JP2011228863A - スピーカ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ムービングマグネット方式のスピーカにおいて、エッジが存在したために、振動板の振幅が制約され、小型化が妨げられていた。
【解決手段】ムービングマグネット方式のスピーカにおいて、振動するマグネットとコイルの間に磁性流体を用いることで、エッジを省略することができ、小面積大振幅を実現できる。よって、限られた容積のスピーカにおいて豊かな低音を再生することを可能とする。
【選択図】図1
【解決手段】ムービングマグネット方式のスピーカにおいて、振動するマグネットとコイルの間に磁性流体を用いることで、エッジを省略することができ、小面積大振幅を実現できる。よって、限られた容積のスピーカにおいて豊かな低音を再生することを可能とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、マグネットを含む振動板を振動させ、音を再生するスピーカ装置に関するものである。
AV機器の小型化に伴い、内蔵されるスピーカにも小型化が要求されている。しかし、スピーカのキャビネット容積が小さくなると、キャビネット容積に反比例して空気のスティフネスが大きくなって振動板の動きが抑制され、低音の再生能力が低下する。
同じ大きさの音を再生する場合、空気のスティフネスは振動板の面積に比例するため、小容積スピーカで低音を再生するには小面積大振幅な振動板が有利である。
振動板が大振幅で振動するためには、大きく2つの課題がある。1つは振動する振動板をフレームとの間で支持するエッジとダンパ、いわゆる支持系の問題である。エッジやダンパが大振幅に対応するには振幅時の非線形性の問題からサイズを大きくしなければならない。特にエッジは振動板を支持するとともに、振動板前後の空気を遮蔽する役割も担っているため、大振幅時に対応した小型化は困難である。これはスピーカの小型化に矛盾する。もう1つは、コイルとフレーム間を電気的に接続する引き出し線の問題である。引き出し線は繰り返し大振幅な振動にさらされると疲労破壊し、断線する。上記2つの理由により、小面積、かつ、大振幅で振動する振動板を実現することは困難であった。
そこで、マグネットを含む振動板を振動させ、音を再生するムービングマグネット方式のスピーカが提案されている(例えば、特許文献1参照)。図12を例にとって、ムービングマグネット方式のスピーカ動作を説明する。1はマグネット、2a、2bはマグネットの両面に固着されたプレート、3はマグネットの外側に配置された固定コイル、18は振動板、19はセンターキャップ、16は振動板を支持するダンパ、17は振動板を支持し、かつ空気を遮断するエッジである。マグネットより発生した磁束のほとんどは上側プレート2aを通り、コイル3を通って、プレート2bに戻る。このため、コイル3に電流を流すと、フレミング左手の法則より、マグネット1を動かす力が発生し、振動板が駆動される。なお、上側コイルと下側コイルに流れる電流の向きは逆方向とする。この方式の特徴はコイル3が固定されていることにより、コイルの引き出し線が振動することがなく、振動による変形疲労によりコイル引き出し部が断線することがない点で有利である。よって、コイルの断線を危惧することなく振動板を大振幅で振動させることができる。
しかし、マグネット1がコイル3の高さ以上に大きい振幅で振動すると、マグネットによる磁束がコイル配置位置を外れてしまい、スピーカへ駆動力が生じなくなる。そこでムービングマグネット方式を利用したスピーカとして、コイルを複数用いるものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。図13において、3は複数のコイル、4はヨーク、16はダンパ、18は振動板、17はエッジ、21は駆動制御装置である。駆動制御装置21はスピーカに印加される信号成分から振動するマグネットの位置を予想し、磁束密度がより高い位置にあるコイルを駆動することで、駆動効率を良くするものである。これによりマグネットが大振幅で振動し、磁束分布が大きく変化したときも効率のよいスピーカ駆動が可能となる。
しかしながら、前記従来のスピーカにおいては、エッジ17は振動板を支持しつつ、空気を遮断する機能を有するため、振動板の外側全周を囲むように配置されなければならない。ここで、振動板の大振幅な振動を実現するには、エッジ17のロール部の長さを大きくとらなければならないため、エッジロール部の半径が大きくなり、よってエッジ幅を大きくすることが必要となる。エッジ幅を大きくするとスピーカ外径の大型化につながるため、小型スピーカではエッジ幅を十分取れず、振幅が制限されてしまうという課題があった。
本発明の目的は、前記従来の課題を解決し、小容積で低音再生に有利な小面積大振幅振動板を実現可能なスピーカ装置を提供することである。
前記従来の課題を解決するため、本願のスピーカ装置はマグネットを含む振動板と、前記マグネットの両側に固着されたプレートと、前記振動板を振動可能に支持するサスペンションと、前記振動板の外周より外側に配置された固定コイルと、前記固定コイルの外側に配置されたヨークとを備え、前記サスペンションと前記振動板の接続部は、前記振動板の外周より内側にあり、前記マグネットは振動板の振動方向に着磁され、前記固定コイルと前記振動板の間に磁性流体が配置されたことを特徴とする。
上記構成によって前記従来のスピーカと同様に固定コイルに流れる電流によりマグネットに生じる駆動力にて振動板を駆動し、音を再生する。しかし、本願は振動板の外部を磁性流体で封止するため、従来用いていた空気遮蔽用のエッジが不要となる。磁性流体は、振動板外周に発生する磁界に追従するため、振動板の振幅に応じて移動し、振動板の振動時も空気を遮蔽する。
好ましくは、前記磁性流体とコイルの間にフィルム状部材を配置する。フィルム状部材の表面は撥油性を持つものを用いるとよい。
また好ましくは、固定コイルは複数のコイルから構成され、かつ振動板の位置検出手段および駆動制御装置を有するとよい。前記駆動制御装置は振動板の位置検出信号に従い、プレートの位置に近い少なくとも2ヶ所のコイルのみに信号電流を流し、その他のコイルには電流を流さないよう制御する。この場合、固定コイル間に非磁性体の仕切り部材を配置するとよい。また、前記位置検出手段がコイルの一部に発生する逆起電力を検出する構成、あるいは光源と光センサを含む構成、あるいは磁場の変化を検出するホール素子を含む構成としてもよい。
また好ましくは、前記サスペンションが前記振動板の少なくとも片方の面に配置されたコイルばねであり、前記振動板の振動方向に伸縮する構成としてもよい。
また好ましくは、前記マグネットおよび前記プレートを環状体で構成するとしてもよい。
また好ましくは、前記プレートの前記マグネットの反対側の面に非磁性部材を配置するとしてもよい。この場合、前記非磁性部材の表面の一部あるいは全体が撥油性材料を含む構成としてもよい。また、前記非磁性部材の前記磁性流体側は、前記プレートと前記磁性流体の接触面に対して角度を有している、あるいは複数の平面あるいは曲面で構成されていてもよい。
また本発明は、スピーカ装置単体として実現できるだけでなく、その装置を備える映像機器をはじめとするAV機器として実現したり、携帯端末機器として実現したりしてもよい。これにおいて、携帯端末機器や映像機器は、本発明のスピーカ装置と、当該スピーカ装置を内部に配置する筐体とを備える。また本発明は、本発明のスピーカ装置または当該スピーカ装置を備えるAV機器を装備した乗り物の車両として実現してもよい。これにおいて、当該車両は、本発明のスピーカ装置と、当該スピーカ装置を内部に配置する筐体とを備える。
本願発明のスピーカ装置は、エッジが不要になることにより、エッジによるスピーカの振幅制限がなくなるため、大振幅で振幅させることが可能となる。また、エッジを有しないため、スピーカ外径を小さくすることができるようになり、スピーカの小型化にもつながる。さらに、エッジが存在しないため、エッジ共振による異音や、エッジのスティフネスの非線形性による歪み音も低減される。以上により、振動板の大振幅な振動が可能な振動板を実現でき、小容積で低音再生に有利なスピーカ装置が実現可能となる。
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1に係るスピーカ装置の断面図である。図2に図1の点線部を拡大した図を示す。図1のスピーカ装置は、1は環状のマグネット、2a、2bはマグネット1の両面に固着されたプレート、3は複数のコイルから構成された固定コイル、4はヨーク、5は振動部材、6a、6bは磁性流体、7a、7bは振動板の両面に配置されたサスペンション、8はコイル3の表面に配置されたフィルム状部材、20は信号源、21は駆動制御装置を備える。振動板はマグネット1、プレート2a,2b、振動部材5から構成される。
図1は本発明の実施の形態1に係るスピーカ装置の断面図である。図2に図1の点線部を拡大した図を示す。図1のスピーカ装置は、1は環状のマグネット、2a、2bはマグネット1の両面に固着されたプレート、3は複数のコイルから構成された固定コイル、4はヨーク、5は振動部材、6a、6bは磁性流体、7a、7bは振動板の両面に配置されたサスペンション、8はコイル3の表面に配置されたフィルム状部材、20は信号源、21は駆動制御装置を備える。振動板はマグネット1、プレート2a,2b、振動部材5から構成される。
磁性流体とは磁束によりひきつけられる流体であり、例えば磁性体の微粒子を含んだシリコン系の流体である。
マグネット1による磁束は上部プレート2aから磁性流体6a、コイル3、ヨーク4、コイル3、磁性流体6b、下部プレート2bの順に通る。よって、信号源20の信号が駆動制御装置21を通じてコイル3に信号電流が流れるとフレミング左手の法則にしたがって振動板に駆動力が発生し、音が再生される。このとき、駆動制御装置21はプレート2aとプレート2bに近いコイルにのみ、信号電流を供給する。駆動制御装置21は振動板の位置をコイル3に励起される誘導電流から特定する。なお、初期駆動時は振動板が静止しており、コイル3には誘導電流が励起されない。基本的に無信号による静止時は上下のサスペンション7a、7bが釣り合い位置にいるため、あらかじめ設定された位置のコイルに電流を流すとよい。あるいは、全コイルに電流を流し、振動板に初期動作を与える設定としてもよい。また、振動板の位置に関しては、連続的に情報を得るため、駆動制御装置21に位置情報の一時記憶部を設け、その情報を利用して駆動コイルを決定してもよい。なお、プレート2a、2bに対応するコイルに信号電流を流す際、その電流の向きは逆方向とする。なお、駆動時のスピーカの断面図を図3(a)、図3(b)、図3(c)に示す。
磁性流体6a、6bはそれぞれプレート2a、2bの外周部に配置されており、マグネット1による磁束によって、その位置に保持されている。振動板が振動した際にも、マグネット1の磁束により、プレート2a、2bの外周部に保持されるよう移動する。したがって、磁性流体6a、6bにより振動板の外周は封止される。フィルム状部材8は磁性流体6a,6bがコイル3に浸透することを防止する。
本実施の形態では、コイル3が振動しないため、スピーカ装置の駆動時にコイルが振動し、疲労破壊による断線が生じることはないという従来のムービングマグネット方式のスピーカと同様の特徴を備える。加えて、磁性流体6a、6bにより振動板外周部が封止されているため、エッジが不要である。このため、スピーカの外周を小さくしても大振幅駆動が可能となる。さらに、エッジの共振に起因した歪み音の発生も防止できる。
なお、マグネット1の振動板振幅方向の厚みは、プレート2aからヨーク4までの間隔とプレート2bからヨーク4までの間隔とを足した値より大きくすることが望ましい。また、プレート2aおよびプレート2bの内径はマグネット1の内径よりも大きいことが望ましい。これにより、プレート2aとプレート2bとの間で発生する漏れ磁束を低減することが可能となり、高能率のスピーカを実現することができる。以後の実施の形態では記載を省略するが、マグネット1の厚みに対し、同様の構成をとることが望ましい。
なお、サスペンション7a、7bは振動板の両面に配置されているが、片側のみでも構わない。両側に配置すると、上下のサスペンション7a、7bが釣り合い、サスペンションのスティフネスの線形性がよくなる。一方、サスペンションを片側に配置した場合は、部品点数の削減および振動重量の削減による能率向上が期待できる。
マグネット1、プレート2a、2bはそれぞれ環状形状で形成し、マグネット1の空洞部に振動部材を配置することにより、板状マグネット、板状プレートを使用する場合よりも振動板重量を軽量とすることができ、スピーカの再生能率で有利である。
(実施の形態2)
図4(a)〜図4(e)は本発明の実施の形態2に係るスピーカ装置の一部を拡大した断面図である。
図4(a)〜図4(e)は本発明の実施の形態2に係るスピーカ装置の一部を拡大した断面図である。
図4(a)においてマグネット1、プレート2a、2b、磁性流体6a、6b、コイル3に加え、プレート2a、2bに非磁性部材9a、9bが固着されている。なお、図2の表示以外の部位は図1と同様であるため、省略している。
実施の形態2の説明のため、実施の形態1のスピーカの動作時の磁性流体6a,6bの挙動を図5に示す。図5において、振動板が下向きに駆動され、その後上向きに動作する様子を図5(a)→図5(b)→図5(c)→図5(d)の順で図示している。振動板が振動した際、磁性流体6a、6bはマグネット1による磁束によって、プレート2a、2bの外周に追従して移動するが、振動板が折り返す際、磁性流体6bはプレート2aの上部に乗り上げるような形となる。磁性流体6aには粘性があるため、一部が図5(d)のようにプレート2aの上部に残されることがある。この現象により、プレート2aの外周部に位置する磁性流体6aの量が減少してしまい、振動板外周部の封止が破れる。振動板が上側に駆動した場合も磁性流体6bに同様の現象が生じる。振動板外周部の封止が破れると、振動板の背面の逆位相の音が前面側に漏れ出すため、特に低音の再生能率が低下してしまう。
そこで、上記封止を維持するために、プレート2a、2bに非磁性部材9a、9bを配置する。非磁性部材9a、9bは非磁性体で構成されるため、磁力による磁性流体の吸着はない。図4(a)では非磁性部材9a、9bの磁性流体側がプレート2aとの境界側面に対し、θだけ角度がついている。よって、プレート2aの上部に磁性流体6aがプレート2aの上部に残されることを防止することができる。このとき、非磁性部材9a、9bの全体あるいは一部の表面が撥油性であってもよい。磁性流体は一般的に油性のものが多く、非磁性部材9a、9bが撥油性を有すれば、磁性流体6a、6bがよりプレート2a、2bの外周に安定して存在することができる。
さらに図4(a)に示す非磁性部材9aの代わりに、図4(b)に示す非磁性部材9aを用いても良い。図4(b)は非磁性部材9aの磁性流体側を複数の面で構成したものであり、非磁性部材9aはプレート2aと連続した面を有する。当該面に撥油性を与えると、はじかれた磁性流体6aはよりプレート2aのほうに戻りやすくなる。なお、非磁性部材9bは9aの上下対称形状とし、以降9bの説明は省略する。
さらに図4(a)に示す非磁性部材9aの代わりに、図4(c)に示す非磁性部材9aを用いても良い。図4(c)は非磁性部材9aが親油性であるプレート2a連続面と撥油性を持つ傾斜面で構成している。同様に傾斜面ではじかれた磁性流体6aが親油性の面で保持され、プレート2aのほうに戻りやすくしている。
さらに図4(a)に示す非磁性部材9aの代わりに、図4(d)あるいは図4(e)に示す非磁性部材9aを用いても良い。図4(d)、図4(e)は非磁性部材9aの側面に凹部を設けている。振動板の振動により押し出された磁性流体6aが、上記凹部に停留する。磁性流体6aを停留させることで、振動板の振動時に生じる加速度による磁性流体6aの流出を抑え、マグネット1の磁束によってプレート2aに磁性流体6aが戻りやすい構造とした。
(実施の形態3)
図6(a)および図6(b)は本発明の実施の形態3に係るスピーカ装置の一部を拡大した断面図である。
図6(a)および図6(b)は本発明の実施の形態3に係るスピーカ装置の一部を拡大した断面図である。
本実施の形態では、実施の形態1と比べてフィルム状部材8が省略されている。図6(a)で6は磁性流体を示す。スピーカの動作および図示した範囲以外の部分は、実施の形態1と同様であるため省略する。
フィルム状部材8を省略することにより、磁性流体がコイル3の間にも入り込んでいる。コイル3のすき間には毛細管現象等により磁性流体6が保持される。磁性流体6の粘性が高い場合、振動板の大振幅で振動すると磁性流体6がプレート2a、2bに追従できない状態となる。しかし、本実施の形態では磁性流体が常にコイル3全体に保持されているため、振動板が大きく変位したとしても、その位置のコイル3に保持されている磁性流体が、プレート2a、2bの外周を封止することができる。
さらに図6(b)に示すように、コイル3のすき間に仕切り部材10が配置してもよい。磁性流体6を効果的にコイル3のプレート2a、2bに保持することを可能とする。
(実施の形態4)
図7A、図7B、図7C、図7Dおよび図7Eは本発明の実施の形態4に係るスピーカ装置の断面図である。
図7A、図7B、図7C、図7Dおよび図7Eは本発明の実施の形態4に係るスピーカ装置の断面図である。
スピーカの動作は実施の形態1と同様であるので省略する。実施の形態4は図7A〜図7Dに示すマグネットおよびプレート構造のいずれかを用いる。
図7Aはマグネット1が平板形状をしている。環状マグネットに比べ製造が容易であり、一般的に安価である。
図7Bはマグネット1がコイン形状であり、プレート2a、2b外径よりマグネット1の外径が小さい。円環状マグネットに比べ安価なコイン状マグネットを用いることができ、しかも図7Aよりマグネットの質量を低減可能となり、振動板重量減によりスピーカ能率の点で有利である。プレート2a、2bの外周部にマグネット1が存在しないため、非磁性部材9a、9bに加え、プレート2a、2bの内側にも非磁性部材9c、9dを配置している。よって、磁性流体6a、6bがプレート2aの下面、プレート2bの上面への漏れ出しを防止する効果が得られる。
図7Cは、マグネット1として直方体状マグネットを複数配置した構成である。図7Aの構成に比べマグネット重量を抑えられ、再生能率の点で有利なほか、直方体状マグネットは環状マグネットに比べ安価という利点がある。この場合、図7Bと同様、プレート9c、9dをプレート2a、2bの内側に配置してもよい。
図7Dはプレート2a、マグネット1a、プレート2b、マグネット1b、プレート2cが順に層状に固着されている。図7Dでは省略されているが、磁性流体6はそれぞれプレート2a、2b、2cの外周の3箇所に配置される。駆動点が増加し、かつマグネット1a、1bが対向することにより、プレート2bの外周部ではより強い磁束が得られるため、駆動力を増強することができる。なお、本実施例ではプレートを3枚使い、それぞれの間にマグネットを配置した例を示しているが、さらにプレートおよびマグネットの枚数を増加させ、層状に配置してもよい。このような構成では、スピーカの再生能率や再生周波数帯域に対する駆動力の増加と、振動重量の増加の影響を加味して設計されることが望ましい。
なお、図7Aではサスペンション7bが振動板の下側に、図7Bではサスペンション7bが振動板の上側に配置されているが、サスペンション7a、7bが振動板の両面に配置されてもよい。両側に配置すると、上下のサスペンション7a、7bが釣り合い、サスペンションのスティフネスの線形性がよくなる。一方、サスペンションを片側に配置した場合は、部品点数の削減および振動重量の削減による能率向上が期待できる。サスペンション7aおよびサスペンション7bの形状はコイル状のサスペンションに限定されず、例えば図7Eに示すように半円で形成される板状のサスペンション等を用いてもよい。
(実施の形態5)
図8A、図8Bおよび図8Cはそれぞれ本発明の実施の形態5に係るスピーカ装置における、振動板の位置検出装置に関する図である。
図8A、図8Bおよび図8Cはそれぞれ本発明の実施の形態5に係るスピーカ装置における、振動板の位置検出装置に関する図である。
実施の形態1で示した、コイル3に生じる起電力による、振動板位置検出とは異なる、振動板の位置検出方法を示している。振動板の位置検出方法以外の動作は実施の形態1と同様であるため、記載を省略する。
図8Aに示すスピーカ装置は振動板下部に取り付けられたサスペンション7bに反射板23と、光源24、光サーキュレータ25、光センサ26、光ファイバ27を有する。記載以外部分およびスピーカの動作は実施の形態1と同様であるため省略する。
図8Aにおいて、振動板が振動すると、サスペンション7bが伸縮する。同時に振動板の振幅に比例した変位が反射板23に生じる。反射板23には光源24から光ファイバ27を通じて光が照射され、その反射光は再び光ファイバ中への入射し、光サーキュレータ25により光センサ26に到達する。光ファイバ中に入射する光量は、光ファイバ27の先端と反射板23の距離によって変化するため、光センサ26で検出される光量によって、振動板の位置が特定される。ここで、このとき、反射板23の変位は振動板の変位よりも小さいため、振動板の位置検出装置を小型化することができる。実施の形態1で示した、誘導電流による振動板位置検出と異なり、振動板が静止した状態でも振動板の位置を特定でき、効果的に駆動コイルを選択できる点で有利である。
図8Aの振動板位置検出装置の代わりに図8Bに示す振動板位置検出装置を用いてもよい。図8Bにおいて、24は光を振動板方向に向かって照射する光源、28は光位置検出素子(PSD)である。振動板が光源24に近づくほど、振動板による反射光は光源側に近づき、振動板が光源24から離れると、反射光は光源24から遠ざかる方向に移動する。よって、光位置検出装置28で反射光の位置を検出すれば、振動板の位置が特定できる。光位置検出装置28の例としては、光検出素子(フォトダイオード)をアレイ状に配列したフォトダイオードアレイなどである。サスペンションを含む振動部に何も付加しないでも、振動板位置を検出できるため、振動重量増加による能率低下が起こらず有利である。
また、図8Aの振動板位置検出装置の代わりに図8Cに示す振動板位置検出装置を用いてもよい。図8Cにおいて、29はホール素子であり、図8Cではスピーカ装置の下部に設置される例を示しているが、他の部位に設置してもよい。ホール素子29に振動板が近づくと、振動板に含まれる磁気回路により、ホール素子で検出される磁束密度が増加する。逆にホール素子29から振動板が離れると検出される磁束密度が低下する。よって、ホール素子29からの出力によって、振動板の位置が特定できる。振動板位置検出の精度を高めるためにホール素子は2つ以上用いてもよい。また、図8Aの反射板の位置に、別のマグネットを配置し、そのマグネットによる磁束変化を検出する方式としてもよい。この構成にすることにより、光源を用いなくても振動板位置を検出することができ、より簡素な振動板位置検出装置が実現できる。
(実施の形態6)
本実施の形態では、上述した本発明のスピーカ装置を、車両、テレビなどのAV機器に搭載されるスピーカ装置に応用した例について説明する。
本実施の形態では、上述した本発明のスピーカ装置を、車両、テレビなどのAV機器に搭載されるスピーカ装置に応用した例について説明する。
まず、テレビなどのAV機器に搭載された場合について図9を用いて説明する。図9は、本発明のスピーカ装置を搭載したテレビの外観の一例を示す図である。図9において、11はテレビ、12はテレビ11に内蔵されたスピーカ装置である。スピーカ装置12はキャビネットと、キャビネットに搭載されたスピーカユニット15からなる。スピーカユニットは実施例1〜5に示すスピーカユニットのいずれかを用いる。近年の薄型テレビにおいてスピーカ装置12に許容される容積は少なく、キャビネット容積は限定されたものになる。そこで、本願に示すスピーカユニット15を搭載することにより、小面積大振幅で振動板駆動を実現することができ、限られた容積のスピーカ装置においても、豊かな低音を再生することが可能となる。
次に、車両に搭載された場合について図10および図11を用いて説明する。図10は、車両内に搭載されるドア内蔵用スピーカ装置の外観および断面を示す図である。図11は、本実施の形態6のスピーカ装置を実装した車両のドアの外観の一例を示す図である。図10において、13は車両内に搭載されるドア内蔵用スピーカ装置である。ドア内蔵用スピーカ装置13はキャビネットとスピーカユニット15から構成される。スピーカユニット15は実施例1〜5に示すスピーカユニットのいずれかを用いる。車両内に配置されるスピーカは、車両内の居住性を損なわないためにも小型のものが要求される。よって、キャビネット容積は限定されたものになる。そこで、本願に示すスピーカユニット15を搭載することにより、小面積大振幅で振動板駆動を実現することができ、限られた容積のスピーカ装置においても、豊かな低音を再生することが可能となる。
図11においてさらに14は車両のドア、13は車両のドアの内部に搭載されるドア内蔵用スピーカ装置である。ドア内蔵用スピーカ装置13はキャビネットとスピーカユニット15から構成される。スピーカユニット15は実施例1〜5に示すスピーカユニットのいずれかを用いる。ドア内部に配置されるスピーカは、車両内の居住性を損なわないためにも薄型のものが要求される。よって、キャビネット容積は限定されたものになる。そこで、本願に示すスピーカユニット15を搭載することにより、小面積大振幅で振動板駆動を実現することができ、限られた容積のスピーカ装置においても、豊かな低音を再生することが可能となる。
本発明にかかるスピーカ装置は、スピーカ装置あるいは、スピーカが搭載されたAV機器や車両において、限られた容積で豊かな低音を再生可能とする点において有用である。
1 マグネット
2a、2b、2c プレート
3 コイル
4 ヨーク
5 振動板部材
6a、6b 磁性流体
7a、7b サスペンション
8 フィルム状部材
9a、9b 非磁性部材
10 仕切り部材
11 テレビ
12 スピーカ装置
13 ドア内蔵用スピーカ装置
14 車両のドア
15 スピーカユニット
16 ダンパ
17 エッジ
18 振動板
19 センターキャップ
20 信号源
21 駆動制御装置
22 振動板位置検出装置
23 反射板
24 光源
25 光サーキュレータ
26 光センサ
27 光ファイバ
28 光位置検出素子(PSD)
29 ホール素子
2a、2b、2c プレート
3 コイル
4 ヨーク
5 振動板部材
6a、6b 磁性流体
7a、7b サスペンション
8 フィルム状部材
9a、9b 非磁性部材
10 仕切り部材
11 テレビ
12 スピーカ装置
13 ドア内蔵用スピーカ装置
14 車両のドア
15 スピーカユニット
16 ダンパ
17 エッジ
18 振動板
19 センターキャップ
20 信号源
21 駆動制御装置
22 振動板位置検出装置
23 反射板
24 光源
25 光サーキュレータ
26 光センサ
27 光ファイバ
28 光位置検出素子(PSD)
29 ホール素子
Claims (16)
- マグネットを含む振動板と、
前記マグネットの両側に固着されたプレートと、
前記振動板を振動可能に支持するサスペンションと、
前記振動板の外周より外側に配置された固定コイルと、
前記固定コイルの外側に配置されたヨークとを備え、
前記サスペンションと前記振動板との接続部は、前記振動板の外周より内側にあり、
前記マグネットは振動板の振動方向に着磁され、
前記固定コイルと前記振動板との間に磁性流体が配置された
スピーカ装置。 - 前記コイルと前記磁性流体の間にフィルム状部材を配置した
請求項1に記載のスピーカ装置。 - 前記固定コイルは前記振動板の振幅方向に並ぶように配置された複数のコイルから構成され、
前記振動板の位置検出手段をさらに備え、
前記振動板の位置によって駆動電流を流すコイルを切り替える駆動制御装置を具備した
請求項1に記載のスピーカ装置。 - 前記固定コイルの間に非磁性体の仕切り部材を設けた
請求項3に記載のスピーカ装置。 - 前記位置検出手段が、前記振動板に取り付けられた前記マグネットによって、前記複数のコイルに発生する逆起電力を検出する
請求項3に記載のスピーカ装置。 - 前記位置検出手段が、光源と光センサとを含む
請求項3に記載のスピーカ装置。 - 前記位置検出手段が、ホール素子を含む
請求項3に記載のスピーカ装置。 - 前記サスペンションが前記振動板の少なくとも片方の面に配置されたコイルばねであり、前記振動板の振動方向に伸縮する
請求項1に記載のスピーカ装置。 - 前記マグネットおよび前記プレートが環状体である
請求項1に記載のスピーカ装置。 - 前記プレートの前記マグネットの反対側の面に非磁性部材を配置した
請求項1に記載のスピーカ装置。 - 前記非磁性部材の表面の一部あるいは全体が、撥油性材料を含む
請求項10に記載のスピーカ装置。 - 前記非磁性部材の前記磁性流体側は、前記プレートと前記磁性流体の接触面に対して角度を有している
請求項10に記載のスピーカ装置。 - 前記非磁性部材の前記磁性流体側は、複数の平面、あるいは曲面、あるいは平面と曲面の組み合わせから構成され、
前記プレートと前記磁性流体の接触面に対して角度を有している部分を有し、
さらに複数の法線成分を有する
請求項10に記載のスピーカ装置。 - 前記マグネットの外径が前記プレートの外径より小さく、
前記マグネットの両側に配置された前記プレートの内側に前記非磁性部材が配置されている
請求項10に記載のスピーカ装置。 - 請求項1に記載のスピーカを搭載したAV機器。
- 請求項1に記載のスピーカを搭載した乗り物。
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-
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- 2010-04-16 JP JP2010095469A patent/JP2011228863A/ja active Pending
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