JP2011231573A - 道路反射鏡 - Google Patents
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Abstract
【課題】 太陽光発電パネルを充電電源とし、電動ファンによる結露防止機能を有する道路反射鏡における太陽光発電パネルの所要面積を削減し、低コスト化を図る。
【解決手段】 鏡面21と鏡面裏蓋22との間の内部空間Rに設置する電動ファン31によって内部空間Rの空気を撹拌することによって、鏡面温度を露点以上に維持する方式の道路反射鏡における電動ファン31を鏡面温度が露点以上に維持されることを条件として一定周期のON/OFF運転とする。これによって電動ファン31無駄な作動を抑制し、その電力消費量をON期間の通算電力相当にまで削減することが可能となり、電動ファン31用の電源バッテリ33の充電用電源である太陽光発電パネルSPの面積を大幅に削減することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】 鏡面21と鏡面裏蓋22との間の内部空間Rに設置する電動ファン31によって内部空間Rの空気を撹拌することによって、鏡面温度を露点以上に維持する方式の道路反射鏡における電動ファン31を鏡面温度が露点以上に維持されることを条件として一定周期のON/OFF運転とする。これによって電動ファン31無駄な作動を抑制し、その電力消費量をON期間の通算電力相当にまで削減することが可能となり、電動ファン31用の電源バッテリ33の充電用電源である太陽光発電パネルSPの面積を大幅に削減することができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、鏡面と、鏡面裏蓋との間に形成される内部空間の空気を電動ファンによって撹拌する方式の結露防止装置を組み込んだ道路反射鏡の改良に関する。
道路の急カーブ箇所や交差箇所には、凸鏡面による反射影像によって安全確認をすることができるように道路反射鏡が設置されている。この道路反射鏡に関しては、気象条件によって結露や、結露が氷結して形成される着霜によって反射影像が不鮮明または結像不能となり、安全確認機能が一時的に損なわれる現象が発生することが問題視されている。
この問題に対しては、当社による提案を含め、従来より多様な結露防止策が提案されている(下記特許文献1ないし5参照)。しかし、多様な提案にもかかわらず、結露防止対策を施した道路反射鏡は十分に普及しているとは言えない現状である。
多様な先行技術は、言うまでもなく固有の利点と問題点を伴っている。当社では、当社の先行技術を含め(特許文献5参照)、これらの先行技術の利点および問題点を詳細に検討し、その検討結果を踏まえた上で、従来の技術類型に属しない独自の技術開発に成功している(特許文献6参照)。
上記当社の独自技術は、結露発生のメカニズムと、道路反射鏡の鏡面と鏡面裏蓋とによって形成されるところの道路反射鏡の内部空間の温度変化と、外気温の変化との特別な相関関係に注目してなされたものである。
すなわち、道路反射鏡における結露は、外気が鏡面に触れることによって急速に露点以下に冷やされ、飽和状態となった空気中の水分が鏡面に露出することによって発生する。つまり、結露は外気温と鏡面温度との間に温度差があることによって発生するのである。したがって、特殊な気象条件による例外的な現象を除く一般論としては、道路反射鏡の鏡面温度が外気温と同等であるか外気温より高ければ結露は発生しないということができる。このことは、晴天の無風状態の気象条件下において顕著に発生する結露ではあるが、風が強い日には他の結露発生条件が揃っていても結露が発生しないことからも裏付けられる。風が強い場合は、外気が鏡面に擦り付けられることにより、鏡面温度が外気温に同化し、両者間の温度差が解消されてしまうからである。
一方、当社が注目した外気温の変化と、道路反射鏡の内部空間の温度変化との関係は興味深いものである。
ここで、結露が発生する頻度が高い晴天の無風状態の気象条件下においては、明け方近くの放射冷却現象によって外気温が日の出時刻に向かって急速に低下する。当然鏡面からも熱が放射され鏡面温度も急激に低下する。しかし、鏡面と鏡面裏蓋との間に閉じ込められた内部空間の空気の温度は、外気温と鏡面温度のいずれよりも高いという関係を保ちながら低下していくのである。
このような温度低下に関する時間差現象は、道路反射鏡の内部空間に昼間に暖められた断熱性の高い空気団がほぼ密閉状態で取り残されているからであると考えることができる。道路反射鏡の内部空間は無風状態であり、内部空間の空気は鏡面によって徐々に冷やされるのではあるが、内部空間の温度低下は、常に外気温および鏡面の温度低下に遅れて進行するのである。ただし、道路反射鏡の内部空間の容量が一定限度以下である場合には、このような時間差現象は顕在化しないことが多い。
上記観察結果の基づき、当社が採用した結露防止方法は、道路反射鏡の内部空間をできるだけ大容量とするとともに、この内部空間に電動ファンを設置し、外気温が低下する日没後明け方に至るまでの期間、内部空間の空気を撹拌することによって鏡面温度と内部空間の温度とを強制的に同化させることによって、鏡面温度を外気温より高く保つというものである(特許文献6参照)。さらに念のため、内部空間の空気団の熱容量のみならず、電動ファンのモータや電源バッテリ、その他、充放電回路基板からの発熱も内部空間の熱源として積極的に活用する考え方も採用している。
上記道路反射鏡の内部空間に電動ファンを設置する当社の先行技術は、シンプルな構成によって結露を防止することができるという所期の成果を上げている。
しかしながら、当社の先行技術のみならず競合他社の先行技術も含め、道路反射鏡に何らかの結露防止手段を付加した構成に関しては、結露防止手段を有しない通常の道路反射鏡に対して、コスト高に付くという難問を包含している。また、コスト高の問題は、道路付帯設備に関する閉鎖的な市場への新規参入を阻む口実ともされているように見受けられる。
上記問題は、避けられない経済問題であるとして捉えることもできるのであるが、このような捉え方によっては問題は解決しない。本発明は、このコスト問題を技術問題に引き直して捉え、最も端的に、結露防止性能を維持しながら最も高コストである太陽光発電パネルの面積を大幅に削減することを課題とする。これによって市場参入への活路が開けるからである。
そこで、上記課題を達成するためには、どのような手段を講じなければならないかが問題になる。当社の従来技術においては、道路反射鏡の内部空間の空気は、必要最小限の消費電力の電動ファンによって日没後明け方に至るまでの期間連続して撹拌される。電源バッテリの容量は、電動ファンを日没後明け方に至るまでの期間駆動することができる容量にバッテリ寿命を不用意に短縮することがない余容量を加算した容量に設定されている。そして、太陽光発電パネルの容量は、昼間にその容量のバッテリを満充電することができる容量に設定されているのである。
すなわち、太陽光発電パネルの容量は、電動ファンの消費電力量に基づいて他律的に決定されているのである。したがって、太陽光発電パネルを小型化するためには、電動ファンの消費電力量を削減する必要がある。
電動ファンの消費電力量を削減する方法としては、電動ファンの小型化や電気的な省電力化制御手段が考えられる。しかし、電動ファンの規模については、道路反射鏡の内部空間の容量とのバランスによって空気の駆動効率の良い範囲に決定されるものであり、安易に小型化することはできない。また、同一規模の電動ファンを用いる場合についても、電動ファンの回転数と内部空間の容量との間には、撹拌効率の良い回転数の範囲が存在し、単に電動ファンを高速回転させればそれだけ効率が上がるというものではない。
一方、電動ファンに対する電気的な省電力化制御手段に関しては、最終的には電動ファンの平均的能力を制限することになるため、現行の電動ファンが無駄な動作をしていることが必要になる。無駄な動作をしていないにも拘らず、その能力を制約することは、結露防止性能を低下させる結果に直結するからである。
このような検討結果に基づき、日没後明け方に至るまでの期間における道路反射鏡の内部空間の温度データと鏡面温度データとを比較検討したところ、鏡面温度と内部空間の温度とが略一致しており、つまり、これ以上電動ファンを継続して運転しても鏡面温度が上昇し得ない状態に至っている、換言すれば、電動ファンの効用が限界に至っているにも拘らず電動ファンが作動している期間が少なからず存在することが判明したのである。また、このような状況は、鏡面からの放射熱量が少ない気象条件下においてより多発することも判明した。すなわち、電動ファンのこのような無駄な運転は、電動ファンの能力が過剰であることによるのではなく、鏡面からの放射熱量がそのときの気象条件により変動することに起因するのである。
上記問題は、道路反射鏡の内部空間の温度と鏡面温度とを比較し、比較結果をフィードバックするように電動ファンを制御することによって防止することができる。しかし、このようなフィードバック系の採用による結露防止装置の肥大化は、結露防止装置付きの道路反射鏡のコストを削減するという本発明の目的から避けなければならない。太陽光発電パネルの費用は削減できたが、フィードバック系の構築のための新たなコスト加算が避けられないという堂々巡りに陥ってしまうからである。
本発明は、道路反射鏡の内部空間に設置した電動ファンの効用についても、いわゆる限界効用逓減の法則に従うことから、電動ファンを作動させた場合の鏡面温度と内部空間温度の変化との実測データに基づく蓋然性から、フードバック制御ではなく、予め、鏡面温度と内部空間の温度差が大きく電動ファンの効用が高い範囲を利用し、鏡面温度と内部空間の温度差が僅かであって電動ファンの効用が低下している範囲を切り捨てて電動ファンを作動させることによって、日没後明け方に至るまでの期間における電動ファンの消費電力量を削減することを直接の課題とする。これによって太陽光発電パネルの容量を抑えるとともに、ひいては、必要とされるバッテリも小型とし、最終的には、結露防止機能を有する道路反射鏡の低コスト化を図ることができるからである。
上記目的を達成するための本発明は、次のような手段を採用する。
(解決手段1)
本発明の結露防止機能を有する道路反射鏡は、鏡面と鏡面裏蓋との間に内部空間を有する道路反射鏡において、内部空間に設置する電動ファンと、その内部空間を含む道路反射鏡の任意箇所に設置する電源バッテリと、充放電制御回路と、電源バッテリに充電するための太陽光発電パネルとを備える。そして、この際の充放電制御回路は、電源バッテリによって電動ファンを所定期間駆動して所定期間停止するON/OFF制御動作を反復することを特徴とする。
本発明の結露防止機能を有する道路反射鏡は、鏡面と鏡面裏蓋との間に内部空間を有する道路反射鏡において、内部空間に設置する電動ファンと、その内部空間を含む道路反射鏡の任意箇所に設置する電源バッテリと、充放電制御回路と、電源バッテリに充電するための太陽光発電パネルとを備える。そして、この際の充放電制御回路は、電源バッテリによって電動ファンを所定期間駆動して所定期間停止するON/OFF制御動作を反復することを特徴とする。
上記発明について説明する。道路反射鏡の内部空間は、鏡面と鏡面裏蓋とによって取り囲まれることによって外気から独立した空間として形成されている。この内部空間の気温は、日没後明け方に至るまでの期間においては、通常外気温より高い。時間をかけて昼間の外気温に同化されているからである。
日没後、内部空間に設置された電動ファンがON制御されると、内部空間の空気が撹拌され、この結果内部空間を形成している鏡面温度が内部空間の温度に同化され、鏡面温度と内部空間の温度との間には、温度差が存在しなくなる。したがって、電動ファンの効用は失われた状態となっている。ここで電動ファンは、OFF制御される。この際の電動ファンのON期間は、現実に電動ファンを駆動して内部空間の温度と鏡面温度とが、電動ファンの効用が逓減することとなる一定の範囲にまで接近するまでの所要時間を実測したデータに基づいて道路反射鏡の機種ごとに設定される。
鏡面からは継続的に一定量の熱が放射されており、電動ファンがOFF制御されることにより、鏡面温度と内部空間の温度との間に、より低い温度領域での温度差が生じ、電動ファンの効用が高まる、つまり電動ファンが活躍できる条件が復活する。電動ファンは、ここでON制御される。電動ファンがON制御されると再び鏡面温度と内部空間の温度差が解消される。そこで、電動ファンは、OFF制御される。
この際の電動ファンのOFF期間は、ON期間との相関関係によって定められる。具体的には、ON期間を定めた場合と同一の気象条件下において、電動ファンをOFF制御した後に電動ファンを前回と同じ期間ON制御した場合における鏡面温度と内部空間の温度との差が、電動ファンの効用が逓減することとなる一定の範囲にまで接近することができるようにOFF期間が定められるのである。この条件が満たされない場合は、前回と同じON期間では、鏡面温度を内部空間の温度領域にまで上昇させることができなくなるため、ON期間を長くするように変化させなければならないことから、単純なON/OFF制御では足らず、フィードバック制御の必要性が生じることになるのである。
電動ファンは、日没後明け方に至るまでの期間、または昼夜を通じて上記のようにON/OFF制御される。したがって、この間における電動ファンの消費電力量は、ON期間を通算した範囲に削減される。なお、昼夜を通じて電動ファンを駆動する場合を含めるのは、単に、そうしても差し支えないということであり、電動ファンやバッテリの耐用期間を短縮する可能性も否定できないことから、好ましいことではない。ただし、昼夜を問題にしないことによって、充放電制御回路から、昼夜を判別する機能およびそのコストを削減することができるというメリットがある。
(解決手段2)
本発明の結露防止機能を有する道路反射鏡は、解決手段1に記載の発明を基本発明として、充放電制御回路が、電動ファンに対するON期間とOFF期間とのいずれか1方の期間または双方の期間を任意に変更することができるように回路構成されてことを特徴とする。
本発明の結露防止機能を有する道路反射鏡は、解決手段1に記載の発明を基本発明として、充放電制御回路が、電動ファンに対するON期間とOFF期間とのいずれか1方の期間または双方の期間を任意に変更することができるように回路構成されてことを特徴とする。
上記発明について説明する。電動ファンに対するフィードバック制御を採用することなく、単なるON/OFF制御とする場合、道路反射鏡が設置される地域特有の気象条件に適合することが困難な場合がある。そこで、このような場合においても電動ファンのON/OFF期間を可変とすることで設置地域の実情に対応させることができるのである。なお、ON/OFF期間の変更手段としては、タイマや可変抵抗素子、可変容量素子等、またはこれらの組合せによる任意の手段を採用することができ、例えば出荷前に任意に調節することができるものである。
(解決手段3)
本発明の結露防止機能を有する道路反射鏡は、解決手段1に記載の発明を基本発明として、充放電制御回路に電動ファンに対する複数のON/OFF制御パターンが設定器を介して選択可能に搭載されていることを特徴とする。
本発明の結露防止機能を有する道路反射鏡は、解決手段1に記載の発明を基本発明として、充放電制御回路に電動ファンに対する複数のON/OFF制御パターンが設定器を介して選択可能に搭載されていることを特徴とする。
上記発明について説明する。電動ファンに対するON/OFF期間は、前述したように道路反射鏡の設置地域の気象条件により個別に設定した方が好ましい場合がある。そこで、上記解決手段2のようにON/OFF期間を規定するための抵抗値や静電容量値変化させる手段の他、本手段のように例えば、寒冷地仕様のON/OFF制御パターン、温暖地仕様ON/OFF制御パターンのように、異なる複数のON/OFF制御パターンを設定器を介して選択可能に充放電制御回路に搭載しておくことによって、電気測定器等を使用することなく簡単に仕様変更することができて便利である。
(解決手段4)
本発明の結露防止機能を有する道路反射鏡は、解決手段1ないし解決手段3のいずれかに記載の発明を基本発明として、充放電制御回路は、電動ファンのON期間内において電動ファンをパルス幅変調方式またはパルス周波数変調方式によって駆動することを特徴とする。
本発明の結露防止機能を有する道路反射鏡は、解決手段1ないし解決手段3のいずれかに記載の発明を基本発明として、充放電制御回路は、電動ファンのON期間内において電動ファンをパルス幅変調方式またはパルス周波数変調方式によって駆動することを特徴とする。
上記発明について説明する。モータ駆動におけるパルス幅変調方式またはパルス周波数変調方式は、本来、モータに対する電力制御手段として考案された駆動方式であり、モータを一定周期または不定周期のパルス電力によって駆動することを特徴とし、この際の総合供給電力は、パルスのON時間とOFF時間との比率によって定まる。例えば、ON時間とOFF時間の比率が1:1であれば、モータに対する供給電力量を5割程度に抑えることができる。そこで、道路反射鏡における電動ファンのON期間内をさらにパルス幅変調方式またはパルス周波数変調方式によって駆動することによって、電動ファンの消費電力をより細かく調整可能とすることができる他、ON期間における電動ファンの回転数を道路反射鏡の内部空間の容量との関係で最も撹拌効率の良い回転数範囲に簡単に調節することができる。
本発明の結露防止機能を有する道路反射鏡は、日没後夜明けに至るまでの期間において、外気温の降下に遅れて温度降下する道路反射鏡の内部空間に電動ファンを設置し、内部空間の空気を電動ファンを駆動して撹拌し、鏡面温度と内部空間の温度とを同化することによって鏡面温度を外気温より相対的に高く維持するようにしてなる結露防止機能を有する道路反射鏡において、電動ファンによる鏡面温度と内部空間の温度との同化作用が逓減する所定のON期間経過後OFFし、外気温の低下に伴って低下する鏡面温度と内部空間温度とが乖離して電動ファンの温度同化作用が発揮される温度条件となった後に再び電動ファンをONする内容のON/OFF制御を反復するようにして電動ファンを駆動することにより、結露防止機能を低下させることなく電動ファンの消費電力をON期間の通算電力量相当にまで削減し、結露防止機能付きの道路反射鏡のコストを引き上げている主要原因部材である太陽光発電パネルの容量を大幅に削減する課題を達成した。
以下、図面を引用しながら本発明の結露防止機能を有する道路反射鏡(本実施の形態において以下単に「道路反射鏡」という)の実施の形態を説明する。
道路反射鏡は、太陽光発電パネルSPと反射鏡本体20とを主要部材としてなり、設置用の支持ポール1および連結用の取付けブラケット1A,1Bを備える(図1)。
太陽光発電パネルSPは、裏面側に支持ポール1の上端部にはめ込むキャップ1C付きのステー1Dを備え、支持ポール1の上端部に簡単に、かつ方向調節自在に取り付けることができる。
反射鏡本体20と支持ポール1を連結するための取付けブラケット1A,1Bは、支持ポール1の任意位置を把持して締め付け固定する取付けブラケット1Aと、反射鏡本体20に固定する取付けブラケット1Bとの組合せからなる。このような形態の金具は、いわば業界標準といえる構成であって、この取付けブラケット1A,1Bを利用することによって、反射鏡本体20の高さ位置と上下角を設置場所に応じて簡単に設定することができる。
反射鏡本体20は、樹脂製または金属製の一般的な鏡面21と、周縁部にフランジを有する浅いコーン型の鏡面裏蓋22との嵌め合せ構造からなり、両者間には、完全密閉とは言えないながらも簡易な気密状態を実現する内部空間Rが形成されている。この内部空間Rには、本発明の実質的な主要部である電装部材30が組み込まれている(図1,図2)。
電装部材30は、充放電制御回路35その他の必要な機構部材を搭載したプリント配線基板32と、電動ファン31、パック化された電源バッテリ33、その他の付属部材とからなる。その他の付属部材の主たるものは、昼間の外気温を蓄熱する金属塊である蓄熱部材24である。電装部材30を構成するこれらの部材は、電源バッテリ33を除き、通風性を確保できる間隔を維持するようにして、スペーサナットを介して上下にスタックされている。
電装部材30は、鏡面裏蓋22に対して1個のユニットとして取り付けることができ、電源バッテリ33は、1パックとして取り付けることができる。なお、電源バッテリ33は、充電して繰返し使用することができる2次電池としての機能を有するものであればよく、種類は限定されない。
プリント配線基板32に搭載される充放電制御回路35は、太陽光発電パネルSPと電動ファン31と電源バッテリ33とを電気的に統括制御し、必要に応じて2種類の設定器35A,35Bのいずれかを伴う(図3)。太陽光発電パネルSPで発電された電力は、充放電制御回路35を介して電源バッテリ33に供給され、電源バッテリ33に蓄えられた電力は、充放電制御回路33を介して電装ファン31に供給される。また、設定器35A,35Bは、充放電制御回路35の制御内容または設定を事後的に変更する機能を有する。
充放電制御回路35の機能は、電源バッテリ33に対する充電制御と電動ファン31に対する放電制御である。充電制御は、一般的な定電圧レギュレータおよび過充電防止用の浮動充電回路によって実現される。本発明では、電動ファン31の動作を夜間に限定していないのであるが、充放電制御回路35による充電動作は、太陽光発電パネルSPが本来の起電力を発揮する昼間において、電動ファン31が作動していない期間を選択して行われる。電動ファン31の駆動と充電動作を同時に実施する場合より太陽光発電パネルSPの容量を削減することができるからである。
充放電制御回路35による放電制御は、充電された電源バッテリ33によって電動ファン31を所定期間駆動して所定期間停止するON/OFF制御動作を反復することである。すなわち、放電回路の実体は、時間比率制御を基本とするモータ駆動回路であるといえる。また、このようなON/OFFタイミングの作成には、ICスイッチ、ICタイマ、時定数を形成する抵抗素子と容量素子との組合せ、マイクロコンピュータ等の素子が必要とされるON/OFF周期に適するように組み合わせて使用される。
充放電制御回路35には、設定器35A,35Bのいずれか一方が付属する。設定器35Aは、手動変更可能な可変抵抗素子や可変容量素子によって構成される調整設定器であり、ON/OFFタイミングを作成する回路中の素子の値を調整することによって、ON期間とOFF期間、これら双方を無段階的に変化させる機能を有する。
一方、設定器35Bは、プリント配線基板32上にディップスイッチD1ないしD6を備え、既に設定されている複数種類のON/OFF制御パターン中から任意のパターンを選択する機能を有する。この際、選択対象となるON/OFF制御パターンがどのような構成で作成されているか、例えば、プリント配線基板32の複数の配線パターンとして搭載されているか、異なる値の複数の抵抗素子や容量素子が選択可能に搭載されているか、ON/OFF制御パターンがプログラムされた複数のIC回路が選択可能に搭載されているかは任意である。
本実施の形態におけるプリント配線基板32には、ディップスイッチD1ないしD6によって選択する6種類のON/OFF制御パターンP1…P6が搭載され、道路反射鏡の設置地域の気象条件によっていずれかのパターンが選択される(図4)。
ディップスイッチD1に対応するON/OFF制御パターンP1は、サイクル周期T0に対するON期間T1が5%に設定されている。また、ディップスイッチD2に対応するON/OFF制御パターンP2は、サイクル周期T0に対するON期間T1が10%に設定されている。同様に、ディップスイッチD3に対応するものは20%に、ディップスイッチD4は33%に、ディップスイッチD5は50%に、ディップスイッチD6に対応するON/OFF制御パターンP6は100%に設定されている。
上記ON/OFF制御パターンP1…P6におけるサイクル周期T0および電動ファン31のON期間T1は、次のような基準によって定められる(図5)。
XY座標平面に時間Tと温度Sを設定し、道路反射鏡を設置する地域において、鏡面21に結露が発生する時期における日没後夜明けに至る時間帯の平均外気温S1と、平均露点S3とをプロットする。日没時刻T2後、鏡面温度S2を監視しながら電動ファン31を駆動し、鏡面温度S2の上昇が平均外気温S1に接近して頭打ち状態になる時刻T3を求め、電動ファン31を停止する。
電動ファン31を停止すると鏡面21からの熱放射によって鏡面温度S2が低下する。ここで鏡面温度S2が平均露点S3に一定の安全温度を加算した温度まで降下する時刻T4を求め、電動ファン31を再駆動する。電動ファン31が再駆動されると鏡面温度S2が再び上昇し、平均外気温S1に接近して頭打ち状態になる時刻T5を求める。以降、同様の操作を繰返し、電動ファン31がONされていた期間の平均値をON期間T1とし、このON期間T1に電動ファン31がOFFされていた期間の平均値を加えた期間をサイクル期間T0とする。ここで求められたサイクル期間T0とON期間T1とによって、この地域に設置する道路反射鏡用のON/OFF制御パターンが作成されるのである(図4)。
したがって、この地域においてこのような手順に従って作成されたON/OFF制御パターンP2よって電動ファン31が駆動される限り、鏡面温度S2が平均露点S3を下回ることなく、したがって道路反射鏡の結露防止機能を犠牲にすることなく、電動ファン31の消費電力をT1/T0にまで安全に削減することができる。
なお、本発明の道路反射鏡では、電動ファン31に対するON/OFF制御パターンにおけるON期間T1をパルス幅変調方式またはパルス周波数変調方式によって駆動することができる(図6)。この方式により電動ファン31の回転数を道路反射鏡の内部空間Rの容量に応じて最適化することができる他、電動ファン31の消費電力量をさらにデューティ比に応じて削減することができる。
SP 太陽光発電パネル
P1…P6 ON/OFF制御パターン
R 内部空間
30 電装部材
32 プリント配線基板
31 電動ファン
35 充放電制御回路
35A 調整設定器(設定器)
35B 選択設定器(設定器)
P1…P6 ON/OFF制御パターン
R 内部空間
30 電装部材
32 プリント配線基板
31 電動ファン
35 充放電制御回路
35A 調整設定器(設定器)
35B 選択設定器(設定器)
Claims (4)
- 鏡面と鏡面裏蓋との間に内部空間を有する道路反射鏡において、
前記内部空間に設置する電動ファンと、前記内部空間を含む道路反射鏡の任意箇所に設置する電源バッテリと、充放電制御回路と、前記電源バッテリを充電するための太陽光発電パネルとを備え、
前記充放電制御回路は、前記電源バッテリによって前記電動ファンを所定期間駆動して所定期間停止するON/OFF制御動作を反復することを特徴とする結露防止機能を有する道路反射鏡。 - 前記充放電制御回路が、前記電動ファンに対するON期間とOFF期間とのいずれか1方の期間または双方の期間を任意に変更することができるように回路構成されていることを特徴とする請求項1に記載の結露防止機能を有する道路反射鏡。
- 前記充放電制御回路に前記電動ファンに対する複数のON/OFF制御パターンが設定器を介して選択可能に搭載されていることを特徴とする請求項1に記載の結露防止機能を有する道路反射鏡。
- 前記充放電制御回路は、前記電動ファンのON期間内において前記電動ファンをパルス幅変調方式またはパルス周波数変調方式によって駆動することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の結露防止機能を有する道路反射鏡。
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KR20200004876A (ko) | 2017-07-27 | 2020-01-14 | 신지 미조베 | 반사경의 흐려짐 제거장치 |
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2010
- 2010-04-30 JP JP2010104995A patent/JP2011231573A/ja not_active Withdrawn
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