JP2011247182A - 作業機械 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ステップS10において、DPF53の前後差圧ΔPFが、PMがDPF53に捕集され、DPF53の再生化を行うべき差圧上限値ΔPFHを超えていると判断された場合は、ステップS12において、最小値選択部21gで選択されたファン目標回転数Nf2に回転数ΔNを加算してファン目標回転数Nf2より大きいファン目標回転数NfSが算出される。そして、電動/発電機15により電動ファン31をファン目標回転数NfSで回転する。
【選択図】図4
Description
浄化装置は、通常、DPF(Diesel Particulate Filter)と言われ、多孔質の隔壁を有する。DPFは、粒子状物質をこの隔壁に捕集するが、排気ガスが高温になると捕集した粒子状物質を燃焼させて除去する自己再生機能を有する。
排気ガスを高温にする方法として、エンジンの運転条件を、排気ガス温度が上昇する運転に移行させるようにする。具体的には、エンジンの駆動を、燃費の良好な運転条件から等出力曲線上において、負荷を増大させて、回転速度が減少しトルクが増大するように回転制御する(例えば、特許文献1参照)。
以下、本発明に係る作業機械の一実施形態を、図1〜図4を参照して説明する。
図1は、本発明に係る作業機械一実施形態としてのホイールローダを示す外観斜視図である。
作業機械100の一例として示されるホイールローダは、アーム111、バケット112、前輪113等を有する前部車体110と、運転室121、エンジン室122、後輪123等を有する後部車体120とで構成される。アーム111はアームシリンダ114の駆動により上下方向に回動(俯仰動)し、バケット112はバケットシリンダ115の駆動により上下方向に回動(ダンプまたはクラウド)する。
エンジン室122内には、エンジン11、可変容量型の主油圧ポンプ12およびエアコンのコンプレッサ13が収容されている。主油圧ポンプ12は、作動油タンク71から作動油を、制御弁51を介してアームシリンダ114等の各シリンダに給、排油する。図2においては、バケットシリンダ115およびステアリングシリンダ等は図示を省略されており、アームシリンダ114は、全ての油圧シリンダの代表としての意味合いを有しているものでもある。
また、コンプレッサ13はエアコン24内に冷媒を循環させる。
冷却水用熱交換器73、作動油冷却用熱交換器74、潤滑油冷却用熱交換器75およびエアコン冷媒冷却用熱交換器76には、それぞれ、温度センサ63、64、65、66が設置され、検出された各冷媒の温度情報TW、TP、TT、TAがECU21に入力される。
図3において、EPU21は、冷却水冷却目標回転数演算部21a、作動油冷却目標回転数演算部21b、潤滑油冷却目標回転数演算部21c、エアコン冷媒冷却目標回転数演算部21d、最大値選択部21e、エンジン冷却目標回転数演算部21f、最小値選択部21g、ファン回転数増大部21hの各機能を有している。
1)最大値選択部21eで選択したファン目標回転数Nf1がエンジン冷却目標回転数演算部21fで計算したファン目標回転数NFXより小さいときは、ファン目標回転数Nf1を選択することを意味する。
2)最大値選択部21eで選択したファン目標回転数Nf1がエンジン冷却目標回転数演算部21fで計算したファン目標回転数NFXより大きいときは、ファン目標回転数NFXを選択することを意味する。
その結果、最小値選択部21gでは、エンジン冷却目標回転数演算部21fで計算したファン目標回転数NFXを制限値として、最大値選択部21eで選択したファン目標回転数Nf1がその制限値を超えないようにファン目標回転数が補正される。また、エンジン冷却目標回転数演算部21fでは、エンジン回転数NEが低くなるに従って低くなるファン目標回転数NFXの制限値が計算される。
また、ECU21は、ファン目標回転数増大部21hで増大されたファン目標回転数Nfsおよびファン目標回転数Nf2のいずれかを冷却ファン目標回転数指定記憶部21iに設定し、電源制御部22を介して電動ファン31に供給するように制御する
次に、本発明に係る作業機械100における電動ファン31とDPF53の再生化との関について説明する。
この処理フローはECU21内の制御プログラムを実行して行われる。
DPF再生化の処理フローは、ステップS1に示すように、エンジン11が駆動された状態でスタートする。エンジン11が駆動されるとステップS2に進み、温度センサ63から送出されるそのときのエンジン11の冷却水の温度TWXに基づいて、ECU21の冷却水冷却目標回転数演算部21aにおいてファン目標回転数NWXが算出される。上述した如く、冷却水冷却目標回転数演算部21aには、冷却水温TWとファン目標回転数NWとの関係特性fTWがテーブルとして設定されており、ファン目標回転数NWXは、このテーブルに基づいて演算される。
なお、ステップS2〜S5は、上記の順序で行われる必要はなく、要は、ファン目標回転数NWX、ファン目標回転数NPX、ファン目標回転数NTX、およびファン目標回転数NAX、が全て算出されればよい。
なお、ステップS9の処理を行う前に、図4には図示されていないが、電源制御部22から電力を供給して加熱器51を駆動し、エンジン11から排出される排気ガスに含まれる軽油、H2、CO等の燃料の未燃成分を燃焼する。
ステップS10において、DPF53の前後差圧ΔPFが差圧上限値ΔPFHを超えていると判断された場合は、ステップS11に進み、DPF53と酸化触媒52の間に配置された温度センサ62から送出される排気ガスの温度TFが予め設定されているPM燃焼下限温度TLより低いか否かが判断される。PM燃焼下限温度TLは、PMが燃焼可能な下限温度であり、例えば600℃程度である。
ステップS12では、ファン目標回転数増大部21hにおいて、最小値選択部21gで選択されたファン目標回転数Nf2に回転数ΔNを加算してファン目標回転数Nf2より大きいファン目標回転数NfSが算出される。
このため、エンジン11から排出される排気ガスの温度TFが、PM燃焼下限温度TLを超えるようになり、DPF53に捕集されたPMが燃焼し、DPF53は再生化される。
ステップS13が完了すると、ステップS2に戻り、以下、同様に、ステップS2〜S13の処理が反復される。
(1)冷却ファンを電動式の電動ファン15とし、電動/発電機15の発電電力により電動ファン31を駆動するようにしたので、油圧装置により冷却ファンを駆動する方式のように、冷却ファンの回転数がエンジン11の回転数により制限されることがなく、エンジン回転数が小さい場合でも、電動ファン31の回転数を適切に調整することができる。
(2)電動/発電機15の発電電力により電動ファン31を駆動し、DPF53を再生化する際には、電動ファン31の増速を電動/発電機15の発電電力を増大して行うので、DPF53の再生化時におけるエンジン11の負荷の増大量は、電動ファン31の増速分に対応する電力分だけでよい。つまり、DPF53を再生化する際にエンジン11の出力トルクを増大する必要がなく、燃費効率の向上に有利である。
上記(2)に関し、冷却ファンを油圧可変ポンプおよび油圧モータで駆動する従来方式と対比すると、従来方式では、作業機械が作業待ちの状態では、エンジンの負荷が小さく、排気ガスの温度が低い。従って、このままでは、PMがDPFに捕集されているにも拘わらずDPFの再生化は行われない。DPFの再生化が行われるようにするには、冷却ファンを駆動する油圧可変ポンプの容量を大きくしてエンジンの負荷を増大し、排気ガスの温度をPMの可燃温度まで上昇するようにする必要がある。しかし、油圧可変ポンプの容量を大きくすると、油圧ポンプによって給、排される作動油の油量が増加する。作動油の油量の増加に伴い作動油の温度が上昇する傾向となり、冷却ファンによって、この作動油の温度も冷却する必要が生じる。このため、DPFの再生化の際、冷却ファンの速度を、作動油の温度の上昇を抑えるように大きく増大する必要が生じ、エンジンの燃費が大幅に悪化する。
図5は本発明に係る作業機械の実施形態2を示す回路ブロック図であり、図6は、図5に図示された回路ブロックにおける電動ファンの動作の一例を示す処理フロー図である。
実施形態1に示された作業機械100では、DPF53を再生化するか否かの判断を、DPF53の前後に圧力検出器54、55を配置し、DPF53の前後差圧ΔPFによって行うものであった。
これに対し、実施形態2の作業機械100は、図5の回路ブロック図に図示されるように、圧力検出器54、55を備えていない。しかし、アームシリンダ114のボトム側油室の圧力Pcを検出する圧力検出器68を備えている。圧力検出器68は、一般的に作業機械には装備されているものであって、この実施形態の実現のために、特別に、必要とされるものではない。また、図示はしないが、ECU21は、予め実験等により確認された、DPF53に捕集されたPMを燃焼するに必要とされる時間TIMErecが設定されたPM燃焼時間記憶部を有しており、さらに、DPF53において再生化処理を行う時間を測定するタイマを含んでいる。他の構成は、図2に図示された構成と同様であり、対応する構成に同一の参照番号を付してその説明を省略する。
ステップS1〜S8は、実施形態1として示された図4の処理フローにおける各ステップと同一である。
ステップS8の処理をした後、ステップS21に進み、エンジン回転数検出器61から送出されるエンジン回転数NEが所定の回転数NL未満か否かが判断される。エンジン回転数NEが所定の回転数NLを超えていると判断されるとステップS25に進み、エンジン回転数NEが所定の回転数NL未満であると判断されるとステップS22に進む。
所定の回転数NLは、PMが発生する限界状態のエンジン11の回転数として予めECU21に設定されているものである。
所定の圧力PLは、PMが目詰まり状態となって燃焼を開始すべき限界状態のアームシリンダ114の圧力として予めECU21に設定されているものである。
このため、エンジン11から排出される排気ガスの温度TFが、PM燃焼下限温度TLを超えるようになり、DPF53に捕集されたPMが燃焼し、DPF53は再生化される。
また、ファン目標回転数Nf2に回転数ΔNを加算する方法ではなく、ファン目標回転数Nf2より大きいファン目標回転数Nf3をECU21に設定しておき、このファン目標回転数Nf3に切り換える方法としてもよい。ファン目標回転数Nf3は、一定値でもよいし、演算により算出するようにしてもよい。
その他、本発明に係る作業機械は、発明の趣旨の範囲内において、種々、変形して構成することが可能であり、要は、エンジンと、エンジンの駆動により発電する発電機と、発電機で発電された電力により駆動され、冷却風を送風する電動ファンと、エンジンの駆動時にエンジンから排出される排気ガスに含まれる捕集対象物を捕集し、かつ、再生化することが可能な捕集手段と、捕集手段の再生化の判断をする再生判断手段と、再生判断手段の判断に基づいて前記電動ファンの回転数を増大するファン回転数増大手段とを備えるものであればよい。
12 油圧ポンプ
15 電動/発電機
16 トランスミッション
21 ECU(電子制御装置)
22 電源制御部
53 DPF(パティキュレートフィルタ)
54、55、68 圧力検出器
61 エンジン回転数検出器
62〜66 温度センサ
73〜76 熱交換器
100 作業機械(ホイールローダ)
114 アームシリンダ
122 エンジン室
Claims (7)
- エンジンと、
前記エンジンの駆動により発電する発電機と、
前記発電機で発電された電力により駆動され、冷却風を送風する電動ファンと、
前記エンジンの駆動時に前記エンジンから排出される排気ガスに含まれる捕集対象物を捕集し、かつ、再生化することが可能な捕集手段と、
前記捕集手段の再生化の判断をする再生判断手段と、
前記再生判断手段の判断に基づいて前記電動ファンの回転数を増大するファン回転数増大手段とを備えることを特徴とする作業機械。 - 請求項1に記載の作業機械おいて、前記再生判断手段は、前記捕集手段の前後における前記排気ガスの差圧を検出する手段を有することを特徴とする作業機械。
- 請求項1に記載の作業機械において、前記再生判断手段は、前記エンジンの回転数を検出する手段および前記エンジンの負荷を検出する手段を有することを特徴とする作業機械。
- 請求項3に記載の作業機械において、さらに、油圧ポンプによって駆動される油圧シリンダを有し、前記エンジンの負荷を検出する手段は、前記油圧シリンダの圧力を検出する手段を含むことを特徴とする作業機械。
- 請求項4に記載の作業機械において、前記電動ファンを、回転数を増大して駆動を開始した後、所定時間経過後に、前記電動ファンを、回転数を低減して駆動する制御手段を含むことを特徴とする作業機械。
- 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の作業機械において、前記電動ファンは、エンジン冷却水、油圧ポンプまたは油圧モータ作動油、トランスミッション潤滑油、エアコン冷媒の中の、複数を冷却することを特徴とする作業機械。
- 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の作業機械において、前記電動ファンを複数有することを特徴とする作業機械。
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