JP2011231707A - 冷却液調整弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】ラジエータへのエンジンの冷却液の供給量を調整する際に、低コストで、応答性を高めることができ、かつ、流量調整により冷却液温度のオーバーシュートやハンチングを抑えることができる冷却液調整弁を提供する。
【解決手段】冷却液調整弁は、電子制御により前記冷却液通路を開閉する電子制御弁5を備える。また、冷却液調整弁は、冷却液の温度に基づく感温部材の形状変化により、冷却液通路を開閉するとともに、前記冷却液通路を流れる冷却液の流量を変化させる弁体44の開度が変えられる感温弁4とを備える。電子制御弁5は、冷却液通路の感温弁4の下流側に設けられている。電子制御弁は、ダイヤフラム弁51と、パイロット弁となる電磁弁6とを備えたパイロット式開閉弁となっている。
【選択図】図4

Description

本発明は、冷却液通路の冷却液の流れを制御する冷却液調整弁に関する。
従来、自動車のエンジンの冷却において、エンジンの暖気性能の向上等を目的として、エンジンとラジエータとの間で冷却水(冷却液)を循環させるメイン通路と、このメイン通路とは別に、ラジエータをバイパスしてそのままエンジンに戻すパイパス通路を設け、かつ、メイン通路に向う冷却液の流量を調整する調整弁を設けることが知られている。このような機構によれば、エンジンが相対的に低温の場合には、調整弁を閉もしくは小さな開度として、冷却水がラジエータに向うのを抑制してエンジン部分で循環させることにより冷却水温度を上昇させ、迅速にエンジンの温度を所定の温度に上昇させることができる。
前記調整弁としては、ワックスサーモスタットを用いたサーモバルブが用いられている。サーモバルブのワックスサーモスタットは、ワックスが入った容器に出入自在にシャフトが設けられ、ワックスの温度上昇に基づく膨張によりシャフトが押し出されて弁を開放するようになっている。また、サーモバルブの弁体は、全閉から全開となるまで比較的広い温度範囲に渡って移動するので、冷却水温度の上昇により閉から弁体が開方向に移動し始めた後も温度により開度が変化し、温度に基づく流量の調整が可能となっている。
しかし、サーモバルブは、冷却水温の変化に対する応答性が悪く、作動に時間がかかるため、例えば、エンジンの急な過負荷運転等による冷却水温の急上昇に迅速に対応することができないという問題がある。
また、温度制御は、ワックスサーモスタットの前記シャフトのストローク(弁の開度)と、温度との関係に依存し、運転状況や、最適燃焼効率に合わせて冷却水温度を制御することができなかった。
そこで、冷却水通路にサーモバルブと、電磁アクチュエータ(ソレノイド)を有する電磁弁とを並列に配置し、サーモバルブにより温度変化に基づいて冷却水の流量を調整するとともに、サブ的に電磁弁でも冷却水の流量を調整している。これにより、エンジン温度が上昇した際に、サーモバルブでの冷却水の流量の増加の遅れを、電磁弁を開放することで補うことができる。電磁弁は、制御装置から開閉を制御できるので、冷却水の流量を運転状況や最適燃焼効率に対応して電磁弁の開閉を制御することにより、サーモバルブの温度特性に基づく弁の開度による冷却水の流量調整を制御するようになっている。
また、サーモバルブと、電磁弁とが冷却水通路に並列に配置されているので、いずれか1つの弁を用いた場合よりも、それぞれの弁の流量を小さくすることができる。特に、サーモバルブをメインで用い、電磁弁をサブで用いるので、小さな電磁弁を用いることが可能となる。
特許第3859307号公報
ところで、サーモバルブと、電磁弁が並列に配置されているため、どちらか一方が開となっていれば、冷却水の流れを完全に止めることができない。
例えば、サーモバルブの弁体が開弁を開始する冷却水の温度は、応答性等を考慮して、エンジンの燃焼効率に適した冷却水の温度より低く設定されており、エンジン始動時の暖気運転時に未だ十分にエンジンが温まっていない状態で、サーモバルブが開弁を開始してしまうと、電磁弁が閉であっても、冷却水がラジエータで冷却され、暖気に時間がかかることになる。
なお、一般的に、オンオフ制御の電磁弁だけで冷却水の流れを制御した場合に、弁の開度による流量の調整ができないので、冷却水温度が設定温度となった後も電磁弁のオンオフに基づいて冷却水温度にオーバーシュートやハンチングが生じ易い。
また、電子制御により開度の調整が可能なコントロールバルブ(調節弁)を用いた場合には、電子的に冷却液通路の流量を制御することが可能であり、例えば、最適燃焼効率とするように冷却液の温度制御を行うことも容易に可能であるが、コントロールバルブおよびその制御装置が複雑になり、コストアップは避けられない。
本発明は、前記事情に鑑みて為されたもので、エンジン等の冷却すべき熱源と、ラジエータ等の冷却装置との間で冷却液を循環させた際に冷却装置への冷却液の供給量を調整することにより、冷却液の温度を目的温度に制御する際に、低コストで、応答性を高めることができ、かつ、流量調整により冷却液温度のオーバーシュートやハンチングを抑えることができる冷却液調整弁を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載の冷却液調整弁は、前記冷却液通路に設けられて冷却液の流れを調製する冷却液調整弁であって、
電子制御により前記冷却液通路を開閉する電子制御弁と、
冷却液の温度に基づく感温部材の形状変化により、前記冷却液通路を開閉するとともに、前記冷却液通路を流れる冷却液の流量を変化させる弁体の開度が変えられる感温弁とを備え、
前記電子制御弁は、前記冷却液通路の前記感温弁の下流側に設けられていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明においては、流量の調節が可能な感温弁と、オンオフ制御することが可能な電子制御弁とが直列に組み合わされているので、電子制御弁を制御することで応答性に優れた制御を行うことができるとともに、感温弁により冷却液の流量が調整されることで、電子制御弁のオンオフ制御により生じる冷却液温度のオーバーシュートやハンチングを抑えることができる。さらに、低温時に冷却液の流れを電子制御弁で遮断して、冷却液温度の上昇を早めることができる。
また、電子制御弁が感温弁より下流側にあるので、電子制御弁が閉となっても、感温弁に冷却液が至り、冷却液温度により感温弁が制御される状態とすることができる。なお、電子制御弁を感温弁の上流側に配置した場合に、電子制御弁が閉では、感温弁が熱源側で暖められる冷却液に接することがなく、感温弁が正常に作動しない。
請求項2に記載の冷却液調整弁は、請求項1に記載の発明において、前記電子制御弁は、前記感温弁の前記弁体が開き始める開弁開始時の冷却液温度より高い所定の設定温度で開閉するように制御されることを特徴とする。
請求項2に記載の冷却液調整弁によれば、感温弁が開弁を開始する冷却液温度より高い温度で電子制御弁を開閉しているので、前記設定温度以下では、電子制御弁を閉状態に保持するように制御することが可能である。したがって、冷却水温度が設定温度より低い状態で冷却装置に送られて冷却水温度の適切な温度への上昇が妨げられるのを防止することができる。なお、電子制御弁の制御において、冷却液の温度を調整するためには、例えば、電子制御弁が冷却装置へ冷却液を送る部分に設けられている場合に、電子制御弁を閉とする冷却液温度より、電子制御弁を開とする冷却液温度が高い必要があり、電子制御弁を開とする設定温度と、電子制御弁を閉とする設定温度は異なるものである。
請求項3に記載の冷却液調整弁は、請求項2に記載の発明において、前記感温弁は、前記感温部材と、前記弁体と、前記弁体を閉方向に付勢する付勢手段とを備え、
前記感温部材は、温度上昇に伴って伸長することにより前記付勢手段の付勢力に抗して前記弁体を開方向に付勢し、
前記感温部材の付勢力と前記付勢手段の付勢力とが、前記設定温度より高い温度で前記感温部材が最も長く伸長するように設定されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明においては、温度上昇に基づいて伸長する感温部材が、付勢手段の付勢力に抗して感温弁の弁体を開方向に付勢することで弁体の開度が高くなる。また、電子制御弁が開閉する設定温度より高い温度で感温部材の伸長が最長となるので、例えば、温度上昇に基づいて電子制御弁が開となった際に、感温弁の弁体の開度は最大となっていないことになる。
したがって、電子制御弁が開となった後も感温弁の開度が上昇可能なので、例えば、電子制御弁が閉から開となった設定温度における感温弁の弁体の開度は、前記設定温度より高い温度で、感温部材が最も伸長した場合の感温弁の弁体の開度より小さいことになる。
これにより、電子制御弁が開となった状態で、さらに冷却液の温度が上昇した場合に、感温弁により冷却液通路の冷却液の流量をさらに多くして、上述のオーバーシュートやハンチングを抑制できる。
請求項4に記載の冷却液調整弁は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の発明において、前記感温弁の前記弁体の開閉時の移動方向と、前記電子制御弁に設けられた弁体の開閉時の移動方向とが異なる方向とされていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明においては、感温弁の弁体の開閉時の移動方向と、電子制御弁に設けられた弁体の開閉時の移動方向とを同じとして直列に配置した場合よりも、感温弁と電子制御弁とを近接して配置した際に冷却液調整弁の小型化が可能となる。特に、1つのケース(ボディ)内に感温弁と電子制御弁とを配置する場合に小型化を図ることができる。
請求項5に記載の冷却液調整弁は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の発明において、前記電子制御弁は、前記冷却液通路を開閉する弁体としてのダイヤフラム弁およびダイヤフラム弁用弁座と、
前記感温弁の前記弁体と前記感温弁の下流側に設けられた前記ダイヤフラム弁との間に設けられ、前記ダイヤフラム弁の上流側の液圧によりダイヤフラム弁を開方向に押圧するための中間室と、
前記ダイヤフラム弁の前記ダイヤフラム弁用弁座の反対側に設けられ、前記中間室と連通することにより、前記ダイヤフラム弁の上流側の液圧により前記ダイヤフラム弁を前記ダイヤフラム弁用弁座に向けて押圧するためのダイヤフラム室と、
前記ダイヤフラム室と、前記ダイヤフラム弁の下流とを連通するパイロット通路と、前記パイロット通路を開閉するパイロット弁とを備えることを特徴とする。
請求項5に記載の発明においては、電子制御弁がダイヤフラム弁とパイロット通路とパイロット弁とを有するパイロット式開閉弁となっている。したがって、ダイヤフラム弁により開となった際に大きな流量を確保できるとともに、ダイヤフラム弁をパイロット弁となる小さな電磁弁などで開閉することが可能となり、コストダウンを図ることができる。
請求項6に記載の冷却液調整弁は、請求項1から請求項5に記載の発明において、前記電子制御弁は、当該電子制御弁を開閉動作させるための電磁アクチュエータを備え、
前記電磁アクチュエータは、非通電状態において前記電磁制御弁が開となるように動作し、通電状態において前記電磁制御弁が閉となるように動作することを特徴とする。
請求項6に記載の冷却液調整弁においては、電子制御弁の電磁アクチュエータへの電力の供給が止まるトラブルが発生した場合に、電子制御弁が開となるので、例えば、冷却装置への冷却液の送液が止まることがなく、冷却液の温度が高くなりすぎるのを防止できる。また、電子制御弁と、感温弁とが直列に配置されているので、電子制御弁が閉じない状態となっても、感温弁により、冷却液通路が開閉制御されるとともに、冷却液の流量が制御され、冷却液の温度が低下しすぎるのも防止されることになり、フェイルセーフとなっている。
本発明によれば、感温弁を用いていても、冷却液温度に対する冷却液の流量の調整の応答性を高いものとすることができる。また、感温部材の温度特性にかかわらず、任意に冷却液の流量を設定可能となる。また、感温弁の弁体の開度に係らず、電子制御弁により冷却液通路を閉とすることができ、低温の冷却液の温度上昇を早めることができる。さらに、電子制御弁でオンオフ制御を行っても感温弁で流量が調節されるので、オーバーシュートやハンチングを抑制できる。
本発明の実施形態に係る冷却液調整弁を示す斜視図である。 前記冷却液調整弁を示す斜視図である。 前記冷却液調整弁を示す背面図である。 前記冷却液調整弁を示す断面図である。 前記冷却液調整弁を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1から図5に示すように、冷却液調整弁は、冷却液の流入口1と流出口2とを備えたボディ(ケース)3とサーモバルブである感温弁4と、パイロット式開閉弁である電子制御弁5とを備えている。また、冷却液調整弁は、冷却液通路上に配置されており、冷却液通路の上流側が流入口1に接続され、冷却液通路の下流側が流出口2に接続され、冷却液調整弁のボディ3が冷却液通路の一部となる。なお、図4において、感温弁4の内部構造の図示を省略し、図5において、電子制御弁5の後述の電磁弁6の内部構造の図示を省略している。
また、冷却液調整弁は、例えば、自動車のエンジン側とラジエータとの間で冷却液(冷却水)を循環させる冷却液通路に設けられるものである。冷却液通路には、エンジン側とラジエータとの間で冷却液を循環させるメイン通路と、ラジエータをバイパスしてエンジン側だけ冷却液を循環させるためのサブ通路とがあり、この冷却液調整弁は、メイン通路のラジエータ側に向う位置で、ラジエータに向う冷却液の流量を調整するためのもので、冷却液調整弁を全閉にすると、冷却液がラジエータに送られず全ての冷却液がサブ通路を通ってエンジン側で循環する。また、冷却液調整弁の開度等により、ラジエータに送られる冷却液の量とラジエータに送られずにエンジン側を循環する冷却の液の量が調整されることになる。なお、冷却液調整弁をサブ通路側に設けてもよい。
ボディ3は、前記流入口1から流入する冷却液の通路を兼ねるとともに、内部に感温弁4が収容される感温弁収容部31と、流出口2を備えて冷却液を流出する流出通路部32と、電子制御弁5のダイヤフラム弁51が収容されるダイヤフラム弁収容部33と、前記電子制御弁5の電磁アクチュエータを備えた電磁弁6が取り付けられる電磁弁接続部34と、流出通路部32が接続されるとともに内部に流出室35を有する流出室部36とを備えるものである。
感温弁収容部31は、概略円筒状で、前記流入口1側端部に概略矩形状のフランジ部37を備え、フランジ部37がエンジン側の部材に固定されるとともに、それによりエンジン側の冷却液の導出口に冷却液の流入口1を有する感温弁収容部31が連通した状態に接続される。感温弁収容部31内には、図4に示すように、感温弁4をボディ3に固定するとともに、感温弁4の後述の弁座41を有する感温弁支持部38が形成されている。
流出通路部32は、管状に形成され、ラジエータへの冷却液の通路となる配管8が接続されている。また、管状(円筒状)の流出通路部32の軸方向と、円筒状の感温弁収容部31との軸方向とは平行とされている。また、感温弁収容部31の方が流出通路部32より径が大きく、流出通路部32および感温弁収容部31をそれらの軸方向から見た場合に、感温弁収容部31の範囲内に流出通路部32が配置されている。また、流出通路部32と感温弁収容部31との間に、前記流出室部36が配置されている。
ダイヤフラム弁収容部33は、短い円筒状に形成され、基端部が前記流出室部36に接続され、先端部が開口されるとともに円形の開口の周囲にフランジ部39が形成されている。ダイヤフラム弁収容部33の基端部は、上述のように流出室部36に接続されるとともに、流出通路部32の基端部の外周部および感温弁収容部31の基端部の外周部に接続された状態となっている。
また、ダイヤフラム弁収容部33の前記フランジ部39には、短い円筒状のカバー9のフランジ部39が固定されることで、ダイヤフラム弁収容部33の開口がカバー9により密閉した状態に閉塞されている。また、円筒状のダイヤフラム弁収容部33およびカバー9は、同軸状に配置されるとともに、これらの軸方向が、流出通路部32および感温弁収容部31の軸方向と直交している。
電磁弁接続部34は、概略円筒状に形成される本体部の左右に電磁弁6を締結するための締結部を設けたものであり、電磁弁6がビス等により締結されている。また、電磁弁接続部34の軸方向は、ダイヤフラム弁収容部33の軸方向に直交するとともに、流出通路部32および感温弁収容部31の軸方向に直交している。
流出室部36は、ダイヤフラム弁収容部33に接続されるとともに、同軸上に配置されている。また、流出室部36は、そのダイヤフラム弁収容部33側が、ダイヤフラム弁収容部33と略同径の概略円筒状に形成され、ダイヤフラム弁収容部33から離れた端部側の径が小さくなっている。また、流出室部36のダイヤフラム弁収容部33と同径となる部分には、流出通路部32および感温弁収容部31が接続されている。
前記感温弁4は、サーモバルブであり、感温材料としてワックスが収容されたワックスケース42と、ワックスケース42に対して相対的に進出および後退可能となるようにこのワックスケース42に挿入されたシャフトと、シャフトを収容したシャフトケース43と、ワックスケース42と一体のシャフトケース43に一体に設けられた弁体44と、この弁体44に対応した前記弁座41と、弁体44を弁座41に押し付ける方に付勢する付勢手段としてのコイルばね45とを備える。
感温弁4は、上述のように感温弁収容部31の内部に設けられた感温弁支持部38に支持されるとともに前記シャフトが感温弁支持部38に固定され、感温弁支持部38に固定的に設けられた弁座41に対してシャフトではなくワックスケース42が移動自在となっている。この際にワックスケース42とシャフトケース43の一部と弁体44とが一体に移動する。
また、ワックスケース42は、冷却液通路の弁体44より上流側にあり、常時冷却液内に配置された状態となっている。なお、ワックスケース42が配置される部分は、上述のサブ通路を通ってエンジン側を循環した状態の冷却液の流れの直ぐそばとなっており、感温弁4が全閉で、冷却液が感温弁収容部31を通って流出通路部32に向うように流れていなくても、流出通路部32の内部の冷却液が入れ替わり、エンジン側を循環する冷却液と略同等の温度となっている。したがって、ワックスケース42は、感温弁4の開閉に係らず常時エンジン側を循環する冷却液の温度に対応して内部のワックスが膨張もしくは収縮するようになっている。
冷却液の温度の上昇により、ワックスケース42内のワックスが膨張すると、ワックスケース42からシャフトが押し出されるが、シャフトがボディ3に固定されているので、ワックスケース42が弁座41から離れるように移動し、ワックスケース42と一体に移動する弁体44が弁座41から離れて開弁するようになっている。
また、冷却液の温度の下降によりワックスケース42内のワックスが収縮すると、コイルばね45の付勢力によりワックスケース42内にシャフトが押し戻され、ワックスケース42と一体に移動する弁体44が弁座41に押し付けられることになる。この際に、冷却液の温度に基づくワックスの体積変化により、ワックスケース42からのシャフトの進出長さが変位し、弁体44と弁座41の距離、すなわち弁の開度が変位する。この開度の変位により、冷却液の流入通路を兼ねる感温弁収容部31内の冷却液の流量を調整することができる。
すなわち、感温弁4は、冷却液の温度に基づいて冷却液通路の冷却液の流量を調整可能となっている。
ワックスと、このワックスが収容されたワックスケース42とワックスの膨張・収縮により進出・後退するシャフトとは、全体の長さが冷却液の温度により変化することになり、冷却液の温度変化で形状変化する感温部材となる。
電子制御弁5は、冷却液通路を開閉する弁体としてのダイヤフラム弁51およびダイヤフラム弁用弁座52と、感温弁4の弁体44と感温弁4の下流側に設けられたダイヤフラム弁51との間に設けられ、ダイヤフラム弁51の上流側の液圧によりダイヤフラム弁51を開方向(ダイヤフラム弁用弁座52から離れる方向)に押圧するための中間室53とを備える。
また、電子制御弁5は、ダイヤフラム弁51のダイヤフラム弁用弁座52の反対側に設けられ、中間室53と連通することにより、ダイヤフラム弁51の上流側の液圧によりダイヤフラム弁51をダイヤフラム弁用弁座52に向けて押圧するためのダイヤフラム室54と、中間室53とダイヤフラム室54とを連通する第1通路55および第2通路56とを備える。
また、電子制御弁5は、ダイヤフラム弁51をダイヤフラム弁用弁座52に向けて付勢するダイヤフラム弁用付勢手段としてのコイルばね57と、ダイヤフラム室54に対してダイヤフラム弁51の下流側に設けられた流出室35を連通させる第1通路55およびパイロット通路58と、このパイロット通路58を開閉するパイロット弁としての電磁弁6とを備える。
ダイヤフラム弁51は、円板状の内周部を備えるとともに、内周部より外周側となる外周部を備えるダイヤフラム51aと、ダイヤフラム51aの内周側の円板状の部分のダイヤフラム弁用弁座52の反対側となる部分に重ねて配置されるプレッシャプレート51bとを備える。ダイヤフラム51aの外周部は、内周側の円板状の部分に対して直交する方向(ダイヤフラム弁用弁座52の反対方向)に曲げられた後にU字状に湾曲させられて外側に広がる形状となっており、この部分が弾性変形することで、円板状の内周部がこの内周部に直交する方向に変位可能となっている。
弾性部材からなるダイヤフラム51aの外縁部は、ボディ3のダイヤフラム弁収容部33のフランジ部39と、カバー9のフランジ部91とが接合されている部分の内周側に全周に渡って固定され、ダイヤフラム弁収容部33の内部をカバー9側と、弁座52側とに隔離している。
ダイヤフラム弁収容部33のダイヤフラム51a(ダイヤフラム弁51)によって隔離されたダイヤフラム弁収容部33のカバー9側(弁座52の反対側)がダイヤフラム室54となっている。
また、ダイヤフラム51a(ダイヤフラム弁51)に隔離されたダイヤフラム弁収容部33のダイヤフラム室54の反対側に弁座52が配置されている。弁座52は、円筒状に形成されるとともに内部が前記流出室35となる空間を構成する部分の先端部となっている。
また、円環状の弁座52に対して、ダイヤフラム弁51が同芯上に配置されている。また、ダイヤフラム弁51のダイヤフラム51aの内周側の円板状の部分より、弁座52の径が小さくなっている。また、ダイヤフラム51aの外周部が上述のように弁座52の反対側に屈曲して弁座52から離れた部分で湾曲してフランジ部39の内周側の部分に至るので、ダイヤフラム51aの円板状の部分の外側に円環状の空間ができた状態となっている。
この空間は、上記弁座52の外側となることで、ダイヤフラム弁51が閉じた状態では、流出室35と隔離された状態となっている。また、前記空間は、感温弁4が配置される感温弁収容部31に連通する前記中間室53の一部となっている。
したがって、先端が弁座52となるとともに流出室35を構成する円筒部分の内部と外部が隔離されており、外部が中間室53を介して前記感温弁収容部31に連通し、内部が流出通路部32に連通している。
弁座52からダイヤフラム弁51が離れて開となると、上述の先端に弁座52が設けられ、内部が流出室35となる円筒部分の内部と外部が連通し、感温弁収容部31から流出通路部32側に冷却液を流すことが可能となる。
また、プレッシャプレート51bは、その中央部に先端部が拡径した係合突起51cを備え、当該係合突起51cがダイヤフラム51aの中央部を貫通するとともに、ダイヤフラム51aに係合することによって、プレッシャプレート51bにダイヤフラム51aが固定されている。プレッシャプレート51bは、ダイヤフラム室54内の液圧により押されて、ダイヤフラム弁51を弁座52側に押し付けるためのものである。
また、プレッシャプレート51bと、カバー9との間には圧縮した状態のコイルばね57が設けられ、プレッシャプレート51b(ダイヤフラム弁51)を弁座52に向けて付勢している。コイルばね5の一端は、プレッシャプレート51bに係止され、他端は、カバー9の内面側の中央に掲載された円筒部92に収容された状態となっている。
パイロット弁となる電磁弁6は、弁体62が内部に配置される先端部61に上述の第1通路55、第2通路56およびパイロット通路58が接続されている。電磁弁6の弁体62は、電磁アクチュエータで前後に作動して、パイロット通路58の電磁弁6側を開閉するようになっている。また、電磁弁6の先端部61の弁体62が移動する空間には、第1通路55および第2通路56のそれぞれの一方の端部が連通した状態となっている。電磁弁6が閉じた状態では、中間室53に連通する第1通路55と、ダイヤフラム室54に連通する第2通路56とが電磁弁6内で連通し、これら第1通路55および第2通路56と、流出室35に連通するパイロット通路58との間が遮断した状態となっている。
これにより、電磁弁6が閉じた状態では、第1通路55と第2通路56とにより中間室53と、ダイヤフラム室54とが連通した状態となっている。
ダイヤフラム弁51が閉じた状態では、中間室53と流出室35とがダイヤフラム弁51により遮断さている。
ここで、感温弁4が開となると、流入口1から感温弁収容部31を経て中間室53に冷却液が流入した状態で、冷却液の液圧が中間室53にかかった状態となっている。また、中間室53とダイヤフラム室54とは、上述のように第1通路55と第2通路56とにより連通されているので、中間室53にかかる液圧により、冷却液がダイヤフラム室54に流入するとともにダイヤフラム室54にも冷却液の液圧が作用した状態となる。この場合に、中間室53の液圧と、ダイヤフラム室54の液圧は略等しくなる。
この状態で、ダイヤフラム弁51は、その弁座52側の面の外周部分が中間室53に臨んでおり、ダイヤフラム弁51の外周部分にだけ弁座52から離れる側に冷却液の液圧が作用している。また、ダイヤフラム弁51は、その弁座52の反対側となる面のほぼ全体がダイヤフラム室54に臨んでおり、ダイヤフラム弁51の略全面に弁座52に向う冷却液の液圧が作用している。ダイヤフラム弁51の弁座側とその反対側とでほぼ同じ冷却液の液圧が作用することになるが、受圧面積がダイヤフラム弁51の弁座52の反対側(ダイヤフラム室54)の方が広く、ダイヤフラム弁51は弁座52に向って押圧されて閉じた状態となり、電子制御弁5が閉の状態となる。
さらに、ダイヤフラム弁51は、コイルばね57により弁座52側に付勢されており、感温弁4が閉で、中間室53およびダイヤフラム室54への冷却液の流入が遮断され、中間室53およびダイヤフラム室54で液圧が作用していない場合でも、ダイヤフラム弁51が閉じた状態が保持される。
感温弁4が開の状態で、パイロット弁としての電磁弁6が開となるとパイロット通路58と、電磁弁6の先端部61に連通する第1通路55および第2通路56が連通した状態となる。この場合に、電磁弁6が開となる前に、第1通路55と第2通路56とが連通していることにより、ダイヤフラム室54に冷却液の液圧がかかった状態となっているのに対して、流出通路部32に連通する流出室35には液圧が作用しておらず、ダイヤフラム室54から流出室35への冷却液の流れが生じることになる。
すなわち、ダイヤフラム室54に連通する第2通路56から流出室35に連通するパイロット通路58に冷却液が流れる。第2通路56では、電磁弁6が閉の場合に、電磁弁6の先端部61からダイヤフラム室54に向って冷却液が流れていたのに対して、電磁弁6が開では、ダイヤフラム室54から先端部61に冷却液が流れることになる。これにより、第1通路55および第2通路56を介して中間室53からダイヤフラム室54に冷却液を流すことができなくなり、ダイヤフラム室54から流出室35に冷却液が流れてダイヤフラム室54の圧が抜ける。それに対して、中間室53では、感温弁収容部31側から冷却液が流入し続けることで、冷却液の液圧が作用した状態となっている。これにより、ダイヤフラム弁51にダイヤフラム室54からの液圧が作用しなくなり、ダイヤフラム弁51が中間室53側だけから液圧を受け、ダイヤフラム弁51が弁座52から離れる方向に押されることになる。これにより、コイルばね57の付勢力に抗して、ダイヤフラム弁51が弁座52から離れて開となり、中間室53から流出室35に冷却液が流されることになる。すなわち、電子制御弁5が開となる。
また、ダイヤフラム弁が開となって上述のように冷却液が流れても、ダイヤフラム室54より中間室53側の方が液圧が高い状態が維持され、ダイヤフラム弁51は開放した状態に保持される。
電磁弁6を閉とすると、パイロット通路58の流れが停止し、再び、第1通路55および第2通路56とにより、中間室53からダイヤフラム室54に冷却液が流れ、ダイヤフラム室54の液圧により、ダイヤフラム弁51が弁座52側に押されて再びダイヤフラム弁51が閉となり、電子制御弁5が閉となる。
なお、感温弁4が全閉の場合には、中間室53に冷却液の液圧がなく、パイロット弁である電磁弁6が開となっても、ダイヤフラム弁51を開放することができず、電子制御弁5は閉じた状態のままとなる。なお、感温弁4が全閉の場合に、中間室53およびダイヤフラム室54の両方において冷却液の液圧が無い状態となるので、コイルばね57によりダイヤフラム弁51が閉側に付勢されて電子制御弁5が閉に保持されるが、コイルばね57を設けないものとしてもよく、この場合には、ダイヤフラム弁51の弾性によりダイヤフラム弁51が閉側に保持され、電子制御弁5が閉に保持される。
このような電子制御弁5は、オンオフ弁として機能し、弁の開度を調節できる構造とはなっていない。また、パイロット通路58を開閉できればよいので、電磁弁6は小型ものでよく、小型の電磁弁6の開閉により、大きなダイヤフラム弁51を開閉し、開となった際に大きな流量で冷却液を流すことが可能となる。
以上のように、感温弁4と電子制御弁5とが冷却通路に直列に配置された冷却液調整弁においては、熱源で冷却液の冷却対象としてのエンジンと、エンジンの冷却により熱くなった冷却液を冷却する冷却装置としてのラジエータとの間の冷却液通路の冷却液の流れを調整することになる。
ここで、感温弁4は、ワックスやコイルばね45の仕様変更等により、温度特性を変更可能であり、温度上昇時に開弁開始する温度と、全開となる温度と、温度降下時に閉弁開始する温度と、全閉となる温度とを設計時にある程度まで設定することができる。
この実施形態では、例えば、一例として感温弁4の開弁開始温度を88℃(86〜90℃)とし、全開となる温度を100℃としてもよい。また、電子制御弁5は、その開閉を例えばエンジンコントロールユニット等の制御装置に制御されることになり、設定変更により開閉する温度を変更可能であるが、一例として開となる温度を95℃とし、閉となる温度を93℃としてもよい。
このような温度設定では、電子制御弁5の開弁温度及び閉弁温度(開閉温度)が感温弁4の開弁開始温度より高く、かつ、感温弁4の全開となる温度が、電子制御弁5の開弁温度および閉弁温度より高くなっている。電子制御弁5の開弁温度および開閉温度と、感温弁4の開弁開始温度および全開となる温度が上述のような関係となっていればよく、これらの温度の具体的な値は、状況に応じて設定することができる。
また、感温弁4の全開となる温度を、電子制御弁5の開弁温度および閉弁温度より高くするためには、上述のワックスケース42とシャフトからなる感温部材が、温度上昇に伴ってコイルばね45の付勢力に抗して弁体44を開方向、すなわち、弁座41から離れる方向に付勢するに際し、感温部材の付勢力と、コイルばね45の付勢力とが、電子制御弁の開弁温度および開閉温度となる設定温度より高い温度で前記感温部材が最も長く伸長するように感温弁4の仕様を決定する必要がある。
この冷却液調整弁にあっては、エンジンを始動すると、その際の冷却液温度が、電子制御弁5の開弁温度および感温弁4の開弁開始温度より低いので、冷却液調整弁は閉となっている。したがって、冷却液は冷却装置であるラジエータに送られず、エンジン側を循環することになり、冷却液は冷却されることなくエンジンで加温されて温度上昇する。
冷却液の温度が感温弁4の開弁開始温度を超えると、感温弁4が開弁開始するが、未だ電子制御弁5の開弁温度には至らず、感温弁4と直列に配置された電子制御弁5が閉となっていることで冷却液調整弁は閉を維持し、エンジン側だけで循環する冷却液はさらに温度上昇する。
冷却液の温度が電子制御弁5の開弁温度に至ると、電子制御弁5が開弁する。この際には、既に感温弁4が開弁開始するとともに、冷却液の温度上昇に基づいて弁体44の開度が大きくなっている。したがって、冷却液調整弁が開となり、エンジン側からラジエータに冷却液が送られるとともに、エンジン側だけではなく、エンジンとラジエータとの間で冷却液が循環し、冷却液はラジエータで冷却される。
ここで、エンジン開始から冷却液が加熱されて温度上昇して電子制御弁5が開となる温度まで、感温弁4が開弁開始してもラジエータに冷却液が送られないので、エンジン開始時から迅速に冷却液を所望の温度まで上昇させることができる。
また、電子制御弁5が開弁温度となって冷却液調整弁が開となった際に、冷却液の温度が高くなっていることで、感温弁4の弁体44の開度はかなり広くなっており、電子制御弁5が開となった場合には、比較的大きな流量でラジエータに冷却液が流れることになる。これにより速やかに冷却液が冷却されることになり、電子制御弁5が開弁する冷却液の温度より大きく冷却液の温度が上がるのを抑制することができる。さらに、電子制御弁5が開となって冷却液調整弁が開となった後に冷却液が未だ温度上昇している場合に、感温弁4の弁体44の開度がさらに広くなり、より大きな流量で冷却液がラジエータに送られる。これにより、冷却液の温度上昇が抑えられることによって、冷却液の温度制御において、冷却液の温度上昇のオーバーシュートを低く抑えることができる。
上述のように、冷却液調整弁が開となると、既に冷却液に温められた状態の感温弁4で大きな流量で冷却液が流されることにより、冷却液温度が降下し始めることになる。冷却液温度が降下し始めると、冷却液温度に対応して感温弁4で弁体44の開度が小さくなっていき、ラジエータに送られる冷却液の流量が少なくなっていく。これにより、冷却液の温度の降下速度が緩やかになる。冷却液の温度が電子制御弁5の閉弁温度に達すると、感温弁4が全閉となっていない状態でも冷却液調整弁が閉となる。
この際に上述のように感温弁4を通過する冷却液の液量が、電子制御弁5を全閉から全開にしたときよりもかなり少なくなっているので、冷却液の温度降下速度が遅くなっており、冷却液調整弁を閉とした後に冷却液の温度が大きく下がるのを防止することができる。また、電子制御弁5の閉弁温度となることにより冷却液調整弁が閉となるので、感温弁4単独で用いた場合のように、所望の温度より低くなっても感温弁4の弁体が全閉とならずに少しだけ開いた状態となっていることにより、冷却液の温度が下がり過ぎるようなこともない。すなわち、冷却液の温度制御において、冷却液の温度降下のオーバーシュートを抑えることができる。
以上のことから、オンオフ弁となる電子制御弁を単独で用いて冷却液の温度を制御した場合よりも、冷却液温度のオーバーシュートやハンチングを抑えることができる。
また、温度に対する応答性が必ずしも速くない感温弁4を用いているが、感温弁4は、上述のように電子制御弁5が開となった場合に、冷却液調整弁を流れる冷却液の流量を決めるように用いられている。すなわち、冷却液温度に基づいて冷却液調整弁を開閉しているのは、電子制御弁であり、制御装置により制御される電子制御弁の開閉により温度制御しているので、高い応答性を確保した状態で上述のように制御すべき冷却液温度のオーバーシュートやハンチングを防止できる。
また、電子制御を必要とせず、安価な感温弁4と、オンオフ制御で使用可能で安価なオンオフ弁である電子制御弁5とを直列に配置して用いることにより、比較的複雑な電子制御を必要とし高価なコントロールバルブを用いた場合に比較して、冷却液調整弁を低コストで応答性が高く、流量調整可能なものとすることができる。
また、1つのボディ3(ケース)に、感温弁4とダイヤフラム弁51を有するパイロット式開閉弁である電子制御弁5とを設ける際に、感温弁4の弁体44の開閉の際の移動方向と、電子制御弁5の弁体であるダイヤフラム弁51の開閉の際の移動方向とを直交する方向としているので、二つの嵩張る弁を直列に配置しているにもかかわらず、冷却液調整弁の小型化を図ることができる。なお、感温弁4の弁体44の開閉の際の移動方向と、電子制御弁5の弁体の移動方向とは、必ずしも直交している必要はなく、直交方向に対して二つの移動方向が少しずれていてもよい。例えば、二つの移動方向が交差しなかったり、二つの移動方向がなす角度が直角より少しずれていたりしてもよいが、二つの移動方向が異なる方向を向いている必要がある。
また、電子制御弁5の電磁弁6においては、電磁弁6が電通状態では、パイロット通路58を閉とすることによりダイヤフラム弁51が閉となる。これにより、電子制御弁5が閉となっている。
また、電磁弁6が非電通状態では、パイロット通路58を開とすることによりダイヤフラム弁51が開となる。これにより、電子制御弁5を開としている。
したがって、なんらかのトラブルで電子制御弁5の電磁弁6への電源供給が途切れた場合には、電磁弁6が非通電状態となり、電子制御弁5が開となる。これにより、電源供給に異常があっても、冷却液のラジエータへの循環が行われることになり、冷却液が過熱されるのを防止できる。
また、電子制御弁5が常時開となっても、外部からの制御なしに作動する感温弁4により冷却液通路の開閉と、冷却液の流量の制御が行われることになる。
また、電子制御弁5として、パイロット式開閉弁を用いることにより、小さな電磁弁6で大きな流量の冷却液を制御することが可能となる。また、電子制御弁5の上流側に感温弁4があることで、パイロット式開閉弁の冷却液の流入側(中間室53)に冷却液が無いか、冷却液の流入側で圧がかかっていない状態となっても、ダイヤフラム弁51を弁座52側に付勢するコイルばね57を設けたので、電子制御弁5を閉に保持することができる。また、上述のように電子制御弁5の開閉は、感温弁4の開弁開始温度より高い温度で行われるので、電子制御弁5の開閉操作は、感温弁4が開となって、中間室53に冷却液の液圧がかかった状態で行われるので、電子制御弁5がパイロット式開閉弁であっても問題なく開閉することができる。
4 感温弁
5 電子制御弁
6 電磁弁(パイロット弁)
43 ワックスケース(感温部材)
44 弁体(感温弁の弁体)
51 ダイヤフラム弁(電子制御弁の弁体)
52 ダイヤフラム用弁座
53 中間質
54 ダイヤフラム室
57 コイルばね(ダイヤフラム弁用付勢手段)
58 パイロット通路

Claims (6)

  1. 前記冷却液通路に設けられて冷却液の流れを調製する冷却液調整弁であって、
    電子制御により前記冷却液通路を開閉する電子制御弁と、
    冷却液の温度に基づく感温部材の形状変化により、前記冷却液通路を開閉するとともに、前記冷却液通路を流れる冷却液の流量を変化させる弁体の開度が変えられる感温弁とを備え、
    前記電子制御弁は、前記冷却液通路の前記感温弁の下流側に設けられていることを特徴とする冷却液調整弁。
  2. 前記電子制御弁は、前記感温弁の前記弁体が開き始める開弁開始時の冷却液温度より高い所定の設定温度で開閉するように制御されることを特徴とする請求項1に記載の冷却液調整弁。
  3. 前記感温弁は、前記感温部材と、前記弁体と、前記弁体を閉方向に付勢する付勢手段とを備え、
    前記感温部材は、温度上昇に伴って伸長することにより前記付勢手段の付勢力に抗して前記弁体を開方向に付勢し、
    前記感温部材の付勢力と前記付勢手段の付勢力とが、前記設定温度より高い温度で前記感温部材が最も長く伸長するように設定されていることを特徴とする請求項2に記載の冷却液調整弁。
  4. 前記感温弁の前記弁体の開閉時の移動方向と、前記電子制御弁に設けられた弁体の開閉時の移動方向とが異なる方向とされていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の冷却液調整弁。
  5. 前記電子制御弁は、前記冷却液通路を開閉する弁体としてのダイヤフラム弁およびダイヤフラム弁用弁座と、
    前記感温弁の前記弁体と前記感温弁の下流側に設けられた前記ダイヤフラム弁との間に設けられ、前記ダイヤフラム弁の上流側の液圧によりダイヤフラム弁を開方向に押圧するための中間室と、
    前記ダイヤフラム弁の前記ダイヤフラム弁用弁座の反対側に設けられ、前記中間室と連通することにより、前記ダイヤフラム弁の上流側の液圧により前記ダイヤフラム弁を前記ダイヤフラム弁用弁座に向けて押圧するためのダイヤフラム室と、
    前記ダイヤフラム室と、前記ダイヤフラム弁の下流とを連通するパイロット通路と、
    前記パイロット通路を開閉するパイロット弁とを備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の冷却液調整弁。
  6. 前記電子制御弁は、当該電子制御弁を開閉動作させるための電磁アクチュエータを備え、
    前記電磁アクチュエータは、非通電状態において前記電磁制御弁が開となるように動作し、通電状態において前記電磁制御弁が閉となるように動作することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の冷却液調整弁。
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