを特徴とする、請求項5〜請求項7いずれか一項に記載の内燃機関の燃焼室構造。
  9. 前記伝熱装置は、シリンダ軸線方向視において前記露出部分の燃焼室に露出する面の幅が前記シリンダの直径の5%以上且つ20%以下となるように形成されたことを特徴とする、請求項1〜請求項8いずれか一項に記載の内燃機関の燃焼室構造。
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Citations (5)

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