JP2011237107A - 空気清浄機 - Google Patents

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Abstract

【課題】吹出し口から空気をより均一、高速に吹出すことができ、生成されたイオンを効率よく部屋の遠くまで吹出すことができる送風装置及び該送風装置を含む空気清浄機を提供する。
【解決手段】第1風路部13Aは、シロッコファン12の外周に沿い、開口部131Aを有する略円筒状の周面部131を含み、第2風路部13Bは、前記周面部131の開口部131Aの周方向の一端側から前記シロッコファン12の略接線方向に延在して、吹出し口7の一部に繋がる第1側面部133と、該第1側面部133と対向し、前記周面部131の開口部131Aの周方向の他端側から前記吹出し口7に向かって延在し、前記吹出し口7の他部に繋がる第2側面部134とを含む。
【選択図】図4

Description

本発明は、送風装置及び該送風装置を備える空気清浄機に関する。
室内の空気は、塵埃、煙草の煙、呼吸に伴って排出される二酸化炭素等のさまざまな物質で汚染されている。近年の住宅では気密性が高められて、このような汚染物質が室内に溜まりやすく、積極的に室内の空気の換気を行なう必要がある。
ところが、大気汚染の比較的ひどい地域にある家屋やオフィス等では、窓を開けて換気することはかえって室内に汚れた空気を取り込むことになって好ましくない。また、大気汚染のひどくない地域の家屋等でも、季節によっては花粉を室内に取り込むことになって、この場合には、花粉症の人にとって好ましくない。
そこで、窓を開けずに室内の空気を清浄化するために、空気清浄機が使用される。室内の空気を浄化する手法としては、室内の空気を吸引してフィルタで塵埃等を捕集し、活性炭等で汚染物質を吸着する手法が一般的である。そのため、空気清浄機には次のような基本的な構造が採用される。
すなわち、空気清浄機の本体内に送風機を有する送風路が設けられ、その送風路の入口に空気吸込み口が配設される一方、送風路の出口に吹出し口が配設される。そして、送風路の途中に集塵フィルタと脱臭フィルタとがそれぞれ配設される。さらに、送風路の途中にイオン発生機が配設され、そのイオン発生機で発生したイオンが清浄な空気とともに室内に放出される。室内に浮遊するカビ菌等は、放出されたイオンによって取囲まれて不活性化される。こうして、空気清浄機によって室内の空気が浄化されることになる。このような空気清浄機は、たとえば特許文献1に提案されている。
特開2000−121111号公報
室内の空気を効果的に浄化するために、空気清浄機には、従来からイオンを効率よく発生させ、その発生したイオンを含んだ空気を吹出し口からより均一にして吹出させることが求められている。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、吹出し口から空気をより均一、高速に吹出すことができ、生成されたイオンを効率よく部屋の遠くまで吹出すことができる送風装置及び該送風装置を含む空気清浄機を提供することを目的とする。
本発明に係る送風装置は、シロッコファンと、該シロッコファンが送出する空気を外部へ吹出す吹出し口と、前記シロッコファンを囲繞するように配設された第1風路部、及び該第1風路部から前記吹出し口に延在する第2風路部を有し、前記シロッコファンが送出する空気を前記吹出し口にまで導く送風路とを備え、前記第1風路部は、前記シロッコファンの外周に沿い、開口部を有する略円筒状の周面部を含み、前記第2風路部は、前記周面部の開口部の周方向の一端側から前記シロッコファンの略接線方向に延在して、前記吹出し口の一部に繋がる第1側面部と、該第1側面部と対向し、前記周面部の開口部の周方向の他端側から前記吹出し口に向かって延在し、前記吹出し口の他部に繋がる第2側面部とを含むことを特徴とする。
また、本発明に係る送風装置は、前記第2側面部は、前記第1側面部との間は21°以下の角度を有するように傾いていることを特徴とする。
また、本発明に係る送風装置は、前記第1及び第2側面部は、ほぼ平行になるように延在していることを特徴とする。
本発明に係る空気清浄機は、上述した送風装置と、イオン発生機とを備える空気清浄機であって、前記送風装置は、第1風路部は、周面部に連結されてシロッコファンの軸方向の両端側を覆い、前記シロッコファンの空気を吸入する一側に開口部を有する端面部をさらに有し、第2風路部は、第1及び第2側面部を前記シロッコファンの回転軸方向の両側からそれぞれ挟み込む2枚の側板部をさらに有し、該2枚の側板部のうち、前記端面部の開口部側に位置する側板部に、前記イオン発生機が配設されていることを特徴とする。
また、本発明に係る空気清浄機は、シロッコファンと、前記シロッコファンが送出する空気を外部へ吹出す吹出し口と、前記シロッコファンを囲繞するように配設される第1風路部、及び該第1風路部から前記吹出し口に延在する第2風路部を有し、前記シロッコファンが送出する空気を前記吹出し口にまで導く送風路と、該送風路に配設されているイオン発生機とを備え、前記第1風路部は、前記シロッコファンの軸方向の両端側に該シロッコファンを覆い、前記シロッコファンの空気を吸入する一側で開口部を有する端面部を含み、前記第2風路部は、前記シロッコファンの軸方向の両端側に、前記端面部からそれぞれ延在して、前記吹出し口に繋がる2枚の側面部を含み、該2枚の側面部のうち、前記開口部側に位置する側面部に、前記イオン発生機が配設されていることを特徴とする。
本発明では、第2風路部は、第1風路部の略円筒状の周面部の開口部の周方向の一端側から略接線方向に延在して、吹出し口に繋がる第1側面部と、前記第1側面部と対向し、前記周面部の開口部の周方向の他端側から前記吹出し口に向かって前記第1側面部へ傾くように延在する第2側面部とを含む。この構成によれば、シロッコファンから遠心力によって吹出し口に向かって送り出される空気は、略円筒状の周面部の開口部から、シロッコファンの略接線方向に延在する第2側面部に沿って流れようとするところ、該第2側面部の傾きによって、第1側面部の側へ向かう空気の流れの成分が生じることになる。これにより、吹出し口における第2側面部の側の空気の吹出し量が第1側面部の側の空気の吹出し量よりも多くなるのが抑制されて、吹出し口の開口長さにわたってより均一に空気を吹出すことができる。なお、略円筒状あるいは略接線方向とは、数学的な円筒状や接線方向を意図するものではなく、一見して円筒状や接線方向であることが認識できる程度の構造を意図するものである。
本発明では、前記第2側面部は、前記第1側面部との間は21°以下の角度を有するように傾いていることにより、吹出し口における第2側面部の側の空気の吹出し量が第1側面部の側の空気の吹出し量よりも多くなるのが確実に抑制されて、吹出し口の開口長さにわたってより均一に空気を吹出すことができる。
本発明では、前記第1及び第2側面部は、ほぼ平行になるように延在していることにより、吹出し口における第2側面部の側の空気の吹出し量が第1側面部の側の空気の吹出し量よりも多くなるのがいっそう確実に抑制されて、吹出し口の開口長さにわたってより均一に空気を吹出すことができる。また、送風路の幅が従来より狭くされることになり、送風路で風速を速くすることができる。
本発明では、第1風路部は、周面部に連結されてシロッコファンの軸方向の両端側を覆い、前記シロッコファンの空気を吸入する一側に開口部を有する端面部をさらに有し、第2風路部は、第1及び第2側面部を前記シロッコファンの回転軸方向の両側からそれぞれ挟み込む2枚の側板部をさらに有し、該1対の側板部のうち、第1風路部の開口部側に位置する側板部に、前記イオン発生機が配設される。イオン発生機が配設されている側板部の側では、シロッコファンの吸込み口である開口部からシロッコファンが近いので、風圧が相対的に高くなる。送風装置から吹出された空気は、高速でイオン発生機へ当たり、イオン発生機から生成されたイオンが効率よく室内に放出されることができる。
本発明に係る送風装置による場合、吹出し口における空気の吹出し量のばらつきが抑制されて、吹出し口から空気をより均一、高速に吹出すことができる。また、空気清浄機に適用される場合は、生成されたイオンを効率よく部屋の遠くまで吹出すことができる。
本発明の実施の形態に係る空気清浄機を前面側から見た斜視図である。 本発明の実施の形態に係る空気清浄機を背面側から見た斜視図である。 本発明の実施の形態に係る空気清浄機の構成を模式的に示す縦断面図である。 本発明の実施の形態に係る空気清浄機の構成を示す部分破断正面図である。 本実施の形態に係る空気清浄機による部屋内の空気の流れを模式的に示す説明図である。 実施例1に係る空気清浄機の構成を示す部分破断正面図である。 実施例2に係る空気清浄機の構成を示す部分破断正面図である。 風速の測定点を示す模式図である。 実施例1に係る空気清浄機の風速測定の結果を示すグラフである。 比較例1に係る空気清浄機の風速測定の結果を示すグラフである。 比較例1に係る空気清浄機内の空気の流れを模式的に示す説明図である。 実施例2及び比較例1に係る空気清浄機のイオン数の測定の結果を示すグラフである。
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
なお、以下の実施の形態では、本発明の実施の形態に係る空気清浄機として、空気清浄機能を有する据え置き型の空気清浄機について説明する。
(全体構成)
図1は本発明の実施の形態に係る空気清浄機1を前面側から見た斜視図である。図2は本発明の実施の形態に係る空気清浄機1を背面側から見た斜視図である。
図1、図2に示すように、空気清浄機1は、本体ケーシング2と、前面パネル3と、本体ケーシング2の左右両側部に設けられている側面パネル4,4を主に備えている。本体ケーシング2は、縦長の箱状体からなり、その内部には空気清浄機1の主要部品が納められている。本体ケーシング2の主面には、吸込み口6が設けられている。吸込み口6は、空気清浄機1の外部の空気を空気清浄機1の内部へと導入するための開口部である。以下の説明では、空気清浄機1の前面パネル3が配置されている図1の紙面手前側を「前」とし、吸込み口6が配置されている図1の紙面奥側を「後」とする。また、以下の説明で使用する「左、右」は、図2中の「左、右」である。
本体ケーシング2の上部には、上面パネル部5が設けられており、この上面パネル部5には、吹出し口7が配設されている。吹出し口7は、空気清浄機1によって清浄化された空気を空気清浄機1の外部へ吹出すための開口部である。また、側面パネル4,4には、把手部41,41が設けられている。この把手部41は、空気清浄機1を持ち上げて搬送する際等の利便性を考慮して設けられたものである。なお、側面パネル4,4の一方又は両方には、後述する加湿フィルタ用の加湿タンク等が配設されてもよい。
前面パネル3には、各種操作ボタン、表示ランプ等が配設されている。前面パネル3は本体ケーシング2の前面及び側面の一部を覆うように本体ケーシング2に着脱自在に取付けられる。前面パネル3は、装置の動作時において、後述するシロッコファンやモータ等にて発生する騒音が装置外部へと漏れ出さないようにするための遮音部材として取付けられるものであり、同時に装置の外観上の美観を確保するためのものでもある。
次に、空気清浄機1の内部の構造について説明する。図3は本発明の実施の形態に係る空気清浄機1の構成を模式的に示す縦断面図である。図4は本発明の実施の形態に係る空気清浄機1の構成を示す部分破断正面図である。
図3及び図4に示すように、空気清浄機1の内部には、吸込み口6と近接するように、吸込み口6から吸込まれた空気に対して集塵処理を施す集塵フィルタ10が配設されている。集塵フィルタ10の前面側には、集塵処理を施された空気に対して加湿処理を施す加湿フィルタ11が配設されている。加湿フィルタ11の前面側には、吸込み面12Bが該加湿フィルタ11と対面するように、シロッコファン12が配置されている。シロッコファン12はモータ(図示せず)によって駆動され、回転軸12A周りに回転する。図4では、太い破線によってシロッコファン12の外輪郭が示されている。シロッコファン12の周り及び前面側を囲むように形成される下側送風路13A、及び該下側送風路13Aから上方向に延在する上側送風路13Bによって、送風路13が構成される。送風路13は、本体ケーシング2の上部に設けられた吹出し口7に連通している。
下側送風路13Aには、シロッコファン12の吸込み面12Bと対面するように連通孔14が形成される。上側送風路13Bは、連通孔14が形成された部分の直上に、イオン発生機15が設けられている。イオン発生機15は、交流電圧を印加することによって、空気中の酸素または水分をイオン化させ、正イオン及び負イオンの少なくともいずれか一方のイオンを生成する。生成したイオンはシロッコファン12で発生した風によって吹出し口7から室内に放出される。放出されたイオンは、空気中に浮遊する浮遊細菌、有害物質、ウィルス類、及び臭いの元となる分子などを分解又は不活化することによって、これらを除去することができる。したがって、空気清浄機1では、イオン発生機15のメカニズムによって、殺菌、室内の脱臭などの効果を得ることができる。
(送風路)
送風路13は、図3及び図4に示すように、下側送風路13Aと上側送風路13Bとによって構成される。下側送風路13Aは、周方向及び前後面側からシロッコファン12を覆うように形成されている。下側送風路13Aは、シロッコファン12の外周に沿ってシロッコファン12を周方向から囲繞するように略円筒状に形成されており、開口部131Aを有する周面部131と、シロッコファン12の前面及び後面側で該周面部131と連結し、シロッコファン12の前面及び後面側を覆う端面部132とによって構成される。該端面部132には、後面側では本体ケーシング2内に取り込まれた空気がシロッコファン12まで導かれるように、シロッコファン12の吸込み面12Bと対面する連通孔14が形成されている。
上側送風路13Bは、下側送風路13Aから上方向に向かって連続して、角筒状に形成されている。上側送風路13Bは、4つの側壁133〜136によって構成される。左側壁133は、周面部131の開口部131Aの周方向の一端側からほぼシロッコファン12の円周の略接線Sの方向に延在して吹出し口7に繋がる。右側壁134は左側壁133と対向し、周面部131の開口部131Aの周方向の他端側から、左側壁133に向かって傾くように延在し、吹出し口7に繋がる。前側壁135と後側壁136とは、1対の側板部として、左側壁133及び右側壁134を、シロッコファン12の回転軸12Aの方向の一端側と他端側とからそれぞれ挟み込むように、吹出し口7に向かって延在する。また、前側壁135及び後側壁136は、後面側に向くように略傾けられた状態で、下側送風路13Aから吹出し口7に向かって互いに近接するように延在する。連通孔14のほぼ直上、吹出し口7の直下の後側壁136の部分には、イオン発生機15が取付けられている。
(吹出し口)
吹出し口7は、図3及び図4に示すように、シロッコファン12の上方に配設され、仕切り材71により第1吹出し口72と第2吹出し口73との2つの吹出し口に分けられる。第1吹出し口72はイオン発生機15が取付けられた後側壁136の側に配設され、第2吹出し口73は前側壁135の側に配設されている。
第1吹出し口72及び第2吹出し口73のそれぞれには、空気の向きを調整するためのルーバ74,75が設けられている。また、このルーバ74,75は、送風路内に異物が侵入したり、手や指などが入るのを防止するといった故障防止や安全対策を図る機能も有する。仕切り材71はルーバ74から立ち上がり、基部はルーバ74に取付けられており、先端部に空気清浄機1の前面側に向けて延びる偏向部71Aが形成されている。これにより、シロッコファン12から遠心力によって吹出し口7に向かって送り出される空気は、仕切り材71に分流され、第1吹出し口72に導かれた空気は、空気清浄機1の後面側に向けて上方向へ吹出され、第2吹出し口73に導かれた空気は、仕切り材71の偏向部71Aによって空気清浄機1の前面側へ吹出されることになる。
(空気の流れ)
次に、空気清浄機1における空気の流れについて説明する。まず、シロッコファン12がモータによって回転駆動されることにより、シロッコファン12の後方の本体ケーシング2の空間において負圧が生じ、図3に示すように、本体ケーシング2に位置する吸込み口6を介して室内の空気が本体ケーシング2内に取り込まれる。
本体ケーシング2内に取り込まれた空気は、図3に示すように、集塵フィルタ10及び加湿フィルタ11を順に通過する際に、集塵処理及び加湿処理が施され、下側送風路13Aに設けられた連通孔14を通過する。次に、連通孔14を通過した空気は、図3及び図4に示すように、シロッコファン12の周面から外方に向かって吹出される。こうして吹出された空気は、送風路13により吹出し口7にまで導かれて、イオン発生機15によって発生したイオンとともに室内に送り出されることになる。図3、図4では、このような一連の空気の流れが矢印(白抜き)によって示されている。
空気清浄機1では、吹出し口7は仕切り材71により第1吹出し口72と第2吹出し口73との2つの吹出し口に分けられる。吹出し口7まで導かれた空気は、第1吹出し口72から空気清浄機1の後面側に向かって上方向に吹出されるとともに、第2吹出し口73から前面側に吹出される。
上述した空気清浄機1では、図3及び図4に示すように、上側送風路13Bでは、左側壁133は、周面部131の開口部131Aの周方向の一端側からシロッコファン12の円周のほぼ接線Sの方向に延在して吹出し口7に繋がる。右側壁134は左側壁133と対向し、周面部131の周方向の他端側から、左側壁133に向かって傾くように延在して吹出し口7に繋がる。シロッコファン12は図4の時計回り方向に回転し、シロッコファン12の遠心力によって吹出し口7に向かって送り出される空気は、右側壁134の側では風量が多く、左側壁133の側では風量が少なくなる。したがって、空気は右側壁134の側へ相対的に高風速で吹出され、左側壁133の側へ相対的に低風速で吹出される。このとき、シロッコファン12から相対的に高風速で吹出された空気は、右側壁134に沿って流れようとするところ、該右側壁134の左側への傾きによって、左側壁133の側へ向かう空気の流れの成分が生じることになる。
これにより、シロッコファン12からの空気が送風路13内で整流されて吹出し口7へ吹出され、送風路13における右側壁134の側の空気の吹出し量が左側壁133の側の空気の吹出し量よりも多くなるのが抑制されるので、吹出し口7の長手方向にわたってより均一に空気が吹出される。また、整流された風は、イオン発生機15の近傍を通過し、イオン発生機15内に複数個並べて配置されたイオン発生電極へ乱流がなく当たることにより、イオン発生機15のある電極から生成されたイオンが他の電極のイオンと干渉・減衰することなく放出されることになる。
また、左側壁133は、周面部131の開口部131Aの周方向の一端側からほぼシロッコファン12の円周の略接線Sの方向に延在して吹出し口7に繋がり、右側壁134は左側壁133と対向し、周面部131の開口部131Aの周方向の他端側から、左側壁133に向かって傾くように延在し、吹出し口7に繋がるので、送風路13の左右方向の幅が従来より狭くされることになる。これにより、送風路13で風速を速くすることができる。シロッコファン12から吹出された空気は、高速でイオン発生機15へ当たり、イオン発生機15から生成されたイオンが効率よく室内に放出されることができる。
本実施の形態の空気清浄機1では、前側壁135及び後側壁136は、後面側に向くように略傾けられた状態で、下側送風路13Aから吹出し口7に向かって互いに近接するように延在し、連通孔14のほぼ直上、吹出し口7のほぼ直下の後側壁136の部分には、イオン発生機15が取付けられている。図3の矢印(白抜き)によって示されているように、後側壁136の側では、吸込み口6からシロッコファン12が近いので、風圧が相対的に高くなり、前側壁135の側では、吸込み口6からシロッコファン12が遠いので、風圧が相対的に低くなる。これにより、シロッコファン12から送り出される空気が、相対的に高速で後側壁136に取付けられているイオン発生機15に当たる。イオン発生機15から生成されたイオンはさらに効率よく室内に放出されることができる。
また、図3に示したように、吹出し口7は、仕切り材71により第1吹出し口72と第2吹出し口73との2つの吹出し口に分けられる。シロッコファン12から送り出されて後側壁136に沿って第1吹出し口72に導かれた空気は、相対的に高い風速で空気清浄機1の後面側に向けて上方向へ吹出され、前側壁135に沿って第2吹出し口73に導かれた空気は、相対的に低い風速で空気清浄機1の前面側へ吹出されることになる。
図5は本実施の形態に係る空気清浄機による部屋内の空気の流れを模式的に示す説明図である。図5に示したように、空気清浄機1は吸込み口、即ち後面側が壁と対向するように部屋に設置されている場合、吹出し口から相対的に高い風速で空気清浄機1の後面側に向けて吹出された空気は、壁に当たって反射され、部屋の中央へ吹出される。これにより、部屋の遠くまで空気を吹出すことができる。また、シロッコファンの回転による吸込み力は、部屋内の空気を空気清浄機1へ吸込み、空気の流動をいっそう向上させることが可能である。本実施の形態に係る空気清浄機1を採用することにより、部屋の遠くの埃まで早く吸い寄せることができる。
以下、本発明を実施例及び比較例に基づいて詳細に述べる。
(実施例1)
図6は実施例1に係る空気清浄機1の構成を示す部分破断正面図である。図6に示したように、実施例1に係る空気清浄機1は、左側壁133はシロッコファン12の円周の略接線Sの方向に延在し、鉛直方向(破線によって示されている)に対して35°傾くように構成される。右側壁134は左側壁133と対向し、周面部131の開口部131Aの周方向の他端側から、左側壁133に向かって鉛直方向に対して14°傾くように延在する。イオン発生機15は、後側壁136に取付けられている。このように構成した空気清浄機1の吹出し口7では、シロッコファン12の左右方向の開口長さWが200mmである。
(実施例2)
図7は実施例2に係る空気清浄機1の構成を示す部分破断正面図である。図7に示したように、実施例2に係る空気清浄機1は、左側壁133はシロッコファン12の円周の略接線Sの方向に延在し、途中で鉛直方向(破線によって示されている)に対して44°傾くように右側壁134から遠ざかって吹出し口7に繋がる。右側壁134は左側壁133と対向し、周面部131の開口部131Aの周方向の他端側から、左側壁133に向かって鉛直方向に対して6°傾くように延在する。イオン発生機15は、後側壁136に取付けられている。このように構成した空気清浄機1の吹出し口7ではシロッコファン12の左右方向の開口長さWが260mmである。
(比較例1)
実施例2のイオン発生機15の取付け位置に代えて、イオン発生機15が前側壁135に取付けられていること以外は、実施例2と同様にして、比較例1に係る空気清浄機1を得た。
実施例1及び比較例1の空気清浄機1につき、吹き出した風速を測定した。図8は風速の測定点を示す模式図である。風量がそれぞれ3.6m3/min、6.5m3/minとなるように、空気清浄機1を運転させ、図8に示したように、吹出し口7の近傍であって、製品の前側及び後側の左、中、右合わせて6つの測定点において、風速を測定した。
実施例1の空気清浄機1については、風速測定の結果を図9Aの表及び図9Bのグラフに、比較例1の空気清浄機1については、風速測定の結果を図10Aの表及び図10Bのグラフに示す。図9に示したように、実施例1の空気清浄機1は、乱流なしに吹出し口7の開口長さにわたって高風速でほぼ均一に空気を吹出したことを確認した。一方、図10に示したように、実施例1の空気清浄機1に対して、比較例1の空気清浄機1は、吹出し口7から吹出した空気は、風速は遅くなり、かつばらつきが著しくなると認めた。
次に、比較例1に係る空気清浄機1の風速ばらつきの原因について説明する。図11は比較例1に係る空気清浄機1内の空気の流れを模式的に示す説明図である。図11に示したように、比較例1の空気清浄機1では、シロッコファン12から吹出された空気は、シロッコファン12の円周の略接線Sの方向に延在している左側壁133に沿って流れようとするところ、該左側壁133は途中で右側壁134から遠ざかるように傾くので、左側壁133の傾き部の側へ向かう空気の流れの成分が生じ、風速を低下させる。さらに、外の空気が吸込まれることもある。シロッコファン12の円周の略接線Sの方向と左側壁133の傾き部分との間の領域Rでは、乱流が発生すると推定できる。図11では、この乱流発生領域Rがハッチングによって示されている。
また、比較例1の空気清浄機1では、右側壁134は、周面部131の周方向の他端側から、左側壁133に向かって鉛直方向に対して6°傾くように延在する。右側壁134側へシロッコファン12が送り出す空気は、相対的に高風速で吹出される。右側壁134はほぼ傾きなしに延在しているので、送り出された空気は風速がほとんど低下せず右側壁134に沿って吹出し口7から吹出される。したがって、比較例1の空気清浄機1では、吹出し口7から吹出された空気は、右側に対して左側での風速が大きく低下し、風速のばらつきが起こる。
実施例2及び比較例1の空気清浄機1につき、発生したイオン数を測定した。イオン数の測定は、空気清浄機1を中運転モード及び強運転モードでそれぞれ運転させ、空気清浄機1から1.2mを離れる部屋のほぼ中央で、イオンの数を測定した。
実施例2及び比較例1の空気清浄機1については、イオン数の測定の結果を図12Aの表及び図12Bのグラフに示す。図12A及び図12Bに示したように、実施例2の空気清浄機1は、中運転モードで7249個、強運転モードで13819個イオンを送り出したことを確認した。一方、比較例1の空気清浄機1は、中運転モードで6274個、強運転モードで11304個イオンを送り出したことを確認した。実施例2の空気清浄機1は、生成されたイオンがさらに効率よく室内に放出されることができ、比較例1より中運転モードでは16%、強運転モードでは22%多いイオンを室内に放出することができる。実施例2の空気清浄機1は、後側壁136にイオン発生機15が取付けられているので、シロッコファン12から送り出される空気が、相対的に高い風速で後側壁136に取付けられているイオン発生機15に当たり、イオンがより効果的に取り出される。
以上、本発明の実施形態を詳述したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
例えば、実施の形態において、第1吹出し口72及び第2吹出し口73では、ルーバとして固定式のルーバ74,75を採用しているが、この他に、吹出し角度を変えることができるルーバを配設するようにしてもよい。これにより、イオン濃度の高い空気の吹出し方向の自由度が高められて、その結果、部屋の形状や大きさに応じた空気の吹き出しを行なうことができて、より効果的な空気の浄化を行なうことができる。
また、左側壁133はシロッコファン12の円周の略接線Sの方向に延在し、鉛直方向に対して35°傾いており、右側壁134は左側壁133と対向し、左側壁133に向かって鉛直方向に対して14°傾くように構成されている空気清浄機を実施例に挙げて本発明の効果を説明した。しかし、この左側壁133及び右側壁134の傾きの角度はただ一例であり、本発明はこれに限定されるものではなく、右側壁134は、左側壁133との間は21°以下の角度を有するように構成すればよい。また、右側壁134及び左側壁133はほぼ平行になるように延在していることはさらに好ましい。つまり、空気清浄機の出力、設置場所などに応じて、左側壁133及び右側壁134の傾き角度をパラメータとして、風速と吹出されたイオンの数とを測定して、適当な範囲を採用すればよい。
また、上述した空気清浄機では、据え置き型の空気清浄機を例に挙げて説明したが、この他に、たとえば壁掛け式の空気清浄機やビルトインタイプの空気清浄機、車載用の空気清浄機、さらには、空気調和機、あるいは除湿機等へも適用することが可能である。
今回開示された実施の形態は例示であって、これに制限されるものではない。本発明は上記で説明した範囲ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 空気清浄機
7 吹出し口
12 シロッコファン
12A 回転軸
13 送風路
13A 下側送風路(第1風路部)
13B 上側送風路(第2風路部)
131 周面部
131A 開口部
132 端面部
133 左側壁(第1側面部)
134 右側壁(第2側面部)
135 前側壁(側板部)
136 後側壁(側板部)
14 連通孔(開口部)
15 イオン発生機
本発明は、空気清浄機に関する。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、吹出し口から空気をより均一、高速に吹出すことができ、生成されたイオンを効率よく部屋の遠くまで吹出すことができる空気清浄機を提供することを目的とする。
本発明に係る空気清浄機は、シロッコファンと、該シロッコファンが送出する空気を外部へ吹出す吹出し口と、前記シロッコファンを囲繞するように配設された第1風路部、及び該第1風路部から前記吹出し口に延在する第2風路部を有し、前記シロッコファンが送出する空気を前記吹出し口にまで導く送風路とを備え、前記第1風路部は、前記シロッコファンの外周に沿い、開口部を有する略円筒状の周面部を含み、前記第2風路部は、前記周面部の開口部の周方向の一端側から前記シロッコファンの略接線方向に延在して、前記吹出し口の一部に繋がる第1側面部と、該第1側面部と対向し、前記周面部の開口部の周方向の他端側から前記吹出し口に向かって延在し、前記吹出し口の他部に繋がる第2側面部とを含み、前記第1及び第2側面部は、ほぼ平行になるように延在している送風装置と、イオン発生機とを備える空気清浄機であって、前記送風装置は、前記第1風路部は、前記周面部に連結されて前記シロッコファンの軸方向の両端側を覆い、前記シロッコファンの空気を吸入する一側に開口部を有する端面部をさらに有し、前記第2風路部は、前記第1及び第2側面部を前記シロッコファンの回転軸方向の両側からそれぞれ挟み込む2枚の側板部をさらに有し、該2枚の側板部は、前記吹出し口に向かって前記端面部の開口部側に傾斜する状態で、互いに近接するように延在しており、該2枚の側板部のうち、前記端面部の開口部側に位置する側板部に、前記イオン発生機が配設されていることを特徴とする。
また、本発明に係る空気清浄機は、シロッコファンと、前記シロッコファンが送出する空気を外部へ吹出す吹出し口と、前記シロッコファンを囲繞するように配設される第1風路部、及び該第1風路部から前記吹出し口に延在する第2風路部を有し、前記シロッコファンが送出する空気を前記吹出し口にまで導く送風路と、該送風路に配設されているイオン発生機とを備え、前記第1風路部は、前記シロッコファンの軸方向の両端側に該シロッコファンを覆い、前記シロッコファンの空気を吸入する一側で開口部を有する端面部を含み、前記第2風路部は、前記シロッコファンの軸方向の両端側に、前記端面部からそれぞれ延在して、前記吹出し口に繋がる2の側面部を含み、該2の側面部は、前記吹出し口に向かって前記端面部の開口部側に傾斜する状態で、互いに近接するように延在し、前記2つの側板部のうち、前記開口部側に位置する側面部に、前記イオン発生機が配設されていることを特徴とする。

Claims (5)

  1. シロッコファンと、
    該シロッコファンが送出する空気を外部へ吹出す吹出し口と、
    前記シロッコファンを囲繞するように配設された第1風路部、及び該第1風路部から前記吹出し口に延在する第2風路部を有し、前記シロッコファンが送出する空気を前記吹出し口にまで導く送風路と
    を備え、
    前記第1風路部は、
    前記シロッコファンの外周に沿い、開口部を有する略円筒状の周面部を含み、
    前記第2風路部は、
    前記周面部の開口部の周方向の一端側から前記シロッコファンの略接線方向に延在して、前記吹出し口の一部に繋がる第1側面部と、
    該第1側面部と対向し、前記周面部の開口部の周方向の他端側から前記吹出し口に向かって延在し、前記吹出し口の他部に繋がる第2側面部とを含むこと
    を特徴とする送風装置。
  2. 前記第2側面部は、前記第1側面部との間は21°以下の角度を有するように傾いていること
    を特徴とする請求項1に記載の送風装置。
  3. 前記第1及び第2側面部は、ほぼ平行になるように延在していること
    を特徴とする請求項2に記載の送風装置。
  4. 請求項1から3の何れか1つに記載の送風装置と、イオン発生機とを備える空気清浄機であって、
    前記送風装置は、
    第1風路部は、周面部に連結されてシロッコファンの軸方向の両端側を覆い、前記シロッコファンの空気を吸入する一側に開口部を有する端面部をさらに有し、
    第2風路部は、第1及び第2側面部を前記シロッコファンの回転軸方向の両側からそれぞれ挟み込む2枚の側板部をさらに有し、
    該2枚の側板部のうち、前記端面部の開口部側に位置する側板部に、前記イオン発生機が配設されていること
    を特徴とする空気清浄機。
  5. シロッコファンと、
    前記シロッコファンが送出する空気を外部へ吹出す吹出し口と、
    前記シロッコファンを囲繞するように配設される第1風路部、及び該第1風路部から前記吹出し口に延在する第2風路部を有し、前記シロッコファンが送出する空気を前記吹出し口にまで導く送風路と、
    該送風路に配設されているイオン発生機と
    を備え、
    前記第1風路部は、前記シロッコファンの軸方向の両端側に該シロッコファンを覆い、前記シロッコファンの空気を吸入する一側で開口部を有する端面部を含み、
    前記第2風路部は、
    前記シロッコファンの軸方向の両端側に、前記端面部からそれぞれ延在して、前記吹出し口に繋がる2枚の側面部を含み、
    該2枚の側面部のうち、前記開口部側に位置する側面部に、前記イオン発生機が配設されていること
    を特徴とする空気清浄機。
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