JP2011021144A - 有機性廃棄物の回収方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】有機性廃棄物の熱分解、及び得られる分解生成物の回収を安定して行う。
【解決手段】分解槽に有機性廃棄物及び流動化ガスを連続的に供給し、該有機性廃棄物を固体粒子の存在下、熱分解してガス状分解生成物とし、分解槽から排出される前記流動化ガスとガス状分解生成物の混合ガスを冷却装置で冷却することによりガス状分解生成物を液体として回収し、残りの流動化ガスを分解槽に戻す有機性廃棄物の分解生成物の回収方法であって、前記分解槽内に流動化ガスを分散するための分散板が配設され、該分散板のノズルの内直径Dを、流動化ガスに含まれる固体粒子の最大径Dpの10倍以上とし、分散板のノズル総数Nと分散板の面積Sの比N/Sが1×10−3/D2以上、5×10−3/D2以下である分解生成物の回収方法。
【選択図】図1
【解決手段】分解槽に有機性廃棄物及び流動化ガスを連続的に供給し、該有機性廃棄物を固体粒子の存在下、熱分解してガス状分解生成物とし、分解槽から排出される前記流動化ガスとガス状分解生成物の混合ガスを冷却装置で冷却することによりガス状分解生成物を液体として回収し、残りの流動化ガスを分解槽に戻す有機性廃棄物の分解生成物の回収方法であって、前記分解槽内に流動化ガスを分散するための分散板が配設され、該分散板のノズルの内直径Dを、流動化ガスに含まれる固体粒子の最大径Dpの10倍以上とし、分散板のノズル総数Nと分散板の面積Sの比N/Sが1×10−3/D2以上、5×10−3/D2以下である分解生成物の回収方法。
【選択図】図1
Description
分解槽において有機性廃棄物を分解、油化し、回収する方法に関する。
廃棄物を熱分解して得られる分解生成物を回収する方法では、流動槽では媒体の固体粒子を流動化させるための流動化ガスは必須である。固体粒子の流動状態は使用する分散板に大きく依存するので、分散板は重要である。
また、流動化ガスを流動槽から排出し常に新しい流動化ガスを使用することは、流動化ガスを多量に使用することになるので好ましくない。流動槽から排出される流動化ガスを再度、流動槽に戻して流動化ガスとして使用することは、流動化ガスの使用量削減の観点から好ましい。しかし、流動化ガスを循環して使用する場合には、その流動化ガスに固体粒子が随伴し、その固体粒子が分散板を目詰まりさせてしまうという問題があった。
流動層ガス化炉で有機性廃棄物を一次ガス化させ、ガス化炉よりも高温の高温酸化炉で二次ガス化させ、この生成した二次ガスの一部を流動層ガス化炉に供給して、流動化ガスの一部として利用する方法が開示されている(特許文献1)。これは、ガスに含まれる微粒の未反応カーボンや灰分をスクラバで除去する方法であり、流動層ガス化炉に使用する分散板として、中央が突き出た円錐を伏せたコーン形状のものが例示されている。
また、流動層でバイオマスをガス化し、ガスの一部を取り出して熱回収処理及び/又は脱塵処理を行った後、流動層に循環させる方法が開示されている(特許文献2)。この特許文献2には、脱塵装置として、バグフィルタ、メタルフィルタが例示されている。
しかしながら、特許文献1にある、分散板が配置された流動層を用いた廃棄物のガス化処理方法においては、循環して使用する流動化ガスに含まれる固体粒子(ダスト)が、分散板に目詰まりする問題があった。
また、特許文献2にある、ガス循環路の脱塵処理部のバグフィルタ、メタルフィルタにより固体粒子を捕捉する方法において、そのバグフィルタやメタルフィルタが直ぐに目詰まりし、連続して長時間運転できない問題があった。
このように、流動化ガスに含まれる固体粒子(ダスト)により分散板が目詰まりせず、また、バグフィルタやメタルフィルタを使用しなくても分散板が目詰まりせず、また、分解槽内の流動状態が良好となる方法が望まれていた。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、有機性廃棄物を熱分解しガス化した後、冷却することにより液化して回収する方法において、流動槽内の固体粒子の流動が良好で、流動化ガスに含まれるダストにより分散板が目詰まりせず、安定して分解生成物を回収する方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、有機性廃棄物を熱分解しガス化した後、冷却することにより液化して回収する方法において、流動槽内の固体粒子の流動が良好で、流動化ガスに含まれるダストにより分散板が目詰まりせず、安定して分解生成物を回収する方法を提供することを目的とする。
本発明は、分解槽に有機性廃棄物及び流動化ガスを連続的に供給し、該有機性廃棄物を固体粒子の存在下、熱分解してガス状分解生成物とし、分解槽から排出される前記流動化ガスとガス状分解生成物の混合ガスを冷却装置で冷却することによりガス状分解生成物を液体として回収し、残りの流動化ガスを分解槽に戻す有機性廃棄物の分解生成物の回収方法であって、前記分解槽内に流動化ガスを分散するための分散板が配設され、該分散板のノズルの内直径D(m)を、流動化ガスに含まれる固体粒子の最大径Dp(m)の10倍以上とし、分散板のノズル総数N(個)と分散板の面積S(m2)の比N/Sが1×10−3/D2(個/m2)以上、5×10−3/D2(個/m2)以下である分解生成物の回収方法である。
本発明の方法によれば、有機性廃棄物の熱分解、及び得られる分解生成物の回収を安定して行うことができる。
本発明で使用する、有機性廃棄物の分解生成物を回収するための設備を図1に示す。
該設備は、有機性廃棄物を固体粒子の存在下で加熱分解する分解槽、分解槽から排出される固体粒子と有機性廃棄物分解残渣を固体粒子加熱装置へ搬送する固体粒子搬送装置、固体粒子を加熱し、有機性廃棄物分解残渣を燃焼して除去する固体粒子加熱装置、及び有機性廃棄物の分解生成物を液体として回収する回収装置を具備する。
分解槽1には、有機性廃棄物が配管11により、また分解槽内の流動を良好に保つためのガス(以下、「流動化ガス」という。)が配管13により、それぞれ連続的に供給される。流動化ガスは分解槽1の下部から供給することが好ましい。分解槽1には、固体粒子を存在させる。該固体粒子が配管12から供給されることが好ましい。分解槽内の固体粒子及び有機性廃棄物は、流動化ガスにより流動化される。流動化ガスとして有機性廃棄物分解の安定性確保や分解生成物の収率の観点から、酸素を実質的に含まないガスとすることが好ましい。流動化ガスとして使用できるガスの種類は、窒素、二酸化炭素、水蒸気等が挙げられる。流動化ガス中の酸素濃度は、有機性廃棄物分解の安定性確保、分解生成物の回収率の向上、あるいは回収した液体状の分解生成物の品質向上の観点から、3体積%以下とすることが好ましく、1体積%以下とするのがより好ましい。
分解槽内の有機性廃棄物は、固体粒子の存在下で加熱分解する。
分解槽からは、固体粒子が固体粒子排出配管14を経由して固体粒子排出装置3により排出される。その排出された固体粒子は、固体粒子搬送装置4により、固体粒子供給配管15を経て固体粒子加熱装置5に供給される。
分解槽1としては、円筒形状のものが好ましく、流動槽、攪拌機を備えた攪拌槽、ロータリーキルン等が例示される。攪拌機の攪拌翼の形状は特に限定されず、例えばパドル翼、リボン翼、ヘリカル翼、プロペラ翼、タービン翼が例示される。
分解槽1には分散板2を設けて分解槽内を上部の分解室と下部の分散室とに仕切る。前記分散板は流動化ガスを分散させるためのものである。分散板には、流動化ガスを分散するためのノズルが取り付けられる。ノズルの内直径D(m)を流動化ガスに含まれる固体粒子の最大径Dp(m)の10倍以上とし、分散板のノズル総数N(個)と分散板の面積S(m2)の比N/Sを、1×10−3/D2(個/m2)以上、5×10−3/D2(個/m2)以下とすることにより、ノズルの目詰まりが無く、分解槽の水平方向の流動のムラを無くし、分解槽の流動を良好に保ち、有機性廃棄物の分解を長時間安定して実施することができる。前記比N/Sが1×10−3/D2(個/m2)未満では、分散板の単位面積当たりのノズルの数が少ないので分解槽内の水平方向の流動のムラが生じ好ましくない。前記比N/Sが5×10−3/D2(個/m2)を超えると、分解槽の水平方向の流動のムラは生じないが、分散板の単位面積当たりのノズルの数が多いのでノズル1個から吐出される流動化ガスの流速が小さくなり、流動が安定しないので好ましくない。
分散板のノズルとしては、分解槽内の分散板の下の空間(分散室)側から供給される流動化ガスを上の空間(分解室)側へ通し、その後、水平方向に吐出する構造の物が、分解槽を安定に流動化させる観点で好ましい。
そのノズルの上にキャップを付けた、いわゆるキャップ付きノズルを用いることが好ましい。ノズルにキャップを付けることにより、固体粒子が分解室から分散室へ落下することを防止することができる。キャップ付きノズルの場合、分散板に配設された該キャップ付きノズルの数をA(個)、該キャップ付きノズル1個が有するノズル(吐出口)数をB(個)としたとき、分散板のノズル総数N(個)は、A×B(個)となる。キャップ付きノズルの一例を図2に示す。
固体粒子排出装置3から排出された固体粒子は固体粒子搬送装置4に供給され、固体粒子とともに有機性廃棄物分解残渣も排出される。固体粒子排出装置3としては特に限定されないが、定量排出の観点から、スクリュー式の装置が好ましい。
固体粒子搬送装置4は、固体粒子排出装置3により分解槽1から排出される固体粒子を固体粒子加熱装置4へ搬送する装置である。
固体粒子搬送装置4としては特に限定されないが、定量搬送の観点から、スクリュー式及びコンベア式の少なくともいずれかである装置が好ましい。コンベア式としてはバケットコンベア等が例示される。バケットコンベアとは、籠がチェーン等で連結された搬送装置である。
分解槽1から排出される固体粒子には有機性廃棄物の分解残渣が混在している。有機性廃棄物分解残渣とは、低分子量化した有機性廃棄物や炭化物の総称である。有機性廃棄物分解残渣が混在した固体粒子をそのまま循環させて分解槽1に供給すると、分解槽内の流動性が低下するため、分解槽に固体粒子を供給する前に、有機性廃棄物分解残渣を除去しておくことが好ましい。前記有機性廃棄物分解残渣が混在した固体粒子は、固体粒子加熱装置5へ搬送され、そこで固体粒子を再加熱することができ、また有機性廃棄物分解残渣を燃焼させ除去することができる。
固体粒子加熱装置5として、前記分解槽1と同様の流動槽、攪拌機を備えた攪拌槽等が例示される。また分解槽1と同様の分散板を設けて分解槽内を上部の加熱室と下部の分散室とに仕切ることが好ましい。
固体粒子加熱装置5で加熱された固体粒子は、配管12から分解槽1へ供給される。この際、固体粒子加熱装置5内の流動性を良好に維持する観点から、流動化ガスを供給しながら、固体粒子を加熱することが好ましい。流動化ガスは、例えば大気中から取り込んだ空気を使用することができる。
固体粒子加熱装置5の加熱手段としては特に限定されないが、例えばバーナーを設置して、液体燃料や固体燃料を燃焼させることで熱風を発生させ、固体粒子を加熱することが挙げられる。
前記の通り有機性廃棄物分解残渣の燃焼を固体粒子加熱装置5で行うことにより、安定な残渣の燃焼が可能となるし、再加熱した固体粒子が冷えることなく再度分解槽1に供給されるので、エネルギー効率が良くなる。
分解槽1からは、流動化ガスと、ガス状の有機性廃棄物分解生成物の混合ガスが配管16から排出され、回収装置6に供給される。回収装置6は冷却装置を含み、該冷却装置で有機性廃棄物分解生成物を冷却することにより液体にして回収する。冷却装置(コンデンサー)として、スクラバー、管式熱交換器、プレート式熱交換器が例示される。回収装置は、コンデンサー以外に、ミスト除去装置、ダスト除去装置を有してもよい。回収装置6で液体になった分解生成物は、配管17から排出され、容器7に回収される。回収装置6で分解生成物から分離される、混合ガスの残りの流動化ガスは、ブロアー8を経由して、再度、分解槽に供給する。
前記流動化ガス中には、前記回収装置で回収できなかった微量の有機性廃棄物分解生成物が含まれることがある。
また前記流動化ガス中には、固体粒子の微粉(ダスト)が混在することがある。分散板のノズル内直径Dを流動化ガスに含まれる固体粒子の最大径Dpの10倍以上とする。分散板のノズル内直径Dを、流動化ガスに含まれる固体粒子の最大径Dpの10倍以上とすることにより、分解槽へ供給された流動化ガスが分散板を通過する際、固体粒子の微粉(ダスト)によりノズルが詰まることを長時間において防止でき、分解槽の安定な流動を保ち、有機性廃棄物の分解を行うことができる。
分解槽1や固体粒子加熱装置5で使用する固体粒子としては特に制限はないが、例えば、砂、セラミクス粒子、金属粒子、金属酸化物粒子、金属水酸化物粒子、金属ハロゲン化物粒子等が挙げられる。これら固体粒子は1種類を単独で使用してもよく、2種類以上を混合して使用してもよい。
また、固体粒子は、有機性廃棄物の分解に不活性なものであってもよいし、有機性廃棄物の分解を促進するような触媒となるものであってもよい。さらに、有機性廃棄物から生成する有害な物質を吸収するようなものであってもよい。例えば、ポリ塩化ビニル樹脂などのように、その分子中に塩素原子を含む樹脂は、加熱分解されると塩素、塩化水素、塩素含有物質等を生成する。このような場合は、固体粒子として酸化カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム等を利用して、生成した塩素、塩化水素、塩素含有物質等を中和、或いは吸収するのが好ましい。
固体粒子の大きさは特に制限はないが、その取り扱い性、固体粒子と有機性廃棄物の流動・混合の容易さ等の観点から、平均粒径は0.01〜1.0mmが好ましく、0.05mm〜0.8mmがより好ましい。なお、平均粒径とは、篩分法など公知の方法を用いて測定される値である。
本発明を適用できる有機性廃棄物としては特に限定されないが、樹脂、バイオマス、等が例示される。樹脂として熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂が例示される。熱可塑性樹脂としてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、(メタ)アクリル樹脂等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としてはフェノール樹脂、メラミン樹脂が例示される。これらの樹脂は単一の樹脂であってもよく、2種類以上の混合物であってもよい。なお、ここで「(メタ)アクリル」とは、アクリルあるいはメタクリルのことをいう。
熱硬化性樹脂としてはフェノール樹脂、メラミン樹脂が例示される。これらの樹脂は単一の樹脂であってもよく、2種類以上の混合物であってもよい。なお、ここで「(メタ)アクリル」とは、アクリルあるいはメタクリルのことをいう。
このような樹脂が分解し生成する分解生成物の主成分としては、ポリエチレンやポリプロピレンからはパラフィンやワックスが、ポリエチレンテレフタレートからはテレフタル酸が、ポリカーボネートからはフェノール類が、ポリスチレンからはスチレンモノマーが、(メタ)アクリル樹脂からは(メタ)アクリル酸エステルモノマーが得られる。
本発明で使用する樹脂としては、分解生成物のモノマーの収率の観点から(メタ)アクリル樹脂が好ましい。従って、本発明の回収方法を(メタ)アクリル樹脂に適用することは、工業的に価値が非常に高い。
(メタ)アクリル樹脂を構成するモノマー単位としては、(メタ)アクリル酸エステルである。(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル等が挙げられる。
(メタ)アクリル樹脂を構成するモノマー単位としては、(メタ)アクリル酸エステルである。(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル等が挙げられる。
(メタ)アクリル樹脂は、上記以外の他のモノマー単位を共重合成分として含んでいてもよい。他のモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル等が挙げられる。
また、(メタ)アクリル樹脂は、架橋した樹脂であってもよい。架橋した(メタ)アクリル樹脂とは、多官能性モノマー単位単官能性モノマー単位を含むものである。単官能性モノマーとしては、前記の(メタ)アクリル樹脂を構成するモノマー単位で例示したモノマーが挙げられる。多官能モノマーとしては、多官能(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。多官能(メタ)アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、 エチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレートが例示できる。
(メタ)アクリル酸エステルモノマーの内、メタクリル酸メチル(以下、「MMA」と略記する。)は高収率で回収できる観点から、(メタ)アクリル樹脂を構成する全モノマー100質量%中、MMAを50質量%以上、構成単位として含んでいることが好ましく、MMAを70質量%以上、構成単位として含んでいることがより好ましい。
(メタ)アクリル樹脂は、他のポリマーと混合されていてもよい。また、(メタ)アクリル樹脂は、充填剤を含む複合体であってもよい。充填剤としては、水酸化アルミニウム、シリカ、炭酸カルシウム、ガラス繊維、タルク、クレイ等が挙げられる。
また、(メタ)アクリル樹脂は、充填剤以外の各種添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、顔料、染料、補強剤、酸化防止剤、各種安定剤等が挙げられる。
有機性廃棄物は、ペレット状(固体の粒子状)で供給することが好ましい。有機性廃棄物をペレット状で供給することにより、分解槽1の有機性廃棄物の分散が良好になりやすくなる。有機性廃棄物ペレットの大きさは、特に限定されないが、取り扱い性、供給安定性、分解槽内で分散性の観点から、平均粒径を1〜20mmとすることが好ましい。平均粒径を1mm以上とすることにより有機性廃棄物同士の付着や融着を防ぐことができ、20mm以下とすることにより有機性廃棄物ペレットの固体粒子への分散性が良好となる。有機性廃棄物ペレットの大きさとして平均粒径を3〜10mmとすることがより好ましい。なお、平均粒径とは、篩分法など公知の方法を用いて測定される値である。
回収装置6で回収される液体状の分解生成物は、分解する有機性廃棄物の種類によって異なる。本発明では、有機性廃棄物を適宜選択し適用することができる。
(樹脂)
樹脂Aとして、MMAモノマー単位100質量%からなる樹脂を用いた。この樹脂の質量平均分子量は40万、平均粒径は約5mm(目開き5.6mmの篩いを通過し、目開き4.75mmの篩いを通過しない)であった。
(固体粒子)
固体粒子として、天然川砂((株)昌栄マテリアル製、商品名:エバラロズナ、平均粒径(直径):0.3mm、かさ密度:1600kg/m3)を用いた。
(回収液中のMMA濃度)
ガスクロマトグラフィー((株)島津製作所製、商品名:GC−17A)で測定した。溶媒にはN,N−ジメチルホルムアミドを使用した。予め既知のMMA濃度の溶液を用いて検量線を作成しておき、回収液のガスクロマトグラフィーの結果から、回収液中のMMA濃度(質量%)を算出した。
樹脂Aとして、MMAモノマー単位100質量%からなる樹脂を用いた。この樹脂の質量平均分子量は40万、平均粒径は約5mm(目開き5.6mmの篩いを通過し、目開き4.75mmの篩いを通過しない)であった。
(固体粒子)
固体粒子として、天然川砂((株)昌栄マテリアル製、商品名:エバラロズナ、平均粒径(直径):0.3mm、かさ密度:1600kg/m3)を用いた。
(回収液中のMMA濃度)
ガスクロマトグラフィー((株)島津製作所製、商品名:GC−17A)で測定した。溶媒にはN,N−ジメチルホルムアミドを使用した。予め既知のMMA濃度の溶液を用いて検量線を作成しておき、回収液のガスクロマトグラフィーの結果から、回収液中のMMA濃度(質量%)を算出した。
図1に示す装置により、樹脂Aを分解し、液体状の分解生成物を回収した。
固体粒子加熱装置5としては、直径が600mmの円筒状のものを用い、分散板で加熱装置の上部(加熱室)と下部(分散室)に仕切った。分散板としては、平板状であり、キャップ付ノズル式のものを用いた。
固体粒子加熱装置5に、天然川砂を分散板から300mm上方の位置まで供給した。供給した天然川砂の質量は136kgであった。
分解槽1としては、直径が350mmの円筒状のものを用い、分散板2で分解槽の上部(分解室)と下部(分散室)に仕切った。分散板の直径は350mmであり、その面積Sは0.096m2であった。その分散板にはキャップ付きノズルが5個配設され、一つのキャップ付きノズルには、内直径(D)が3mmのノズル4個がある。4方にあるノズルにより、流動化ガスが分散される。
分解槽1内には攪拌機としては、攪拌軸に垂直、かつ対称に2枚の傾斜パドル翼(直径:310mm、幅:20mm、傾斜角度:45度)を1組として攪拌軸方向に5組(パドル間のピッチ:140mm)配設した。隣接する傾斜パドル翼の各組は直交するように配置した。攪拌軸を毎分20回転で回転させた。
分解槽1に、天然川砂を分散板から800mm上方の位置まで供給した。供給した天然川砂の質量は123kgであった。
次いで、樹脂Aを分解槽1内の分散板から200mm上方の分解槽1側面の位置に接続した配管11より10.0kg/hrで分解槽1に、連続的に供給した。樹脂Aの供給には一軸スクリューを使用した。その際、樹脂の供給温度は20℃であった。一軸スクリューの出口に熱電対を設置し、その熱電対でその供給温度を測定した。
また、固体粒子加熱装置5で加熱された天然川砂を分解槽1の分散板から200mm上方の位置に接続した配管12より0.1t/hrで分解槽1に、連続的に供給した。天然川砂の供給には一軸スクリューを使用した。一軸スクリューの出口に熱電対を設置し、その熱電対でその供給温度を測定した。後述の固体粒子加熱装置への燃料供給量を調整することにより、天然川砂の供給温度を600℃とした。
分解槽1の分散室に配管13から流動化ガスとして窒素を15Nm3/hrで連続的に供給した。供給される窒素は回収装置6の配管18から排出されるガスを循環して利用しているものである。
一方、固体粒子加熱装置5では分散室に設置されたバーナーへ、燃料としてMMAを主成分とする油を4.0kg/hrで供給し燃焼させた。分散室には、大気中から取り入れた空気を加圧して供給した。その空気流量は60Nm3/hrであった。
また、分解槽1から排出された天然川砂を固体粒子排出装置3であるスクリューにより0.1t/hrで排出し、固体粒子搬送装置4に供給した。
固体粒子搬送装置4の出口の配管15は、固体粒子加熱装置5の分散板から900mm上方の位置に接続されている。固体粒子搬送装置により、樹脂分解残渣を含む砂を固体粒子加熱装置に連続的に供給した。
分解槽1の上部から樹脂の分解生成物と流動化ガスの混合ガスを排出し、配管16より回収装置6に送った。回収装置6は、多管式の熱交換器からなるものを用いた。また、多管式熱交換器には0℃の水とエチレングリコールからなる媒体を流した。
回収装置6にて冷却されて液化した液体状の分解生成物(回収液)を配管17より、容器7に移液した。容器7で得られた回収液の量は、平均9.5kg/hrであった。
回収液中のMMA濃度は、平均95.5質量%であった。一方、回収装置6で分離される流動化ガスは、配管18、ブロアー8、及び、配管13を経由して再度分解槽1に供給された。
配管18において、流動化ガスの一部をサンプリングし、そこに含まれる砂の微粒子の粒子径を粒子径測定器(LMS−30、セイシン企業製)で測定したところ、Dpは100μmであった。
この操作を5日間連続実施したところ、分散ノズルの目詰まりはなく、砂の流動も良好で、安定して樹脂Aの油化を行うことができた。
<比較例1>
配管18において、流動化ガスの一部をサンプリングし、そこに含まれる砂の微粒子の粒子径を粒子径測定器(LMS−30、セイシン企業製)で測定したところ、Dpは100μmであった。
この操作を5日間連続実施したところ、分散ノズルの目詰まりはなく、砂の流動も良好で、安定して樹脂Aの油化を行うことができた。
<比較例1>
キャップ付きノズルの数を2個とした以外は実施例1と同様な操作を実施した。分散板のノズル総数N(個)/分散板の面積S(m2)の比が1×10−3未満であったため、分散ノズルの目詰まりは無かったが、ノズルの数が少ないので分解槽内の固体粒子の半径方向の流動のムラがあり、分解槽内の固体粒子の流動が不安定で、樹脂Aの油化を長時間実施することができなかった。
<比較例2>
<比較例2>
キャップ付きノズルの数を15個とした以外は実施例1と同様な操作を実施した。分散板のノズル総数N(個)/分散板の面積S(m2)の比が5×10−3/D2を超えたため、分散ノズルの目詰まりは無かったが、ノズルの数が多く流動化ガスの流速が小さいので、分解槽内の固体粒子の流動が不安定で、樹脂Aの油化を長時間実施することができなかった。
<比較例3>
<比較例3>
キャップ付きノズルの替わりに、分散板に直径500μmの穴を1000個あけた分散板を使用した。穴直径が流動化ガスに含まれる砂の微粉の最大径100μmの10倍未満であったため、この操作を開始後1日間は安定的に樹脂Aの油化を行えたが、2日目以降徐々に分散板の目詰まりが確認された。3日目にこの操作を停止せざるを得なかった。
本発明によれば、有機性廃棄物を熱分解して得られる分解生成物を回収する方法として、広く適用できる。
1 分解槽
2 分散板
3 固体粒子排出装置
4 固体粒子搬送装置
5 固体粒子加熱装置
6 回収装置
7 容器
8 ブロアー
11 有機性廃棄物供給配管
12 固体粒子供給配管
13 流動化ガス供給配管
14 固体粒子排出配管
15 固体粒子供給配管
16 分解生成物排出配管
17 回収液排出配管
18 ガス排出配管
19 ノズル(吐出口)
2 分散板
3 固体粒子排出装置
4 固体粒子搬送装置
5 固体粒子加熱装置
6 回収装置
7 容器
8 ブロアー
11 有機性廃棄物供給配管
12 固体粒子供給配管
13 流動化ガス供給配管
14 固体粒子排出配管
15 固体粒子供給配管
16 分解生成物排出配管
17 回収液排出配管
18 ガス排出配管
19 ノズル(吐出口)
Claims (4)
- 分解槽に有機性廃棄物及び流動化ガスを連続的に供給し、該有機性廃棄物を固体粒子の存在下、熱分解してガス状分解生成物とし、分解槽から排出される前記流動化ガスとガス状分解生成物の混合ガスを冷却装置で冷却することによりガス状分解生成物を液体として回収し、残りの流動化ガスを分解槽に戻す有機性廃棄物の分解生成物の回収方法であって、前記分解槽内に流動化ガスを分散するための分散板が配設され、該分散板のノズルの内直径をD(m)を、流動化ガスに含まれる固体粒子の最大径Dp(m)の10倍以上とし、分散板のノズル総数N(個)と分散板の面積S(m2)の比N/Sが1×10−3/D2(個/m2)以上、5×10−3/D2(個/m2)以下である分解生成物の回収方法。
- ノズルがキャップ付きノズルであって、該キャップ付きノズルの数をA(個)、該キャップ付きノズル1個が有するノズル数をB(個)としたとき、分散板のノズル総数N(個)が、A×B(個)である請求項1に記載の有機性廃棄物の回収方法。
- 有機性廃棄物が樹脂である請求項1または2に記載の有機性廃棄物の回収方法。
- 樹脂がメタクリル酸メチル単位を含む樹脂であって、回収する液体中にメタクリル酸メチルを含有する請求項3に記載の有機性廃棄物の回収方法。
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JP2009168909A JP2011021144A (ja) | 2009-07-17 | 2009-07-17 | 有機性廃棄物の回収方法 |
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