JP2011227328A - レンズ鏡筒及び撮影装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】外部からの衝撃に強いレンズ鏡筒及び撮影装置を提供する。
【解決手段】本発明のレンズ鏡筒10は、光学系L2を保持する第1部材16と、前記第1部材16の外側に備えられ前記第1部材16を保持する第2部材15と、前記第2部材15の外側に備えられ前記第2部材15を保持する第3部材12と、前記第3部材12に保持され前記第1部材16が前記第2部材15から露出したとき、前記第1部材16と当接可能であり、前記第1部材16が前記第2部材15から外れることを防止する外れ防止部25とを含むことを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、レンズ鏡筒及び撮影装置に関するものである。
従来、内周にカム溝が設けられた固定筒と、この固定筒の内径側に配置されるとともに外周にカムピンが設けられたレンズ鏡筒がある。このようなレンズ鏡筒は、カム筒が回転すると、カム筒のカムピンが固定筒のカム溝に沿って移動し、このカムピンの移動により、カム筒が固定筒に対して光軸に沿って移動する。このようなレンズ鏡筒においては、外部からの衝撃によるカムのカム溝からの脱落を防止するため、種々の対策がなされている(たとえば、特許文献1参照)。
特開2001−324663号公報
本発明の課題は、外部からの衝撃に強いレンズ鏡筒及び撮影装置を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
請求項1に記載の発明は、光学系(L2)を保持する第1部材(16)と、前記第1部材(16)の外側に備えられ前記第1部材(16)を保持する第2部材(15)と、前記第2部材(15)の外側に備えられ前記第2部材(15)を保持する第3部材(12)と、前記第3部材(12)に保持され前記第1部材(16)が前記第2部材(15)から露出したとき、前記第1部材(16)と当接可能であり、前記第1部材(16)が前記第2部材(15)から外れることを防止する外れ防止部(25)とを含むことを特徴とするレンズ鏡筒(10)である。
請求項2に記載の発明は、第1カム部(16B)を有し、光学系(L2)を保持する第1部材(16)と、前記第1カム部(16B)と係合して前記第1部材(16)を移動させる第2カム部(15B)を有し、前記第1部材(16)の外側に備えられ前記第1部材(16)を保持する第2部材(15)と、前記第2部材(15)の外側に備えられ前記第2部材(15)を保持する第3部材(12)と、前記第3部材(12)に保持され、前記第1部材(16)が前記第2部材(15)から露出したとき前記第1部材(16)と当接可能であり前記第1部材(16)が前記第2部材(15)から外れることを防止する外れ防止部(25)とを含むことを特徴とするレンズ鏡筒(10)である。
請求項3に記載の発明は、第1カム部(16B)を有し、光学系(L2)を保持する第1部材(16)と、前記第1カム部(16B)と係合して前記第1部材(16)を移動させる第2カム部(15B)を有し、前記第1部材(16)の外側に備えられ前記第1部材(16)を保持する第2部材(15)と、前記第2部材(15)の外側に備えられ前記第2部材(15)を保持する第3部材(12)と、前記第3部材(12)に保持され、前記第1部材(16)が前記第2部材(15)から露出したとき前記第1部材(16)と間隔を隔てて対向し前記第1部材(16)が前記第2部材(15)から外れることを防止する外れ防止部(25)とを含むことを特徴とするレンズ鏡筒(10)である。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載のレンズ鏡筒(10)であって、前記外れ防止部(25)は、前記レンズ鏡筒(10)に衝撃が加わったときに前記第1部材(16)と当接することを特徴とするレンズ鏡筒(10)である。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載のレンズ鏡筒(10)であって、前記第1部材(16)は第1カム部(16B)を有し、前記第2部材(15)は前記第1カム部(16B)と係合して前記第1部材(16)を移動させる第2カム部(15B)を有し、前記第1カム部(16B)はカムピンまたはヘリコイドであり、前記第2カム部(15B)はカム溝またはヘリコイド溝であることを特徴とするレンズ鏡筒(10)である。
請求項6に記載の発明は、請求項1から5いずれか1項に記載のレンズ鏡筒(10)であって、前記第1部材(16)は第1カム部(16B)を有し、前記第2部材(15)は前記第1カム部(16B)と係合して前記第1部材(16)を移動させる第2カム部(15B)を有し、前記第1部材(16)は、前記第1カム部(16B)が備えられた第1側面(16A)を有し、前記第2部材(15)は、前記第2カム部(15B)が備えられた第2側面(15F)を有し、前記第1部材(16)及び前記第2部材(15)は、前記第1側面(16A)の一端側が前記第2側面(15F)に対向している第1状態と、前記第1側面(16A)の前記一端側が前記第2側面(15F)から露出した第2状態とが可能であり、前記外れ防止部(25)は、前記第3部材(12)の前記一端側に備えられていることを特徴とするレンズ鏡筒(10)である。
請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか1項に記載のレンズ鏡筒(10)であって、前記外れ防止部(25)が備えられ、前記第1部材(16)の前記光学系(L2)の光軸回りの回転を規制する回転規制部材(20)を有し、前記第3部材(12)は、前記回転規制部材(20)を介して前記外れ防止部(25)を保持し、回転により前記第1部材(16)を光軸方向に駆動することを特徴とするレンズ鏡筒(10)である。
請求項8に記載の発明は、請求項1から7のいずれか1項に記載のレンズ鏡筒(10)であって、前記外れ防止部(25)は、前記第3部材(12)と一体に備えられていることを特徴とするレンズ鏡筒(10)である。
請求項9に記載の発明は、請求項1から8のいずれか1項に記載のレンズ鏡筒(10)を備える撮影装置(1)である。
なお、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
本発明によれば、外部からの衝撃に強いレンズ鏡筒及び撮影装置を提供することができる。
本発明の一実施形態を適用したカメラの縦断面を概念的に示す図であって、(a)は沈胴状態,(b)広角側端である撮影待機状態,(c)は望遠側端の状態をそれぞれ示す。 撮影待機状態におけるレンズ鏡筒部を概念的に示す断面図である。 直進ガイドの外観斜視図である。 直進ガイドにおける突起部の作用を説明する図である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態を適用したカメラ1の縦断面を概念的に示す図であって、(a)は沈胴状態,(b)は広角側端である撮影待機状態,(c)は望遠側端の状態である。図2は、撮影待機状態におけるレンズ鏡筒10を概念的に示す断面図である。図3は、レンズ鏡筒10における直進ガイドの外観斜視図である。図4は、直進ガイド20における突起部25の作用を説明する図である。
なお、図1及び図2には、説明と理解を容易にするために、XYZ直交座標系を設けた。この座標系では、撮影者が光軸OAを水平として横長の画像を撮影する場合のカメラ1の位置(以下、正位置という)において撮影者から見て左側に向かう方向をX軸プラス方向、正位置において上側に向かう方向をY軸プラス方向、正位置において被写体に向かう方向をZ軸プラス方向とする。また、以下の説明では、特に言及しない限り、撮影光学系における固定光学系の光軸OAと平行な方向の移動を「直進」、光軸OA周りの移動を「回転」と称する。さらに、撮影光学系の光軸OAと平行な方向を「前後」とする。
図1に示すカメラ1は、光学的な被写体像を電気信号に変換する撮像素子210を備えたデジタルカメラである。
カメラ1は、ボディ部1Aの内部に、図示しない制御電子基板やバッテリー等を備え、レンズ鏡筒10を収容可能となっている。また、図示しないが、ボディ部1Aの外面には、レリーズスイッチ等の操作スイッチ類および液晶パネル等の表示装置が配設されている。
レンズ鏡筒10は、3組のレンズ群(第1レンズ群L1,第2レンズ群L2および第3レンズ群L3)を備え、その像面側には、CCD等の撮像素子210を備えるセンサユニット200が取り付けられている。
レンズ鏡筒10は、いわゆる沈胴式のズームレンズである。すなわち、レンズ鏡筒10は、不使用時には図1(a)に示すようにボディ部1Aの内部に収縮して格納され(以下、この状態を沈胴状態と呼ぶ)、使用時には図1(b)に示すようにすなわちボディ部1Aから所定量伸長突出して撮影可能な状態(撮影待機状態)となる。
図1(b)に示す撮影待機状態は、レンズ鏡筒10の最も広角側(焦点距離が短い側の端)である。レンズ鏡筒10は、撮影待機状態から更に伸長すると共にレンズ群L1,L2が光軸OA方向に移動して、図1(c)に示す望遠側の端へとズーミングする。なお、レンズ鏡筒10における沈胴状態から撮影待機状態およびその後のズーミング駆動は、ボディ部1Aに設けられた図示しない伸縮ズームモータによって行われる。
第2レンズ群L2は、詳細な説明は省略するが、レンズ鏡筒10に作用した振動に応じて光軸OAと略直交する面内で変位し、結像面における像ブレを低減させるように機能するブレ補正光学系を構成している。
また、第3レンズ群L3は、フォーカスレンズ群であって、光軸OA方向に移動して結像位置を変化させる。この第3レンズ群L3の前後駆動は、ボディ部1Aに設けられた図示しない合焦モータによって行われる。
カメラ1において、電源が投入されるとレンズ鏡筒10が沈胴状態から撮影待機状態になる。そして、撮影者による図示しないレリーズボタンの押圧操作によって、レンズ群(L1,L2,L3)が被写体像光を撮像素子210の受光面に結像させ、撮像素子210が電気信号に変換した被写体の画像情報を、図示しない記憶装置に記録(撮影)する。これら撮影を含むカメラ1における全ての動作制御は、ボディ部1Aの内部に設けられた図示しない制御装置によって行われる。
レンズ鏡筒10は、ボディ部1Aの一部を成す固定筒11の内部に、カム外筒12と、直進ガイド筒13と、第1群筒14とを、多段式に備えている。また、第1群筒14の内部にはカム内筒15が配設され、さらにカム内筒15の内部には第2群筒16が配設されている。つまり、カム内筒15は、外周側の第1群筒14と、内周側の第2群筒16との間に設けられている。さらに、第2群筒16の像面側には、第3レンズ群L3を保持する第3群筒17が配設されている。
以下、図1及び図2を参照して、レンズ鏡筒10における各構成要素を、順を追って説明する。なお、図2は概念的な図であって一定位置における断面ではなく周方向に設けられた構成要素を重合して描いてある。また、第3群筒17(第3レンズ群L3)は省略してある。
固定筒11は、軸方向(光軸OA方向)に所定長さの円筒形状を有している。
固定筒11の内周面には、後述する直進ガイド20の移動を案内する直進溝11Aと、カム外筒12を移動駆動するヘリコイド溝11Bとが形成されている。直進溝11Aは、光軸OAと平行に(Z軸方向に)延設されている。ヘリコイド溝11Bは、光軸OAに対して所定の角度を有して形成されている。
直進溝11Aには、後述するカム外筒12における直進ガイド20のガイド突起22が、摺動移動可能に嵌合している。
ヘリコイド溝11Bには、カム外筒12の外周に突設されたヘリコイド12Aが摺動移動可能に嵌合している。
カム外筒12は、固定筒11の内周に嵌合する円筒状であって、光軸OA方向に所定長さに形成されている。
カム外筒12の外周には、固定筒11のヘリコイド溝11Bに摺動移動可能に嵌合するヘリコイド12Aが突設されている。
カム外筒12の内周面には、カム内筒15を移動駆動する外筒カム溝12Bと、カム内筒15の移動を案内する直進連動溝12Cとが形成されている。
外筒カム溝12Bには、後述する直進ガイド筒13におけるガイド筒カムピン13Aが摺動可能に嵌合している。
直進連動溝12Cは、光軸OAと平行に形成されている。直進連動溝12Cには、後述するカム内筒15に植設された連動ピン15Cが摺動移動可能に嵌合している。
カム外筒12の像面側の端部には、直進ガイド20が設けられている。
直進ガイド20は、外観斜視図である図3に示すように、概略形状が所定厚さの平板円環状の円環基部21に、ガイド突起22と、カム内筒15の移動を案内するガイドキー部23と、カム外筒12に係合する係合部24と、を備えている。
直進ガイド20は、その係合部24で、カム外筒12の端部に、光軸OA方向には相対移動不能且つ相対回転可能として係合装着されている。
ガイド突起22は、円環基部21の外周縁に、固定筒11の直進溝11Aと対応して突設されており、固定筒11の直進溝11Aに摺動移動可能に嵌合している。
ガイドキー部23は、光軸OAを中心とする円弧状で周方向に所定幅を有する薄い板状であって、光軸OA方向に所定の長さに形成されている。ガイドキー部23は、周方向に略等間隔(すなわち略180°間隔)で2カ所設けられている。ガイドキー部23は、後述する直進ガイド筒13における直進ガイド孔13Cに、摺動移動可能として嵌合している。
また、直進ガイド20は、第2群筒16の傾きを規制する突起部25を備えている。
突起部25は、円環基部21の内周側に突設されている。
突起部25の内周面は、直進ガイド20の内周側に、後述する第2群筒16が位置する状況において、第2群筒16の外周部16Aの外周面に対して所定の間隔:dを有するように設定されている。この所定の間隔:dにより、突起部25と、第2群筒16の外周部16Aとは、外部からの衝撃等のない通常の状態において摺動しないようになっている。この突起部25の作用については、後に詳述する。
なお、この突起部25は、直進ガイド20(円環基部21)の周方向全域に亘って形成されておらず、周方向に所定の角度範囲で形成されている。これは、沈胴状態において後述するカム内筒15における連動ピン15Cの支持部15E等の他部材との干渉を避けて設定したことによる。沈胴状態における直進ガイド20とカム内筒15との干渉状況やカム内筒15の形状を適宜設定することで、突起部25を全周に亘って形成することも可能である。
上記構成のカム外筒12は、図示しない伸縮ズームモータによって回転駆動され、固定筒11に対して回転するようになっている。
そして、カム外筒12は、回転駆動されることによって、固定筒11のヘリコイド溝11Bによってヘリコイド12Aを介して移動操作され、ヘリコイド溝11Bの変位に従って光軸OA方向に移動する。一方、直進ガイド20は、ガイドキー部23が固定筒11の直進溝11Aに規定されるため、回転することなくカム外筒12に伴って光軸OA方向に移動する。つまり、カム外筒12は回転しつつ直進し、直進ガイド20は回転することなく直進する。
直進ガイド筒13は、光軸OA方向に所定幅を有する概略円筒状に形成されている。
直進ガイド筒13の外周には、ガイド筒カムピン13Aが突設されている。ガイド筒カムピン13Aは、周方向に所定間隔で3カ所設けられている。各ガイド筒カムピン13Aは、それぞれカム外筒12の内周面に形成された外筒カム溝12Bに摺動移動可能に嵌合している。
直進ガイド筒13の内周面には、第1直進ガイド溝13Bが形成されている。
第1直進ガイド溝13Bは、光軸OAと平行に延設されている。第1直進ガイド溝13Bは、周方向に所定間隔で3カ所設けられている。第1直進ガイド溝13Bには、後述する第1群筒14における直進突起14Aが摺動移動可能に嵌合している。
また、直進ガイド筒13は、その内周側に、2群直進ガイド13Dを備えている。
2群直進ガイド13Dは、周方向に等間隔で2カ所(すなわち180°間隔)に設けられている。
2群直進ガイド13Dは、直進ガイド筒13の像面側端部の内周側に突出する支持腕の内周側先端部から、光軸OAと平行に前面側に向かって所定長さ延びている。
2群直進ガイド13Dは、後述する第2群筒16における直進ガイドスリット16Cに、摺動移動可能に嵌合している。
また、2群直進ガイド13Dを支持する支持腕部位には、光軸OA方向前後に貫通して直進ガイド孔13Cが形成されている。この直進ガイド孔13Cは、カム外筒12に装着された直進ガイド20におけるガイドキー部23が摺動移動可能に嵌合している。
直進ガイド筒13は、さらに、その像面側端部の内周側に係合内縁部13Eを備えている。
係合内縁部13Eは、直進ガイド筒13の像面側の端面に沿って、略矩形の断面形状で内周側に突出形成されている。係合内縁部13Eは、2群直進ガイド13Dの形成域を除く領域に形成されている。係合内縁部13Eは、後述するカム内筒15に形成された係合溝15Dに、摺動移動可能に嵌合している。
上記のように構成された直進ガイド筒13は、カム外筒12の回転(および回転に伴う直進)に伴って、その外筒カム溝12Bによってガイド筒カムピン13Aを介して移動操作され、直進ガイド20のガイドキー部23に沿って直進移動する。
第1群筒14は、直進ガイド筒13の内周に嵌合する円筒状に形成され、その前面側に、第1レンズ群L1を支持している。
第1群筒14の外周には、直進突起14Aが突設されている。直進突起14Aは、直進ガイド筒13における第1直進ガイド溝13Bと対応して、周方向に3カ所設けられている。前述したように、直進突起14Aは、直進ガイド筒13の第1直進ガイド溝13Bに摺動移動可能に嵌合している。
また、第1群筒14の内周には、1群カムピン14Bが突設されている。1群カムピン14Bは、後述するカム内筒15の外周面に形成された内筒外周カム溝15Aに摺動移動可能に嵌合している。
これにより、第1群筒14は、直進ガイド筒13の第1直進ガイド溝13Bに沿って光軸OA方向に移動可能に設けられている。第1群筒14の移動操作は、後述するカム内筒15の回転に伴ってその内筒外周カム溝15Aによって1群カムピン14Bを介して行われるようになっている。
カム内筒15は、第1群筒14の内周に嵌合する外径の円筒状に形成されている。また、その内径は、第2群筒16の外周に嵌合するように設定されている。
カム内筒15は、外周面に第1群筒14を駆動する内筒外周カム溝15Aが形成され、内周面に第2群筒16を駆動する内筒内周カム溝15Bが形成されている。つまり、カム内筒15は、その内外周面にカム溝(内筒外周カム溝15Aおよび内筒内周カム溝15B)が形成されている。
内筒外周カム溝15Aは、周方向において光軸OA方向の位置が所定の関係で変位するように形成されている。内筒外周カム溝15Aには、前述したように、第1群筒14の内周に突設された1群カムピン14Bが摺動移動可能に嵌合している。
内筒内周カム溝15Bは、周方向において光軸OA方向の位置が所定の関係で変位するように形成されている。内筒内周カム溝15Bには、後述する第2群筒16の外周に突設された2群筒カムピン16Bが摺動移動可能に嵌合している。
また、カム内筒15の像面側の端部近傍に、係合溝15Dが光軸OAと直交する周方向に形成されている。係合溝15Dには、直進ガイド筒13の係合内縁部13Eが、周方向には移動可能(回転可能)且つ光軸OA方向には移動不能に嵌合している。
さらに、カム内筒15の像面側の端部の外周側に、連動ピン15Cが突設されている。
連動ピン15Cは、カム内筒15の周方向に等間隔で2本(すなわち180°間隔で)設けられている。連動ピン15Cは、その軸方向をカム内筒15の径方向として(すなわち光軸OAから放射状に)設けられている。連動ピン15Cは、ステンレス合金鋼等によって所定径の軸状に形成され、カム内筒15の像面側に突設された周方向に所定幅の支持部15Eに植設されている。
連動ピン15Cは、直進ガイド筒13の像面側に位置し、前述したようにカム外筒12の直進連動溝12Cに摺動移動可能に嵌合している。
上記構成のカム内筒15は、カム外筒12の回転に連動ピン15Cを介して連動回転する。また、係合溝15Dには、カム外筒12の回転によって直進移動する直進ガイド筒13における係合内縁部13Eが嵌合しているため、カム内筒15は、直進ガイド筒13に伴って直進移動する。
つまり、カム内筒15は、カム外筒12の回転に伴って回転し、カム外筒12の回転による直進ガイド筒13の直進に伴って直進移動する。
カム外筒12に対するカム内筒15の直進方向の相対移動は、連動ピン15Cが直進連動溝12Cに沿って移動することで許容される。
カム内筒15は、その回転によって、外周側に位置する前述した第1群筒14(第1レンズ群L1)と、内周側に位置する後述する第2群筒16(第2レンズ群L2)の両者を移動操作する。
上記のような構成では、直進ガイド筒13とカム内筒15とは、相対回転はするが、光軸方向OAにおける位置は基本的に変わらない。つまり、カム内筒15が備える連動ピン15Cは、直進ガイド筒13に対して回転はするが、直進ガイド筒13の像面側の端面に対する光軸OA方向における相対位置は変化しない。
第2群筒16は、カム内筒15の内周に嵌合する略円筒状の外周部16Aを備え、内周側に第2レンズ群L2を支持している。
外周部16Aの外周には、2群筒カムピン16Bが突設されている。2群筒カムピン16Bは、カム内筒15における内筒内周カム溝15Bと対応して周方向に所定間隔で複数設けられている。前述したように、2群筒カムピン16Bは、カム内筒15における内筒内周カム溝15Bに摺動移動可能に嵌合している。
ここで、2群筒カムピン16Bは、外周部16Aの光軸OA方向における前後にそれぞれ設けられている。これは、カム内筒15に対する第2群筒16(外周部16A)の相対位置の変化に対応するためである。
すなわち、図1(a)に示す沈胴状態ではカム内筒15と第2群筒16とが略完全に重合している。しかし、図1(b),図2に示す撮影待機状態(広角側端)では第2群筒16はカム内筒15の像面側に偏って位置し、図1(c)に示す望遠端状態では第2群筒16はカム内筒15の前面側に偏って位置する。
これは、図1(a)に示す沈胴状態において第2群筒16の外周側にカム内筒15が略重合してレンズ鏡筒10全体が光軸OA方向に短くなるように構成し、その上で、焦点距離の可変範囲を広く設定するためにカム内筒15に対する第2群筒16(第2レンズ群L2)の移動範囲を大きくしたことによる。
このような第2群筒16のカム内筒15に対する大きな移動を可能とするため、外周部16Aの光軸OA方向における前後にそれぞれ2群筒カムピン16Bを設け、この前後の2群筒カムピン16Bの少なくとも一方がカム内筒15の内筒内周カム溝15Bに嵌合することで、広角側端と望遠側端との間でカム内筒15(内筒内周カム溝15B)によって第2群筒16を移動操作できるようになっている。
つまり、前後双方の2群筒カムピン16Bが機能する中間部位を挟んで、撮影待機状態(広角側端)では前面側の2群筒カムピン16Bのみが単独で機能し、望遠端状態では像面側の2群筒カムピン16Bのみが単独で機能するようになっている。
また、外周部16Aは、直進ガイドスリット16Cを備えている。直進ガイドスリット16Cは、それぞれ直進ガイド筒13における2群直進ガイド13Dと対応する位置に、2群直進ガイド13Dと対応する幅で、外周部16Aを光軸OA方向に貫通して形成されている。直進ガイドスリット16Cには、前述したように、2群直進ガイド13Dが摺動移動可能に嵌合している。
これにより、第2群筒16は、直進ガイド筒13における2群直進ガイド13Dに規定されて光軸OA方向に移動可能に設けられている。
上記のように構成された第2群筒16は、カム内筒15の回転によるカム内筒15における内筒内周カム溝15Bの光軸OA方向における変位に従って2群筒カムピン16Bを介して移動操作され、群直進ガイド13Dに沿って直進駆動される。前述したように、カム内筒15はカム外筒12の回転に伴って回転する。従って、第2群筒16は、カム外筒12の回転によって直進駆動される。
そして、上記のように構成されたレンズ鏡筒10は、図示しない伸縮ズームモータによるカム外筒12の回転駆動によって、第1レンズ群L1(第1群筒14)および第2レンズ群L2(第2群筒16)が光軸方向に移動操作される。これに伴って、レンズ鏡筒10は、伸縮する。すなわち、レンズ鏡筒10は、図1(a)に示す沈胴状態と図1(c)に示す望遠端との間で、途中図1(b)に示す撮影待機状態(広角端)を挟んで伸縮する。
図1(a)に示す沈胴状態は、固定筒11の内部に、カム外筒12、直進ガイド筒13、第1群筒14、カム内筒15および第2群筒16が、略重合した状態で格納されている。この沈胴状態は、カメラ1の電源が不投入の非撮影時における状態である。
図1(a)に示す沈胴状態から、カメラ1の電源が投入(ON)されると、カム外筒12が所定角度回転駆動されて、図1(b)および図2に示す撮影待機状態(広角端)となる。
すなわち、カム外筒12が回転駆動されると、カム外筒12は回転しつつ直進し、固定筒11から所定位置まで突出する。このカム外筒12の回転および直進に伴って、カム内筒15も回転しつつ直進する。このカム内筒15の直進により、直進ガイド筒13が直進する。また、カム内筒15の回転によって、第1群筒14(第1レンズ群L1)と第2群筒16(第2レンズ群L2)とが所定の関係で直進操作される。これにより、第1レンズ群Lと第2レンズ群L2とが、当該レンズ鏡筒10における広角端における焦点距離の位置となる。この撮影待機状態(広角側端)では、前述したように、第2群筒16はカム内筒15の像面側に偏って位置する。
レンズ鏡筒10は、撮影時においてはこの広角側端である撮影待機状態を基準位置として、カメラ1の操作に応じて望遠側にズーミングする。望遠側へのズーミングは、カム外筒12の回転によって行われる。このカム外筒12の回転は、前述した沈胴状態から撮影待機状態への駆動と連続する同方向である。また、ズーミングの際には、カム外筒12は所定位置(固定筒11から突出した位置)で回転するのみで、光軸OA方向には移動しない。
望遠側へのズーミングは、カム外筒12の回転駆動によってカム内筒15が回転しつつ直進し、これに伴って直進ガイド筒13が直進する。また、カム内筒15の回転によって、第1群筒14(第1レンズ群L1)と第2群筒16(第2レンズ群L2)とが所定の関係で直進操作される。
図1(c)に示す望遠側端では、第1レンズ群Lと第2レンズ群L2とが、当該レンズ鏡筒10における最長の焦点距離の位置となる。これが、レンズ鏡筒10が最も伸長した状態である。
ここで、図1(b),図2に示す撮影待機状態(広角端)においては、前述したように、第2群筒16(外周部16A)はカム内筒15から像面側(センサユニット200側)に突出し、その前面側端部のみでカム内筒15に片持ち支持されたような状態となる。
この撮影待機状態(広角端)において、カム内筒15から像面側に突出した第2群筒16(外周部16A)の像面側端部の外周側に、直進ガイド20が位置している。直進ガイド20における突起部25の内周面は、第2群筒16(外周部16A)における像面側端部の外周面と、所定の間隔:dを有して対向している。
直進ガイド20の突起部25は、カム内筒15によって片持ち状態に支持された第2群筒16の自由端の、光軸OAと交差する方向における移動を規制するように作用する。すなわち、図4(a)中に矢印で示すように、カム内筒15から像面側に突出した第2群筒16が光軸OAと交差する方向に移動すると、突起部25がその外周部16Aの外周面に当接し、それ以上の移動を規制する。これにより、外部からの衝撃等によって第2群筒16を光軸OAと交差する方向に移動させようとする力が作用しても、図4(b)に示すような第2群筒16の2群筒カムピン16Bがカム内筒15の内筒内周カム溝15Bから外れて第2群筒16がカム内筒15から脱落するといった不具合の発生を防ぐことができる。
直進ガイド20における突起部25の内周面と、第2群筒16における外周部16Aの外周面との間隔:dは、通常時には第2群筒16の光軸OA方向における移動に抵抗や変位を生じさせることのないように当接せず、第2群筒16がカム内筒15に対して所定角度(第2群筒16の2群筒カムピン16Bがカム内筒15の内筒内周カム溝15Bから抜け落ちることのない許容角度)傾くと当接するように設定する。
また、突起部25の光軸OA方向における位置は、カム内筒15から像面側に突出した第2群筒16(外周部16A)の極力、像面側端部と対応するように設定する。これにより、高い精度で第2群筒16の傾きを規制できると共に、傾きを規制する際に作用する力が小さくなるために強度の点からも好ましい。
以上、本実施形態によると、以下の効果を有する。
(1)レンズ鏡筒10では、撮影待機状態(広角端)において、カム内筒15から像面側に突出した第2群筒16の像面側端部の外周側に位置する直進ガイド20の突起部25が、第2群筒16が光軸OAと交差する方向に移動を規制する。これにより、衝撃力等が作用した場合でも、カム内筒15から突出した第2群筒16がカム内筒15に対して傾いてその2群筒カムピン16Bがカム内筒15の内筒内周カム溝15Bから抜け落ちるといった不具合を防ぐことができる。
その結果、コンパクトに沈胴収納できると共に、大きなズーム比と高い耐衝撃性とを兼ね備えたレンズ鏡筒10を提供できる。
(2)直進ガイド20における突起部25の内周面は、第2群筒16(外周部16A)における像面側端部の外周面に対して所定の間隔に設定されて通常時には当接していないため、第2群筒16の移動に抵抗を生じたり、第2群筒16が保持する第2レンズ群L2に変位を生じさせて光学性能を劣化させる等の不具合を招来することがない。
(変形形態)
以上、説明した実施形態に限定されることなく、以下に示すような種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の範囲内である。
(1)本実施形態では、第2群筒16の外周部16Aに当接してその傾きを規制する突起部25を、カム外筒12の像面側の端部に光軸OA方向には移動不能且つ回転可能に装着された直進ガイド20に設け。しかし、第2群筒16の傾きを規制する部位が形成される部材は直進ガイド20に限らず、第2群筒16の外周側に位置する部材であれば良い。たとえば、固定筒11等に設けても良いく、また、カム外筒12に一体に形成しても良い。
(2)本実施形態は、本発明をカム内筒15から像面側に突出した第2群筒16の傾きを規制する構成に適用した。しかし、本発明の適用部位はこれに限らず、カム構造を介して相対変位駆動する他の部位に適用しても良い。また、カム内筒15から前面側に突出した第2群筒16の傾きを規制する構成に適用しても良い。
(3)第2群筒16は、光学系を直接的に保持するものでもよいし、他の筒等を介して間接的に光学系を直接的に保持するものでもよい。また、カム内筒15は、第2群筒16Aを直接的に保持するものでもよいし、他の筒等を介して間接的に保持するものでもよい。カム外筒12は、カム内筒15を直接的に保持するものでもよいし、他の筒等を介して間接的に保持するものでもよい。カム外筒12は、突起部25を直接的に保持するものでもよいし、他の筒等を介して間接的に保持するものでもよい。
(4)本実施形態では、カム内筒15に内筒内周カム溝15Bを形成し、第2群筒16に2群筒カムピン16Bを形成したが、これに限定されず、カム内筒15にヘリコイド溝を形成し、第2群筒16にヘリコイドを形成してもよい。また、カム内筒15にカムピンまたはヘリコイドを形成し、第2群筒16にカム溝またはヘリコイド溝を形成してもよい。
(5)本実施形態で突起部25は、カム外筒12の像面側に装着された直進ガイド20に形成したが、これに限定されず、例えば、カム外筒12の物体側の一端に設けられていてもよい。
(6)上記実施形態は、本願発明をデジタルスチルカメラに適用した例である。本願発明における光学機器は、これに限らず、フィルムを用いるいわゆる銀塩スチルカメラ、ビデオカメラ、撮影機能付きの携帯電話等であっても良い。また、レンズ鏡筒はカメラ本体に対して着脱式でもよく、またカメラ本体と一体になったものでもよい。
なお、実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した実施形態によって限定されることはない。
1:カメラ、10:レンズ鏡筒部、11:固定筒、12:カム外筒、15:カム内筒、15B:内周カム溝、16:第2群筒、16B:カムピン、20:直進ガイド、25:突起部、OA:光軸、L2:第2レンズ群

Claims (9)

  1. 光学系を保持する第1部材と、
    前記第1部材の外側に備えられ前記第1部材を保持する第2部材と、
    前記第2部材の外側に備えられ前記第2部材を保持する第3部材と、
    前記第3部材に保持され前記第1部材が前記第2部材から露出したとき、前記第1部材と当接可能であり、前記第1部材が前記第2部材から外れることを防止する外れ防止部とを含むことを特徴とするレンズ鏡筒。
  2. 第1カム部を有し、光学系を保持する第1部材と、
    前記第1カム部と係合して前記第1部材を移動させる第2カム部を有し、前記第1部材の外側に備えられ前記第1部材を保持する第2部材と、
    前記第2部材の外側に備えられ前記第2部材を保持する第3部材と、
    前記第3部材に保持され、前記第1部材が前記第2部材から露出したとき前記第1部材と当接可能であり前記第1部材が前記第2部材から外れることを防止する外れ防止部とを含むことを特徴とするレンズ鏡筒。
  3. 第1カム部を有し、光学系を保持する第1部材と、
    前記第1カム部と係合して前記第1部材を移動させる第2カム部を有し、前記第1部材の外側に備えられ前記第1部材を保持する第2部材と、
    前記第2部材の外側に備えられ前記第2部材を保持する第3部材と、
    前記第3部材に保持され、前記第1部材が前記第2部材から露出したとき前記第1部材と間隔を隔てて対向し前記第1部材が前記第2部材から外れることを防止する外れ防止部とを含むことを特徴とするレンズ鏡筒。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載のレンズ鏡筒であって、
    前記外れ防止部は、前記レンズ鏡筒に衝撃が加わったときに前記第1部材と当接することを特徴とするレンズ鏡筒。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載のレンズ鏡筒であって、
    前記第1部材は第1カム部を有し、前記第2部材は前記第1カム部と係合して前記第1部材を移動させる第2カム部を有し、
    前記第1カム部はカムピンまたはヘリコイドであり、
    前記第2カム部はカム溝またはヘリコイド溝であることを特徴とするレンズ鏡筒。
  6. 請求項1から5いずれか1項に記載のレンズ鏡筒であって、
    前記第1部材は第1カム部を有し、前記第2部材は前記第1カム部と係合して前記第1部材を移動させる第2カム部を有し、
    前記第1部材は、前記第1カム部が備えられた第1側面を有し、
    前記第2部材は、前記第2カム部が備えられた第2側面を有し、
    前記第1部材及び前記第2部材は、前記第1側面の一端側が前記第2側面に対向している第1状態と、前記第1側面の前記一端側が前記第2側面から露出した第2状態とが可能であり、
    前記外れ防止部は、前記第3部材の前記一端側に備えられていることを特徴とするレンズ鏡筒。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載のレンズ鏡筒であって、
    前記外れ防止部が備えられ、前記第1部材の前記光学系の光軸回りの回転を規制する回転規制部材を有し、
    前記第3部材は、前記回転規制部材を介して前記外れ防止部を保持し、回転により前記第1部材を光軸方向に駆動することを特徴とするレンズ鏡筒。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載のレンズ鏡筒であって、
    前記外れ防止部は、前記第3部材と一体に備えられていることを特徴とするレンズ鏡筒。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載のレンズ鏡筒を備える撮影装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016109767A (ja) * 2014-12-03 2016-06-20 キヤノン株式会社 レンズ鏡筒、及び撮像装置

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