JP2011232306A - 形状計測装置 - Google Patents

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崇雄 今中
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Abstract

【課題】自公転する回転台の上に置かれた被測定物の形状を精度良く測定することができる形状計測装置を提供する。
【解決手段】形状計測装置1は、回転台と、変位計測器3と、被測定物検出器4と、演算処理部5とを備え、演算処理部5は、高さ変位から、被測定物通過情報に基づいて、被測定物の高さ変位を抽出する被測定物変位抽出部6と、被測定物通過情報と、変位計測器3による被測定物上の計測点の軌道と、被測定物通過情報に基づく経過時間とに基づいて、変位計測器3による被測定物上の計測点を表す座標値を供給する座標供給部7と、被測定物変位抽出部6により抽出された被測定物の高さ変位と、座標供給部7により供給される座標値とを対応付けて記録する座標変位記録部8と、座標変位記録部9によって記録された被測定物の高さ変位から、回転台の機構に起因する回転台変位を分離して被測定物の形状を演算する形状演算部9とを含む。
【選択図】図3

Description

本発明は、MOCVD(有機金属化学気相成長法;Metal Organic Chemical Vapor Deposition)装置等のように、回転または遊星回転させるような回転台の上に載置された基板等の被測定物を回転台に載置した状態で被測定物の形状を計測する装置に関する。
半導体レーザ素子、LED(発光ダイオード:Light Emitting Diode)素子等の化合物半導体の製造には、MOCVD装置もしくはMBE(分子線エピタキシー法;Molecular Beam Epitaxy)装置が広く用いられている。
特にMOCVD装置は、有機金属、その他のガスを用いて結晶を成長させる装置であって、MBE装置と比較して生産性、メンテナンス性が良いことから、工業的に素子を量産する場合には一般にMOCVD装置が使用されている。
図15は、従来技術に基づく形状計測装置(MOCVD装置)91の概念図である。図16は、形状計測装置91における回転台の上に被測定物(基板)を設置した状態の説明図である。形状計測装置91は、円筒形の反応室75を備えている。反応室75の中には、円板形状をした回転台92が設けられている。回転台92の上には、6個の円状をした載置プレート89が、回転台92の円周方向に沿って所定の間隔を空けて設けられている。各載置プレート89の上には、円板状の被測定物(基板)71が配置されている。
回転台92は、回転軸88によって支持されており、回転軸88には、回転軸88を回転させるモータ77が連結されている。回転台92の上に設けられた6個の載置プレート89は、それぞれ自転するように構成されている。載置プレート89が自転する仕組みとしては、ギヤのかみ合わせによって回転台92の回転と同期して回転する方法(特許文献3)や、載置プレート89の下より回転駆動用ガスを供給して載置プレート89を浮上・回転させる方法(特許文献4)などがある。
したがって、載置プレート89上に載せられた被測定物71は、回転台92の回転と、載置プレート89の自転とにより、自転と公転とをすることになる。この被測定物71を自転及び公転させる仕組みは、結晶成長層の均一性を向上させるために設けられたもので、結晶成長中に、これらの仕組みによって被測定物71を自転及び公転させることにより、成長する結晶成長層の均一性を高めることができる。
回転台92の下側にはヒータ76が配置されており、ヒータ76によって被測定物71を加熱するようになっている。回転台92の上方には反応室75内部の空間を隔てるように略水平に配置された隔壁78が設けられている。反応室75の上側には配管79が接続されており、この配管79の先端は、回転台92と隔壁78との間に配置され、ガス吹き出し口60を形成しており、回転台92の回転軸88上から回転台92の表面に沿って放射状に、原料ガス61が結晶膜の原料として供給される。
配管79の他端は原料ガス61を供給するガス供給器62が接続されている。この原料ガス61は、載置プレート89上に載せられ、かつヒータ76によって加熱された被測定物71上を通過した後、回転台92の外周に設けられた排気経路53より排気される。その結果、被測定物71上近傍で所望の化学反応が行われることによって、被測定物71上に所望の結晶成長が生じる。
図17(a)及び(b)は、形状計測装置91における結晶成長中に発生する被測定物(基板)71の反りの発生メカニズムを説明するための図である。被測定物71を加熱したり、被測定物71の表面に結晶膜を成長させる際に、その各種条件によっては被測定物(基板)71が反る場合がある。特にGaN系化合物半導体を中心とするIII族窒化物の成膜では、図17(a)から図17(b)に示すように、被測定物(基板)71が反ることが知られており(特許文献5)、被測定物71の反りを如何に小さくするかが重要な課題となっている。このため、成膜中の被測定物71の状態をいち早く知ることで、被測定物71の反りを改善する必要がある。結晶成長中に発生する被測定物71の反りを計測する有効な手段として、特許文献1に記載のようにレーザ変位計を用いる方法がある。このレーザ変位計は、レーザを用いて三角測量することにより、被測定物71との距離を測定する。また、レーザドップラ速度計を用いる方法もある。このレーザドップラ速度計は、被測定物71にレーザ光線を照射し、ドップラ効果を利用して速度を計測し、速度を積分することにより変位量を算出する。
特開昭63−157869号公報 特開平7−235574号公報 特開2002−175992号公報 特表2004−513243号公報 特開2005−72561号公報
しかしながら、MOCVD装置等において回転台に載置された基板(被測定物)の形状をレーザ変位計やレーザドップラ速度計1台で計測する場合、被測定物は回転台によって、自転及び公転させられる。そのため、被測定物形状の測定中に自転軸や公転軸の傾きなどがあると、それによる高さ変化が生じる。このように被測定物形状変化による変位変化と自転軸、公転軸の傾きなどによる変位変化とが同時に発生するため、測定値は基板形状による変位変化と自転軸、公転軸の傾きなどによる変位変化とがプラスされた値となり、基板形状変化のみによる変化を得ることができない。
また、特許文献2のように、測定精度を向上させる方法として複数本のレーザを同時に基板に照射して基板形状を測定する方法もあるが、構造が複雑なため、非常に高価であるという問題がある。
また、MOCVD設置は、材料ガスを基板近傍に流すための隔壁に測定用の穴を設けているが、複数本のレーザを基板に同時に照射するには、光路を確保できるように測定穴を大きくしなければならず、その穴から材料ガスの流出量が増えるなどの問題が発生する。
本発明の解決課題は、MOCVD装置の基板など、自公転する回転台の上に置かれた被測定物の形状測定を行う場合、被測定物の形状による変位と回転台の軸の傾きなど機械較差による変位とが合成された値が測定されるため、被測定物の形状測定精度が低下することである。
本発明の目的は、自公転する回転台の上に置かれた被測定物の形状を精度良く測定することができる形状計測装置を提供することにある。
本発明に係る形状計測装置は、回転軸を中心とした円状軌跡に沿って所定の間隔を空けて、それぞれ自転しながら前記回転軸の周りを公転する複数のプレートを設けた載置面を有する回転台と、前記自転しながら回転軸の周りを公転する複数のプレートのそれぞれに載置された被測定物の高さ変位を計測するために設けられた変位計測手段と、前記被測定物が前記変位計測手段により高さ変位を計測される位置にあるか否かを示す被測定物通過情報を検出する被測定物検出手段と、前記変位計測手段により計測された前記被測定物の高さ変位と、前記被測定物検出手段により検出された被測定物通過情報とに基づいて、前記被測定物の形状を演算する演算処理手段とを備え、前記演算処理手段は、前記変位計測手段により計測された高さ変位から、前記被測定物検出手段により検出された被測定物通過情報に基づいて、前記被測定物の高さ変位を抽出する被測定物変位抽出手段と、前記被測定物通過情報と、前記変位計測手段による前記被測定物上の計測点の軌道と、前記被測定物通過情報に基づく経過時間とに基づいて、前記変位計測手段による前記被測定物上の計測点を表す座標値を供給する座標供給手段と、前記被測定物変位抽出手段により抽出された被測定物の高さ変位と、前記座標供給手段により供給される座標値とを対応付けて記録する座標変位記録手段と、前記座標変位記録手段によって記録された被測定物の高さ変位から、前記回転台の機構に起因する回転台変位を分離して前記被測定物の形状を演算する形状演算手段とを含むことを特徴とする。
この特徴により、被測定物が、変位計測手段の位置にあることを被測定物検出手段が検出するため、被測定物と回転台とが区別され、演算処理手段内で、被測定物変位抽出手段が被測定物上の測定値を抽出できる。また、被測定物検出手段の出力から座標供給手段が被測定物上を通過する変位計測手段の軌跡を被測定物の座標に変換する。変位計測手段と座標供給手段との出力から被測定物の座標と変位とが対応して座標変位記録手段に記録される。この前記座標変位記録手段のデータを用いて、形状演算手段が、記録された回転台変位と被測定物の形状変位とを分離するので、回転台の変位の影響を除去でき、測定精度が向上する。
本発明に係る形状計測装置では、前記回転台変位は、前記プレートの自転に基づく自転変位と、前記プレートの前記回転軸周りの公転に基づく公転変位とを含み、前記形状演算手段は、前記自転変位を算出する自転変位算出手段と、前記座標変位記録手段によって記録された被測定物の高さ変位から、前記自転変位算出手段により算出された自転変位と、予め記録された前記公転変位とを分離して前記被測定物の形状を演算する被測定物形状演算手段とを含むことが好ましい。
上記構成により、形状演算手段が、座標変位記録手段の出力と、それをもとに自転回転台変位を求める自転変位算出手段の出力と、あらかじめ記録された公転移動台変位とから、被測定物の変位を算出する被測定物形状演算手段を有しているため、自転用回転台の熱膨張や被測定物と自転用回転台との間に入ったゴミによって回転台と被測定物との位置関係が変化しても、被測定物の形状を把握することができる。
本発明に係る形状計測装置では、前記形状演算手段は、前記座標変位記録手段により記録された座標値に基づいて、前記プレートの自転変位を算出するための自転変位式と、前記プレートの公転変位を算出するための公転変位式とを導出するプレート変位式導出手段と、前記座標値と前記自転変位式とに基づいて、前記プレートの自転変位を算出する自転変位算出手段と、前記座標値と前記公転変位式とに基づいて、前記プレートの公転変位を算出する公転変位算出手段と、前記座標変位記録手段によって記録された被測定物の高さ変位から、前記自転変位算出手段により算出された自転変位と、前記公転変位算出手段により算出された公転変位とを分離して前記被測定物の形状を演算する被測定物形状演算手段とを含むことが好ましい。
上記構成により、形状演算手段が、座標変位記録手段の出力と、それをもとに自転回転台変位式と公転回転台変位式とを導出するプレート変位式導出手段と、自転回転台の変位を算出する自転変位算出手段と、公転回転台の変位を算出する公転変位算出手段と、座標変位記録手段の出力と前記自転変位算出手段で得られた自転回転台変位と前記公転変位算出手段から得られた公転回転台変位とから、被測定物変位を算出する被測定物形状演算手段とを有しているため、自転回転台、公転回転台共に熱膨張などで回転台の変位が変化しても、被測定物の形状を把握することができる。
本発明に係る形状計測装置では、前記形状演算手段は、前記座標変位記録手段によって記録された被測定物の高さ変位を高速フーリエ変換するFFT算出手段と、前記FFT算出手段の出力から被測定物の変動周波数を抽出し、前記変動周波数の強度に基づいて前記被測定物の形状を演算する被測定物形状演算手段とを含むことが好ましい。
上記構成により、形状演算手段が、座標変位記録手段の出力データから高速フーリエ変換するFFT算出手段と、FFT算出手段の出力から被測定物変位の変動周波数を抽出し、その周波数の強度から被測定物変位を算出する被測定物形状演算手段とを有しているため、回転台変位が分からなくても精度よく被測定物の形状を把握することができる。
本発明に係る他の形状計測装置は、回転軸を中心とした円状軌跡に沿って所定の間隔を空けて、それぞれ自転しながら前記回転軸の周りを公転する複数のプレートを設けた載置面を有する回転台と、前記自転しながら回転軸の周りを公転する複数のプレートのそれぞれに載置された被測定物の高さ方向に沿った速度を計測するために設けられた速度計測手段と、前記被測定物が前記速度計測手段により高さ方向の速度を計測される位置にあるか否かを示す被測定物通過情報を検出する被測定物検出手段と、前記速度計測手段により計測された前記被測定物の高さ方向の速度と、前記被測定物検出手段により検出された被測定物通過情報とに基づいて、前記被測定物の形状を演算する演算処理手段とを備え、前記演算処理手段は、前記速度計測手段により計測された高さ方向の速度から、前記被測定物検出手段により検出された被測定物通過情報に基づいて、前記被測定物の高さ方向の速度データを抽出する被測定物速度抽出手段と、前記被測定物速度抽出手段により抽出された高さ方向の速度データから、公転変位の影響を除去し、積分して被測定物の高さ変位に変換するプレート公転変位除去手段と、前記被測定物通過情報と、前記速度計測手段による前記被測定物上の計測点の軌道と、前記被測定物通過情報に基づく経過時間とに基づいて、前記速度計測手段による前記被測定物上の計測点を表す座標値を供給する座標変換手段と、
前記プレート公転変位除去手段から供給された被測定物の高さ変位と、前記座標変換手段により供給される座標値とを対応付けて記録する座標変位記録手段と、前記座標変位記録手段によって記録された被測定物の高さ変位に基づいて、前記被測定物の形状を演算する形状演算手段とを含むことを特徴とする。
この特徴により、公転回転台の変位式を作成しなくても速度データから簡単に公転回転台の変位が減算でき、自転変位算出手段からの出力から簡単に被測定物の形状を求めることができる。
本発明に係る形状計測装置は、前記変位計測手段により計測された高さ変位から、前記被測定物検出手段により検出された被測定物通過情報に基づいて、前記被測定物の高さ変位を抽出する被測定物変位抽出手段と、前記被測定物通過情報と、前記変位計測手段による前記被測定物上の計測点の軌道と、前記被測定物通過情報に基づく経過時間とに基づいて、前記変位計測手段による前記被測定物上の計測点を表す座標値を供給する座標供給手段と、前記被測定物変位抽出手段により抽出された被測定物の高さ変位と、前記座標供給手段により供給される座標値とを対応付けて記録する座標変位記録手段と、前記座標変位記録手段によって記録された被測定物の高さ変位から、前記回転台の機構に起因する回転台変位を分離して前記被測定物の形状を演算する形状演算手段とを設けたので、自公転する回転台の上に置かれた被測定物の形状を精度良く測定することができる。
実施の形態1に係る形状計測装置(MOCVD装置)の構成を示す概念図である。 上記形状計測装置で用いられるプレートと被測定物(基板)との関係を示した平面図である。 上記形状計測装置のデータ処理の流れを説明する図である。 実施の形態2に係る形状計測装置に設けられた形状演算部内のデータ処理の流れを説明するための図である。 上記形状計測装置の自転用プレートに傾きがある場合の変位計測器と被測定物(基板)とプレートとの位置関係を説明する図である。 上記形状計測装置の被測定物である基板が変位計測器の位置を通過したときの軌跡と測定点を説明する図である。 実施の形態3に係る形状計測装置のデータ処理の流れを説明する図である。 上記形状計測装置の周期的に変動する公転回転台変位、自転プレート変位、及び基板変位を説明する図である。 上記公転回転台変位と基板変位とを合成した場合に測定される変位、上記公転回転台変位と自転プレート変位と基板変位とを合成した場合に測定される変位を説明する図である。 実施の形態4に係る形状計測装置のデータ処理の流れを説明する図である。 上記形状計測装置の被測定物(基板)と公転回転台の関係を説明する図である。 実施の形態5に係る形状計測装置の構成を示す概念図である。 実施の形態5に係る形状計測装置のデータ処理の流れを説明する図である。 (a)は、上記形状計測装置の公転回転台の回転軸に傾きがある場合の速度測定結果を示すグラフであり、(b)は、その速度を積分したときの変位を示すグラフである。 従来技術に基づく形状計測装置(MOCVD装置)の概念図である。 上記形状計測装置における回転台の上に被測定物(基板)を設置した状態の説明図である。 (a)及び(b)は、上記形状計測装置における結晶成長中に発生する被測定物(基板)の反りの発生メカニズムを説明するための図である。
本発明の形状計測装置に関する実施形態について、図1〜図14に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る形状計測装置(MOCVD装置)1の構成を示す概念図である。図2は、形状計測装置1で用いられる載置プレート19と被測定物(基板)21との関係を示した平面図である。
図1を参照すると、形状計測装置1は、円筒形の反応室25を備えている。反応室25の中には、円板形状をした回転台2が設けられている。回転台2の上には、図2に示すように、6個の円状をした載置プレート19が、回転台2の円周方向に沿って所定の間隔を空けて設けられている。各載置プレート19の上には、円板状の被測定物(基板)21が配置されている。
装置によっては載置プレート19の上面に被測定物21を直接置かずに、石英や窒化ホウ素製等の基板ホルダを載置プレート19の上に置き、この基板ホルダ上に被測定物21を置く場合もある。被測定物21(基板)は、たとえばGaAsやInP、GaN、サファイアからなる。回転台2の下側には加熱手段としてのヒータ26が配置されている。
回転台2は、回転軸18によって支持されており、回転軸18には、回転軸18を回転させるモータ27が連結されている。回転台2の上に設けられた6個の載置プレート19は、それぞれ自転するように構成されている。
モータ27の上には、回転角度計測器が組み込まれた被測定物検出器4が配置されている。回転台2の上方には、ガス透過性が低い、反応室25内部の空間を隔てる略水平な隔壁28が設けられている。反応室25の上側には配管29が接続されており、この配管29の先端は、回転台2と隔壁28との間に配置され、ガス吹き出し口30が形成されており、回転台2の回転軸18上から回転台2の表面に沿って放射状に、原料ガス31が結晶膜の原料として供給される。配管29の他端はガス供給器32が接続されている。
反応室25の外部には、レーザ光線による三角測量の原理を用いた変位計測器3が取り付けられている。変位計測器3は、変位計測器3が照射する計測用レーザ光線が反応室25内部の被測定物21に到達し、かつ反射光が変位計測器3に戻り得るように配置される。そのため、反応室25には、計測用レーザ光線33及びその反射光34が通過可能な窓35が設けられている。また、隔壁28には同様に計測用レーザ光線33及びその反射光34が通過可能な穴36が設けられている。
回転台2を平面的に見たところを図2に示す。図2に示すように、回転台2には複数の被測定物21(基板)が、載置プレート19間の隙間Spをそれぞれ挟むようにして一定の円周上に並べられている。この複数の被測定物21が載置された回転台2を回転させると、この被測定物21の中心は軌跡Lpをたどることとなる。変位計測器3の計測用レーザ光線33は、軌跡Lp上の一点に照射されるように配置した。その結果、回転台2を回転させると複数の被測定物21に順番に計測用レーザ光線33が軌跡Lpに沿って照射され、変位計測器3によって複数の被測定物21のそれぞれの面に垂直な方向の変位が順番に計測される。計測されたデータは演算処理部5に出力される。
このように、回転台2は、回転台中心38を中心とした円状軌跡に沿って所定の間隔を空けて、それぞれ自転しながら回転台中心38の周りを公転する複数の載置プレート19を設けた載置面を有している。
次に図3を元にデータ処理の方法を説明する。図3は、形状計測装置1のデータ処理の流れを説明する図である。被測定物検出器4は、初期設定のときに回転角度計測器の回転角度を0に設定し、基板(被測定物21)の位置と、変位計測器3からのレーザの照射位置とを記録しており、回転角度情報と回転角度0時の基板の位置、及び変位計測器3からのレーザ照射位置から、被測定物21がレーザ照射位置にあるか否かを示す信号を演算処理部5に出力する。
変位計測器3の出力値と被測定物検出器4の出力値とは演算処理部5に送られた後、演算処理部5の被測定物変位抽出部6は、被測定物検出器4の出力値と、変位計測器3の出力値とに基づいて、被測定物21が通過したときに測定された変位を抽出し、位置情報として、座標変位記録部8に送出する。
座標供給部7は、被測定物検出器4からの信号と、予め記録されている回転台2上の被測定物21の移動軌跡と、自転及び公転の回転台2の回転比と、公転回転台の回転角度、回転速度、及び回転時間とに基づいて、変位計測器3のレーザ照射位置を通過する被測定物21の測定箇所を、被測定物21(基板)を基準にして座標化する。座標化したデータと、その座標位置で測定した変位とは完全に対応付けして、座標変位記録部8に記録される。一旦、データとして座標変位記録部8に記録されたデータは、形状演算部9に送られる。
形状演算部9には、あらかじめ各被測定物21に対応する位置における回転台2のみの変位データが記録されている。この変位データは、被測定物21を載置プレート19に置かない状態で測定した変位データを記録したものである。よって、各座標の座標変位記録部8に記録された測定データから、その座標でのあらかじめ記録してある回転台変位データを減算すれば、被測定物21の変位が得られる。
ところで、実施の形態の説明では、被測定物検出器4に回転角度計測器を用いたが、本発明はこれに限定されない。被測定物21(基板)にマーカをつけてそれを計測する方法や、画像により基板を抽出する方法、回転開始時の変位計測器3と被測定物21との位置関係、回転台2上の被測定物21の移動軌跡、公転台と自転台の回転速度、運転時間を用いて計算のみで被測定物の座標を割り出す方法など、他の方法も用いることができる。また、変位計測器3としてレーザで測定する変位計を用いたが、本発明はこれに限定されない。接触式の変位計や速度計のデータを積分する方法など、構造上利用可能で変位が測定できるものであれば、その他の方式を用いた変位計の使用を制限するものではない。
以上のように、変位計測器3は、自転しながら回転台中心38の周りを公転する複数の載置プレート19のそれぞれに載置された被測定物21の高さ変位を計測するために設けられている。被測定物検出器4は、被測定物21が変位計測器3により高さ変位を計測される位置にあるか否かを示す被測定物通過情報を検出する。演算処理部5は、変位計測器3により計測された被測定物21の高さ変位と、被測定物検出器4により検出された被測定物通過情報とに基づいて、被測定物21の形状を演算する。被測定物変位抽出部6は、変位計測器3により計測された高さ変位から、被測定物検出器4により検出された被測定物通過情報に基づいて、被測定物21の高さ変位を抽出する。座標供給部7は、被測定物通過情報と、変位計測器3による被測定物上の計測点の軌道と、被測定物通過情報に基づく経過時間とに基づいて、変位計測器3による被測定物21上の計測点を表す座標値を供給する。座標変位記録部8は、被測定物変位抽出部6により抽出された被測定物21の高さ変位と、座標供給部7により供給される座標値とを対応付けて記録する。形状演算部9は、座標変位記録部10によって記録された被測定物21の高さ変位から、回転台2の機構に起因する回転台変位を分離して被測定物21の形状を演算する。
(実施の形態2)
次に、図4〜図6を用いて本発明をMOCVD装置に適用した場合の実施の形態2を説明する。図4は、実施の形態2に係る形状計測装置に設けられた形状演算部9A内のデータ処理の流れを説明するための図である。なお、説明の便宜上、前記実施の形態1にて説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図4は、実施の形態2に係る形状計測装置のデータ処理の流れを示したものであるが、座標変位記録部8に記録されたデータが形状演算部9Aに送られるまでの流れは実施の形態1と同様である。形状演算部9Aは、自転変位算出部10と被測定物形状演算部11とを有している。まず、自転変位算出部10では、あらかじめ被測定物(基板)21がなく、載置プレート19の自転もない状態で変位を測定した公転変位が座標と共に記録されている。座標変位記録部8から送られた測定データは、公転変位の記録を用いて、測定データから公転変位を減算したデータに変換する。次に、自転用回転台の変位を算出する。被測定物(基板)21の形状は中心点対象なものと仮定する。例えば基板に反りなどがない場合の平面の式を以下のように表すとする。
Ax+By+Cz+D=0・・・(1)式
(x,y,z)のうち、x、yが座標供給部7で得た基板座標、zは被測定物変位抽出部6によって得られた変位値から公転変位を減算した値である。
測定は、被測定物21が回転台2によって変位計測器3によるレーザ照射位置まで移動し、レーザ照射位置を通り抜けるまでの間に複数回行われる。
図5は、形状計測装置1の自転する載置プレート19に傾きがある場合の変位計測器3と被測定物(基板)21と載置プレート19との位置関係を説明する図である。図5に示すように、被測定物21が完全に中心点対称で変形し、載置プレート19が傾いているとすると、図5に示すような位置関係になる。
図5に示す位置関係で、自公転した場合のレーザ照射位置を通過した測定点の軌跡を図6に表す。図6に示す丸点は測定された位置を表している。図6に示す測定点の軌跡1に沿って5個の丸点が配置されているので、1個の軌跡の間に測定が5回行われている。同じ被測定物21が再びレーザ照射位置にくると、次は測定点の軌跡2に示す軌跡を通過して測定される。被測定物21は、図5に示すように、実際には反りなどが発生し、平面ではない。しかし、被測定物21のそり変形は中心点対称で、中心点から等距離にある同心円上の点は同じ高さにあるものと仮定する。図6に示すように、破線で示された円は同心円であるが、この円上にある測定点はすべて同じ高さにあるものとする。この仮定をおくことによって、測定データから同心円上にあると見なせる座標のデータを(1)式に代入する。図6に示すように、同一の同心円上に位置する測定点が4つ以上になれば定数A、B、C、Dが求められる。
測定座標から同心円は複数得られ、同心円毎に定数A,B,C,Dが定まるが、同心円が異なる場合でも基板形状は中心点対象と仮定しているため、どの同心円の傾きも同じとなり、すべてのデータから傾きを決める係数が定められる。傾きが得られた後、中心点のデータを入力すると自転回転台の平面式が得られる。自転変位算出部10は、この平面式から各座標の平面の高さを算出し、被測定物形状演算部11に出力する。被測定物形状演算部11は、座標変位記録部8の出力から公転変位と自転変位算出部10の出力とを差し引くことによって、被測定物(基板)21の高さの変位が得られる。これを3次元座標で表せば、被測定物(基板)21の形状が得られる。
また、3次元座標から被測定物21を球面と仮定すると球面式から反りを算出できる。球面式は、
(x−x0)+(y−y0)+(z−z0)=R・・・(2)式
で表されるので、3次元座標値から中心座標(x0、y0、z0)と球の半径Rとを算出できる。また半径Rから反り量hを求める式は、lを基板半径とすると
h=R・(1−cos(l/R))・・・(3)式
で算出できる。
以上のように、自転変位算出部10は、載置プレート19の自転に基づく自転変位を算出する。被測定物形状演算部11は、座標変位記録部8によって記録された被測定物21の高さ変位から、自転変位算出部10により算出された自転変位と、予め記録された公転変位とを分離して被測定物21の形状を演算する。
(実施の形態3)
次に、図7〜図9を用いて本発明をMOCVD装置に適用した場合の実施の形態3を説明する。図7は、実施の形態3に係る形状計測装置のデータ処理の流れを説明する図である。座標変位記録部8に記録されたデータが形状演算部9Bに送られるまでの流れは実施の形態1と同様である。形状演算部9Bでは、プレート変位式導出部12により、基板座標ごとの公転用回転台の変位式と自転用回転台の変位式とを求め、変位式から公転変位算出部14が公転及び自転回転台の変位を算出する。公転回転台を回転円板とすると公転回転台の高さの変位式は以下のように仮定できる。
Zs=A・sin(θ+α) ・・・(4)式
また、自転回転台も回転円板とすると自転回転台の高さの変位式は以下のように仮定できる。
Zp=B(θ)・sin(θ・N+β) ・・・(5)式
また、基板形状も中心点対象に変形していると仮定すると、
Zk=C(θ)・sin(φ+β) ・・・(6)式
ここで、変数は以下のように定義している。
Zs:公転回転台の高さ変位
A:公転回転台の高さ変化の振幅
α:公転回転台の初期位相角
θ:公転回転台円板の回転角度
Zp:自転回転台の高さ変位
A:自転回転台の高さ変化の振幅
β:自転回転台の初期位相角
N:自転回転台と公転回転台との回転比
C:被測定物(基板)の高さ変化の振幅
φ:被測定物(基板)高さ変位の回転角
また、測定値をZとすると
Z=Zs+Zp+Zk ・・・(7)式
で表される。
公転回転台(回転台2)と自転回転台(載置プレート19)との大きさが図2に示すような大小関係として、回転台2(公転回転台)の変位、載置プレート19(自転プレート)の変位、被測定物(基板)21の変位をそれぞれ単体で測定できたと仮定すると図8に示す波形が得られる。それぞれの波形は(4)式、(5)式、(6)式で表され、θ、N、Zが既知であるため、複数の測定データから(4)式、(5)式、(6)式、(7)式を満たすように他の係数を決定すれば、Zs、Zp、Zkが確定できる。プレート変位式導出部12はこのように、各回転台変位式を導出する。公転変位算出部14は、これらの式が確定した後、Zsの式を用いて公転変位を算出し、被測定物形状演算部15に送る。また、自転変位算出部13はZpの式を用いて公転変位を算出し、被測定物形状演算部15に送る。被測定物形状演算部15は、これら回転台変位Zs,Zpと座標変位記録部8に記録されたデータのZ値から(7)式、もしくはZkの式が確定していれば(6)式を用いて被測定物(基板)21の高さの変位が得られる。これを3次元座標で表せば、基板形状が得られる。
また、公転する回転台2が、自転する回転台(載置プレート19)に比べて何倍も大きい場合、公転する回転台の変位の周波数は自転する回転台の変位の周波数に比べて非常に低くなる。この場合、基板を測定している間は公転回転台の変位変化が線形とみなせる。すると、同じ基板を測定している場合(たとえば図8の四角で囲まれた範囲R1・R2・R3)、公転回転台の変位量はいつも一定となる。また、被測定物(基板)21は中心点対象に変形していると仮定すると、同じ基板を公転周期毎に、同じタイミングで測定したデータの変位は、自転する回転台(載置プレート19)の変位によって変化すると考えられる。
図9に示すように公転回転台の変位と基板変形とを合成した場合は、同じような結果となるが、公転回転台変位と自転回転台変位と基板変形とを合成した場合は、n周目、n+1周目、n+2周目と順番に測定していくと、1周で得られる測定データの位置関係は保ちながら、測定開始時の変位が変化する。よって、公転回転台変位と自転回転台変位と基板変形との合成されたデータの丸印で示したデータの変化は、自転回転台の変位を表していると考えられる。これを利用して、例えば図9に示す丸印の測定データを(3)式に代入すれば、自転変位式が求められ、自転変位を算出することができる。公転変位は自転変位を減算した後のデータから、基板中心から等距離にあるデータをもとに、(4)式もしくは簡易的なリニア式を仮定して係数を決めれば、公転変位を算出することができる。このようにして、回転台変位Zs,Zpと、座標変位記録部8に記録されたデータのZ値を(7)式に代入して被測定物(基板)21の高さの変位を求める。これを3次元座標で表せば、基板形状が得られるため、この方法によって算出することもできる。
このように、形状演算部9Bに設けられたプレート変位式導出部12は、座標変位記録部8により記録された座標値に基づいて、載置プレート19の自転変位を算出するための自転変位式と、載置プレート19の公転変位を算出するための公転変位式とを導出する。自転変位算出部13は、座標値と自転変位式とに基づいて、載置プレート19の自転変位を算出する。公転変位算出部14は、座標値と公転変位式とに基づいて、載置プレート19の公転変位を算出する。被測定物形状演算部15は、座標変位記録部8によって記録された被測定物21の高さ変位から、自転変位算出部13により算出された自転変位と、公転変位算出部14により算出された公転変位とを分離して被測定物21の形状を演算する。
(実施の形態4)
次に、図10を用いて本発明をMOCVD装置に適用した場合の実施の形態4を説明する。座標変位記録部8に記録されたデータが形状演算部9Cに送られるまでの流れは実施の形態1と同様である。演算処理部5Cは、被測定物変位抽出部6と座標供給部7と座標変位記録部8と形状演算部9Cとを有している。形状演算部9Cは、FFT算出部16と被測定物形状演算部17とを含んでいる。FFT算出部16は、座標変位記録部8によって記録された被測定物21の高さ変位を高速フーリエ変換する。被測定物形状演算部17は、FFT算出部16の出力から被測定物21の変動周波数を抽出し、この変動周波数の強度に基づいて被測定物21の形状を演算する。
実施の形態3と同様に、公転回転台は(4)式、自転回転台は(5)式、基板は(6)式で表せると仮定すると(7)式から測定値Zは
Z=Zs+Zp+Zk
=A・sin(θ+α)+B(θ)・sin(θ・N+β)+C(θ)・sin(φ+β) ・・・(8)式
上記(8)式は、波の重ね合わせの式に他ならず、このように波形が形成されている場合、高速フーリエ変換(FFT)すればそれぞれの波形の周波数が得られる。このFFTを行うと、ピーク周波数が複数出てくるが、公転回転台、自転回転台の周波数は、回転速度が明らかになっているため、特定が容易にできる。特定した周波数の強度の絶対値が振幅G((10)式)となり、実数と虚数とから位相角η((9)式)が算出できる。
P=E+i・F=Gcosη+i・Gsinη ・・・(9)式
G=((E+F))1/2 ・・・(10)式
これにより、ZsとZpの式が確定するため、(7)式から被測定物(基板)21の変位Zkが算出できる。また、基板高さ変化は基板変形が球面形状で、基板高さ変化の波形が図8に示すように、常に半周期分測定されると仮定すると、1枚の被測定物21が測定位置を通過する時間をTkとし、公転回転台が1回転する時間をTsとして、
Ts=x・2・Tk ・・・(11)式
となる。Tsは、公転回転台の回転速度から算出できる。また、Tkは、図11に示すように、公転する回転台2の回転台中心38から測定位置までを半径とする円を考えて、1枚の基板が通過したときの公転する回転台2の角度ψと公転する回転台2の回転速度から算出できる。
Sin(ψ/4)=rk/2/r ・・・(12)式
ψ=4・arcsin(rk/2r) ・・・(13)式
Tk=ψ/2π・Ts ・・・(14)式
x=π/ψ ・・・(15)式
上記(12)式から(15)式より、被測定物21の変位変化の周波数は、公転する回転台2の周波数をx倍すれば算出できる。
このようにして被測定物21の変位変化の周波数が分かると、FFTのピーク周波数で被測定物21の変位における周波数の強度から変位が求められる。
(実施の形態5)
図12を参照して、本発明をMOCVD装置に適用した場合の実施の形態5を説明する。図12は、実施の形態5に係る形状計測装置1Aの構成を示す概念図である。図13は、形状計測装置1Aのデータ処理の流れを説明する図である。炉全体の構造は、実施の形態1の図1と同様であるので説明は割愛する。実施の形態5では、反応室2の外部には、変位計測器3の代わりにレーザ光線によるドップラ効果の原理を用いた速度計測器22が取り付けられている。
回転台2を回転させると複数の被測定物(基板)21に順番に計測用レーザ光線33が照射され、速度計測器22によって複数の被測定物(基板)21のそれぞれの面に垂直な方向の速度が順番に計測される。計測されたデータは演算処理部5Dに出力される。被測定物検出器4は、基板がレーザ照射位置にあることを演算処理部5Dに出力する。
図13を参照すると、速度計測器22の出力値と被測定物検出器4の出力値とは演算処理部5Dに送られたあと、演算処理部5Dでは被測定物検出器4の出力値から被測定物速度抽出器39が被測定物(基板)21の速度を抽出し、プレート公転変位除去部23に出力する。プレート公転変位除去部23は、公転する回転台2の変位を減算した値を出力する。
また、座標供給部7は、実施の形態1〜4と同様に、速度計測器22のレーザ照射位置を通過する基板の位置を座標化する。座標化したデータとその座標位置で測定した変位とは完全に対応付けされて、座標変位記録部8に記録される。記録されたデータは、形状演算部9Aに送られ、実施の形態2と同様に、自転する載置プレート19の平面式をデータから算出し、平面式が得られた後、再度、測定値(x、y、z)を平面式に代入して平面式のz値と測定値のz値の差をとることによって基板変位を算出する。
ここで、プレート公転変位除去部23の流れを説明する。被測定物速度抽出器39から出力されたデータは、プレート公転変位除去部23に設けられた減算部41と速度平均算出部40とに送られる。速度平均算出部40は、基板1枚がレーザ照射位置を通過したときの速度平均値を算出する。減算部41は、被測定物21の速度それぞれの値から、速度平均算出部40が算出した平均値を減算し、積算部42に出力する。速度計測器22で基板を測定したときの出力値の時間変化は、図14(a)に示すようになる。図14(a)の縦軸が速度出力値を示し、横軸が時間を示す。速度計測器22から出力されるデータは、出力値をV、被測定物21である基板の反りによる速度変化をVk、速度計測器22のオフセット値をVo、回転台2の回転軸18の傾きによる速度変化をVsとすると、図13(a)に示すようになり、以下の式で表される。
V=Vk+Vo+Vs ・・・(16)式
被測定物21がレーザを通過する比較的短い期間ではオフセット値は一定とみなせる。また、回転台2は被測定物(基板)21の数倍の大きさがあるため、回転軸18の傾きによる速度も、基板がレーザを通過する比較的短い期間であれば一定とみなせる。この速度データVをそのまま積分すると図14(b)に示す直線L−1ような右肩上がりのグラフとなり、曲線L−2のような実際の基板の反りは測定できない。
しかし、出力値Vの平均値は、平均値をVaveとすると
Vave≒Vo+Vs ・・・(17)式
となり、
Vk=V−Vave ・・・(18)式
で計算できる。
以上のように、被測定物21がレーザ照射位置を通過するときの速度データVの平均値を求めて、それぞれの速度値から平均値を減算することによって、公転のような大きな回転台の傾きによる速度の影響をなくすことができる。
このような処理で、被測定物(基板)21の反りと自転する載置プレート19の傾きによる速度成分のみが抽出された速度をもとに、積算部42は時間積分して時間積分値を位置情報として、座標変位記録部8にデータを送る。
以上のように速度データを用いた場合、図13に示すように、プレート公転変位除去部23によって速度データから公転する回転台2の変位を減算した後、自転する載置プレート19の変位と被測定物21である基板の形状とを分離するため、簡単に基板形状を求めることができる。
このように、プレート公転変位除去部23は、被測定物速度抽出器39により抽出された高さ方向の速度データから、公転変位の影響を除去し、積分して被測定物21の高さ変位に変換する。
ところで、前述の説明では、プレート公転変位除去部23において平均速度を減算した後、積算する方法を用いたが、本発明はこれに限定されない。速度を微分して加速度とし、速度変化のない部分を除去する方法でも公転する回転台2の変位を除去することができるので、この方法をプレート公転変位除去部23に適用してもよい。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、MOCVD装置等のように、回転または遊星回転させるような回転台の上に載置された基板等の被測定物を回転台に載置した状態で被測定物の形状を計測する装置に適用することができる。また、往復動や回転する被測定物の位置を特定して、被測定物の移動方向に垂直な方向の速度や変位量を測定することができるため、回転する筐体の一部にある被測定物、一方向に移動する被測定物、または一方向に移動する筐体や回転する筐体の一部にある被測定物自身が回転を伴う被測定物の測定用途にも適用できる。たとえば、材料を遊星回転させる撹拌装置内の試料の液面高さの測定やイオンプレーティング装置の膜測定などにも利用できる。
1 形状計測装置
2 回転台
3 変位計測器
4 被測定物検出器
5 演算処理部
6 被測定物変位抽出部
7 座標供給部
8 座標変位記録部
9 形状演算部
10 自転変位算出部
11 被測定物形状演算部
12 プレート変位式導出部
13 自転変位算出部
14 公転変位算出部
15 被測定物形状演算部
16 FFT算出部
17 被測定物形状演算部
18 回転軸
19 載置プレート
21 被測定物
22 速度計測器
23 プレート公転変位除去部
39 被測定物速度抽出器

Claims (5)

  1. 回転軸を中心とした円状軌跡に沿って所定の間隔を空けて、それぞれ自転しながら前記回転軸の周りを公転する複数のプレートを設けた載置面を有する回転台と、
    前記自転しながら回転軸の周りを公転する複数のプレートのそれぞれに載置された被測定物の高さ変位を計測するために設けられた変位計測手段と、
    前記被測定物が前記変位計測手段により高さ変位を計測される位置にあるか否かを示す被測定物通過情報を検出する被測定物検出手段と、
    前記変位計測手段により計測された前記被測定物の高さ変位と、前記被測定物検出手段により検出された被測定物通過情報とに基づいて、前記被測定物の形状を演算する演算処理手段とを備え、
    前記演算処理手段は、前記変位計測手段により計測された高さ変位から、前記被測定物検出手段により検出された被測定物通過情報に基づいて、前記被測定物の高さ変位を抽出する被測定物変位抽出手段と、
    前記被測定物通過情報と、前記変位計測手段による前記被測定物上の計測点の軌道と、前記被測定物通過情報に基づく経過時間とに基づいて、前記変位計測手段による前記被測定物上の計測点を表す座標値を供給する座標供給手段と、
    前記被測定物変位抽出手段により抽出された被測定物の高さ変位と、前記座標供給手段により供給される座標値とを対応付けて記録する座標変位記録手段と、
    前記座標変位記録手段によって記録された被測定物の高さ変位から、前記回転台の機構に起因する回転台変位を分離して前記被測定物の形状を演算する形状演算手段とを含むことを特徴とする形状計測装置。
  2. 前記回転台変位は、前記プレートの自転に基づく自転変位と、前記プレートの前記回転軸周りの公転に基づく公転変位とを含み、
    前記形状演算手段は、前記自転変位を算出する自転変位算出手段と、
    前記座標変位記録手段によって記録された被測定物の高さ変位から、前記自転変位算出手段により算出された自転変位と、予め記録された前記公転変位とを分離して前記被測定物の形状を演算する被測定物形状演算手段とを含む請求項1記載の形状計測装置。
  3. 前記形状演算手段は、前記座標変位記録手段により記録された座標値に基づいて、前記プレートの自転変位を算出するための自転変位式と、前記プレートの公転変位を算出するための公転変位式とを導出するプレート変位式導出手段と、
    前記座標値と前記自転変位式とに基づいて、前記プレートの自転変位を算出する自転変位算出手段と、
    前記座標値と前記公転変位式とに基づいて、前記プレートの公転変位を算出する公転変位算出手段と、
    前記座標変位記録手段によって記録された被測定物の高さ変位から、前記自転変位算出手段により算出された自転変位と、前記公転変位算出手段により算出された公転変位とを分離して前記被測定物の形状を演算する被測定物形状演算手段とを含む請求項1記載の形状計測装置。
  4. 前記形状演算手段は、前記座標変位記録手段によって記録された被測定物の高さ変位を高速フーリエ変換するFFT算出手段と、
    前記FFT算出手段の出力から被測定物の変動周波数を抽出し、前記変動周波数の強度に基づいて前記被測定物の形状を演算する被測定物形状演算手段とを含む請求項1記載の形状計測装置。
  5. 回転軸を中心とした円状軌跡に沿って所定の間隔を空けて、それぞれ自転しながら前記回転軸の周りを公転する複数のプレートを設けた載置面を有する回転台と、
    前記自転しながら回転軸の周りを公転する複数のプレートのそれぞれに載置された被測定物の高さ方向に沿った速度を計測するために設けられた速度計測手段と、
    前記被測定物が前記速度計測手段により高さ方向の速度を計測される位置にあるか否かを示す被測定物通過情報を検出する被測定物検出手段と、
    前記速度計測手段により計測された前記被測定物の高さ方向の速度と、前記被測定物検出手段により検出された被測定物通過情報とに基づいて、前記被測定物の形状を演算する演算処理手段とを備え、
    前記演算処理手段は、前記速度計測手段により計測された高さ方向の速度から、前記被測定物検出手段により検出された被測定物通過情報に基づいて、前記被測定物の高さ方向の速度データを抽出する被測定物速度抽出手段と、
    前記被測定物速度抽出手段により抽出された高さ方向の速度データから、公転変位の影響を除去し、積分して被測定物の高さ変位に変換するプレート公転変位除去手段と、
    前記被測定物通過情報と、前記速度計測手段による前記被測定物上の計測点の軌道と、前記被測定物通過情報に基づく経過時間とに基づいて、前記速度計測手段による前記被測定物上の計測点を表す座標値を供給する座標変換手段と、
    前記プレート公転変位除去手段から供給された被測定物の高さ変位と、前記座標変換手段により供給される座標値とを対応付けて記録する座標変位記録手段と、
    前記座標変位記録手段によって記録された被測定物の高さ変位に基づいて、前記被測定物の形状を演算する形状演算手段とを含むことを特徴とする形状計測装置。
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