JP2011238306A - 光記録用重合性組成物及び光記録媒体 - Google Patents

光記録用重合性組成物及び光記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】単一の光源からの光を利用して記録(書き込み)と再生(読み取り)とを行うことが可能な光記録媒体を提供する。
【解決手段】光記録樹脂層を有し、その光記録樹脂層の内部に記録光を集光させることにより記録を行う光記録媒体の当該光記録樹脂層を形成するための光記録用重合性組成物は、アクリル系モノマーと、重合開始剤と、昇華性又は熱分解性を示すカルバゾール類とを含有し、重合後のガラス転移温度が−30〜50℃であり、架橋度が1〜2である。
【選択図】図1

Description

本発明は、単一の光源からの光を利用して記録(書き込み)と再生(読み取り)とを行うことが可能な光記録媒体に関する。
単一の光源、例えば半導体レーザーを利用して記録と再生とを行うことが可能な光記録媒体が提案されている(特許文献1)。この光記録媒体は、ガラス基板等の透明基板上に、光重合性モノマーもしくはオリゴマーに昇華性の光重合開始剤を配合した光重合性組成物を成膜し、一部の光重合開始剤の光重合開始能が残存するように光重合硬化させて光記録樹脂層としたものである。この光記録媒体においては、半導体レーザーからの記録光を光記録樹脂層内で集光させ、それにより記録光の焦点近傍の光重合開始剤を加熱昇華させて光記録樹脂層中に記録マークとなる空洞を生じさせている。従って、空洞の大きさと焦点位置とを調整することにより多層記録が可能となっている。
特開2009−59404号公報
ところで、特許文献1に開示されているような光記録媒体に対しては、記録密度を増加させるために、空洞の大きさをできるだけ小さくするようにすることが要請されている。そのような要請に対応するために、記録時の光照射時間を短縮することが考えられる。
しかし、特許文献1に開示されているような光記録媒体に対して光照射時間を短縮しても、形成される空洞の大きさにはあまり変化が認められないという問題があった。
本発明の目的は、以上の従来の技術の問題点を解決することであり、単一の光源からの光を利用して、光記録樹脂層に空洞を記録マークとして形成する記録とその再生とを行うことが可能な光記録媒体について、光照射時間の短縮に従って、生成する空洞の大きさを小さくすることができるようにすることを目的とする。
本発明者は、レーザー光加熱により昇華する光重合開始剤に代えて、レーザー加熱により昇華するカルバゾール類を配合し、更に光記録媒体の光記録樹脂層を構成するアクリル系樹脂のガラス転移温度と架橋密度とを所定の範囲に調整することにより、上述の目的を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、光記録樹脂層を有し、その光記録樹脂層の内部に記録光を集光させることにより記録を行う光記録媒体の当該光記録樹脂層を形成するための光記録用重合性組成物であって、アクリル系モノマーと、重合開始剤と、昇華性又は熱分解性を示すカルバゾール類とを含有し、重合後のガラス転移温度が−30〜50℃であり、架橋度が1〜2であることを特徴とする光記録用重合性組成物を提供する。
また、本発明は、光記録樹脂層を有し、その光記録樹脂層の内部に記録光を集光させることにより記録を行う光記録媒体において、該光記録樹脂層が、上述の光記録用重合性組成物を重合させたものから形成されていることを特徴とする光記録媒体を提供する。
光記録樹脂層を有し、その光記録樹脂層の内部に記録光を集光させることにより記録を行う本発明の光記録媒体においては、その光記録樹脂層を、アクリル系モノマーと、重合開始剤と、昇華性又は熱分解性を示すカルバゾール類とを含有し、重合後のガラス転移温度が−30〜50℃であり、架橋度が1〜2である光記録用重合性組成物の重合したものから形成する。このような光記録媒体の光記録樹脂層中に記録光を集光させると、焦点近傍がガラス転移温度以上の高温に加熱されると共に、昇華性又は熱分解性を有するカルバゾール類が昇華又は熱分解する。この結果、昇華又は熱分解したカルバゾール類が周囲を容易に押し広げて記録マークとして微細な空洞を形成することができる。また、焦点位置や記録領域の大きさを公知の手法で調整することにより、光記録樹脂層の厚み方向に複数の記録(換言すれば、記録の多層化)が可能となる。
また、記録光と同じ光源から、出力等を変えた再生光を光記録樹脂層内に集光させると、焦点近傍の光吸収、光反射などの光学的情報を記録情報として取得することができる。
図1は、光記録媒体の断面図である。 図2は、光記録再生装置の概略図である。 図3Aは、実施例2の光記録媒体の光記録後の表面電子顕微鏡写真である。 図3Bは、実施例2の光記録媒体の光記録後の断面の電子顕微鏡写真である。 図4Aは、実施例3の光記録媒体の光記録後の表面電子顕微鏡写真である。 図4Bは、実施例3の光記録媒体の光記録後の断面の電子顕微鏡写真である。 図5Aは、比較例5の光記録媒体の光記録後の表面電子顕微鏡写真である。 図5Bは、比較例5の光記録媒体の光記録後の断面の電子顕微鏡写真である。
まず、本発明の光記録用重合性組成物について説明する。本発明の光記録用重合性組成物は、図1に示すような、光記録樹脂層1の内部に記録光hνを集光させることにより、その焦点Fの近傍に記録を行う光記録媒体10の当該光記録樹脂層1を形成するためのものである。このような光記録樹脂層1の片面もしくは両面には、好ましくは、支持体あるいは保護部材としてガラス板等の透明基板2が配置されている。必要に応じて反射防止膜、偏光膜等の公知の光学膜を積層してもよい。
本発明の光記録用重合性組成物は、アクリル系モノマーと、重合開始剤と、昇華性又は熱分解性を示すカルバゾール類とを含有するものであって、重合後のガラス転移温度が−30〜50℃、好ましくは0〜20℃であり、架橋度が1〜2であることを特徴とするものである。
本発明の光記録用重合性組成物の重合後の重合物のガラス転移温度を−30〜50℃とした理由は、−30℃未満であると、重合物が柔らかすぎ、穴を形成できない場合が増加し、50℃を超えると重合物にクラックが発生する場合が増加するからである。
また、本発明の光記録用重合性組成物の重合後に得られる重合物の架橋度を1〜2、好ましくは1.2〜1.8とした理由は、架橋度が1未満であると記録樹脂層が柔らかすぎて穴を形成することが困難となり、あるいは一旦形成した穴の形状が変化してしまう傾向があり、2を超えると記録樹脂層にクラックが発生する傾向があるからである。ここで、架橋度は、使用するアクリル系モノマーM1、M2、・・Mnのそれぞれの官能基数をF1、F2、・・Fnとし、そのアクリル系モノマーの使用量(質量部)をそれぞれW1、W2、・・Wnとし、全アクリル系モノマーの使用量をW0(=W1+W2+・・+Wn)とした時に、以下の式で定義されるものである。架橋度の数値が1の場合は、単官能モノマーのみを使用した場合に相当し、架橋度の数値が大きくなると3次元架橋の度合いが高くなる。
アクリル系モノマーとしては、単官能(メタ)アクリレート(ここで、(メタ)アクリレートにはアクリレートとメタクリレートとが包含される)、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−メチルブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘプチル(メタ)アクリレート、2−メチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ブチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシ(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等;二官能(メタ)アクリレート、例えば、ビスフェノールF―EO変性ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA―EO変性ジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート等;三官能(メタ)アクリレート、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンPO変性(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリ(メタ)アクリレート等;四官能以上の(メタ)アクリレート、例えば、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート等が挙げられる。その他に、多官能ウレタン(メタ)アクリレートも使用することができる。具体的には、M1100、M1200、M1210、M1600(以上、東亜合成工業(株))、AH−600、AT−600(以上、共栄社化学(株))等が挙げられる。
これらのアクリル系モノマーの中でも、重合物のガラス転移温度を低下させる効果の高い2−エチルヘキシルアクリレートを使用することが好ましい。この場合、アクリル系モノマー100質量部中に、2−エチルヘキシルアクリレートを、好ましくは30〜60質量部、より好ましくは40〜50質量部配合する。
重合開始剤は、アクリル系モノマーをラジカル重合させるものであり、熱重合開始剤の他、光重合開始剤も使用することができる。
熱重合開始剤としては、例えば、有機過酸化物やアゾ系化合物等が挙げられるが、比較的低温で重合反応を開始させることが可能である点から有機過酸化物を好ましく使用することができる。
有機過酸化物としては、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ヘキシルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、イソブチルパーオキサイド、過酸化ラウロイル、琥珀酸パーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、オクタノイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカルボネート、ジノルマルプロピルパーオキシジカルボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカルボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカルボネート、ジ−2−メトキシブチルパーオキシジカルボネート、ビス−(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカルボネート、(α,α−ビス−ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、パーオキシネオデカン酸クミルエステル、パーオキシネオデカン酸オクチルエステル、パーオキシネオデカン酸ヘキシルエステル、パーオキシネオデカン酸−tert−ブチルエステル、パーオキシピバリン酸−tert−ヘキシルエステル、パーオキシピバリン酸−tert−ブチルエステル、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、パーオキシ−2−エチルヘキサン酸−tert−ヘキシルエステル、パーオキシ−2−エチルヘキサン酸−tert−ブチルエステル、パーオキシ−2−エチルヘキサン酸−tert−ブチルエステル、パーオキシ−3−メチルプロピオン酸−tert−ブチルエステル、パーオキシラウリン酸−tert−ブチルエステル、tert−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、tert−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカルボネート、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカルボネート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、過酢酸−tert−ブチルエステル、過安息香酸−tert−ヘキシルエステル、過安息香酸−tert−ブチルエステルなどが挙げられる。有機過酸物に還元剤を添加し、レドックス系重合開始剤として使用してもよい。
アゾ系化合物としては、1,1−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2´−アゾビス(2−メチル−ブチロニトリル)、2,2´−アゾビスブチロニトリル、2,2´−アゾビス(2,4−ジメチル−バレロニトリル)、2,2´−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、2,2´−アゾビス(2−アミジノ−プロパン)塩酸塩、2,2´−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]塩酸塩、2,2´−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]塩酸塩、2,2´−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2´−アゾビス[2−メチル−N−(1,1−ビス(2−ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2´−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2´−アゾビス(2−メチル−プロピオンアミド)二水塩、4,4'−アゾビス(4−シアノ−吉草酸)、2,2´−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオン酸)ジメチルエステル(ジメチル2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオネート))、シアノ−2−プロピルアゾホルムアミドなどが挙げられる。
光重合開始剤としては、アセトフェノン系光重合開始剤、ベンジルケタール系光重合開始剤、リン系光重合開始剤等が挙げられる。具体的には、アセトフェノン系光重合開始剤として、2−ヒドロキシ−2−シクロへキシルアセトフェノン(イルガキュア(IRGACURE)184、チバジャパン社製)、α−ヒドロキシ−α,α′−ジメチルアセトフェノン(ダロキュア(DAROCUR)1173、チバジャパン社製)、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(イルガキュア(IRGACURE)651、チバジャパン社製)、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン(ダロキュア(DAROCUR)2959、チバジャパン社製)、2−ヒドロキシ−1−〔4−{4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル}フェニル〕−2−メチル−プロパン−1−オン(イルガキュア(IRGACURE)127、チバジャパン社製)等が挙げられる。ベンジルケタール系光重合開始剤として、ベンゾフェノン、フルオレノン、ジベンゾスベロン、4−アミノベンゾフェノン、4,4′−ジアミノベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4′−ジクロロベンゾフェノン等が挙げられる。リン系光重合開始剤として、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(イルガキュア(IRGACURE)819、チバジャパン社製)、(2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド(ダロキュア(DAROCUR)TPO、チバジャパン社製)等が挙げられる。
本発明の光記録用重合性組成物における重合開始剤の配合量は、熱重合開始剤であるか光重合開始剤であるかによらず、少なすぎると硬化が不十分(換言すれば重合が不十分)となる傾向があり、多すぎると重合物が劣化する傾向があるので、アクリル系モノマー100質量部に対し、好ましくは0.1〜2質量部、より好ましくは0.5〜1質量部である。
本発明の光記録用重合性組成物は、昇華性又は熱分解性を有するカルバゾール類を含有する。ここで、昇華性のカルバゾール類は、レーザー光の集光照射等により加熱されて昇華気化し、その結果、光記録媒体の光記録樹脂層に空洞を形成する。また、熱分解性のカルバゾール類は、レーザー光の集光照射等により加熱されて分解気化し、その結果、光記録媒体の光記録樹脂層に空洞を形成する。
カルバゾール類としては、カルバゾール、N−ビニルカルバゾール、N−メチルカルバゾール、N−エチルカルバゾール、N−ブチルカルバゾール、N−フェニルカルバゾール、N−ベンジルカルバゾール、N−アクリロイルカルバゾール、N−ベンゾイルカルバゾール、N−(p−メチルフェニル)カルバゾール、N−(p−エチルフェニル)カルバゾール、N−(p−ビニルフェニル)カルバゾール、N−(p−ブチルフェニル)カルバゾール、N−(p−ビニルベンジル)カルバゾール、N−(p−ブチルベンジル)カルバゾール、3,6−ジブロモカルバゾール、3,6−ジクロロカルバゾール、3,6−ジヨードカルバゾール、N−フェニル−3,6−ジブロモカルバゾール、N−フェニル−3,6−ジクロロカルバゾール、N−フェニル−3,6−ジヨードカルバゾール、3−アミノカルバゾール、3−ニトロカルバゾール、N−ニトロカルバゾール、N−ニトロソカルバゾール、4,4′−ビス(9H−カルバゾール−9−イル)ビフェニル、1,3,5−トリ(9H−カルバゾール−9−イル)ベンゼン等が挙げられる。これらの中でも、比較的昇華性の高いものを使用することができ、特にN−フェニルカルバゾールを好ましく使用することができる。
本発明の光記録用重合性組成物におけるカルバゾール類の配合量は、少なすぎると光記録媒体の書き込み感度が不十分となる傾向があり、多すぎると光記録媒体の機械的特性が低下し過ぎる傾向があるので、アクリル系モノマー100質量部に対し、好ましくは10〜40質量部、より好ましくは15〜25質量部である。
本発明の光記録用重合性組成物には、必要に応じて、熱可塑性樹脂、アクリル系オリゴマー、酸化防止剤、着色剤等の公知の樹脂用添加剤を本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。
本発明の光記録用重合性組成物は、アクリル系モノマー、重合開始剤、及び昇華性又は熱分解性を示すカルバゾール類を、常法により均一に混合することにより製造することができる。必要に応じて、モノマー希釈剤、溶剤等を混合してもよい。
次に、本発明の光記録用重合性組成物を使用して形成した光記録樹脂層を有する本発明の光記録媒体について説明する。
図1に示すように、本発明の光記録媒体10は、光記録樹脂層1を有し、その光記録樹脂層1の内部に記録光hνを集光させることにより、焦点F近傍に記録マークとして空洞を形成させ記録を行うものである。このような光記録樹脂層1の片面もしくは両面には、好ましくは、支持体あるいは保護部材としてガラス板等の一対の透明基板2が配置されている。必要に応じて反射防止膜、偏光膜等の公知の光学膜を積層してもよい。
本発明の光記録媒体10は、光記録樹脂層1が、アクリル系モノマーと、重合開始剤と、昇華性又は熱分解性を示すカルバゾール類とを含有し、重合後のガラス転移温度が−30〜50℃であり、架橋度が1〜2である光記録用重合性組成物を重合させたものから形成されていることを特徴としている。ここで、光記録媒体における「アクリル系モノマー」、「重合開始剤」と、「昇華性又は熱分解性を示すカルバゾール類」、「ガラス転移温度」及び「架橋度」については、本発明の光記録用重合性組成物において説明したとおりの意義を有する。
本発明の光記録媒体は、脱泡処理した上述の光記録用重合性組成物を、ガラス基板などの一対の透明基板間に所定の厚みとなるように挟持させ、重合開始剤が熱重合開始剤である場合には加熱することにより又は重合開始剤が光重合開始剤である場合には紫外線を照射することにより、ガラス基板に挟持された光記録用重合性組成物を重合させ、それにより光記録樹脂層とすることにより製造することができる。
このような本発明の光記録媒体においては、その光記録樹脂層中に記録光を集光させ、焦点近傍を高温に加熱すると、その部分がガラス転移温度以上に加熱されて変形し易くなると共に、カルバゾール類が昇華又は熱分解し、光記録樹脂層中に記録マークとして小さな空洞を形成することができる。また、焦点位置や記録領域の大きさを公知の手法で調整することにより、光記録樹脂層の厚み方向に複数の記録(換言すれば、記録の多層化)が可能となる。また、記録光と同じ光源から、出力等を変えた再生光を光記録樹脂層内に集光させると、光学的異方性部分の光吸収、光反射などの光学的情報を記録情報として取得することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
実施例1〜5及び比較例1〜5
表1に示す成分を配合し、攪拌機(アクリル練太郎、株式会社シンキー)を用いて均一に混合し、脱泡することにより光記録用重合性組成物を得た。
得られた光記録用重合性組成物を、0.7mm厚のガラス基板に、0.25mm厚となるように塗布し、0.7mm厚のガラス基板で挟み、100℃のオーブン中で20分間加熱放置し、一対のガラス基板とそれらに挟持された光記録樹脂層とからなる光記録媒体を得た。なお、光記録媒体の外側面となるガラス基板の表面には、波長403nmの光に対して無反射となるような反射防止処理が施してある。
評価
<ガラス転移温度、架橋度>
得られた光記録用重合性組成物を100℃のオーブン中で20分間加熱放置することにより熱重合させ、幅4mm、長さ4cm、厚さ250μmの大きさに成形し、ガラス転移点試験テストピースを作成した。このテストピースのガラス転移温度を、粘弾性測定装置(TMA/SS6100、セイコーインスツル(株))を用いて測定した(SSモード(DMA機能)、オフセット50mN、振幅10mN、周波数0.1Hz)。得られた結果を表1に示す。
また、光記録用重合性組成物の重合物の架橋度を、以下の計算式に従って算出した。得られた結果を表1に示した。
式中、M1、M2、・・Mnは使用したアクリル系モノマーを示し、F1、F2、・・Fnは、W1、W2、・・Wnは、使用したアクリル系モノマーM1、M2、・・Mnの使用量(質量部)であり、W0は、全アクリル系モノマーの使用量である(W0=W1+W2+・・+Wn)。
<記録マーク、記録速度>
また、光記録樹脂層の深さ125μmの位置に、図2に示すような光記録再生装置を用い、以下に説明するように記録(書き込み)を行い、記録速度と記録マーク(孔)の大きさを測定評価した。得られた結果を表1に示す。
(光記録再生装置)
この記録再生装置200においては、電源201から電力が供給された青色半導体レーザーダイオード202から、出力45mWの波長406nmの光ビーム(出力55mW)を、コーリーメートレンズ203、メカニカルシャッタ204、対物レンズ(NA=03)205を経由して、ステージテーブル206に載置された光記録媒体207内の所期の位置に集光させ、記録マークを形成する。この場合、照射時間は電流パルス駆動にて制御し、また、光ピックアップのx方向、y方向及びz方向の位置は、ステージコントローラ208にて、ステージテーブル206を移動させることにより制御する。光記録媒体207からの戻り光については、対物レンズ205で平行光に変換し、偏光ビームスプリッタ209に入射させて受光素子側に反射させ、アクロマートレンズ210で受光素子211に集光し、光量を測定する。なお、深さ方向の位置調整は、測定毎にガラス基板と光記録樹脂層との界面反射を検出し、それを基準にマイクロメータにて行う。
(記録速度)
パルス電流にて光の照射時間を制御し、任意の照射時間で書き込みを行い、その後、XYステージにより光記録媒体を所定距離移動させた。次に、照射時間を変えて書き込みを行い、その後、XYステージにより光記録媒体を再び所定距離移動させた。この繰り返しにより連続的に照射時間の異なるマークを等間隔に形成した。また、Z方向に調整することにより、125μmの深さの位置に記録を行った。
記録が行われた光記録樹脂層の断面を、電子顕微鏡(S4700、日立製作所(株))を用いて観察した。記録ができた場合の最も短い照射時間を記録速度とした。併せて記録マーク(孔)の大きさも観察した。
なお、実施例2の光記録媒体の1μmピッチで光記録後の表面並びに断面の電子顕微鏡写真を撮った。図3Aが表面の光学顕微鏡写真(1mmピッチ)であり、図3Bが断面の電子顕微鏡写真(倍率30,000倍)である。同様に、実施例3の光記録媒体の5μmピッチで光記録後の表面(図4A)並びに断面(図4B)の電子顕微鏡写真を撮った。また、比較例5の光記録媒体の200μmピッチで光記録後の表面(図5A)並びに断面(図5B)の電子顕微鏡写真を撮った。
表1から、ガラス転移温度が50℃以下であって、且つ架橋度が1〜2の範囲内である実施例1〜5の光記録媒体に対しては、記録マークとして幅が5μm以下の空洞を形成することができた。特に、実施例2の場合には、1μmピッチで記録が可能であった。このため、20層の多層化記録ができた(1μmピッチ、12μm層間隔)。また、実施例3の場合、5μmピッチで記録が可能であった。このため、20層の多層化記録ができた(5μmピッチ、5μm層間隔)。
それに対し、比較例5の場合、架橋度は実施例と同じであったが、ガラス転移温度が50℃を超えていた。このため、記録は可能であったが、空洞の大きさが実施例に比べ非常に大きいものであり、記録の多層化が困難であった。また、比較例1〜4の場合、ガラス転移温度が50℃を超えており、しかも架橋度も2を超えているため、比較例5の場合よりも小さい空洞を記録することはできなかった。
本発明の光記録用重合体組成物は、単一の光源からの光を利用して記録(書き込み)と再生(読み取り)とを行うことが可能な光記録媒体に有用である。
1 光記録樹脂層
2 透明基板
10 光記録媒体
hν 記録光
F 焦点

Claims (8)

  1. 光記録樹脂層を有し、その光記録樹脂層の内部に記録光を集光させることにより記録を行う光記録媒体の当該光記録樹脂層を形成するための光記録用重合性組成物であって、アクリル系モノマーと、重合開始剤と、昇華性又は熱分解性を示すカルバゾール類とを含有し、重合後のガラス転移温度が−30〜50℃であり、架橋度が1〜2であることを特徴とする光記録用重合性組成物。
  2. アクリル系モノマー100質量部に対し、重合開始剤を0.1〜2質量部、カルバゾール類を10〜40質量部含有する請求項1記載の光記録用重合性組成物。
  3. カルバゾール類が、N−フェニルカルバゾールである請求項1又は2記載の光記録用重合性組成物。
  4. アクリル系モノマーが、2−エチルヘキシルアクリレートを含有する請求項1〜3のいずれかに記載の光記録用重合性組成物。
  5. アクリル系モノマー100質量部中に、2−エチルヘキシルアクリレートを30〜60質量部含有する請求項1〜4のいずれかに記載の光記録用重合性組成物。
  6. 重合開始剤が、熱重合開始剤である請求項1〜5のいずれかに記載の光記録用重合性組成物。
  7. 熱重合開始剤が、有機過酸化物である請求項6に記載の光記録用重合性組成物。
  8. 光記録樹脂層を有し、その光記録樹脂層の内部に記録光を集光させることにより記録を行う光記録媒体において、該光記録樹脂層が、請求項1〜7のいずれかに記載の光記録用重合性組成物を重合させたものから形成されていることを特徴とする光記録媒体。
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