JP2011236391A - 樹脂の処理装置および処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】流動層による樹脂の熱分解およびその分解生成物の回収を効率的に実施できる処理装置および処理方法の提供。
【解決手段】樹脂の熱分解を行う分解槽1と、前記分解槽に流動化ガスを供給する流動化ガス供給流路2と、前記分解槽に固体粒子を供給する固体粒子供給手段3と、前記分解槽に樹脂を供給する樹脂供給手段4と、前記分解槽から排出されるガスを冷却し、凝縮液を回収する回収手段と、前記分解槽内の固体粒子を最下層から排出する固体粒子排出手段7と、該固体粒子排出手段の出口7aから前記固体粒子に同伴して排出されるガスを分離して前記回収手段へと送る分離手段とを具備する処理装置100。
【選択図】図1

Description

本発明は、流動層による樹脂の熱分解とその分解生成物の回収とを行う処理装置および処理方法に関する。
従来、廃プラスチック用の樹脂を熱分解し、生成したガス状の分解生成物(モノマー、油等)を冷却し、液体として回収する方法が知られている。特に樹脂がアクリル系樹脂である場合、該方法を用いることで、モノマーを液体として回収でき、アクリル系樹脂の製造にリサイクルできるため、樹脂製造時の使用原油量や環境負荷を低減できるため、工業的に有用とされている。
樹脂の熱分解方法の一つとして、流動層を利用する方法がある。該方法は、分解槽内にて、樹脂の熱分解温度以上の温度に加熱した高温の固体粒子(砂等)を流動させ、そこに樹脂を投入するもので、樹脂の熱分解に必要な熱量が固体粒子の顕熱により供給される。そのため、分解槽の壁面だけで加熱する場合に比べて効率よく熱分解を実施でき、分解槽のスケールアップが容易であること、加熱した固体粒子を分解槽に連続的に供給するとともに該分解槽から固体粒子を連続的に排出することで連続的な熱分解処理が可能であること、樹脂の熱分解残渣を固体粒子に付着させて分解槽から排出できること、排出した固体粒子を加熱等により再生して再利用できること、等の利点があり、工業的に有利な方法である。
このような方法として、たとえば特許文献1、2には、分解槽に加熱した固体部粒子、流動化ガスおよび樹脂をそれぞれ連続的に供給し、かつ該分解槽から固体粒子を連続的に排出し、その排出した固体粒子を加熱装置に導入して加熱した後、再度分解槽に供給する方法が記載されている。
上記のように分解槽から固体粒子を連続的に排出する手段としては、たとえばスクリューやLバルブがある。これらの装置により固体粒子を排出する際、固体粒子は、高い充填率で装置内を移動し、非流動状態で排出される。その高い充填率により、分解槽内の流動化ガスの漏出がシールされる、と考えるのが一般的である。しかし、これらの装置を用いても、そのシール機能は充分ではなく、固体粒子に同伴して、分解槽内の一部の流動化ガスが漏出してしまう。漏出したガス中には、樹脂の熱分解により生じたガス状の分解生成物が含まれており、該分解生成物が、固体粒子が再加熱される際に焼却され、消失してしまうため、(回収される分解生成物の質量)/(供給した樹脂の質量)で定義されるプロセス全体の収率が悪化し、その工業的な有利さを損なってしまう。
このような問題に対し、本出願人は、特許文献3に、上述の問題を解決する方法として、分解槽と固体粒子を排出する特定の経路との圧力を同じにする手段を講じて、分解槽から固体粒子排出手段へのガスの流れができないようにする方法を開示している。
特開2008−214320号公報 特開2008−214589号公報 特開2009−112902号公報
特許文献3記載の方法によれば、分解槽の流動化ガスに同伴して排出される熱分解生成物に対しては、排出量を減らし、プロセス全体の収率を改善することができる。しかしながら、非流動状態で排出される固体粒子間の空隙にもガス状の分解生成物が存在しており、上記方法では、固体粒子間に保持され、固体粒子と同伴して排出される分解生成物の量を低減することは難しい。また、固体粒子と同伴して排出される、固体である樹脂の未分解物に対しては効果がない。したがって、プロセス全体の収率をさらに改善するため、分解生成物の回収をより効率的に実施できる技術が求められる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、流動層による樹脂の熱分解およびその分解生成物の回収を効率的に実施できる処理装置および処理方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明は以下の態様を有する。
[1]流動層による樹脂の熱分解とその分解生成物の回収とを行う処理装置であって、
樹脂の熱分解を行う分解槽と、前記分解槽に流動化ガスを供給する流動化ガス供給流路と、前記分解槽に固体粒子を供給する固体粒子供給手段と、前記分解槽に樹脂を供給する樹脂供給手段と、前記分解槽から排出されるガスを冷却し、凝縮液を回収する回収手段と、前記分解槽内の固体粒子を最下層から排出する固体粒子排出手段と、該固体粒子排出手段の出口から前記固体粒子に同伴して排出されるガスを分離して前記回収手段へと送る分離手段とを具備する処理装置。
[2]さらに、前記分離手段から排出される固体粒子を加熱する加熱手段と、該加熱手段にて加熱された固体粒子を前記固体粒子供給手段に供給する固体粒子供給流路とを具備する、[1]に記載の処理装置。
[3][1]に記載の処理装置を用いて樹脂の熱分解とその分解生成物の回収とを行う処理方法であって、下記(1)〜(3)の工程を含む処理方法。
(1)固体粒子が充填された前記分解槽に流動化ガスを供給して流動層を形成するとともに、該流動層に樹脂を供給して熱分解し、該熱分解により生じるガス状の分解生成物を前記回収手段に送る工程。
(2)前記固体粒子排出手段により、前記分解槽内の固体粒子を最下層から排出するとともに、該固体粒子排出手段の出口から前記固体粒子に同伴して排出されるガス状の分解生成物を前記分離手段により分離して前記回収手段に送る工程。
(3)前記分解槽および/または前記分離手段から前記回収手段に送られた前記ガス状の分解生成物を冷却し、液化して回収する工程。
[4][2]に記載の処理装置を用いて樹脂の熱分解とその分解生成物の回収とを行う処理方法であって、下記(1)〜(4)の工程を含む処理方法。
(1)固体粒子が充填された前記分解槽に流動化ガスを供給して流動層を形成するとともに、該流動層に樹脂を供給して熱分解し、該熱分解により生じるガス状の分解生成物を前記回収手段に送る工程。
(2)前記固体粒子排出手段により、前記分解槽内の固体粒子を最下層から排出するとともに、該固体粒子排出手段の出口から前記固体粒子に同伴して排出されるガス状の分解生成物を前記分離手段により分離して前記回収手段に送る工程。
(3)前記分解槽および/または前記分離手段から前記回収手段に送られた前記ガス状の分解生成物を冷却し、液化して回収する工程。
(4)前記分離手段から排出される固体粒子を、前記加熱手段にて加熱し、前記固体粒子供給流路および前記固体粒子供給手段を介して前記分解槽に供給する工程。
[5]前記樹脂がアクリル系樹脂である、[3]または[4]に記載の処理方法。
本発明によれば、流動層による樹脂の熱分解およびその分解生成物の回収を効率的に実施できる処理装置および処理方法を提供できる。
本発明の処理装置の一実施形態を示す概略図である。
本発明の処理装置は、流動層による樹脂の熱分解とその分解生成物の回収とを行う処理装置であって、樹脂の熱分解を行う分解槽と、前記分解槽に固体粒子を供給する固体粒子供給手段と、前記分解槽に流動化ガスを供給する流動化ガス供給流路と、前記分解槽に樹脂を供給する樹脂供給手段と、前記分解槽から排出されるガスを冷却し、凝縮液を回収する回収する回収手段と、前記分解槽内の固体粒子を最下層から排出する固体粒子排出手段と、該固体粒子排出手段の出口から前記固体粒子に同伴して排出されるガスを分離して前記回収手段へと送る分離手段とを具備する。
本発明の処理装置は、さらに、前記分離手段から排出される固体粒子を加熱する加熱手段と、該加熱手段にて加熱された固体粒子を前記固体粒子供給手段に供給する固体粒子供給流路とを具備することが好ましい。
以下、本発明の処理装置について、その実施形態例を示して説明する。ただし本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
図1は、本発明の処理装置の一実施形態(以下、第一実施形態ということがある。)を示す概略図である。
本実施形態の処理装置100は、樹脂の熱分解を行う分解槽1と、分解槽1に流動化ガスを供給する流動化ガス供給流路2と、分解槽1に固体粒子を供給する第一のスクリュー(固体粒子供給手段)3と、分解槽1に樹脂を供給する第二のスクリュー(樹脂供給手段)4と、分解槽1から排出されるガスを冷却する冷却装置5と、分解槽1から排出されるガスを冷却装置5に供給する第一のガス流路6と、分解槽1の下方に配置された第三のスクリュー(固体粒子排出手段)7と、スクリュー7の出口7aから排出される固体粒子を貯留するホッパー8と、ホッパー8内に、固体粒子と、該固体粒子に同伴して排出されるガスとを分離するための分離ガスを供給する分離ガス供給流路9と、ホッパー8から排出されるガスを第一のガス流路6に供給する第二のガス流路10と、ホッパー8から排出される固体粒子を加熱する加熱装置11(加熱手段)と、加熱装置11にて加熱された固体粒子を第一のスクリュー3に供給する固体粒子供給流路12と、ホッパー8内の固体粒子を加熱装置11に排出するロータリーバルブ13と、を具備する。
第二のスクリュー4の入口には、樹脂の粉砕装置(図示略)を備えた樹脂貯留用ホッパー4aが設置されている。
処理装置100においては、ホッパー8、分離ガス供給流路9および第二のガス流路10が分離手段として機能するようになっている。すなわち、第三のスクリュー7の出口7aからは、固体粒子が非流動状態で排出され、固体粒子間の間隙には分解槽1内で生じたガス状の分解生成物が存在している。この固体粒子をホッパー8内に貯留し、ホッパー8内の気相部に分離ガス供給流路9から分離ガスを供給すると、該分離ガスによってホッパー8内に存在するガス状の分解生成物が押し出され、分離ガスとともに第二のガス流路10を通じて第一のガス流路6に送られ、該第一のガス流路6を経て冷却装置5に供給される。
分解槽1は、本体1aと、流動化ガス供給流路2により流動化ガスが供給される位置よりも上方に設置されて本体1a内を上下に区分する分散装置1bと、分散装置1b上に充填された固体粒子からなる固体粒子層1cと、一端が固体粒子層1cの最下層内に開口し、他端が第三のスクリュー7の入口に接続された固体粒子排出流路1dと、分散装置1b下に配置され、供給された流動化ガスを分散装置1bの全面に均一に送るための流動化ガス室1eと、を備える。
分散装置1bとしては、多孔板、スリット板、メッシュ板、焼結フィルタ、ノズル、キャップ付きノズル等が挙げられる。
分解槽1内には、図示しない撹拌装置が設置されており、固体粒子層1cを撹拌できるようになっている。流動化ガスを供給する際、並行して、撹拌装置を用いた撹拌を行うことで、分解槽内における固体粒子や樹脂の水平方向及び鉛直方向の流動が良好になる。
撹拌機の撹拌軸の数に制限はなく、1本であっても良いし、2本以上であっても良い。撹拌軸の本数が2本以上の場合、分解槽内の水平方向、及び鉛直方向の流動がさらに向上する。
撹拌機の攪拌翼の形状は特に限定されず、パドル翼、アンカー翼、リボン翼、ヘリカル翼、プロペラ翼、タービン翼、等が例示される。
なお、撹拌装置は必須ではなく、分散装置1bを介して供給される流動化ガスのみによって固体粒子層1cが充分に流動する場合は、必ずしも撹拌装置を設ける必要はない。
分解槽1の本体1aの下部には流動化ガス供給流路2が接続されている。
ここで、分解槽1の「下部」とは、分解槽1の最下端からスクリュー4が接続した高さ(樹脂の供給位置)までの間を意味する。分解槽1の最下端とは、分解槽1の最下面が平坦である場合には該最下面の位置であり、分解槽1の最下面が、頂点が下側にある円錐状の場合には該円錐の頂点相当位置である。
流動化ガス供給流路2が接続されていることにより、分解槽1に流動化ガス供給流路2を通じて流動化ガスを供給した際に、固体粒子層1cを流動させやすく、また、該層内に供給された樹脂を均一に分散させることができるようになっている。
分解槽1の本体1a上面には第一のガス流路6が接続され、分解槽1の上部の空間に存在するガス(流動化ガスとガス状の分解生成物との混合物)を取り出すことができるようになっている。該空間からガスを取り出すことで、該ガスに同伴して排出される固体粒子の量を低減でき、好ましい。
ここで、分解槽1の「上部」とは、固体粒子層1cの最上面から分解槽1の最上端までの間を意味する。分解槽1の最上端とは、分解槽1の最上面が平坦である場合には該最上面の位置であり、分解槽1の最上面が、頂点が上側にある円錐状の場合には該円錐の頂点相当位置である。
なお、ここでは本体1a上面にガス排出流路6を接続しているが本発明はこれに限定されず、たとえば分解槽1の上部の側面に接続されていてもよい。
第一のスクリュー3、第二のスクリュー4は、それぞれ、分解槽1の本体1aの中間部の下方に設置され、固体粒子層1cの下方から固体粒子および樹脂を供給するようになっている。固体粒子層1cの下方から固体粒子および樹脂を供給することは、樹脂の熱分解効率、分解層1内の固体粒子の流動性、樹脂供給手段4の溶融したカレットによる固着の防止、加熱により溶融した樹脂の発泡の防止等の点で有利である。
ここで、分解槽1の「中間部」とは、固体粒子層1cの最下端から最上面までの間を意味する。固体粒子層1cの最下端とは、固体粒子層1cの最下面が平坦である場合には該最下面の位置であり、固体粒子層1cの最下面が、頂点が下側にある円錐状の場合には該円錐の頂点相当位置である。
第一のスクリュー3、第二のスクリュー4として用いられるスクリューは、特に限定されず、それぞれ、固体粒子の供給、排出等に使用されている公知のスクリューを使用できる。定量供給の観点から、一軸スクリューまたは二軸スクリューが好ましい。
冷却装置5では、第一のガス流路6を介して分解槽1から供給されたガスや、ホッパー8から押し出され、第二のガス流路10および第一のガス流路6を介して供給されたガスが冷却される。これにより、それらのガス中に含まれるガス状の分解生成物が凝縮(液化)し、液体として回収される。
冷却装置5には回収器(図示略)が設置され、生じた凝縮液(分解生成物を含む液体)を収容できるようになっている。
冷却装置5としては、気体状の熱分解生成物を冷却し、液体として凝縮させ得るものであれば特に制限はなく、たとえば管式熱交換器、プレート式熱交換器、スクラバー、スプレー塔、等が挙げられる。
第三のスクリュー7は、分解槽1の下方に設置され、その入口に固体粒子排出流路1dが接続されており、該固体粒子排出流路1dを介して、固体粒子層1cの最下層から固体粒子を排出できるようになっている。
第三のスクリュー7として用いられるスクリューは、特に限定されず、固体粒子の供給、排出等に使用されている公知のスクリューを使用できる。定量供給の観点から、一軸スクリューまたは二軸スクリューが好ましい。
加熱装置11としては、たとえば流動層炉、ロータリキルン等が挙げられる。
図1に示す処理装置を用いた樹脂の熱分解とその分解生成物の回収は、下記(1’)〜(3’)の工程を行うことにより実施できる。
(1’)固体粒子が充填されて固体粒子層1cが形成された分解槽1に流動化ガスを供給して固体粒子層1cを流動させる(流動層を形成する)とともに、該固体粒子層1cに樹脂を供給して熱分解し、該熱分解により生じるガス状の分解生成物を冷却装置5に送る工程。
(2’)第三のスクリュー7により、分解槽1内の固体粒子を最下層から排出するとともに、第三のスクリュー7の出口7aから固体粒子をホッパー8に貯留し、該ホッパー8内の気相部に分離ガス供給流路9から分離ガスを供給することにより、該ホッパー8内に固体粒子に同伴して排出されるガス状の分解生成物を分離して、第二のガス流路10および第一のガス流路6を介して冷却装置5に送る工程。
(3’)分解槽1およびホッパー8から冷却装置5に送られたガス状の分解生成物を冷却し、液化して回収する工程。
(4’)ホッパー8から排出される固体粒子を、加熱装置11にて加熱し、固体粒子供給流路12および第一のスクリュー3を介して分解槽1に供給する工程。
工程(2’)における第三のスクリュー7からの固体粒子の排出速度(kg/時間)と、工程(4’)における第一のスクリュー3からの固体粒子の供給速度(kg/時間)は、通常、ほぼ同一である。また、これら固体粒子の排出と供給はそれぞれ連続的に行われる。
[工程(1’)]
工程(1’)において、流動化ガス供給流路2から流動化ガスを供給すると、流動化ガス室1e内を拡散した流動化ガスが分散装置1bを通って吹き上がり、固体粒子層1cが流動する。
そこに、樹脂貯留用ホッパー4a内の粉砕装置(図示略)にて粉砕した樹脂を、第二のスクリュー4を経由して供給する。樹脂は、比重が固体粒子よりも小さいため、流動化ガスと共に固体粒子層1c内を上昇する。この際、樹脂は、高温の固体粒子と接触し、熱分解される。
樹脂の熱分解によって生成したガス状の分解生成物は、流動化ガスとともに分解槽1から排出され、第一のガス流路6を経由して冷却装置5に送られる。
固体粒子としては、たとえば、砂、セラミックス粒子、金属粒子、金属水酸化物粒子、金属ハロゲン化物粒子等が挙げられる。特に、低価格で、取り扱いが容易で、熱分解による副反応が起こりにくく、プロセス全体の収率低下が起こりにくいことから、砂が好ましい。該砂の種類に特に制限はなく、川砂、山砂、海砂等が使用できる。その中でも流動性の良い点から、川砂が好ましい。
固体粒子の大きさは特に制限はないが、その取り扱い性の観点から、平均粒径が0.01mm〜1mmが好ましく、0.05mm〜0.8mmがより好ましい。
流動化ガスとしては、窒素、二酸化炭素、不活性ガス(アルゴン等)、空気等が挙げられる。ただし空気の場合、酸素を含むことから、熱分解時に、樹脂が酸化反応によってモノマーよりも分子量の低い物質にまで分解し、プロセス全体の収率が下がってしまう。そのため、分解生成物の収率や熱分解の安定性の観点から、酸素を実質的に含まないガスが好ましい。低価格、取り扱い容易、熱分解による副反応が起こりにくく、プロセス全体の収率低下が起こりにくい窒素を使用することが好ましい。また、冷却装置5またはミスト回収装置14から排出されるガスを再利用してもよい。
樹脂としては、アクリル系樹脂、オレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン等。)、ポリ塩化ビニル、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート等。)、ポリスチレン系樹脂等が挙げられ、いずれか1種単独であってもよく、2種類以上の混合物であってもよい。本発明により処理される樹脂としては、分解生成物のモノマーの収率の観点からアクリル系樹脂が好ましい。本発明の方法をアクリル系樹脂に適用することは、工業的に価値が非常に高い。
本発明において、アクリル系樹脂は、モノマー単位(重合体を構成する繰り返し単位)として、(メタ)アクリル酸エステル単位を有する重合体である。ここで「(メタ)アクリル」は、「アクリル」または「メタクリル」のことをいう。(メタ)アクリル酸エステルは、一般式:CH=C(R)−CO−O−R[式中、Rは水素原子またはメチル基であり、Rは有機基である。]で表される化合物であり、Rがアルキル基である(メタ)アクリル酸アルキルが好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルとして具体的には、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル等が挙げられる。
アクリル系樹脂は、少なくとも(メタ)アクリル酸メチル単位を含むことが好ましい。特に、モノマーを高収率で回収する点から、全構成単位100質量%中、(メタ)アクリル酸メチル単位を50質量%以上含んでいることが好ましく、メタクリル酸メチル単位を70質量%以上含んでいることがより好ましい。
アクリル系樹脂は、(メタ)アクリル酸エステル単位以外の他のモノマー単位を含んでいてもよい。
該他のモノマーとしては、(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能なものであればよく、たとえば(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、多官能モノマー等が挙げられる。
多官能モノマーとしては、たとえば、多官能(メタ)アクリル酸エステルが例示される。多官能(メタ)アクリル酸エステルとしては、たとえばエチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、1,4ブタンジオールジアクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、1,4ブタンジオールジメタクリレート、1,6ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、等が挙げられる。
多官能モノマー単位を含むアクリル系樹脂として、架橋したアクリル系樹脂が挙げられる。
アクリル系樹脂は、他の樹脂と混合されていてもよい。
樹脂は、充填剤を含んでいてもよい。充填剤としては、水酸化アルミニウム、シリカ、炭酸カルシウム、ガラス繊維、タルク、クレイ等が挙げられる。
樹脂は、充填剤以外の添加剤を含んでいてもよい。該添加剤としては、たとえば顔料、染料、補強剤、酸化防止剤、安定剤等が挙げられる。
分解槽1に供給する樹脂(粉砕片)の大きさは、平均粒子径として、1〜20mmが好ましく、3〜10mmがより好ましい。該平均粒子径が1mm以上であると、樹脂同士の付着、融着を抑えることができる。樹脂の粉砕片の平均粒子径が20mm以下であれば、樹脂および固体粒子の分散性が良好となる。該平均粒子径は、破砕片が球状であるとして、100個の樹脂の粉砕片を取って求めた樹脂の粉砕片の平均重量と、樹脂の密度とから計算した重量平均径である。
分解槽1に供給する樹脂の温度は、0℃以上、(樹脂のガラス転移温度または融点−50℃)以下が好ましい。樹脂の温度が0℃以上であれば、固体粒子層1cの温度低下が抑えられ、また、固体粒子層1cの流動性が良好となる。樹脂の温度が(樹脂のガラス転移温度または融点−50℃)以下であれば、樹脂同士の付着が抑えられ、また、樹脂と固体粒子との混合が良好となる。
樹脂を供給する際(熱分解を行う際)の固体粒子層1cの温度(流動層の温度)は、350〜500℃が好ましい。該温度が350℃以上であれば、樹脂の熱分解速度が速くなる。該温度が500℃以下であれば、回収される液体の品質が向上する。該流動層の温度は、該流動層に供給する流動化ガスや固体粒子の温度を調節することにより調節できる。
分解槽1に供給する流動化ガスの温度は、分解槽1に供給する樹脂の温度以上、500℃以下が好ましい。流動化ガスの温度が樹脂の温度以上であれば、固体粒子層1cの過度の温度低下が抑えられる。流動化ガスの温度が500℃以下であれば、回収される液体の品質が向上する。
流動化ガスの供給速度(kg/時間)と樹脂の供給速度(kg/時間)との比(流動化ガス/樹脂)は、0.4〜3.0が好ましい。流動化ガス/樹脂が0.4以上であれば、固体粒子層1cの流動性を保つことができる。流動化ガス/樹脂が3.0以下であれば、冷却装置5の負荷を低減できる。
[工程(2’)]
工程(2’)において、上端が固体粒子層1cの最下層内に開口している固体粒子排出流路1dを通じて分解槽1から排出され、第三のスクリュー7によりホッパー8に供給される。このとき分解槽1から排出される固体粒子は充填密度が高く、固体粒子間の隙間に分解槽1中のガス(流動化ガスと、熱分解により生じたガス状の分解生成物との混合ガス)が閉じこめられており、この状態で第三のスクリュー7内を通過してその出口7aから排出される。また、固体粒子層1c内に樹脂の未分解物がある場合、該未分解物が固体粒子とともに分解槽1から排出される。この樹脂の未分解物としては、樹脂そのもののほか、低分子量化した樹脂や炭化物が挙げられる。該固体粒子は排出された後も高温であるため、第三のスクリュー7内を移動する際に未分解物が熱分解してガス状の分解生成物が生じることがあり、この分解生成物も固体粒子と同伴して出口7aから排出される。
この固体粒子をホッパー8に貯留し、該ホッパー8内に分離ガス供給流路9から分離ガスを供給すると、該ホッパー8内の固体粒子間のガスが分離ガスにより押し出され、固体粒子から分離する。分離したガスは、分離ガスとともに第二のガス流路10を通じて第一のガス流路6に送られ、該第一のガス流路6を経て冷却装置5に供給される。
分解槽1および第三のスクリュー7からの固体粒子の排出速度(kg/時間)には、特に制限はない。樹脂の種類/処理速度、および、分解槽1に供給される固体粒子の温度によって決まる。
固体粒子の排出速度の計測は、ロードセル等の質量計測機を用いることにより行うことができる。また、排出速度の制御は固体粒子排出スクリューの回転数制御により行うことができる。
ホッパー8内の「気相部」とは、ホッパー内に溜まった固体粒子の最上面からホッパーの内の最上端までの空間を意味する。
ホッパー8内の気相部に供給する分離ガスは、分解槽1に供給する流動化ガスとして挙げたものと同様のものが挙げられる。分離ガスとしては、流動化ガスと同じものを使用することが好ましい。
ホッパー8内の気相部に供給するガス量としては、ホッパー内の気相部容量の3倍以上であることが、固体粒子と同伴して排出されるガス状の分解生成物を充分に回収できる点で好ましい。
[工程(3’)]
工程(3’)においては、冷却装置5にて、工程(1’)で分解槽1から送られたガス(流動化ガスと、熱分解により生じたガス状の分解生成物との混合ガス)および工程(2’)でホッパー8からに送られたガス(流動化ガスと、熱分解により生じたガス状の分解生成物と、分離ガスとの混合ガス)を冷却する。これにより、それらのガス中に含まれるガス状の分解生成物が凝縮し、液体として回収される。
冷却装置5にて回収される液体(以下、回収液ということがある。)は、樹脂の分解生成物を含む。回収液としては、たとえばポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂からはパラフィンやワックスを含む液体、ポリエチレンテレフタレートからはテレフタル酸を含む液体、ポリカーボネートからはフェノール類を含む液体、ポリスチレンからはスチレンを含む液体、(メタ)アクリル樹脂からは(メタ)アクリルエステルを含む液体がそれぞれ得られる。
回収された液体に対し、必要に応じて、不純物や混入した固体粒子を除去するために、精製処理を行ってもよい。精製方法としては、たとえばフィルタによるろ過、蒸留等が挙げられる。
また、冷却装置5の上流にサイクロンを設置し、分解槽1やホッパー8から供給されるガス中に含まれる固体粒子を除去してもよい。
冷却装置5からは、流動化ガスと、液化しなかった分解生成物と、分離ガスとの混合ガスが排出される。この混合ガスは、燃焼処理等の除害処理後、系外に排気してもよいし、分解槽1に再度供給してもよい。除害処理は、たとえば該混合ガスを加熱装置11に送り、燃焼させることにより実施できる。
本発明においては、冷却装置5の下流にミスト回収装置を設置し、冷却装置5から排出されるガス中のミストを回収することが好ましい。冷却装置5から排出されるガス中には、冷却装置5にて液化した分解生成物の一部がミストとして存在することがある。そのため、冷却装置5の下流にミスト回収装置を設置することで、分解生成物の収率をさらに向上させることができる。
ミスト回収装置には回収器が設置されており、回収したミスト(分解生成物を含む液体)を収容できるようになっている。
ミスト回収装置からは、流動化ガスと、液化しなかった分解生成物と、分離ガスとの混合ガスが排出される。この混合ガスは、燃焼処理等の除害処理後、系外に排気してもよいし、分解槽1に再度供給してもよい。
冷却装置5またはミスト回収装置から排出される混合ガスを分解槽1に再度供給する場合には、該混合ガスに、別の工程から供給されるガスを混合してもよい。
供給されるガスの種類は、回収する液の収率の向上、品質の向上の観点から、窒素、二酸化炭素、水蒸気が好ましい。
冷却装置5またはミスト回収装置から出てくる混合気体に対する別の工程から供給されるガスの質量比は、0〜5とするのが好ましい。この比が0とは、樹脂の分解生成物のうち、冷却装置5で液化しなかったガスのみを、分解槽1の流動化ガスとして使用することである。この比を5以下とすることにより、別の工程から供給するガスの量を低減することができ、ガスの使用に伴う費用を削減できるため好ましい。
このように混合されたガスは、流量制御装置やコントロールバルブ等により、分解槽1に供給されるガスと、除害処理後に系外に排気するガスとに分けられる。
分解槽1に供給される混合ガスの温度は、前述した流動化ガスの温度と同様とする。
[工程(4’)]
工程(4’)では、ホッパー8から排出される固体粒子を、加熱装置11にて加熱し、固体粒子供給流路12および第一のスクリュー3を介して分解槽1に供給する。
固体粒子層1c内に樹脂の未分解物がある場合、該未分解物は、上述したように、固体粒子とともに分解槽1から排出される。ホッパー8内に排出された固体粒子に該未分解物が同伴していても、加熱装置12にて該固体粒子を加熱することで、該未分解物を熱分解または燃焼させて固体粒子から除去することができる。また、この固体粒子を分解槽1に供給することで、樹脂の熱分解に利用することができる。
加熱装置11としては、たとえば流動層炉、ロータリキルン等が挙げられる。
流動層炉を用いる場合、たとえば、該流動層炉に固体粒子を供給するとともに、空気、燃料の燃焼ガスまたはその混合物を流動化ガスとして供給して該固体粒子を流動化させながら、固体粒子の温度を上昇させる。ロータリキルンを用いる場合、空気、燃料の燃焼ガスまたはその混合物を供給しながら、装置自体を回転させ、その内部の固体粒子を流動させながら、固体粒子の温度を上昇させる。このようにして固体粒子の温度を上昇させることにより、固体粒子に同伴して排出された樹脂の未分解物を熱分解または燃焼させることができる。
加熱装置11で使用する燃料に特に制限はないが、たとえば、重油、軽油、灯油、前記工程(3’)で回収した回収液(分解生成物を含む液体)等が挙げられる。特に、該回収液を使用することにより、新たに燃料を購入する必要がないので、環境的、コスト的な観点から好ましい。また、該回収液を使用することは、樹脂分解に必要な熱量をその回収液で賄うことになるので、クローズドシステムとなり、環境負荷の小さいプロセスとなる。
樹脂の未分解物を熱分解させた場合、生じたガス状の分解生成物を冷却装置5に送り、冷却して液体として回収することが、収率の点から好ましい。
加熱装置11における加熱温度は、樹脂の未分解物を熱分解させるか燃焼させるか、分解槽1に供給する固体粒子の温度等を考慮して適宜設定すればよい。また、加熱温度を段階的に変更して加熱を行ってもよい。
第一のスクリュー3を経由して分解槽1に供給される固体粒子の温度は、(流動層の温度+50℃)以上、(流動層の温度+250℃)以下が好ましい。分解槽1に供給される固体粒子の温度が該範囲の下限値以上であると、樹脂の熱分解速度が速くなり、上限値以下であると、回収される液体の品質が向上する。
工程(4’)における第一のスクリュー3からの固体粒子の供給速度(kg/時間)は、工程(2’)における第三のスクリュー7からの固体粒子の排出速度(kg/時間)と、通常、ほぼ同一である。
固体粒子の供給速度(kg/時間)と樹脂の供給速度(kg/時間)との比(固体粒子/樹脂)は、1〜20が好ましい。固体粒子/樹脂が1以上であれば、樹脂を効率よく熱分解できる。固体粒子/樹脂が20以下であれば、分解槽1と固体粒子加熱装置12との間の固体粒子の循環量が抑えられ、固体粒子加熱装置12の大型化によるコストの上昇が抑えられる。
以上、本発明を、第一実施形態を示して説明したが本発明は該実施形態に限定されるものではない。
たとえば、第一実施形態では、分離手段としてホッパー8、分離ガス供給流路9および第二のガス流路10を利用する例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。たとえば他の例として、分離ガス供給流路9の代わりにブロワー等を利用する例が挙げられる。たとえば第二のガス流路10にブロワーを設置し、ホッパー8内の気相部のガスを吸引することにより、上記と同様、ホッパー8内に存在するガス状の分解生成物を冷却装置5に送ることができる。
ただし、分解槽1から排出された固体粒子やそれに同伴するガスは高温であるため、分離ガス供給流路9を用いてホッパー8に分離ガスを供給することが、必要な設備の耐熱性の点から好ましい。
また、第一実施形態では、第二のガス流路10を第一のガス流路6に接続した例を示したが、本発明はこれに限定されず、たとえば第二のガス流路10を直接冷却装置5に接続してもよい。
また、冷却装置5を1つ設置した例を示したが本発明はこれに限定されず、複数の冷却装置を設置してもよい。この場合、該複数の冷却装置は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
また、第一実施形態では、加熱装置11および固体粒子供給流路12を設置し、ホッパー8から排出される固体粒子を、加熱装置11にて加熱し、固体粒子供給流路12および第一のスクリュー3を介して分解槽1に供給する工程(4’)を行う例を示したが、本発明はこれに限定されず、たとえば別の加熱装置を設置し、該加熱装置で加熱した固体粒子を、第一のスクリュー3を介して分解槽1に供給してもよい。
以上、説明したように、本発明によれば下記のような優れた効果が得られる。
本発明の処理装置を長期間、連続運転することで、樹脂を効率的に熱分解し、モノマー等の分解生成物を高収率に回収することができる。
本発明の処理方法によれば、従来は回収できなかった分解生成物(樹脂の熱分解に用いた流動層から固体粒子と同伴して排出される分解生成物、固体粒子を排出する固体粒子排出流路中で樹脂の未分解物が熱分解することで生成した分解生成物等)を回収することができ、プロセス全体の収率が向上する。その効果は樹脂の処理量が増えれば増えるほど向上する。そのため、本発明は、樹脂製造時の使用原油量低減や環境負荷を低減の効果が大きい。
以下、本発明を実施例によってより詳細に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
以下の各例で使用した樹脂および評価方法は下記のとおりである。
(固体粒子)
固体粒子としては、砂(天然川砂、株式会社昌栄マテリアル製、商品名:エバラロズナ、平均粒子径(直径)0.3mm、かさ密度1600kg/m)を使用した。
(樹脂)
樹脂としては、メタクリル酸メチル(以下、「MMA」と略記する。)100質量%からな樹脂(ポリメタクリル酸メチル(以下、「PMMA」と略記する。))を使用した。該PMMAの重量平均分子量は40万であり、ガラス転移温度は100℃であった。
樹脂は、目開き5.6mmの篩いを通過し、目開き4.75mmの篩いを通過しない大きさのものを分解槽1に供給した。
(分解生成物の評価)
3日間運転により回収された全凝縮液(回収液)についてMMA濃度を測定し、回収MMA量およびプロセス全体の収率を以下の式より求めた。
Figure 2011236391
上記回収液の回収量は、冷却装置5に接続した容器に回収した液体を前記容器から排出する際、その流量を前記容器の排出側の配管に設けた流量計で測定し、その測定値から算出した。
上記回収液中のMMA濃度(質量%)は、ガスクロマトグラフィーで測定した。
ガスクロマトグラフィーには、(株)島津製作所製、GC−17Aを使用した。溶媒にはN,N−ジメチルホルムアミドを使用した。予め検量線を作成しておき、回収した液のガスクロマトグラフィーの結果から、回収液中のMMA濃度を算出した。
[実施例1]
図1に示す構成の処理装置100を用いて実施した。
分解槽1の直径は1000mmで、流動状態での砂層(固体粒子層1c)の高さは1000mmとした。砂層の流動のために、流動化ガスと、撹拌翼を備えた撹拌装置とを使用した。該攪拌翼は二枚の傾斜パドル翼を5段にしたものである。回転速度は6rpmとした。流動化ガスとしては窒素ガスを使用した。
分解槽1の分散装置1bとしては、ノズル式分散板を使用し、分散装置1bの最下部中央に配管(固体粒子排出流路1d)を設置した。
冷却装置5としては、コンデンサーを使用した。
加熱装置11としては、熱風で砂を流動化させる流動層炉を使用した。
第一のスクリュー3、第二のスクリュー4、第三のスクリュー7としては、それぞれ、一軸スクリューを使用した。
ホッパー8としては、容量64Lの砂ホッパーを使用し、運転時のホッパー8の気相部は30Lとした。
まず、分解槽1内に、砂を1000kg入れた。静置状態での砂層の高さは1000mmであった。その後、分解槽1内に流動化ガスとして窒素ガス(約20℃、常温)を供給し、砂層を流動させるとともに、分解槽1内を窒素置換した。
流動砂(420℃)中に樹脂(約20℃、常温)を200kg/hrにて3日間連続で第二のスクリュー4にて供給し、発生したガスを冷却装置5にて8℃まで冷却し、凝縮液を得た。
また、同時に、分解槽1から砂を2400kg/hrで連続的に第三のスクリュー7にて排出し、ホッパー8を経由して加熱装置11に送った。その排出速度は、第三のスクリュー7の先端に設置したホッパー8のロードセルにより計測した。排出速度の制御は、第三のスクリュー7の回転数により行った。このときのホッパー8の気相部は30Lであった。ホッパー8の気相部に、分離ガス供給流路9から、分離ガスとして窒素ガスを6Nm/hrにて供給した。また、ホッパー8から排出されたガスは、第二のガス流路10および第一のガス流路6を通って冷却装置5に流れるようにした。
加熱装置11では、熱風の温度を制御することにより砂の温度が580℃になるように加熱した。加熱した砂は、固体粒子供給流路12および第一のスクリュー3を介して分解槽1に供給した。第一のスクリュー3からの供給時の砂の温度は570℃、供給速度は2400kg/hrであった。
3日間運転により回収された全凝縮液(回収液)についてMMA濃度を測定し、回収MMA量を求めたところ、6874kgであった。また、プロセス全体の収率としては、98.2%であった。
[比較例1]
分離ガス供給流路9からホッパー8への分離ガスの供給を行わず、分離手段を機能させなかったこと以外は実施例1と同様な操作を実施した。
その結果、回収MMA量は6860kgであり、プロセス全体の収率としては、98.0%であった。
上記実施例、比較例の結果を表1に示す。これらの結果に示すとおり、ホッパー8に分離ガスを供給し、冷却装置5に供給する(分解生成物を分離、回収する)ことで、プロセス全体の収率が向上した。
Figure 2011236391
1…分解槽、2…流動化ガス供給流路、3…第一のスクリュー(固体粒子供給手段)、4…第二のスクリュー(樹脂供給手段)、5…冷却装置、6…第一のガス流路、7…第三のスクリュー(固体粒子排出手段)、8…ホッパー、9…分離ガス供給流路、10…第二のガス流路、11…加熱装置、12…固体粒子供給流路、100…処理装置

Claims (5)

  1. 流動層による樹脂の熱分解とその分解生成物の回収とを行う処理装置であって、
    樹脂の熱分解を行う分解槽と、前記分解槽に流動化ガスを供給する流動化ガス供給流路と、前記分解槽に固体粒子を供給する固体粒子供給手段と、前記分解槽に樹脂を供給する樹脂供給手段と、前記分解槽から排出されるガスを冷却し、凝縮液を回収する回収手段と、前記分解槽内の固体粒子を最下層から排出する固体粒子排出手段と、該固体粒子排出手段の出口から前記固体粒子に同伴して排出されるガスを分離して前記回収手段へと送る分離手段とを具備する処理装置。
  2. さらに、前記分離手段から排出される固体粒子を加熱する加熱手段と、該加熱手段にて加熱された固体粒子を前記固体粒子供給手段に供給する固体粒子供給流路とを具備する、請求項1に記載の処理装置。
  3. 請求項1に記載の処理装置を用いて樹脂の熱分解とその分解生成物の回収とを行う処理方法であって、下記(1)〜(3)の工程を含む処理方法。
    (1)固体粒子が充填された前記分解槽に流動化ガスを供給して流動層を形成するとともに、該流動層に樹脂を供給して熱分解し、該熱分解により生じるガス状の分解生成物を前記回収手段に送る工程。
    (2)前記固体粒子排出手段により、前記分解槽内の固体粒子を最下層から排出するとともに、該固体粒子排出手段の出口から前記固体粒子に同伴して排出されるガス状の分解生成物を前記分離手段により分離して前記回収手段に送る工程。
    (3)前記分解槽および/または前記分離手段から前記回収手段に送られた前記ガス状の分解生成物を冷却し、液化して回収する工程。
  4. 請求項2に記載の処理装置を用いて樹脂の熱分解とその分解生成物の回収とを行う処理方法であって、下記(1)〜(4)の工程を含む処理方法。
    (1)固体粒子が充填された前記分解槽に流動化ガスを供給して流動層を形成するとともに、該流動層に樹脂を供給して熱分解し、該熱分解により生じるガス状の分解生成物を前記回収手段に送る工程。
    (2)前記固体粒子排出手段により、前記分解槽内の固体粒子を最下層から排出するとともに、該固体粒子排出手段の出口から前記固体粒子に同伴して排出されるガス状の分解生成物を前記分離手段により分離して前記回収手段に送る工程。
    (3)前記分解槽および/または前記分離手段から前記回収手段に送られた前記ガス状の分解生成物を冷却し、液化して回収する工程。
    (4)前記分離手段から排出される固体粒子を、前記加熱手段にて加熱し、前記固体粒子供給流路および前記固体粒子供給手段を介して前記分解槽に供給する工程。
  5. 前記樹脂がアクリル系樹脂である、請求項3または4に記載の処理方法。
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