JP2011229296A - 超電導ケーブルの端部構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】超電導ケーブルを牽引して布設する際に、牽引張力を主としてコアで負担し、断熱管には負担し難くできる超電導ケーブルの端部構造を提供する。
【解決手段】撚り合わされた複数心のコア20と、内管11及び外管12の間を断熱空間とした二重管構造で、前記複数心のコア20を内管11内に弛みを持って収納する断熱管10と、各コア20の端部を一括して保持するコア保持部材7とを備える端部構造である。この端部構造は、断熱管10の端部につながる断熱管封止部材5と、この断熱管封止部材5の先端面に当て止めされる緩み調整部材6とを備える。コア保持部7は、各コア20が備えるフォーマ21の端部を把持する端部把持部材71と、これら端部把持部材71と連結されると共に、断熱管封止部材5を貫通して緩み調整部材6にねじ結合される進退部材72とを有する。緩み調整部材6を回転させることで進退部材72を断熱管10の軸方向に進退させ、コア20同士の撚り合わせの緩みを調整する。
【選択図】図1

Description

本発明は、超電導ケーブルの端部構造に関するものである。特に、超電導ケーブルの布設時、同ケーブルの牽引張力を主としてケーブルを構成するコアに作用させ、コアを収納する断熱管には作用し難くすることができる超電導ケーブルの端部構造に関する。
超電導ケーブルは、常電導ケーブルと比較して、大容量の電力を低損失で送電できることから、将来の送電網への利用が期待され、最近では、実験線路による実証試験が行われている。
この超電導ケーブルの代表的な構成としては、図3に示すように、断熱管10内に複数心のコア20を撚り合わせた状態で収納したものが挙げられる。断熱管10は、例えば内管11と外管12とを有し、両管11,12の間に断熱空間を形成した二重管構造とされる。内外管11,12には、通常、波付け加工されたコルゲート管が利用される。一方、コア20は、中心から順に、フォーマ21、超電導導体層22、絶縁層23、超電導シールド層24、常電導保護層25、絶縁保護層26を備えている。コア20の主要構成要素の具体例としては、フォーマ21には銅撚り線が、超電導導体層22・超電導シールド層24には、Bi2223系酸化物超電導線材を多層に巻回した超電導層が用いられる。そして、内管11内に液体窒素などの冷媒を流通させてコア20を冷媒内に浸漬し、超電導線材を超電導状態に維持して送電が行われる。
この冷媒の冷却によりコアが収縮するため、その収縮により過剰な張力が超電導線材に作用しないように、通常、コア同士の撚り合わせは、各コアの収縮代を考慮した緩みをもって行われている。
ところが、このような超電導ケーブルを牽引して、地中の管路内などに引き込む場合、コアに牽引張力が作用すると、その張力でコアの撚り合わせの緩みが締まる。そのため、従来は、主として断熱管に牽引張力を負担させることで超電導ケーブルの牽引を行っている。
例えば、特許文献1には、超電導ケーブルの牽引張力が断熱管に作用してコルゲート管が伸ばされることを抑制するために、断熱管の外周にステンレステープなどのテンションメンバを巻き付けることが開示されている。
また、特許文献2には、超電導ケーブルの牽引に伴うコアの撚り合わせの緩みが締まることを抑制するための超電導ケーブルの端部構造が開示されている。この端部構造は、断熱管の端部を塞ぐプーリングアイと、断熱管内でその軸方向に摺動可能な支持部材と、その支持部材を押圧する圧縮ばねとを備える。この支持部材には各コアのフォーマの端部が固定され、この支持部材とプーリングアイとの間に圧縮ばねを介在させることで、支持部材に軸方向内方(ケーブル端部から離れる方向)への押圧力を付与している。この押圧力により、超電導ケーブルの牽引に伴って断熱管が伸びても、その伸びに応じて圧縮ばねも伸びることで、支持部材を介してケーブルコアの端部を断熱管の軸方向に押圧し、コア同士の撚り合わせが締まることを抑制している。
特開2006-59695号公報 特開2009-124855号公報
しかし、これらの技術では、牽引張力を主として断熱管で負担することを前提としており、特許文献1に係るテンションメンバを用いた場合でも、ある程度の断熱管の伸びを許容せざるを得ない。本発明者らが牽引布設に適した超電導ケーブルの断熱管構造や端部構造を検討したところ、牽引張力を主として断熱管で負担することが必ずしも適切ではない場合があることが判明した。
例えば、特許文献1に係る技術では、断熱管の外周にテンションメンバを巻回する必要上、超電導ケーブルの外径が大きくならざるを得ない。しかし、断熱管の外径と管路の内径とのギャップが小さい場合には、この技術は採用できない。
また、特許文献2に係る技術では、超電導ケーブルの牽引に伴うコア同士の撚り合わせが締まることは抑制できるものの、管路の内径が小さい場合、断熱管にテンションメンバを用いなければ、相当程度の断熱管の伸びを前提とする他ない。通常、超電導ケーブルの断熱管は端部が封止されて二重管内を真空に保持して出荷されるため、断熱管の長さが変わることは実際布設長との差を生じ、好ましいことではない。
一方で、コアに牽引張力を負担させることに適した超電導ケーブルの端部構造は十分に検討されていない。一般に、プーリングアイは、断熱管の端部につながれていると共に、各コアのフォーマ端部とも連結されている。そのため、プーリングアイを単に牽引するだけでは、元々緩みを持って撚り合わされたコアに張力を作用させることは難しい。
また、ある程度コアに牽引張力を負担させるには、コア同士の撚りが比較的締まった状態としておくことが考えられる。しかし、コア相互の撚り合わせは、ケーブル製造後、布設現場に搬送されるまでの間に緩む場合がある。これは、コアの両端部がプーリングアイに連結されている一方、クリープ等により各コアに伸びが発生することがあり、その場合は断熱管内でコア同士の撚り合わせが緩むことになるからである。その結果、ケーブルの牽引を開始する際に、改めてコア同士の撚り合わせを締める必要があるが、そのような締め直しを布設現場で行う適宜な手段がない。そして、コア同士の撚り合わせをある程度締めた状態でコアに牽引張力を負担させて超電導ケーブルを布設したとしても、布設後に布設現場でコア同士の撚り合わせに緩みを形成する適宜な手段がなく、冷却時のコアの収縮代を確保することが難しい。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたもので、その目的の一つは、超電導ケーブルを牽引して布設する際に、牽引張力を主としてコアで負担し、断熱管には負担し難くできる超電導ケーブルの端部構造を提供することにある。
本発明者らは、超電導ケーブルの牽引布設時に、主としてコアに牽引張力を負担させるケーブル端部の構成を鋭意検討した。その結果、超電導ケーブルの断熱管内で、各コアの端部を断熱管の軸方向に進退でき、かつ所定の位置に保持できる機構を設けることで、ケーブルの牽引布設時はコア同士の撚り合わせを締まった状態とし、布設後には冷却時の収縮代を確保するためにコア同士の撚り合わせに緩みを形成できる、との知見を得て本発明を完成するに至った。
本発明の超電導ケーブルの端部構造は、互いに撚り合わされた複数心のコアと、内管及び外管の間を断熱空間とした二重管構造で、前記複数心のコアを内管内に弛みを持って収納する断熱管と、各コアの端部を一括して保持するコア保持部材とを備える超電導ケーブルの端部構造に係る。この端部構造は、前記断熱管の端部につながる断熱管封止部材と、この断熱管封止部材の先端面に当て止めされる緩み調整部材とを備える。また、前記コア保持部は、各コアが備えるフォーマの端部を把持する端部把持部材と、これら端部把持部材と連結されると共に、断熱管封止部材を貫通して緩み調整部材にねじ結合される進退部材とを有する。そして、前記緩み調整部材を回転させることで進退部材を断熱管の軸方向に進退させ、コア同士の撚り合わせの緩みを調整するように構成したことを特徴とする。
この構成によれば、緩み調整部材を回転させることで、進退部材を断熱管の軸方向に進退させることができる。それに伴って、進退部材に端部把持部材を介して連結される各コアの端部を進退させることができ、コア同士の撚り合わせの緩み具合を容易に調整することができる。そのため、ケーブルの牽引布設時は進退部材をケーブル端部側に移動させてコア同士の撚り合わせを締まった状態とし、布設後には進退部材をケーブル端部から離れる方向に移動させてコア同士の撚り合わせに緩みを形成し、冷却時の収縮代を確保することができる。
本発明の端部構造の一形態として、前記断熱管封止部材は、内管と外管の間を真空引きするための真空バルブを備えることが挙げられる。
この構成によれば、工場で超電導ケーブルを製造する際、真空バルブを介して断熱管を真空引きしながらベーキングし、内管と外管の間の水分などを十分に除去することができる。
本発明の端部構造の一形態として、前記断熱管封止部材は、内管と外管の間に乾燥ガスを吹き込むための断熱空間用ガスコネクタを備えることが挙げられる。
この構成によれば、ベーキングにより内管と外管との間から水分などを除去した後、内管と外管との間に断熱空間用ガスコネクタを介して乾燥ガスを封入して超電導ケーブルを出荷することができる。それにより、超電導ケーブルを製造後、布設するまでの間に、内管と外管との間に水分などが浸入することを抑制できる。また、超電導ケーブルを布設後、断熱管の長さ調整のために断熱管を切断して断熱空間の封止を開放する際、断熱空間用ガスコネクタから乾燥ガスを吹き流すことにより、内管と外管の間に水分などが浸入することを抑制できる。
本発明の端部構造の一形態として、前記進退部材は、内管内に乾燥ガスを吹き込むための冷媒空間用ガスコネクタを備えることが挙げられる。
この構成によれば、断熱管の断熱空間とは別に内管内の冷媒空間にも乾燥ガスを封入して超電導ケーブルを出荷することができる。それにより、内管内にも水分などが侵入することを抑制できる。
本発明の端部構造の一形態として、前記進退部材が断熱管封止部材を貫通する箇所の界面を気密にシールする内側シール部材を備えることが挙げられる。
この構成によれば、内管内の冷媒空間を気密にすることができ、内管内に乾燥ガスを封入した際に、その乾燥ガスが進退部材と断熱管封止部材との界面を介して漏洩することを抑制できる。
本発明の端部構造の一形態として、前記断熱管封止部材に連結されると共に、前記緩み調整部材にねじ結合されて、前記進退部材の先端部を覆うプーリングキャップと、前記断熱管封止部材とプーリングキャップとの界面を水密にシールする外側シール部材とを備えることが挙げられる。
この構成によれば、進退部材の先端部の周囲をプーリングキャップで覆って水密構造とできる。そのため、ケーブルの布設時、管路やマンホールでケーブルが水没しても、プーリングキャップ内に水が浸入することを防止できる。
本発明の超電導ケーブルの端部構造によれば、布設前後でコアの撚り合わせの緩み具合を調整することができ、超電導ケーブルを牽引して布設する際に、牽引張力を主としてコアで負担し、断熱管には負担し難くできる。
本発明の実施形態に係る超電導ケーブルの端部構造の部分断面図である。 (a)は図1のA-A’矢視図で、(b)図1のB-B’矢視図である。 超電導ケーブルの端部を示す斜視図である。
以下、本発明の実施の形態を図1〜図3に基づいて説明する。
〔概要〕
この超電導ケーブル1の端部構造は、断熱管と、断熱管内に収納される3心のコア20とを備える超電導ケーブル1の端部に形成される(図1)。この端部には、断熱管10の端部を封止すると共に、コア20の端部を保持して断熱管10の軸方向に進退させる機構が設けられている。その機構は、断熱管封止部材5、緩み調整部材6、及びコア保持部材7を有する。また、コア保持部材7は、端部把持部材71と進退部材72とを備える。そして、この機構の先端部は、超電導ケーブル1を牽引するためのプーリングキャップ8が取り付けられている。各部のより詳しい構成は、次の通りである。
〔超電導ケーブルとその端部〕
超電導ケーブル1は、公知の構成のケーブルなど、種々の構成のケーブルが利用できる(図3)。断熱管10の端部は、ケーブルの布設箇所における実際布設長に合わせて断熱空間を真空に封止してもよいし、実際布設長よりも長く断熱管10を構成しておき、布設現場で断熱管10の端部を切断して長さ調整をし、その現場で断熱空間を真空引きしてもよい。本例では、実際布設長に対して余長を持った後者の形態について説明している。実際布設長は、超電導ケーブルの布設経路などから求めた長さで、その経路に実際にケーブルを布設したときに必要となるケーブル長のことである。
(断熱管)
断熱管10は、内管11と外管12との間に断熱空間を形成した二重管構造である。両管の各々は、ステンレス製のコルゲート管が利用できる。また、断熱空間は、ケーブル出荷時には、乾燥ガス、例えば窒素ガスなどの乾燥不活性ガスや乾燥空気を封止したり、真空とした状態にされ、ケーブル布設後の送電時には、真空状態とされる。そして、断熱空間内には、スーパーインシュレーション(商品名)などの断熱材を配置できる。
(コア)
各コア20は、中心から順に、フォーマ21、超電導導体層22、絶縁層23、超電導シールド層24、常電導保護層25、絶縁保護層26を備える。フォーマ21には、素線絶縁した複数の銅素線の撚り線が利用できる。超電導導体層22及び超電導シールド層24は、Bi2223系超電導テープ線材を多層に巻回することで形成されている。また、絶縁層23は、PPLP(登録商標、Polypropylene Laminated Paper)を巻回することで形成されている。これらのコア20は、互いに撚り合わされた状態で断熱管10に収納されている。この撚り合わせには、ケーブルの冷却に伴う収縮分を吸収できる緩みを持たせている。
(接続内管と接続外管)
断熱管10の内管11の端部には接続内管3が、外管12の端部には接続外管4が接続される。これらの接続管は、いずれもステンレス製のストレート管で、超電導ケーブル1の先端側は断熱管封止部材5に接合される。本例では、接続内管3を内管11の内側に、接続外管4を外管12の外側に固定している。この構成により、接続内管3と接続外管4の間を広く確保し、断熱管封止部材5に設けられる真空バルブ56の径を大きくできるようにして、効率的な真空引きを可能にしている。なお、接続外管4の後端部と外管12の外周面との間には、接続外管4の厚み分の段差が形成されているが、実際は、外管12の外周に防食層が形成されており、接続外管4の外径は、その防食層の外径と実質的に等しい。そのため、断熱管10(防食層)、接続外管4、プーリングキャップ8は、実質的に等外径で各部の間に段差があるわけではない。
〔断熱管封止部材〕
断熱管封止部材5は、内外管11,12の間の断熱空間を封止すると共に、進退部材72と組み合わされて、内管11内の冷媒空間も封止する。本例では、中心部に進退部材72が貫通する貫通孔51を持った環状の金属部材で断熱管封止部材5を構成している。この断熱管封止部材5の内周には、進退部材72との界面を気密にシールするOリングの嵌合溝53が軸方向に一対並んで設けられ、外周には、プーリングキャップとの界面を水密にシールするOリングの嵌合溝55が一つ設けられている。
また、この断熱管封止部材5は、先端面(図1の左側)から後端面(図1の右側)に抜けて断熱空間に連通する貫通孔が形成され、先端面における貫通孔に対応する位置に真空バルブ56が設けられている。この真空バルブ56は、断熱空間内を真空引きする際に利用され、本例では真空シールオフバルブを用いている。本例では、図2(a)に示すように、単一の真空バルブ56を設けているが、複数の真空バルブを設けてもよい。
さらに、断熱管封止部材5は、乾燥ガスを断熱空間に導入するための断熱空間用ガスコネクタ57も備えている。このガスコネクタ57も、断熱管封止部材5に、その先端面(図1の左側)から後端面(図1の右側)に抜けて断熱空間に連通する貫通孔(図示略)を形成しておき、先端面における貫通孔に対応する位置に設けられている。本例では、図2(a)に示すように、2つの断熱空間用ガスコネクタ57と真空バルブ56が、断熱管封止部材5の周方向に等間隔となるように設けられている。もっとも、断熱空間用ガスコネクタ57の数が2つに限定されるわけではない。
〔緩み調整部材〕
緩み調整部材6は、回転させることで、後述する進退部材72を断熱管10の軸方向に進退させるための部材である。ここでは、ほぼ円筒状の金属部材で、後端側が断熱管封止部材5の先端面に当て止めされる。その内周面の先端側には、進退部材72にねじ結合される雌ねじ62が形成され、外周面の先端側にはプーリングキャップ8の内フランジ部83とねじ結合される雄ねじ61が形成されている。一方、緩み調整部材6の後端側には、内外周面共にねじ面は形成されていない。そのため、このねじ面が形成されていない箇所は、進退部材72(筒状本体部721)との間に隙間を形成している。このように、緩み調整部材6の先端側にねじ面を形成し、後端側に断熱管封止部材5との当接面を形成することで、進退部材72とねじ結合する軸方向の長さを短縮して緩み調整部材6の回転抵抗を小さくし、かつ緩み調整部材6をレンチなどの工具で回転させる際に真空バルブ56や断熱空間用ガスコネクタ57に工具が干渉しないようにできる。
この緩み調整部材6の回転は、プーリングキャップ8を取り外した状態で行われる。その際、レンチなどの工具で緩み調整部材6を回転し易いように、緩み調整部材6の外周面に把持面(図示略)を形成しておくことが好ましい。本例では雄ねじ面が形成されている外周面における径方向に対向する箇所に部分的に平面を形成して把持面としている。
〔コア保持部材〕
コア保持部材7は、各コアのフォーマ21の端部を一括して保持し、フォーマ21の端部に接合される端部把持部材71と、これらの端部把持部材71を所定間隔で環状の配列状態に保持する進退部材72とを備える。
(端部把持部材)
端部把持部材71は、一端側(後端側)にフォーマ21が挿入される挿入孔711を備え、他端側(先端側)は棒状の雄ねじ部712を備える。フォーマ21の端部は、前記挿入孔711に挿入され、端部把持部材71の一端側を圧縮することで端部把持部材71と接合される。一方、他端側の雄ねじ部712は、後述する進退部材72の環状係合部723と結合される。
(進退部材)
進退部材72は、緩み調整部材6の回転に伴って断熱管10の軸方向に進退されるほぼ棒状の部材である。本例の進退部材72は、先端側から他端側に至る連通孔724を有する筒状本体部721と、その筒状本体部721の後端側において、外周面に等間隔で固定された3つの環状係合部723とを備えている(図1)。筒状本体部721と環状係合部723の固定は溶接などで行えばよい。各環状係合部723には、端部把持部材71の雄ねじ部712が貫挿され、環状係合部723の両端面を雄ねじ部712にねじ結合する一対のナット73で締め付けて挟み込むことで、各フォーマ21の端部を筒状本体部721に固定することができる。筒状本体部721の先端側の外周面には、緩み調整部材6の雌ねじ62にねじ結合される雄ねじ726を備える。この筒状本体部721は、断熱管10のほぼ中心部において断熱管封止部材5を貫通し、この封止部材5を挟んで後端側に環状係合部723が、先端側に雄ねじ726が位置される。また、筒状本体部721の先端には、貫通孔51につながって内管11内の冷媒空間に乾燥ガスを導入するための冷媒空間用ガスコネクタ77が設けられている。そして、筒状本体部721の先端側の雄ねじ726には、止めナット75がねじ結合されて、緩み調整部材6の抜けを防止している。
〔プーリングキャップ〕
プーリングキャップ8は、断熱管封止部材5と緩み調整部材6の外周に嵌め込まれることで、断熱管封止部材5の先端側の空間を封止する部材である。本例のプーリングキャップ8は、断熱管封止部材5の外周に嵌められる筒部81と、筒部81の先端面に一体化された半円板で、フック孔821を有する掛合片82と、筒部81の内周面に接合され、内周側に突出する環状の内フランジ部83を備えている。フック孔821は、超電導ケーブル1を牽引する際にフックを掛けるために用いられる。筒部81の開口近傍には、周方向にわたって複数のボルト孔811が設けられている。このボルト孔811にボルト(図示略)をねじ込むことで、プーリングキャップ8を断熱管封止部材5に密着して固定することができる。また、内フランジ部83の内周面には、緩み調整部材6の雄ねじ61にねじ結合する雌ねじ831が形成されている。
〔組立手順〕
以上の超電導ケーブル1の端部構造は、次の手順により組み立てられる。
まず、各コア20の端部からフォーマ21を露出させておき、その露出箇所に端部把持部材71の挿入孔711を嵌め込んで同把持部材71を外周から圧縮し、端部把持部材71をフォーマ21の端部に固定する。そして、その端部把持部材71の雄ねじ部712に一つのナット73を仮嵌めしておく。
次に、進退部材72を用意して、その環状係合部723を端部把持部材71の雄ねじ部712の外側に嵌め込み、雄ねじ部712の先端側にもう一つのナット73をねじ込んで、両ナット73で環状係合部723の両端面を挟みつけ、フォーマ21の端部を進退部材72に連結する。
一方、断熱管封止部材5の先端面に真空バルブ56、断熱空間用ガスコネクタ57を溶接しておき、その断熱管封止部材5に接続内管3の一端部を溶接する。
この断熱管封止部材5を進退部材72の先端側からその外周に嵌め込み、断熱管封止部材5を進退部材72の先端側と後端側との間に位置させる。その際、断熱管封止部材5の内周側の嵌合溝53にはOリングを嵌め込んでおく。さらに、接続内管3の他端部を断熱管10の内管11の内周に溶接する。
次に、接続外管4を断熱管封止部材5の先端側から嵌め込み、その接続外管4の先端部を断熱管封止部材5の外周面に、後端部を断熱管10の外管12の端部に溶接する。
続いて、進退部材72の雄ねじ726の外周に緩み調整部材6をねじ結合させる。この緩み調整部材6は、その後端面を断熱管封止部材5の先端面に当て止めした状態で回転させることで、進退部材72を回転することなく先端側(図1の左側)に移動させることができる。緩み調整部材6を逆に回転すれば、進退部材72を回転することなく断熱管10の奥側(図1の右側)に移動させることができる。
緩み調整部材6の回転により進退部材72の進退位置を調整したら、冷媒空間用ガスコネクタ77から乾燥窒素ガスなどを吹き込んで封止する。また、真空バルブ56を介して断熱空間も真空引きしながらベーキングを行って、断熱空間内の水分などを除去する。さらに、断熱空間用ガスコネクタ57から乾燥窒素ガスを断熱空間に吹き込み、その状態で断熱空間を封止する。
そして、断熱管封止部材5の外周面の嵌合溝55にOリングを嵌め、プーリングキャップ8の内フランジ部83を緩み調整部材6の雄ねじ61にねじ結合させると共に、筒部81の開口側を断熱管封止部材5の外周に嵌め込み、ボルト孔811にボルトをねじ込む。
超電導ケーブル1の端部構造は、以上の手順で組み立てられるが、布設現場で断熱管10の端部を切断して長さ調整を行う場合は、例えば、次のようにすればよい。
断熱管10の余長部分以外の箇所に真空ポートを形成する。この真空ポートは、例えば外管12の径方向外方に突出するように設ければよい。この真空ポートの形成時、断熱管10の断熱空間は開放されるが、断熱空間用ガスコネクタ57から乾燥ガスを吹き流しながら真空ポートの形成作業を行うことで、断熱空間内に水分などが浸入することを防止できる。
次に、余長部分を所定の長さ切断して、その切断端面を封止する。そして、真空ポートから断熱空間内を所定の真空度に真空引きすればよい。
〔コアの緩みの調整手順〕
コア20同士の撚り合わせの緩みの調整は、プーリングキャップ8が取り外された状態で、緩み調整部材6の回転程度を調整することで行う。
ケーブル1を工場で製造して出荷する際には、プーリングキャップ8を装着する前に緩み調整部材6を回転させ、例えば、コア20同士の撚り合わせをある程度締めた状態として、超電導ケーブル1を牽引した際に、牽引張力をコア20のフォーマ21に分担させることができるようにしておく。
ケーブル1を布設現場に搬入して、牽引布設を行う際には、プーリングキャップ8を一旦取り外して、予めコア20同士の撚り合わせを増し締めしておく。これは、クリープ等により各コア20に伸びが発生することがあり、その場合、断熱管10内でコア20同士の撚り合わせが経時的に緩むためである。どの程度増し締めするかは、予めどのような長さの超電導ケーブル1において、どの程度の経時的な緩みが生じるかを調べておき、その結果に基づいた長さ分とすればよい。そして、増し締めを行った後にプーリングキャップ8を装着して超電導ケーブル1の牽引布設を行う。
ケーブル1を布設後、緩み調整部材6を増し締めした際とは逆方向に回転させ、進退部材72を断熱管10の奥方向に移動させ、布設時に締め付けられたコア20の撚り合わせに緩みを持たせる。
〔作用効果〕
上述した本発明の超電導ケーブルの端部構造によれば、次の効果を奏することができる。
緩み調整部材を回転させることで、進退部材を断熱管の軸方向に進退させ、それに連動して各コアの端部を進退させることができる。そのため、コア同士の撚り合わせの緩み具合を、ケーブルの布設前後に求められるコアの撚り合わせの状態に応じて容易に調整することができる。それにより、ケーブルの牽引布設時、コアに牽引張力を負担させることができる。その際、牽引張力は、フォーマで負担し、超電導線材には実質的に作用しないようにすることができる。さらに、ケーブル布設後には、冷却によるコアの収縮分を吸収できる緩みをコアの撚り合わせに形成することができる。
断熱管封止部材に真空バルブを設けることで、断熱空間内を真空引きしながらベーキングでき、断熱空間内の水分などを十分に除去してケーブルを出荷できる。
断熱管封止部材に断熱空間用ガスコネクタを設けることで、断熱空間内に乾燥ガスを封入してケーブルを出荷できる。また、ケーブル布設現場で断熱空間を開放する際には、断熱空間用ガスコネクタから断熱空間内に乾燥ガスを吹き流すことで、断熱空間内への水分などの侵入を抑制できる。
進退部材の端部に冷媒空間用ガスコネクタを設けることで、内管内に乾燥ガスを封入して水分などの浸入を防止した構造にてケーブルを出荷することができる。
進退部材と断熱管封止部材との間、及びプーリングキャプと断熱管封止部材との間をシールすることで、超電導ケーブルの端部を水密構造にすることができる。
なお、上述した実施形態は、本発明の要旨を逸脱することなく、適宜変更することが可能であり、上述した構成に限定されるものではない。
本発明の超電導ケーブルの端部構造は、超電導ケーブルの牽引布設に好適な構造である。
1 超電導ケーブル
10 断熱管 11 内管 12 外管
20 コア
21 フォーマ 22 超電導導体層 23 絶縁層 24 超電導シールド層
25 常電導保護層 26 絶縁保護層
3 接続内管 4 接続外管
5 断熱管封止部材
51 貫通孔 53 嵌合溝 55 嵌合溝
56 真空バルブ 57 断熱空間用ガスコネクタ
6 緩み調整部材
61 雄ねじ 62 雌ねじ
7 コア保持部材
71 端部把持部材 711 挿入孔 712 雄ねじ部
72 進退部材
721 筒状本体部 724 連通孔 726 雄ねじ
723 環状係合部
73 ナット
75 止めナット
77 冷媒空間用ガスコネクタ
8 プーリングキャップ
81 筒部 811 ボルト孔
82 掛合片 821 フック孔
83 内フランジ部 831 雌ねじ

Claims (6)

  1. 互いに撚り合わされた複数心のコアと、内管及び外管の間を断熱空間とした二重管構造で、前記複数心のコアを内管内に弛みを持って収納する断熱管と、各コアの端部を一括して保持するコア保持部材とを備える超電導ケーブルの端部構造であって、
    前記断熱管の端部につながる断熱管封止部材と、
    この断熱管封止部材の先端面に当て止めされる緩み調整部材とを備え、
    前記コア保持部は、
    各コアが備えるフォーマの端部を把持する端部把持部材と、
    これら端部把持部材と連結されると共に、断熱管封止部材を貫通して緩み調整部材にねじ結合される進退部材とを有し、
    前記緩み調整部材を回転させることで進退部材を断熱管の軸方向に進退させ、コア同士の撚り合わせの緩みを調整するように構成したことを特徴とする超電導ケーブルの端部構造。
  2. 前記断熱管封止部材は、内管と外管の間を真空引きするための真空バルブを備えることを特徴とする請求項1に記載の超電導ケーブルの端部構造。
  3. 前記断熱管封止部材は、内管と外管の間に乾燥ガスを吹き込むための断熱空間用ガスコネクタを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の超電導ケーブルの端部構造。
  4. 前記進退部材は、内管内に乾燥ガスを吹き込むための冷媒空間用ガスコネクタを備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の超電導ケーブルの端部構造。
  5. 前記進退部材が断熱管封止部材を貫通する箇所の界面を気密にシールする内側シール部材を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の超電導ケーブルの端部構造。
  6. 前記断熱管封止部材に連結されると共に、前記緩み調整部材にねじ結合されて、前記進退部材の先端部を覆うプーリングキャップと、
    前記断熱管封止部材とプーリングキャップとの界面を水密にシールする外側シール部材とを備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の超電導ケーブルの端部構造。
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