JP2011238699A - ケース付リアクトルの製造方法及びケース付リアクトル - Google Patents

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Abstract

【課題】ケース付リアクトルのための所要部品点数を少なくし、併せてケース付リアクトルの放熱性を改善することのできるケース付リアクトルの製造方法を提供する。
【解決手段】軟磁性粉と熱可塑性樹脂との混合材で構成した成形体をコア16として、コア16の内部にコイル10を内蔵したリアクトルを金属製のケース114の内部に収めて成るケース付リアクトルを製造するに際して、ケース114を底壁部120を含む第1分割体としての容器部110と上壁部とにコイル軸方向に分割し、コア16の射出成形時に容器部110をコア16に一体化する。
【選択図】 図10

Description

この発明は軟磁性粉と樹脂との混合材で構成した成形体をコアとしてその内部にコイルを内蔵したリアクトルを、冷却用の金属のケースの内部に収めて成るケース付リアクトルの製造方法及びケース付リアクトルに関する。
コアの内部に導体線材を巻いて成るコイルを内蔵したインダクタンス部品としてのリアクトルが、従来様々な分野で用いられている。
例えばハイブリット自動車や燃料電池自動車,電気自動車等ではバッテリーと、モータ(電気モータ)に交流電力を供給するインバータとの間に昇圧回路が設けられており、その昇圧回路にインダクタンス部品であるリアクトル(チョークコイル)が用いられている。
例えばハイブリット自動車では、バッテリーの電圧は最大で300V程度であり、一方モータには大出力が得られるように600V程度の高電圧を印加する必要がある。そのための昇圧回路用の部品としてリアクトルが用いられている。
このリアクトルは太陽光発電の昇圧回路用その他にも広く用いられている。
従来において、このリアクトルとしては一対のU字状のコア片をそれぞれの端面間に所定のギャップを生ぜしめる状態に配置して成るコアの周りに、コイルを巻回した形態のものが一般に使用されていた。
しかしながらこの種形態のリアクトルの場合、コイルが外部に露出した状態にあるため、コイルの励磁に伴いコイル振動が発生してこれが騒音となったり、またコア片間のギャップの寸法を高精度で定めなければならない他、コアとコイルとの組付けの工程が必要である等の問題があり、そこで軟磁性粉と樹脂との混合材から成る成形体(軟磁性樹脂成形体)にてコアを構成し、そしてそのコアの内部にコイルを隙間なく埋込状態に一体に内包した形態のリアクトルが提案されている。
例えば下記特許文献1,特許文献2にこの種形態のリアクトル及びその製造方法が開示されている。
これら特許文献1,特許文献2に示すリアクトルの製造方法は、外ケースないし容器の内部にコイルをセットした状態で、熱硬化性の樹脂の液に軟磁性粉を分散状態に混合したものを、外ケースないし容器の内部に注入し、そしてその後これを所定温度に加熱し且つ所定時間かけて樹脂液を硬化反応させ、以てコアを成形すると同時にコイルと一体化させるといったものである。
このようにして得たリアクトルの場合、コイル振動に伴う騒音の発生を防止でき、またコア片とコア片との間にギャップを高精度で設定するといったことを必要とせず(成形体コアの磁性粉と磁性粉との間に微小なギャップが形成される)、更にコアとコイルとの組付けの工程を必要としない他、コイルをコア(軟磁性樹脂成形体)にて外側から保護できる等の利点を有する。
しかしながら一方で上記リアクトルの製造方法の場合、軟磁性粉を含んだ樹脂の液を硬化させるための大型の加熱炉が必要であるとともに、硬化のための多量の熱エネルギーが必要であったり、また硬化のために長い時間がかかり、コスト的に高くなるとともに生産性を高めることが難しいといった問題がある。
そこでかかるリアクトルの製造方法として、コイルを成形型のキャビティ内にセットしておき、軟磁性粉と熱可塑性樹脂との混合材をキャビティに射出し、以てコアを射出成形するとともにその内部にコイルを埋込状態に一体化する方法が考えられる。
この射出成形による製造方法によれば、特許文献1,特許文献2に示す製造方法の有する様々な問題を解決することが可能である。
ところで、リアクトルは動作時に発熱を生じて温度上昇する。この温度上昇はリアクトルの作動の安定性を損なう要因となるとともに、例えば自動車の昇圧回路に用いられるリアクトルは極めて長期に亘って使用される部品であり、温度上昇が長期間繰り返されると熱履歴によりバインダとしての樹脂が劣化し、ひいては部品寿命を短くしてしまうことに繋がる。
このため、軟磁性粉と樹脂との混合材でコアを構成して成るリアクトルでは許容可能な到達温度(最高温度)が設定され、内部発熱による温度上昇が、その設定最高温度以下に抑制されることが求められる。
リアクトルの発熱による温度上昇を抑制するため、リアクトルを設置するに際しては、これを冷却用の金属製のケースの内部に収めて相手部材に取り付けることが行われる。
この場合、コアを成形してリアクトルを製造した後に、コアに対してケースをねじ等の締結具で締結固定したり、或いは接着剤で固着したりすることとなるが、この場合ケースが別部品として必要となり、全体の所要部品点数が多くなるとともに、コアとケースとの組付けの工程も必要となって、ケース付リアクトルのコストが高くなってしまう。
しかもねじ等の締結具で締結固定した場合には、リアクトルコアとケースとの間に隙間が生じてその隙間が熱伝達を阻害し、放熱性を悪化させてしまう。
また接着剤で固着する場合においても、隙間の発生は防げるものの、接着剤による接着層がコアとケースとの間に介在して、この接着層が熱伝達を阻害し、同様に放熱性を悪化させてしまう要因となる。
またその他に、リアクトルのコアを射出成形にて成形する場合、鉄粉等の軟磁性粉を多量に含有した混合材が、強い圧力で成形金型のキャビティ内に射出され、またキャビティ内を流動するため、成形金型の成形面がその軟磁性粉を含んだ混合材にて削られ、場合によってその削られたものがコアの中に入り込んでしまう恐れがある。
また射出成形の繰返しにより成形金型の成形面が削られることによって、コア成形の形状精度,寸法精度が次第に悪化し、成形金型が早期に寿命に達してしまう。そして成形金型に要するコストがまた、リアクトルのコストを押し上げる要因となる。
特開2007−27185号公報 特開2008−147405号公報
本発明は以上のような事情を背景とし、ケース付リアクトルのための所要部品点数を少なくし、またケースとリアクトルとの組付けのための工数を削減できるとともに、リアクトルのコアを射出成形するための成形金型に要するコストを削減でき、併せてケース付リアクトルの放熱性を改善することのできるケース付リアクトルの製造方法及びケース付リアクトルを提供することを目的としてなされたものである。
而して請求項1はケース付リアクトルの製造方法に関するもので、軟磁性粉と樹脂との混合材で構成した成形体をコアとして、該コアの内部に導体線材を巻回して成るコイルを内蔵したリアクトルを、筒状の周壁部と該周壁部のコイル軸方向の下端開口を閉鎖する底壁部,上端開口を閉鎖する上壁部を有する金属製のケースの内部に収めて成るケース付リアクトルを製造するに際して、前記ケースを前記底壁部を含む第1分割体と前記上壁部を含む第2分割体とに前記コイル軸方向に分割し、前記軟磁性粉と熱可塑性樹脂との混合材(混合材は他の材料を含有していても良い)を射出成形して前記コアを成形するとともに、該射出成形により少なくとも前記ケースの第1分割体を該コアに一体化することを特徴とする。
請求項2のものは、請求項1において、前記第1分割体は、前記底壁部と前記周壁部の少なくとも一部を有する容器状となしてあることを特徴とする。
請求項3のものは、請求項1,2の何れかにおいて、前記コアを前記第1分割体に対応した第1成形体と、前記第2分割体に対応した第2成形体とに分けてそれぞれを射出成形し、該第1成形体を前記第1分割体と一体に射出成形し、前記第2成形体を前記第2分割体と一体に射出成形することを特徴とする。
請求項4のものは、請求項2,3の何れかにおいて、前記コイルの全体を外側から包み込む状態に電気絶縁性の樹脂にて被覆してコイル被覆体を成形する工程Aと、該コイル被覆体を包み込む状態に前記軟磁性粉と熱可塑性樹脂との混合材を射出成形して前記コアを成形するとともに、該コアの内部に該コイル被覆体を隙間無く埋込状態に一体化する工程Bと、を経て前記リアクトルを製造し、且つ前記工程Bを、前記コアの、前記コイル被覆体の外周面に接する筒状の外周側成形部を含む、コイル軸方向の一端側に該コイル被覆体の嵌込用の開口を有する形状の第1成形体を1次成形体として予め射出成形しておく工程B-1と、該コイル被覆体の内周面に接する内周側成形部を含む第2成形体を2次成形体として射出成形する工程B-2と、に分け、前記工程B-1では、前記周壁部の少なくとも一部を備えた前記第1分割体を成形装置にセットして該第1分割体の内側に前記混合材を射出して前記第1成形体を該第1分割体と一体に射出成形し、前記工程B-2では、該工程B-1で得た前記第1成形体の前記外周側成形部に前記コイル被覆体を内嵌状態に嵌合し保持させた状態で前記第2成形体を射出成形すると同時に、該第2成形体を前記第1成形体及び前記コイル被覆体と一体化することを特徴とする。
請求項5のものは、請求項4において、前記工程B-2では、前記第2分割体を成形装置にセットした状態で該第2分割体の内側に前記混合材を射出して前記第2成形体を射出成形し、該射出成形時に同時に該第2成形体に対し該第2分割体を一体化することを特徴とする。
請求項6のものは、請求項4,5の何れかにおいて、前記コイル被覆体を成形する工程Aでは、該コイルを包み込む状態に被覆する樹脂被覆層を熱可塑性樹脂にて射出成形するとともに、該工程Aを、前記コイルの内周面又は外周面に対して該樹脂被覆層用の1次成形型を接触させ、該1次成形型にて該コイルを該内周面又は外周面において径方向に位置決めし拘束した状態で、該コイルの外周側又は内周側に形成される該1次成形型の1次成形キャビティに樹脂材料を射出して、前記樹脂被覆層における外周被覆部又は内周被覆部を含む1次成形体を成形し且つ該コイルと一体化する工程A-1と、しかる後該1次成形体を該コイルとともに該樹脂被覆層用の2次成形型にセットして、該コイルの内周側又は外周側に形成される該2次成形型の2次成形キャビティに前記樹脂材料を射出して、前記樹脂被覆層における内周被覆部又は外周被覆部を含む2次成形体を成形し且つ該コイル及び前記1次成形体と一体化する工程A-2と、に分けて射出成形を行うことを特徴とする。
請求項7はケース付リアクトルに関するもので、軟磁性粉と樹脂との混合材で構成した成形体をコアとして、該コアの内部に導体線材を巻回して成るコイルを内蔵したリアクトルを、筒状の周壁部と該周壁部のコイル軸方向の下端開口を閉鎖する底壁部,上端開口を閉鎖する上壁部を有する金属製のケースの内部に収めて成るケース付リアクトルであって、前記ケースは、前記底壁部を含む第1分割体と前記上壁部を含む第2分割体とに前記コイル軸方向に分割され、前記コアは、前記軟磁性粉と熱可塑性樹脂との混合材の射出成形により成形され、該コアに対して少なくとも前記ケースの前記第1分割体が該コアに対する接触面の全面で接着剤による接着層を介さずに直接接合一体化されていることを特徴とする。
発明の作用・効果
上記のように請求項1の製造方法は、金属製のリアクトルのケースを、底壁部を含む第1分割体と上壁部を含む第2分割体とにコイル軸方向に分割し、コアを射出成形する際に少なくともその第1分割体をコアに一体化するもので、この請求項1によれば、第1分割体をコアに一体化することで所要部品点数を少なくでき、また第1分割体をコアに組み付けるための工程を削減することができる。
またコアを射出成形する際に、金属製のケースの第1分割体が成形金型の一部として働くため、第1分割体の位置する部分において成形金型を不要化でき、従って第1分割体の位置する部分において成形金型を寿命により取り替えるといったことを不要化できる。
更に第1分割体はコアの射出成形時に一体にコアに固着されるため、第1分割体とコアとを接着剤で固着する必要がなくなり、従ってそれらの間に介在する接着剤の層によって熱の伝達が阻害される問題を解消し、放熱性を改善することが可能となる。
この場合において、上記第1分割体は底壁部と周壁部の少なくとも一部を有する容器状となしておくこと(請求項2)、特に周壁部の全体を有する容器状となしておくことができる。
本発明ではまた、上記コアをケースの第1分割体に対応した第1成形体と、ケースの第2分割体に対応した第2成形体とに分けてそれぞれを射出成形し、そして第1成形体を第1分割体と一体に射出成形し、第2成形体を第2分割体と一体に射出成形するようになすことができる(請求項3)。
次に請求項4の製造方法は、コイル全体を外側から包み込む状態に電気絶縁性の樹脂にて被覆しコイル被覆体を成形する工程Aと、コイル被覆体を包み込む状態に軟磁性粉と熱可塑性樹脂との混合材を射出成形してコアを成形するとともに、コアの内部にコイル被覆体を隙間無く埋込状態に一体化する工程Bとを経てリアクトルを製造する。
また上記の工程Bを、コアの、コイル被覆体の外周面に接する筒状の外周側成形部を含む、コイル軸方向の一端側にコイル被覆体の嵌込用の開口を有する形状の第1成形体を1次成形体として予め射出成形しておく工程B-1と、コイル被覆体の内周面に接する内周側成形部を含む第2成形体を2次成形体として成形する工程B-2とに分け、そして工程B-1では、上記ケースにおける周壁部の少なくとも一部を備えた上記の第1分割体を成形装置にセットして第1分割体の内側に混合材を射出して第1成形体を第1分割体と一体に射出成形し、また工程B-2では、工程B-1で得た第1成形体の外周側成形部にコイル被覆体を内嵌状態に嵌合し保持させた状態で第2成形体を成形すると同時に第2成形体を第1成形体及びコイル被覆体と一体化する。
この製造方法によれば次のような利点が得られる。
コアを射出成形するに際し、単にコイルを射出成形型の内部にセットした状態で、コイルを隙間無く埋込状態に一体化する状態にコアを射出成形した場合、次のような困難な問題が生ずる。
軟磁性粉末と熱可塑性樹脂との混合材は、成形型のキャビティへの射出時において温度が例えば300℃以上の溶融状態で液状のものであり、射出後に成形型内部で成形型により冷却されて固化し成形体となる。
その際に、或いはその後成形型から取り出されて室温まで冷却される過程で、成形体としてのコアが大きく径方向に収縮しようとする。
ところがコアの内部には金属製のコイルが位置しているため、コアはコイルの外周側において径方向に収縮することができず(コアと金属製のコイルとの間には熱膨張係数に大きな差がある)、その結果コイルの外周側部分が周方向に収縮しようとして、図17に示すようにコア16の外周側成形部に亀裂Kが発生してしまうのである。
コア16におけるこのような亀裂Kの発生はリアクトルとしての性能を低下させる要因となる。
しかるにリアクトルを請求項4に示す方法で製造するようになした場合、この製造方法では、コアにおける外周側部分(外周側成形部)を予めコイルとは別に単独で第1成形体(1次成形体)として成形しておくため、コアの成形に際してその内側に位置しているコイルが原因となって外周側成形部に亀裂発生するといった問題は生じない。
外周側成形部を含む1次成形体を、コイルとは別に単独で予め成形しておくため、その成形時に1次成形体、詳しくは外周側成形部が冷却に伴って自由に収縮することができるからである。
一方、コイルの内周面(厳密にはコイル被覆体の内周面)に接する内周側成形部を含む2次成形体は、コイルを成形型にセットした状態でコイルと一体に成形されるが、この内周側成形部は径方向に収縮するに際してコイルによる抵抗を特に受けないため、その収縮によって亀裂発生するといった問題は特に生じない。
即ち上記の製造方法によれば、コイルの存在によってコアに亀裂が発生する問題を有効に解決することができる。
この製造方法ではまた、工程B-1で得た1次成形体の外周側成形部にコイル被覆体を内嵌状態に嵌合させ、そしてその1次成形体の外周側成形部をケースの第1分割体にて外周側から径方向に拘束し保持した状態で、コアの内周側成形部を含む2次成形体を成形することができる。
この状態でコアの2次成形体を成形した場合、2次成形体の成形に際してコイルが射出圧及び流動圧にてセット位置から位置ずれするのを防止でき、コイルを予め設定した位置に正確に位置決めし且つ保持した状態でコアを成形完了することができる。
従ってコアの成形時にコイルが位置ずれすることによって、リアクトルの特性に悪影響が及ぶのを良好に防止することができる。
尚、外周側成形部を含むコアの第1成形体(1次成形体)をケースの第1分割体と一体に射出成形する際、第1分割体は保持型によって位置決状態に固定しておく。
ここで保持型はコアの1次成形体を成形するものではなく、成形面を備えておく必要はない。従って第1成形体を成形するに際してその成形面が削られて損耗するといったことはなく、従ってこの保持型は射出成形によって消耗してしまう問題は有していない。
尚この請求項4において、第1分割体は周壁部の全体を有する形状となしておくことができる。
またコアの第1成形体は、コイル被覆体より下部の下部成形部を外周側成形部と一体に有する形状となしておくことができ、また第2成形体は、コイル被覆体よりも上部の上部成形部を内周側成形部と一体に有する形状となしておくことができる。
請求項5の製造方法は、請求項4において上記の工程B-2では、ケースの第2分割体を成形装置にセットした状態で第2分割体の内側に軟磁性粉と熱可塑性樹脂との混合材を射出してコアの第2成形体を射出成形し、その射出成形と同時に第2成形体に対して第2分割体を一体化するもので、この製造方法によれば、ケースの第2分割体を成形金型の一部として働かせることができる。
而して第1分割体と第2分割体とでケースの全体を構成するようにすれば、コア全体を成形するための成形面を備えた成形金型を不要化でき、またコアとケースとの接合面全体に亘って接着剤による接着層を介在させる必要がなく、ケース付リアクトルの放熱性を効果的に高めることができる。
またケース付リアクトルの所要部品点数を少なくできるとともにケースとコアとの組付けの工程を削減でき、生産性を高めることができるとともに所要コストを低減することができる。
次に請求項6の製造方法は、コイル被覆体(厳密には樹脂被覆層)を射出成形にて成形するようになし、そしてこの射出成形の工程Aを、工程A-1と、工程A-2とに分けて射出成形するようになしたものである。
この製造方法では、工程A-1で、コイルの内周面又は外周面に対して樹脂被覆層用の1次成形型を接触させて、コイルを径方向に位置決めし拘束した状態で、コイルの外周側又は内周側に形成される1次成形キャビティに樹脂材料を射出して、樹脂被覆層における外周被覆部又は内周被覆部を含む1次成形体を成形し且つコイルと一体化する。
そして工程A-2では、その後において1次成形体をコイルとともに2次成形型にセットし、コイルの内周側又は外周側に形成される2次成形キャビティに上記樹脂材料を射出して、樹脂被覆層における内周被覆部又は外周被覆部を含む2次成形体を成形し、且つコイル及び1次成形体と一体化する。
この請求項6の製造方法では、コイル被覆体を射出成形するに際し、成形を少なくとも2回に分けて行うことで、コイルを成形型により良好に位置決めし保持した状態でコイル被覆体、即ち樹脂被覆層を良好に射出成形することができ、その成形に際して、コイルが射出圧や流動圧により位置ずれしてしまうのを良好に防止することができ、且つ樹脂被覆層をコイル被覆状態に良好に成形することができる。
次に請求項7はケース付リアクトルに関するもので、このケース付リアクトルは、ケースが底壁部を含む第1分割体と上壁部を含む第2分割体とに分割されるとともに、コアが軟磁性粉と熱可塑性樹脂との混合材の射出成形により成形され、そしてそのコアに対して少なくともケースの第1分割体が、コアに対する接触面の全面で接着剤による接着層を介さずに直接接合一体化されて成るもので、ケース付リアクトルをこのように構成しておくことで、これを請求項1の製造方法によって容易に成形することができる。
またこのケース付リアクトルは、ケースの少なくとも第1分割体が接着剤による接着層を介さずに直接コアに固着されているため、コアからケースの少なくとも一部即ち第1分割体への熱伝導を良好となし得、放熱性を高めることができる。
尚本発明は、周波数が1〜50kHzの交番磁界中で使用されるリアクトル、例えば上記のハイブリット自動車や燃料電池自動車,電気自動車或いは太陽光発電の昇圧回路に用いられるリアクトルに好適に適用可能である。
尚、本発明のリアクトルは以下のような構成とすることができる。
(軟磁性粉末の成分について)
本発明では、軟磁性粉末として純Fe若しくはSiを0.2〜9.0%(質量%以下同じ)含有した組成の粉末を用いるのが望ましい。
純Feはコアロスが高い難点がある一方で安価で取扱い易く、磁性材料中では磁束密度がパーメンジュールに次いで高い特徴を有し、従ってこの特徴を重視する場合には純Feの粉末を用いるのが望ましい。
Siを0.2〜9.0%含有したFe基軟磁性合金の粉末は、Siの増加に伴い純Feより磁束密度は低くなるが、コアロスも小さくできるため、両者のバランスが良く取扱い易い利点を有する。
特にSiの含有量が6.5%のときコアロスは極小値を取り、磁束密度も比較的高いため、優れた軟磁性材料となる。
Siが6.5%を超えるとコアロスは増加に転じるが、それでも9.0%までは磁束密度も高いため十分実用的である。
但し9.0%を超えると磁束密度は小さく、コアロスは大きくなる。
一方0.2%未満ではほぼ純Feと同じ特徴となる。
Si含有のFe基軟磁性合金の粉末において、Siを6〜7%含有したものは、インダクタンス特性と発熱特性とのバランスが良く、これらを重視する場合にはSiを6〜7%含有した組成のものを用いるのが望ましい。
他方Siを2〜3%含有したものは、コストとインダクタンス特性及び発熱特性等の性能のバランスが良く、この点を重視する場合にはSiを2〜3%含有したものを用いるのが望ましい。
本発明では、軟磁性粉末に必要に応じてCr,Mn,Niの1種以上を任意元素として添加しておくことができる。
但しCrを添加する場合には、この添加量を5質量%以下とするのが良い。その理由はコアロスをより低減し易くなることによる。
またMn,Niは合計で1質量%以下とするのが良い。その理由は低い保磁力を維持し易くなることによる。
(粉末について)
上記軟磁性粉末は、ガス噴霧、水噴霧、遠心噴霧、これらの組み合わせ(例えば、ガス・水噴霧)、ガス噴霧直後に速やかに冷却する等によるアトマイズ法や、ジェットミル、スタンプミル、ボールミル等による機械粉砕法や、化学還元法などによる粉末を用いることができる。
比較的歪みが小さい、球状になりやすく分散性に優れる、粉砕に機械的エネルギーが不要であるなどの観点から、上記軟磁性粉末はアトマイズ法による粉末とするのが良い。より好ましくは歪みが小さく、酸化も少ないなどの観点からガスアトマイズ法による粉末とするのが良い。
上記軟磁性粉末の粒径は、例えば、アトマイズ時の粉末の歩留まり、混練時の混練トルクや焼き付き性、射出成形時の流動性、磁心で使用される周波数などの観点から1〜500μmの範囲内、好ましくは5〜250μmの範囲内、より好ましくは10〜150μmの範囲内とするのが良い。
粉末は粒径が小さくなるほど渦電流損失の低減には効果が大きいものの、逆にヒステリシス損失は大きくなる傾向がある。従って粉末の歩留り(すなわちコスト)と得られる効果(すなわちコアロス)とのバランス、使用される周波数などから、粉末の粒径の上下限や粒径の分布などを決めれば良い。
上記軟磁性粉末は、歪みの除去や結晶粒の粗大化を図るため、熱処理されていても良い。熱処理条件としては、水素、アルゴンの何れか一方または双方等の雰囲気下、温度700℃〜1000℃、時間30分〜10時間などを例示することができる。
軟磁性粉末とともにコア材を構成するバインダとしての熱可塑性樹脂としては、例えばポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂,ポリアミド(PA)樹脂,ポリエステル樹脂,ポリエチレン樹脂,ポリプロピレン樹脂などを例示することができる。
このうち耐熱性、難燃性、絶縁性、成形性、機械的強度などの観点からポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリアミド樹脂が好適である。
軟磁性粉末とバインダ(熱可塑性樹脂)との混合材(混合材にはこれら以外の材料を含有させておいても良い)における軟磁性粉末の割合は、磁束密度を高めたり、透磁率を適切な範囲としたり、熱伝導率を高めたりするなどの観点から30体積%以上、好ましくは50体積%以上、より好ましくは60体積%以上とするのが良い。
上記混合材にはまた、必要に応じて酸化防止剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、充填剤、安定剤、強化剤、着色剤などの各種添加剤を1種または2種以上含有させておいても良い。
一方コアを包み込む金属製のケースの材質としては、アルミニウム合金,銅合金,鉄合金等のものを用いることが可能であるが、放熱性とコストの観点でアルミニウム合金を用いるのが好適である。
このケースには、放熱性を高める目的で外面にフィンを設けたものとしておくことができる。
また本発明の製造方法(請求項1〜請求項3の製造方法)では、コイルを射出成形型のキャビティにセットした状態でコア用の混合材料を射出成形し、コアを成形すると同時にコイルをその内部に隙間無く一体に埋込状態とする方法の外、コイルとは別にコアを容器状に成形しておいて、そのコアに形成した凹部にコイルを収めるようにしてコアとコイルとを組み付け、リアクトルを構成するようになすことも可能である。
またコイルの形態は、平角線材を厚み方向に巻いて成るフラットワイズコイル,幅方向に巻いて成るエッジワイズコイル、その他様々な形態のコイルとすることが可能である。
本発明の一実施形態のケース付リアクトルを示した図である。 図1のリアクトルを示した図である。 図2のリアクトルの要部断面図である。 図2のリアクトルを分解して示した斜視図である。 図4のコイル被覆体を樹脂被覆層とコイルとに分解して示した斜視図である。 図5のコイルを図5とは別の角度から見た図及び上,下コイルに分解して示した図である。 同実施形態におけるコイル被覆体の成形手順の説明図である。 図7に続く成形手順の説明図である。 同実施形態のケース付リアクトルの製造方法の工程説明図である。 図9に続く製造方法の工程説明図である。 本発明の他の実施形態の図である。 コア材の温度測定点の位置を示した説明図である。 本発明の更に他の実施形態を示した図である。 本発明の更に他の実施形態を示した図である。 本発明の更に他の実施形態を示した図である。 本発明の更に他の実施形態を示した図である。 リアクトルのコアを射出成形する際の問題点を説明した際の説明図である。 比較例としてのケース付リアクトルの図である。
次に本発明の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1は、本発明の実施形態のケース付リアクトルを示している。図中15は、インダクタンス部品としてのリアクトル(チョークコイル)で、114はリアクトル15を内部に収める金属製、ここではアルミニウム合金製のケースである。
ケース114は、円筒状をなす周壁部118と、その下端開口を閉鎖する底壁部120と、上端開口を閉鎖する上壁部112とを有している。
この実施形態では、ケース114は周壁部118と底壁部120とを一体に有する第1分割体としての容器部110と、第2分割体としての蓋部をなす上壁部112とに図中上下方向、即ちリアクトル15の内部に埋め込まれた後述のコイル10(図2参照)のコイル軸方向に2分割されている。
ここで底壁部120は相手部材への固定部となる部分で平面4角形状をなしており、4つの角部が周壁部118よりも径方向外方に突出している。また周壁部118には周方向所定個所に切欠部122が設けられている。
これに対応して上壁部112には、周方向所定個所に図中下向きに突出する突片124が設けられ、この突片124が切欠部122に下向きに嵌め込まれるようになっている。
図1において、16はリアクトル15におけるコアで、このコア16は軟磁性粉と熱可塑性樹脂との混合材を射出成形した成形体から成るもので、平面形状が円形状をなしている。
コア16は、その射出成形時に容器部110と一体化され、外周面が容器部110の周壁部118の内周面に密着状態に接合一体化され、また図中下面が容器部110の底壁部120の図中上面に密着状態に接合一体化されている。
即ちコア16は、接着剤による接着層を介さずに直接容器部110への接触面が射出成形による一体化によって容器部110に接合一体化されている。
尚蓋部をなす上壁部112は、この例ではコア16の射出成形によるコア16即ちリアクトル15と容器部110との一体化の後において、それらに対して組み付けられている。
図2にリアクトル15の構成が具体的に示してある。
この例において、リアクトル15は軟磁性樹脂成形体から成るコア16の内部に絶縁被膜付きのコイル10を隙間無く埋込状態に内包し、一体化してある。即ちコア16は、ギャップを持たない構造のリアクトル15となるように作製してある。
この実施形態において、コイル10は図5〜図7(A)に示すようにフラットワイズコイルで、平角線材を線材の厚み方向(径方向)に巻き、重ねてコイル形状となしたもので、巻き加工し成形した自由形状状態で径方向に隣接する線材同士が互いに接触状態に重なっている。
本実施形態において、コイル10は図5,図6に示しているように上コイルブロック(以下単に上コイルとする)10-1と下コイルブロック(以下単に下コイルとする)10-2とを巻き方が反対方向になるようにコイル軸方向に上下に2段に段重ねして、それぞれの内径側の端部20を接合し、1つの連続したコイルとして構成してある。但し1本の線材で上コイル10-1と下コイル10-2とを連続して構成したものであっても良い。
尚、上コイル10-1と下コイル10-2との間には大きな電位差が生ずるため、それらの間には図6(B)に示しているように円環状の絶縁シート21が介装してある。ここで絶縁シート21は厚みが約0.5mm程度のものである。
尚図中18はコイル10におけるコイル端子で、径方向外方に突出せしめられている。
図6(A)に示しているように上コイル10-1,下コイル10-2は同一形状のもので、何れも平面形状が円環状をなしており、従ってコイル10全体も円環状をなしている。
尚コイル10は、図2に示しているようにコイル端子18の先端側の一部を除いて全体的にコア16に埋込状態に一体に内包されている。
この実施形態においてコイル10は銅,アルミニウム,銅合金,アルミニウム合金等種々の材質のものを用いることができる(但しこの実施形態ではコイル10は銅製である)。
絶縁被膜付きのコイル10は、コイル端子18の先端側の一部を除いて、その全体が電気絶縁性の樹脂で外側から被覆されている。
図2〜図4中、24はコイル10と樹脂被覆層22とから成るコイル被覆体で、コイル10はこのコイル被覆体24としてコア16の内部に埋め込まれている。
この実施形態において、樹脂被覆層22の厚みは0.5〜2.0mmとしておくことが好ましい。
この樹脂被覆層22は、軟磁性粉末を含有していない電気絶縁性の熱可塑性樹脂から成っている。その熱可塑性樹脂としてはPPS,PA12,PA6,PA6T,POM,PE,PES,PVC,EVAその他種々の材質のものを用いることができる。
図4の分解図にも示しているように、コア16は、第1成形体(1次成形体)16-1と第2成形体(2次成形体)16-2とを、図2(B)に示す境界面Pで射出成形による接合にて一体化して構成してある。
第1成形体16-1は、図2〜図4に示すようにコイル被覆体24の外周面に接する円筒状の外周側成形部25と、コイル被覆体24の図中下側に位置する下部成形部26とを有する容器状且つコイル軸方向の図中上端に開口30を有する形状をなしている。
尚、この第1成形体16-1の外周側成形部25には切欠部28が設けられている。
この切欠部28は、後述のコイル被覆体24の厚肉部36(図4参照)を嵌め入れるためのものである。
一方第2成形体16-2は、図2〜図4に示しているようにコイル被覆体24の内周面に接し、且つコイル10の内側の空所を埋めて第1成形体16-1における下部成形部26に達する内周側成形部32と、コイル被覆体24の図中上側に位置し、第1成形体16-1における上記の開口30を閉鎖して、第1成形体16-1の凹所40及びそこに収容されたコイル被覆体24を内側に隠蔽する円形の上部成形部34とを一体に有している。
一方、コイル10を被覆する樹脂被覆層22もまた、図5の分解図にも示しているように第1成形体(1次成形体)22-1と第2成形体(2次成形体)22-2とから成っており、それらが図2(B)に示す境界面Pにおいて射出成形による接合にて一体化されている。
第1成形体22-1は、コイル10の外周面を被覆する円筒状の外周被覆部46と、コイル10の下端面の全体を被覆する下被覆部48とを一体に有している。
一方第2成形体22-2は、コイル10の内周面を被覆する円筒状の内周被覆部50と、コイル10の上端面の全体を被覆する上被覆部52とを一体に有している。
尚、第1成形体22-1には径方向外方に突出する厚肉部36が全高に亘って形成されており、その厚肉部36に、これを径方向に貫通する一対のスリット38が形成されている。
コイル10における上記の一対のコイル端子18は、これらスリット38を貫通して第1成形体22-1の径方向外方に突出せしめられている。
また第2成形体22-2には、径方向外方に突出する舌片状の突部42が上被覆部52に一体に形成されている。第1成形体22-1における厚肉部36は、その上面がこの突部42にて被覆される。
図4〜図11に、図2のリアクトル15の製造方法が具体的に示してある。
この実施形態では、図7及び図8に示す手順に従って図7(A)に示す絶縁被膜付きのコイル10を外側から包み込むように樹脂被覆層22を形成し、コイル10と樹脂被覆層22とを一体化して成るコイル被覆体24を構成する。
このとき、図7(B)に示しているように先ず外周被覆部46と下被覆部48を一体に有する第1成形体22-1を成形し、しかる後に図8(C)に示すように内周被覆部50と上被覆部52とを一体に有する第2成形体22-2を成形し、樹脂被覆層22の全体を成形する。
図9に、その際の具体的な成形方法が示してある。
図9(A)において、54はコイル被覆体24具体的には樹脂被覆層22用の1次成形型で、上型56と下型58を有している。
ここで下型58は中型部58Aと外型部58Bとを有している。
図9(A)に示す1次成形型54を用いた1次成形では、先ずコイル10を1次成形型54にセットする。このときコイル10は図5に示す向きとは上下の向きを逆向きにしてセットする。
詳しくは下コイル10-2が上側に、上コイル10-1が下側に位置するように上下を逆向きにして1次成形型54にセットする。
そして中型部58Aをコイル10の内周面に接触させて、この中型部58Aによりコイル10の内周面を径方向に拘束し保持する。
そして1次成形型54の、コイル10の外周側に形成された1次成形キャビティ66に通路68を通じて樹脂(熱可塑性樹脂)材料を射出し、図2及び図7(B)に示す樹脂被覆層22の第1成形体22-1を射出成形する。
詳しくは、図9(B)に示す外周被覆部46と下被覆部48とを一体に有する第1成形体22-1を射出成形する。
以上のようにして樹脂被覆層22の第1成形体22-1を成形したら、これと一体のコイル10とともに、それらを図9(B)に示す第2成形型70にセットする。
このとき、図9(B)に示しているようにコイル10を第1成形体22-1とともに上下逆向きにして第2成形型70にセットする。
この2次成形型70は、上型72と下型74とを有している。また下型74は、中型部74Aと外型部74Bとを有している。
この2次成形型70は、第1成形体22-1をコイル10とともにセットした状態で、その内周側と上側とに2次成形キャビティ80を形成する。
この2次成形型70を用いた2次成形では、通路82を通じて1次成形の際の樹脂材料と同一の樹脂材料を2次成形キャビティ80に射出し、樹脂被覆層22における第2成形体22-2を射出成形して同時にこれを第1成形体22-1及びコイル10と一体化する。
本実施形態では、以上のようにして成形されたコイル被覆体24を、図2のコア16の成形の際にコア16と一体化する。
その具体的な手順が図10及び図1に示してある。
この実施形態では、コア16の全体を成形するに際して、図10(A)に示すように先ず容器状をなす第1成形体16-1を予め成形しておく。
このとき、第1成形体16-1をケース114における上記の容器部110と一体に射出成形しておく。
図10(A)において、84は成形装置で、この成形装置84は内側の成形型(金型)86と外側の保持型(金型)88とを有している。
ここで成形型86は、第1成形体16-1の内面を成形する成形面126を有している。
一方保持型88は、第1成形体16-1を成形するための成形面は備えておらず、これに代えて容器部110に対応した形状の凹所128を有している。保持型88はこの凹所128において容器部110を嵌込状態に収容し、これを位置決状態に固定し保持する。
この実施形態では、凹所128に容器部110をセットした状態で、通路92を通じて軟磁性粉末と熱可塑性樹脂の混合材をキャビティ94に射出し、以て外周側成形部25と下部成形部26とを一体に有する第1成形体16-1を射出成形する。
即ちここでは容器部110が成形型の一部として働き、内側の成形型86との間にキャビティ94を形成して、このキャビティ94への混合材の射出により、第1成形体16-1を内側の成形型86とともに成形する。
この第1成形体16-1の射出成形によって、容器部110が第1成形体16-1と一体化される。
詳しくは、第1成形体16-1は射出成形によってその外周面と図中の下面とが、ケース114の第1分割体としての容器部110の内面に対し、接触面の全面に亘って接着剤による接着層を介さずに直接接合一体化される。
図10(B)は、このようにして成形された第1成形体16-1を、これと一体化された容器部110とともに示している。
以上のようにして第1成形体16-1を容器部110と一体に成形したら、その後において図10(C)に示しているように、容器状をなす第1成形体16-1の凹所40の内部に、図7及び図8に示す手順で成形したコイル被覆体24を、第1成形体16-1の開口30を通じて図中下向きに全高に亘って嵌め込み、コイル被覆体24を第1成形体16-1にて保持させる。
そしてその状態で第1成形体16-1及びこれと一体の容器部110を、図10(C)の成形装置96にセットし、コア16における第2成形体16-2を射出成形して、これを第1成形体16-1,容器部110及びコイル被覆体24と一体化する。
図10(C)において、96は第2成形体16-2を射出成形するための成形装置で、この成形装置96は、第2成形体16-2の図中上面を成形するための成形型(金型)98と保持型(金型)100とを有している。
成形型98は成形面132を有しており、また保持型100は凹所128を有している。
この凹所128は、図10(A)の保持型88における凹所128と同様のものである。
保持型100は、この凹所128において容器部110を位置決状態に固定し保持する。
この2次成形では、図10(C)に示しているように保持型100にて容器部110を位置決状態に拘束保持し、またこれと一体の第1成形体16-1にてコイル被覆体24を位置決状態に保持拘束した状態の下で、キャビティ104よりも図中上方の通路102を通じてキャビティ104内に1次成形の際と同一の混合材を射出し、以て図2(B)及び図4の第2成形体16-2を成形し、同時にこれを第1成形体16-1及びこれと一体の容器部110に対して、更にコイル被覆体24に対して一体化する。
この2次成形に際して、コイル被覆体24は第1成形体16-1を介して容器部110により、成形装置96内で径方向にもまた上下方向にも位置決めされ、保持されているため、キャビティ104への混合材の射出によってコイル被覆体24が位置ずれを生じたり、コイル10が変形を生じたりすることはない。
尚この2次成形に際しても、容器部110は成形型の一部として働き、成形型98との間にキャビティ104を形成する。
以上のような本実施形態では、絶縁被膜付きのコイル10が外側から樹脂被覆層22にて被覆され保護された状態で、軟磁性粉末と熱可塑性樹脂との混合材が射出されてコア16が成形されるため、射出に際して混合材に含まれる鉄粉等の軟磁性粉末がコイル10の絶縁被膜に直接強く当ったり擦れたりするといったことがなく、従ってコア16の成形時にコイル10の絶縁被膜に軟磁性粉末が当ることによって絶縁被膜が損傷してしまうのを有効に防止することができる。
またコア16とコイル10の絶縁被膜との間には樹脂被覆層22が保護層ないし緩衝層として介在しているため、コア16の膨張収縮に伴う熱応力が絶縁被膜に直接作用することはなく、従ってその熱応力に起因する絶縁被膜の損傷の問題も解決することができる。
またコイル10は樹脂被覆層22と一体のコイル被膜体24をなしているため、コア16を射出成形する際にコイル10が変形を生じるのも良好に防止することができる。
またこの実施形態の製造方法によれば、第1分割体としての容器部110をコア16に一体化することで所要部品点数を少なくでき、また容器部110をコア16に組み付けるための工程を削減することができる。
またコア16、詳しくは第1成形体16-1を射出成形する際に、金属製のケース114の容器部110が第1成形体16-1の外面成形用の成形型として働くため、その外面成形のための成形型を不要化でき、従ってその外面成形用の成形型を寿命により取り替えるといったことを不要化できる。
更に容器部110はコア16の第1成形体16-1の射出成形時に一体に第1成形体16-1に固着されるため、容器部110と第1成形体16-1との固着のためにそれらを接着剤で接着する必要がなく、従ってそれらの間に接着層を介在させることによって熱の伝達が阻害される問題を解消し、放熱性を改善することができる。
本実施形態の製造方法ではまた、コア16における外周側部分(外周側成形部)25を予めコイル10とは別に単独で第1成形体(1次成形体)16-1として成形しておくため、コア16の成形に際してその内側に位置しているコイル10が原因となって外周側成形部25に亀裂発生するといった問題は生じない。
外周側成形部25を含む第1成形体16-1を、コイル10とは別に単独で予め成形しておくため、その成形時に第1成形体16-1、詳しくは外周側成形部25が冷却に伴って自由に収縮することができるからである。
一方、コイル10の内周面(厳密にはコイル被覆体の内周面)に接する内周側成形部32を含む第2成形体16-2は、コイル10を成形装置にセットした状態でコイル10と一体に成形されるが、この内周側成形部32は径方向に収縮するに際してコイル10による抵抗を特に受けないため、その収縮によって亀裂発生するといった問題は特に生じない。
即ちこの例の製造方法によれば、コイル10の存在によってコア16に亀裂が発生する問題を有効に解決することができる。
この製造方法ではまた、1次成形により得た第1成形体16-1の外周側成形部25にコイル被覆体24を内嵌状態に嵌合させ、そしてその第1成形体16-1の外周側成形部25をケース114の容器部110にて外周側から径方向に拘束し保持した状態で、コア16の内周側成形部32を含む第2成形体16-2を成形することができる。
この状態でコア16の第2成形体16-2を成形した場合、第2成形体16-2の成形に際してコイル10が射出圧及び流動圧にてセット位置から位置ずれするのを防止でき、コイル10を予め設定した位置に正確に位置決めし且つ保持した状態でコア16を成形完了することができる。
従ってコア16の成形時にコイル10が位置ずれすることによって、リアクトルの特性に悪影響が及ぶのを良好に防止することができる。
更にこの実施形態において、保持型88は単にケース114の容器部110を保持しておくものであって、コア16の第1成形体16-1を直接成形するものではなく、成形面を備えておく必要のないもので、従って第1成形体16-1を成形するに際してその成形面が削られて損耗するといったことはなく、保持型88は射出成形によって消耗してしまう問題は有していない。
図11は本発明の他の実施形態を示している。
上記実施形態では、図10に示しているように成形装置96における成形型98にてコア16における第2成形体16-2を成形するようにしているが、ここでは成形装置96に、ケース114の第2分割体としての上壁部112をセットして、その上壁部112の内側(図中下側)にキャビティ104を形成し、上壁部112に通路102の一部を形成して、そこから混合材をキャビティ104に射出し、ケース114における容器部110、詳しくは周壁部118の図中上部と上壁部112とを成形型の一部として働かせ、それらの内側に第2成形体16-2を射出成形するようになした例である。
この実施形態では、ケース114の第1分割体である容器部110が、コア16の第1成形体16-1の射出成形時にこれと一体化され、また第2分割体である蓋部としての上壁部112が、コア16の第2成形体16-2の射出成形の際にこれと一体化される。
この実施形態では、ケース114の全体をなす容器部110と上壁部112とが何れもコア16を射出成形する際の成形型としての働きをなし、コア16の全体がケース114の全体に対して、その接触面で射出成形により一体化される。即ち接着剤による接着層を介さずに直接コア16がケース114に直接に一体接合状態に固着される。
図11に示す方法で製造したケース付リアクトルと、図18に示す比較例のケース付リアクトルを用いて、その動作時の発熱による温度上昇を測定した。
尚、図18に示す比較例のものはリアクトル15を単独で製造し、そして予め用意してあるアルミニウム合金製のケース114の内部にこれを収納し、接着剤で接着して組み付けたものである。図中150は接着層を示している。尚、ここでは接着剤としてアルミナやシリカのフィラーを含んだ高熱伝導タイプのシリコーン樹脂系接着剤を用い、コア16の全外周面と下面とを容器部110に接着した。
ここで図11に示す方法で製造したケース付リアクトル及び比較例のケース付リアクトルの構成は以下の通りとした。
(a)リアクトルの構成
ここでは、コア材の軟磁性粉末としてFe-2Si(質量%)の組成のものを用いた。
コア材の軟磁性粉末としては、アルゴンガスを用いて噴霧した軟磁性粉末を使用し、粉末熱処理は酸化防止や還元作用を狙って水素中で750℃×3時間行った。またコア材として1〜50kHzの交番磁界中で使用されることを想定し、軟磁性粉末は粉末熱処理後に250μm以下に篩で篩ったものを使用した。
次いで、透磁率を適正な範囲に制御するためや熱伝導率を高めるための観点及び金型内での流動性の観点から、軟磁性粉末を65体積%の配合でPPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂と混合した。そして2軸混練機により約300℃で樹脂を溶融させ、軟磁性粉末と練り合わせてペレット化した。
そして横型インラインスクリュー式射出成形装置により、このペレット状の軟磁性混練物を約300℃で加熱し溶融状態として、これを成形型内に射出した後、冷却してコア材を作製した。
このコア材の材料特性としては、初比透磁率は約14.6であり、磁気飽和する磁束密度は約1.3テスラであった。また体積抵抗率は3〜10×10−3Ω・m、熱伝導率は2.0〜3.5W/(m・K)、比熱は0.6〜0.65kJ/(kg・K)であった。またヤング率は20〜25GPa、ポアソン比は0.3〜0.35、線膨張係数は2〜3×10−5−1であった。
コイル10は、ポリアミドイミド樹脂から成る絶縁被膜(被膜の膜厚は20〜30μm)付きの純銅の平角線材(線材寸法は厚み0.85mm,幅9mm)を用い、これをフラットワイズ巻とした上コイル10-1と下コイル10-2とを上下に2段重ねとし、そして内周側端部20同士を接続して、これをポリイミドテープで再絶縁処理をした。
上コイル10-1と下コイル10-2との重ね方は、下コイル10-2に対して上コイル10-1を反転して重ね合せ、通電時電流が同じ回転方向に流れるようにした。
寸法は、コイル内径がφ47mmで、ターン数は下コイル10-2,上コイル10-1ともに18ターンとし、合計で36ターンとした。
また上コイル10-1と下コイル10-2との間には0.5mmの厚みの絶縁シート21を中間に介在させた。
樹脂被覆層22は、耐電圧3000V以上に耐えうるためにPPS樹脂製とし、その肉厚はコイル内周側は0.5mm、コイル外周側と上下面側は1mmの肉厚とした。
コア16はコイル10を隙間無く内部に埋込状態に内包するものとなしてあり、その寸法はコア外径がφ90mmで、コア高さは40.5mmである。
コア16の軸心とコイル10の軸心及びコア16の軸方向中央とコイル10の軸方向中央とはそれぞれ一致するように揃えて配置している。
ここでアルミニウム合金製のケース114の肉厚は5mm厚の寸法とした。
(b)最高温度の測定(水冷時の最高温度測定)
水冷時の最高温度測定は次のようにして行った。
水冷プレート上に上記のケース114付きのリアクトルを固定した。このとき熱伝導グリスを水冷プレートとケース114の間に薄く塗布した。
ケース114に入ったリアクトル15を昇圧チョッパ回路に組込み、重畳電流50Aで300V→600Vにスイッチング周波数10kHzの条件で昇圧チョッパ回路で駆動させ、熱的に定常状態(コアの内部温度や冷却水温が時間的に変化しなくなる状態)になるまで連続運転させた。また冷却水はチラー(恒温水循環装置)で50℃、毎分10リットルで流れるよう制御した。この時のリアクトル内部の温度を数点測定して、その最も高い温度を最高温度としている。温度の測定箇所は、図12の11点に熱電対を埋め込んで測定した。ただし同一断面に埋め込むのではなく、隣り合う点の埋め込みの影響を避けるため円周方向に少しずつずらしながら11点の測定点を配置した。
測定結果は、いずれも図12の点Hの位置の温度が最も高いものであった。
点Hの位置の温度は、実施例の場合が120℃で、比較例の場合が125℃であり、実施例のものは最高温度が比較例に対して5℃低いものであった。
図13は本発明の他の実施形態を示したもので、この例は、ケース114をフィン116付きのものとして構成した例である。
図14は本発明の更に他の実施形態を示したもので、この実施形態では、ケース114を周壁部118の中間位置でコイル軸方向の上下方向に2分割し、そして図中下側の第1分割体136をコア16における第1成形体16-1の成形時にこれと一体化し、また図中上側の第2分割体138を、コア16における第2成形体16-2の成形時にこれと一体化した例である。
図15は本発明の更に他の実施形態を示している。
この例は、コア16を、内部にコイル10(ここではコイル被覆体24)を収めるための凹部を有するポットコアとして構成し、これをコイル軸方向に2つの分割体に分割して、各分割体を容器114における第1分割体136,第2分割体138のそれぞれと一体に成形し、そしてコア16の凹部にコイル10を収めるようにして全体を組み付け、ケース付リアクトルを構成するようになした例である。
尚この実施形態において、コア16における分割体としての第1成形体16-1と第2成形体16-2とは何れも対応するケース114の第1分割体136,第2分割体138と一体に射出成形している。
一方図16に示す実施形態のものは、コア16及びケース114を図15に示す実施形態のものとは異なった位置でコイル軸方向に2分割した例である。
以上本発明の実施形態を詳述したがこれらはあくまで一例示であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた態様,形態で実施,構成可能である。
10 コイル
15 リアクトル(チョークコイル)
16 コア
16-1 第1成形体(1次成形体)
16-2 第2成形体(2次成形体)
24 コイル被覆体
25 外周側成形部
30 開口
32 内周側成形部
84,96 成形装置
86,98,134 成形型
110 容器部(第1分割体)
112 上壁部(第2分割体)
114 ケース
118 周壁部
120 底壁部

Claims (7)

  1. 軟磁性粉と樹脂との混合材で構成した成形体をコアとして、該コアの内部に導体線材を巻回して成るコイルを内蔵したリアクトルを、筒状の周壁部と該周壁部のコイル軸方向の下端開口を閉鎖する底壁部,上端開口を閉鎖する上壁部を有する金属製のケースの内部に収めて成るケース付リアクトルを製造するに際して、
    前記ケースを前記底壁部を含む第1分割体と前記上壁部を含む第2分割体とに前記コイル軸方向に分割し、
    前記軟磁性粉と熱可塑性樹脂との混合材を射出成形して前記コアを成形するとともに、該射出成形により少なくとも前記ケースの第1分割体を該コアに一体化することを特徴とするケース付リアクトルの製造方法。
  2. 請求項1において、前記第1分割体は、前記底壁部と前記周壁部の少なくとも一部を有する容器状となしてあることを特徴とするケース付リアクトルの製造方法。
  3. 請求項1,2の何れかにおいて、前記コアを前記第1分割体に対応した第1成形体と、前記第2分割体に対応した第2成形体とに分けてそれぞれを射出成形し、
    該第1成形体を前記第1分割体と一体に射出成形し、前記第2成形体を前記第2分割体と一体に射出成形することを特徴とするケース付リアクトルの製造方法。
  4. 請求項2,3の何れかにおいて、前記コイルの全体を外側から包み込む状態に電気絶縁性の樹脂にて被覆してコイル被覆体を成形する工程Aと、
    該コイル被覆体を包み込む状態に前記軟磁性粉と熱可塑性樹脂との混合材を射出成形して前記コアを成形するとともに、該コアの内部に該コイル被覆体を隙間無く埋込状態に一体化する工程Bと、を経て前記リアクトルを製造し、
    且つ前記工程Bを、前記コアの、前記コイル被覆体の外周面に接する筒状の外周側成形部を含む、コイル軸方向の一端側に該コイル被覆体の嵌込用の開口を有する形状の第1成形体を1次成形体として予め射出成形しておく工程B-1と、
    該コイル被覆体の内周面に接する内周側成形部を含む第2成形体を2次成形体として射出成形する工程B-2と、に分け
    前記工程B-1では、前記周壁部の少なくとも一部を備えた前記第1分割体を成形装置にセットして該第1分割体の内側に前記混合材を射出して前記第1成形体を該第1分割体と一体に射出成形し、
    前記工程B-2では、該工程B-1で得た前記第1成形体の前記外周側成形部に前記コイル被覆体を内嵌状態に嵌合し保持させた状態で前記第2成形体を射出成形すると同時に、該第2成形体を前記第1成形体及び前記コイル被覆体と一体化することを特徴とするケース付リアクトルの製造方法。
  5. 請求項4において、前記工程B-2では、前記第2分割体を成形装置にセットした状態で該第2分割体の内側に前記混合材を射出して前記第2成形体を射出成形し、該射出成形時に同時に該第2成形体に対し該第2分割体を一体化することを特徴とするケース付リアクトルの製造方法。
  6. 請求項4,5の何れかにおいて、前記コイル被覆体を成形する工程Aでは、該コイルを包み込む状態に被覆する樹脂被覆層を熱可塑性樹脂にて射出成形するとともに、該工程Aを、
    前記コイルの内周面又は外周面に対して該樹脂被覆層用の1次成形型を接触させ、該1次成形型にて該コイルを該内周面又は外周面において径方向に位置決めし拘束した状態で、該コイルの外周側又は内周側に形成される該1次成形型の1次成形キャビティに樹脂材料を射出して、前記樹脂被覆層における外周被覆部又は内周被覆部を含む1次成形体を成形し且つ該コイルと一体化する工程A-1と、
    しかる後該1次成形体を該コイルとともに該樹脂被覆層用の2次成形型にセットして、該コイルの内周側又は外周側に形成される該2次成形型の2次成形キャビティに前記樹脂材料を射出して、前記樹脂被覆層における内周被覆部又は外周被覆部を含む2次成形体を成形し且つ該コイル及び前記1次成形体と一体化する工程A-2と、
    に分けて射出成形を行うことを特徴とするケース付リアクトルの製造方法。
  7. 軟磁性粉と樹脂との混合材で構成した成形体をコアとして、該コアの内部に導体線材を巻回して成るコイルを内蔵したリアクトルを、筒状の周壁部と該周壁部のコイル軸方向の下端開口を閉鎖する底壁部,上端開口を閉鎖する上壁部を有する金属製のケースの内部に収めて成るケース付リアクトルであって、
    前記ケースは、前記底壁部を含む第1分割体と前記上壁部を含む第2分割体とに前記コイル軸方向に分割され、
    前記コアは、前記軟磁性粉と熱可塑性樹脂との混合材の射出成形により成形され、該コアに対して少なくとも前記ケースの前記第1分割体が該コアに対する接触面の全面で接着剤による接着層を介さずに直接接合一体化されていることを特徴とするケース付リアクトル。
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