JP2011236635A - シールド掘進機の充填材回り込み検出方法、及び、シールド掘進機 - Google Patents

シールド掘進機の充填材回り込み検出方法、及び、シールド掘進機 Download PDF

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Abstract

【課題】充填材の回り込み現象を可能な限り早急に検出し、かつ、充填材の回り込みを検出した場合に、充填材の回り込みを早急に抑制可能なシールド掘削機を提供することを目的とする。
【解決手段】胴体後方において地山の周方向に沿って配置される内型枠又はセグメントの外周面と地山との間に充填材を充填しつつ、胴体前方の隔壁よりも前方に設けられた掘削部により地山を掘削して進行するシールド掘進機の充填材回り込み検出方法であって、胴体における地山と対向する周面、又は、胴体前方の隔壁よりも掘削部側において、胴体の後方から胴体の前方に回り込む充填材を検出する構成とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、シールド工法又はECL工法に採用されるシールド掘進機に関し、特にシールド掘進機の胴体外周面を伝って切羽側に回りこむコンクリートやモルタルを検出し、切羽側への回り込みを早期に防止することが可能な回り込み検出方法、及び、シールド掘進機に関する。
従来、トンネル掘削工事において採用されるシールド工法にあっては、シールド掘進機における円筒状の胴体の前側(切羽側)に回転可能に設けられた掘削機構により地山の掘削を行いつつ、胴体の後側(坑口側)に設けられたエレクター機構により順次セグメントを組み付け、セグメント外周面と地山表面との間の空間内にシールド掘進機に設けられた打設機構又はセグメント側に開設された打設口からモルタルやセメントミルクの充填、或いは注入を行うことが知られている。
また、トンネル掘削工事において採用されるECL工法にあっては、掘削機構により地山の掘削を行いつつ、胴体の後側(坑口側)に設けられたエレクター機構により順次内型枠を組み付け、内型枠外周面と地山表面との間の空間内にシールド掘進機の胴体に設けられた妻型枠と呼ばれる打設機構の打設口からコンクリートを打設することが知られている。
上記工法に採用されるシールド掘進機は、概略、円筒形の胴体と、胴体の前側に回転可能に設けられた回転カッターと、円筒状の胴体の内部において、地山周面と所定の間隔を保ちつつ、地山周面に沿って円環状の内型枠又はセグメントを組み付けるエレクター機構と、胴体の内部に設けられ、シールド掘進機の進行方向に対して伸縮する伸縮ジャッキと、胴体の内部後側(テール)において、エレクター機構によって組み付けられた内型枠又はセグメントの外周面と地山の表面との間の空間にコンクリートを打設する機構やモルタルを充填する機構、或いはセメントミルクを注入する機構とを備える。
上記構成のシールド掘進機の動作の概略について説明すると、シールド掘進機は、エレクター機構によって組み付けられた内型枠又はセグメントの切羽側端面と当接する伸縮ジャッキが、回転カッターの回転と同時に徐々に伸長動作することにより前進するものであり、さらに、シールド掘進機の前進に伴って内型枠又はセグメントと地山表面との間の空間内に打設機構を介して充填材を所定の圧力により吐出する。つまり、この種のシールド掘進機は、掘削と、コンクリートの打設、モルタルの充填、或いは、セメントミルクの注入とを併進して行うことが可能である。
特開2008−297821号公報
しかしながら、上記工法に限らず、シールド掘進機を用いた工法では、シールド掘進機を予め設計されたトンネルの上下,左右の曲線(トンネルライニング)に追従させるように前進させる必要があることから、回転カッターにより掘削されるトンネルの径は、円筒状の胴体の径より大径に掘削する必要があり(余掘り)、胴体の後側において高圧で吐出される充填材が地山表面と胴体の外周面との間の隙間から切羽側へ回り込む現象が生じやすい。
そして、切羽側に回りこんだ充填材は、掘削対象となる地山表面、回転カッターと胴体の前部との間の空間であるチャンバー内、或いは、チャンバー内の掘削土を後方へ搬送する搬送機構内で固化するため、回転カッターによる円滑な掘削作業、或いは、掘削土の円滑な搬送作業の妨げとなる。
また、充填材は本来、内型枠又はセグメントと地山表面との間の空間内に充填されるべきものであるので、充填材の回り込みを早期に検出しなければ、内型枠又はセグメントと地山表面との間の空間内に十分な量の充填材が供給されないまま掘進が進行してしまう虞がある。
そこで、本発明は上記課題を解決すべく、充填材の回り込み現象を可能な限り早急に検出し、かつ、充填材の回り込みを検出した場合に、充填材の回り込みを早急に抑制可能なシールド掘進機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため本発明に係る第一の構成として、胴体後方において地山の周方向に沿って配置される内型枠又はセグメントの外周面と地山との間に充填材を充填しつつ、胴体前方の隔壁よりも前方に設けられた掘削部により地山を掘削して進行するシールド掘進機の充填材回り込み検出方法であって、胴体における地山と対向する周面、又は、胴体前方の隔壁よりも掘削部側において、胴体の後方から胴体の前方に回り込む充填材を検出する構成とした。
本構成によれば、胴体の後方から胴体の前方に回り込む充填材を胴体における地山と対向する周面上、又は、胴体前方の隔壁よりも掘削部側において検出することから、胴体を伝って回りこむ充填材を極めて早期に検出することができる。
また、本発明に係る第二の構成として、胴体後方における地山の周方向に沿って配置される内型枠又はセグメントの外周面と地山との間に充填材を充填しつつ、胴体前方の隔壁よりも前方に設けられた掘削部により地山を掘削して進行するシールド掘進機であって、胴体の後方から胴体の前方に回り込む充填材を検出する回り込み検出器を備え、回り込み検出器の検出部が胴体における地山と対向する周面、又は、胴体前方の隔壁と掘削部との間に形成される空間内に位置する構成とした。
本構成によれば、回り込み検出器の検出部が胴体における地山と対向する周面、又は、胴体前方の隔壁と掘削部との間に形成される空間内に位置することから、胴体を伝って回りこむ充填材を極めて早期に検出することができる。
また、本発明に係る第三の構成として、隔壁が、当該隔壁と掘削部との間に形成される空間内に取り込まれる掘削土を胴体内部に取り込む取り込み機構を備え、回り込み検出器が取り込み機構によって取り込まれる掘削土から充填材を検出する構成とした。
本構成によれば、回り込み検出器が、隔壁に設けられた当該隔壁と掘削部との間に形成される空間内に取り込まれる掘削土を胴体内部に取り込む取り込み機構によって取り込まれた掘削土から充填材を検出することから、回り込み検出器に過度な圧力が作用することなく、回り込み検出器が破損することを防止できる。
また、本発明に係る第四の構成として、シールド掘進機が、胴体における地山と対向する周面上に円周方向に沿って配置され、充填材の回り込みを阻止する加泥材を吐出する複数の加泥材注入部と、回り込み検出器から出力される回り込み検出信号に基づいて加泥材注入部を制御する制御装置とを備える構成とした。
本構成によれば、胴体における地山と対向する周面上に円周方向に沿って配置され、充填材の回り込みを阻止する加泥材を吐出する複数の加泥材注入部が、回り込み検出器から出力される回り込み検出信号に基づいて加泥材注入部を制御する制御装置によって制御されることにより、胴体の周面上を伝って回り込む充填材を堰き止めることができる。
また、本発明に係る第五の構成として、回り込み検出器がpH計又は電気伝導率計である構成とした。
本構成によれば、充填材のpH又は電気伝導率に基づいて充填材の回り込みを精度よく検出することができる。
なお、本明細書において「充填材」とは、コンクリート、モルタル、セメントミルクの他、トンネルの地山表面を覆う全ての材料を含む。また、本明細書において「打設」とは、コンクリートの打設の他、モルタルの充填、セメントミルクの注入をも含む。
また、上記発明の概要は、本発明の必要な特徴のすべてを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた発明となり得る。また、以下、発明の実施形態を通じて本発明を詳説するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明される特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らず、選択的に採用される構成又は工程をも含むものである。
本発明に係るシールド掘進機を示す概略断面図である。 妻枠機構の拡大図である。 回り込み検出器及び加泥材注入部の斜視図及び断面図である。 他の形態に係るシールド掘進機の概略断面図である(実施形態2)。 他の形態に係るシールド掘進機の概略断面図である(実施形態3)。 他の形態に係るシールド掘進機の概略断面図である(実施形態4)。 他の形態に係るシールド掘進機の概略断面図である(実施形態4)。 取り込み機構の概略断面図である(実施形態5)。 取り込み機構の要部断面図である(実施形態5)。 シールド掘進機のブロック図である。 他の形態に係るシールド掘進機を示す拡大図である。
図1は、トンネル掘削方法の一例としてのECL工法に採用されるシールド掘進機1の概略断面図である。同図を用いて本発明に係るシールド掘進機1の概略構成について説明する。
同図においてシールド掘進機1は、概略、円筒状の胴体2と、胴体2の前方(切羽側)において回転するカッター10と、胴体2の後方(坑口側)において充填材Gを充填する覆工機構20と、充填材Gの回り込みを検出する回り込み検出器30と、回り込み検出器30の検出結果に基づいて充填材Gを固化させる加泥材を散布する加泥材注入部40とを備える。
胴体2は、後部開放の円筒状の中空体であって、周囲の地山5と対向して進行方向に延長し、地山5から加わる土圧,地下水圧に抵抗するスキンプレート3と、当該スキンプレート3の前方において開口部を閉塞する隔壁4とから構成される。
カッター10は、胴体2の前端部に図外の駆動機構によって回転可能に設けられる円盤状の掘削機構であって、円盤の径方向に沿って、かつ、円盤の前面に露出するように設けられた複数の掘削ビット11により前方の切羽面を掘削するとともに、掘削した掘削土を隔壁4とカッター10との間に形成されるチャンバー12内に取り込む。チャンバー12内に取り込まれた掘削土は、胴体2の内部に設けられた取込み部がチャンバー12内に突出する排出機構13によって後方の抗口側に排出される。
排出機構13は、円筒状のシリンダー13Aとシリンダー13Aの内部において回転可能に軸支されるスクリュー13Bとから構成されるスクリューコンベアであって、図外の水供給機構から水が供給されることにより内部に取り込んだ掘削土を流動性の高い泥土とし、送泥管14を介して後方に排出する。
なお、本例においては、いわゆる土圧式のシールド掘進機を例として説明するが、これに限られるものではなく、泥水式のシールド掘進機であってもよい。泥水式のシールド掘進機にあっては、スクリューコンベアに替えて排泥管が採用される。
胴体2を構成するスキンプレート3の内周面には、推進機構としてのシールドジャッキ6が円周方向に複数設けられる。シールドジャッキ6は、油圧シリンダー6Aとピストン6Bとからなり、シールドジャッキ6が伸長することにより、ピストン6Bの先端部が内型枠7の前端面を押圧し、その反力によってシールド掘進機1が切羽方向へ前進する。
具体的には、胴体の前方に設けられた回転カッター10を駆動させつつ、徐々にシールドジャッキ6を伸長させることにより、回転カッター10の掘削ビット11を切羽面に押し当て、掘削土の量に応じた距離だけシールド掘進機1が前進する。
胴体2の内部には、覆工機構20が設けられる。覆工機構20は、坑口側に設けられた複数の圧送ポンプによって圧送されるコンクリートやモルタル等の充填材Gを前方に供給する複数の圧送管21と、圧送管21によって供給された充填材Gを地山5の表面及び内型枠7の外周面によって形成される空間に対して打設する妻枠機構23とから構成される。
図2は妻枠機構23の拡大図である。同図において妻枠機構23は、圧送管21を経て搬送されたコンクリートをスキンプレート3の円周方向に分岐して供給する打設配管24Aと、打設配管24Aと接続され、前後方向に延長する打設配管24Bと、打設配管24Bと並行して設けられ、前後方向に伸縮自在な妻枠ジャッキ25と、妻枠ジャッキ25の先端部に設けられた妻枠26とから構成される。
妻枠ジャッキ25は、スキンプレート3の内側面から半径方向内側に延長するステー27を介して胴体2の内部に設けられる油圧式ジャッキであって、ピストンの伸縮方向が前後方向となるように、胴体2の円周方向に沿って均等な間隔で複数(例えば6組)設けられる。また、妻枠ジャッキ25は、内型枠7の外周面と地山5の表面とにより形成される空間内に打設される充填材Gの圧力に応じてバネの如く伸縮動作するジャッキであり、空間内の充填材Gの圧力が一定の圧力以上に高まることにより徐々に収縮する。
打設配管24Bは、打設配管24Aと妻枠26に内蔵された流路26Aとに連通し、打設配管24Aから供給される充填材Gが流路26Aを介して妻枠26の打設口26Bから吐出される。
妻枠26は、内型枠7の外周面とスキンプレート3の後端部に相当するテール3Aの内周面との間に位置する型枠であって、先端面に開設された打設口26Bから、地山5の表面及び内型枠7の外周面によって形成される空間(トンネルの延長方向)に向かって充填材Gを吐出する。
なお、充填材Gの打設圧力は、打設配管24Aや打設配管24B、或いは妻枠26内に設けられた打設圧力計により計測され、計測値が一定の圧力となるように調整される。
また、妻枠26には、例えば積層されたステンレスの板バネからなるシール部28が取り付けられ、打設口26Bから吐出された充填材Gが内型枠7の外周面及びテール3Aによって形成される空間から胴体2内部に侵入することを阻止する。
内型枠7は、地山5の内周面に対して所定間隔離間して設けられる型部材であって、例えば掘削対象のトンネルの縦断面が真円状である場合には、円周に沿って例えば8分割された弧状の内型枠7が採用される。内型枠7は、地山5の表面及び内型枠7の外周面によって形成される空間内に充填材Gが充填された時に加わるプレス圧を支持する機能、充填された充填材Gの養生期間中に地山5から加わる土圧,地下水圧に抵抗する機能、及び、シールドジャッキ6が伸長することによるシールド掘進機1の推力を伝達する機能を担う。複数の内型枠7は、胴体2内部に設置されるエレクター29(図1参照)によって円環状に組み付けられる。
上記構成からなる覆工機構20の動作としては、複数の圧送ポンプにより打設圧力及び打設量を調整しつつ、打設配管24A;24B及び打設口26Bを介して地山5の表面及び内型枠7の外周面によって形成される空間に対して常に充填材Gが密実化した状態となる圧力で吐出することにより、地山5の表面及び内型枠7の外周面によって形成される空間に対して密実化した充填材Gを打設する。
即ち、覆工機構20は、回転カッター10による掘削によって漸次前進する胴体2の後方、即ち、胴体2を構成するスキンプレート3のテール3Aにおいて、地山5表面と内型枠7の外周面のなす空間内に充填材Gを逐次打設し、胴体2が前進した距離に対応する充填材Gからなる覆工コンクリートを地山5に形成する機構であり、本発明に係るシールド掘進機1が通過した地山5の表面は、その進行方向に沿って連続的に充填材(覆工コンクリート)によって覆われる。
なお、内型枠7は、充填材Gの養生期間経過後に図外の脱型装置によって後方から順次取り外され、シールド掘進機1が前進した際の新たな内型枠7としてエレクター29によって組み付けられる。
図1,図2に示すように、胴体2を構成するスキンプレート3には、スキンプレート3の外周面と地山5の表面との間の空間である余堀部5Aに露出するように、回り込み検出器30の検出部がスキンプレート3の外周面と面一に取り付けられる。また、本例においては、余堀部5Aにスキンプレート3のテール3Aから充填材Gが徐々に切羽側に進行しているものとする。以下、図3を用いて回り込み検出器30の詳細について説明する。
回り込み検出器30は、妻枠機構23の数に対応して、妻枠機構23の上方に位置するスキンプレート3に設けられる。回り込み検出器30は、例えばpH計,電気伝導率計等であって、電子回路が格納され、L字状の金具によって支持される本体部32と、本体部32に格納された電子回路と接続される複数の電極や抵抗を有する検出部33とから構成される。
回り込み検出器30は、後述の主制御装置100と接続され、検出結果を逐次、主制御装置100に対して出力する。検出部33は、シールリング3Rを介してスキンプレート3の内周面から外周面側に露出するように設けられ、スキンプレート3の外周面上を伝って切羽方向(矢印方向)へ回り込む充填材Gをスキンプレート3の外周面上において検出する。具体的には、地山5に含まれる水成分のpH或いは電気伝導率と、充填材GのpH或いは電気伝導率との相違に基づいて予め閾値を設定し、回り込み検出器30から後述の主制御装置100に対して当該閾値を超えるpH或いは電気伝導率を示す信号が出力された時に充填材Gの回り込みが存在する旨の報知を行う構成である。
加泥材注入部40は、複数の回り込み検出器30に対応するように、スキンプレート3の周面上に露出する検出部33の中心線上に位置するノズル41により構成される。ノズル41は、スキンプレート3の外周面側に延長する管であって、加泥材を噴射するノズル孔42がスキンプレート3の外周面と面一に露出する。
ノズル41には、加泥材供給チューブ43が接続され、当該加泥材供給チューブ43と接続される後述の電磁バルブ102及び圧送ポンプ103を介して充填材Gの回り込みを阻止する可塑性加泥材としてベントナイト溶液にケイ酸を加えた混合液等の材料がスキンプレート3の周面上に噴射される。
よって、スキンプレート3において回り込み検出器30によって検出された充填材Gは、切羽側の回転カッター10に到達する前に粘性が増大又は固化し、切羽側への回り込みが阻止される。なお、回り込み検出器30及び加泥材注入部40の制御系については後述する。
以上説明したように、上記実施形態に係るシールド掘進機1は、地山5と対向するスキンプレート3の外周面において、スキンプレート3のテール3Aから回転カッター10の方向、即ち、切羽側に回りこもうとする充填材Gを回り込み検出器30により早期に検出し、かつ、当該検出結果に基づいて動作する加泥材注入部40によって充填材Gの切羽側への進行(回り込み)を阻止する構成である。
なお、上記実施例においては、回り込み検出器30を加泥材注入部40よりも坑口側に配置したが、これに限られるものではなく、回り込み検出器30と加泥材注入部40を逆に配置してもよい。
図4は、本発明に係る他の実施形態(実施形態2)を示す図である。なお、上記実施形態と同一構成については、同一符号を用い、その説明を省略する。
同図において、回り込み検出器30は、摺動機構34を介して掘削した掘削土が取り込まれるチャンバー12を形成する胴体2の隔壁4に対して取り付けられる。
摺動機構34は、前後開口の筒状のケーシング35と、ケーシング35を隔壁4に対して固定するためのボルト孔を有する固定ブロック36とから構成され、ケーシング35の内部に介挿される回り込み検出器30を前後方向に摺動自在に保持する。
ケーシング35は、前端部に固定ブロック36と対向するフランジ部35Aを有し、フランジ部35Aと固定ブロック36とを対向させた状態で固定ブロック36のボルト孔にボルトが螺入されることにより、ケーシング35が隔壁4に対して直交した状態で固定される。ケーシング35内部に介挿される回り込み検出器30は、ケーシング35内に嵌着されたボールベアリング等の摺動手段により保持され、後端部に油圧ジャッキ37が取り付けられる。また、ケーシング35内には円環状のシールリング35Rが介挿され、チャンバー12内に存在する掘削土がケーシング35内を介して胴体2内部に侵入することを阻止する。
油圧ジャッキ37は、後述の主制御装置100からの出力によって駆動する油圧バルブ56及び油圧ポンプ57の駆動により前後方向に進退可能なピストン37Aを有し、ピストン37Aが回り込み検出器30の後端部に接続される。
そして、回り込み検出器30の検出部33は、ピストン37Aが伸長した状態において、隔壁4に開設された貫通孔よりチャンバー12内に突出又は隔壁4の表面と面一に露出し、チャンバー12内に取り込まれた掘削土に含まれる充填材Gの存在を検出する。なお、本実施形態における回り込み検出器30も前記実施形態と同様に、後述の主制御装置100と接続され、検出結果を逐次、主制御装置100に対して出力する。
本実施形態に係るシールド掘進機1によれば、充填材Gの回り込み初期段階においては切羽側への充填材Gの進行を許容することとなるものの、回転カッター10によってチャンバー12内に取り込まれた充填材Gを回り込み検出器30により一括して検出する構成であるため、前記実施形態と比較して複数生じる回り込みの経路に対応すべく、回り込み検出器30をスキンプレート3の円周方向に沿って妻枠機構23の数に対応して設ける必要がなくなり、切羽側に回りこむ充填材Gを簡易な構成で確実に検出することができる。
また、回り込み検出器30を油圧ジャッキ37によって摺動自在な構成としたことにより、カッター10の非駆動時に検出部33をチャンバー12内に突出又は露出させて充填材Gの検出を行うことができ、カッター10の駆動時には、検出部33をケーシング35内に収納することができるため、カッター10駆動時においてチャンバー12内に取り込まれる掘削土によって検出部33が破損することを防止することが可能となる。
図5は、本発明に係る他の実施形態(実施形態3)を示す図である。当該実施形態は、回り込み検出器30が摺動機構34によって保持されていない点で上述の実施形態と異なる。
同図において、回り込み検出器30は、掘削した掘削土が取り込まれるチャンバー12を形成する胴体2の隔壁4に対して取り付けられる。
回り込み検出器30は、前記実施形態におけるものと同一構成であり、本体部32が隔壁4に突設された取り付け台座4A上に固定される。
検出部33は、隔壁4の内外を貫通するシールリング4Rを介して隔壁4の内側面から外側面に突出又は露出するように設けられ、掘削土に紛れてチャンバー12内に取り込まれる充填材Gを検出する。
即ち、本実施例においては、上述の実施形態と同様に充填材Gがスキンプレート3の外周面上を伝って切羽方向へ回り込み、さらに、回転カッター10の駆動によってチャンバー12内に取り込まれた掘削土に含まれる充填材Gをチャンバー12内に設けられた検出部33によって検出する構成である。
なお、本実施形態における回り込み検出器30も前記実施形態と同様に、後述の主制御装置100と接続され、検出結果を逐次、主制御装置100に対して出力する。
本実施形態に係るシールド掘進機1によれば、前述の実施形態と同様に充填材Gの回り込み初期段階においては切羽側への充填材Gの進行を許容することとなるものの、回転カッター10によってチャンバー12内に取り込まれた充填材Gを回り込み検出器30により一括して検出する構成であるため、極めて簡易な構成により切羽側に回りこむ充填材Gを簡易な構成で確実に検出することができる。
図6,図7は、本発明に係る他の実施形態(実施形態4)を示す。
本実施形態に係るシールド掘進機1は、回転カッター10の駆動によりチャンバー12内に取り込まれた掘削土を大気圧下の胴体2内部に取り込む取り込み機構70を備える点で、上記実施形態におけるシールド掘進機1と異なる。
取り込み機構70は、隔壁4に図外の固定手段を介して嵌挿される開閉自在なバルブ71と、バルブ71の内部に進退自在に挿入され、後端部に接続される油圧ジャッキ73によって動作する取り込み管72とから構成される。取り込み機構70は、隔壁4に対して直交し、互いに離間して設けられる一対の支持棒78によって支持される。バルブ71は、隔壁4に対して直交する方向に固定され、内部の流路がチャンバー12の空間と胴体2の内部空間とに連通する。
なお、油圧ジャッキ73は、後述の油圧バルブ56及び油圧ポンプ57の駆動により伸縮する。
取り込み管72は、断面L字状に形成される管体であって、前側端部に開設された上部開口の取り込み口72Aからチャンバー12内に存在する掘削土を取り込み、取り込んだ掘削土を内部流路を介して後側端側に接続された排出バルブ72Bから排出する。
排出バルブ72Bは、一対の支持棒78の間隙から下方に延長する開閉自在なバルブであって、取り込み管72の内部に取り込まれた掘削土を後述する非取り込み状態において下方に位置する貯留槽74に排出する。
貯留槽74は、上方から排出される掘削土を貯留するとともに、底部に嵌着された排出管75から排出する。貯留槽74は、取り込み管72が非取り込み状態において、排出バルブ72Bの下方に位置する。排出管75は、排出機構13と接続され、排出管75に流入した掘削土は排出機構13から坑口側に排出される。
貯留槽74の側部には、回り込み検出器30の検出部33が図外のシール材を介して挿通される。本実施形態における回り込み検出器30も前記実施形態と同様に、後述の主制御装置100と接続され、検出結果を逐次、主制御装置100に対して出力する。
上記構成からなる取り込み機構70の動作について説明する。
図6は、チャンバー12内に存在する掘削土を取り込む状態を示す図であり、当該状態においてバルブ71は開状態であり、排出バルブ72Bは閉状態である。また、油圧ジャッキ73は伸長状態であり、当該油圧ジャッキ73が伸長状態となることにより、取り込み管72の取り込み口72Aが隔壁4を超えてチャンバー12側へ位置する。
当該状態においてチャンバー12内の掘削土は、チャンバー12内の圧力により取り込み口72A内に侵入し、取り込み管72内に取り込まれる。
図7は、非取り込み時の状態を示す図であり、同図において取り込み管72は、油圧ジャッキ73の収縮によって胴体2側に後退し、取り込み口72Aが隔壁4よりも胴体2側に位置する。当該状態においてバルブ71は閉状態、排出バルブ72Bは開状態であり、チャンバー12内の掘削土がバルブ71を介して胴体2内部に侵入することが阻止されるとともに、掘削土が取り込み管72内に存在する場合には、排出バルブ72Bから下方に位置する貯留槽74に排出される。
そして、貯留槽74へ排出された掘削土は、貯留槽74に取り付けられた回り込み検出器30によって検出され、掘削土に含まれる充填材Gの存在が検出される。
本実施形態に係るシールド掘進機1にあっては、上述の実施形態と比較してチャンバー12側から土圧が印加されることを遮断する機構を備えた取り込み機構70によって掘削土の一部をサンプリングし、サンプリングした掘削土に含まれる充填材Gの存在を大気圧中で検出する構成としたので、掘削土と直接接触する検出部33の破損を効果的に防止することが可能となり、所定時間ごとに取り込み動作を繰り返すことにより、掘削土のpHや電気伝導率の経時的変化を精度よく把握することが可能となる。
図8は、本発明に係る他の実施形態(実施形態5)を示す断面図、図9は取り込み機構50の拡大断面図(実施形態5)である。以下、同図を用いて他の実施形態に係るシールド掘進機1について説明する。
取り込み機構50は、隔壁4を挟んで胴体2の内外に貫通するように設けられる機構であって、その一部が隔壁4の内面に固着された格納部49内部に格納される機構である。
取り込み機構50は、内部に前後方向に貫通する取り込み流路52を有する取り込み本体部51と、取り込み本体部51の前端部に取り付けられるゲートバルブ53と、本体部51の取り込み流路52内において進退自在に伸縮するピストン55を有する油圧シリンダー54と、ピストン55の内部空間に挿通され、取り込み流路52内に侵入した掘削土を検出する検出部33を有する回り込み検出器30とを備える。なお、取り込み機構50の隔壁4内における取り付け高さは、チャンバー12に取り込まれる掘削土を取り込み可能な高さであればよく、回転カッター10の掘削方式,胴体2の径に対応して適宜設定可能である。
取り込み本体部51は、前後方向に開口する両端開口の円筒体であって、前端部が隔壁4に穿設された挿入孔に対して嵌挿され、図外の固定手段によって取り付けられることにより、隔壁4を貫通した状態で固着される。取り込み本体部51は、内部に両端の開口に連通する取り込み流路52を有し、取り込み流路52内には、後述するピストン55が挿入される。
取り込み本体部51の前端部には、隔壁4の外側面に対して図外の固着手段によって取り付けられるゲートバルブ53が接続される。
ゲートバルブ53は、前後方向に半割り成型された弁箱としてのハウジング53Aと、ハウジング53A内において回転可能に収容される弁体としての円盤体53Bとから構成される。
ハウジング53Aは、内部に前述の取り込み流路52と連通する流路60を有する円筒状体であって、流路60は、ハウジング53Aの中心よりも半径方向外側にオフセットした位置に開設される。
円盤体53Bは、ハウジング53A内に設けられたベアリングによって回転自在に支承される回転体であって、円盤体53Bの中心部を貫通する回転軸61の回転駆動によりハウジング53A内において回転する。円盤体53Bは、中心よりも半径方向外側にオフセットした位置、より詳細にはハウジング53Aの流路60と一致する位置に前後方向に貫通する流路62を有する。なお、流路62は流路60と同径又は小径に設定される。
回転軸61は、隔壁4を前後方向に貫通する軸体であって、格納部49内部に設けられたサーボモータ63の出力軸と接続されることにより、サーボモータ63の駆動力を円盤体53Bに伝達する。
上記構成からなるゲートバルブ53は、サーボモータ63に接続される後述の主制御装置100からの出力信号に基づいてハウジング53A内の流路60を開放又は遮断する構成である。
即ち、サーボモータ63の駆動により円盤体53Bが回転し、円盤体53Bの流路62がハウジング53Aの流路60と一致した状態で停止すると、流路60と取り込み本体部51の取り込み流路52とが連通した状態となり、チャンバー12内に取り込まれた掘削土を取り込み流路52内に取り込み可能な状態となる。
一方、サーボモータ63の駆動により円盤体53Bが回転し、円盤体53Bの流路62がハウジング53Aの流路60と一致しない状態で停止すると、流路60と取り込み本体部51の取り込み流路52とが円盤体53Bによって遮断された状態となり、チャンバー12内に取り込まれた掘削土を取り込み流路52内に取り込み不能な状態となる。
シリンダー54は、取り込み本体部51よりも後方に設けられ、後述の制御部からの出力によって駆動する油圧バルブ56及び油圧ポンプ57が駆動することにより油圧によってピストン55を伸縮させる。ピストン55は、伸長した状態において取り込み本体部51の取り込み流路52の前端部にまで到達するピストンロッド55Aと、ピストンロッド55Aの前端部に取着された押し出し部材55Bとから構成される。ピストンロッド55Aは、中空状の軸体であってその中心軸は取り込み流路52の中心と一致する。ピストンロッド55Aの内部には、延長方向に沿って後述の検出部33が挿通可能である。
押し出し部材55Bは、ピストンロッド55Aの前端部に取着される両端開口の円筒状部材であって、その径は取り込み流路52の流路径と略等しく設定される。即ち、押し出し部材55Bは、ピストンロッド55Aの伸縮に伴って取り込み流路52の延長方向に沿って前後方向に進退可能である。
押し出し部材55Bにおける前側の開口部58には、閉塞部材59が取り付けられる。
閉塞部材59は、押し出し部材55Bの前端面に形成されるピン支承部59Aと、ピン支承部59Aに横架されたピンにより開口部58を閉塞する円盤状の蓋体59Bとからなる。
蓋体59Bは、ピン及びピン支承部59Aに巻回されたバネなどの附勢手段によって常に開口部58を閉鎖する方向に附勢されており、ゲートバルブ53が開放状態となることによりゲートバルブ53の流路60内に掘削土が侵入しても、ピストンロッド55Aの内部に挿通された検出部33に掘削土が直接触れることがない。
即ち、チャンバー12内には回転カッター10の動作に伴って取り込まれる掘削土が大量に存在するため、隔壁4及び回転カッター10によって形成されるチャンバー12内の土圧は、胴体2内部における大気圧と比較して高く、ゲートバルブ53を開放した瞬間にチャンバー12内に存在する掘削土が胴体2の内部側に存在する取り込み流路52に向かって勢いよく侵入しようとするため、閉塞部材59によってピストンロッド55A内部への侵入を阻止することにより検出部33に直接土圧が作用することを防ぐ構成である。
上述のとおり、回りこみ検出器30は、シリンダー54の後方に配置された本体部32からシリンダー54の内部空間を経てピストンロッド55Aの内部へと延長する検出部33を備える。
検出部33の前端部は、ピストンロッド55Aの前端部よりやや後方に離れた位置まで達する。
以下、図9(a),(b)を用いて回り込み検出器30による充填材Gの検出動作及び検出動作終了後の排出動作について説明する。図9(a)は、ゲートバルブ53を開放した状態を示し、同図において掘削土はハウジング53A内の流路60に侵入した状態である。
図9(b)に示すように、上述の状態からゲートバルブ53を徐々に遮断しつつ、ピストン55を収縮させると、取り込み本体部51内の取り込み流路52には、チャンバー12内の土圧によって押し出し部材55Bが後退した量に対応する量の掘削土が侵入するとともに、ゲートバルブ53側においては後続に続く掘削土の侵入が遮断される。
また、ピストン55側においては、検出部33の先端部がピストン55の収縮に伴って蓋体59Bの附勢力に抗して蓋体59Bを押し開け、押し出し部材55Bの先端部から徐々に露出する。
そして、ゲートバルブ53が完全に遮断され、チャンバー12内の圧力と、胴体2の圧力とが分断された状態で掘削土が検出部33に接触することにより、掘削土中に充填材Gが混在している場合に充填材Gの存在が検出される。
検出完了後には、取り込み流路52内に侵入した掘削土の排出動作が実行される。具体的には、ゲートバルブ53を徐々に開放しつつ、ピストン55を伸長させチャンバー12からの圧力に抗して取り込み流路52内に侵入した掘削土をチャンバー12に押し戻すことにより行われる。
また、押し戻し動作の過程において、蓋体59Bは、附勢力によって開口部58を閉鎖する方向に回動し、押し出し部材55Bが図9(a)に示す位置まで前進することにより検出部33がピストンロッド55A内に収容された状態まで復帰する。
即ち、本実施形態に係るシールド掘進機1にあっては、チャンバー12側から土圧が印加されることを遮断する機構を備えた取り込み機構50によって掘削土の一部をサンプリングし、サンプリングした掘削土に含まれる充填材Gの存在を大気圧中で検出する構成としたので、掘削土と直接接触する検出部33の破損を効果的に防止することが可能となり、所定時間ごとに取り込み動作を繰り返すことにより、掘削土のpHや電気伝導率の経時的変化を精度よく把握することが可能となる。
図10(a)乃至図10(c)は、実施形態1乃至実施形態5に係るシールド掘進機1の概略ブロック図である。図10(a)に示すようにシールド掘進機1は、主制御装置100を備える。主制御装置100は、例えば胴体2よりも坑口側に敷設されたレール上に搭載された台車上に収容される制御盤であって、坑口外に設けられた制御,品質管理室内に設置される管理用コンピュータと接続される。
また、主制御装置100は、検出判定部104と注入量設定部105とを備える。
なお、図示は省略するが、主制御装置100には、シールドジャッキ6や妻枠ジャッキ25のストローク量を計測するストローク計、打設配管24A;24B或いは妻枠26内に設けられた打設圧力計等の各種計測器からの信号が入力され、当該計測器からの入力に基づいて、例えばカッター10の駆動機構の回転速度、排出機構13の駆動機構や水供給機構のON,OFF制御、推進機構としてのシールドジャッキ6や妻枠機構23を駆動させるためのポンプのON,OFF制御やバルブの切り替え制御等の各種の制御を実行する。
主制御装置100には、複数の回り込み検出器30が接続され、各回り込み検出器30の出力信号が入力される。なお、本例においては回り込み検出器30が8組設けられるものとし、各回り込み検出器30を30A乃至30Hとして説明する。
検出判定部104は、回り込み検出器30A乃至30Hから出力される検出信号に基づいて検出されたpH又は電気伝導率と予め規定されたpH又は電気伝導率の閾値とを比較し、閾値を超える場合には充填材Gを検出した旨の判定を行い、注入量設定部105に判定結果を出力する。
ここで、地山に含まれる水成分のpHは、一般的にpH7〜pH8であり、一方で充填材Gがコンクリートやモルタルである場合のpHは10〜12であるから、例えば閾値をpH10として設定すればコンクリートやモルタルの存在を確実に検出することができる。
また、地山の電気伝導率は土壌の性質によって大きく変わる場合もあるが概ね50mS/m程度であり、一方で充填材Gがコンクリートやモルタルである場合の電気伝導率は1000mS/m程度であるから例えば閾値を500mS/mとして設定すれば充填材Gの存在を確実に検出することができる。なお、上記閾値の設定は地山の地質やコンクリートの配合比率等によって適宜設定すればよい。
注入量設定部105は、前記出力された判定結果に基づいて、加泥材注入部40から吐出する加泥材の量及び範囲を設定する。具体的には、回り込み検出器30A乃至30Hが胴体2の円周方向に互いに隣接する位置関係にある場合において、回り込み検出器30A及び30Bの両方から閾値を超えるpH又は電気伝導率が検出された場合、充填材Gは胴体2の円周方向の広範囲に渡って進行していると認められるため、回り込み検出器30A及び30Bの延長線上に設けられるノズル41A及び41Bのみならず、ノズル41Aに隣接するノズル41H、及び、ノズル41Bに隣接するノズル41Cからも加泥材を注入すべき旨の判定を行う。また、例えば、検出判定部104からの充填材Gを検出した旨の判定結果が、所定時間以上連続して出力されている場合にあっては、大量の充填材Gがテール3Aから連続して切羽側に進行している旨を判定し、充填材Gの存在を検出した回り込み検出器30A乃至30Hの内、これに対応するノズル41A乃至41Hから大量の加泥材を吐出すべく、圧送ポンプ103の圧力を設定する。
主制御装置100は、検出判定部104及び注入量設定部105の判定,設定に基づいて、ノズル41A乃至41Hと対応して個別に接続される加泥材供給チューブ43の電磁バルブ102を開放するとともに、圧送ポンプ103を駆動して、胴体2における充填材Gが進行中の位置に対して所定の圧力で加泥材を注入するように制御する。
そして、回り込み検出器30A乃至30Hから出力されるpH又は電気伝導率が閾値を下回った時点で、加泥材の注入を完了する。
図10(b)に示すように、実施形態2における主制御装置100には、実施形態1における注入量設定部105に相当する構成が存在しない一方で、油圧ジャッキ37を駆動する油圧バルブ56及び油圧ポンプ57が接続される点で異なる。即ち、実施形態2に係るシールド掘進機1においては、回り込み検出器30を油圧ジャッキ37の駆動により進退させることにより充填材Gの存在をチャンバー12内において一括して検出する構成であるため、検出判定部104によって充填材Gを検出した旨の判定がなされた場合、主制御装置100は全てのノズル41A乃至ノズル41Hから加泥材の注入が行われるように電磁バルブ102及び圧送ポンプ103を制御する。
なお、実施形態3の構成については、油圧バルブ56及び油圧ポンプ57が省略された構成であるため図示を省略し、実施形態4の構成については、実施形態2の構成と同一である。
図10(c)に示すように、実施形態5における主制御装置100には実施形態2及実施形態4における主制御装置100と比較して、取り込み機構50を構成するサーボモータ63が接続されている点で異なる。
サーボモータ63は、前述のゲートバルブ53の円盤体53Bを回転駆動させるアクチュエータであって、サーボモータ63内のエンコーダからの出力に基づいて円盤体53Bの回転角度及び回転速度を制御する。油圧ポンプ57は、シリンダー54内に油圧を供給するポンプであって、油圧ポンプ57、及び、当該油圧ポンプ57とシリンダー54との間に介在する油圧バルブ56を制御することにより、取り込み流路52内への掘削土の取り込み、及び、排出が行われる。
なお、掘削土の取り込み,排出は所定時間ごとに繰り返し行われ、掘削土中に含まれる充填材Gの存在が継続的にモニタされる。
なお、上記いずれの実施形態においても、主制御装置100によって充填材Gの存在が検出された場合には、前述の管理用コンピュータのモニタ等に対してその旨が表示され、回り込みが発生したことが報知される。
以上のとおり、トンネル掘削方法の一例としてのECL工法に本発明を適用した場合について説明したが、上記発明は、内型枠7を用いたECL工法のみに採用されるものではなく、弧状に成型されたセグメントを用いたシールド工法にも採用可能である。以下、シールド工法について簡単に説明する。なお、上記各実施形態と同一構成については同一符号を用い、その説明を省略する。
図11に示すように、シールド工法は、ECL工法と比較して推進力伝達部材としてセグメント85を用いる点で大きく異なる。セグメント85は、弧状に成型された鉄筋コンクリート製の盤体であって、弧状に成型された複数のセグメント85が地山5の円周方向に沿って組み合わされることにより円環体をなし、地山5から加わる土圧,地下水圧に抵抗する。セグメント85は、上記各実施例と同様にシールド掘進機1が進行する度にエレクター29により順次トンネルの延長方向に沿って組み付けられる。セグメント85の外周面及び地山5の表面によって形成される空間には、裏込め材としての充填材Gが打設される。本工法における充填材Gとしては、例えばモルタルやセメントミルクが採用され、セグメント85の外周面及び地山5の表面によって形成される空間に充填材Gが打設されることにより円環状に形成されたセグメント85が地山5の表面に強固に隙間なく定着される。
本工法における充填材Gは、胴体2のスキンプレート3の内部に設けられた打設流路80を介して打設される。打設流路80は、胴体2の円周方向に沿って等間隔に複数設けられ、前端部に打設配管24Aが接続される。図外の圧送ポンプ及び圧送管21を介して打設配管24Aによって各打設流路80に分岐される充填材Gは、打設口80Aから吐出され、セグメント85の外周面及び地山5の表面によって形成される空間内で密実化した状態で打設される。
また、一部の充填材Gはスキンプレート3の外周面と地山5の表面との間の空間である余堀部5Aを伝って切羽側に進行する可能性があり、本工法に採用されるシールド掘進機1においても回り込み検出器30及び加泥材注入部40が取り付けられる。
なお、上記実施形態においては打設口80Aから充填材Gを吐出することにより充填材Gを打設するものとして説明したが、セグメント85に設けられた破線部で示す打設孔85Aから充填材Gを打設するようにしてもよい。
回り込み検出器30の構成は、前記各実施形態におけるものと同様であって、回り込み検出器30の検出部33が余堀部5Aに露出するように外周面と面一に取り付けられる。
また、加泥材注入部40についても前記各実施形態におけるものと同様であって、複数の回り込み検出器30に対応するように、スキンプレート3の周面上に露出する検出部33の中心線上に位置するノズル41を有し、加泥材を噴射するノズル孔42がスキンプレート3の外周面と面一に露出するように取り付けられる。
また、図示は省略するが回り込み検出器30を隔壁4に取り付ける構成(実施形態2,3)、或いは、取り込み機構50;70によりチャンバー12内の掘削土を胴体2内に取り込む構成(実施形態4,5)についても本工法におけるシールド掘進機1の隔壁4に適用可能なことはいうまでもない。
以上説明したように、本発明に係る充填材Gの回り込み検出方法、及び、シールド掘進機によれば、工法の種別を問わず充填材Gの回り込みを適切に検出し、かつ、検出結果に基づいて早期に回り込みを阻止することができる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に限定されるものではない。特に、上記実施形態においては、内型枠又はセグメントを用いたシールド掘進機1を例として説明したが、これに限られるものではなく充填材を用いる形式のものであれば本発明を適用可能である。
また、上記実施の形態に多様な変更、改良を加え得ることは当業者にとって明らかであり、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
1 シールド掘進機,2 胴体,3 スキンプレート,4 隔壁,
5 地山,5A 余掘部,6 シールドジャッキ,10 カッター,
11 掘削ビット,12 チャンバー,13 排出機構,
20 覆工機構,23 妻枠機構,24A 打設配管,24B 打設配管,
25 妻枠ジャッキ,26 妻枠,26A 流路,26B 打設口,
30 回り込み検出器,32 本体部,33 検出部,
40 加泥材注入部,41 ノズル,42 ノズル孔,43 加泥材供給チューブ,
49 格納部,50 取り込み機構,51 取り込み本体部,52 取り込み流路,
53 ゲートバルブ,55 ピストン,56 油圧バルブ,57 油圧ポンプ,
58 開口部,59 閉塞部材,60 流路,62 流路,63 サーボモータ,
70 取り込み機構,74 貯留槽,80 打設流路,
85 セグメント,85A 打設孔,100 主制御装置,102 電磁バルブ,
103 圧送ポンプ,104 検出判定部,105 注入量設定部,G 充填材。

Claims (5)

  1. 胴体後方において地山の周方向に沿って配置される内型枠又はセグメントの外周面と地山との間に充填材を充填しつつ、胴体前方の隔壁よりも前方に設けられた掘削部により地山を掘削して進行するシールド掘進機の充填材回り込み検出方法であって、
    前記胴体における地山と対向する周面、又は、前記胴体前方の隔壁よりも掘削部側において、前記胴体の後方から前記胴体の前方に回り込む充填材を検出することを特徴とする充填材回り込み検出方法。
  2. 胴体後方における地山の周方向に沿って配置される内型枠又はセグメントの外周面と地山との間に充填材を充填しつつ、胴体前方の隔壁よりも前方に設けられた掘削部により地山を掘削して進行するシールド掘進機であって、
    前記シールド掘進機が前記胴体の後方から前記胴体の前方に回り込む充填材を検出する回り込み検出器を備え、
    前記回り込み検出器の検出部が前記胴体における地山と対向する周面、又は、前記胴体前方の隔壁と前記掘削部との間に形成される空間内に位置することを特徴とするシールド掘進機。
  3. 前記隔壁が、当該隔壁と前記掘削部との間に形成される空間内に取り込まれる掘削土を前記胴体内部に取り込む取り込み機構を備え、
    前記回り込み検出器が前記取り込み機構によって取り込まれた掘削土から充填材を検出することを特徴とする請求項2に記載のシールド掘進機。
  4. 前記シールド掘進機が、前記胴体における地山と対向する周面上に円周方向に沿って配置され、充填材の回り込みを阻止する加泥材を吐出する複数の加泥材注入部と、
    前記回り込み検出器から出力される回り込み検出信号に基づいて前記加泥材注入部を制御する制御装置とを備えることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のシールド掘進機。
  5. 前記回り込み検出器がpH計又は電気伝導率計であることを特徴とする請求項2乃至請求項4いずれかに記載のシールド掘進機。
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