JP2011245852A - 生分解性容器の製造方法およびその製造方法により製造された生分解性容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】生分解性容器の製造方法は、ヒータを内蔵すると共に真空引きするための真空引き孔が形成された嵌合可能な一対の雄型4と雌型5とからなる発泡成形用の金型を用い、雄型4と雌型5の表面にそれぞれ生分解性フィルム3を真空引きにより密着させてプレフォームしつつ生分解性材料を介在させて前記雄型4と雌型5を嵌合させ、前記雄型4と雌型5が嵌合した金型内で生分解性材料を加熱して発泡・焼成することにより発泡基材層の成形と同時に前記基材層の表面を前記生分解性フィルム3で被覆する工程を備える。
【選択図】図8
Description
そのような中、植物由来のバイオマスを原料とした生分解性の容器が注目されている。植物由来のバイオマスは大気中の二酸化炭素を吸収して成長しているため、廃棄後の生分解や焼却の際に二酸化炭素が排出されても、それは原料のバイオマスに吸収されていた二酸化炭素が再び大気中に排出されたこととなり、製造から廃棄までをトータルでみると大気中の二酸化炭素を増加させることにはならない。このような性質はカーボンニュートラルと呼ばれ、環境問題を考えるうえで重要なキーワードとなっている。
特許文献1に記載の方法では、容器の形状に略一致するように事前に成形された2枚の生分解性フィルムで生分解性材料を挟むようにして金型内で加熱し、生分解性材料を発泡・焼成することにより発泡基材層の成形と同時にその表面を生分解性フィルムで被覆する。
しかし、生分解性フィルムを容器の形状に略一致するように事前に成形しておく工程が別途必要であり、また事前成形された生分解性フィルムを金型に配置するのにも手間を要する。
しかし、容器状の発泡基材層を事前に成形しておく工程が別途必要であり、また事前成形された発泡基材層を金型に配置するのにも手間を要する。
また、仮に蒸気抜きができたとしても、製造を繰り返すうちに蒸気抜き孔が生分解性材料で閉塞されてしまうため、金型のメンテナンスに手間を要することとなる。
特に、この発明による第2の製造方法によれば、生分解性フィルムと生分解性材料が同時に供給されるので工程の更なる短縮を図ることができ、生産性がより一層向上する。
生分解性フィルムの厚みは特に限定されるものではないが、例えば、約20〜100μm程度とすることができる。約20μmよりも薄くなるとフィルムの機械的強度が不足し、延伸させる際に破れ易くなり歩留まりが低下する。一方、約100μmよりも厚くなると、機械的強度は十分に得られるものの延伸させ難くなり生産性が悪くなる。また、材料コストの観点からも好ましくない。
このため、生分解性フィルムの厚みは上記の約20〜100μm程度が妥当な範囲といえる。
このような構成によれば、金型からの加熱に加え、生分解性材料に高周波を印加して誘電加熱するので、生分解性材料そのものを効率よく発熱させることができ、発泡・焼成に要する時間を大幅に短縮できる。これにより生分解性容器の生産性が大幅に向上する。
このような構成によれば、金型に生分解性フィルムが密着し難い窪んだ部位が存在していても、当該部位に生分解性フィルムを確実に密着させたまま生分解性材料を発泡させて焼成できるので、形状の再現性の観点からみた生分解性容器の成形性が向上し、所望の形状の生分解性容器を歩留まりよく製造できるようになる。
このような構成によれば、生分解性容器の製造工程中に2枚の生分解性フィルムが互いに貼り付くことを防止できる。
なお、ここで無機質の粉末としては、例えば、ニ酸化チタン、タルク等の粉末を挙げることができる。
また、上記の澱粉の誘導体は、生分解性を阻害しない範囲で澱粉を修飾したものを指し、例えば、α化澱粉、架橋澱粉、変性澱粉等を挙げることができる。
さらに、上記の修飾されていない澱粉と上記の澱粉の誘導体とを混合した混合物が用いられても構わない。
このような構成によれば、製造された生分解性容器の光透過率が低くなり遮光性が向上するので、油脂を含有した食品を収容する場合に光酸化による風味の劣化を防止できる。
なお、ここで着色料とは、生分解性容器を着色するための色素を意味し、特に限定されるものではないが、例えば、食品着色料を用いることができる。食品着色料としては、例えば、アトナー色素、クチナシ黄色素、コチニール色素、ラック色素、赤キャベツ色素、赤ダイコン色素、ブドウ果汁色素、ブドウ果皮色素、紫イモ色素、紫トウモロコシ色素、エルダーベリー色素、カカオ色素、コウリャン色素、タマネギ色素、タマリンド色素、ベニバナ黄色素、ウコン色素、ビートレッド、紅麹色素、紅麹黄色素、クチナシ青色素、クチナシ赤色素などの天然系着色料を挙げることができる。
なお、ここでテーパー角とは、生分解性容器の中心軸と胴部の表面とのなす角をいう。
なお、ここでテーパー角は10°以下であればよく、その下限値は特に限定されるものではないが、例えば、6°程度とすることができる。
この真空引きによるプレフォームの際、生分解性フィルムは生分解性フィルムと雄型および雌型との間に生ずる負圧により全体的に延伸させられながら雄型と雌型の表面に密着する。
このため、雄型と雌型を嵌合させる際の押圧力のみで生分解性フィルムを延伸させる場合と比較して、真空引きによるプレフォームを併用することで生分解性フィルムを全体的に延伸させることができ、生分解性フィルムに過剰な負荷がかかって破れることを防止できる。
つまり、この発明による生分解性容器の第1および第2の製造方法は、生分解性容器の生産性を向上させるだけでなく、生分解性フィルムを無理なく延伸させる点でも効果的であり、テーパー角の大きいどんぶり型のような形状からテーパー角の小さいバケツ型のような形状まで、幅広い形状への対応が可能になる。
一般に、容器は縦長の形状となるほど、底部の直径を確保するために胴部のテーパー角が小さくなる傾向があるが、この発明による生分解性容器の第1および第2の製造方法は、上述のとおりテーパー角が小さい切り立った形状の胴部にも対応できるため、縦長の形状を有する生分解性容器の製造にも好適に利用できる。
本発明の実施形態1に係る生分解性容器の製造方法について図1〜7に基づいて説明する。図1は本発明の実施形態1に係る製造方法により製造された生分解性容器の断面図、図2は図1のA部の拡大図、図3は図1に示される生分解性容器の胴部のテーパー角を説明する説明図、図4〜6は実施形態1に係る生分解性容器の製造方法を説明する工程図、図7は実施形態1に係る生分解性容器の製造方法において生分解性フィルムをプレフォームする際にプラグを使用する変形例を示す説明図である。
生分解性容器1は、開口部1aおよび底部1bと、開口部1aと底部1bとの間に延びる胴部1cとを有している。図3に示されるように、胴部1cは開口部1aから底部1bへ向かって所定のテーパー角θ1で先細る形状を有している。ここでテーパー角θ1は、生分解性容器1の中心線(中心軸)CLと胴部1cの表面とのなす角である。
発泡基材層2の内面と外面の両方の表面が生分解性フィルム3で被覆されることにより、生分解性容器1は耐湿性と長期保存性に優れ、また、発泡基材層2の優れた断熱性により熱湯などを入れて使用することも可能な構成となっている。
本実施形態では、図4(a)に示されるように、成形すべき容器の形状に対応したキャビティ9(図5(d)参照)を形成するための一対の雄型4と雌型5とからなる発泡成形用の金型6が用いられる。雄型4と雌型5は図示しない電熱ヒータを内蔵しており、以下の工程でいずれも約130〜175℃に維持される。また、雄型4と雌型5には真空引きを行うための複数の真空引き孔4a,5aがそれぞれ形成されている。
なお、図示しないが、各生分解性フィルム3は雄型4と雌型5の間に配置される前に約400〜500℃の板状ヒータから発せられる放射熱に約3〜12秒にわたって曝され、約100〜175℃まで予備加熱される。
本実施形態において生分解性フィルム3は生分解性プラスチックの一種である変性ポリエステルからなり、その厚みは約50μmである。
生分解性材料7は、パルプ、ポリビニルアルコール(PVA)および水の溶解物に澱粉を混合した後、加熱してα化したドウ状の混練物である。前記澱粉には生分解性容器の材料として最適な性質を示すように適量の二酸化チタンが混合されていてもよい。
なお、本実施形態では雄型4を下降させて雌型5と嵌合させたが、もちろん雌型5を上昇させて雄型4と嵌合させてもよいし、或いは、雄型4を下降させつつ雌型5を上昇させて嵌合させてもよい。
本実施形態において、雄型4と雌型5の嵌合速度(雄型4と雌型5が近づく速度)は320mm/秒に設定できる。
蒸気抜き用の孔の大きさは、キャビティ9内の内圧が適切に維持され良好な発泡・焼成が行われるように生分解性材料7の水分値に応じて適切に設定される。
なお、このようにして製造された生分解性容器1は特に着色されておらず、その色は生分解性材料7の色を反映してほぼ白色となる。
また、生分解性フィルム3が雄型4と雌型5の表面にそれぞれ密着した状態で生分解性材料7が供給されるので、雄型4と雌型5の真空引き孔4a,5aが生分解性材料7で閉塞されることもなく、金型6のメンテナンスが容易である。
この発明の実施形態2に係る生分解性容器の製造方法について図8および図9に基づいて説明する。図8および図9は本発明の実施形態2に係る生分解性容器の製造方法を説明する工程図である。
なお、2枚の生分解性フィルム3は、製造工程で生分解性フィルム3同士が互いに貼り付くのを防止するため予めそれらの対向面に二酸化チタンもしくはタルクの粉末が塗布される。
また、図示しないが生分解性材料7を挟んだ生分解性フィルム3は雌型5の上方に配置される前に約400〜500℃の板状ヒータから発せられる放射熱に約3〜12秒にわたって曝され、約100〜175℃まで予備加熱される。
高周波発振器12はインダクタンスやキャパシタンスを可変とした整合回路13を介して負荷電極部である雄型4と雌型5とに接続され、被加熱物である生分解性材料7に対してインピーダンスマッチングをとりつつ高周波が印加される。
実施形態1と同様、生分解性フィルム3は加圧と加熱によるアンカー効果のみで発泡基材層2の表面に密着し、接着剤は不要である。
真空引きを継続することにより生分解性フィルム3が金型6に密着し、設計値通りのキャビティ9が構成される。故に生分解性フィルム3に邪魔されることなく生分解性材料7がキャビティ9内に満注し発泡成形されるので、製品設計図通りの曲率や角度を再現する成形物が得られる。
具体的には、例えば、図1に示される生分解性容器1の内側エッジ部1eに代表されるように、雄型4と雌型5を嵌合させる際に生分解性フィルム3に対して窪んだ状態となり生分解性フィルム3を密着させ難い部分にも生分解性フィルム3をきれいに密着させることができ、金型6の形状が生分解性容器1の形状に良好に再現される。
これにより、形状の再現性が向上し所望の形状の生分解性容器1を歩留まりよく製造できるようになる。
また、生分解性材料7の加熱中も真空引きを継続することにより、形状の再現性も向上する。
これらの好ましい効果により、実施形態2による製造方法によれば生産性のさらなる向上と歩留まりの向上が図られる。
この発明の実施形態3に係る生分解性容器の製造方法について図10〜15に基づいて説明する。図10は本発明の実施形態3に係る製造方法により製造された生分解性容器の断面図、図11は図10のB部拡大図、図12は図10に示される生分解性容器の胴部のテーパー角を説明する説明図、図13〜15は実施形態3に係る生分解性容器の製造方法を説明する工程図である。
生分解性容器21は、開口部21aおよび底部21bと、開口部21aと底部21bとの間に延びる胴部21cとを有している。図12に示されるように、胴部21cは開口部21aから底部21bへ向かって所定のテーパー角θ2で先細る形状を有している。ここでテーパー角θ2は、生分解性容器21の中心線(中心軸)CLと胴部21cの表面とのなす角である。
これに対し、上述の実施形態1に係る生分解性容器1(図1および図3参照)では、開口部1aの直径D1は151mm、底部1bから開口部1aまでの高さH1は75mm、テーパー角θ1は10.5°であり、底部1bから開口部1aまでの高さH1は開口部1aの直径D1の50%である。
同様のものを複数個ずつ用意し、約25℃の室温に保たれた部屋(湿度についてはなりゆき)に配置された台に並べ、蛍光灯から約1500ルクスの照度で光を照射し続け、過酸化物価の変化を1月毎に3ヶ月間にわたって測定した。測定結果は、次の表1に示す通りである。
このため、実施形態3に係る着色された生分解性容器21は油脂を含んだ食品を保存するうえで好適な性能を有していることが分かる。
なお、実施形態3の測定結果において、3ヶ月後の過酸化物価の値が2ヶ月後の値よりも若干下がっているが、これらの測定値は実測値であり、収容した菓子の個体差によるものと考えられる。
なお、実施形態2と同様に、2枚の生分解性フィルム3は製造工程で互いに貼り付くことを防止するため、予めそれらの対向面に二酸化チタンもしくはタルクの粉末が塗布されている。
生分解性材料27は、実施形態1で用いた生分解性材料7と基本的に同じであるが、生分解性容器21を茶色に着色するための着色料としてコウリャン色素が約0.7重量%の配合比率で混合されている。なお、生分解性フィルム3については実施形態1で用いたものと同じである。
一対の熱板31,32は表面温度が約170℃であり、生分解性フィルム3は熱板31,32と直接接触することにより約165〜170℃程度まで速やかに予備加熱される。
このため、一対の熱板31,32で生分解性フィルム3を挟むと、生分解性材料27は熱板31,32の窪み31a,32aに収まり、生分解性材料27は潰れることなくその形状を保ったまま生分解性フィルム3のみが選択的に予備加熱される。
この際、生分解性フィルム3と雄型24および雌型25の表面との間に強い負圧がそれぞれ発生し、生分解性フィルム3は全体的に延伸させられながら短時間のうちに雄型24と雌型25の表面にそれぞれ密着しプレフォームがなされる。なお、図14(d)は生分解性フィルム3が雄型24と雌型25の表面にそれぞれ密着する寸前の状態を描いている。
生分解性フィルム3は真空引きにより全体的に延伸させられるので、雄型24および雌型25からの押圧力のみで延伸させられる場合と比較して、局部的に過剰な負荷がかかり難く、破れることなくきれいにプレフォームされる。
なお、被加熱物である生分解性材料27に対して整合回路13によりインピーダンスマッチングをとりつつ高周波を印加する点は上述の実施形態2と同様である。
実施形態1と同様に、生分解性フィルム3は加圧と加熱によるアンカー効果のみで発泡基材層の表面に密着するため、接着剤は不要である。また、実施形態2と同様に生分解性材料27の焼成が完了するまで真空引きは継続される。
この発明の実施形態3に係る製造方法によって製造された生分解性容器の変形例について図16〜18に基づいて説明する。図16は変形例に係る生分解性容器の図10対応図、図17は図16のC部拡大図、図18は図16に示される生分解性容器の胴部のテーパー角を説明する説明図である。
生分解性容器41は、開口部41aおよび底部41bと、開口部41aと底部41bとの間に延びる胴部41cとを有している。図18に示されるように、胴部41cは開口部41aから底部41bへ向かって所定のテーパー角θ3で先細る形状を有している。ここでテーパー角θ3は、生分解性容器41の中心線(中心軸)CLと胴部41cの表面とのなす角である。
変形例に係る生分解性容器41は、どんぶり型の形状を有する実施形態1に係る生分解性容器1(図1参照)と比較して、胴部41cのテーパー角θ3(図18参照)が小さく、胴部41cが底部41bに対してやや切り立ったバケツ型の形状を有している。
変形例に係る生分解性容器41は、図10に示される生分解性容器21と同様の方法で製造できる。
比較例1では、真空引きによるプレフォームを行わずに実施形態1に係る生分解性容器1(図1参照)と同様の形状の生分解性容器(図示せず)を製造した。
つまり、比較例1では雄型4および雌型5からの押圧力のみで生分解性フィルム3を延伸させた。
但し、生分解性フィルム3にかかる負荷を考慮し、雄型4と雌型5の嵌合速度(雄型と雌型が近づく速度)は7mm/秒とし、実施形態1よりも格段に遅く設定した。その他の条件は実施形態1と同様である。
結果としては、生分解性フィルム3に破れは発生しておらず、得られた生分解性容器に特に問題はなかった。
比較例2では、真空引きによるプレフォームを行わずに実施形態3に係る生分解性容器21(図10参照)と同様の形状の生分解性容器(図示せず)を製造した。
つまり、比較例2では雄型24と雌型25からの押圧力のみで生分解性フィルム3を延伸させた。
但し、生分解性フィルム3にかかる負荷を考慮し、雄型24と雌型25の嵌合速度(雄型と雌型が近づく速度)は7mm/秒とし、実施形態3よりも格段に遅く設定した。その他の条件は実施形態3と同様である。
結果は、胴部と対応する部分において生分解性フィルム3に破れが発生し、良好な生分解性容器を得ることはできなかった。
比較例3では、真空引きによるプレフォームを行わずに実施形態3の変形例に係る生分解性容器41(図16参照)と同様の形状の生分解性容器(図示せず)を製造した。
つまり、比較例3では雄型と雌型からの押圧力のみで生分解性フィルム3を延伸させた。
但し、生分解性フィルム3にかかる負荷を考慮し、雄型と雌型の嵌合速度(雄型と雌型が近づく速度)は7mm/秒とし、実施形態3よりも格段に遅く設定した。その他の条件は実施形態3と同様である。
結果は、胴部と対応する部分において生分解性フィルム3に破れが発生し、良好な生分解性容器を得ることはできなかった。
このため、この発明の実施形態1〜3に係る製造方法のように、真空引きによるプレフォームを併用することが生分解性フィルム3を無理なく延伸させるうえで好ましい効果を発揮し、有効な手段となることが分かる。
1a,21a,41a 開口部
1b,21b,41b 底部
1c,21c,41c 胴部
1d 開口縁部
1e 内側エッジ部
2,22,42 発泡基材層
3 生分解性フィルム
4,24 雄型
4a,5a,24a,25a 真空引き孔
5,25 雌型
6,26 金型
7,27 生分解性材料
8,28 枠体
9,29 キャビティ
10 凹型プラグ
11 凸型プラグ
12 高周波発振器
13 整合回路
Claims (9)
- ヒータを内蔵すると共に真空引きするための真空引き孔が形成された嵌合可能な一対の雄型と雌型とからなる発泡成形用の金型を用い、雄型と雌型の表面にそれぞれ生分解性フィルムを真空引きにより密着させてプレフォームしつつ生分解性材料を介在させて前記雄型と雌型を嵌合させ、前記雄型と雌型が嵌合した金型内で生分解性材料を加熱して発泡・焼成することにより発泡基材層の成形と同時に前記基材層の表面を前記生分解性フィルムで被覆する工程を備えることを特徴とする生分解性容器の製造方法。
- ヒータを内蔵すると共に真空引きするための真空引き孔が形成された嵌合可能な一対の雄型と雌型とからなる発泡成形用の金型を用い、雄型と雌型の表面にそれぞれ生分解性フィルムを真空引きにより密着させてプレフォームしつつ生分解性材料を介在させて前記雄型と雌型を嵌合させ、前記雄型と雌型が嵌合した金型内で生分解性材料を加熱して発泡・焼成することにより発泡基材層の成形と同時に前記基材層の表面を前記生分解性フィルムで被覆する工程を備え、雄型と雌型を嵌合させる前記工程において前記生分解性材料は2枚の生分解性フィルムに挟まれた状態で雌型の上方に配置され、前記生分解性フィルムは雄型と雌型の嵌合と同時に雄型と雌型の表面にそれぞれ密着させられることを特徴とする生分解性容器の製造方法。
- 金型内で生分解性材料を加熱する前記工程は、雄型および雌型を介して生分解性材料に高周波を印加して誘電加熱する工程を含む請求項1又は2に記載の生分解性容器の製造方法。
- 金型内で生分解性材料を加熱する前記工程は、金型内で真空引きを継続しつつ生分解性材料を加熱して発泡・焼成する工程である請求項1〜3のいずれか1つに記載の生分解性容器の製造方法。
- 前記2枚の生分解性フィルムはそれらの対向面に無機質の粉末が塗布される請求項2〜4のいずれか1つに記載の生分解性容器の製造方法。
- 生分解性材料は少なくとも澱粉、パルプおよび水を混練して得られた混練物である請求項1〜5のいずれか1つに記載の生分解性容器の製造方法。
- 生分解性材料が着色料を含む請求項6に記載の生分解性容器の製造方法。
- 請求項1〜7のいずれか1つに記載の生分解性容器の製造方法により製造された生分解性容器であって、開口部および底部と、開口部と底部との間に延びる胴部とからなり、胴部は開口部から底部へ向かって所定のテーパー角で先細る形状を有する生分解性容器。
- 前記テーパー角が10°以下である請求項8に記載の生分解性容器。
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