JP2011241705A - 排気ガス浄化装置 - Google Patents

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Shoichi Maeda
昭一 前田
Keisuke Yamada
敬祐 山田
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Abstract

【課題】反転手段付きケーシングの筒壁に流出口を設けたとしても、還元剤が供給された排気ガスの流通経路を十分に確保することができる排気ガス浄化装置の提供にある。
【解決手段】排気ガス浄化装置1の上流側ケーシング3は、流入側端壁8と反転側端壁9と筒壁10とを備えている。流出口13は、流入側端部18と流出側端部19の間の筒壁10に設けられている。上流側ケーシング3の内部には、酸化触媒2が設置される酸化触媒設置領域15と、還元剤が供給される還元剤供給領域16と、酸化触媒2の外周面と筒壁10にて形成され、還元剤供給領域16と流出口13とを連通する流通領域17が設けられている。流通領域17には、流通領域17の一部を遮断する遮断板22が設けられ、遮断板22は、少なくとも筒壁10の外周方向に対して流出口13が形成されている領域を含み、かつ流出側端部19から流出口13端部に至る間に設けられている。
【選択図】 図1

Description

この発明は、排気ガス浄化装置に係り、内燃機関の排気ガスを浄化するための酸化触媒、還元触媒を備えた排気ガス浄化装置に関する。
例えば、特許文献1には、従来の排気ガス浄化装置としての排ガス後処理装置が開示されている。排ガス後処理装置は、第1の端面と第2の端面と第1の端面と第2の端面との間に延びる外被管内に保持されるハニカム構造物を備えている。そして、第1の端面に連結手段が連結され、この連結手段を通って排ガス(排気ガス)がハニカム構造物の往流領域内に流入し、ハニカム構造物の往流領域内を流通する。ハニカム構造物の往流領域内を通り抜けた排ガスは、第2の端面の後方にある流れ反転手段によって方向転換された後に、ハニカム構造物の還流領域を通って逆流し、排ガス後処理が行われる。したがって、排ガスの流入出は同じ側で行われている。
特表2006−515401号公報
一方、特許文献1のように排気ガスを方向転換する流れ反転手段を有するケーシング(以下、単に「反転手段付ケーシング」と表記する。)を備えた排気ガス浄化装置において、反転手段付ケーシングの反転手段内にて排気ガスに還元剤を供給し、排気ガスの下流側に設けた別体のケーシングに収容された還元触媒によって排気ガス中の窒素酸化物を除去する試みがなされている。
しかしながら、反転手段付ケーシングの下流側に別体のケーシングを設けようとすると、特許文献1のように反転手段付ケーシングは、一般的に排気ガスの流入出を同じ側で行っているので、反転手段付ケーシングと別体のケーシングとを隣接して配置できないというレイアウトの問題がある。また、無理をして反転手段付ケーシングと別体のケーシングとを隣接して配置させようとした場合には、反転手段付ケーシングと別体のケーシングと接続するための長い配管が必要となる。このような長い配管を設けると排気ガスの温度低下を招くことになり、別途排気ガスを暖めるための手段が必要となる問題がある。
そこで、レイアウトの問題や排気ガスの温度低下の問題を解決するために反転手段付ケーシングの流出口の位置を反転手段付ケーシングの側面となる筒壁に設けることが提案されている。
これにより、反転手段付ケーシングと別体のケーシングとを隣接して配置することができ、なおかつ長い配管を設ける必要もなくなる。
しかしながら、反転手段付ケーシングの流出口を筒壁に設けた場合には、反転手段付ケーシングの内部において流れ反転手段と流出口との間の距離が近くなってしまうという新たな問題が生じる。流れ反転手段と流出口との距離が近くなると、排気ガスの流通経路が短くなり流れ反転手段内で排気ガス中に供給された還元剤が十分に排気ガスに分散する前に流出口から別体のケーシングへと流出してしまい、還元触媒による還元が十分に行えないおそれがある。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので反転手段付きケーシングの筒壁に流出口を設けたとしても、還元剤が供給された排気ガスの還元触媒までの流通経路を十分に確保することができる排気ガス浄化装置の提供にある。
上記の課題を解決するために、本発明は、内燃機関の排気経路に設けられ内部に酸化触媒を収容する第1のケーシングと、前記排気経路における前記第1のケーシングの下流側に設けられ内部に還元触媒を収容する第2のケーシングと、前記第1のケーシングにおける前記酸化触媒の下流側に設けられ前記第1のケーシングの内部に還元剤を供給する還元剤供給手段と、を備える排気ガス浄化装置において、前記第1のケーシングは、第1の端壁と、第2の端壁と、第1の端壁及び第2の端壁とを繋ぐ筒壁と、から構成され、前記第1の端壁に排気ガスが流入する流入口が設けられ、前記筒壁に前記第1のケーシング内部の排気ガスを流出させ前記第2のケーシングへ導入させる流出口が設けられ、前記第1のケーシングの内部には、前記流入口と連通し前記酸化触媒が設置される酸化触媒設置領域と、前記酸化触媒の下流側に設けられ前記第2の端壁によって区画された前記還元剤供給手段を備える還元剤供給領域と、前記酸化触媒の外周面と前記筒壁によって形成され、前記還元剤供給領域と前記流出口とを連通する流通領域が設けられ、前記酸化触媒は、排気ガスが流入する流入側端部と、排気ガスが前記還元剤供給領域へと流出する流出側端部と、を備え、前記流出口は、前記流入側端部と前記流出側端部の間の前記酸化触媒の外周面に対向する前記筒壁に設けられ、前記流通領域には、前記酸化触媒と前記筒壁との間に立設し、前記流通領域の一部を遮断する遮断板が少なくとも前記筒壁の外周方向に対して前記流出口が形成されている領域を含み、かつ前記流出側端部から前記流出口端部に至る間に設けられることを特徴とする。
本発明によれば、第2の端壁にて方向転換された排気ガスは、遮断板を設けることにより還元剤供給領域から流出口までの流通領域における流通経路が遮断板を迂回する流れとなるので、ある程度の長さの流通経路を有して流出口へと流通する。これにより、還元剤が供給された排気ガスの還元触媒までの最短の流通経路は遮断板のない場合よりも長くなり、還元剤が供給された排気ガスの還元触媒までの流通経路を十分に確保することができる。
また、本発明において、前記流出口は、前記筒壁の前記第1の端壁と第2の端壁に対して中央に設けられることを特徴とする。
この場合、第1のケーシングの流出口を第1の端壁と第2の端壁に対して中央に設けるので、第2のケーシングに収容された還元触媒に対して均等に排気ガスを流通させることができる。
本発明において、前記第2の端壁は、第1の端壁側へ突出した凸部を備え、前記凸部の頂部は、前記流入口の中心軸よりも前記流出口を有する側に偏心して設けられることを特徴とする。
この場合、第2の端壁によって方向転換する排気ガスの多くは、凸部によって流出口を有する側とは逆の方向に広がる流れとなる。
これにより、より多くの排気ガスが流通領域における長い流通経路を有して流出口へと流通することができる。
本発明は、内燃機関の排気経路に設けられ内部に酸化触媒を収容する第1のケーシングと、前記排気経路における前記第1のケーシングの下流側に設けられ内部に還元触媒を収容する第2のケーシングと、前記第1のケーシングにおける前記酸化触媒の下流側に設けられ前記第1のケーシングの内部に還元剤を供給する還元剤供給手段と、を備える排気ガス浄化装置において、前記第1のケーシングは、第1の端壁と、第2の端壁と、第1の端壁及び第2の端壁とを繋ぐ筒壁と、から構成され、前記第1の端壁に排気ガスが流入する流入口が設けられ、前記筒壁に前記第1のケーシング内部の排気ガスを流出させ前記第2のケーシングへ導入させる流出口が設けられ、前記第1のケーシングの内部には、前記流入口と連通し前記酸化触媒が設置される酸化触媒設置領域と、前記酸化触媒の下流側に設けられ前記第2の端壁によって区画された前記還元剤供給手段を備える還元剤供給領域と、前記酸化触媒の外周面と前記筒壁によって形成され、前記還元剤供給領域と前記流出口とを連通する流通領域が設けられ、前記酸化触媒は、排気ガスが流入する流入側端部と、排気ガスが前記還元剤供給領域へと流出する流出側端部と、を備え、前記流出口は、前記流入側端部と前記流出側端部の間の前記酸化触媒の外周面に対向する前記筒壁に設けられ、前記流出口の内径が前記筒壁の長手方向よりも前記筒壁の外周方向に長くなるように形成され、前記流通領域の前記酸化触媒の外周面と前記筒壁との間隔は、前記筒壁の外周方向に対して前記流出口が形成されている部分が他の部分より狭くなるように形成されていることを特徴とする。
この場合、第2の端壁にて方向転換された排気ガスは、還元剤供給領域から流出口までの流通領域における筒壁の外周方向に対して流出口が形成されている部分を流通する最短の流通経路の排気ガスの量が制限されるため、殆どの排気ガスは、ある程度の流通経路を有して流出口へと流通する。これにより、還元剤が供給された排気ガスの流通経路を十分に確保することができるのと同様の効果を有する。
本発明によれば、還元剤が供給された排気ガスの還元触媒までの流通経路を十分に確保することができる。
本発明の第1の実施形態に係る排気ガス浄化装置を示す縦断面図である。 図1のA−Aに沿った横断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る排気ガス浄化装置を示す縦断面図である。 図3のB−Bに沿った横断面図である。 図4のC−Cに沿った一部破断断面図である。
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係る排気ガス浄化装置の構成について、図1、2を用いて説明する。
この実施形態では、内燃機関としてのディーゼルエンジンを搭載した車両に適用した例で説明する。
ディーゼルエンジン(図示せず)から排出された排気ガスが流通する排気経路の途中には、排気ガス浄化装置1が設けられている。
排気ガス浄化装置1は、図1、2に示すように、内部に酸化触媒2を収容する第1のケーシングとしての上流側ケーシング3と、上流側ケーシング3の下流側に設けられ内部に還元触媒4を収容する第2のケーシングとしての下流側ケーシング5によって、外殻が構成されている。上流側ケーシング3と下流側ケーシング5は接続管6によって接続されている。
また、上流側ケーシング3において、酸化触媒2の下流側には、上流側ケーシング3の内部に還元剤としてのアンモニアを供給する還元剤供給手段7が設けられている。
上流側ケーシング3は、第1の端壁としての流入側端壁8と、流入側端壁8と対向して設けられる第2の端壁としての反転側端壁9と、流入側端壁8と反転側端壁9とを繋ぎ側面となる筒壁10とから構成されている。上流側ケーシング3は、流入側端壁8と反転側端壁9と筒壁10によって断面中空に構成された筒形状である。図1では、上流側ケーシング3の筒形状の例として、円筒形状で示している。
流入側端壁8には、排気経路を構成する排気管11と接続し、ディーゼルエンジンからの排気ガスが上流側ケーシング3の内部へと流入する断面が円形の流入口12が設けられている。一方、筒壁10には、上流側ケーシング3の内部の排気ガスを流出させ接続管6を介して下流側ケーシング5へ導入させる断面が円形の流出口13が設けられている。
上流側ケーシング3の内部には、流入口12、流出口13の他に、酸化触媒2と、酸化触媒2を固定するための連結部材14と、上流側ケーシング3内にアンモニア(NH)を供給するための還元剤供給手段7が設けられている。
そして、上流側ケーシング3の内部は、流入口12と連通し、酸化触媒2が設置されている酸化触媒設置領域15と、酸化触媒2の下流側に設けられ反転側端壁9によって区画される還元剤供給領域16と、酸化触媒2の外周面と筒壁10によって形成される流通領域17とからなる3つの領域が形成されている。
酸化触媒2は、円柱形状であり流入口12と対向し排気ガスが酸化触媒2の内部へと流入する端部である流入側端部18と、酸化触媒2の内部の排気ガスが還元剤供給領域16へと流出する端部である流出側端部19とを有している。酸化触媒2の中心軸は、流入口12の中心軸Pと一致するように連結部材14によって保持され、上流側ケーシング3の内部に設置されている。
酸化触媒2は、排気ガス中に含まれる一酸化炭素(CO)や一酸化窒素(NO)を酸化してそれぞれ二酸化炭素(CO)や二酸化窒素(NO)にするもので、ハニカム状のコーディエライト等のメタル担体と、このメタル担体の表面に担持させた白金などの酸化触媒成分を備えている。
連結部材14は、酸化触媒2を保持し、上流側ケーシング3対して固定するものであり、流入口12付近の流入側端壁8に溶接にて固定されている。連結部材14は、流入口12の大きさから酸化触媒2の流入側端部18の大きさへと徐々に断面が拡開し、酸化触媒2の外周面を覆う形状をしている。連結部材14は、流入口12からの排気ガスを酸化触媒2の流入側端部18へと案内する役目も有している。
また、反転側端壁9は、酸化触媒2の流出側端部19から流出した排気ガスが反転側端壁9と衝突して流れを方向転換する流れ反転手段としての機能を果たしており、反転側端壁9には凸部20が設けられている。
凸部20は、流入側端壁8側、すなわち上流側ケーシング3の内部側に向かって山型に突出して設けられ、凸部20の頂部21は、流入口12の中心軸よりも筒壁10に設けられた流出口13を有する側に偏心して設けられている。すなわち、図1における流入口12の中心軸Pより距離Vだけ流出口13を有する側に偏心して設けられている。
還元剤供給手段7は、酸化触媒の下流側の領域、具体的には、酸化触媒2の流出側端部19と反転側端壁9の間の領域である還元剤供給領域16に設けられている。還元剤供給手段7は、気体のアンモニアを還元剤供給領域16の排気ガスに供給するもので、上流側ケーシング3の外部に設けられたアンモニアタンク(図示せず)に貯蔵されたアンモニアを、ディーゼルエンジンを制御する制御手段(図示せず)からの情報に基づいて還元剤供給手段7内に設けられた電磁バルブの開閉が行われ、適切な量のアンモニアを還元剤供給領域16の排気ガスに供給する。還元剤供給手段7は、流入口12の中心軸Pと一致するように設置されている。
流通領域17は、酸化触媒2の外周面と上流側ケーシング3の筒壁10によって形成される領域であり、還元剤供給領域16から流出口13までの流通経路を形成している。
流出口13は、酸化触媒2の流入側端部18と流出側端部19の間、すなわち図1に示す範囲Wの範囲内の酸化触媒2の外周面に対向する筒壁10に設けられている。より好適には、図1に示すように流入側端壁8と反転側端壁9の間における中央位置、すなわち、筒壁10の長手方向における中央位置に設けられるのが良い。そして、流出口13は接続管6に接続されている。
流通領域17には、流通領域17の一部を遮断する遮断板22が少なくとも筒壁10の外周方向に対して流出口13が形成されている領域を含むように設けられている。遮断板22は板状の部材であり、一端は酸化触媒2(正確には、酸化触媒2の外周面を覆う連結部材14)に溶接により固定されており、他端は上流側ケーシング3の筒壁10に溶接により固定されている。遮断板22は、筒壁10の長手方向に対して垂直となるように酸化触媒2と筒壁10の間に立設されている。
そして、遮断板22の位置は、筒壁10の外周方向に対して流出口13が形成されている流通領域17で、酸化触媒2の流出側端部19から流出口13端部(流出口13の反転側端壁9側の端部)に至る間で設けられている。すなわち、図1のように流出口13を流入側端壁8と反転側端壁9の間における中央位置とした場合には、遮断板22の位置は、図1における範囲Xとなる。より好適には、図1に示すように流出側端部19の位置に設けられるのが良い。
遮断板22の大きさ、すなわち遮断板22によって遮断される流通領域17の面積は、流入口12における排気ガス中のアンモニアが十分に分散するように流通領域17における排気ガスの流通経路が確保できるように設定され、上流側ケーシング3の大きさや排気ガスの流速、供給されるアンモニアの量などを加味して設定される。
一方、接続管6は、上流側ケーシング3の流出口13と下流側ケーシング5の流入孔23を繋ぐ断面が円形の短い管で構成されている。
そして、下流側ケーシング5は、上流側ケーシング3とは別体のケーシングであり、上壁24と下壁25と円筒形状の側面壁26とによって形成された断面中空に形成された円筒形状であり、上端部の中央には流入孔23が設けられている。そして、下流側ケーシング5の内部には還元触媒4が収容されている。
また、下流側ケーシング5の円筒形状の直径は、レイアウトを考慮して上流側ケーシング3の長手方向の長さに合わせて設計される。
還元触媒4は、円柱形状であり、流入孔23の中心軸と還元触媒4の中心軸とは一致するように設けられている。還元触媒4は、排気ガス中の窒素酸化物(NO、NO)と還元剤供給手段7によって供給したアンモニアとを化学反応させて、水(HO)と窒素(N)に分解する選択的触媒還元方式(SCR)の触媒であり、ゼオライト系の材料により形成された触媒成分と、この触媒を担持するメタル担体とを備えている。
還元触媒4の下流側には流出孔27が設けられており、流出孔27は、マフラー(図示せず)へと連通する排気経路を構成する排気管28に接続されている。
次に、本発明の第1の実施形態における作用について説明する。
ディーゼルエンジンから排出された排気ガスは、排気経路を流通し排気経路の途中に設けられた上流側ケーシング3の流入口12から内部へと流入する。
流入口12から流入した排気ガスは、連結部材14によって案内され酸化触媒2の流入側端部18から酸化触媒2の内部へと流入する。酸化触媒2の内部では、排気ガス中の一酸化炭素や一酸化窒素が酸化されてそれぞれ二酸化炭素や二酸化窒素になる。そして、酸化触媒2を流通した排気ガスは流出側端部19から還元剤供給領域16へと流出する。還元剤供給領域16には還元剤供給手段7が備えられており、還元剤供給手段7から排気ガスに対してアンモニアが供給される。また、排気ガスは、反転側端壁9と衝突し流れが方向転換する。この時、反転側端壁9には凸部20が設けられており、凸部20によって反転側端壁9と衝突した排気ガスは頂部21から外側へ向かう方向(径方向)に広がりながら、筒壁10に沿って方向転換(反転)される。また、凸部20の頂部21は、流入口12の中心軸Pに対して流出口13を有する側に偏心して設置されているので、反転側端壁9に衝突した排気ガスの多くは凸部20によって流出口13とは逆の径方向へ案内されて方向転換する。
そして、反転側端壁9にて方向転換された排気ガスは、還元剤供給領域16から流通領域17へと流通する。流通領域17へと流通した排気ガスは、酸化触媒2の外周面に沿って流通し、筒壁10に設けられた流出口13へと流通する。この還元剤供給領域16から流出口13までの流通領域17における流通経路において、排気ガス中に供給されたアンモニアが排気ガスに対して広く分散する。
一方、流通領域17には、遮断板22が設けられており、流出口13を有する側へと方向転換された排気ガスは、流通領域17の筒壁10の外周方向に対して流出口13が形成されている領域が遮断板22によって遮断されているので、遮断板22を迂回するように遮断板22のない流通領域17へと流れる。したがって、遮断板22の無い場合における還元剤供給領域16から流出口13までの流通領域17の最短流通経路は遮断板22によって遮断されているので、排気ガスは遮断板22を迂回する流れとなり、排気ガスの最短流通経路は遮断板22の無い場合よりも長く、十分な流通経路が確保される。
そして、流通領域17を流通した排気ガスは、流出口13から流出し、接続管6を通り、下流側ケーシング5の内部へと流通する。
下流側ケーシング5の内部へと流通した排気ガスは、還元触媒4の内部へと流通し、還元触媒4の内部において排気ガス中の窒素酸化物がアンモニアと反応し、窒素と水となる。
このようにして、排気ガスの有害物質を排気ガス浄化装置1にて浄化する。
浄化された排気ガスは、下流側ケーシング5の流出孔27から流出し、排気管28を流通し、マフラーを介して大気へと放出される。
上記第1の実施形態によれば、以下のような効果を奏する。
(1)上流側ケーシング3の流通領域17において、少なくとも筒壁10の外周方向に対して流出口13が形成されている領域を含みかつ酸化触媒2の流出側端部19と流出口13端部に至る間に排気ガスの流れを遮断する遮断板22を設けた。
これにより、反転側端壁9にて方向転換された排気ガスが、還元剤供給領域16から流出口13までの流通領域17における遮断板22の無い場合における流通経路を通ることなく遮断板22を迂回して流れ、排気ガスは、最短流通経路が、遮断板22の無い場合よりも長い流通経路を有して流出口13へと流通する。よって、アンモニアが供給された排気ガスの流通経路を十分に確保できる。
したがって、上流側ケーシング3の筒壁10に流出口13を設けることによって、上流側ケーシング3と下流側ケーシング5を隣接して配置することができ、そして、接続管6の長さを短くできるため排気ガスの温度低下を招くことなく設置できるというレイアウトの問題と温度低下の問題を解決しつつ、排気ガスへの流通経路を十分に確保し、排気ガス中にアンモニアを十分に広く分散させた状態で還元触媒4に供給することができる。
(2)遮断板22を筒壁10と酸化触媒2の外周面の間に立設した。これにより、酸化触媒2の固定を連結部材14の流入側端壁8による固定だけでなく、遮断板22によって酸化触媒2の外周面も固定することができるので、酸化触媒2の上流側ケーシング3への支持強度を増すことができる。
(3)上流側ケーシング3の流出口13を流入側端壁8と反転側端壁9における間の中央の筒壁10に設けた。これにより、接続管6を介して接続されている下流側ケーシング5の流入孔23を下流側ケーシング5の中央に設けることができる。したがって、流出孔27の中心軸と還元触媒4の中心軸を一致させることができ、流入孔23から流入した排気ガスを均等に還元触媒4へと流通させることができる。
(4)反転側端壁9に排気ガスを径方向に広がりながら方向転換させるための凸部20を設け、凸部20の頂部21は、流入口12の中心軸P及び酸化触媒2の中心軸に対して流出口13を有する側に偏心させて設けた。これにより、反転側端壁9にて方向転換する排気ガスの多くは流出口13を有する側とは逆の径方向に広がり、方向転換をするので、より多くの排気ガスが長い流通経路を有して流出口13へと流通することができる。
これにより、排気ガス中のアンモニアをより広く分散させた排気ガスを還元触媒4へと流通させることができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態にかかる排気ガス浄化装置について、図3、4、5を用いて説明する。
第2の実施形態における排気ガス浄化装置31では、第1の実施形態における上流側ケーシング3の構成を変更したもので、第1の実施形態と同一の構成については、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
図3、4に示すように、上流側ケーシング32における酸化触媒33の中心軸は、流入口34の中心軸Pよりも筒壁35に設けられた流出口36有する側に偏心するように連結部材37により保持されている。すなわち、図3における距離Yだけ流出口36有する側に偏心して設けられている。
また、還元剤供給領域38において還元剤としてのアンモニアを供給する還元剤供給手段39は、偏心させて設けた酸化触媒33の中心軸と一致するように設けられている。一方、第1の実施形態と同様に、反転側端壁40に設けられた凸部41の頂部42は流入口34に対して偏心させて設けられているので、還元剤供給手段39は、頂部42に設けられている。
そして、流通領域43において、流通領域43の酸化触媒33の外周面と筒壁35との間隔は、筒壁35の外周方向に対して流出口36が形成されている部分が他の部分より狭くなるように形成されている。したがって、筒壁35の外周方向に対して流出口36が形成されている部分は、絞り効果によって排気ガスの流通抵抗が高くなっている。
また、図5に示すように筒壁35に設けられた流出口36は、流出口36の内径が筒壁35の長手方向の内径(図5における内径M)よりも筒壁35の外周方向の内径(図5における内径L)が長いが楕円形状となっている。
なお、図5においては、流出口36を説明するために、酸化触媒33及び連結部材37の一部を破断して記載している。
そして、上流側ケーシング32と下流側ケーシング44を接続する接続管45の断面及び下流側ケーシング44の流入孔46の断面は流出口36と同様に楕円形状となっている。
次に第2の実施形態における作用について説明する。
流入口34から流入した排気ガスは、連結部材37によって案内され流入口34の中心軸Pに対して偏心した酸化触媒33の流入側端部18から酸化触媒33へ流入する。酸化触媒33を流通した排気ガスは流出側端部19から還元剤供給領域38へと流出する。還元剤供給領域38には還元剤供給手段39が備えられており、還元剤供給手段39から排気ガスに対してアンモニアが供給される。また、排気ガスは、反転側端壁40と衝突し流れが方向転換する。この時、反転側端壁40には凸部41が設けられており、凸部41によって反転側端壁40と衝突した排気ガスは頂部42から外側へ向かう方向(径方向)に広がりながら筒壁35に沿って方向転換(反転)する。また、凸部41の頂部42は、流入口34側に偏心して設置されているので、反転側端壁40に衝突した排気ガスの多くは凸部41によって流出口36とは逆の径方向へ案内されて方向転換する。
そして、反転側端壁40にて方向転換された排気ガスは、還元剤供給領域38から流通領域43へと流通する。流通領域43へと流通した排気ガスは、酸化触媒33の外周面に沿って流通し、筒壁35に設けられた流出口36へと流通する。還元剤供給領域38から流出口36までの流通領域43における流通経路において、排気ガス中に供給されたアンモニアが排気ガスに対して広く分散する。
一方、流通領域43の筒壁35の外周方向に対して流出口36が形成されている部分は、他の流通領域43と比べて酸化触媒33の外周面と筒壁35との間隔が狭くなっているので、絞り効果によりこの部分の流通抵抗が高くこの部分近傍の領域を流れる排気ガスの量が制限される。したがって、還元剤供給領域38から流出口36までの流通領域43における最短の流通経路を流れる排気ガスの量が制限されるので、殆どの排気ガスは、この領域以外の流通領域を流通し、楕円形状の流出口36へと流通する。したがって、排気ガスは実質的にある程度の長さの流通経路が確保されることと同様の効果を有する。
そして、排気ガスは、流出口36から流出し、接続管45内を通り、下流側ケーシング44の内部へと流通する。この後は、第1の実施形態と同様の作用となるため、説明を省略する。
上記第2の実施形態によれば以下のような効果を奏する。
(5)上流側ケーシング32の流通領域43において、酸化触媒33の中心軸を流出口36が有する側に偏心させて設けることにより、流通領域43の酸化触媒33の外周面と筒壁35との間隔は、筒壁35の外周方向に対して流出口36が形成されている部分が他の部分より狭くなるようにした。
これにより、反転側端壁40にて方向転換された排気ガスの還元剤供給領域38から流出口36までの流通領域43における最短の流通経路は、絞り効果によって流通抵抗が高く排気ガスの流れる量が制限されるので、殆どの排気ガスは最短の流通経路以外のある程度の長さの流通経路を有して流出口36へと流通する。排気ガスは実質的にアンモニアが供給された排気ガスの流通経路を十分に確保されることと同様の効果を有する。
したがって、上流側ケーシング32の筒壁35に流出口36を設けることによって、上流側ケーシング32と下流側ケーシング44を隣接して配置することができ、そして、接続管45の長さを短くできるため排気ガスの温度低下を招くことなく設置できるというレイアウトの問題と温度低下の問題を解決しつつ、排気ガスへの流通経路をある程度確保し、排気ガス中にアンモニアを十分に広く分散させた状態で還元触媒4に供給することができる。
(6)筒壁35に設けられた流出口36は、流出口36の内径が筒壁35の長手方向の長さよりも筒壁35の外周方向の長さが長い楕円形状とした。
これにより、筒壁35の外周方向に対して流出口36が形成されている部分を狭くしたが、流出口36の内径を筒壁35の外周方向に長くしたので、流出口36から接続管45へと流出する排気ガスの量を確保することができる。
(7)反転側端壁40に排気ガスを径方向に広がりながら方向転換させるための凸部41を設け、凸部41の頂部42は、流入口34の中心軸Pに対して流出口36を有する側に偏心させて設けた。これにより、反転側端壁40にて反転する排気ガスの多くは流出口36有する側とは逆の径方向に広がり反転するので、より多くの排気ガスが長い流通経路を有して流出口36へと流通することができる。
排気ガス中のアンモニアをより広く分散させた排気ガスを還元触媒へと流通させることができる。
上記第1、第2の実施形態は、上記に限定されるものではなく、以下のように変更しても良い。
第1、第2の実施形態において、上流側ケーシング3、32及び下流側ケーシング5、44は円筒形状として説明したが、楕円の筒状形状や断面四角形状の筒状形状など、筒状の形状であれば、形状は特に限定はされない。
第1、第2の実施形態において、酸化触媒2、33や還元触媒4は断面が円形状である円柱形状として説明したが、断面形状が楕円形状や四角形状など、形状は特に限定されない。
第1、第2の実施形態において、還元触媒4は、選択的触媒還元方式(SCR)の触媒として説明したが、還元触媒4に、排気ガス中のパティキュレートマター(PM)を除去するためのディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)の機能を兼用しても良い。
1、31 排気ガス浄化装置
2、33 酸化触媒
3、32 上流側ケーシング(第1のケーシング)
4 還元触媒
5、44 下流側ケーシング(第2のケーシング)
7、39 還元剤供給手段
8 流入側端壁(第1の端壁)
9 反転側端壁(第2の端壁)
10、35 筒壁
12、34 流入口
13、36 流出口
15 酸化触媒設置領域
16、38 還元剤供給領域
17、43 流通領域
18 流入側端部
19 流出側端部
20、41 凸部
21、42 頂部
22 遮断板

Claims (4)

  1. 内燃機関の排気経路に設けられ内部に酸化触媒を収容する第1のケーシングと、
    前記排気経路における前記第1のケーシングの下流側に設けられ内部に還元触媒を収容する第2のケーシングと、
    前記第1のケーシングにおける前記酸化触媒の下流側に設けられ前記第1のケーシングの内部に還元剤を供給する還元剤供給手段と、を備える排気ガス浄化装置において、
    前記第1のケーシングは、
    第1の端壁と、第2の端壁と、第1の端壁及び第2の端壁とを繋ぐ筒壁と、から構成され、
    前記第1の端壁に排気ガスが流入する流入口が設けられ、
    前記筒壁に前記第1のケーシング内部の排気ガスを流出させ前記第2のケーシングへ導入させる流出口が設けられ、
    前記第1のケーシングの内部には、
    前記流入口と連通し前記酸化触媒が設置される酸化触媒設置領域と、
    前記酸化触媒の下流側に設けられ前記第2の端壁によって区画された前記還元剤供給手段を備える還元剤供給領域と、
    前記酸化触媒の外周面と前記筒壁によって形成され、前記還元剤供給領域と前記流出口とを連通する流通領域が設けられ、
    前記酸化触媒は、
    排気ガスが流入する流入側端部と、
    排気ガスが前記還元剤供給領域へと流出する流出側端部と、を備え、
    前記流出口は、
    前記流入側端部と前記流出側端部の間の前記酸化触媒の外周面に対向する前記筒壁に設けられ、
    前記流通領域には、
    前記酸化触媒と前記筒壁との間に立設し、前記流通領域の一部を遮断する遮断板が少なくとも前記筒壁の外周方向に対して前記流出口が形成されている領域を含み、かつ前記流出側端部から前記流出口端部に至る間に設けられることを特徴とする排気ガス浄化装置。
  2. 前記流出口は、前記筒壁の前記第1の端壁と第2の端壁に対して中央に設けられることを特徴とする請求項1記載の排気ガス浄化装置。
  3. 前記第2の端壁は、第1の端壁側へ突出した凸部を備え、
    前記凸部の頂部は、前記流入口の中心軸よりも前記流出口を有する側に偏心して設けられることを特徴とする請求項1又は2記載の排気ガス浄化装置。
  4. 内燃機関の排気経路に設けられ内部に酸化触媒を収容する第1のケーシングと、
    前記排気経路における前記第1のケーシングの下流側に設けられ内部に還元触媒を収容する第2のケーシングと、
    前記第1のケーシングにおける前記酸化触媒の下流側に設けられ前記第1のケーシングの内部に還元剤を供給する還元剤供給手段と、を備える排気ガス浄化装置において、
    前記第1のケーシングは、
    第1の端壁と、第2の端壁と、第1の端壁及び第2の端壁とを繋ぐ筒壁と、から構成され、
    前記第1の端壁に排気ガスが流入する流入口が設けられ、
    前記筒壁に前記第1のケーシング内部の排気ガスを流出させ前記第2のケーシングへ導入させる流出口が設けられ、
    前記第1のケーシングの内部には、
    前記流入口と連通し前記酸化触媒が設置される酸化触媒設置領域と、
    前記酸化触媒の下流側に設けられ前記第2の端壁によって区画された前記還元剤供給手段を備える還元剤供給領域と、
    前記酸化触媒の外周面と前記筒壁によって形成され、前記還元剤供給領域と前記流出口とを連通する流通領域が設けられ、
    前記酸化触媒は、
    排気ガスが流入する流入側端部と、
    排気ガスが前記還元剤供給領域へと流出する流出側端部と、を備え、
    前記流出口は、
    前記流入側端部と前記流出側端部の間の前記酸化触媒の外周面に対向する前記筒壁に設けられ、
    前記流出口の内径が前記筒壁の長手方向よりも前記筒壁の外周方向に長くなるように形成され、
    前記流通領域の前記酸化触媒の外周面と前記筒壁との間隔は、前記筒壁の外周方向に対して前記流出口が形成されている部分が他の部分より狭くなるように形成されていることを特徴とする排気ガス浄化装置。
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