JP2011237339A - 経路予測装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】観測情報記憶部に記憶されている観測情報を監視し解析し、観測データが得られている間は該観測情報の解析結果を元に上記目標側経路評価関数パラメータ値調整部を周期的に実行し上記目標側経路評価関数パラメータ値記憶部に記憶されているパラメータの値を調整し、観測データが欠けている間は上記目標側経路評価関数パラメータ値記憶部に記憶されているパラメータの値を上記目標側最適経路生成部に入力して目標側最適経路を生成させる経路予測システムタスク実行部を含み、経路予測システムタスク実行部は、観測情報の解析結果に応じて、目標側経路評価関数パラメータ値調整部で調整するパラメータの数を変更する。
【選択図】図1
Description
例えば、現在時刻の目標の位置や速度の情報、および、地形情報をファジイ推論要素に入力し、地形に対して目標が取る基本行動(目標が低対地高度を保ちながら、地形への衝突を回避する等)を前提とした目標の操縦量を算出することによって、次時刻の目標の位置や速度を求める予測部を持つ。
また、観測データが得られている間は、観測データと予測値の誤差を利用して、その誤差が小さくなるようにファジイ推論から算出される操縦量を調整する学習調整部を持つ。そして、2つの構成要素を持つことで、観測データが欠けている時においても信頼性の高い経路予測を行う(例えば、特許文献1参照)。
目標側最適経路生成技術の動作は、移動空間を離散化(グリッド状に分割する等)し、ある評価関数を最適化するような経路点集合をダイクストラで選択することにより、最適経路を生成するというものである。ここで利用される評価関数は、経路生成において最適化すべき各要素(移動距離、レーダからの被探知性等)の評価値の線形和としてモデル化されることが多く、各要素間のトレードオフ調整用パラメータ(各項の重みづけ係数値)が存在する。例えば、目標側が飛行経路計画を行うにあたり、総移動距離が短くレーダに探知されにくい経路を最適経路とし、以下の式(1)に示す評価関数を最小化する経路を求める。
しかし、特許文献1は、目標の基本行動として、「目標が監視側レーダに探知されにくい経路を通る」ことを前提としないため、山陰に隠れる以上の観測データが長期間に亘って欠けた時(例えば、目標が監視側のレーダ覆域を考慮して、山陰から復帰しないような経路を通った場合)において、予測経路の信頼性が低下するという問題点あった。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る経路予測装置の構成図である。
この発明の実施の形態1に係る経路予測装置は、目標を観測して観測データを出力するレーダからなるセンサ部1、観測データが入力されるとともに目標の観測情報、例えば観測時刻、位置、速度を出力する目標情報取得部2、所定のサンプリング周期で順次得られる観測情報を時系列に記憶する観測情報記憶部3、地形情報が予め格納された地形情報データベース4、監視側のレーダ情報、例えば配置や覆域等が予め格納された監視側レーダ情報データベース5、目標が目指す対象となる可能性が高い監視側の重要拠点が予め格納された監視側重要拠点データベース6、及び、目標にとっての飛行経路の最適性に影響を与える要素、例えば飛行高度、監視側レーダからの被探知性等の評価値の線形和で定義された目標側経路評価関数の各要素間のトレードオフを調整するパラメータ値、すなわち各項の重みづけ係数値を記憶する目標側経路評価関数パラメータ値記憶部7を備える。
センサ部1は特定の目標を任意のサンプリング間隔で観測する。センサ部1が観測して得たデータは目標情報取得部2で処理されて、目標の観測時刻、位置、速度を含む観測情報に変換される。目標情報取得部2から得られた各時刻における目標の観測情報は、観測情報記憶部3内に時系列に順次保存される。
経路予測システムタスク実行部10は、監視側レーダ情報データベース5及び地形情報データベース4に格納されているデータに基づいて、観測情報記憶部3に記憶されている目標の観測情報を監視し解析して、目標側経路評価関数パラメータ値調整部9と目標側最適経路生成部8を実行する。
目標側経路評価関数パラメータ値調整部9は、センサ部1により目標が観測されて観測データが得られている間は所定の等間隔毎に、および、観測データが欠けていた期間からの復帰後は直後に、前回の目標側経路評価関数パラメータ値調整部9の実行後から新たに取得された観測情報の一連と調整モードが入力され、パラメータ値の調整を行うために実行される。調整モードとは、調整するパラメータを指定するモードであり、これは、新たに取得された観測情報の一連の解析結果に基づいて設定される。
ここでは、任意の時間間隔ΔT毎に、目標の移動先候補点を複数生成し、目標側経路評価関数の評価値が良い移動先候補点を次時刻の目標の移動先として選択することを繰り返して、目標側最適経路を生成する。以下、目標の位置、速度、および、その目標がその位置、速度を保有する時刻を「目標状態」と称する。
ステップ1において、目標側最適経路生成部8を実行する際に入力として与えられた経路生成開始時刻、経路生成開始時刻の目標の位置、速度を「現在時刻の目標状態」として設定する。また、目標側最適経路生成部8を実行する際に入力として与えられた目標側経路評価関数のパラメータ値を目標側経路評価関数に設定する。
ステップ2において、経路生成開始時刻の目標状態に対する時間間隔ΔT経過後の移動先候補点を複数個生成する。移動先候補点の目標状態は、その移動先候補点に目標が存在する時刻(現在時刻tにΔTを加えた時刻)、及び移動先候補点の位置や速度である。
図3は、この発明の実施の形態1に係る経路予測装置に備えられる目標側最適経路生成部8において生成する移動先候補点の例を示す図である。
現在時刻tの目標の速度と時間間隔ΔTから目標が旋回可能な最大角度を算出し、時刻t+ΔTの移動先候補点として、図3に示すように、「旋回無しの移動先候補点」と「最大旋回角度で旋回したときの移動先候補点」に加え、「最大旋回角度より小さい旋回角度で旋回したときの移動先候補点」を複数個生成している。次時刻t+ΔTの目標の位置や速度は、移動先候補点の旋回角度と現在時刻の位置や速度より算出される。
αとγには、目的地までの最短経路を通るか、レーダから探知されてにくい経路を通るかのトレードオフ関係がある。そして、αの値を大きくすると最短経路をより重視した経路となる。逆に、γの値を大きくするとレーダからの被探知性をより重視した経路となる。
終了条件を満たさない場合は、現在時刻にΔTを加え、現在時刻の目標状態を選択された移動先候補点の目標状態として、ステップ2へ戻る。
前回、目標側経路評価関数パラメータ値調整部9が実行されてから新たに取得された観測情報の一連の解析結果に応じて、出来る限り調整するパラメータを絞るように調整モードを設定する。
例えば、式(2)の目標側経路評価関数の場合は、観測情報の一連の解析結果に応じて、以下のように調整モードを設定する。ここで、図4は式(2)の目標側経路評価関数に対する調整モードの設定例を示したものである。
新たに取得された観測情報の一連の解析結果が「地形がある程度平坦な箇所を通過後」である場合、目標は地形の影響をあまり受けずに飛行したことが予測されるため、この観測情報に基づいてαとβの比重調整をすることは難しい。よって、αとγに絞った比重調整を行う「α、γの比重調整モード」を調整モードに設定する。
新たに取得された観測情報の一連の解析結果が「地形がある程度複雑な箇所を通過後」または「データが長時間に亘って欠けていた後」である場合は、地形、監視側レーダが目標の飛行にどのように影響したか分かりにくいため、調整するパラメータは絞らずにα、β、γ全ての比重調整を行う「α、β、γの比重調整モード」を調整モードに設定する。
まず、目標側経路評価関数パラメータ値記憶部7に記憶されているパラメータ値を読出し、パラメータ調整処理で利用する基準パラメータにその値を設定する。そして、入力された観測情報の一連と設定された調整モードに応じて、基準パラメータに以下の調整処理を複数回繰り返す。
パラメータ値初期化モードの場合、様々な数値のα、β、γの組合せを近傍パラメータとして複数生成する。
α、βの比重調整モードの場合、α、γは基準パラメータ値をそのまま利用し、βのみを基準値に対して増減させたα、β、γの組合せを近傍パラメータとして複数生成する。
α、γの比重調整モードの場合、α、βは基準パラメータ値をそのまま利用し、γのみを基準値に対して増減させたα、β、γの組合せを近傍パラメータとして複数生成する。
α、β、γの比重調整モードの場合、αは基準パラメータ値をそのまま利用し、β、γを基準値に対して増減させたα、β、γの組合せを近傍パラメータとして複数生成する。
ここで、目標側最適経路生成部8によって生成された経路は移動先として選択された移動先候補点の集合R={r1,r2,・・・,rn}であり、観測情報の一連はOB={ob1,ob2,・・・,obm}である。そして、各rj(j=1,2,・・・,n)、obi(i=1,2,・・・,m}は、目標の位置、速度に加え、obiの場合は観測時刻、rjの場合は目標がその位置に存在する時刻の情報を保持する。
ステップ13−2において、対応づけたrj、obiの位置誤差(距離)を算出する。
ステップ13−3において、ステップ13−2で算出した位置誤差の総和を求め、目標側最適経路生成部8で生成された経路と観測情報の一連との位置誤差とする。
ステップ14において、基準パラメータ値をステップ13で選択された経路(観測経路の一連と最も類似した経路)を生成するのに利用されていたパラメータ値で更新する。予め指定された任意の繰返し回数に達した場合、目標側経路評価関数パラメータ値記憶部7に記憶されているパラメータ値を基準パラメータ値(調整後のパラメータ値)で更新して目標側経路評価関数パラメータ値調整部9の動作を終了する。そうでない場合、ステップ11へ戻る。
この発明の実施の形態2に係る経路予測装置は、この発明の実施の形態1に係る経路予測装置と目標側最適経路生成部が異なり、それ以外は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記し説明を省略する。
この発明の実施の形態2に係る目標側最適経路生成部は、利用する経路生成の終了条件に「目標が監視側レーダに再び検知可能となる」という条件を加えること以外はこの発明の実施の形態1に係る目標側最適経路生成部8と同じである。
この発明の実施の形態3に係る経路予測装置は、この発明の実施の形態1に係る経路予測装置と目標側最適経路生成部および目標側経路評価関数パラメータ値調整部が異なり、それ以外は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記し説明を省略する。
この発明の実施の形態3に係る目標側最適経路生成部は、経路生成終了時刻が入力されることと、経路生成の終了条件に「生成した経路を目標が現在時刻から飛行した場合に経路生成終了時刻に達する」という条件を加えること以外はこの発明の実施の形態1に係る目標側最適経路生成部8と同じである。
この発明の実施の形態4に係る経路予測装置は、この発明の実施の形態1に係る経路予測装置と経路予測システムタスク実行部が異なり、それ以外は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記し説明を省略する。
この発明の実施の形態4に係る経路予測システムタスク実行部は、観測データが欠けているときに目標側最適経路生成部8を実行し得た予測経路を出力するが、引き続き観測データが欠けている場合には、目標側経路評価関数パラメータ値調整部9を再び実行し、目標側経路評価関数パラメータ値記憶部7に記憶されているパラメータ値を調整する。尚、この場合、目標側経路評価関数パラメータ値調整部9へ入力される観測情報の一連は、前回、または過去に入力された観測情報の一連である。そして、目標側経路評価関数パラメータ値記憶部7に記憶されている再調整後のパラメータ値を目標側最適経路生成部8に入力し、最適経路生成処理を実行し、得られた経路を予測経路として再び外部へ出力する。以上を除き、経路予測システムタスク実行部の動作は実施形態1と同じである。
この発明の実施の形態5に係る経路予測装置は、この発明の実施の形態1に係る経路予測装置に目標側経路評価関数パラメータ値記憶部7に記憶されているパラメータ値を外部からユーザが設定できる機能を追加したことが異なり、それ以外は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記し説明を省略する。
この発明の実施の形態5に係る経路予測装置は、目標側経路評価関数のパラメータ値の初期値をユーザが設定できるし、パラメータ調整処理においてもユーザと対話型でできるので、より信頼性の高い経路予測が可能となるという効果がある。
この発明の実施の形態6に係る経路予測装置は、この発明の実施の形態1に係る経路予測装置と経路予測システムタスク実行部が異なり、それ以外は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記し説明を省略する。
この発明の実施の形態6に係る経路予測システムタスク実行部は、この発明の実施の形態1に係る経路予測システムタスク実行部と観測データが欠けていて目標側最適経路生成部8を実行して予測経路を生成するときに、異なる複数のパラメータ値を用いて複数の経路を生成することが異なり、それ以外は同様である。
異なる複数のパラメータ値とは、例えば以下のようなものである。
目標側経路評価関数パラメータ値記憶部7に記憶されているパラメータ値の近傍パラメータ。
経路予測システムタスク実行部にユーザが予測経路として追加表示させたいパラメータ値を設定できる機能を付加し、それを利用して入力されたパラメータ値。
Claims (6)
- 目標を観測して観測データを出力するセンサ部、
入力される上記観測データを上記目標の観測情報として出力する目標情報取得部、
順次得られる上記観測情報を時系列に記憶する観測情報記憶部、
地形情報が予め格納された地形情報データベース、
監視側のレーダ情報が予め格納された監視側レーダ情報データベース、
上記目標が目指す対象とする可能性が高い監視側の重要拠点データが予め格納された監視側重要拠点データベース、
上記目標にとっての経路の最適性に影響を与える要素の評価値の線形和で定義された目標側経路評価関数の各上記要素間のトレードオフを調整するパラメータの値を記憶する目標側経路評価関数パラメータ値記憶部、
経路生成開始時刻での上記目標の位置や速度、上記目標側経路評価関数のパラメータの値、上記監視側重要拠点データベースおよび上記監視側レーダ情報データベース、上記地形情報データベースに格納されているデータに基づき、上記目標側経路評価関数を最適化する監視側の重要拠点までの経路を目標側最適経路として生成する目標側最適経路生成部、
上記目標の観測情報の一連、調整モードおよび上記目標側経路評価関数の異なる複数のパラメータの値を上記目標側最適経路生成部に入力して目標側最適経路を生成させるとともに上記目標側最適経路生成部が生成した異なる複数の経路のうち上記目標の観測情報の一連と最も類似した経路で利用されているパラメータの値を上記目標側経路評価関数パラメータ値記憶部に記憶されているパラメータの値に更新する目標側経路評価関数パラメータ値調整部、
上記観測情報記憶部に記憶されている観測情報を監視し解析し、上記観測データが得られている間は該観測情報の解析結果を元に上記目標側経路評価関数パラメータ値調整部を周期的に実行し、上記観測データが欠けている間は上記目標側経路評価関数パラメータ値記憶部に記憶されているパラメータの値を上記目標側最適経路生成部に入力して目標側最適経路を生成させる経路予測システムタスク実行部含む経路予測装置であって、
上記観測データが欠けている時に、地形や上記監視側レーダに対して上記目標が取る基本行動に基づき上記目標側最適経路を生成することで上記目標の経路予測を行う場合、該観測情報の解析結果に基づいて、上記目標側最適経路の生成で利用する上記目標側経路評価関数の複数のパラメータの一部のパラメータに絞ってパラメータ値の調整を行うことを特徴とする経路予測装置。 - 上記目標側最適経路生成部は、利用する経路生成の終了条件として上記目標が監視側レーダに再び検知可能となるという条件を加えたことを特徴とする請求項1に記載の経路予測装置。
- 上記目標側最適経路生成部は、利用する経路生成の終了条件として生成した経路を目標が現在時刻から飛行した場合に設定された経路生成終了時刻に達するという条件を加え、
上記目標側経路評価関数パラメータ値調整部は、パラメータ調整処理に必要とする経路部分のみを生成するように、上記目標側最適経路生成部に経路生成終了時刻を入力することを特徴とする請求項1に記載の経路予測装置。 - 上記経路予測システムタスク実行部は、予測経路を出力した後でも観測データが欠けている場合は、上記目標側経路評価関数パラメータ値調整部を再度実行してパラメータ値を調整し、且つ該パラメータ値を入力して上記目標側最適経路生成部を実行して得られた経路を再び予測経路として外部へ出力することを特徴とする請求項1に記載の経路予測装置。
- 上記目標側経路評価関数パラメータ値記憶部に記憶されているパラメータ値を外部からユーザが設定できる機能を有することを特徴とする請求項1に記載の経路予測装置。
- 上記経路予測システムタスク実行部は、観測データが欠けていて上記目標側最適経路生成部を実行して予測経路を得る際に、上記目標側経路評価関数パラメータ値記憶部に記憶されているパラメータ値および該パラメータ値と異なる複数のパラメータ値を上記目標側最適経路生成部に入力するとともに上記目標側最適経路生成部が生成した複数の経路を得て予測経路として出力することを特徴とする請求項1に記載の経路予測装置。
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