JP2011240806A - 省エネルギ船 - Google Patents
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Abstract
【課題】船の推進時におけるバルバスバウ近傍の流れからエネルギを回収して発電する省エネルギ船を提供する。
【解決手段】バルバスバウ4に設けられた翼車13と、翼車13の回転によって発電する発電機14とを備える。更に、バルバスバウ4を貫通する流路9が形成され、流路9は、バルバスバウ4の先端に入り口10を有し、左右両舷5、6に出口11、12を有し、翼車13は、流路9内に設けられる。更に、推進装置7を備え、推進装置7は、発電機14によって生じた電力が用いられる。
【選択図】図2
【解決手段】バルバスバウ4に設けられた翼車13と、翼車13の回転によって発電する発電機14とを備える。更に、バルバスバウ4を貫通する流路9が形成され、流路9は、バルバスバウ4の先端に入り口10を有し、左右両舷5、6に出口11、12を有し、翼車13は、流路9内に設けられる。更に、推進装置7を備え、推進装置7は、発電機14によって生じた電力が用いられる。
【選択図】図2
Description
本発明は、省エネルギ船に関し、特に船の航行時のエネルギを低減する方法に関する。
船は、水を切って進む際には、水面に波を立てることによって抵抗を受けて、船の推進エネルギが失われる。この抵抗は、造波抵抗と呼ばれる。
図1は、船の構造を示す概略図であり、(a)は側面図、(b)は平面図である。図1(a)を参照すると、水面(喫水線)100に浮かぶ船1が、図中の右側を進行方向として、船1の右側が船首2、左側が船尾3となるように示されている。また、喫水線100の下、すなわち浸水部における船首2の先端には、球状の突起であるバルバスバウ(Bulbous Bow:球状船首)4が設けられている。バルバスバウ4とは、上述した船首2の水を切る際に生じる波(船首波)とは逆位相となる波を予め生じさせるもので、それぞれの波が干渉して弱めあうことによって船首波を消して造波抵抗を減らすものである。このような効果を有するバルバスバウ4が種々の船に採り入れられている。
図1(b)を参照すると、船1が、図中の右側へ進む場合の平面での水の流れが示されている。バルバスバウ4に向かって流れる水は、バルバスバウ4の突起の先端中央付近で二手に分かれて左舷5と右舷6とに沿って船尾3方向に流れる。バルバスバウ4の先端中央付近では、水の流速が0になるよどみ点が形成され、水が船1に及ぼす圧力(よどみ点圧)が高まっている。
上の記述に関連して、水中の潜水艦、又は魚雷のジェット推進のための船首装備のシステム、及び方法(Bow mounted system and method for jet−propelling a submarine or torpedo through water)が、米国特許第6427618号明細書に開示されている。これは、例えば潜水艦、又は魚雷などの水中機のためのジェット推進方式が開示されているものである。その推進装置は、その最前部の船首の位置に、ハブに固定される複数枚の羽根を含有していて、変速機を通してエンジンに接続される駆動軸によって回転する。側板は、その複数枚の羽根を取り囲み、また、その水中機のその本体と結合してノズルを形成し、そしてその通り抜ける流れは加速される。その側板は、複数の静翼を貫いてその水中機のその本体に固定されている。
本発明が解決しようとする課題は、船の推進時におけるバルバスバウ近傍の流れからエネルギを回収して発電する省エネルギ船を提供することである。
以下に、発明を実施するための形態で使用される符号を括弧付きで用いて、課題を解決するための手段を記載する。この符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態の記載との対応を明らかにするために付加されたものであり、特許請求の範囲に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
本発明の省エネルギ船(1)は、バルバスバウ(4)に設けられた翼車(13)と、翼車(13)の回転によって発電する発電機(14)とを備える。
また、本発明の省エネルギ船(1)は、更に、バルバスバウ(4)を貫通する流路(9)が形成され、流路(9)は、バルバスバウ(4)の先端に入り口(10)を有し、左右両舷(5、及び6)に出口(11、及び12)を有し、翼車(13)は、流路(9)内に設けられる。
また、本発明の省エネルギ船(1)は、更に、推進装置(7)を備え、推進装置(7)は、発電機(14)によって生じた電力が用いられる。
本発明の省エネルギ船(1)の出口(11、及び12)は、計画運航喫水、及び計画速力時における水面(100)よりも高い位置に形成される。
また、本発明の省エネルギ船(1)の出口(11、及び12)は、計画運航喫水、及び計画速力時において船首(2)付近で水面(100)の下がる位置(16)に形成される。
本発明の省エネルギ船(1)の発電機(14)は、電動機の機能を有し、電動機は、翼車(13)を駆動する。
本発明の省エネルギ船(1)の出口(11、及び12)は、開閉自在の蓋(17、及び18)を備える。
本発明の省エネルギ船(1)は、更に、流路(9)内の翼車(13)と出口(11、及び12)との間に気泡吹き出し口(19)を備える。
そして、本発明の省エネルギ船(1)の翼車(13)は、バルバスバウ(4)自体が回転する構造である。
本発明によれば、船の推進時におけるバルバスバウ近傍の流れからエネルギを回収して発電する省エネルギ船を提供することが可能となる。
(第1の実施形態)
以下に、添付図面を参照しながら、本発明の第1の実施形態による省エネルギ船を詳細に説明する。
以下に、添付図面を参照しながら、本発明の第1の実施形態による省エネルギ船を詳細に説明する。
まず、本発明の第1の実施形態による省エネルギ船の構成を詳細に説明する。
図2は、本発明の第1の実施形態における省エネルギ船の構成例を示す概略図であり、(a)は側面図、(b)は平面図である。
図2(a)を参照すると、本発明による省エネルギ船における第1の実施の形態において水面(喫水線)100に浮かぶ船1は、図中の右側を進行方向としており、船1の右側が船首2、左側が船尾3となるように示されている。船首2の喫水線100の下、すなわち浸水部には、球状の突起であるバルバスバウ4が設けられている。また、船尾3の浸水部には推進装置7、及び舵8が設けられている。
バルバスバウ4の突起の先端中央部から船尾3方向に水平に流路9が設けられている。図2(b)を参照すると、バルバスバウ4の先端中央部に一つの入り口10を有する流路9は、バルバスバウ4の内部で二手に分かれて、バルバスバウ4の側部である左舷5側の出口11、及び右舷6側の出口12まで貫かれている。水が船1に及ぼす圧力は、流れを受ける流路9の入り口10では動圧の分だけ高く、流れと略垂直の出口11、及び12では低いため、水は、流路9を入り口10から、出口11、及び12の方向に通り抜ける。
上述したように、バルバスバウの空間が有効利用された本実施形態による流路9は、船1の船首2から船尾3にかけて設けられて(通り抜けて)いる場合と比べてその長さ(管路長)が短く、流路9(管路面)の摩擦損失が少ない。また、丸みのある入り口10縁形状や、流路9の表面の凹凸を可及的に抑えた構造とすることで、流路を水が流れやすくなり、後述の効果に対し好適である。
流路9内には、水の流れを捉えて回転する翼車13が設けられている。翼車13の軸は、船1の内部に設けられた発電機14に接続されている。発電機14によって得られた電気エネルギ(電力)は、推進装置7に用いて推力を補助することができる。なお、上述した構成以外の例えばエンジン等をはじめとした種々の構成については本発明とは直接関係しないので、その詳細な構成、及び動作の説明については省略する。
次に、本発明の第1の実施形態による省エネルギ船の動作を詳細に説明する。
船1が、図中の右の方へ進むと、船首2のバルバスバウ4に向かって図中の左の方に水が流れる。バルバスバウ4の先端中央付近では入り口10から流路9内へと水が浸入する。流路9内を通り過ぎる水によって翼車13が回転する。回転する翼車13の機械的な駆動力が発電機14に伝わって電力が得られる。得られた電力を推進装置7による船1の推力の一部とすることができる。また、得られた電力が別の用途に使われることは制限されない。なお、翼車13を通り過ぎた水は、流路9内から出口11、及び12を通って船1の外へと流れ出る。
このように、バルバスバウ4に衝突して、船1の推進に対する抵抗として働いていた水の流れによる運動エネルギの一部が、流路を通り抜けることで抵抗として作用しなくなるとともに、更にその一部が、翼車13の回転を駆動源とする発電機14によって電気エネルギに変換される。
以上の説明のように、本実施形態による省エネルギ船は、船の推進時におけるバルバスバウ近傍の流れからエネルギを回収して発電する省エネルギの効果を有する。
(第2の実施形態)
以下に、添付図面を参照しながら、本発明の第2の実施形態による省エネルギ船を詳細に説明する。
以下に、添付図面を参照しながら、本発明の第2の実施形態による省エネルギ船を詳細に説明する。
まず、本発明の第2の実施形態による省エネルギ船の構成を詳細に説明する。
図3は、本発明の第2の実施形態における省エネルギ船の構成例を示す概略側面図である。
図3を参照すると、本発明の第2の実施形態による省エネルギ船の構成については流路の形態を除いて第1の実施形態と同様である。よって、第1の実施形態と同様の部分についての説明を省略する。
なお、図3においては、船1の計画運航喫水、及び計画速力での航走時における水面100(船側波形)の一例が示されている。船1が水を切り裂くことによって生じる船側部分の波は、船首2から船尾3の方向に進むにつれてその水面100が上がって山15に至った後に一転して水面100が下がって谷16となっている。このような船側波形は、船1の積載量、及び速度等によって変わる。
第2の実施形態による流路9は、第1の実施形態と同様に、バルバスバウ4の突起の先端中央部に一つの入り口10を有している。流路9の途中までが、入り口10から船尾3方向に水平に設けられているところまでは第1の実施形態と同様である。しかし、ここから、流路9は、船尾3方向に進むに従い高度が上がるように設けられていて、水面100が下がって谷16となっている部分の水面100よりも高い位置(水の外)の右舷6に形成された出口12に至っている。流路9は、第1の実施形態と同様にバルバスバウ4の内部で、左舷5側、及ぶ右舷6側の二手に分かれており、図示した右舷6側の出口12とは別に左舷5側の出口11を同様に有している(左舷5側の出口11は図示せず)。
出口11、及び12は入り口10よりも位置エネルギの高い場所に設けられている。しかし、出口11、及び12は水圧のかからない水の外に設けられていて、また、入り口10は、出口11、及び12との位置エネルギの差、及び流路9全体の抵抗を超える分のエネルギを有する圧力の高い場所に設けられている。このため、水は、流路9を入り口10から、出口11、及び12の方向に通り抜ける。
出口11、及び12は上述したように、水の外になるように形成されているため、流路9を通り抜けた水は空中に出る。そのため、浸水部へ出る第1の実施形態の場合とは異なり出口11、及び12でのエネルギ損失がない。
このような出口11、及び12の位置は、計画運航喫水、計画速力の場合に水面100が下がって谷16となる部分が好適に選択される。
なお、本発明の第2の実施形態による省エネルギ船の動作については第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
本実施形態による省エネルギ船は第1の実施形態と同様の効果を有する。また、本実施形態による省エネルギ船は、流路9の出口11、及び12をより圧力の低い水の外に出したことによって第1の実施形態の効果をより高めている。そして、水面100が下がる谷16の部分を選択することによってその効果が最大限に得られる。
(第3の実施形態)
以下に、添付図面を参照しながら、本発明の第3の実施形態による省エネルギ船を詳細に説明する。
以下に、添付図面を参照しながら、本発明の第3の実施形態による省エネルギ船を詳細に説明する。
まず、本発明の第3の実施形態による省エネルギ船の構成を詳細に説明する。
図4は、本発明の第3の実施形態における省エネルギ船の構成例を示す概略平面図である。
図4を参照すると、本発明の第3の実施形態による省エネルギ船の構成については流路の出口部分の構造、及び発電機を除いて第1の実施形態と同様である。よって、第1の実施形態と同様の部分についての説明を省略する。
第3の実施形態による流路9の左舷5側の出口11、及び右舷6側の出口12にはそれぞれ左舷5側の蓋17、及び右舷5側の蓋18が更に設けられている。これらの蓋17、及び18は開閉可能で、図4においては、蓋17は閉じた状態、蓋18は開いた状態が示されている。
また、第1の実施形態、及び第2の実施形態で用いられている発電機14は、本実施形態においては電動機(モータ)の機能も有している。また、第1の実施形態、及び第2の実施形態で用いられている翼車13もまた、本実施形態においては、モータによって駆動するスクリュープロペラの機能を有している。したがって、本実施形態における発電機14、及び翼車13は船1に推力を生み出すことができる。
次に、本発明の第3の実施形態による省エネルギ船の動作を詳細に説明する。
なお、水の流れを有用エネルギとして回収する動作については、第1の実施形態、及び第2の実施形態と同様であるため説明を省略する。
蓋17、又は18の片方が閉じた状態で、発電機14がモータとして用いられ、翼車13がスクリュープロペラとして用いられることで船首2が横方向に動くための推進機構であるバウスラスタの機能が実現される。図4の例では、蓋17は閉じた状態、蓋18は開いた状態であるため、流路9の入り口10から右舷6側の出口12へと片側に選択的に通り抜ける水の流れが生じる。右舷6側に流れる水の反作用によって船1、特に船首2が左側の方向に動く。蓋17、及び18の開閉、並びに翼車13の回転方向の組み合わせによって船1には前後左右のいずれの方向にも推力を生み出すことができる。
バウスラスタは、接岸時、及び離岸時等の操船に用いられる。バウスラスタは、特に、大型船においては、引き船(タグボート)の助けなしで接岸可能とするため、時間、労力、及び経費の削減、並びに強風、及び潮流に対する安全等の様々な面から必要とされている。
本実施形態による省エネルギ船は第1の実施形態と同様の効果を有する。また、本実施形態では、このようなバウスラスタと、エネルギ回収機構とを兼用とすることが可能であり、設備費を削減する効果を有する。また、本実施形態によって発電した電力を蓄電してバウスラスタの動力として用いることが可能であり、この場合においても省エネルギの効果を有する。
(第4の実施形態)
以下に、添付図面を参照しながら、本発明の第4の実施形態による省エネルギ船を詳細に説明する。
以下に、添付図面を参照しながら、本発明の第4の実施形態による省エネルギ船を詳細に説明する。
まず、本発明の第4の実施形態による省エネルギ船の構成を詳細に説明する。
図5は、本発明の第4の実施形態における省エネルギ船の構成例を示す概略平面図である。
図5を参照すると、本発明の第4の実施形態による省エネルギ船の構成については流路の出口付近の形態を除いて第1の実施形態と同様である。よって、第1の実施形態と同様の部分についての説明を省略する。
第4の実施形態による流路9の出口11、及び12付近には、気泡吹き出し口19が設けられている。この気泡吹き出し口19は、図示せぬ空気圧縮機、又は送風機(ブロワ)に接続している。空気圧縮機によって加圧された空気が気泡吹き出し口19に供給される。また、気泡吹き出し口19の周辺には、負圧を形成するための、例えば翼、及び楔等の負圧形成部を備える形態としても良い。
図5では、気泡吹き出し口19は、流路9内の翼車13と出口11、及び12との間に設けられている例が示されている。しかし、気泡吹き出し口19が設けられる位置は、水の流れが高速で圧力の低下している浸水部であれば良い。ただし、気泡が入り込むことで性能が低下する推進装置7、及び翼車13の位置を考慮して気泡吹き出し口19の設けられる位置が適宜決定される。
次に、本発明の第4の実施形態による省エネルギ船の動作を詳細に説明する。
なお、水の流れを有用エネルギとして回収する動作については、第1の実施形態、第2の実施形態、及び第3の実施形態と同様であるため説明を省略する。
流路9の入り口10から出口11(図示せず)、及び12へと通り抜けた水が船側に沿って船尾3方向に流れる。流路9内は、ベンチュリ効果によって流れが高速になって圧力が低下している。一方で、気泡吹き出し口19から加圧空気が吹き出ることで流路9を通り抜ける水の中に気泡が生成される。気泡は、水の流れに乗って、船側浸水部の表面に沿って船尾3方向に移動する。このようにして、船1の浸水部における表面が気泡に覆われて摩擦抵抗が低減される。
本実施形態においては、図示せぬエンジンの排気を気泡吹き出し口19に供給しても良い。また、本実施形態によって発電した電力を気泡を吹き出す動力として用いることが可能であり、この場合においても省エネルギの効果を有する。
本実施形態による省エネルギ船は第1の実施形態と同様の効果を有する。また、本実施形態においては、気泡が、高速低圧の流れの中に吹き出される構造であることによって供給する空気の圧力が低く抑えられるため、気泡を吹き出す動力を低減する効果を有する。したがって、本実施形態では、気泡を生成するためのエネルギ消費量を低く抑えた上で摩擦抵抗の低減による省エネルギ効果を得ることができる。
また、本実施形態においては、気泡を吹き出す動力が低減されることによって、空気圧縮機等の設備費、及び施工費の削減、並びに船体重量の低減等の様々な省エネルギ効果を有する。
(第5の実施形態)
以下に、添付図面を参照しながら、本発明の第5の実施形態による省エネルギ船を詳細に説明する。
以下に、添付図面を参照しながら、本発明の第5の実施形態による省エネルギ船を詳細に説明する。
まず、本発明の第5の実施形態による省エネルギ船の構成を詳細に説明する。
図6は、本発明の第5の実施形態における省エネルギ船の構成例を示す要部概略側面図である。
図6を参照すると、本発明による省エネルギ船における第5の実施の形態において水面(喫水線)100に浮かぶ船1は、図中の右側を進行方向としており、船1の右側が船首2、左側が船尾(図示せず)となるように示されている。船首2の喫水線100の下、すなわち浸水部には、球状の突起であるバルバスバウ4が設けられている。また、上述した第1の実施形態等と同様に、図示せぬ船尾の浸水部には図示せぬ推進装置、及び図示せぬ舵が設けられている。
本実施形態のバルバスバウ4は、その先端中央部を通り、船1の前後方向に平行な軸周りに回転することが可能な翼車体20を形成している。また、翼車体20は、軸とは垂直方向に放射状に複数の翼21を備えている。図6においては5段の翼21が配置された場合が例示されている。翼21の段数、及び総数は、船1の速度、及びバルバスバウ4、又は翼車体20の大きさ等によって適宜選択される。翼車体20は、船1の内部に設けられた発電機14に接続されている。発電機14によって得られた電気エネルギ(電力)は、推進装置(図示せず)に用いることができる。また、発電機14は、モータの機能を有するものとしても良い。また、翼車体20も、モータによって駆動するスクリュープロペラの機能を有するものとしても良い。そうすることによって、本実施形態における発電機14、及び翼車体20もまた、船1に推力を生み出すことができる。
次に、本発明の第5の実施形態による省エネルギ船の動作を詳細に説明する。
船1が、図中の右の方へ進むと、船首2のバルバスバウ4に向かって図中の左の方に水が流れる。バルバスバウ4に向かって流れる水は、バルバスバウ4の先端中央付近で分かれてバルバスバウ4に沿って船尾方向に流れる。バルバスバウ4に沿った水の流れは、バルバスバウ4の先端側から順次翼21を押して通り抜ける。翼21を通り抜ける水によって翼車体20が回転する。
回転する翼車体20によって発電機14が駆動して電力が得られる。得られた電力を推進装置7による船1の推力の一部とすることができる。なお、翼車体20を通り過ぎた水は、船尾の方向へと流れる。
このように、バルバスバウ4に衝突する水の流れによる運動エネルギはバルバスバウ4自体が回転する翼車体20の回転を駆動源とする発電機14によって電気エネルギに変換される。
よって、本実施形態による省エネルギ船は、第1の実施形態と同様に、船の推進時におけるバルバスバウ近傍の流れからエネルギを回収して発電する省エネルギの効果を有する。
また、本実施形態においては、バルバスバウ4が細く、流路9を設けるのが困難な場合でも、流れによるエネルギを有用エネルギとして回収することが可能である。
以上に説明した各実施形態は、可能な限り適宜組み合わせて実施しても良く、その場合には、組み合わせた効果が得られる。特に、第3の実施形態と、第4の実施形態とは組み合わせが容易である。
以上に、すべての実施形態において説明したように、本発明においては、船体に向かって高い圧力のかかっている水の流れのエネルギを回転エネルギに変換する構造によって回転エネルギから電力を得ることを可能とすることで、省エネルギ効果を有する省エネルギ船を提供することができる。
以上、本発明の実施形態を説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施することができる。
1 船
2 船首
3 船尾
4 バルバスバウ
5 左舷
6 右舷
7 推進装置
8 舵
9 流路
10 流路9の入り口
11 流路9の左舷5側の出口
12 流路9の右舷6側の出口
13 翼車(スクリュープロペラ)
14 発電機(電動機)
15 水面波の山
16 水面波の谷
17 左舷5側の蓋
18 右舷6側の蓋
19 気泡吹き出し口
20 翼車体
21 翼
100 水面(喫水線)
2 船首
3 船尾
4 バルバスバウ
5 左舷
6 右舷
7 推進装置
8 舵
9 流路
10 流路9の入り口
11 流路9の左舷5側の出口
12 流路9の右舷6側の出口
13 翼車(スクリュープロペラ)
14 発電機(電動機)
15 水面波の山
16 水面波の谷
17 左舷5側の蓋
18 右舷6側の蓋
19 気泡吹き出し口
20 翼車体
21 翼
100 水面(喫水線)
Claims (9)
- バルバスバウに設けられた翼車と、
前記翼車の回転によって発電する発電機と
を備える
省エネルギ船。 - 請求項1に記載の省エネルギ船であって、
更に、前記バルバスバウを貫通する流路が形成され、
前記流路は、
前記バルバスバウの先端に入り口を有し、左右両舷に出口を有し、
前記翼車は、
前記流路内に設けられる
省エネルギ船。 - 請求項1、又は2に記載の省エネルギ船であって、
更に、推進装置を備え、
前記推進装置は、
前記発電機によって生じた電力が用いられる
省エネルギ船。 - 請求項2、又は3に記載の省エネルギ船であって、
前記出口は、
計画運航喫水、及び計画速力時における水面よりも高い位置に形成される
省エネルギ船。 - 請求項4に記載の省エネルギ船であって、
前記出口は、
前記計画運航喫水、及び前記計画速力時において船首付近で前記水面の下がる位置に形成される
省エネルギ船。 - 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の省エネルギ船であって、
前記発電機は、
電動機の機能を有し、
前記電動機は、
前記翼車を駆動する
省エネルギ船。 - 請求項6に記載の省エネルギ船であって、
前記出口は、
開閉自在の蓋を備える
省エネルギ船。 - 請求項2乃至7のいずれか1項に記載の省エネルギ船であって、
更に、前記流路内の前記翼車と前記出口との間に気泡吹き出し口を備える
省エネルギ船。 - 請求項1、3、又は6のいずれか1項に記載の省エネルギ船であって、
前記翼車は、
前記バルバスバウ自体が回転する構造である
省エネルギ船。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010114231A JP2011240806A (ja) | 2010-05-18 | 2010-05-18 | 省エネルギ船 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2010114231A Withdrawn JP2011240806A (ja) | 2010-05-18 | 2010-05-18 | 省エネルギ船 |
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Country | Link |
---|---|
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5255147B1 (ja) * | 2012-10-12 | 2013-08-07 | 英治 川西 | 船舶の上下推進装置 |
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JP2015231831A (ja) * | 2014-05-15 | 2015-12-24 | 株式会社コトラシステム | 船体構造 |
CN109747790A (zh) * | 2018-10-18 | 2019-05-14 | 冯东华 | 一种水面漂浮垃圾清理船 |
-
2010
- 2010-05-18 JP JP2010114231A patent/JP2011240806A/ja not_active Withdrawn
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