JP2011241387A - 水分散型アクリル系粘着剤組成物及び粘着シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(メタ)アクリル酸アルキルエステル、カルボキシル基含有不飽和単量体、並びに、メタクリル酸メチル、酢酸ビニル及びジエチルアクリルアミドから選ばれた少なくとも1種の単量体を必須の原料モノマーとする、溶剤不溶分70重量%以上のアクリルエマルション系重合体、並びに、分子中にカルボキシル基と反応しうる官能基を2個以上有する非水溶性架橋剤を含み、該アクリル系粘着剤組成物を乾燥後の厚さが50μmになるように塗布した後、120℃で2分間乾燥させ、さらに50℃で3日間エージングして作製した架橋後のアクリル系粘着剤皮膜の溶剤不溶分が90重量%以上かつ23℃における破断伸びが130%以下となることを特徴としている水分散型アクリル系粘着剤組成物。
【選択図】なし
Description
上記の本発明のアクリルエマルション系重合体は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A)、カルボキシル基含有不飽和単量体(B)及び単量体(C)(メタクリル酸メチル、酢酸ビニル及びジエチルアクリルアミドからなる群より選ばれた単量体)を必須の原料モノマー(原料モノマー成分)として構成された重合体である。即ち、本発明のアクリルエマルション系重合体は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A)、カルボキシル基含有不飽和単量体(B)及び単量体(C)を必須成分とするモノマー混合物より得られる重合体である。アクリルエマルション系重合体は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。なお、本発明では、「(メタ)アクリル」とは「アクリル」及び/又は「メタクリル」のことをいう。
(溶剤不溶分の測定方法)
アクリルエマルション系重合体:約0.1gを採取し、平均孔径0.2μmの多孔質テトラフルオロエチレンシート(商品名「NTF1122」、日東電工株式会社製)に包んだ後、凧糸で縛り、その際の重量を測定し、該重量を浸漬前重量とする。なお、該浸漬前重量は、アクリルエマルション系重合体(上記で採取したもの)と、テトラフルオロエチレンシートと、凧糸の総重量である。また、テトラフルオロエチレンシートと凧糸の合計重量も測定しておき、該重量を包袋重量とする。
次に、上記のアクリルエマルション系重合体をテトラフルオロエチレンシートで包み凧糸で縛ったもの(「サンプル」と称する)を、酢酸エチルで満たした50ml容器に入れ、23℃にて7日間静置する。その後、容器からサンプル(酢酸エチル処理後)を取り出して、アルミニウム製カップに移し、130℃で2時間、乾燥機中で乾燥して酢酸エチルを除去した後、重量を測定し、該重量を浸漬後重量とする。
そして、下記の式から溶剤不溶分を算出する。
溶剤不溶分(重量%)=(a−b)/(c−b)×100 (1)
(式(1)において、aは浸漬後重量であり、bは包袋重量であり、cは浸漬前重量である。)
[測定方法]
GPC測定は、東ソー株式会社製GPC装置「HLC−8220GPC」を用いて行い、ポリスチレン換算値にて分子量を求める。測定条件は下記の通りである。
サンプル濃度:0.2wt%(THF溶液)
サンプル注入量:10μl
溶離液:THF
流速:0.6ml/min
測定温度:40℃
カラム:サンプルカラム;TSKguardcolumn SuperHZ−H 1本+TSKgel SuperHZM−H 2本
リファレンスカラム;TSKgel SuperH−RC 1本
検出器:示差屈折計
本発明の非水溶性架橋剤は、非水溶性の化合物であり、分子中(1分子中)にカルボキシル基と反応しうる官能基を2個以上(例えば、2〜6個)有する化合物である。1分子中のカルボキシル基と反応しうる官能基の個数は3〜5個が好ましい。1分子中のカルボキシル基と反応しうる官能基の個数が多くなるほど、粘着剤組成物が密に架橋する(即ち、粘着剤層を形成するポリマーの架橋構造が密になる)。このため、粘着剤層形成後の粘着剤層のぬれ広がりを防ぐことが可能となる。また、粘着剤層を形成するポリマーが拘束されるため、粘着剤層中の官能基(カルボキシル基)が被着体面に偏析して、粘着剤層と被着体との粘着力が経時で上昇することを防ぐことが可能となる。一方、1分子中のカルボキシル基と反応しうる官能基の個数が6個を超えて多すぎる場合には、ゲル化物が生じる場合がある。
(水に対する溶解度の測定方法)
同重量の水(25℃)と架橋剤を、攪拌機を用いて回転数300rpm、10分の条件で混合し、遠心分離により水相と油相に分ける。次いで、水相を採取し120℃で1時間乾燥して、乾燥減量から水相中の不揮発分(水100重量部に対する不揮発成分の重量部)を求める。
非水溶性架橋剤の有するカルボキシル基と反応しうる官能基のモル数 = [非水溶性架橋剤の配合量(添加量)]/[官能基当量] = 4/110
例えば、非水溶性架橋剤として、エポキシ当量が110(g/eq)のエポキシ系架橋剤を4g添加(配合)する場合、エポキシ系架橋剤の有するエポキシ基のモル数は、例えば、以下のように算出できる。
エポキシ系架橋剤の有するエポキシ基のモル数 = [エポキシ系架橋剤の配合量(添加量)]/[エポキシ当量] = 4/110
本発明の水分散型アクリル系粘着剤組成物は、上述の通り、本発明のアクリルエマルション系重合体、本発明の非水溶性架橋剤を必須の成分として含有する。さらに、必要に応じて、その他の各種添加剤を含有してよい。
なお、上記架橋後のアクリル系粘着剤皮膜の溶剤不溶分は、前述のアクリルエマルション系重合体の溶剤不溶分の測定方法と同様の方法で測定することができる。具体的には、前述の「溶剤不溶分の測定方法」において、「アクリルエマルション系重合体」を「架橋後のアクリル系粘着剤皮膜」に読み替えた方法で測定することができる。
なお、上記架橋後のアクリル系粘着剤皮膜の23℃における破断伸び(破断点伸度)は、引張試験により測定することができる。特に限定されないが、具体的には、例えば、皮膜を丸めて、円柱状のサンプル(長さ50mm、断面積(底面積)1mm2)を作製し、引張試験機を用いて、23℃、50%RHの環境下、初期長(チャック間隔)10mm、引張速度50mm/分の条件で引張試験を行い、破断点の伸びを測定することにより求めうる。
(架橋後のアクリル系粘着剤皮膜の作製)
本発明の粘着剤組成物を、適宜な剥離フィルム上に、乾燥後の厚さが50μmとなるようにコーティングして、その後、熱風循環式オーブンで120℃で2分間乾燥させ、さらに50℃で3日間養生(エージング)を行い、本発明の粘着剤組成物の架橋皮膜(架橋後のアクリル系粘着剤皮膜)を作製する。上記剥離フィルムとしては、特に限定されないが、例えば、表面をシリコーン処理したPETフィルムを用いることができ、市販品としては、三菱樹脂(株)製「MRF38」などが挙げられる。
本発明の粘着剤組成物より粘着剤層を形成しうる。粘着剤層の形成方法は特に限定されず、公知慣用の粘着剤層の形成方法を用いることができる。例えば、本発明の粘着剤組成物を、基材または剥離フィルム(剥離ライナー)上に塗布(塗工)し、必要に応じて、乾燥および/または硬化することにより粘着剤層を形成することができる。架橋は、乾燥工程での脱水、乾燥後に粘着剤層を加温すること等により行う。
なお、上記「初期粘着力」とは、粘着シートと偏光板(トリアセチルセルロース(TAC)板)(表面の算術平均粗さRaが50nm以下のもの)とを0.25MPa、0.3m/分の条件で貼り合わせ、23℃、50%RHの環境下、20分間放置後に、180°剥離試験により測定される、粘着シートの偏光板に対する粘着力である。また、「40℃1週間貼付保存後粘着力」とは、粘着シートと偏光板(トリアセチルセルロース板、表面の算術平均粗さRaが50nm以下のもの)とを0.25MPa、0.3m/分の条件で貼り合わせ、40℃の環境に1週間保存した後、23℃、50%RHの環境下に2時間放置後に、180°剥離試験により測定される、粘着シートの偏光板に対する粘着力である。上記の180°剥離試験は、引張試験機を用いて、23℃、50%RHの環境下、引張速度30m/分で行うことができる。
(アクリルエマルション系重合体の調製)
容器に、水90重量部、及び、表1に示すように、アクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA)94重量部、メタクリル酸メチル(MMA)2重量部、アクリル酸(AA)4重量部、ノニオンアニオン系反応性乳化剤(第一工業製薬(株)製、商品名「アクアロンHS−10」)6重量部を配合した後、ホモミキサーにより攪拌混合し、モノマーエマルションを調製した。
次いで、冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌機を備えた反応容器に、水50重量部、重合開始剤(過硫酸アンモニウム)0.01重量部、及び、上記で調製したモノマーエマルションのうち10重量%にあたる量を添加し、攪拌しながら、75℃で1時間乳化重合した。その後、さらに重合開始剤(過硫酸アンモニウム)0.07重量部を添加し、次いで、攪拌しながら、残りのモノマーエマルションの全て(90重量%にあたる量)を3時間かけて添加して、その後、75℃で3時間反応させた。次いで、これを30℃に冷却して、濃度10重量%のアンモニア水を加えてpH8に調整して、アクリルエマルション系重合体の水分散液を調製した。
上記で得られたアクリルエマルション系重合体の水分散液に、アクリルエマルション系重合体(固形分)100重量部に対して、非水溶性架橋剤であるエポキシ系架橋剤[三菱ガス化学(株)製、商品名「テトラッド−C」、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、エポキシ当量:110、官能基数:4]3重量部を、攪拌機を用いて、23℃、300rpm、10分の攪拌条件で攪拌混合し、水分散型アクリル系粘着剤組成物を調製した。
さらに、上記で得られた水分散型アクリル系粘着剤組成物を、PETフィルム(三菱樹脂(株)製、商品名「T100N38」、厚さ:38μm)のコロナ処理面上に、テスター産業(株)製アプリケーターを用いて、乾燥後の厚さが15μmとなるように塗布(コーティング)し、その後、熱風循環式オーブンで120℃で2分間乾燥させ、さらにその後、50℃で3日間養生(エージング)して粘着シートを得た。
表1に示すように、原料モノマー及び乳化剤の種類、配合量等を変更し、実施例1と同様にして、モノマーエマルションを調製した。
上記モノマーエマルションを用い、実施例1と同様にして、水分散型アクリル系粘着剤組成物および粘着シートを得た。
表1に示すように、原料モノマー及び乳化剤の種類、配合量等を変更し、実施例1と同様にして、モノマーエマルションを調製した。
上記モノマーエマルションを用い、非水溶性架橋剤の種類、配合量等を変更して、実施例1と同様にして、水分散型アクリル系粘着剤組成物および粘着シートを得た。
なお、比較例2では、非水溶性架橋剤を用いず、水溶性架橋剤のみを用いた。また、比較例4では、さらに触媒を用いた。
上記の実施例および比較例で得られた水分散型アクリル系粘着剤組成物および粘着シートについて、下記の測定方法又は評価方法により評価を行った。なお、評価結果は、表1に示した。
(架橋後のアクリル系粘着剤皮膜の作製)
実施例および比較例で得られた水分散型アクリル系粘着剤組成物を、シリコーンで表面処理したPETフィルム(三菱樹脂(株)製、「MRF38」)のシリコーン処理面上に、乾燥後の厚さが50μmとなるようにコーティングして、その後、熱風循環式オーブンで120℃で2分間乾燥させて、50℃で3日間養生を行い、架橋皮膜(架橋後のアクリル系粘着剤皮膜)を得た。
(破断伸びの測定)
次いで、上記架橋皮膜(架橋後のアクリル系粘着剤皮膜)を丸めて、円柱状のサンプル(長さ50mm、断面積(底面積)1mm2)を作製した。
引張試験機を用いて、23℃、50%RHの環境下、測定を行った。測定の初期長(初期のチャック間隔)が10mmとなるように、チャックを設定し、引張速度50mm/分の条件で引張試験を行い、破断点の伸び[破断伸び(破断点伸度)]を測定した。
なお、破断伸び(破断点伸度)は、引張試験で、試験片(架橋皮膜の円柱状サンプル)が破断したときの伸びを表し、下記の式で計算される。
「破断伸び(破断点伸度)」(%) = (「破断時の試験片の長さ(破断時のチャック間隔)」−「初期長(10mm)」)÷「初期長(10mm)」×100
上記(1)と同じ方法で、架橋皮膜(架橋後のアクリル系粘着剤皮膜)を作製した。
次いで、前述の「溶剤不溶分の測定方法」に従って、上記架橋皮膜の溶剤不溶分を測定した。
上記架橋皮膜(架橋後のアクリル系粘着剤皮膜):約0.1gを採取し、平均孔径0.2μmの多孔質テトラフルオロエチレンシート(商品名「NTF1122」、日東電工株式会社製)に包んだ後、凧糸で縛り、その際の重量を測定し、該重量を浸漬前重量とした。なお、該浸漬前重量は、架橋皮膜(上記で採取したもの)と、テトラフルオロエチレンシートと、凧糸の総重量である。また、テトラフルオロエチレンシートと凧糸の合計重量も測定しておき、該重量を包袋重量とした。
次に、上記の架橋皮膜をテトラフルオロエチレンシートで包み凧糸で縛ったもの(「サンプル」と称する)を、酢酸エチルで満たした50ml容器に入れ、23℃にて7日間静置した。その後、容器からサンプル(酢酸エチル処理後)を取り出して、アルミニウム製カップに移し、130℃で2時間、乾燥機中で乾燥して酢酸エチルを除去した後、重量を測定し、該重量を浸漬後重量とした。
そして、下記の式から溶剤不溶分を算出した。
溶剤不溶分(重量%)=(d−e)/(f−e)×100
(上記の式において、dは浸漬後重量であり、eは包袋重量であり、fは浸漬前重量である。)
実施例および比較例で得られた粘着シートの、粘着剤層表面の状態を目視で観察した。縦10cm×横10cmの観察範囲内の欠点(凹み及びゲル物)の個数を測定し、以下の基準で評価した。
欠点個数が0〜100個 : 外観が良好である(○)。
欠点個数が101個以上 : 外観が悪い(×)。
実施例および比較例で得られた粘着シート(サンプルサイズ:25mm幅×100mm長さ)を、貼り合わせ機(テスター産業(株)製、小型貼り合せ機)を用いて、0.25MPa、0.3m/分の条件で、偏光板[日東電工(株)製、商品名「SEG1425DUHC」、サイズ:70mm幅×120mm長さ]上に貼り合わせた。
上記粘着シートを貼り合わせた偏光板を、粘着シートを貼り合わせたまま、80℃で4時間放置した後、粘着シートを剥離した。その後、粘着シートを剥離した偏光板を加湿環境下(23℃、90%RH)で12時間放置し、偏光板表面を目視にて観察し、以下の基準で汚染性を評価した。
低汚染性良好(○) : 粘着シートを貼付した部分と貼付していない部分で変化が見られなかった。
低汚染性不良(×) : 粘着シートを貼付した部分に白化が見られた。
(初期粘着力)
実施例および比較例で得られた粘着シート(サンプルサイズ:25mm幅×100mm長さ)を、粘着シートの粘着剤層側の表面を、貼り合わせ機[テスター産業(株)製、小型貼り合せ機]を用いて、0.25MPa、0.3m/分の条件で、偏光板[材質:トリアセチルセルロース(TAC)、表面の算術平均粗さ(Ra)がMD方向で約21nm、TD方向で約31nm、MD方向とTD方向の平均で約26nmである]に貼り合わせた。
上記の粘着シートと偏光板の貼り合わせサンプルを用い、23℃、50%RHの環境下、20分間放置後に、下記の条件に従い、180°剥離試験を行い、粘着シートの偏光板に対する粘着力(N/25mm)を測定し、「初期粘着力」とした。
(40℃1週間貼付保存後粘着力)
実施例および比較例で得られた粘着シート(サンプルサイズ:25mm幅×100mm長さ)を、粘着シートの粘着剤層側の表面を、貼り合わせ機[テスター産業(株)製、小型貼り合せ機]を用いて、0.25MPa、0.3m/分の条件で、偏光板[材質:トリアセチルセルロース(TAC)、表面の算術平均粗さ(Ra)がMD方向で約21nm、TD方向で約31nm、MD方向とTD方向の平均で約26nmである]に貼り合わせた。
上記の粘着シートと偏光板の貼り合わせサンプルを用い、40℃の環境に1週間保存した後、23℃、50%RHの環境下に2時間放置した後、下記の条件に従い、180°剥離試験を行い、粘着シートの偏光板に対する粘着力(N/25mm)を測定し、「40℃1週間貼付保存後粘着力」とした。
上記の180°剥離試験は、引張試験機を用いて、23℃、50%RHの環境下、引張速度30m/分で行った。
初期粘着力と40℃1週間貼付保存後粘着力の差[(40℃1週間貼付保存後粘着力)−(初期粘着力)]が、0.5N/25mm未満であれば、粘着力上昇防止性が優れていると判断できる。
2EHA : 2−エチルヘキシルアクリレート
MMA : メチルメタクリレート
Vac : 酢酸ビニル
DEAA : ジエチルアクリルアミド
AA : アクリル酸
HS−10 : 第一工業製薬(株)製、商品名「アクアロンHS−10」(ノニオンアニオン系反応性乳化剤)
SE−10N : (株)ADEKA製、商品名「アデカリアソープSE−10N」(ノニオンアニオン系反応性乳化剤)
テトラッドC : 三菱ガス化学(株)製、商品名「TETRAD−C」(1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、エポキシ当量:110、官能基数:4)
テトラッドX : 三菱ガス化学(株)製、商品名「TETRAD−X」(1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)ベンゼン、エポキシ当量:100、官能基数:4)
デナコールEX−512 : ナガセケムテックス(株)製、商品名「デナコール EX−512」(Polyglycerol Polyglycidyl Ether、エポキシ当量:168、官能基数:約4)
アデカコールCC−36 : (株)ADEKA製、商品名「アデカコール CC−36」(ポリエーテル型第4級アンモニウム塩)
(粘着剤層の形成、粘着シートの作製)
実施例1で得られた水分散型アクリル系粘着剤組成物を、PETフィルム(三菱樹脂(株)製、商品名「T100C38」、厚さ:38μm)のコロナ処理面上に、テスター産業(株)製アプリケーターを用いて、乾燥後の厚さが15μmとなるように塗布(コーティング)し、その後、熱風循環式オーブンで120℃で2分間乾燥させ、さらにその後、50℃で3日間養生(エージング)して粘着シートを得た。
(アクリルエマルション系重合体の調製)
容器に、水90重量部、及び、アクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA)94重量部、メタクリル酸メチル(MMA)2重量部、アクリル酸(AA)4重量部、分子中にラジカル重合性官能基を含まないノニオンアニオン系非反応性乳化剤(第一工業製薬(株)製、商品名「ハイテノールLA−16」)4.5重量部を配合した後、ホモミキサーにより攪拌混合し、モノマーエマルションを調製した。
次いで、冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌機を備えた反応容器に、水50重量部、重合開始剤(過硫酸アンモニウム)0.01重量部、及び、上記で調製したモノマーエマルションのうち10重量%にあたる量を添加し、攪拌しながら、75℃で1時間乳化重合した。その後、さらに重合開始剤(過硫酸アンモニウム)0.07重量部を添加し、次いで、攪拌しながら、残りのモノマーエマルションの全て(90重量%にあたる量)を3時間かけて添加して、その後、75℃で3時間反応させた。次いで、これを30℃に冷却して、濃度10重量%のアンモニア水を加えてpH8に調整して、アクリルエマルション系重合体の水分散液を調製した。上記で得られたアクリルエマルション系重合体の溶剤不溶分は75重量%であった。
上記で得られたアクリルエマルション系重合体の水分散液に、アクリルエマルション系重合体(固形分)100重量部に対して、非水溶性架橋剤であるエポキシ系架橋剤[三菱ガス化学(株)製、商品名「テトラッド−C」、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、エポキシ当量:110、官能基数:4]3重量部を、攪拌機を用いて、23℃、300rpm、10分の攪拌条件で攪拌混合し、水分散型アクリル系粘着剤組成物を調製した。上記で得られた水分散型アクリル系粘着剤組成物の、架橋後のアクリル系粘着剤皮膜の溶剤不溶分は90重量%であり、架橋後のアクリル系粘着剤皮膜の破断伸びは102%であった。
さらに、上記で得られた水分散型アクリル系粘着剤組成物を、PETフィルム(三菱樹脂(株)製、商品名「T100C38」、厚さ:38μm)のコロナ処理面上に、テスター産業(株)製アプリケーターを用いて、乾燥後の厚さが15μmとなるように塗布(コーティング)し、その後、熱風循環式オーブンで120℃で2分間乾燥させ、さらにその後、50℃で3日間養生(エージング)して粘着シートを得た。
実施例8および実施例9で得られた粘着シートについて、下記の測定方法又は評価方法により、評価を行った。なお、評価結果は、表2に示した。
実施例8、実施例9の粘着シートを、50℃、95%RHの環境に24時間放置(加湿保存)後、日本電色工業(株)製「デジタルヘイズメーター(DIGITAL HAZEMETER) NDH−20D」にてヘイズ値を測定した(「加湿保存後のヘイズ値」とした)。測定は、50℃、95%RHの環境からサンプルを取り出した後3分以内に行った。また、比較のため、加湿保存前のヘイズ値も測定した(「加湿保存前のヘイズ値」とした)。
Claims (6)
- (メタ)アクリル酸アルキルエステル(A)、カルボキシル基含有不飽和単量体(B)、並びに、メタクリル酸メチル、酢酸ビニル及びジエチルアクリルアミドからなる群より選ばれた少なくとも1種の単量体(C)を必須の原料モノマーとして構成された、溶剤不溶分が70重量%以上であるアクリルエマルション系重合体、並びに、分子中にカルボキシル基と反応しうる官能基を2個以上有する非水溶性架橋剤を含むアクリル系粘着剤組成物であって、
該アクリル系粘着剤組成物を乾燥後の厚さが50μmになるように塗布した後、120℃で2分間乾燥させ、さらに50℃で3日間エージングして作製した架橋後のアクリル系粘着剤皮膜の溶剤不溶分が90重量%以上かつ23℃における破断伸びが130%以下となることを特徴とする水分散型アクリル系粘着剤組成物。 - アクリルエマルション系重合体が、分子中にラジカル重合性官能基を含む反応性乳化剤を用いて重合された重合体である請求項1に記載の水分散型アクリル系粘着剤組成物。
- カルボキシル基含有不飽和単量体(B)のカルボキシル基1モルに対する、非水溶性架橋剤のカルボキシル基と反応しうる官能基のモル数が0.4〜1.3モルである請求項1または2に記載の水分散型アクリル系粘着剤組成物。
- アクリルエマルション系重合体を構成する原料モノマーの総量中の、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A)の含有量が70〜99重量%、カルボキシル基含有不飽和単量体(B)の含有量が0.5〜10重量%、及び、単量体(C)の含有量が0.5〜10重量%である請求項1〜3のいずれかの項に記載の水分散型アクリル系粘着剤組成物。
- 基材の少なくとも片面側に、請求項1〜4のいずれかの項に記載の水分散型アクリル系粘着剤組成物から形成された粘着剤層を有することを特徴とする粘着シート。
- 光学部材用の表面保護フィルムである請求項5に記載の粘着シート。
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