JP2011238430A - 端子および端子付き電線 - Google Patents

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貴章 伊藤
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Abstract

【課題】素線露出部の電食を防ぐとともに、端子接点部への防食剤の流出を防いで、接続相手端子との接続不良を防ぐことができる端子および端子付き電線を提供する。
【解決手段】端子20のうちで、電線10の素線露出部16に接触する部分である素線接触部28と、端子接続部21との間に、素線接触部28から離隔して、流出防止壁26を設ける。この端子20を電線10に圧着して、電線10の素線露出部16と端子20の端子接続部21との間に流出防止壁26が存在する状態とする。この状態で素線露出部16に防食剤31を塗布して、防食剤塗布部30を形成する。これによって、防食剤31で素線露出部16の電食を防ぐとともに、端子20と接続相手端子40とが接触する端子接点部41への防食剤31の流出を防いで、端子20と接続相手端子40との接続不良を防ぐことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、端子および端子付き電線に関する。
自動車では、搭載された電子部品および電装品を電気的に接続するために、ワイヤーハーネスが用いられる。ワイヤーハーネスとしては、銅電線を用いた銅ワイヤーハーネスが知られているが、重量削減のために、アルミニウム電線を用いたアルミニウムハーネスの開発が進められている。
ワイヤーハーネスにおいて、電線は、末端に金属端子が取付けられた端子付き電線として組込まれる。この端子に、接続相手となる端子(以下「接続相手端子」という場合がある)が接続される。電線は、複数本の素線から成る芯線が絶縁被覆材で覆われた構造である。電線の末端に端子を取付けるときには、電線の末端の被覆材が剥がされて素線が露出され、この露出された素線に端子が取付けられて圧着される(たとえば、特許文献1および2参照)。
端子としては、銅または黄銅などの銅合金で形成される端子が用いられるが、前述のアルミニウムハーネスでは、電線の素線はアルミニウムで形成される。このように電線の素線と端子とが異種金属によって形成される場合に、素線と端子との接触部分に水分、たとえば塩水などの電解質水溶液が付着すると、電気化学反応によって腐食が進行する電食が発生する。具体的には、金属同士の標準電極電位差によって、標準電極電位が低い金属、ここではアルミニウムに腐食が発生し、電線が腐食するという問題が生じる。
特開平7−122324号公報 特開平7−85901号公報
特許文献1および2に開示される技術では、電食については考慮されておらず、特許文献1および2には、電食を防止するための技術については開示されていない。
電食を防止するための方法としては、電線の素線が露出している部分(以下「素線露出部」という場合がある)を、樹脂などから成る防食剤で覆うことが考えられるが、素線露出部に防食剤を塗布すると、防食剤が、端子の接続相手端子と接触すべき部分(以下「端子接点部」という場合がある)に流出してしまうおそれがある。防食剤が端子接点部に付着すると、端子に接続相手端子を接続するときに、端子と接続相手端子との間で接続不良が起こり、導通できなくなるという問題がある。
また特許文献1,2に開示される端子と電線との接続構造において、素線露出部に防食剤を塗布しようとすると、以下のような不具合が生じる。たとえば特許文献1に開示される技術では、端子の基板部に、接続相手端子と接触する接触板部の突出を許容する開口が形成されているので、素線露出部に防食剤を塗布しても、端子の基板部の開口から防食剤が流れ落ちてしまうおそれがある。防食剤が開口から流れ落ちてしまうと、素線露出部を防食剤で充分に覆うことができず、電食を防ぐことができない。
また特許文献2に開示される技術では、端子の基板部に当接壁が立設されているが、この当接壁に当接して、素線に相当する導体部が圧着されているので、防食剤を塗布するときには、素線露出部に相当する導体部の露出部と当接壁とを覆うように塗布する必要がある。したがって、当接壁によっては、防食剤の端子接点部への流出を防ぐことはできないので、前述のように端子と接続相手端子との間で接続不良が起こり、導通できなくなる。
本発明の目的は、素線露出部の電食を防ぐとともに、端子接点部への防食剤の流出を防いで、接続相手端子との接続不良を防ぐことができる端子および端子付き電線を提供することである。
本発明の端子は、接続相手となる接続相手端子に電気的に接続される端子接続部と、前記端子接続部に連なり、電線に圧着される電線圧着部とを備える端子であって、前記電線圧着部は、前記電線の一端部で露出する素線に圧着されて、前記素線に電気的に接続され、前記素線のうちで前記電線圧着部に覆われずに露出する素線露出部に接触する部分である素線接触部と前記端子接続部との間に、前記素線接触部から離隔して設けられ、前記素線露出部に塗布される防食剤の流出を防止する流出防止壁を備えることを特徴とする。
また本発明の端子は、前記流出防止壁、前記端子接続部および前記電線圧着部は、1枚の導電性金属板を成形することによって一体に形成されることを特徴とする。
また本発明の端子付き電線は、一端部で素線が露出する電線と、前記の端子であって、前記電線圧着部が前記素線に圧着されて、前記素線に電気的に接続される端子と、前記素線露出部に前記防食剤が塗布されて成り、前記素線露出部を覆う防食剤塗布部とを備えることを特徴とする。
本発明の端子によれば、端子は、接続相手端子に接続される端子接続部と、電線の素線露出部に接触する部分である素線接触部との間に流出防止壁を備える。この端子を電線に圧着することによって、端子の端子接続部と電線の素線露出部との間に流出防止壁を設けることができる。この状態で素線露出部に防食剤を塗布することによって、防食剤が端子接続部に流れ込むことを防ぎ、端子と接続相手端子とが接触する端子接点部に防食剤が流出することを防ぐことができる。これによって、防食剤が端子接点部に付着することを防ぐことができるので、端子と接続相手端子との接続不良を防ぐことができる。したがって、素線露出部の電食を防ぐとともに、端子接点部への防食剤の流出を防いで、接続相手端子との接続不良を防ぐことができる。
また本発明の端子によれば、流出防止壁、端子接続部および電線圧着部は、1枚の導電性金属板を成形することによって一体に形成される。これによって、たとえば導電性金属板を成形して端子接続部および電線圧着部を形成し、これらとは別体に流出防止壁を形成する場合に比べて、流出防止壁を容易に、かつ安価に形成することができる。
また本発明の端子付き電線によれば、前述の本発明の端子の電線圧着部が、電線の一端部で露出する素線に圧着されて電気的に接続される。電線の素線露出部は、防食剤が塗布されて成る防食剤塗布部で覆われる。本発明の端子は、接続相手端子に接続される端子接続部と、電線の素線露出部に接触する部分である素線接触部との間に流出防止壁を備えるので、本発明の端子付き電線では、端子の端子接続部と電線の素線露出部との間に流出防止壁が存在する。
この状態で素線露出部に防食剤を塗布することによって、防食剤が端子接続部に流れ込むことを防ぎ、端子と接続相手端子とが接触する端子接点部に防食剤が流出することを防ぐことができる。これによって、防食剤が端子接点部に付着することを防ぐことができるので、端子と接続相手端子との接続不良を防ぐことができる。したがって、素線露出部の電食を防ぐとともに、端子接点部への防食剤の流出を防いで、接続相手端子との接続不良を防ぐことができる。
本発明の実施の一形態である端子付き電線1を示す側面図である。 本発明の実施の一形態である端子付き電線1を示す平面図である。 図1に示す端子付き電線1を構成する端子20を示す斜視図である。 図1に示す端子付き電線1を構成する端子20を示す断面図である。 端子20の展開図である。 端子20の流出防止壁26を形成する様子を示す側面図である。
図1は、本発明の実施の一形態である端子付き電線1を示す側面図である。図2は、本発明の実施の一形態である端子付き電線1を示す平面図である。図3は、図1に示す端子付き電線1を構成する端子20を示す斜視図である。図4は、図1に示す端子付き電線1を構成する端子20を示す断面図である。図2は、図1に示す端子付き電線1を、図1の紙面上側から見た図に相当する。
端子付き電線1は、電線10と端子20と防食剤塗布部30とを備える。電線10には、端子20が圧着されている。図面が錯綜して理解が困難になることを避けるために、図1では防食剤塗布部30を仮想的に示し、図2では防食剤塗布部30の記載を省略する。また図3では、電線10に圧着される前の状態の端子20を示す。
電線10は、複数の素線11で構成される芯線12と、芯線12を被覆する被覆部13とを備えて構成される。電線10は、芯線12が、その外周を被覆部13によって被覆されて構成される。本実施の形態では、芯線12は、複数の素線11を撚って構成されている。電線10の素線11と端子20とは、異種金属で構成されている。
素線11は、本実施の形態では、アルミニウムまたはアルミニウム合金から成り、アルミニウム線またはアルミニウム合金線によって実現される。被覆部13は、樹脂などで形成される。電線10の一端部は、被覆部13が剥がされて芯線12が露出するように加工されている。以下の説明では、電線10のうち、被覆部13が剥がされた一端部を「芯線端部」という場合がある。電線10は、芯線端部14と、被覆部13の芯線端部14側の端部(以下「被覆端部」という場合がある)15とにおいて、端子20と圧着される。
端子20は、一方向に延びて長尺状に形成される。具体的には、端子20は、電線10に圧着されている状態において、電線10の延在方向に延びて長尺状に形成される。本実施の形態では、端子20の長手方向において、電線10に圧着される側を他方側といい、その反対側を一方側という。図4は、端子20の長手方向に平行な一平面における断面図に相当する。
端子20は、その長手方向一方側から他方側に向けて順に、端子接続部21、流出防止壁26、芯線圧着部22および被覆圧着部23を備える。芯線圧着部22は、電線圧着部に相当する。端子接続部21、流出防止壁26、芯線圧着部22および被覆圧着部23は、それぞれ離隔して形成されている。流出防止壁26については、後述する。
図4では、端子20の端子接続部21の断面構成を示している。端子20は、平板状の、導電性を有する金属板(以下「導電性金属板」という場合がある)を打ち抜いた後、屈曲するなどして、一体に形成されている。導電性金属板としては、たとえば、銅板もしくは黄銅などの銅合金板、またはこれらの錫めっき板が用いられる。本実施の形態では、端子20が雌端子である場合について説明する。
端子接続部21は、接続相手となる端子である接続相手端子40と電気的に接続される部分である。本実施の形態では、接続相手端子40は雄端子(以下「雄端子40」という場合がある)であり、端子接続部21には、雄端子40が嵌合状に挿入されて接続される。すなわち端子接続部21は、接続相手端子40と嵌合して電気的に接続される端子嵌合部として機能する。端子接続部21は、本実施の形態では、端子20の長手方向に沿って貫通する筒状、具体的には四角筒状に形成されている。
端子接続部21の内部には、接続相手端子40に接触する接触片24が備えられている。接触片24は、底部25から長手方向一方に延びる板材を端子接続部21の内方に折返すとともに、先端および折り返した先端部分をU字状に屈曲させて底部25に当接するように折返して形成されている。したがって接触片24は、折返しの曲折部位を支点として弾性変形可能になっている。
端子接続部21の底部25に対向する天井部27は、2枚の天蓋、すなわち第1天蓋27aに第2天蓋27bが重ね合わされて形成されている。第1天蓋27aには係止爪51が形成され、第2天蓋27bには係止孔50が形成されている。係止爪51は係止孔50に係止される。これによって、端子接続部21の変形を防止し、機械的な強度を高めることができる。
2枚の天蓋27a,27bのうち、底部25側、すなわち図4の紙面に向かって下側の第1天蓋27aは、端子接続部21の開口から所定の距離だけ内側の部分が、底部25に向かって突出する凸部27cとして形成されている。この第1天蓋27aの凸部27cと接触片24とが協働して、雄端子40を所定の接触圧をもって弾性的に狭圧する。これによって、雄端子40と端子20との嵌合力が高められている。
芯線圧着部22は、端子接続部21に連なる底部25と、底部25とともに電線10の芯線端部14に圧着される一対の圧着片22a,22bとを備えて構成される。芯線圧着部22は、芯線端部14に圧着される前の段階では、オープンバレル状に形成されており、長手方向に垂直な断面形状は、U字形状になっている。換言すれば、芯線圧着部22の一対の圧着片22a,22bは、互いに対向し、底部25から一方向に向けて突出するように立ち上げられた状態になっている。以下の説明では、圧着片22a,22bが立ち上げられた方向を「高さ方向」という場合がある。
同様に、被覆圧着部23は、芯線圧着部22に連なる底部25と、底部25とともに電線10の被覆端部15に圧着される一対の圧着片23a,23bとを備えて構成される。被覆圧着部23は、被覆端部15に圧着される前の段階では、オープンバレル状に形成されており、長手方向に垂直な断面形状は、U字形状になっている。換言すれば、被覆圧着部23の一対の圧着片23a,23bは、互いに対向し、底部25から一方向に向けて突出するように立ち上げられた状態になっている。
電線10の芯線端部14は、芯線圧着部22の対向する一対の圧着片22a,22b間に配設される。この状態で、芯線圧着部22が、芯線端部14の長手方向の一部分に、その外周を覆うように圧着される。電線10の被覆端部15は、被覆圧着部23の対向する一対の圧着片23a,23b間に配設される。この状態で、被覆圧着部23が、被覆端部15の長手方向の一部分に、その外周を覆うように圧着される。
本実施の形態では、電線10の芯線端部14のうち、長手方向両端部間の中間部が芯線圧着部22と圧着される。芯線端部14の長手方向一端部および長手方向他端部を構成する素線11は、高さ方向一方側で、端子20の芯線圧着部22の長手方向両側から外方に露出された状態となっている。以下、芯線端部14を構成する素線11のうち、端子20から露出している部分を「素線露出部16」という。本実施の形態では、素線露出部116は、芯線端部14を構成する素線11のうち、芯線圧着部22の長手方向両側から露出する部分である。
以下の説明では、素線露出部16のうち、芯線圧着部22よりも端子接続部21側から露出する部分を「接続部側露出部16a」といい、芯線圧着部22よりも被覆圧着部23側から露出する部分を「被覆側露出部16b」という。端子20が電線10に圧着されている状態において、端子20の端子接続部21と、電線10の接続部側露出部16aとは、接しておらず、端子20の長手方向に離隔して配設されている。
前述のように本実施の形態では、電線10の素線11と、端子20とは、異種金属で構成されている。具体的には、電線10の素線11は、アルミニウムまたはアルミニウム合金で構成され、端子20は、銅板もしくは黄銅などの銅合金板、またはこれらの錫めっき板で構成されている。電線10の素線11を構成する金属材料と、端子20を構成する金属材料とを比較すると、端子20を構成する金属材料よりも、素線11を構成する金属材料の方が、標準電極電位が低い関係にある。この関係下で、端子20の芯線圧着部22と、電線10の芯線端部14との接触部分に水分、たとえば塩水などの電解質水溶液が付着すると、素線露出部16に電食が発生し、電線10が腐食するおそれがある。
端子付き電線1では、素線露出部16への電食の発生を防ぐために、防食剤31が塗布されて、防食剤塗布部30が形成されている。防食剤31は、素線露出部16を覆うように塗布される。本実施の形態では、防食剤31は、電線10の素線露出部16と、素線露出部16に隣接する端子20の芯線圧着部22、被覆圧着部23および底部25と、電線10の被覆端部15とにわたって、塗布される。
防食剤31としては、熱可塑性樹脂が用いられる。防食剤31の具体例としては、ポリアミド樹脂およびエポキシ樹脂が挙げられる。防食剤31は、たとえば、加熱されて溶融して液体となった状態で塗布される。塗布された防食剤31が凝固すると、防食剤塗布部21が完成する。
防食剤31を塗布するときには、溶融した防食剤31が、電線10の素線露出部16から、端子20の端子接続部21、より詳細には、端子20の接続相手端子40と接触すべき部分である端子接点部41に流出してしまうおそれがある。端子接点部41は、本実施の形態では、接触片24の部分である。
端子接点部41に防食剤31が付着すると、端子20に接続相手端子40を接続するときに、端子20と接続相手端子40との間で接続不良が起こるおそれがある。たとえば接続相手端子40が雄端子40である場合、雄端子40が端子接続部21に挿入されて接続されるときに、雄端子40が端子20の接触片24と接触できず、端子20と雄端子40との間で接続不良が起こるおそれがある。
そこで、本実施の形態では、端子20に、防食剤31の流出を防止する流出防止壁26を設けている。流出防止壁26は、芯線圧着部23と端子接点部41との間に設けられる。より詳細には、流出防止壁26は、端子20のうち、電線10の素線露出部11と接触する部分(以下「素線接触部」という場合がある)28と、端子接点部41との間に設けられる。流出防止壁26は、素線接触部28から離隔して設けられる。
本実施の形態では、流出防止壁26は、素線接触部28と端子接続部21との間に設けられる。端子20が電線10に圧着された状態では、流出防止壁26は、素線露出部16から離隔して、素線露出部16と端子接点部41との間、具体的には素線露出部16と端子接続部21との間に設けられる。
流出防止壁26は、端子接続部21の底部25に対向する天井部27から延びて、端子接続部21と一体に形成される。流出防止壁26は、端子接続部21の天井部27から延在する2つの板状片、すなわち第1防止壁片26aおよび第2防止壁片26bを備える。流出防止壁26は、第1防止壁片26aおよび第2防止壁片26bが重ね合わされて、底部25に向かって屈曲して形成される。本実施の形態では、流出防止壁26は、底部25にほぼ垂直に設けられる。
このように本実施の形態では、端子20は、端子接点部41と素線接触部28との間、具体的には端子接続部21と素線接触部28との間に流出防止壁26を備える。これによって、端子20が電線10に圧着された状態、すなわち端子付き電線1において、端子20の端子接点部41と素線露出部16との間、具体的には端子接続部21と素線露出部16との間には、流出防止壁26が設けられる。この流出防止壁26によって、防食剤31を塗布するとき、または塗布した後に、防食剤31が端子接続部21に流れ込むことを防ぎ、防食剤31が端子接点部41に流出することを防ぐことができる。
これによって、防食剤31が端子接点部41に付着することを防ぐことができるので、端子20と接続相手端子40との接続不良を防ぐことができる。したがって本実施の形態では、素線露出部16の電食を防ぐとともに、端子接点部41への防食剤31の流出を防いで、接続相手端子40との接続不良を防ぐことができる。
このような本実施の形態の端子付き電線1は、自動車用ワイヤーハーネスの電線として好適である。自動車では、外部から水分、たとえば塩水などの電解質水溶液が侵入しやすく、侵入した水分が、端子20と電線10の素線11との接触部分に付着する可能性がある。本実施の形態の端子付き電線1では、端子20と素線11との接触部分である素線露出部16が防食剤31で覆われているので、外部から水分が侵入してきても、水分が端子20と素線11との接触部分に付着することを防ぎ、素線11の電食を防ぐことができる。
端子付き電線1は、以下のようにして製造される。端子付き電線1の製造方法は、端子20を準備する準備工程と、準備した端子20を電線10に圧着する圧着工程と、素線露出部16に防食剤31を塗布して、防食剤塗布部30を形成する防食剤塗布工程とを含む。
準備工程では、前述の図1〜図4に示す端子20を準備する。図5は、端子20の展開図である。図6は、端子20の流出防止壁26を形成する様子を示す側面図である。端子20は、導電性金属板から成形される。たとえば、導電性金属板を打ち抜き加工およびプレス加工などによって、図5の展開図に示すような形状に成形した後、曲げ加工を施して屈曲することによって、端子20が製造される。
具体的には、まず図5に示すように、打ち抜き加工によって導電性金属板を打ち抜いて、端子20となる板材20aを形成する。このとき、係止孔50、係止爪51、突起部53を規定する突起孔52が形成される。突起孔52は、H字形状に形成される。
次に、接触片24の先端をほぼ直角に屈曲させた後、接触片24をU字状に屈曲させて端子接続部21となる側に折返し、さらに折返した先端部分をU字状に屈曲させて底部25に当接するように折返す。次いで、板材20aを第1折曲げ線L1および第2折曲げ線L2で内側に折り曲げて、側壁部29を立ち上げる。このとき、突起部53の部分では折り曲げられないので、突起部53が立ち上がる。
次いで、板材20aを第3折り曲げ線L3および第4折曲げ線L4で内側に折り曲げて、第1天蓋27aに第2天蓋27bを重ね合わせ、天井部27を形成する。このとき、第1天蓋27aの係止爪51が、第2天蓋27bの係止孔50に係止される。このようにして四角筒状の端子接続部21が形成される。
この段階では、流出防止壁26となる第1防止壁片26aおよび第2防止壁片26bは、図6に示すように端子接続部21から長手方向に延在し、第1防止壁片26aに第2防止壁片26bが重ね合わされた状態になっている。
次いで、流出防止壁26となる第1防止壁片26aおよび第2防止壁片26bを底部25に向かって、ほぼ直角に屈曲させて、流出防止壁26を形成する。次いで、芯線圧着部22および被覆圧着部23となる部分の板材20aを長手方向に沿ってU字状に折り曲げて、芯線圧着部22および被覆圧着部23を形成する。このようにして端子20が製造される。端子20を準備すると、圧着工程に移行する。
圧着工程では、端子20に電線10を圧着する。具体的には、まず、電線10の一端部の被覆部13を剥がして芯線12を露出させる。次いで、芯線12が露出した電線10を、芯線端部14が、端子20の芯線圧着部22の一対の圧着片22a,22bで包込まれ、被覆端部15が、端子20の被覆圧着部23の一対の圧着片23a,23bで包込まれるように載置する。次いで、芯線圧着部22および被覆圧着部23を加締めて圧着する。このようにして電線10を固定すると、防食剤塗布工程に移行する。
防食剤塗布工程では、端子20の素線露出部16を覆うように、防食剤31を塗布し、防食剤塗布部30を形成する。本実施の形態では、電線10の素線露出部16と、素線露出部16に隣接する端子20の芯線圧着部22、被覆圧着部23および底部25と、電線10の被覆端部15とを覆うように、防食剤31を塗布する。
防食剤31を塗布するときには、防食剤31を加熱して溶融させ、液体となった状態で塗布する。このようにして防食剤31を塗布した後、冷却して凝固させ、防食剤塗布部30を形成する。これによって、前述の図1に示す端子付き電線1が得られる。
本実施の形態によれば、端子20には、素線接触部28と端子接続部21との間に流出防止壁26が設けられているので、端子20が電線10に圧着された状態において、素線露出部16と端子接続部21との間には、流出防止壁26が存在する。この流出防止壁26によって、防食剤塗布工程において防食剤31を塗布するとき、または塗布した後に、防食剤31が端子接続部21に流れ込むことを防ぎ、防食剤31が端子接点部41に流出することを防ぐことができる。
これによって、防食剤31が端子接点部41に付着することを防ぐことができるので、接続相手端子40を接続するときの接続不良を防ぐことができる。したがって、素線露出部16の電食を防ぐとともに、端子接点部41への防食剤31の流出を防いで、接続相手端子40との接続不良を防ぐことができる端子付き電線1を得ることができる。
また本実施の形態では、前述のように端子接続部21への防食剤31の流れ込みを防ぐことができるので、端子接続部21の底部25に、突起部53を形成するための突起孔53のような開口が形成されていても、その開口から防食剤31が流れ落ちてしまうことを防ぐことができる。これによって、素線露出部16が確実に覆われるように防食剤31を塗布することができるので、素線11の電食をより確実に防ぐことができる。したがって本実施の形態では、防食剤31の流出を考慮することなく、端子接続部21の底部25に開口を形成することが可能であり、端子接続部21の設計の自由度を高めることができる。
また本実施の形態では、端子20は、1枚の平板状の導電性金属板に打ち抜き加工、プレス加工および曲げ加工などを施して成形することによって形成されるので、流出防止壁26を含めて、端子20の各部を一体に形成することができる。つまり本実施の形態では、流出防止壁26は、端子接続部21および芯線圧着部22などと一体に形成される。これによって、導電性金属板を成形して端子接続部21および芯線圧着部22などを形成し、これらとは別体に流出防止壁26を形成する場合、たとえば底部25に、別途に流出防止壁26となる壁を立設する場合に比べて、流出防止壁26を容易に、かつ安価に形成することができる。
また本実施の形態では、流出防止壁26は、端子接続部21の天井部27から延在する第1防止壁片26aおよび第2防止壁片26bを屈曲させることによって形成される。これによって、たとえば底部25に別途、流出防止壁26となる壁を立設する場合に比べて、流出防止壁26を、端子接続部21の芯線圧着部22側の開口を塞ぐ位置に容易に、かつ安価に形成することができる。
また本実施の形態では、流出防止壁26は、第1防止壁片26aと第2防止壁片26bとを重ね合わせて構成されている。流出防止壁26は、第1防止壁片26aおよび第2防止壁片26bのいずれか一方によって構成されてもよいが、本実施の形態のように第1防止壁片26aと第2防止壁片26bとを重ね合わせて構成する方がより好ましい。第1防止壁片26aと第2防止壁片26bとを重ね合わせて流出防止壁26を構成することによって、より頑強な流出防止壁26を実現することができる。また端子接続部21の芯線圧着部22側の開口を、より広範囲にわたって塞ぐように流出防止壁26を形成することが可能である。したがって、端子接続部21への防食剤31の流れ込みをより確実に防ぎ、端子接点部41への防食剤31の流出をより確実に防ぐことができる。
また本実施の形態では、流出防止壁26を構成する第1防止壁片26aおよび第2防止壁片26bは、端子接続部21の天井部27から延在して形成されているが、端子接続部21の側壁部29から延在して形成されてもよい。この場合、2つの側壁部29のうちのいずれか一方から防止壁片を延在させて、第1防止壁片26aおよび第2防止壁片26bのいずれか一方で流出防止壁26を構成してもよい。
このように流出防止壁26を構成する第1防止壁片26aおよび第2防止壁片26bは、端子接続部21の側壁部29から延在して形成してもよいが、本実施の形態のように端子接続部21の天井部27から延在して形成する方がより好ましい。天井部27から延在して形成することによって、側壁部29から延在して形成する場合に比べて、端子20となる導電性金属板の打ち抜き加工などを容易に行うことができる。また第1防止壁片26aおよび第2防止壁片26bの曲げ加工を容易に行うことができる。
以上に述べた実施の形態では、芯線圧着部22は、互いに対向する一対の圧着片22a,22bで電線10の芯線端部14に圧着される場合を説明したが、これに限られるものではない。芯線圧着部22は、たとえば、互いに対向する一対の圧着片を2組有し、これらが長手方向に離隔して設けられる構成であってもよい。この場合、圧着片同士の間から露出する素線11の部分も素線露出部16となる。このように素線露出部16の位置は、芯線圧着部22による端部14の圧着態様によって異なる。
また、以上に述べた実施の形態では、流出防止壁26が底部25に対し、ほぼ垂直に加工された場合を説明したが、流出防止壁26は、底部25に対して垂直に加工されていなくてもよい。たとえば流出防止壁26は、流出防止壁26の長さAが、天井部27の底部25からの高さBよりも大きく形成され、底部25に接して、底部25に対して傾斜して設けられてもよい。流出防止壁26は、底部25に対して、ほぼ垂直に設けられる場合および傾斜して設けられる場合のいずれの場合も、底部25に接する形状であることが好ましい。
ここで、「流出防止壁26の長さ」とは、図5および図6に示すように、流出防止壁26の端子接続部21から突出している部分の長手方向における長さ寸法をいう。また「天井部27の底部25からの高さ」とは、図4および図6に示すように、流出防止壁26を構成する第1防止壁26aと第2防止壁26bとの接触面から底部25までの距離をいう。
また以上に述べた実施の形態では、電線10の芯線12を構成する素線11は、アルミニウム線またはアルミニウム合金線であるが、これに限定されず、他の金属材料で形成されたものであってもよい。また端子20を構成する導電性金属板は、銅板もしくは銅合金板、またはこれらの錫めっき板であるが、これに限定されず、他の金属材料で形成されたものであってもよい。本発明の端子20および端子付き電線1は、端子20を構成する金属材料よりも、素線11を構成する金属材料の方が、標準電極電位が低い関係にある場合に好適である。
1 端子付き電線
10 電線
11 素線
12 芯線
13 被覆部
14 芯線端部
15 被覆端部
16 素線露出部
20 端子
21 端子接続部
22 芯線圧着部
23 被覆圧着部
24 接触片
26 流出防止壁
28 素線接触部
30 防食剤塗布部
31 防食剤
40 接続相手端子
41 端子接点部

Claims (3)

  1. 接続相手となる接続相手端子に電気的に接続される端子接続部と、前記端子接続部に連なり、電線に圧着される電線圧着部とを備える端子であって、
    前記電線圧着部は、前記電線の一端部で露出する素線に圧着されて、前記素線に電気的に接続され、
    前記素線のうちで前記電線圧着部に覆われずに露出する素線露出部に接触する部分である素線接触部と前記端子接続部との間に、前記素線接触部から離隔して設けられ、前記素線露出部に塗布される防食剤の流出を防止する流出防止壁を備えることを特徴とする端子。
  2. 前記流出防止壁、前記端子接続部および前記電線圧着部は、1枚の導電性金属板を成形することによって一体に形成されることを特徴とする請求項1に記載の端子。
  3. 一端部で素線が露出する電線と、
    請求項1または2に記載の端子であって、前記電線圧着部が前記素線に圧着されて、前記素線に電気的に接続される端子と、
    前記素線露出部に前記防食剤が塗布されて成り、前記素線露出部を覆う防食剤塗布部とを備えることを特徴とする端子付き電線。
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