本発明の一実施形態を、図面を用いて以下に説明する。図1は、本実施形態の運行再開時刻予測装置の基本構成図である。
図1,図2に示すように、運行再開時刻予測装置400は、運行再開時刻推論エンジン100,運行再開時刻推論エンジン100に接続される運行ダイヤ管理装置110,運行再開時刻推論エンジン100に接続される運行支障事例データベース120,運行再開時刻推論エンジン100に接続される情報伝送装置130,情報伝送装置130と双方向の無線通信する情報端末140,141,142及び143で構成されている。情報端末140,141,142及び143は可搬できる携帯端末であり、鉄道運行に関連する部署に装備されている。
運行再開時刻推論エンジン100から運行支障事例データベース120へは経路455により情報の送達を行い、運行支障事例データベース120から運行再開時刻推論エンジン100へは経路445により情報を伝送する。運行再開時刻推論エンジン100から運行ダイヤ管理装置110には、経路405により運行再開予想時刻,支障発生時刻の出力を行う。運行再開時刻推論エンジン100から情報伝送装置130へは経路415により情報を伝達し、情報伝送装置130から運行再開時刻推論エンジン100へは経路425により情報を伝達する。
情報伝送装置130から情報端末140,情報端末141,情報端末142及び情報端末143に対して、逆に情報端末140,情報端末141,情報端末142及び情報端末143から情報伝送装置130に対しては、双方向の無線伝送経路431,432,433及び444を介して情報の伝達を行う。
運行再開時刻推論エンジン100は、例えば、ワークステーション,パーソナルコンピュータ,集積回路,ドランジス回路等によって構成される、情報の処理,情報判断,情報の入出力を実施できる装置によって構成される。
運行支障事例データベース120は、例えば、情報処理装置と、光磁気ディスク,ハードディスク,磁気テープ等の記憶媒体とその書き込み読み取り装置からなる記憶装置により構成される、情報の蓄積,情報の検索を実施できる装置と、ワークステーション,パーソナルコンピュータ,集積回路,ドランジス回路等により構成される、情報の処理,情報の判断,情報の入出力を実施できる装置によって構成される。
情報伝送装置130は、例えば、ワークステーション,パーソナルコンピュータ,集積回路,ドランジス回路等により構成される、情報の処理を行う装置と、有線信号の送受信装置,無線信号の送受信装置により構成される、情報の送信,情報の受信,特定あるいは全て情報端末との間で情報の送達,情報の受領が、実施できる装置によって構成される。
なお、運行再開時刻推論エンジン100,運行支障事例データベース120,情報伝送装置130の、情報の検索,情報の処理,情報の判断を実施する部分は、プログラム等で処理を分担することで、同一の装置により構成されてもよい。
情報端末140,141,142及び143は、液晶,LED,表示管等により構成され情報を表示できる装置,キーボード,タッチパネル,ボタン,ディプスイッチ等により構成され情報を入力できる装置,衛星通信,地上波通信,アナログ通信,デジタル通信,携帯電話帯域電波通信,専用周波数帯電波通信等の無線電波の送受信を実施できる送受信装置により構成され、情報の表示,情報の入力,情報の受信,情報の送信が実施できる装置となっている。なお、表示装置、及び、入力は一体化されるタッチパネル装置によって構成されることが望ましい。その場合、事象発生現場等の不安定な環境における入力動作を、より適切に実施できると考えられる。
情報伝送装置130と情報端末140,141,142及び143との通信は、同一周波数帯を時分割により使用することにより個別の通信を実施してもよいし、各端末で使用する周波数帯を割り当てることにより個別の通信を実施してもよい。いずれの場合でも、ほぼ同時間帯で、複数の端末間で通信を実施することができる。
各情報端末は、固有の情報を保持し、システム内で、いずれの端末であるかを認識できるものとする。また、当該固有番号と情報端末の存在位置を規定することにより、端末の存在位置を特定することもできるようになっている。
今、駅(ホーム)から人が転落し、列車と衝突する人身事故が駅構内で発生し、列車の運行が停止したものとする。また、最寄りの情報端末が、情報端末140であったとする。運行支障が発生してから、情報端末140に支障の内容(人身事故の内容)を入力し、経路431を介して無線通信により情報伝送装置130へ伝達する。伝達を受けた情報伝送装置130は、情報内容を経路415を介して、運行再開時刻推論エンジン100へ送る。
情報を受けた運行再開時刻推論エンジン100は、経路455を通じて送信される現場の状況に関する情報に基づき、運行支障事例データベース120から過去の類似ケースを検索し、検索した過去の類似ケースにおける運行再開までに要した平均時間と、その支障に対する対処の手順或いは対処項目とその所要時間の情報を、経路445を介して受信する。
検索結果を受けた運行再開時刻推論エンジン100は、当該現場の状況に関する情報と、過去の類似ケースにおいて運行再開までに要した平均時間,今回の運行支障の発生時刻と、それに過去の類似事例における所要時間を加えた運行再開予測時刻(第1報)として経路405を介して運行ダイヤ管理装置110に送る。
運行再開時刻推論エンジン100では、上述したように、発生した運行支障に関する情報を入手し、今回発生した運行支障に関する情報と、過去に発生した運行支障に関する情報を比較する。このとき、一例として、過去に運行支障解消各作業に要した時刻情報の積算を求め、今回の事象発生時刻と積算することにより、第1報の運行再開予測時刻を導出する。運行ダイヤ管理装置110は、その値に基づいて今後の状況を想定し、ダイヤの変更検討を繰り返す。
一方、運行再開時刻推論エンジン100は、送信された過去の類似事例における対処手順と所要時間の情報,過去の支障に対する対処項目を、経路425を介して情報伝送装置130に送り、経路431を介して情報端末140に伝達する。
情報を受け取った情報端末140は、当該手順情報,過去の対処項目,当該情報に基づきチェックリストを表示し、当該実施項目の進捗に併せて、実施したことを入力する画面を表示する。作業者は、表示された各手順に従って実施し、入力された項目情報と併せて、実施時刻の情報を、逐次、経路431を介して情報伝送装置130に送り、情報伝送装置130は、当該情報を経路425を介して運行再開時刻推論エンジン100に送る。
運行再開時刻推論エンジン100は、情報端末140から送信された手順項目と時刻の情報(以下、進捗情報という)に関する過去の統計情報(平均値や分散値)を、運行支障事例データベース120から受け取り、先に予測した運行再開時刻(第1報)に補正を加える。例えば、今回の対処が、過去の事例に対して、その分布範囲を超える場合には、必要な補正時分を加えた運行再開予測時刻(第2報)を導出し、運行ダイヤ管理装置110に送る。同様にして、各進捗情報が伝達されてきた時点で、運行再開時予測時刻(第n報:n>2)を逐次導出し、経路405を介して運行ダイヤ管理装置110に送る。
以上の処理を、当該事象に対する実施事項分繰り返し、運行再開時刻予測時刻の補正を繰り返す。但し、特に大きな偏差が無い場合は、実施しない。
このようにして、今回発生した運行支障(駅,人身事故)の運行再開時刻の予測を実施することができ、運行再開時刻の導出と必要な補正、現場に対する適切な手順の伝達と実際進捗の把握とを、併せて行うことにより、より精度の高い運行再開予想時刻の導出と、現場指示を実施できる。
又、運行障害発生時から運行再開までのプロセスが定型化でき、運行再開時刻を自動的に、かつ、適正に導出することができ、指令員の経験則による見積りに因っていた、運転再開時刻予想のバラツキを解消することができる。
それにより、その後の運転整理案作成の際、基準となる運行再開予測(システム的な導出を伴っていることから予測と表現)時刻が安定化することにより、運転整理案作成の負荷を軽減でき、運転整理案の適正度も向上する。
なお、図2においては、情報端末140,141,142及び143の4台を使用した例を示しているが、無線通信機能(通信情報量など)に余裕があり、情報伝送装置130が対応可能(通信路の構成可能数の範囲)であれば、より多くの台数を使用することができ、必要な現場にできる限りいきわたるように情報端末を用意することにより、支障発生時に速やかに対応可能になる。
又、情報端末140,141,142及び143と、情報伝送装置130との間に双方向通信に無線伝送を用いている例で説明したが、支障発生現場の近辺で使用できるのであれば、有線通信接続を用いても良く、その場合は、無線状況等通信環境の悪化に因らず、確実な情報伝送が可能になる。
図3に、図1に示す運行再開時刻予測装置400に、各種測量装置を設けた場合の構成図を示す。
図3に示すように、運行再開時刻予測装置400に加え、運行管理システムが具備している各種測量機器からの情報を収集する各種総量情報収集装置200,各種測量装置210,220が設置されている。各種測量情報収集装置200と各種測量装置210,220との間には、各種測量情報収集装置200から各種測量装置210,220へ測量情報を要求し、各種測量装置210,220から各種総量情報収集装置200へ測量情報を伝達する経路215が、各種測量情報収集装置200と運行再開時刻推論エンジン100との間には、運行再開時刻推論エンジン100から各種測量情報収集装置200へ情報の伝達を要求し、各種測量情報収集装置200から運行再開時刻推論エンジン100へ収集した各種測量情報群を伝達する経路205が設けられている。
各種測量装置220は、例えば、風向風力計,降水量計,降雪量計,積雪量計,橋桁検知装置(河川水量検知装置),落石検知装置,架線異物検知装置等であり、各種事象の測量を実施することができる。各種測量情報収集装置200は、メモリ,ハードディスクなどの短期記憶装置,情報の送受信装置など、情報の収集伝達を実施できる装置により構成される。
図3に示す例では、運行支障が発生した場合、各種測量装置210,220の情報が運行再開時刻推論エンジン100に送信され、運行再開時刻推論エンジン100は、運行再開予想時刻の補正を行い、運行ダイヤ管理装置110に送る。
例えば、降水量が規定の警戒水準を超えた場合、当該情報が各種測量装置210,220から経路205及び各種測量情報収集装置200を介して、運行再開時刻推論エンジン100に送られる。
運行再開時刻推論エンジン100は、上述した場合と同様にして、過去の事例に基づき運行再開時刻を予測し、経路405を介して出力する。同様にして、過去の実施内容を、情報端末140に伝え、必要な情報の収集も行う。引き続き、各種測量情報収集装置200から得る降水量の情報の推移,現地からの実施事項の進捗情報に基づいて、運行再開時刻を補正し、経路405介して運行再開予測時刻を出力する。
これにより、各種測量装置からの情報を活用して運行再開時刻の予測を実施することができる。この結果、現場情報端末だけでは得られない情報も加味することができるので、運行再開予想時刻の更なる精度の向上を期待できる。
又、各種測量装置からの正確な情報の推移に基づくことにより、より正確な予想時刻を導出すことができる。
なお、各種測量装置を備えたものを含めて運行再開時刻予測装置と呼んでもよい。
図4に、図3に示す運行再開時刻予測装置に、各種情報システムとの通信を行うインターネット情報収集装置300を備えた場合の構成図を示す。
図4に示すように、運行再開時刻推論エンジン100にインターネット情報を収集するインターネット情報収集装置300を接続し、公衆回線網310を介して各種情報システムと接続されている。
公衆回線網310とインターネット情報収集装置300との間には公衆回線網310から情報を伝達する経路315が、インターネット情報収集装置300と運行再開時刻推論エンジン100との間には、運行再開時刻推論エンジン100からの指示を伝達し、インターネット情報収集装置300からのインターネットから収集した情報を伝達する経路305が設けられている。
インターネット情報収集装置300は、ワークステーション,パーソナルコンピュータなど、公衆回線網310から経路315を介し、インターネットから情報を取得できる装置によって構成される。
この例では、運行支障が発生した場合、インターネット上から入手可能な気象情報などを受信し、受信した情報を基に、運行再開時刻推論エンジン100は、運行再開予想時刻の補正を行い、運行ダイヤ管理装置110に送る。
例えば、降水量が警戒水準を超えた場合、インターネット情報収集装置300に経路305を介してインターネットから気象情報を収集する指示を伝達する。伝達を受けたインターネット情報収集装置300は、関連する情報源をめぐり、降水量の現況と予報の情報を獲得する。獲得した情報は、経路305を介して、運行再開時刻推論エンジン100に送る。
運行再開時刻推論エンジン100は、上述したように、過去の事例に基づき運行再開時刻を予測し、経路405を介して出力する。同様にして、過去の実施内容を、情報端末140に伝え、必要な情報の収集も行う。引き続き、インターネット情報収集装置300から得る情報の推移、及び、現地からの実施事項の進捗情報に基づいて、運行再開時刻を補正し、経路405を介して運行再開予測時刻を出力する。
これにより、各種情報システムから与えられる情報を活用して運行再開時刻の予測を実施することができる。この結果、現場情報端末や、運行管理システムで用意している測量装置だけでは得られない情報も加味することができるので、運行再開予想時刻の更なる精度の向上を期待できる。
この場合、インターネットから得られる各種広域情報と、予報情報などからの参照情報の推移に基づくことにより、より多方面的な予測時刻を導出すことができる。
図5から図8を用いて運行再開時刻推論エンジン100について説明する。図5は、図1図及び図2に対応した運行再開時刻推論エンジンの構成図、図6は、図3に対応した運行再開時刻推論エンジンの構成図、図7は、図4に対応した運行再開時刻推論エンジンの構成図である。
図5に示すように、運行再開予測装置400の基本構成における運行再開時刻推論エンジン100は、情報の照査装置700,データベースの検索指示装置710,情報の受信装置720,情報の送信装置730,情報種別の分類装置740で構成される。
照査装置700と情報送信装置730には、送信の指示を伝達及び情報の伝達を行う経路705が、情報受信装置720と情報種類分別装置740の間には、情報受信装置720へ情報の受信を指示し、情報受信装置720から情報種類分別装置740への受信情報を伝達する経路715が、照査装置700と情報種類分別装置740との間には、受信情報を伝達及び伝達を指示する経路725が、照査装置700とデータベース検索指示装置710との間には、照査装置700からデータベース検索指示装置710に対して、検索条件情報と検索の指示を伝達する経路735及びデータベース検索指示装置710から検索結果を伝達する経路745が、それぞれ設けられている。
照査装置700,情報分別装置740及びデータベース検索指示装置740は、ワークステーション,パーソナルコンピュータ,集積回路,トランジスタ回路などにより、情報の処理,情報の伝達,情報の比較処理を実施できる装置によって構成される。なお、これら装置は、プログラミング等で処理を分担,使用する記憶領域の分担を実施することで、同一の装置で構成してもよい。
情報受信装置720及び情報送信装置730は、ワークステーション,パーソナルコンピュータ,集積回路,トランジスタ回路などにより、情報の伝達処理を実施することができる装置で構成される。なお、これら装置も、上記装置群と同様に、プログラミング等で処理を分担,使用する記憶領域の分担を実施することで、同一の装置で構成してもよい。
経路415を介して、情報端末からの情報を受信した情報受信装置720は、含まれる情報群を分類して、照査装置700に伝達する。照査装置700は、受け取った事例情報に基づき、過去の運行支障情報の中から類似の情報を獲得するために、経路735を介して、データベース検索指示装置710に送る。データベース検索指示装置710は、受け取った事例情報から、過去の類似事例の検索指示を、経路455を介して伝達する。
運行支障事例データベース120の検索結果は、経路445を介してデータベース検索指示情報710に伝達され、さらに経路745を介して照査装置700に送られる。照査装置700において、その類似性が判断される。データベースから獲得した情報に類似性があると照査装置700が判断した場合は、過去の類似例における運転再開予測時刻を、経路405を介して出力する。
類似例が無い場合(データベース検索指示装置710からの情報伝達が無い)には、今回の事例を新規事例として登録するため、経路735を経て、データベース検索指示装置710から経路455を介してデータベースに新規登録を指示する。
一方、過去の事例における実施内容情報を、経路705,情報送信装置730,経路125を介して、情端端末に向けて情報を伝達する。その情報に基づいて実施される作業の進捗情報(項目と実施時刻)が経路415,情報受信装置720,経路715,情報分別装置740,経路725を介して、照査装置700に伝達される。
照査装置700は、過去の事例の平均時間と分散から、今回の進捗が、過去の事例と同等の範囲内か否かを比較判断し、範囲外の場合、過去の事例の平均時間との差分を加味し、運行再開予想時刻の補正値として、経路405を介して出力する。過去の事例と同等の範囲内であった場合には、経路745,データベース検索指示装置710,経路445を介して、データベースに新規サンプルとして登録を指示する。これを、運行支障に関する実施項目全てが終了するまで実施し、運行再開が実施されるまで繰り返される。
なお、事例の類似性の判断に関しては、後述するデータベースの構成にもあるように、当初から、ある程度事例を分類しておき、その分類によって判別を行うので、全く新規に発生した事例以外は、類似性のある項目に適合することになる。
図6に示すように、運行再開予測装置に各種測量装置を備えた場合の運行再開時刻推論エンジン100は、図5に示す装置の他に測量装置からの情報の受信装置810,受信した情報から該当する情報種類を分別判断する情報種類分別装置820が設けられている。情報受信装置810と情報種類分別装置820との間は、経路815で接続されており、情報受信装置810から情報を情報種類分別装置820への伝達と、情報種類分別装置820から情報受信装置810を介し、経路205を介して各種測量装置に情報を要求する指示を伝達する。情報の照査装置800と、情報種類分別装置820及び情報種類分別装置740は、経路825で接続されており、照査装置800に受信した測量情報の種別とその内容を伝達する。
なお、照査装置800,情報の受信装置810,情報の分別装置820は,照査装置700,情報受信装置720,情報種類分別装置740と同等の装置により構成することができる。
上述したように、降水量が警戒水準を超えた場合、経路205,情報受信装置810,経路815,情報分類装置820及び経路825を介して、降水量の警戒水準超過とその規模の情報が、照査装置800に伝達される。それら情報を、図7で説明したのと同様に、比較判別処理を実施しながら、運行再開予測情報及び補正した運行再開予測情報を、経路405を介して出力する。
図8に示すように、図5に示す運行再開予測装置400の基本構成に、各種情報システムを備えた場合の運行再開時刻推論エンジン100は、図5に示す装置の他に、情報の照査装置900,インターネットからの情報の受信を周期的に指示する受信指示装置910,インターネットから情報を受信する情報受信装置920,受信したインターネット情報から必要情報を分別する情報種類分別装置930が設けられている。情報受信指示装置810と情報受信装置920との間には経路915が設けられ、情報受信指示装置810から定期的に、情報受信装置920に情報受信を促す情報を伝達する。情報受信装置920と情報の種類分別装置930との間には経路925が、情報の種類分別装置930と照査装置900との間には経路935が設けられ、経路925では、インターネットからの情報を伝達し、経路935では、インターネット情報ら分別された他情報を伝達する。
受信指示装置910は、計時機能を有し、定期的に信号を発信することができる装置により構成される。受信指示装置910は、前述同様に、ワークステーション,パーソナルコンピュータ,集積回路,トランジスタ回路等で構成することができる。なお、照査装置900,情報の受信装置920,情報の種類分別装置930は、照査装置700,情報受信装置720,情報種類分別装置740と同等の装置により構成することができる。
上述したように、降水量が警戒水準を超えた場合、受信指示装置910から経路915を介して定時的に情報の受信を指示されている情報受信装置920に、インターネット上に存在する当該異常降水量情報等を獲得する。その情報は経路925を介して情報種類分別装置930に伝達され、経路935を介して、照査装置900に伝達される。それら情報を、図7で説明したのと同様に、比較判別処理を実施しながら、運行再開予測情報及び補正した運行再開予測情報を、経路405を介して出力する。
図7に示すように、運行再開予測装置に各種測量装置及び各種情報システムを備えた場合の運行再開時刻推論エンジン100は、図6に示す装置の他に、情報の照査装置900,インターネットからの情報の受信を周期的に指示する受信指示装置910,インターネットから情報を受信する情報受信装置920,受信したインターネット情報から必要情報を分別する情報種類分別装置930が設けられている。ここで、照査装置1000,前述の照査装置800,照査装置900と同様の装置により構成される。
この実施例は、前述した基本構成700に、各種測量情報収集装置510,インターネット情報収集装置300を組み合わせたものである。
図7においては、経路725から現地情報端末140らからの情報,経路825を介して各種測量装置からの情報,経路935からインターネット情報を比較判断し、運行再開予想時刻を導出し、経路405を介して出力する。
なお、基本的に、特段の事情が無い場合、現地情報端末の情報に一番重みをおき、次に各種測量装置からの情報に重みをおき、インターネット情報に一番重みをおかない判断を実施する。
図9に、本実施例の事例データベースの構成を示す。
図9に示すように、データベースを構成するデータ構造1100は、検索対象データを伝達する経路1125を介してデータベースの検索要求を入力する検索要求入力装置1120と接続され、検索要求入力装置1120は経路455を介してDB検索指示装置710と接続されている。又、データベースを構成するデータ構造1100は、検索結果データを出力する経路1115を介してデータベースの検索結果を出力する検索結果出力装置1110と接続され、検索結果出力装置1110は経路445を介してDB検索指示装置710と接続されている。
データ構造1100において、事例データは、事例種別1130により事例によって分類木を構成する。続いて、発生場所1140により事例の発生場所によって分類木を構成し、以下順次,発生日時1150によって事例の発生した日時で分類木を構成し、発生規模1160によって事例の規模で分類木を構成する。その分類木の最下位には、実施項目情報1170を構成し、その中で、各実施内容と所要時間の組1180,1182,・・・等を構成し、その所要時間情報は、1181,1182・・・のように、平均値と分散値を持つ構造を構成している。
例えば、S駅T番線における人身事故が2009年12月27日16時16分に起き、被害者は1名で、車両の下に遺体が残される状況が発生したものとする。まず、事例種別1130は「人身事故」、発生場所1140は「S駅T番線」、発生日時1150は「2009年12月27日16時16分」、発生規模1160は「被害者1名,車両下」と分類木が構成される。その構成で、実施項目1170は、実施内容1180「警察へ連絡、即時」、実施項目1182「消防・救急への連絡、即時」・・・が構成される。この平均・分散1181,平均・分散1182・・・の積算に、発生時刻を加えることで、運転再開予測時刻を導出する。また、実施項目1170と現地動作の差異に基づき、運転再開予測時刻を補正するとともに、新しいサンプルとして、平均・分散に統計処理されることになる。
情報端末装置について図10により説明する。図10は、本実施例の情報端末の構成図である。
図10に示すように、情報端末1200は、無線情報伝送用のアンテナ3500,無線情報送受信装置1220,入力装置1230,表示装置1240,時計1250,長期記憶装置1260,短期記憶装置1270で構成される。
アンテナ3500には双方向無線伝送経路1265が、アンテナ3500と受信信号伝送経路1206との間には送信信号伝送経路1205及び受信信号伝送経路1206が、受信信号伝送経路1206と入力装置1230との間には送信情報の伝送経路1215が、入力装置1230と時計1250との間には時刻情報要求経路1225及び時刻情報獲得経路1226が、長期記憶装置1260から表示装置1240への情報伝送経路1235が、短期記憶装置1270から表示装置1240への情報伝送経路1245が、入力装置1230から短期記憶装置1270への情報伝送経路1257が、無線情報送受信装置1220から短期記憶装置1270の情報伝送経路1256が、短期記憶装置1270から無線情報送受信装置1220への情報伝送経路1255がそれぞれ設けられている。
無線伝送路1265は、衛星通信,地上波通信,携帯電話電波帯,特定周波数電波帯など、情報を無線伝送することができる通信経路によって構成される。
アンテナ3500は、衛星通信用,地上波通信用,携帯電話電波帯用,特定周波数電波帯用など、使用する無線伝送路1265に対応する通信を可能にするアンテナで構成される。
無線情報送受信装置1220は、集積回路,トランジスタ回路,真空管回路等で構成され、計算機内情報から無線信号への変調、及び無線信号から計算機内情報への変調を実施することができる装置によって構成される。
時計1250は、時計合せ電波に対応しかつ水晶発振等により正確に時刻を計時することができる装置により構成される。
長期記憶装置1260は、不揮発性のメモリ,ROM,1回書き込み光ディスク等により、電源の入り切り等では情報が失われることの無い情報を記憶する媒体と、集積回路,トランジスタ回路など、それら媒体からの情報の読み出しを実施することができる装置により構成される。
短期記憶装置1270は、RAM,ハードディスク,光磁気ディスク,磁気テープ,揮発性メモリなど、情報の書き込み読み出しが可能な媒体と、集積回路,トランジスタ回路などにより行為制される、それら媒体からの情報の読み出し、及び情報の書き込みを実施することができる装置により構成される。
入力装置1230は、キーボード,マウス,タブレット,タッチパネル,ペン入力,ボタン,スイッチなど、情報の入力を指示できる装置により構成される。
表示装置1240は、液晶,CRT,LED,発光ダイオード,電球灯火など、情報の表示できる装置により構成される。
なお、表示装置1230及び入力装置1240は、タッチパネルディスプレイにより、情報の表示と入力が可能な装置が望ましい。
情報端末1200が起動されると、長期記憶1260から経路1235を介して、操作画面の表示用情報が表示装置1240へ伝送される。表示用情報を受けた表示装置1240は、対応する表示を行う。表示装置1240の表示内容に基づき、情報端末の操作者は、入力装置1230より入力を行う。当該入力情報は、経路1257を介して短期記憶装置1270に記憶される。入力装置1230は、経路1225を介して時計1250からの時刻情報を受け取り、経路1215を介して当該時刻情報を無線情報送受信装置1220へ伝達する。短期記憶装置1270に記憶されている当該入力情報を、併せて送信することを経路1256を介して指示する。
情報の送信指示を受けた無線情報送受信装置1220は、時刻情報と入力情報を、併せて無線信号化し、経路1205を介してアンテナ3500に送り、無線伝送経路1265を介して送信する。
アンテナ3500は、無線伝送路1265を介して無線信号を受け取ると、経路1206を介して無線情報送受信装置1220に送り、計算機内情報に復号する。復号された情報は経路1255を介して短期記憶装置1270に送られ、表示情報化され、経路1245を介して表示装置1240に送る。表示情報を受け取った表示装置1240対応する表示を行う。表示装置1240に表示され、更新された表示情報に対して、再び、入力装置1230によって入力動作を繰り返す。
携帯端末である情報端末1200には、長期記憶1260に記憶されている初期画面情報が、経路1235を介して表示装置1240に表示される。当該画面に対して、発生した運行支障に関する情報を、入力装置1230から入力して、経路1257を介して短期記憶装置1270を記憶し、時計1250の現在時刻情報を経路1225を介して要求し、経路1226を介して、現在時刻情報を獲得し、経路1215を介して当該時刻情報を送る。短期記憶を1270から先に記憶させた運行支障に関する入力情報を、経路1256を介して受け取ることを指示し、当該時刻情報と当該運行支障に関する入力情報を無線送信するように、無線情報送受信装置1220に指示する。当該時刻情報と当該運行支障に関する入力情報は、経路1205,アンテナ1210,無線伝送経路1265を介して、運行再開時刻推論エンジン100に送る。
一方、運行再開時刻推論エンジン100から、実施項目情報の一覧に対応する情報を送信し、無線伝送経路1265,アンテナ1210,無線情報送受信装置1220,経路1255を介して受信した情報を、短期記憶に記憶する。経路1245を介して表示情報を受信した表示装置1240は、実施項目の一覧とチェック項目表示し、当該情報の実施チェックを入力装置1230で行う。
実施項目のチェック動作が入力されると、入力装置1230は、時計1250から経路1225を介して時刻情報を要求し、経路1226を介して時刻情報を受け取る。一方で、入力装置1230から入力されたチェック入力は、短期記憶装置1270に一旦記憶される。そして、時刻情報とチェック情報の伝送要求を、経路1215を介して無線情報送受信装置1220に送り、無線情報送受信装置1220は短期記憶装置1270から経路1256を介してチェック情報を受け取り、時刻情報とチェック情報を併せて、経路1205,アンテナ1210,無線伝送経路1265を介して、運行再開時刻推論エンジン100へ送る。この動作を、実施項目の全ての情報に関して実施が完了するまで繰り返す。そして、一連の作業を終了し、情報端末をシャットダウンすると、短期記憶1270にあった情報を消去して終了する。
図11に、本実施例の処理の流れを示す。本実施例は、3つの処理の流れから構成される。すなわち、情報端末の処理の流れ、運行再開時刻推論エンジンの処理の流れ、及び事例データベースの処理の流れである。
情報端末では、ステップ3300で開始され、ステップ3310で端末を起動する。ステップ3220で、情報の入力と運行再開時刻推論エンジン100への情報の伝達を行う。
一方、運行再開時刻推論エンジン100は、ステップ3301で開始され、ステップ3311で、情報端末からの伝達の有無を確認する。ここで、情報端末からの伝達が無い場合、経路3321を介し、再び、情報端末からの伝達を待つ処理を繰り返す。情報端末からの伝達があった場合は、ステップ3331へ進み、経路3391を介して事例データベースへの問合せ処理を行う。
一方、事例データベースでは、ステップ3302で開始され、ステップ3312で、運行再開時刻推論エンジン100からの問合せの有無を確認する。ここで、運行再開時刻推論エンジン100からの問合せが無い場合、経路3352を介して、再び、推論エンジンからの問合せを待つ処理を繰り返す。運行再開時刻推論エンジン100からの問合せがあった場合は、ステップ3322で、保有する情報群から、問合せの情報を検索・抽出する処理を行い、運行再開時刻推論エンジン100に対して、運行再開予測時刻を求めるための情報を伝達する。又、その後の補正に用いる現場作業の進捗表の情報を併せて伝達する。
情報を受け取った運行再開時刻推論エンジン100では、ステップ3341で、運行再開時刻(第1報)の出力処理を実施する。又、ステップ3351で、携帯端末に対して、作業の進捗をチェックする進捗表の情報を、経路3380を介して情報端末へ送る。
進捗表の情報を得た情報端末では、ステップ3320で、作業の進捗項目について入力を行い、ステップ3330で、運行再開時刻推論エンジン100に対して、作業の進捗項目についての情報を伝達する。
情報端末に進捗表を与えた運行再開時刻推論エンジン100では、ステップ3361で、情報端末からの情報(進捗項目の情報)伝達を待つ。情報端末からの情報が在る間は、ステップ3371で、予測補正処理を行い、経路3381を介して事例データベースに送り、経路3315を介して、再び、情報端末からの進捗項目の情報を待つ処理を繰り返す。
事例データベースでは、ステップ3332で、当該進捗項目の情報の平均値と分散値を求める。求めた平均値と分散値を、対応する進捗項目に併せて登録(上書き)処理を行い、経路3316を介して、再び、運行再開時刻推論エンジン100からの問合せを待つ処理を繰り返す。
運行再開時刻推論エンジン100の処理は、情報端末からの進捗情報の残件が無くなった時点で、経路3324を介して、最初の携帯端末からの情報伝達を待つ処理に戻って、繰り返す。情報端末の処理は、進捗項目を入力し、運行再開時刻推論エンジン100の処理への伝達を終了したならば終了3350に進み終了する。
図12は、運行ダイヤ管理装置110の画面例を示す図である。特に運転整理装置の画面例を示している。上述したように、運行ダイヤ管理装置110は、運行再開時刻予測装置400から運行支障の発生時刻及び運行再開予測時刻情報を経路405を介して受け取る。
運転整理装置の1つの画面には、運行支障が発生する以前のダイヤ(運行計画)3400が表示され、別の画面では運行支障が発生し、運行再開時刻が予想された以降のダイヤ3410が表示されている。一般に、画面表示は、縦軸方向が駅の並びを、横軸方向が時刻を表し、図34の左から右に向かって時刻が進むように表示されている。また、図34において、時刻3420は、運行支障が発生した時刻に対応する線、時刻3430は運行再開予想時刻に対応する線を表している。
平常時には、列車は、ダイヤ3400に従って、例えば、等間隔で整然と運行している。ここで、一例として、ある駅で人身事故が発生し、列車の運行ができなくなる場合を想定する。人身事故が発生した場合、発生現場(この場合は駅)から運行支障の発生事象に関する情報として、発生駅,発生時刻,事象の規模(ここでは、被害者の人数と支障する線路の本数),事象の状況(ここでは、被害者の状況、例えば、車両の下敷きなのか否かなど)が経路405を介して運行ダイヤ管理装置110に伝達される。運行支障の発生を伝達された運行ダイヤ管理装置110の運転整理装置には、運行支障発生時刻3420が表示される。
運行再開時刻予測装置400は、経路405を介して運行開始予想時刻又は運行再開予想時刻3430を出力する。
時刻3420から時刻3430の間は、列車の運行が停止するため、ダイヤ3510にあるように、その時間帯は、駅並び方向(上下方向)に進む線は無くなり、時刻方向に平行(水平方向)に進む線だけが存在することになる。これは、この時間帯の間、当該線に対応する列車は、当該駅間に停止し、その他の列車は、駅で停止していることを表す。
一方、運行再開予想時刻3430以降は、運行支障の発生により、本来走行しているはずの列車が存在しないため、運行が再開されても、本来の本数の列車運行を行うことはできない。そこで、運転整理を実施することにより、本来のダイヤを変更し、列車運転本数を増やすようにダイヤ操作を行い、当初のダイヤに近い状態へと近づけ、運行支障発生以前の運行状態へと戻していく(これをダイヤの平復という)。
このようにして、運行再開予測時刻を得ること、しかもなるべく正確に、なるべく早い段階で得ることにより、運行再開に先立って運転整理を実施(検討,準備)しておくことにより、運転再開以降のダイヤの平復もより、早く行うことが可能になる。
なお、本例では、折り返し変更等による列車の充当(ダイヤ上の列車に実際の車両を割り当てる)関係が確定していない状態でのダイヤを表示している。実際の運転整理では、速やかに充当関係を決定し、必要な列車本数が確保されることになるので、本例のように、運転本数の減少した状態は、短時間で解消する(特段の理由が無い限り、指令員が、そういう状態を放置することはない。)。
図13から図15により、本実施例の情報端末について説明する。図13(a)は、情報端末の初期画面で、発生支障項目の選択画面を、図13(b)は詳細項目選択画面を表している。
ここでは、図1に示す情報端末140を例にとり説明する。情報端末140は、無線通信用のアンテナ3500が設けられ、表示画面3510は、タッチパネルとなっている。表示画面には種別毎に選択項目3550,3560,3570及び3535等が表示される。それ以外の画面構成要素は、グラフィカルなボタン表示であり、パネルにタッチすることで、選択することができるようになっている。
この例では、表示画面3510において、発生支障項目3550として、人身事故3505のボタンを押下し、選択の確定を指示する実行ボタン3530を押下している。取り消す場合には、取り消しボタン3440を押下する。
支障項目3550が確定された場合、詳細項目を選択する表示画面3511に変更となる。ここで、人身事故項目−発生場所3560として、「駅構内」3515を選択し、人身事故項目−被害者数3570として、「1人」3525を選択し、人身事故項目−被害者状態として、「車両下」3535を選択し、確定ボタン「実行」3590を押下することとする。
これにより、情報端末140から、駅構内にて人身事故が発生し、被害者1名が、車両下に残っていることを伝達することになる。
当該情報が伝達された運行再開時刻推論エンジン100は、詳細な実施項目とチェックの情報を情報端末140に伝送してくる。その例を示したのが、図14に示す表示画面3600である。
この画面例では、詳細な実施項目とチェックの情報は、各実施項目3510と、そのそれぞれの実施確認チェック(未確認)3620,実施確認チェック(確認済み)3630,現在時刻表示3640等で構成される。この画面例では、警察署への連絡,消防・救急への連絡,警察の到着,救急車の到着の確認までがなされていることを示している。これらチェック動作は、チェック内容情報とその詳細時刻の情報が、併せて、運行再開時刻推論エンジン100に伝えられる。
図15は、情報端末からの情報に応じ、予測時刻を補正する状況を示す図である。表示画面3700において、上段,中段,下段では、実施項目と各チェック項目の実施確認チェック(確認済み)3719,3720及び3730の画面例を示している。このような、各チェック項目が完了と、実施項目の進捗状況に対応して上段,中段,下段の右側の運転整理装置の画面に、運行再開予測時刻3775,3785及び3795を勘案した場合のダイヤの状況を表している。
このように、各実施項目の実施時刻次第で、過去の事例との照査により、運行再開予想時刻が補正されることになる。
このように、情報端末からの情報に応じた予測時刻の補正を実現することができる。なお、本例では、便宜上、大きく補正が入った表示の例を示しているが、実際は、微変動の範囲内になるものと考えられる。
図16は、ある支障事例時の装置動作の例を示す。図16は、図11で説明した情報端末の処理の流れ、推論エンジンの処理の流れ、及び事例データベースの処理の流れの3つの流れを纏めて示した図である。
図16に示すように、例えば人身事故−駅ホームの発生事象1301により初期の情報端末の情報の入出力1300が行われ、運行再開時刻推論エンジン100への初期情報の伝達1310,データベースへの検索指示1320により、検索結果の受領1330,運行再開予測時刻の第1報の伝達1305が行われる。
情報端末への実施項目の伝達1340が行われ、当該事例に関する運行支障事例データベース上の統計情報1350、現地情報端末での実施項目とチェック時刻(計時)1360,実施項目の表示とチェック動作1370が行われる。
進捗情報1380が運行再開時刻推論エンジン100へ送られ、運行支障事例データベース中の情報との照査動作1390,運行再開予測時刻の第n報の伝達1315が行われる。そして、情報端末からの進捗情報の残件がなくなると、事象解消1302となる。
図17から図25は、図16に示す装置動作の入力例を示している。
図17は、支障事例(人身事故−駅ホーム)時の装置動作の例を示す。図17は、(1)(2)で情報端末の初期入力画面例を、(3)で進捗情報の入力画面例を示している。
情報端末では、図17の(1)で示すように、画面3810上で「人身事故」を選択して実行ボタンを入力することにより人身事故が設定され、(2)において、画面3811上で発生場所「駅構内」,被害者数「1人」,被害者状態「車両下」を入力し実行ボタンを入力することにより、駅構内,被害者1人,車両下がそれぞれ設定される。(3)に示すように、画面3812を通じて、作業の進捗情報が入力される。
図18は、支障事例(人身事故−踏切)時の装置動作の例を示す。情報端末では、図18の(1)で示すように、画面3810上で「人身事故」を選択して実行ボタンを入力することにより人身事故が設定され、(2)において、画面3811上で発生場所「踏切」,被害者数「1人」,被害者状態「車両外」を入力し実行ボタンを入力することにより、踏切,被害者1人,車両外がそれぞれ設定される。(3)に示すように、画面3812を通じて、作業の進捗情報が入力される。
図19は、支障事例(人身事故−駅中間)時の装置動作の例を示す。情報端末では、図19の(1)で示すように、画面3810上で「人身事故」を選択して実行ボタンを入力することにより人身事故が設定され、(2)において、画面3811上で発生場所「駅中間」,被害者数「1人」,被害者状態「車両外」を入力し実行ボタンを入力することにより、駅中間,被害者1人,車両外がそれぞれ設定される。(3)に示すように、画面3812を通じて、作業の進捗情報が入力される。
図20は、支障事例(人身事故−作業員)時の装置動作の例を示す。情報端末では、図20の(1)で示すように、画面3810上で「人身事故」を選択して実行ボタンを入力することにより人身事故が設定され、(2)において、画面3811上で発生場所「駅中間」,被害者数「3人」及び「作業員」,被害者状態「車両外」を入力し実行ボタンを入力することにより、駅中間,被害者3人及び作業員,車両外がそれぞれ設定される。(3)に示すように、画面3812を通じて、作業の進捗情報が入力される。
図21は、支障事例(信号機故障)時の装置動作の例を示す。情報端末では、図21の(1)で示すように、画面3810上で「信号機故障」を選択して実行ボタンを入力することにより信号機故障が設定され、(2)において、画面3811上で発生場所「出発」「1R」,内容「不転換」を入力し実行ボタンを入力することにより、信号機故障,出発,1R,不転換がそれぞれ設定される。(3)に示すように、画面3812を通じて、作業の進捗情報が入力される。
図22は、支障事例(踏切事故−車両)時の装置動作の例を示す。情報端末では、図22の(1)で示すように、画面3810上で「踏切支障」を選択して実行ボタンを入力することにより踏切支障が設定され、(2)において、画面3811上で発生場所「駅中間」「YYY」,内容「車両衝突」を入力し実行ボタンを入力することにより、踏切支障,駅中間,YYY,車両衝突がそれぞれ設定される。(3)に示すように、画面3812を通じて、作業の進捗情報が入力される。
図23は、支障事例(踏切事故−物体衝突)時の装置動作の例を示す。図23の(1)で示すように、画面3810上で「踏切支障」を選択して実行ボタンを入力することにより踏切支障が設定され、(2)において、画面3811上で発生場所「駅中間」「YYY」,内容「物体衝突」を入力し実行ボタンを入力することにより、踏切支障,駅中間,YYY,物体衝突がそれぞれ設定される。(3)に示すように、画面3812を通じて、作業の進捗情報が入力される。
図24は、支障事例(車両故障―走行不可)時の装置動作の例を示す。図24の(1)で示すように、画面3810上で「車両故障」を選択して実行ボタンを入力することにより車両故障が設定され、(2)において、画面3811上で発生場所「駅中間」「123.456K」を入力し実行ボタンを入力することにより、車両故障,駅中間,123.456Kがそれぞれ設定される。(3)に示すように、画面3812を通じて、作業の進捗情報が入力される。ここでは、チェックにより、自走不可であることを伝達している。
図25は、支障事例(車両故障−走行可能)時の装置動作の例を示す。図25の(1)で示すように、画面3810上で「車両故障」を選択して実行ボタンを入力することにより車両故障が設定され、(2)において、画面3811上で発生場所「駅中間」「123.456K」を入力し実行ボタンを入力することにより、車両故障,駅中間,123.456Kがそれぞれ設定される。(3)に示すように、画面3812を通じて、作業の進捗情報が入力される。ここでは、チェックにより、自走可能であることを伝達している。
図26は、ある支障事例時の装置動作の例を示す。図26に示すように、図16に示す例と同様であるが、本例では、インターネット情報収集装置から気象情報2293及び測量装置から関係する測量情報2292を伝達している。
図27から図29は、図26に示す装置動作の入力例を示している。
図27は、支障事例(気象影響−雨量)時の装置動作の例を示す。図27の(1)で示すように、画面3810上で「気象」を選択して実行ボタンを入力することにより気象が設定され、(2)において、画面3811上で項目「雨量」,時間雨量「32.2mm」を入力し実行ボタンを入力することにより、気象,雨量,32.2mmがそれぞれ設定される。(3)に示すように、画面3812を通じて、作業の進捗情報が入力される。
図28は、支障事例(気象影響−積雪)時の装置動作の例を示す。図28の(1)で示すように、画面3810上で「気象」を選択して実行ボタンを入力することにより気象が設定され、(2)において、画面3811上で項目「積雪」,時間雨量「20.0mm」を入力し実行ボタンを入力することにより、気象,積雪,20.0mmがそれぞれ設定される。(3)に示すように、画面3812を通じて、作業の進捗情報が入力される。
図29は、支障事例(気象影響−風速)時の装置動作の例を示す。図29の(1)で示すように、画面3810上で「気象」を選択して実行ボタンを入力することにより気象が設定され、(2)において、画面3811上で項目「風速」,風速「33.3m/s」を入力し実行ボタンを入力することにより、気象,風速,33.3m/sがそれぞれ設定される。(3)に示すように、画面3812を通じて、作業の進捗情報が入力される。
図30は、ある支障事例時の装置動作の例を示す。図30に示すように、図26に示す例と同様であるが、本例では、測量装置から関係する測量情報2292を伝達している。
図31は、支障事例(気象影響−河川増水)時の装置動作の例を示す。図31の(1)で示すように、画面3810上で「気象」を選択して実行ボタンを入力することにより気象が設定され、(2)において、画面3811上で項目「河川増水」,河川名「XX川」危険水位まで「1m」を入力し実行ボタンを入力することにより、気象,河川増水,XX川,1mがそれぞれ設定される。(3)に示すように、画面3812を通じて、作業の進捗情報が入力される。
図32は、支障事例(駅間支障−落石)時の装置動作の例を示す。図32の(1)で示すように、画面3810上で「進行障害」を選択して実行ボタンを入力することにより進行障害が設定され、(2)において、画面3811上で項目「落石」,位置「123.456K」を入力し実行ボタンを入力することにより、進行障害,落石,123.456Kがそれぞれ設定される。(3)に示すように、画面3812を通じて、作業の進捗情報が入力される。
図33は、支障事例(駅間支障−倒木)時の装置動作の例を示す。図33の(1)で示すように、画面3810上で「進行障害」を選択して実行ボタンを入力することにより気象が設定され、(2)において、画面3811上で項目「倒木」,位置「123.456K」を入力し実行ボタンを入力することにより、進行障害,倒木,123.456Kがそれぞれ設定される。(3)に示すように、画面3812を通じて、作業の進捗情報が入力される。
図34は、支障事例(駅間支障−路盤崩れ)時の装置動作の例を示す。図34の(1)で示すように、画面3810上で「進行障害」を選択して実行ボタンを入力することにより進行障害が設定され、(2)において、画面3811上で項目「路盤」,位置「123.456K」を入力し実行ボタンを入力することにより、進行障害,路盤,123.456Kがそれぞれ設定される。(3)に示すように、画面3812を通じて、作業の進捗情報が入力される。
図35は、支障事例(駅間支障−なだれ)時の装置動作の例を示す。図35の(1)で示すように、画面3810上で「進行障害」を選択して実行ボタンを入力することにより進行障害が設定され、(2)において、画面3811上で項目「雪崩」,位置「123.456K」を入力し実行ボタンを入力することにより、進行障害,雪崩,123.456Kがそれぞれ設定される。(3)に示すように、画面3812を通じて、作業の進捗情報が入力される。
図36は、支障事例(駅間支障−架線障害)時の装置動作の例を示す。図36の(1)で示すように、画面3810上で「進行障害」を選択して実行ボタンを入力することにより進行障害が設定され、(2)において、画面3811上で項目「架線」,位置「123.456K」を入力し実行ボタンを入力することにより、進行障害,架線,123.456Kがそれぞれ設定される。(3)に示すように、画面3812を通じて、作業の進捗情報が入力される。
図37は、支障事例(駅間支障−軌道上障害)時の装置動作の例を示す。図37の(1)で示すように、画面3810上で「進行障害」を選択して実行ボタンを入力することにより進行障害が設定され、(2)において、画面3811上で項目「陸橋」,位置「XX町陸橋」を入力し実行ボタンを入力することにより、進行障害,陸橋,XX町陸橋がそれぞれ設定される。(3)に示すように、画面3812を通じて、作業の進捗情報が入力される。