JP2011246846A - 毛髪用繊維束 - Google Patents
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Abstract
外観や物性が人毛に極めて類似した毛髪用繊維束を提供する。
【解決手段】
本発明は、人毛とポリアミド繊維を含み、人毛と前記ポリアミド繊維の合計を100質量部としたときの、ポリアミド繊維の割合が10〜90質量部の毛髪用繊維束である。ポリアミド繊維は、ポリアミド100質量部と、リン又は臭素含有難燃剤3〜30質量部を含有する樹脂組成物を繊維化して形成された繊維であることが好ましい。ポリアミドは、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン4,6、ナイロン12、ナイロン6,10、及びナイロン6,12からなる群から選択される少なくとも1種の化合物であることが好ましい。樹脂組成物は、ポリアミド100質量部と、リン又は臭素含有難燃剤3〜30質量部と、微粒子1〜10質量部を含有することが好ましい。
【選択図】なし
Description
人毛は優れた外観や物性を有しているので、外観や物性の観点からは、かつら等の製造には人毛を用いることが好ましい。しかし、人毛は供給量に限度があるので高価である。従って、かつら等の製造コストを低減させるという観点からは、人毛よりも安価である人工毛髪を用いることが望まれる。
人工毛髪については、これまで、材料や形状を工夫することによって、その外観や物性を人毛に近づける工夫がなされてきた。しかし、人毛に匹敵する外観や物性を有する人工毛髪は未だに開発されていない。
このような状況において、人毛と、ポリエステル系繊維とを混合することによって人毛に近い外観や物性を有する毛髪用繊維束を得ることが試みられている(例えば特許文献1を参照)。
本発明の一実施形態にかかる毛髪用繊維束は、人毛とポリアミド繊維を含み、前記人毛と前記ポリアミド繊維の合計を100質量部としたときの、前記ポリアミド繊維の割合が10〜90質量部である毛髪用繊維束である。
不飽和酸としては、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸がある。
飽和酸としては、フタル酸、テレフタル酸、コハク酸、グルタル酸、テトラヒドロフタル酸、アジピン酸、又はセバチン酸がある。
二価アルコール及び三価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパンがある。
ビニル単量体としては、スチレン、クロルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、アクリル酸、メチルアクリレート、アクリロニトリル、エチルアクリレート、ジアリルフタレートの単種又は複数種がある。
まず、ポリアミド、ポリエステル、リン含有難燃剤、臭素含有難燃剤及び微粒子を個々に水分量1500ppm以下となるように乾燥させ、乾燥した素材を表1に示す配合比(質量基準)で混合した。混合された混合物を280℃の温度にて溶融混練してからペレット状に成型した。溶融混練及びペレット成型は、二軸押出機を用いた。ペレットを、再度、水分量が1500ppm以下となるように乾燥した後、溶融紡糸機にて未延伸の糸状に成形し、未延伸の糸を4倍に延伸させて単繊維度50dtexのポリアミド繊維又はポリエステル繊維を製造した。
触感は、実施例・比較例の人工毛髪用繊維を長さ200mm、重量1.0gに束ね、人工毛髪用繊維処理技術者(実務経験5年以上)10人の手触りによる判定で、次の評価基準で評価した。
優:技術者10人全員が、触感が良いと評価したもの
良:技術者の8人又は9人が、触感が良いと評価したもの
可:技術者の5人以上7人以下が、触感が良いと評価したもの
不可:技術者の4人以下が、触感が良いと評価したもの
難燃性は、実施例・比較例の人工毛髪用繊維を長さ20cm、総重量1.0グラムに調整して繊維束を形成し、この繊維束の一端を固定して垂直に垂らし、下端に高さ30mmの炎を3秒間接触させ、繊維束から炎を外した時からの延焼時間で評価した。延焼時間は、測定試料3個の平均値である。
優:延焼時間が0秒
良:延焼時間が3秒未満
可:延焼時間が3秒以上10秒未満
不可 :延焼時間が10秒以上
カールセット性は、実施例・比較例の人工毛髪用繊維を長さ50cm、総重量2.0グラムに調整して繊維束を形成し、この繊維束に180℃の鉄製の焼き鏝(鏝の直径1.4cm)に巻いてカールをかけた後、焼き鏝から離して、一方端を固定して吊り下げた時にカールがあるか否かで確認した。カールがなされた状態の定義として、吊り下げた際の人工毛髪用繊維の基端と先端の間隔が、カール前の全長50cmの0.85倍未満(42.5cm未満)になった場合とした。評価前の試料は、評価のばらつきを無くすために、温度23℃、湿度50%で24時間保管した試料を採用した。評価にあっては、焼き鏝での加熱時間を数種類設け、次の基準で判断した。
優:焼き鏝での加熱時間が5秒未満でカールセットされた
良:焼き鏝での加熱時間が5秒以上10秒未満でカールセットされた
不可:焼き鏝での加熱時間が10秒以上でカールセットされた
ナイロン6,6:東レ株式会社製、CM3001‐N
リン含有難燃剤:大八化学工業(株) PX−200
臭素含有難燃剤:アルベマール日本株式会社、HP−7010
微粒子:架橋アクリル粒子、平均粒子径1.8μm、綜研化学株式会社製
ポリエステル:三菱化学株式会社製、BK‐2180
表1に示したように、実施例1〜実施例7の毛髪用繊維束は、人毛とポリアミド繊維との混合割合が適切に調整されることで、触感、難燃性、及びカールセット性において優れていた。特に、実施例5〜7の毛髪用繊維束は、難燃性、触感及びカールセット性の全てにおいて優れた特性を有している点で、他の実施例よりも優れていた。
Claims (4)
- 人毛とポリアミド繊維を含み、
前記人毛と前記ポリアミド繊維の合計を100質量部としたときの、前記ポリアミド繊維の割合が10〜90質量部である毛髪用繊維束。 - 前記ポリアミド繊維が、ポリアミド100質量部と、リン又は臭素含有難燃剤3〜30質量部を含有する樹脂組成物を繊維化して形成された繊維である請求項1に記載の毛髪用繊維束。
- 前記ポリアミドが、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン4,6、ナイロン12、ナイロン6,10、及びナイロン6,12からなる群から選択される少なくとも1種の化合物である請求項2に記載の毛髪用繊維束。
- 前記樹脂組成物が、ポリアミド100質量部と、リン又は臭素含有難燃剤3〜30質量部と、微粒子1〜10質量部を含有する請求項2又は3に記載の毛髪用繊維束。
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2010
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