JP2011240401A - クランクシャフトの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】鍛造による側方成形で成形品の狙い形状を精度良く得ることができるクランクシャフトの製造方法を提供する。
【解決手段】予備成形品40と金型31のキャビティとの間にはクリアランスが存在している状態では、図7(B)に示すように、金型31内に予備成形品40の材料が充填され成形品が得られるが、成形品には変形が生じる。成形品の変形では、ジャーナル軸部41がクランクピン部43に対して基準軸線の垂直方向に離間するようにして移動する。そこで予備成形品の設計では、鍛造でのパンチP挿入によるジャーナル軸部211のクランクピン部213に対する基準軸線の垂直方向の離間移動量を予め取得し、基準軸線の垂直方向の離間移動量に基づき、予備成形品200の形状を決定する。パンチPの挿入により成形品に変形が生じても、そのような変形を相殺することができる。
【選択図】図5

Description

本発明は、クランクシャフトの製造方法に係り、特に、中空状の孔部をクランクシャフトのクランクピン部に形成する技術に関する。
内燃機関のクランクシャフトは、ジャーナル軸部を備えている。ジャーナル軸部には、それと平行なクランクピン部がアーム部により連結されている。アーム部にはカウンタウェイト部が形成され、カウンタウェイト部のジャーナル軸部に対する形成位置は、クランクピン部の接続箇所の反対側である。
クランクシャフトでは、燃費向上の観点から、クランクピン部に中空状の孔部を形成して軽量化を図ることがある。クランクピン部に孔部を形成した場合でも、クランクシャフトの剛性には影響が少ないので、クランクピン部への孔部の形成は好適である。孔部の形成手法については切削加工による手法や、パイプ材でクランクピンを形成しクランクシャフト本体と接合する手法などが考えられるが、いずれの手法も、工程が複雑化し、製造コストが増大する。ここで、製造コストの低減のためには、クランクシャフト本体の成形と孔部の形成を鍛造で行うことが有効であるが、上記のようにクランクシャフトは複雑な形状であるため、従来の鍛造では、クランクシャフトの成形と同時に孔部を形成することが困難である。
すなわち、従来の鍛造では、プレスラム方向に金型の上下型が移動して被成形体を拘束し、閉塞された金型のキャビティ内に材料を充填することにより、材料の狙い形状を得ている(たとえば特許文献1)。このような鍛造によりクランクシャフトを成形する場合、クランクシャフトの金型への配置は、その軸方向がプレスラムの移動方向に対して垂直となるようにしなければならないため、孔部形成用パンチをクランクシャフトの軸方向からクランクピン部に挿入することが困難である。このため、従来の鍛造では、熱間バリだし多工程成形が一般的に用いられている。この場合、使用される金型の上下型が分割可能となるように、クランクピン部およびアーム部を中実状態とし、かつそれら部位には、型からの抜け勾配を形成している。
以上のように閉塞型構造を用いた鍛造では、クランクピン部への孔部の形成が困難であるから、孔部の形成は、鍛造および成形トリム後、クランクシャフトを閉塞空間に配置せずに行っている。
具体的には、たとえば図9で示すクランクシャフト10に孔部13A,13Bを形成する場合、図10(A)に示すように、クランクピン部13を連結する一方のアーム部12(図9の最も右側のアーム部12)の一面を下型1(図の斜線部)に当接させ、パンチ2を他方のアーム部12の上面側からクランクピン部13へ挿入する。パンチ2の挿入による孔部13A,13Bの形成は独立して行うが、孔部13Bの形成時、アーム部12に隣接する部位との干渉が生じるため、パンチ2の挿入は、クランクピン部13に斜め方向(図9の破線矢印方向)から行う。この場合、アーム部12(図9の最も右側のアーム部12)の一面における下型1との当接部には、その跡が残る場合がある。
特開2003−343592号公報
しかしながら、図10(A)に示す手法では、図10(B)に示すように、クランクピン部13の径方向(矢印方向)はフリーであるため、クランクピン部13に孔部13A,13Bを形成すると、寸法精度が低下してしまう。具体的には、クランクピン部13では、孔部13A,13Bの開口端面においてクランクピン部13の軸方向に面ヒケが発生し、クランクピン部13の径方向(図の矢印方向)に材料が拡がってしまう。このため、アーム部12のカウンタウェイト部外周部に複数の孔部(図示略)を形成する等して、バランス補正を行う必要がある。
そこで、予め上下分割型に適用可能な形状に成形された予備成形体を被成形体として用い、プレスラムの移動方向に対して垂直方向に移動する鍛造装置を利用してコイニングを行うことが考えられる。しかしながら、この側方成形の技術では、孔部形成による寸法精度の向上を図ることができなかった。
上記問題を解消するために、本発明者は、上下分割型である金型のキャビティの形状よりも小さく設定したクランクシャフトの予備成形品に鍛造による側方成形を行うことを提案している(特願2009−027047)。具体的には、クランクシャフトの予備成形品の形状を金型のキャビティの形状よりも小さく設定し、鍛造による側方成形では、予備成形品のクランクピン部へのパンチの挿入により、金型内に予備成形品の材料を充填して成形品を得る。この場合、金型のキャビティを成形品の狙い形状に対応する形状に設定することにより、鍛造により狙い形状の成形品を得ることができる。
しかしながら、クランクシャフトの予備成形品の形状を金型のキャビティの形状よりも小さく設定しているため、金型内での予備成形品の配置では、予備成形品と金型のキャビティとの間にはクリアランスが存在している。このため、側方成形により得られる成形品に変形が生じてしまい、その狙い形状を精度良く得ることができない虞があった。
したがって、本発明は、鍛造による側方成形で成形品の狙い形状を精度良く得ることができるクランクシャフトの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、予備成形品と金型のキャビティとの間にクリアランスが存在している態様での鍛造による成形品の変形について調べた結果、次のような知見が得られた。図7(A),(B)は、予備成形品40と金型31のキャビティとの間にクリアランスが存在している態様で鍛造による側方成形を行ったときに生じる成形品の変形状態を説明するための図であって、(A)は鍛造でのパンチ32の挿入前の状態、(B)は鍛造でのパンチ32の挿入後の状態を表す側面図である。
クランクシャフトの予備成形品の形状を金型のキャビティの形状よりも小さく設定した場合、図7(A)に示すように、金型31内での予備成形品40の配置では、予備成形品40と金型31のキャビティとの間にはクリアランスが存在している。このような状態で予備成形品40のクランクピン部43にパンチ32を挿入すると、図7(B)に示すように、クランクピン部43に孔部43Aが形成されるとともに、金型31内に予備成形品40の材料が充填され、成形品が得られるが、その成形品には変形が生じる。
成形品の変形では、ジャーナル軸部41がクランクピン部43に対して基準軸線の垂直方向に離間するようにして移動していることが判った。4気筒エンジンの場合、全てのクランクピン部43の両側にパンチ32を挿入すると、図8に示すように、ジャーナル軸部41の各部分がクランクピン部43に対して基準軸線の垂直方向(図中の太線矢印方向)に離間するようにして移動しており、ジャーナル軸部41の同軸度が低下することが判った。なお、図8の領域Xは、図7(A),(B)のアーム部42およびクランクピン部43を含む領域である。図8の符号Sは、成形品の実際の軸線であり、同軸度とは、基準軸線と同一直線上にあるべき実際の軸線Sの基準軸線に対するズレの大きさのことである。
そこで、予備成形品の設計段階で、成形品の上記変形を見込んで予備成形品の形状を決定することにより、予備成形品と金型のキャビティとの間にはクリアランスが存在している態様でも、ジャーナル軸部の同軸度の向上を図ることができることを見出し、本発明の完成に至った。
本発明のクランクシャフトの製造方法は、ジャーナル軸部と、ジャーナル軸部と平行なクランクピン部とを備えたクランクシャフトの製造方法であって、クランクシャフトを予備成形し、分割可能な上型および下型からなる金型のキャビティ内に、クランクシャフトの予備成形品を配置して予備成形品を鍛造し、予備成形では、クランクシャフトの予備成形品の形状を、キャビティの形状よりも小さく成形し、鍛造では、クランクピン部にパンチを挿入することにより、クランクピン部に孔部を形成するとともに、キャビティ内に予備成形品の材料を充填し、予備成形品の設計では、鍛造でのパンチ挿入によるジャーナル軸部のクランクピン部に対する基準軸線の垂直方向の離間移動量を予め取得し、その離間移動量に基づき、予備成形品の形状を決定することを特徴とする。
本発明のクランクシャフトの製造方法では、分割可能な上型および下型からなる金型を用いてクランクシャフトの予備成形品に鍛造を行う。この場合、クランクシャフトの予備成形品は、鍛造で使用する金型のキャビティの形状よりも小さく成形されたものである。鍛造では、クランクピン部へのパンチの挿入により、金型内に成形品の材料を充填する。
ここで予備成形品と金型のキャビティとの間にはクリアランスが存在しているから、金型内での材料の充填時、ジャーナル軸部が基準軸線の垂直方向にクランクピン部に対して離間するようにして移動する虞がある。しかしながら、本発明のクランクシャフトの製造方法では、予備成形品の設計において、鍛造でのパンチ挿入によるジャーナル軸部のクランクピン部に対する基準軸線の垂直方向の離間移動量を予め取得し、その離間移動量に基づき、予備成形品の形状を決定するから、鍛造による側方成形で上記のような成形品の変形が生じても、そのような変形を相殺することができる。したがって、ジャーナル軸部の同軸度を向上させることができるので、成形品の狙い形状を精度良く得ることができる。
また、クランクピン部への中空状の孔部の形成により軽量化を図ることができるのはもちろんのこと、上記のように閉塞空間内で鍛造を行うことによりクランクシャフトの寸法精度を向上させることができるので、カウンタウェイト部への複数の孔部の形成を行う等のバランス補正が不要となる。また、一般的な機械加工により孔部を形成すると、孔部の開口角部がエッジ状をなすことから、その部位への応力集中を回避するためにハンドワーク等により仕上げ工程を別途行うがあるが、本発明のクランクシャフトの製造方法では、鍛造時の材料の変形抵抗により孔部の開口角部が湾曲形状をなすので、従来技術の仕上げ工程を行う必要がない。
本発明のクランクシャフトの製造方法は種々の構成を用いることができる。たとえば鍛造では、パンチの挿入をクランクピン部の両側に同時に行い、クランクピン部の両側に孔部を形成し、孔部の形成では、一方の孔部は、他方の孔部よりも、底面の面積を広く、かつクランクピン部の表面から浅く設定する態様を用いることができる。
この態様では、閉塞空間内での鍛造においてクランクピン部の両側へのパンチの挿入を同時に行うので、従来の孔部形成で発生していた孔部の変形(他方のパンチの挿入による孔部の形成時における一方の形成済孔部近傍部位での孔形状の変形や、面ヒケ、バリの発生)を防止することができる。これにより、寸法精度をさらに向上させることができる。したがって、カウンタウェイト部への複数の孔部の形成を行う等のバランス補正の増大による製造コスト増大を防止することができる。
また、上記のようなクランクピン部への孔部形成後、クランクピン部中央部のクランクピン部用孔部と、アーム部間のジャーナル軸部中央部のジャーナル軸部用孔部とを接続するオイル流路を加工する場合、孔部の形成では、一方の孔部は、他方の孔部よりも、底面の面積を広く、かつクランクピン部の表面からの深さを浅く設定しているから、そのような異形状の孔部をオイル流路に応じて適宜配置することにより、オイル供給に十分なオイル流路を最短直線距離で形成することができる。また、この場合、上記のように孔部形成時に変形が生じないから、オイル流路の加工に不良が生じない。
本発明のクランクシャフトの製造方法によれば、クランクピン部への孔部の形成により軽量化を図ることができるのはもちろんのこと、鍛造により成形品の狙い形状を精度良く得ることができる等の効果を得ることができる。
本発明に係る一実施形態のクランクシャフトの製造方法で用いる鍛造装置を表す概念図であり、鍛造装置の下型を表す斜視図である。 本発明に係る一実施形態のクランクシャフトの製造方法による孔部形成を説明するための図である。 本発明に係る一実施形態のクランクシャフトの製造方法で用いる鍛造装置を表す概念図であり、鍛造装置の概略構成を表す図1のA−A’線の側断面図である。 本発明に係る一実施形態のクランクシャフトの製造方法を説明するための概念図である。 本発明に係る一実施形態のクランクシャフトの成形品が鍛造でのパンチ挿入により変形した状態を表す側断面図である。 本発明に係る一実施形態のクランクシャフトの概略構成を表し、(A)はクランクシャフトの側断面図、(B)はクランクピン部の一側への孔部の底面図、(C)はクランクピン部の他側への孔部の底面図である。 (A),(B)は、予備成形品と金型のキャビティとの間にクリアランスが存在している態様で鍛造による側方成形を行ったときに生じる成形品の変形状態を説明するための図であって、(A)は鍛造でのパンチ挿入前の状態、(B)は鍛造でのパンチ挿入後の状態を表す側断面図である。 鍛造でのパンチ挿入により成形品が変形した状態を表す平面図である。 クランクピン部への孔部形成の従来手法を説明するための図である。 (A),(B)は、クランクピン部への孔部形成の従来手法の問題点を説明するための図である。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1,3は、本発明に係る一実施形態のクランクシャフトの製造方法の側方成形で用いる鍛造装置100を表す概念図である。図3は、図1,2に示す鍛造装置100による孔部形成を説明するための図である。図1は、鍛造装置100の下型を表す斜視図である。図3は、鍛造装置100の概略構成を表す図1のA−A’線の側断面図である。図3では、鍛造装置100の各部位(特に金型103)の図示を簡略化している。
クランクシャフトの製造ラインでは、たとえば原材料である鋼材を切断してビレットを得た後、鍛造によりビレットに予備成形を行う。予備成形では、潰し工程、荒工程、仕上工程、および、トリム工程を行うことにより、予備成形品を得る。次いで、鍛造により予備成形品のクランクピン部にパンチを挿入して側方成形を行うことにより、クランクピン部に孔部を形成するとともに、キャビティ内に予備成形品の材料を充填して、クランクシャフトの成形品を得る。続いて、成形品の冷却を行った後、成形品に加工や表面処理を適宜行うことにより、製品が得られる。
本実施形態では、予備成形品の設計において、側方成形でのパンチ挿入によるジャーナル軸部のクランクピン部に対する基準軸線の垂直方向の離間移動量を予め取得し、その離間移動量に基づき、予備成形品の形状を決定する。こたとえば予備成形品の形状決定では、予備成形品でのジャーナル軸部のクランクピン部に対する基準軸線の垂直方向の間隔を、離間移動量に基づき、離間移動量を取得する際に用いた予備成形品のものよりも小さく設定する。このように形状の予備成形品を図1,3に示す鍛造装置100に投入し、側方成形を行う。
鍛造装置100は、本発明のクランクシャフト製造方法が適用される装置の一例であり、4気筒のクランクシャフトを得るための装置である。鍛造装置100は、図3に示すように、たとえばプレスボルスタ101を備え、プレスボルスタ101上に、プレスラム102が支持されている。プレスボルスタ101とプレスラム102との間に金型103が配置されている。
金型103は、下型103A、上型103B、および、側方成形用パンチ111p〜118p(以下、パンチ111p〜118pと略称する)を備えている。上型103Bは、下型103Aに対して移動可能に設けられている。図3中の符号104は、上型103Bへの初期荷重を調整する荷重調整部(油圧手段や、エア圧手段、スプリング手段等)である。上型103Bは、予備成形品200の体積が設定値より大きい場合、金型103内での成形圧に応じて、開放方向(上方向)へ移動する。
金型103には、クランクシャフトの予備成形品200が配置される。予備成形品200はジャーナル軸部211を備え、ジャーナル軸部211には、それと平行なクランクピン部213がアーム部212により連結されている。アーム部212にはカウンタウェイト部212Aが形成され、カウンタウェイト部212Aのジャーナル軸部211に対する形成位置は、クランクピン部213の接続箇所の反対側である。
パンチ111p〜118pは、上型103Bの移動方向に対して垂直方向に移動可能に設けられている。具体的には、パンチ111p,112pは、金型103の側部に形成されたパンチ用孔111a〜118aに沿って、金型103の内部に対して移動可能となっている。
パンチ111p〜118pは、プレスラム102の移動に連動して金型103の内部へ移動させるカム機構を備えている。パンチ111p,112pを移動させるカム機構111,112は、図3に示すように、カム111c,112c、および、カム111c,112cを駆動するカムドライバ111d、112dを備えている。なお、パンチ113p〜118pのカム機構は、パンチ111p,112pと略同様な構成・作用を有するので、以下では、その説明および図示を省略している。
カム111c,112cの金型103内部側の側面には、パンチ111p,112pが設けられている。カム111c,112cの金型103外部側の側面は傾斜面である。カムドライバ111d、112dの下面は、初期状態においてカム111c,112cの傾斜面に対して所定間隔をおいて配置される傾斜面である。カムドライバ111d、112dは、プレスラム102の下方への移動に伴って下降し、カムドライバ111d、112dの下面がカム111c,112cの傾斜面に接触すると、それら傾斜面は互いに摺動する。
カム機構111,112には、退避部材111s,112sが設けられている。プレスラム102の下死点でのパンチ111p,112pによる側方成形完了後、プレスラム102による上死点への移動に伴い、カムドライバ111d、112dが上昇すると、側方成形用パンチ111p,112pは、退避部材111s,112sにより金型103外部へ退避させられ、初期位置に戻る。
このようなカム機構を用いることにより、たとえば、図1に示すクランクピン部213の両側へのパンチ111p,112pの挿入およびパンチ113p,114pの挿入を同時に行い、次いで、パンチ115p,116pの挿入およびパンチ117p,118pの挿入を同時に行う。図2は、クランクピン部213の両側へのパンチ111p,112pの挿入する形態を表している。プレスラム102の上死点から下死点までの1工程内でパンチ111p〜118pの挿入を行う場合、たとえば本出願人が特願2009−27050で提案しているパンチ同士の干渉防止手法を用いることが好適である。
鍛造装置100の金型103にはクランクシャフトの予備成形品200が配置される。予備成形品200の配置では、ジャーナル軸部211の軸方向がプレスラム102の移動方向に対して垂直となる。パンチ111P〜118pの挿入方向は、隣接するアーム部のカウンタウェイト部への衝突が回避される方向に設定し、たとえばクランクピン部213の中央部の軸方向に対する垂直方向からの角度が45度をなすことが好適である。
以上のような鍛造装置100を用いた本実施形態のクランクシャフト製造方法について、おもに図1〜5を参照して説明する。まず、金型103の下型103Aに、クランクシャフトの予備成形品200を配置する。続いて、プレスラム102が上死点から下方へ移動することにより、クランクピン部213の両側へのパンチ111p,112pの挿入およびパンチ113p,114pの挿入を同時に行い、次いで、パンチ115p,116pの挿入およびパンチ117p,118pの挿入を同時に行う。これにより、予備成形品200の各クランクピン部213の両側への孔部形成が同時に行われる。このような孔部形成後、金型103からクランクシャフトが離型される。
このような本実施形態では、予備成形品200は、予めクランクシャフトの狙い形状(すなわち、金型のキャビティの形状)よりも小さく成形されたものである。鍛造では、金型103による予備成形品200の閉塞とともに、予備成形品200のクランクピン部に側方成形用パンチ111p〜118pを挿入することにより、クランクピン部に孔部を形成するとともに、金型103内に予備成形品200の材料を充填することができる。
図4は、本実施形態のクランクシャフト製造方法を説明するための概念図であり、1本のパンチPによる孔部形成を行った場合を表している。図4では、下向き矢印が、金型103から予備成形品200への拘束圧方向を示し、図4の上向き矢印が、予備成形品200の充填方向を示している。図4に示すように、キャビティ形状よりも小さく成形された予備成形品200を金型103のキャビティに配置したときには、予備成形品200とキャビティとの間にクリアランスが存在しているが、パンチPを予備成形品200に挿入することにより、材料充填を行うことができる。
ここで、予備成形品の設計段階では、上記のように側方成形でのパンチPの挿入によるジャーナル軸部211のクランクピン部213に対する基準軸線の垂直方向の離間移動量を予め取得し、その離間移動量に基づき、予備成形品200の形状を決定する。このように予備成形品200の設計段階で成形品の変形を見込んで予備成形品200の形状を決定しているから、図5に示すように、パンチPの挿入により予備成形品200の材料充填を行ない、得られる成形品に変形が生じても、そのような変形を相殺することができる。したがって、ジャーナル軸部211の同軸度を向上させることができるので、クランクシャフトの成形品の狙い形状を精度良く得ることができる。
また、金型103の閉塞空間内での鍛造において、クランクピン部213の両側へのパンチ111p,112pの挿入を同時に行い、パンチ113p,114pの挿入を同時に行い、パンチ115p,116pの挿入を同時に行い、パンチ117p,118pの挿入を同時に行う。これにより、従来の孔部形成で発生していた孔部の変形(他方のパンチの挿入による孔部の形成時における一方の形成済孔部近傍部位での孔形状の変形や、面ヒケ、バリの発生)を防止することができるので、寸法精度をさらに向上させることができる。
以上のような孔部の形成後、図6に示すように、得られた成形品のクランクピン部213中央部のクランクピン部用孔部222と、アーム部212間のジャーナル軸部211中央部のジャーナル軸部用孔部221とを接続するオイル流路223を加工する。ここで、オイル流路223を最短直線距離に設定するために、上記孔部形成では、孔部213L(一方の孔部)が、孔部213M(他方の孔部)よりも、底面の面積を広く、かつクランクピン部213の表面からの深さを浅く設定する。
このような異形状をなす孔部213L,213Mをオイル流路223の加工位置に重ならないように図6に示すように配置することにより、オイル供給に十分なオイル流路223を最短直線距離で形成することができる。また、この場合、上記のように孔部213L,213Mの形成時に変形が生じないから、オイル流路223の加工に不良が生じない。
以上のように本実施形態では、クランクピン部213への中空状の孔部213L,213Mの形成により軽量化を図ることができるのはもちろんのこと、予備成形品200の設計段階で成形品の変形を見込んで予備成形品200の形状を決定しているから、ジャーナル軸部211の同軸度を向上させることができる。したがって、クランクシャフトの成形品の狙い形状を精度良く得ることができる。その結果、カウンタウェイト部212Aへの複数のドリル孔の加工を行う等のバランス補正の孔数増大による製造コスト増大を防止することができる。
特に、孔部213Lは、孔部213Mよりも、底面の面積を広く、かつクランクピン部213の表面から浅く設定しているから、最短直線距離のオイル流路223を確保することができるとともに、その加工に不良が生じない。
103…金型、103A…下型、103B…上型、111P〜118P,P…側方成形用パンチ(パンチ)、200…クランクシャフトの予備成形品、211…シャフト軸部、212…アーム部、213…クランクピン部、213L…孔部(一方の孔部)、213M…孔部(他方の孔部)、111p,112p,P…側方成形用パンチ(パンチ)

Claims (2)

  1. ジャーナル軸部と、前記ジャーナル軸部と平行なクランクピン部とを備えたクランクシャフトの製造方法において、
    前記クランクシャフトを予備成形し、
    分割可能な上型および下型からなる金型のキャビティ内に、前記クランクシャフトの予備成形品を配置して前記予備成形品を鍛造し、
    前記予備成形では、前記クランクシャフトの予備成形品の形状を、前記キャビティの形状よりも小さく成形し、
    前記鍛造では、前記クランクピン部にパンチを挿入することにより、前記クランクピン部に孔部を形成するとともに、前記キャビティ内に前記予備成形品の材料を充填して、クランクシャフトの成形品を得、
    前記予備成形品の設計では、前記鍛造での前記パンチ挿入による前記ジャーナル軸部の前記クランクピン部に対する基準軸線の垂直方向の離間移動量を予め取得し、その離間移動量に基づき、前記予備成形品の形状を決定することを特徴とするクランクシャフトの製造方法。
  2. 前記鍛造では、前記パンチの挿入を前記クランクピン部の両側に同時に行い、前記クランクピン部の前記両側に孔部を形成し、
    前記孔部の形成では、一方の孔部は、他方の孔部よりも、底面の面積を広く、かつ前記クランクピン部の表面から浅く設定することを特徴とする請求項1に記載のクランクシャフトの製造方法。
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