JP2011226988A - 半密封構造の構造体内部の相対湿度推定方法および半密封構造の構造体内部の防食方法および半密封構造の構造体内部の相対湿度推定装置 - Google Patents

半密封構造の構造体内部の相対湿度推定方法および半密封構造の構造体内部の防食方法および半密封構造の構造体内部の相対湿度推定装置 Download PDF

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恵太 鈴村
Takahito Fujikawa
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Abstract

【課題】連続的に変化する外界の温度・湿度に対して、半密封構造の構造体内部の温度・相対湿度を把握することができる。
【解決手段】単位時間Δt後の構造体の内気の温度を算出する構造体内部の気温算出工程(構造体内部の気温算出工程)S2と、単位時間Δt後の構造体の内気の絶対湿度を算出する構造体内部の絶対湿度算出工程(構造体内部の絶対湿度算出工程)S3と、構造体内部の気温算出工程S2と構造体内部の絶対湿度算出工程S3とから算出された単位時間Δt後の構造体の内気の温度および絶対湿度を基に単位時間Δt後の構造体の内気の相対湿度を算出する構造体内部の相対湿度算出工程(構造体内部の相対湿度算出工程)S4を備える。単位時間Δt毎に構造体の内気の温度を算出し、構造体内部の相対湿度の経時変化を推定する。
【選択図】図4

Description

本発明は、海洋や沿岸など腐食しやすい環境に設置される橋梁やジャケットなどが備える鋼製箱桁などの半密封構造の構造体内部の相対湿度推定方法および半密封構造の構造体内部の防食方法および半密封構造の構造体内部の相対湿度推定装置に関する。
従来、海洋や沿岸など腐食しやすい環境に設置される橋梁やジャケットなどが備える鋼製箱桁などの半密封構造の構造体は、その周りを金属やプラスチック、膜などのカバー材により覆われている。このようにカバーで覆うことにより、半密封構造の内部を腐食しやすい外界から遮断し腐食環境を緩和することができる。また、カバー材の内部の点検や補修を容易に行うことができる。
しかし、構造体の周りをカバー材で覆っていても、構造体内部に湿った外気が入り込むので、時として構造体内部は、湿気が多く腐食しやすい環境となる。更に、構造体内部の温度が露点温度より低くなると結露が生じ、更に湿気が多く腐食しやすい環境となる。
したがって、半密封構造の構造体内部の腐食を防止するために、構造体に塗装を施したり、構造体内部に除湿機を導入して構造体内部の空気を除湿したりして腐食環境の緩和を行っている。
半密閉構造の構造体内部の腐食を防止するには、一般的に、構造体内部を金属の腐食速度がゼロに近づく臨界湿度以下、すなわち相対湿度を60%以下とする必要がある。
例えば、特許文献1に開示された半密封(半密閉)構造を有する鋼構造体(構造物)内部の防食方法及び防食設備では、構造体内部が隔壁で仕切られた複数の部屋からなり、除湿機で除湿された乾燥空気が各部屋に供給され、構造体内部を均等に除湿している。この防食方法および防食設備では、除湿機による除湿により腐食環境を緩和しているので、構造体内部は塗装を必要としていない。
このような半密封構造の構造体内部に設置される除湿機には、構造体の外部から内部に入り込む湿分を多く含む外気およびその湿分を推定し、その湿分以上の除湿が可能なものが採用されている。
特開2005−350907号公報
しかしながら、昨今、構造体を数十年に及ぶ長期にわたり維持管理していく場合、塗装による塗膜は、時間と共に劣化してその防食機構が徐々に失われている。また、半密封構造の構造体内部での塗装は、換気など安全衛生上の課題も多い。
また、構造体内部の温度・湿度は、四季や昼夜により連続的に変化する外界の温度・湿度の影響を受けるため、構造体内部の温度・湿度の変化を把握することが困難である。また、構造体内部には、外気の水分が供給され、しかも、連続的に温度も変化するため、その影響を受けて構造体内部の相対湿度は変化しているが、この相対湿度の変化を把握することも困難であった。
このため、特許文献1のような構造体内部を除湿機で除湿する防食方法では、構造体内部の温度・湿度(相対湿度)の変化を考慮して防食を行うことができず、構造体内部の相対湿度が適切に保たれているか不明であった。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、連続的に変化する外界の温度・湿度に対して、半密封構造の構造体内部の気温・相対湿度を把握することができる半密封構造の構造体内部の相対湿度推定方法および半密封構造の構造物内部の防食方法および半密封構造の構造体内部の相対湿度推定装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る半密封構造の鋼構造体内部の相対湿度推定方法は、半密封構造の構造体内部の相対湿度を推定する方法であって、ある時点における前記構造体内部の気温と、過去の実測データから推定される前記時点から所定時間後の前記構造体が存する場所の外気温と、前記構造体全体の熱伝達率とに基づいて、前記所定時間後の前記構造体内部の気温を算出すると共に、前記時点における前記構造体内部の気温を前記所定時間後の前記構造体内部の気温に置き換える構造体内部の気温算出工程と、前記時点における前記構造体内部の絶対湿度と、過去の実測データから推定される前記時点の前記構造体が存する場所の外気の絶対湿度と、前記所定時間における前記構造体外部と前記構造体内部との空気の入替率と、前記所定時間における前記構造体内部の空気の除湿量とに基づいて前記所定時間後の前記構造体内部の絶対湿度を算出すると共に、前記時点における前記構造体内部の絶対湿度を前記所定時間後の前記構造体内部の絶対湿度に置き換える構造体内部の絶対湿度算出工程と、前記構造体内部の気温算出工程で算出された前記所定時間後の前記構造体内部の気温と、前記構造体内部の絶対温度算出工程で算出された前記所定時間後の前記構造体内部の絶対湿度とに基づいて前記所定時間後の前記構造体内部の相対湿度を算出する構造体内部の相対湿度算出工程とを備え、前記構造体内部の気温算出工程と、前記構造体内部の絶対湿度算出工程と、前記構造体内部の相対湿度算出工程とを繰り返し行い、前記構造体内部の相対湿度の経時変化を推定することを特徴とする。
本発明では、構造体内部の気温算出工程と、構造体内部の絶対湿度算出工程と、構造体内部の相対湿度算出工程とを備えることによって、構造体内部の所定時間後の相対湿度を容易に算出することができる。そして、これらの工程を繰り返し行うことにより、構造体内部の相対湿度の経時変化を容易に推定することができる。
本発明の半密封構造の構造体とは、その内部と外部とが完全には遮断されていない構造体を示す。
また、本発明に係る半密封構造の鋼構造体内部の防食方法では、上記の半密封構造の鋼構造体内部の相対湿度推定方法によって算出された前記構造体内部の相対湿度を一定値以下に保つことを特徴とする。
本発明では、上記の半密封構造の鋼構造体内部の湿度推定方法によって算出された前記構造体内部の相対湿度を一定値以下に保つことにより、連続的に変化する構造体外部の温度・湿度の影響を受ける構造体内部の温度・湿度の経時変化を把握して、構造体内部の相対湿度を一定値以下に保つことができるので、構造体内部の腐食を防止することができる。
また、本発明に係る半密封構造の鋼構造体内部の相対湿度推定装置では、半密封構造の構造体内部の相対湿度を推定する装置であって、ある時点における前記構造体内部の気温および絶対湿度と、過去の実測データから推定される前記時点から所定時間後の前記構造体が存する場所の外気温および前記時点の外気の絶対湿度と、前記所定時間における前記構造体外部と前記構造体内部との空気の入替率と、前記構造体全体の熱伝達率と、前記所定時間における前記構造体内部の空気の除湿量とが入力されて記憶されると共に、前記構造体内部の前記所定時間後の気温、絶対湿度および相対湿度が記憶される記憶部と、前記記憶部に記憶された前記時点における前記構造体内部の気温と、過去の実測データから推定される前記時点から所定時間後の前記構造体が存する場所の外気温と、前記構造体全体の熱伝達率とに基づいて、前記所定時間後の前記構造体内部の気温を算出して前記記憶部に記憶させると共に、前記時点における前記構造体内部の気温を前記所定時間後の前記構造体内部の気温に置き換えて繰り返し前記構造体内部の気温を算出する構造体内部の気温算出部と、前記記憶部に記憶された前記時点における前記構造体内部の絶対湿度と、過去の実測データから推定される前記時点の前記構造体外部の絶対湿度と、前記所定時間における前記構造体外部と前記構造体内部との空気の入替率と、前記所定時間における前記構造体内部の空気の除湿量とに基づいて前記所定時間後の前記構造体内部の絶対湿度を算出して前記記憶部に記憶させると共に、前記時点における前記構造体内部の絶対湿度を前記所定時間後の前記構造体内部の絶対湿度に置き換えて繰り返し前記構造体内部の絶対湿度を算出する構造体内部の絶対湿度算出部と、前記記憶部に記憶された前記所定時間後の前記構造体内部の気温および絶対湿度に基づいて前記所定時間後の前記構造体内部の相対湿度を算出して前記記憶部に記憶させる構造体内部の相対湿度算出部とを備えることを特徴とする。
本発明では、記憶部と、構造体内部の気温算出部と、構造体内部の絶対湿度算出部と、構造体内部の相対湿度算出部とを備えることによって、構造体内部の所定時間後の相対湿度を容易に算出することができる。そして、構造体内部の相対湿度算出部が、所定時間毎の構造体内部の相対湿度を算出できることにより、構造体内部の相対湿度の経時変化を容易に推定することができる。
本発明によれば、構造体内部の所定時間後の相対湿度を容易に算出し、構造体内部の相対湿度の経時変化を容易に推定することができるので、構造体内部の相対湿度を最適に保つことができる。
また、構造体内部の相対湿度を一定値以下に保つことにより、構造体内部の腐食を防ぐことができる。
本発明の実施の形態による半密封構造の構造体の一例を示す図である。 本発明の実施の形態による半密封構造の鋼構造体内部の湿度推定装置を説明するブロック図である。 (a)は入力部に入力される諸条件を示す図、(b)は諸条件と記号の関係を説明する図である。 本発明の半密封構造の鋼構造体内部の湿度推定方法を説明するフローである。 本発明の実施の形態による半密封構造の鋼構造体内部の湿度推定方法による計算値と、実測値とを比較する図である。 本発明の実施の形態による半密封構造の鋼構造体内部の湿度推定方法による除湿を行った場合の計算値と、除湿を行わなかった場合の実測値とを比較する図である。
以下、本発明の実施の形態による半密封構造の構造体内部の相対湿度推定装置および相対湿度推定装置および防食方法について、図1乃至図3に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施の形態による半密封構造の構造体10は、海上や沿岸などの腐食しやすい環境に設置される、橋梁やジャケットなどの鋼製箱桁などで、内部11と外部12とが完全に遮断されていなく内部11と外部12間で空気の流出入が可能である。
ここで、構造体10の内部11の空気を内気11Aとし、構造体10の外部12の空気(構造体10が存する場所の外気)を外気12Aとし、また、構造体10の内部11の容積をV(m3)として以下説明する。
図3(a)に示すように、構造体10の内部11には、内気11Aから湿分を除去する除湿機13が設けられている。
除湿機13には、例えば、コストやメンテナンスの容易さなどから乾式の除湿機で、除湿する空気の湿分のうち約70%を除去することが可能なものを採用することが好ましい。
ここで、除湿前の絶対湿度に対する除湿後の絶対湿度の割合(除湿後の絶対湿度/除湿前の絶対湿度)をqとすると、上述した除湿機は、q=0.3となる。
また、除湿機13が時間当たりに除湿処理する空気量(除湿量)は、除湿能力v(m3/h)から換算する。
なお、本実施の形態では除湿機13を設けているが、除湿機13を設けなくてもよく、この場合は、除湿量能力および除湿量を0とする。
構造体10は、断熱性能を有するカバー材14に被覆されている。
本実施の形態による半密封構造の構造体内部の相対湿度推定装置1は、後述する諸情報が記憶される記憶部2と、構造体10の内気11Aの温度を算出する気温算出部(構造体内部の気温算出部)3と、構造体10の内気11Aの絶対湿度を算出する絶対湿度算出部(構造体内部の絶対湿度算出部)4と、構造体10の内気11Aの相対湿度を算出する相対湿度算出部(構造体内部の相対湿度算出部)5とから構成される。
記憶部2は、時間tにおける構造体10の内気11Aの温度および絶対湿度と、過去の実測データから推定される時間tから単位時間(所定時間)Δt毎の構造体10の外気12Aの温度および絶対湿度と、構造体10の内気11Aと外気12Aの入替率と、構造体10全体の熱伝達率と、単位時間Δtにおける構造体10の内気11Aの除湿能力vとが入力される入力部6を備えている。記憶部2には、入力部6に入力された諸情報が記憶されると共に、気温算出部3と、絶対湿度算出部4と、相対湿度算出部5とから算出された構造体10の内部11の単位時間Δt後の温度、絶対湿度、相対湿度が記憶される。
時間tから単位時間Δt毎の構造体10の外気12Aの温度および絶対湿度を推測するための過去の実測データには、気象庁から発行されている近郊の地域の計測値や、予め現地で計測した計測値が利用できる。
図3(a)、(b)に示すように、単位時間Δt毎の内気11Aと外気12Aの入替量をαとし入替量αは、構造体10の容積Vの何%の空気が入れ替わるかを示し、単位は%/hとする。
構造体10全体の熱伝達率は、カバー材14の断熱効果βおよび外気12Aの温度変化の影響γで示し、カバー材14を介した外気12Aと内気11Aとの熱収支により再現する。βおよびγは定数である。
図2に示す気温算出部3は、記憶部2に記憶された情報を基に、単位時間Δt後の内気11Aの温度Tin(t+Δt)を下記式(1)から算出する。
Figure 2011226988
ここで、時間tにおける内気11Aの温度をTin(t)、時間tにおける外気12Aの温度をTout(t)、時間tから単位時間Δt後の外気12Aの温度をTout(t+Δt)とする。
また、気温算出部3は、算出した温度Tin(t+Δt)を記憶部2に記憶させると共に、時間tにおける構造体10の内気11Aの温度Tin(t)を単位時間Δt後の構造体10の内気11Aの温度Tin(t+Δt)に置き換えて繰り返し単位時間Δt毎に構造物10の内気11Aの温度を算出する。
絶対湿度算出部4は、記憶部2に記憶された情報を基に、単位時間Δt後の内気11Aの絶対湿度Ain(t+Δt)を下記式(2)から算出する。
Figure 2011226988
ここで、時間tにおける内気11Aの絶対湿度をAin(t)、時間tにおける外気12Aの絶対湿度をAout(t)とする。
また、絶対湿度算出部4は、算出した絶対湿度Ain(t+Δt)を記憶部2に記憶させると共に、時間tにおける構造体10の内気11Aの絶対湿度Ain(t)を単位時間Δt後の構造体10の内気11Aの絶対湿度Ain(t+Δt)に置き換えて繰り返し単位時間Δt毎に構造物10の内気11Aの絶対湿度を算出する。
相対湿度算出部5は、記憶部2に記憶された単位時間Δt後の構造体10の内気11Aの温度Tin(t+Δt)および絶対湿度Ain(t+Δt)に基づいて単位時間Δt後の構造体10の内気11Aの相対湿度Rin(t+Δt)を算出する。
単位時間Δt後の内気11Aの相対湿度Rin(t+Δt)は、下記式(3)から算出される。式(3)は温度に対する空気の飽和水蒸気量のデータをもとにした公知の近似式である
Figure 2011226988
なお、単位時間Δt後の内気11Aの絶対湿度Ain(t+Δt)は、飽和水蒸気量を超えた場合には、その超えた分は結露するため、飽和水蒸気量を上限とした。
また、相対湿度算出部5は、記憶部2に記憶された単位時間Δt毎の構造体10の内気11Aの温度および絶対湿度に基づいて単位時間Δt毎の構造体10の内気11Aの相対湿度を算出する。そして、相対湿度算出部5は、単位時間Δt毎の構造体10の内気11Aの相対湿度から、相対湿度の経時変化を推定する
次に、本実施の形態による半密封構造の構造体内部の相対湿度推定方法について図2乃至図4に基づいて説明する。
(入力工程S1)
まず、図2に示す入力部6に、時間tにおける内気11Aの温度Tin(t)および絶対湿度Ain(t)と、時間tにおける外気12Aの温度Tout(t)および絶対湿度Aout(t)とを入力し、記憶部2に記憶させる。
また、単位時間Δt毎の内気11Aと外気12Aの入替率α、単位時間Δt毎のカバー材14による断熱効果β、単位時間Δt毎の外気12Aの温度変化の影響γ、単位時間Δt毎の除湿機13の除湿能力v、除湿機13による除湿前の絶対湿度に対する除湿後の絶対湿度の割合qを入力部6に入力し、記憶部2に記憶させる。
また、単位時間Δt後の外気12Aの温度Tout(t+Δt)および相対湿度Rout(t+Δt)を入力部6に入力し、記憶部2に記憶させる。
(構造物内部の温度算出工程S2)
続いて、単位時間Δt後の内気11Aの温度Tin(t+Δt)を気温算出部3により算出する。
また、算出された単位時間Δt後の内気11Aの温度Tin(t+Δt)を記憶部2に記憶させ、この単位時間Δt後の内気11Aの温度Tin(t+Δt)を基に更に単位時間Δt後の内気11Aの温度を算定し、これを繰り返して単位時間Δt毎の内気11Aの温度を算出する。
(構造物内部の絶対湿度算出工程S3)
続いて、構造物内部の温度算出工程S2と前後して、単位時間Δt後の内気11Aの相対湿度Ain(t+Δt)を絶対湿度算出部4により算出する。
また、算出された単位時間Δt後の内気11Aの絶対湿度Ain(t+Δt)を記憶部2に記憶させ、この単位時間Δt後の内気11Aの絶対湿度Ain(t+Δt)を基に更に単位時間Δt後の内気11Aの絶対湿度を算出し、これを繰り返して単位時間Δt毎の内気11Aの絶対湿度を算出する。
(構造物内部の相対湿度算出工程S4)
次に、構造物内部の温度算出工程S2で算出された単位時間Δt後の内気11Aの温度Tin(t+Δt)と、構造物内部の絶対湿度算出工程S3で算出された単位時間Δt後の内気11Aの相対湿度Ain(t+Δt)を基に、単位時間Δt後の内気11Aの相対湿度Rin(t+Δt)を相対湿度算出部5により算出する。
また、構造物内部の温度算出工程S2で算出された単位時間Δt毎の内気11Aの温度と、構造物内部の絶対湿度算出工程S3で算出された単位時間Δt毎の内気11Aの相対湿度を基に、単位時間Δt毎の内気11Aの相対湿度を相対湿度算出部5により算出する。
(構造物内部の相対湿度経時変化推定工程S5)
続いて、構造物内部の相対湿度算出工程S4で算出された単位時間Δt毎の内気11Aの相対湿度を基に、内気11Aの相対湿度の経時変化を推定する。
次に、本実施の形態による半密封構造の鋼構造体内部の防食方法について説明する。
本実施の形態による半密封構造の鋼構造体内部の防食方法では、上述した半密封構造の構造体内部の相対湿度推定方法の構造物内部の相対湿度経時変化推定工程S5によって推定された内気11Aの相対湿度の経時変化が、常に例えば60%などの一定の値以下となるように、入力工程S1で入力される諸条件の設定を行う。
具体的には、単位時間Δt毎の内気と外気の入替率α、単位時間Δt毎のカバー材14による断熱効果β、単位時間Δt毎の外気の温度変化の影響γ、単位時間Δt毎の除湿機13の除湿能力v、除湿後の絶対湿度/除湿前の絶対湿度qの調整を行う。
また、例えば、設計段階において、単位時間Δt毎の内気と外気の入替率αおよび単位時間Δt毎の除湿機13の除湿能力v、除湿後の絶対湿度/除湿前の絶対湿度qを0とし、構造体10の内部11の換気および除湿を行わない場合の内気11Aの結露が生じる時間および相対湿度80%以上の濡れ時間、臨界湿度(相対湿度60%)以上になる時間を求める。そして、これらの値を基に、構造体10の内部11の腐食速度がどのようになるかISO12944−2を用いて把握し、構造体10の期待耐用年数を満足する防食方法を選定してもよい。
上述した本実施の形態による半密封構造の構造体内部の相対湿度推定装置および相対湿度推定方法では、構造体10の内気11Aの温度および相対湿度の変化を容易に把握することができ、構造体10の内部11の相対湿度を最適に保つことができる効果を奏する。
また、本実施の形態による半密封構造の鋼構造体内部の防食方法では、構造体10を設計する際に、現地の外気12Aの温度および湿度から内気11Aの温度および湿度の変化を推定することができるので、これに基づいて除湿機13の性能やカバー体14の形状などを決定し、構造体10の内部11の腐食を防止することができる。
ここで、本実施の形態による半密封構造の構造体内部の湿度推定手段で内気11Aの温度・相対湿度の変化を算出し、内気11Aの温度・相対湿度の変化の実測値と比較した。
3000m の半密閉構造の構造体10を設置し、外気12Aの温度および相対湿度の変化と、内気11Aの温度および相対湿度の変化を1時間毎に測定した。
また、この内気11Aの相対湿度の変化を、上述した半密封構造の構造体内部の湿度推定手段に基づいて以下のように算出した。
外気12Aと内気11Aとの入替率αを0.01(1%/h)とした。内気11Aの温度については、外気12Aの温度変化から上記式(1)を用いて推定することが可能であるが、今回は、内気11Aの温度の実測値を用いて計算した。
除湿機13は、乾式の除湿機を想定し除湿後の空気の絶対湿度/除湿前の空気の絶対湿度qを0.3とした。除湿機13の除湿能力vは60(m /h)として計算した。
初期の構造体10の内気11Aの温度Tin(t)を34℃(実測値)とし、絶対湿度Ain(t)を18(g/m)として、図2に示す計算方法に従い、単位時間Δt後の外気12Aの温度、湿度のデータを基に、単位時間Δt内気11Aの温度、相対湿度を繰り返し計算し、内気11Aの温度および相対湿度の経時変化を求めた。
図4には、除湿を行わない場合(v=0m /h)の内気11Aの相対湿度の変化(実測値)と、計算により求めた内気11Aの相対湿度の変化とを比較したものである。若干のばらつきはあるが、計算による内気11Aの相対湿度と、実測による内気11Aの相対湿度とは略同一であることがわかる。
図5には、除湿を行わない場合(v=0m /h)の内気11Aの相対湿度の変化(実測値)と、除湿を行う場合(v=60m /h)の内気11Aの相対湿度の変化(計算値)とを比較したものである。除湿を行う場合のほうが、内気11Aの相対湿度を低くすることができ、除湿効果を検証することができる。
そして、v=60m /hの除湿を行うことで、内気11Aの相対湿度を、臨界湿度(60%RH)以下とすることができる。
以上、本発明による半密封構造の構造体内部の湿度推定装置および湿度推定方法および半密封構造の構造体内部の防食方法の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上述した実施の形態では、単位時間Δtを1時間としているが、1時間に限らずその他の時間としてもよい。
また、上記の実施の形態では、絶対湿度/除湿前の絶対湿度qを0.3としているが、任意に設定してもよい。
1 湿度推定装置(半密封構造の構造体内部の湿度推定装置)
2 記憶部
3 気温算出部(構造体内部の気温算出部)
4 絶対湿度算出部(構造体内部の絶対湿度算出部)
5 相対湿度算出部(構造体内部の相対湿度算出部)
6 入力部
10 構造体
11 内部
11A 内気
12 外部
12A 外気
13 除湿機
S2 構造物内部の温度算出工程
S3 構造物内部の絶対湿度算出工程
S4 構造物内部の相対湿度算出工程
S5 構造物内部の相対湿度経時変化推定工程

Claims (3)

  1. 半密封構造の構造体内部の相対湿度を推定する方法であって、
    ある時点における前記構造体内部の気温と、過去の実測データから推定される前記時点から所定時間後の前記構造体が存する場所の外気温と、前記構造体全体の熱伝達率とに基づいて、前記所定時間後の前記構造体内部の気温を算出すると共に、前記時点における前記構造体内部の気温を前記所定時間後の前記構造体内部の気温に置き換える構造体内部の気温算出工程と、
    前記時点における前記構造体内部の絶対湿度と、過去の実測データから推定される前記時点の前記構造体が存する場所の外気の絶対湿度と、前記所定時間における前記構造体外部と前記構造体内部との空気の入替率と、前記所定時間における前記構造体内部の空気の除湿量とに基づいて前記所定時間後の前記構造体内部の絶対湿度を算出すると共に、前記時点における前記構造体内部の絶対湿度を前記所定時間後の前記構造体内部の絶対湿度に置き換える構造体内部の絶対湿度算出工程と、
    前記構造体内部の気温算出工程で算出された前記所定時間後の前記構造体内部の気温と、前記構造体内部の絶対温度算出工程で算出された前記所定時間後の前記構造体内部の絶対湿度とに基づいて前記所定時間後の前記構造体内部の相対湿度を算出する構造体内部の相対湿度算出工程とを備え、
    前記構造体内部の気温算出工程と、前記構造体内部の絶対湿度算出工程と、前記構造体内部の相対湿度算出工程とを繰り返し行い、前記構造体内部の相対湿度の経時変化を推定することを特徴とする半密封構造の構造体内部の相対湿度推定方法。
  2. 請求項1に記載の半密封構造の構造体内部の相対湿度推定方法によって算出された前記構造体内部の相対湿度を一定値以下に保つことを特徴とする半密封構造の構造体内部の防食方法。
  3. 半密封構造の構造体内部の相対湿度を推定する装置であって、
    ある時点における前記構造体内部の気温および絶対湿度と、過去の実測データから推定される前記時点から所定時間後の前記構造体が存する場所の外気温および前記時点の外気の絶対湿度と、前記所定時間における前記構造体外部と前記構造体内部との空気の入替率と、前記構造体全体の熱伝達率と、前記所定時間における前記構造体内部の空気の除湿量とが入力されて記憶されると共に、前記構造体内部の前記所定時間後の気温、絶対湿度および相対湿度が記憶される記憶部と、
    前記記憶部に記憶された前記時点における前記構造体内部の気温と、過去の実測データから推定される前記時点から所定時間後の前記構造体が存する場所の外気温と、前記構造体全体の熱伝達率とに基づいて、前記所定時間後の前記構造体内部の気温を算出して前記記憶部に記憶させると共に、前記時点における前記構造体内部の気温を前記所定時間後の前記構造体内部の気温に置き換えて繰り返し前記構造体内部の気温を算出する構造体内部の気温算出部と、
    前記記憶部に記憶された前記時点における前記構造体内部の絶対湿度と、過去の実測データから推定される前記時点の前記構造体外部の絶対湿度と、前記所定時間における前記構造体外部と前記構造体内部との空気の入替率と、前記所定時間における前記構造体内部の空気の除湿量とに基づいて前記所定時間後の前記構造体内部の絶対湿度を算出して前記記憶部に記憶させると共に、前記時点における前記構造体内部の絶対湿度を前記所定時間後の前記構造体内部の絶対湿度に置き換えて繰り返し前記構造体内部の絶対湿度を算出する構造体内部の絶対湿度算出部と、
    前記記憶部に記憶された前記所定時間後の前記構造体内部の気温および絶対湿度に基づいて前記所定時間後の前記構造体内部の相対湿度を算出して前記記憶部に記憶させる構造体内部の相対湿度算出部とを備えることを特徴とする半密封構造の構造体内部の相対湿度推定装置。
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