JP2011238822A - 半導体発光素子駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】半導体発光素子の高寿命化及び高速駆動を実現させる。
【解決手段】キャパシタ17の第1の端子17aを制御信号線11に電気的に接続し、キャパシタ17の第2の端子17bを半導体発光素子1のアノード端子1aに電気的に接続する。そして、トランジスタ9にLOWレベルのステップ信号を出力したことでトランジスタ9が非導通状態となったときに、半導体発光素子1に蓄積されている残留電荷が、トランジスタ9を迂回してキャパシタ17を通過し、制御信号線11に放出される。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体発光素子を発光させる半導体発光素子駆動装置に関するものである。
レーザビームプリンタ等の市場において、高解像度化、高速化が求められている。それらを実現するための重要な要素として、半導体発光素子の多ビーム化が挙げられる。近年この多ビーム化に対応すべく、半導体発光素子として従来の端面発光型レーザの代わりに垂直共振器面発光レーザ(VCSEL:Vartical Cavity Surface Emitting Laser)を採用しようとする動きが出始めてきている。VCSELは、二次元アレイ状に多数の素子が集積可能など、端面発光型レーザに対して、多ビーム化に有利である。
VCSELは、PN接合面積が小さいという構造上の理由から、内部抵抗は数百Ω〜数kΩ程度と、端面発光型レーザの内部抵抗(数Ω〜数十Ω)に対して非常に高い。また、VCSELの寄生容量は、数十pF程度と、端面発光型レーザの寄生容量(5pF以下)に対して非常に大きい。したがって、端面発光型レーザで一般的に使われている電流駆動方式は、内部抵抗と寄生容量の影響を受けやすく、半導体発光素子としてVCSELに採用しようとすると、立ち上がり/立ち下がりが非常に遅くなり、半導体発光素子を高速駆動できない。これに対して、電圧駆動方式は、内部抵抗と寄生容量の影響を受けにくく、面発光型レーザに採用しても、立ち上がり/立ち下がりを速くし、半導体発光素子を高速駆動させることができる。
しかしながら、VCSELは、内部抵抗が高く寄生容量が大きいため、立ち上がりが速いと、立ち上がり時にVCSELに流れる電流に、スパイクが発生しやすくなる。つまり、半導体発光素子を無駄に消耗させることになり、半導体発光素子の短寿命化を招くことになる。また、スパイクが発生すると、MHz帯の高周波成分が多く含まれることになり、電源配線に重畳すると、プリント配線板あるいは電源供給用ケーブルなどがアンテナとなって、放射ノイズが発生する。
スパイクを抑制する手段として、RC回路を用いたものがある(特許文献1参照)。このRC回路を有する半導体発光素子駆動装置の一例を図9に示す。スイッチ素子としてのトランジスタ102のコレクタ端子は、抵抗素子107と電源配線109を介して定電圧源106に接続されている。トランジスタ102のエミッタ端子は、半導体発光素子101のアノード端子に接続されている。トランジスタ102のベース端子は、抵抗素子104を介して、駆動制御部103の制御信号出力端子103aに接続されている。容量性素子としてのキャパシタ105は、一端がトランジスタ102のベース端子と抵抗素子104の間の接続点Aに接続され、他端がグラウンドに接続されている。つまり、抵抗素子104とキャパシタ105とでRC回路が構成される。
この半導体発光素子駆動装置の基本動作について説明する。駆動制御部103は、制御信号出力端子103aからトランジスタ102のベース端子へ、制御信号であるステップ信号を出力する。このステップ信号がHIGHレベルの時、トランジスタ102がオン、つまり、トランジスタ102が導通状態となり、電流が定電圧源106からトランジスタ102を介して半導体発光素子101に流れ、半導体発光素子101が点灯する。逆にステップ信号がLOWレベルの時、トランジスタ102がオフ、つまり、トランジスタ102が非導通状態となり、半導体発光素子101が消灯する。ここで、抵抗素子104とキャパシタ105からなるRC回路があるので、このRC回路の時定数調整によって、ステップ信号の立ち上がりを緩やかにすることができ、スパイクを抑制することができる。
特開平7−245441号公報
しかしながら、半導体発光素子がVCSELのように内部抵抗が高く、かつ、寄生容量が大きい場合、スイッチ素子がオン(導通状態)からオフ(非導通状態)に切り換わったときに、半導体発光素子の寄生容量に蓄積された残留電荷が放電されにくい。よって、スイッチ素子のオフの期間でも、半導体発光素子において電流が流れ続けることになり、半導体発光素子を無駄に消耗させ、短寿命化を招く。また、RC回路により電流波形が鈍るため、半導体発光素子の応答速度が下がり、高速化の妨げとなっていた。
そこで、本発明は、半導体発光素子の高寿命化及び高速駆動を実現させる半導体発光素子駆動装置を提供することを目的とするものである。
本発明は、半導体発光素子を備え、前記半導体発光素子に電流を供給して前記半導体発光素子を発光させる半導体発光素子駆動装置において、前記半導体発光素子に電流を供給するための定電圧源と、前記半導体発光素子に直列接続され、前記定電圧源により前記半導体発光素子へ電流を供給する導通状態と前記半導体発光素子への電流の供給を停止する非導通状態とに切り換わるスイッチ素子と、制御信号線によって前記スイッチ素子に接続され、前記スイッチ素子の導通状態と非導通状態との切り換えを制御する制御信号を、前記制御信号線を介して前記スイッチ素子に出力する制御信号出力手段と、前記制御信号線に電気的に接続される第1の端子と前記半導体発光素子のアノード端子に電気的に接続される第2の端子とを有し、前記スイッチ素子が非導通状態のときに、前記半導体発光素子に蓄積されている残留電荷を、前記スイッチ素子を迂回して前記制御信号線に放出する電荷放出回路と、を備えたことを特徴とするものである。
本発明によれば、スイッチ素子の非通電状態の期間では半導体発光素子の寄生容量に蓄積された残留電荷が電荷放出回路を経て制御信号線に放出されるので、半導体発光素子の消耗を抑制することができ、半導体発光素子の寿命を延ばすことができる。また、半導体発光素子の応答速度が向上し、高速化を実現することができる。
本発明の第1実施形態に係る半導体発光素子駆動装置の概略構成を示す電気回路図であり、(a)は全体の回路図、(b)は半導体発光素子の等価回路図である。 電荷放出回路の説明図であり、(a)は電荷放出回路がダイオードの場合を示す図であり、(b)は電荷放出回路がキャパシタとダイオードとの並列回路の場合を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る半導体発光素子駆動装置の概略構成を示す電気回路図である。 本発明の第3実施形態に係る半導体発光素子駆動装置の概略構成を示す電気回路図である。 本発明の第4実施形態に係る半導体発光素子駆動装置の概略構成を示す電気回路図である。 実施例において図1に示す回路の回路シミュレーションを行った結果を示す図であり、(a)は図1のトランジスタのベース端子―エミッタ端子間電圧を示す電圧波形図、(b)は図1の半導体発光素子に印加される電圧を示す電圧波形図である。 実施例において図1に示す回路の回路シミュレーションを行った結果を示す図であり、(a)は図1の半導体発光素子に流れる電流を示す電流波形図、(b)は図1の電源配線に流れる電流のスペクトラムである。 図1においてRC回路なしとした場合の回路シミュレーションを行った結果を示す図であり、(a)は半導体発光素子に流れる電流を示す電流波形図、(b)は電源配線に流れる電流のスペクトラムである。 従来の半導体発光素子駆動装置の概略構成を示す電気回路図である。 比較例において図9に示す回路の回路シミュレーションを行った結果を示す図であり、(a)は図9のトランジスタのベース端子―エミッタ端子間電圧を示す電圧波形図、(b)は図9の半導体発光素子に印加される電圧を示す電圧波形図である。 比較例において図9に示す回路の回路シミュレーションを行った結果を示す図であり、(a)は図9の半導体発光素子に流れる電流を示す電流波形図、(b)は図9の電源配線に流れる電流のスペクトラムである。
以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る半導体発光素子駆動装置の概略構成を示す電気回路図である。図1(a)に示す半導体発光素子駆動装置50は、不図示のプリント配線板に搭載された半導体発光素子1を備えている。半導体発光素子1は半導体レーザ素子であり、本第1実施形態では、垂直共振器面発光レーザ(VCSEL)素子である。半導体発光素子1は、アノード端子1aとカソード端子1cとを備え、カソード端子1cが不図示のプリント配線板に形成されたグラウンド線Gに接続されている。
また、半導体発光素子駆動装置50は、一定の直流電圧を発生し、半導体発光素子1に電流を供給するための定電圧源3と、定電圧源3と半導体発光素子1のアノード端子1aとを接続する電源供給線5と、を備えている。この電源供給線5は、電源ケーブルである電源配線5aと、不図示のプリント配線板に形成された電源ライン5bとからなる。電源ライン5bには、定電圧源3から半導体発光素子1に向かって抵抗素子7及びスイッチ素子としてのバイポーラトランジスタ(以下、単に「トランジスタ」という)9が順次配設されている。具体的に説明すると、トランジスタ9のコレクタ端子9cが抵抗素子7を介して定電圧源3に電気的に接続されている。トランジスタ9のエミッタ端子9eは、半導体発光素子1のアノード端子1aに電気的に接続されている。つまり、定電圧源3に対してトランジスタ9と半導体発光素子1とが直列接続されている。トランジスタ9のベース端子9bは制御信号入力端子、コレクタ端子9cは電流入力端子、エミッタ端子9eは電流出力端子として機能する。なお、スイッチ素子として、バイポーラトランジスタの代わりにFETを使用してもよい。
また、半導体発光素子駆動装置50は、制御信号線11によってトランジスタ9に接続される制御信号出力手段として機能する駆動制御部13を備えている。具体的には、トランジスタ9のベース端子9bが、制御信号線11に配設された抵抗素子15を介して駆動制御部13の制御信号出力端子13aに電気的に接続されている。つまり、抵抗素子15は、一対の端子15a,15bを有している。そして、抵抗素子15の一方の端子15aとトランジスタ9のベース端子9bとが電気的に接続され、抵抗素子15の他方の端子15bと駆動制御部13の制御信号出力端子13aとが電気的に接続されている。
さらに、半導体発光素子駆動装置50は、電荷放出回路としての容量性素子である一対の端子17a,17bを有するキャパシタ17を備えている。つまり、キャパシタ17は、制御信号線11に電気的に接続される第1の端子17aと、半導体発光素子1のアノード端子1aに電気的に接続される第2の端子17bとを有している。具体的には、キャパシタ17の第1の端子17aは、制御信号線11におけるトランジスタ9のベース端子9bと抵抗素子15の一方の端子15aとの間にある接続点Aに接続されて、抵抗素子15の一方の端子15aに電気的に接続されている。また、キャパシタ17の第2の端子17bは、電源供給線5の電源ライン5bにおけるトランジスタ9のエミッタ端子9eと半導体発光素子1のアノード端子1aとの間にある接続点Bに接続されて、アノード端子1aに電気的に接続されている。なお、抵抗素子7の一方の端子に接続されるキャパシタ19は、デカップリング用のものである。
次に、半導体発光素子駆動装置50の基本動作について説明する。駆動制御部13は、制御信号出力端子13aから制御信号線11を介してトランジスタ9のベース端子9bへ、トランジスタ9の導通状態と非導通状態との切り換えを制御する制御信号であるステップ信号を出力する。
このステップ信号が閾値電圧より高いHIGHレベルの時、トランジスタ9がオン、即ち、トランジスタ9のコレクタ端子9cとエミッタ端子9eとの間が導通される導通状態となる。つまり、ステップ信号がHIGHレベルの時、トランジスタ9が導通状態となり、定電圧源3から半導体発光素子1へ電流が供給され、半導体発光素子1が点灯する。逆に、ステップ信号が閾値電圧より低いLOWレベルの時、トランジスタ9がオフ、即ち、トランジスタ9のコレクタ端子9cとエミッタ端子9eとの間が非導通状態となる。つまり、ステップ信号がLOWレベルの時、トランジスタ9が非導通状態となり、半導体発光素子1への電流の供給が停止され、半導体発光素子1が消灯する。
ここで、半導体発光素子1は面発光型レーザ素子であり、図1(b)に示すように、等価回路が内部抵抗と寄生容量との並列回路で表される。この寄生容量は、数十pF程度(例えば20pF)と、端面発光型レーザの寄生容量(5pF以下)に対して非常に大きい。また、内部抵抗は、数百Ω〜数kΩ程度(例えば1kΩ)と、端面発光型レーザの内部抵抗(数Ω〜数十Ω)に対して非常に高い。
従って、トランジスタ9がオン(導通状態)からオフ(非導通状態)に切り換わった際に、内部抵抗のみでは寄生容量に残留電荷を放出するのに時間を要する。これに対し、本第1実施形態では、トランジスタ9がオンからオフに切り換わった際に、半導体発光素子1に寄生容量によって蓄積されている残留電荷が、トランジスタ9を迂回し、キャパシタ17を通じて制御信号線11に放出される。具体的に説明すると、トランジスタ9がオフになったときには、半導体発光素子1には定電圧源3による電圧の印加が停止される。そして、ステップ信号はLOWレベルであるので、制御信号線11は、半導体発光素子1のアノード端子1aの電位よりも低い電位である。また、キャパシタ17は、高周波電流に対してトランジスタ9のエミッタ端子−ベース端子間のインピーダンスよりも低インピーダンスであり、瞬時電流が流れやすい。したがって、半導体発光素子1からは残留電荷による電流が瞬時にキャパシタ17を通じて制御信号線11に流れることとなる。この制御信号線11に放出された電荷は、抵抗素子15を介して駆動制御部13の制御信号出力端子13aへ放電される。また、抵抗素子15の抵抗値と駆動制御部13の出力インピーダンス値との合成値は半導体発光素子1の内部抵抗の抵抗値と比較して低く設定されており、半導体発光素子1の残留電荷は制御信号線11に流れやすくなっている。これにより、半導体発光素子1のオフの期間において、半導体発光素子1に残留している残留電荷がキャパシタ17を経て制御信号線11に放出され、半導体発光素子1を素早く消灯させることができる。したがって、ステップ信号の立ち下り時の半導体発光素子1の応答速度が向上し、高速化を実現することができる。また、半導体発光素子1の点灯時間が短くなるので、半導体発光素子1の消耗を抑制することができ、半導体発光素子1の寿命を延ばすことができる。
ここで、本第1実施形態では、電荷放出回路が容量性素子としてのキャパシタ17である。つまり、駆動制御部13からトランジスタ9側を見た場合に、トランジスタ9のベース端子9bの前に、抵抗素子15とキャパシタ17に加えて、半導体発光素子1の内部抵抗と寄生容量とを含むRC回路が接続されていることと等価である。したがって、抵抗素子15の抵抗値及びキャパシタの容量を調整することにより、時定数を調整することができる。これにより、ステップ信号の立ち上がりを緩やかにすることができ、それによって立ち上がり時に発生するスパイク電流を抑制させることができる。このことは、スパイクによる半導体発光素子1の無駄な消耗を抑制することになり、半導体発光素子1の長寿命化につながる。また、電源配線5aや電源ライン5bにおけるスパイクによる放射ノイズも抑制することができる。
ところで、トランジスタ9がオフからオンに切り換わる際に、半導体発光素子1を点灯させるために、その寄生容量に電荷を充電させる必要がある。その時の充電経路は、トランジスタ9のエミッタ端子9e経由だけでなく、キャパシタ17経由もある。本第1実施形態では、電荷放出回路が容量性素子としてのキャパシタ17であるので、ステップ信号がLOWレベルからHIGHレベルとなったときに、キャパシタ17を経由して半導体発光素子1が充電されるので、充電が早くなる。よって、ステップ信号の立ち上がり時の半導体発光素子1の応答速度が上がり、高速化が可能となる。そして、半導体発光素子駆動装置50を電子写真式の画像形成装置に適用した場合には、高解像度化が可能となる。
なお、本第1実施形態では、電荷放出回路としてキャパシタ17の場合について説明したが、これに限定するものではなく、キャパシタ17の代わりに、図2(a)に示すように、電荷放出回路としてダイオード17Aであってもよい。この場合、ダイオード17Aのカソード端子が制御信号線11に接続される第1の端子17aであり、アノード端子が半導体発光素子1のアノード端子1a第2の端子17bである。電荷放出回路としてダイオード17Aとした場合も、トランジスタ9がオンからオフに切り換わった際に、半導体発光素子1に寄生容量によって蓄積されている残留電荷が、トランジスタ9を迂回し、ダイオード17Aを順方向に流れて制御信号線11に放出される。この制御信号線11に放出された電荷は、抵抗素子15を介して駆動制御部13の制御信号出力端子13aへ放電される。抵抗素子15の抵抗値と駆動制御部13の出力インピーダンス値との合成値は半導体発光素子1の内部抵抗の抵抗値と比較して低く設定されており、半導体発光素子1の残留電荷は制御信号線11に流れやすくなっている。これにより、半導体発光素子1のオフの期間において、半導体発光素子1に残留している残留電荷がダイオード17Aを経て制御信号線11に放出され、半導体発光素子1が素早く消灯する。したがって、ステップ信号の立ち下り時の半導体発光素子1の応答速度が向上し、高速化を実現することができる。また、半導体発光素子1の点灯時間が短くなるので、半導体発光素子1の消耗を抑制することができ、半導体発光素子1の寿命を延ばすことができる。
なお、このダイオード17Aは、通常のダイオードでもよいが、容量性を有するダイオード、例えば可変容量ダイオードであってもよい。容量性を有するダイオードの場合、駆動制御部13からトランジスタ9側を見たときに、トランジスタ9のベース端子9bの前に、抵抗素子15とダイオード17Aに加えて、半導体発光素子1の内部抵抗と寄生容量とを含むRC回路が接続されていることとなる。したがって、抵抗素子15の抵抗値及びダイオードの容量を調整することにより、時定数を調整することができる。これにより、ステップ信号の立ち上がりを緩やかにすることができ、それによって立ち上がり時に発生するスパイク電流を抑制させることができる。このことは、スパイクによる半導体発光素子1の無駄な消耗を抑制することになり、半導体発光素子1の長寿命化につながる。また、電源配線5aや電源ライン5bにおけるスパイクによる放射ノイズも抑制することができる。また、ステップ信号がLOWレベルからHIGHレベルとなったときに、ダイオード17Aを経由して半導体発光素子1が充電されるので、充電が早くなる。よって、半導体発光素子1の応答速度が上がり、高速化が可能となる。そして、半導体発光素子駆動装置を電子写真式の画像形成装置に適用した場合には、高解像度化が可能となる。
また、図2(b)に示すように、電荷放出回路がキャパシタ17とダイオード17Aとの並列回路で構成されていてもよい。この場合、キャパシタ17の一方の端子とダイオード17Aのカソード端子とが接続されて第1の端子17aとなり、キャパシタ17の他方の端子とダイオード17Aのアノード端子とが接続されて第2の端子17bとなる。この場合も上記第1実施形態と同様の効果を奏するものである。また、図1、図2(a)、図2(b)において、キャパシタ17又はダイオード17Aの数は、1つに限らず、複数個並列接続されていてもよい。
[第2実施形態]
次に、本発明に係る第2実施形態の半導体発光素子駆動装置について説明する。図3は、本発明の第2実施形態に係る半導体発光素子駆動装置の概略構成を示す電気回路図である。なお、上記第1実施形態と同様の構成については、同一符号を付して説明を省略する。図3において、半導体発光素子駆動装置50Bは、上記第1実施形態と同様に、電荷放出回路としての容量性素子であるキャパシタ17を備えているが、キャパシタ17の第1の端子17aの接続位置が上記第1実施形態と異なる。具体的には、キャパシタ17の第1の端子17aは、制御信号線11における抵抗素子15の他方の端子15bと駆動制御部13の制御信号出力端子13aとの間にある接続点A’に接続されて、抵抗素子15の他方の端子15bに電気的に接続されている。なお、キャパシタ17の第2の端子17bは、接続点Bに接続されている。
従って、本第2実施形態では、トランジスタ9がオンからオフに切り換わった際に、半導体発光素子1に寄生容量によって蓄積されている残留電荷が、トランジスタ9を迂回し、キャパシタ17を通じて制御信号線11に放出される。この制御信号線11に放出された電荷は、抵抗素子15を介さずに駆動制御部13の制御信号出力端子13aへ放電される。これにより、半導体発光素子1のオフの期間において、半導体発光素子1に残留している残留電荷がキャパシタ17を経て制御信号線11に放出され、半導体発光素子1が素早く消灯する。したがって、ステップ信号の立ち下がり時の半導体発光素子1の応答速度が向上し、高速化を実現することができる。また、半導体発光素子1の点灯時間が短くなるので、半導体発光素子1の消耗を抑制することができ、半導体発光素子1の寿命を延ばすことができる。
また、本第2実施形態では、電荷放出回路が容量性素子であるキャパシタ17であるので、ステップ信号がLOWレベルからHIGHレベルとなったときに、キャパシタ17を経由して半導体発光素子1が充電されるので、充電が早くなる。よって、ステップ信号の立ち上がり時の半導体発光素子1の応答速度が上がり、高速化が可能となる。そして、半導体発光素子駆動装置50Bを電子写真式の画像形成装置に適用した場合には、高解像度化が可能となる。さらに、本第2実施形態では、抵抗素子15を経由しないので、上記第1実施形態よりも、半導体発光素子1の充放電の速度を上げることができる。なお、本第2実施形態でも図2(a),図2(b)と同様に、電荷放出回路がダイオードやキャパシタとダイオードとの並列回路であってもよく、キャパシタやダイオードの数も1つに限らず、複数個並列接続されていてもよい。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る半導体発光素子駆動装置について説明する。図4は、本発明の第3実施形態に係る半導体発光素子駆動装置の概略構成を示す電気回路図である。なお、上記第1実施形態と同様の構成については、同一符号を付して説明を省略する。図4において、半導体発光素子駆動装置50Cは、上記第1実施形態の構成に加えて、更に、半導体発光素子1と等価なインピーダンス特性(インピーダンスの周波数特性)を有する補償回路21を備えている。
この補償回路21は、容量性素子であるキャパシタ23と、抵抗素子25との並列回路で構成されている。つまり、本第3実施形態では、補償回路21の容量成分がキャパシタ23である。キャパシタ23は、半導体発光素子1の寄生容量と同じ容量値に設定されており、また、抵抗素子25は、半導体発光素子1の内部抵抗と同じ抵抗値に設定さている。なお、補償回路21として、キャパシタ23と抵抗素子25との並列回路の代わりに、半導体発光素子1と同等の面発光型レーザである別の半導体発光素子や半導体発光素子1と同一のインピーダンス特性の半導体素子であってもよい。この場合の補償回路の容量成分は、寄生容量となる。補償回路21は、一方の端子21aが定電圧源3に不図示のプリント配線板に形成された補償回路用電源供給線27を介して接続され、他方の端子21bが不図示のプリント配線板に形成されたグラウンド線Gに接続されている。この補償回路用電源供給線27は、電源供給線5から分岐するように抵抗素子7とトランジスタ9との間に接続され、定電圧源3に抵抗素子7を介して電気的に接続されている。
補償回路用電源供給線27には、補償回路用スイッチ素子としてのバイポーラトランジスタ(以下、単に「トランジスタ」という)29が配設されている。具体的に説明すると、トランジスタ29のコレクタ端子29cが抵抗素子7を介して定電圧源3に電気的に接続されている。トランジスタ29のエミッタ端子29eは、補償回路21のスイッチ素子側の端子である一方の端子21aに電気的に接続されている。つまり、定電圧源3に対して、トランジスタ29と補償回路21とが直列接続されている。トランジスタ29のベース端子29bは相補信号入力端子、コレクタ端子29cは電流入力端子、エミッタ端子29eは電流出力端子として機能する。なお、補償回路用スイッチ素子として、バイポーラトランジスタの代わりにFETを使用してもよい。トランジスタ29は、トランジスタ9と同一特性の素子である。
本第3実施形態では、駆動制御部13Cが、上記第1実施形態の制御信号出力手段として機能するほか、相補信号線31によってトランジスタ29に接続される相補信号出力手段として機能する。具体的には、トランジスタ29のベース端子29bが、相補信号線31に配設された相補信号線用抵抗素子35(以下、抵抗素子35という)を介して駆動制御部13Cの相補信号出力端子13bに電気的に接続されている。つまり、抵抗素子35は一対の端子35a,35bを有している。そして、抵抗素子35の一方の端子35aとトランジスタ29のベース端子29bとが電気的に接続され、抵抗素子35の他方の端子35bと駆動制御部13Cの相補信号出力端子13bとが電気的に接続されている。
さらに、半導体発光素子駆動装置50Cは、補償回路用電荷放出回路としての容量性素子であるキャパシタ37を備えている。キャパシタ37は、相補信号線31に電気的に接続される第3の端子37aと、補償回路21のスイッチ素子側の端子である一方の端子21aに電気的に接続される第4の端子37bとを有している。具体的には、キャパシタ37の第3の端子37aは、相補信号線31におけるトランジスタ29のベース端子29bと抵抗素子35の一方の端子35aとの間にある接続点Cに接続されて、抵抗素子35の一方の端子35aに電気的に接続されている。また、キャパシタ37の第4の端子37bは、補償回路用電源供給線27におけるトランジスタ29のエミッタ端子29eと補償回路21の一方の端子21aとの間にある接続点Dに接続されて、一方の端子21aに電気的に接続されている。なお、抵抗素子35は、抵抗素子15と同一の抵抗値であり、キャパシタ37は、キャパシタ17と同一の容量値である。
次に、本第3実施形態の半導体発光素子駆動装置50Cの基本動作について、上記第1実施形態に対して追加した点を説明する。駆動制御部13Cは、相補信号出力端子13bから相補信号線31を介してトランジスタ29のベース端子29bへ、制御信号と相補関係にある相補信号を出力する。この相補信号は、制御信号であるステップ信号がHIGHレベルのときは、LOWレベルのステップ信号であり、制御信号であるステップ信号がLOWレベルのときは、HIGHレベルのステップ信号である。これにより、トランジスタ9がオンしている導通状態のときはトランジスタ29がオフする非導通状態となり、半導体発光素子1に定電圧源3から電流が供給され、補償回路21への電流の供給は停止される。また、トランジスタ9がオフしている非導通状態のときはトランジスタ29がオンする導通状態となり、補償回路21に定電圧源3から電流が供給され、半導体発光素子1への電流の供給は停止される。つまり、トランジスタ9がオフしている期間に、トランジスタ29をオンして補償回路21に電流を供給している。
ここで、補償回路21は、半導体発光素子1と等価のキャパシタ23と抵抗素子25との並列回路である。したがって、トランジスタ29がオン(導通状態)からオフ(非導通状態)に切り換わった際に、半導体発光素子1と同様に、抵抗素子25のみではキャパシタ23に残留電荷を放出するのに時間を要する。これに対し、本第3実施形態では、トランジスタ29がオンからオフに切り換わった際に、キャパシタ23に蓄積されている残留電荷が、トランジスタ29を迂回し、キャパシタ37を通じて相補信号線31に放出される。この相補信号線31に放出された電荷は、抵抗素子35を介して駆動制御部13Cの相補信号出力端子13bへ放電される。つまり、相補信号はLOWレベルであるので、相補信号線31は、補償回路21の一方の端子21aの電位よりも低い電位である。そして、抵抗素子35の抵抗値と駆動制御部13Cの出力インピーダンス値との合成値は補償回路21の抵抗素子25の抵抗値と比較して低く設定されており、キャパシタ23の残留電荷は相補信号線31に流れやすくなっている。これにより、半導体発光素子1のオンの期間において、キャパシタ23に残留している残留電荷がキャパシタ37を経て相補信号線31に放出される。ここで、電源配線5aには、半導体発光素子1に流れる電流と、補償回路21に流れる電流との和である電流が流れる。従って、半導体発光素子1に流れる電流の波形と補償回路21に流れる電流の波形とが、位相が180度異なる相補関係となるので、定電圧源3から供給される電流を時間的に一定に近づけることができ、定電圧源3の電源電圧が変動するのを抑制することができる。
また、本第3実施形態では、補償回路用電荷放出回路が容量性素子としてのキャパシタ37である。つまり、駆動制御部13Cからトランジスタ29側を見た場合に、トランジスタ29のベース端子29bの前に、抵抗素子35とキャパシタ37に加えて、キャパシタ23と抵抗素子25とを含むRC回路が接続されていることとなる。したがって、抵抗素子35の抵抗値及びキャパシタ37の容量を調整することにより、時定数を調整することができる。本第3実施形態では、抵抗素子35は、抵抗素子15と同じ抵抗値に調整され、キャパシタ37は、キャパシタ17と同じ容量値に調整されている。これにより、ステップ信号の立ち上がりを緩やかにすることができ、それによって立ち上がり時に発生するスパイク電流を抑制させることができる。
なお、補償回路用電荷放出回路が容量性素子としてのキャパシタ37の場合について説明したが、キャパシタ37の代わりに第3の端子37aとなるカソード端子と、第4の端子37bとなるアノード端子とを有するダイオードとしても同様の効果を奏する。また、本第3実施形態でも図2(a),図2(b)と同様に、補償回路用電荷放出回路がダイオードやキャパシタとダイオードとの並列回路であってもよく、キャパシタやダイオードの数も1つに限らず、複数個並列接続されていてもよい。
[第4実施形態]
次に、本発明に係る第4実施形態の半導体発光素子駆動装置について説明する。図5は、本発明の第4実施形態に係る半導体発光素子駆動装置の概略構成を示す電気回路図である。なお、上記第3実施形態と同様の構成については、同一符号を付して説明を省略する。図5において、半導体発光素子駆動装置50Dは、上記第3実施形態と同様に、補償回路用電荷放出回路としての容量性素子であるキャパシタ37を備えているが、キャパシタ37の第3の端子37aの接続位置が上記第3実施形態と異なる。なお、キャパシタ17は、上記第2実施形態と同様の接続位置である。具体的には、キャパシタ17の第1の端子17aは、制御信号線11における抵抗素子15の他方の端子15bと駆動制御部13Cの制御信号出力端子13aとの間にある接続点A’に接続されて、抵抗素子15の他方の端子15bに電気的に接続されている。また、キャパシタ37の第3の端子37aは、相補信号線31における抵抗素子35の他方の端子35bと駆動制御部13Cの相補信号出力端子13bとの間にある接続点C’に接続されて、抵抗素子35の他方の端子35bに電気的に接続されている。キャパシタ17の第2の端子17bは、接続点Bに接続され、キャパシタ37の第4の端子37bは、接続点Dに接続されている。
本第4実施形態による半導体発光素子駆動装置50Dによれば、上記第3実施形態と略同様の効果が得られる。しかも、キャパシタ17,37への充放電の速度を上記第3実施形態よりも早くなる。よって、制御信号の立ち上がり時の半導体発光素子1の応答速度が上がり、高速化が可能となり、また、相補信号の立ち上がり時に補償回路21の応答速度が半導体発光素子1の応答速度に近づけられるので、安定した動作を確保することができる。そして、半導体発光素子駆動装置50Dを電子写真式の画像形成装置に適用した場合には、高解像度化が可能となる。さらに、本第4実施形態では、抵抗素子15,35を経由しないので、上記第3実施形態よりも、半導体発光素子1及び補償回路21のキャパシタ23の充放電の速度を上げることができる。なお、本第4実施形態でも図2(a),図2(b)と同様に、補償回路用電荷放出回路及び電荷放出回路がダイオードやキャパシタとダイオードとの並列回路であってもよく、キャパシタやダイオードの数も1つに限らず、複数個並列接続されていてもよい。
なお、上記第1〜第4実施形態では、半導体発光素子が垂直共振器面発光レーザ(VCSEL)素子である場合について説明したが、これに限らず、寄生容量を有する半導体発光素子であれば、本発明は適用可能である。
図1に示した第1実施形態による構成を用いて、回路シミュレーションを行った結果を図6〜図8に示す。なお、図1(a)における半導体発光素子1は、図1(b)に示すような等価回路に置き換えて計算した。つまり、面発光型レーザを想定して、内部抵抗値を1kΩ、寄生容量値を20pFとした。トランジスタ9を2SC1815(東芝セミコンダクター社製)とし、抵抗素子15を10Ω、キャパシタ17を50pF、抵抗素子7を1Ω、キャパシタ19を0.1μFとした。また、駆動制御部13の制御信号出力端子13aからは制御信号としてステップ信号、定電圧源3はDC信号の出力とした。ステップ信号は、HIGHレベル:3V、LOWレベル:0V、立ち上がり時間:1n秒、立ち下がり時間:1n秒、パルス幅:30n秒、周期:100n秒とした。また、DC信号は、振幅:5Vとした。
図6(a)に図1におけるトランジスタ9のベース端子―エミッタ端子間電圧波形を示す。RC回路による時定数調整により、本来の立ち上がり時間:1n秒のところが、1.5n秒となり、傾きが緩やかになった。また、図6(b)に図1における半導体発光素子1に印加される電圧波形を示す。まず、立ち下がりに着目すると、キャパシタ17による放電経路の確保により、約2n秒でHIGHレベルからLOWレベルになっており、トランジスタ9がオフの期間において、半導体発光素子1にほとんど電圧が印加されない。つまり、オフの期間において、半導体発光素子1には電流がほとんど流れないということになる。また、立ち上がりに着目すると、立ち上がり時間が1.5n秒と、図6(a)で示したベース端子―エミッタ端子間電圧と同じである。これは、キャパシタ17が放電経路の確保と同時に充電経路の確保の役割を持っているためである。
次に、図7(a)に半導体発光素子1に流れる電流の電流波形、図7(b)に電源配線5aに流れる電流のスペクトラムを示す。なお、図8(a)に無対策時(RC回路なし)の場合に半導体発光素子に流れる電流の電流波形、図8(b)に無対策時(RC回路なし)の場合に電源配線に流れる電流のスペクトラムを示す。図7(a)に示す立ち上がり時におけるスパイクが、図8(a)の無対策時(RC回路なし)に比べて、0.07倍程度と大幅低減された。スパイクが大幅低減されたため、図7(b)に示した電源配線5aに流れる電流のスペクトラムを見ると、図8(b)に示した無対策時(RC回路なし)と比べて、0〜1GHzにおいて全体的に小さい値となった。このことは、電源配線5aからの放射ノイズを低減したということを意味する。
以上の実験結果から、本実施例の特徴について以下にまとめる。トランジスタ9のオン→オフ時において、半導体発光素子1の寄生容量に蓄積された電荷の放電経路を確保することで、残留電荷による半導体発光素子1の無駄な消耗の防止が可能になる。トランジスタ9のオフ→オン時において、半導体発光素子1の寄生容量への充電経路を新たに設けることで、半導体発光素子1の応答速度を向上できることにより、半導体発光素子駆動装置の高解像度化、高速化が可能になる。RC回路による時定数調整により、立ち上がり時のスパイクを大幅低減することができ、スパイクによる半導体発光素子1の無駄な消耗の防止、ならびに低ノイズ化が可能になる。
[比較例]
図9に示した従来例による構成を用いて、回路シミュレーションを行った結果を図10及び図11に示す。図9における半導体発光素子101を図1(b)に示すような等価回路に置き換えて計算した。即ち、面発光型レーザを想定して、内部抵抗値を1kΩ、寄生容量値を20pFとした。トランジスタ102を2SC1815(東芝セミコンダクター社製)とし、抵抗素子104を10Ω、キャパシタ105を200pF、抵抗素子107を1Ω、容量性素子108を0.1μFとした。また、駆動制御部103の制御信号出力端子103aからはステップ信号、定電圧源106からはDC信号を出力するとした。なお、上記ステップ信号及びDC信号は、上記実施例と同じ条件とした。
図10(a)に図9におけるトランジスタ102のベース端子―エミッタ端子間電圧波形を示す。また、図10(b)に図9における半導体発光素子101に印加される電圧波形を示す。図10(a)に示すように、RC回路による時定数調整により、本来の立ち上がり時間:1n秒のところが、2n秒となり、傾きが緩やかになった。そのため、図11(a)の半導体発光素子101に流れる電流波形に示すように、立ち上がり時におけるスパイクが、図8(a)の無対策時(RC回路なし)に比べて0.2倍程度と大幅低減された。スパイクが大幅低減されたため、図11(b)に示した電源配線109に流れる電流のスペクトラムを見ると、図8(b)に示した無対策時(RC回路なし)と比べて、0〜1GHzにおいて全体的に小さい値となった。このことは、電源配線109からの放射ノイズを低減したということを意味する。
次に図10(b)に示す立ち下がりに着目すると、トランジスタ102がオフの期間内でLOWレベルまで下がりきっていない。言い換えると、オフの期間においても、半導体発光素子101に電圧を印加し続けることになる。よって、半導体発光素子101に電流が流れ続けることになってしまう。また、立ち上がりに着目すると、立ち上がり時間が12n秒と、図10(a)で示したベース端子―エミッタ端子間電圧と比べて6倍と遅い。
以上の実験結果から、従来例の特徴について以下にまとめる。RC回路による時定数調整により、立ち上がり時のスパイクを大幅低減することができ、スパイクによる半導体発光素子101の無駄な消耗の防止、ならびに低ノイズ化が可能になる。しかし、トランジスタ102のオン→オフ時において、半導体発光素子101の寄生容量に蓄積された電荷の放電経路を確保できていないので、残留電荷によって半導体発光素子101が無駄に消耗してしまう。また、トランジスタ102のオフ→オン時において、半導体発光素子101の寄生容量への充電経路は、トランジスタ102のエミッタ端子経由しかない。したがって、スパイク対策のための時定数調整による波形鈍りの影響を大きく受けてしまう。その結果、半導体発光素子101の応答速度が下がり、半導体発光素子駆動装置の高解像度化、高速化を実現できない。したがって、本実施例において、残留電荷による半導体発光素子1の無駄な消耗の防止が可能となり、半導体発光素子1の応答速度が向上することにより、半導体発光素子駆動装置の高解像度化、高速化が可能になることがわかる。
1 半導体発光素子
5 電源供給線
9 トランジスタ(スイッチング素子)
11 制御信号線
13 駆動制御部(制御信号出力手段,相補信号出力手段)
15 抵抗素子
17 キャパシタ(電荷放出回路)
17A ダイオード(電荷放出回路)
17a 第1の端子
17b 第2の端子
21 補償回路
27 補償回路用電源供給線
29 トランジスタ(補償回路用スイッチング素子)
31 相補信号線
35 相補信号線用抵抗素子
37 キャパシタ(補償回路用電荷放出回路)
37a 第3の端子
37b 第4の端子
50,50B,50C,50D 半導体発光素子駆動装置

Claims (8)

  1. 半導体発光素子を備え、前記半導体発光素子に電流を供給して前記半導体発光素子を発光させる半導体発光素子駆動装置において、
    前記半導体発光素子に電流を供給するための定電圧源と、
    前記半導体発光素子に直列接続され、前記定電圧源により前記半導体発光素子へ電流を供給する導通状態と前記半導体発光素子への電流の供給を停止する非導通状態とに切り換わるスイッチ素子と、
    制御信号線によって前記スイッチ素子に接続され、前記スイッチ素子の導通状態と非導通状態との切り換えを制御する制御信号を、前記制御信号線を介して前記スイッチ素子に出力する制御信号出力手段と、
    前記制御信号線に電気的に接続される第1の端子と前記半導体発光素子のアノード端子に電気的に接続される第2の端子とを有し、前記スイッチ素子が非導通状態のときに、前記半導体発光素子に蓄積されている残留電荷を、前記スイッチ素子を迂回して前記制御信号線に放出する電荷放出回路と、を備えたことを特徴とする半導体発光素子駆動装置。
  2. 前記制御信号線に設けられた抵抗素子を備え、
    前記電荷放出回路の第1の端子が前記抵抗素子の一対の端子のうちいずれかの端子に電気的に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子駆動装置。
  3. 前記電荷放出回路は、容量性素子を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体発光素子駆動装置。
  4. 前記電荷放出回路は、前記第1の端子となるカソード端子と、前記第2の端子となるアノード端子とを有するダイオードを備えていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体発光素子駆動装置。
  5. 前記半導体発光素子と等価なインピーダンス特性を有する補償回路と、
    前記補償回路に直列接続され、前記定電圧源により前記補償回路へ電流を供給する導通状態と前記補償回路への電流の供給を停止する非導通状態とに切り換わる補償回路用スイッチ素子と、
    相補信号線によって前記補償回路用スイッチ素子に接続され、前記制御信号と相補関係にある相補信号を、前記相補信号線を介して前記補償回路用スイッチ素子に出力する相補信号出力手段と、
    前記相補信号線に電気的に接続される第3の端子と前記補償回路のスイッチ素子側の端子に電気的に接続される第4の端子とを有し、前記補償回路用スイッチ素子が非導通状態のときに、前記補償回路の容量成分に蓄積されている残留電荷を、前記補償回路用スイッチ素子を迂回して前記相補信号線に放出する補償回路用電荷放出回路と、を備えたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の半導体発光素子駆動装置。
  6. 前記相補信号線に設けられた相補信号線用抵抗素子を備え、
    前記補償回路用電荷放出回路の第3の端子が前記相補信号線用抵抗素子の一対の端子のうちいずれかの端子に電気的に接続されていることを特徴とする請求項5に記載の半導体発光素子駆動装置。
  7. 前記補償回路用電荷放出回路は、容量性素子を有していることを特徴とする請求項5又は6に記載の半導体発光素子駆動装置。
  8. 前記補償回路用電荷放出回路は、前記第3の端子となるカソード端子と、前記第4の端子となるアノード端子とを有するダイオードを備えていることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載の半導体発光素子駆動装置。
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