JP2011226628A - 複式遊星歯車機構を利用した減速装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明によれば、複式遊星歯車機構を利用した減速装置の減速比を決定する上の設計上の自由度が大きく、かつ高減速な減速装置を実現する。
【解決手段】減速装置は、2つの遊星歯車機構からなる減速装置において、2つの内の1つ目の遊星歯車機構を構成する太陽歯車2と遊星歯車3と内歯車4のモジュールと2つの内の2つ目の遊星歯車機構を構成する太陽歯車5と遊星歯車6と内歯車7のモジュールは異なるモジュールから成り、2つの内の1つ目の遊星歯車機構の内歯車4と2つの内の2つ目の遊星歯車機構の内歯車7の基準円直径は同一にされている。
【選択図】図1
【解決手段】減速装置は、2つの遊星歯車機構からなる減速装置において、2つの内の1つ目の遊星歯車機構を構成する太陽歯車2と遊星歯車3と内歯車4のモジュールと2つの内の2つ目の遊星歯車機構を構成する太陽歯車5と遊星歯車6と内歯車7のモジュールは異なるモジュールから成り、2つの内の1つ目の遊星歯車機構の内歯車4と2つの内の2つ目の遊星歯車機構の内歯車7の基準円直径は同一にされている。
【選択図】図1
Description
本発明は、複式遊星歯車機構を利用した減速装置の設計自由度を大きくすることに関する。
小型で高減速比が必要とされる産業用機械やロボットの関節部品などの分野では、減速比や伝達トルクに対して機構がコンパクトな遊星歯車機構を利用した減速装置が幅広く利用されている。
しかし、遊星歯車機構の太陽歯車と遊星歯車と内歯車が同時に噛合う複雑な構造による多くの設計条件が遊星歯車機構を利用した減速装置の設計を行う際の制約になり、ハーモニックギアを利用した減速装置の特徴である高減速比と遊星歯車機構の特徴である高トルク対応を両立することが難しく、遊星歯車機構を用いた減速装置での減速比は1/75未満がほとんどであり、高減速比を目的とすることより減速装置を小型にする目的や減速装置の入力軸と出力軸の回転中心が同心であること目的とすることが多い。
また、遊星歯車機構を利用した減速装置に比べ平歯車列を利用した減速装置を設計する上の条件は極端に減り、一段歯車機構において駆動平歯車の歯数と被駆動平歯車の歯数のから速度伝達比を計算することができるし、駆動平歯車の基準円直径と被駆動平歯車の基準円直径から速度伝達比を計算することもできる。
単体で実現可能な遊星歯車機構を利用した減速装置を設計する上の条件も平歯車列を利用した減速装置を設計する上の条件と同様に減速装置を設計する上の条件に遊星歯車の配置する角度の制約は付加されるが太陽歯車の歯数と内歯車の歯数で減速比を算出した結果と太陽歯車の基準円直径と内歯車の基準円直径で減速比を算出した結果は等しくなる。しかし、単体で実現可能な遊星歯車機構を利用した減速装置での高減速比は望めない。
2つの遊星歯車機構からなる減速装置は、単体で実現可能な遊星歯車機構を利用した減速装置に比べ高減速比を実現する。しかし、2つの遊星歯車機構の2つの内の1つ目の遊星歯車機構と2つの内の2つ目の遊星歯車機構と連結し拘束される箇所が同速で回転する条件を踏まえ、歯車の数は必ず整数でなくてはならないという最も基本的な条件を満たし、減速装置の大きさや減速比、そして、トルク分散を考慮した遊星歯車の配置など、設計する上での自由度は極めて小さくなる。
しかしながら、2つの遊星歯車機構からなる減速装置を設計する際の自由度を広げる技術は存在している。
例えば、遊星歯車機構の遊星歯車を等配分に配置せず非軸対称配置して設計自由度を拡大する技術が知られている(特許文献1参照)
このように、2つの遊星歯車機構を利用した減速装置を設計する上で歯車の歯数が整数であること、歯車と歯車の噛合い条件が2つの遊星歯車機構を利用する減速装置を設計する上での自由度を狭める大きな要因となっている。
本発明は、上記要因を取り除くことを目的とするものであり2つの遊星歯車機構を備え、減速比を決定する上の設計上の自由度が大きく、かつ高効率である減速装置を実現することを課題とするものである。
本発明は、上記課題を解決するために2つの遊星歯車機構からなる減速装置において、2つの内の1つ目の遊星歯車機構の太陽歯車と遊星歯車と内歯車のモジュールと2つの内の2つ目の遊星歯車機構の太陽歯車と遊星歯車と内歯車のモジュールが異なり、かつ2つの内の1つ目の遊星歯車機構の内歯車の基準円直径と2つの内の2つ目の遊星歯車機構の内歯車の基準円直径が同じであることを特徴とする減速装置を提供する。
本発明は、上記課題を解決するために2つの遊星歯車機構からなる減速装置において、2つの内の1つ目の遊星歯車機構の太陽歯車と2つの内の2つ目の遊星歯車機構の太陽歯車が結合され、2つの内の1つ目の遊星歯車機構の内歯車と2つの内の2つ目の遊星歯車機構の内歯車が結合されていることを特徴とする請求項1記載の減速装置を提供する。
本発明は、上記課題を解決するために2つの遊星歯車機構からなる減速装置において、2つの内の1つ目の遊星歯車機構の太陽歯車と内歯車の回転中心と2つの内の2つ目の遊星歯車機構の太陽歯車と内歯車の回転中心が同心であることを特徴とする請求項1記載の減速装置を提供する。
本発明の減速装置は、2つの遊星歯車機構を備え、かつ、基準円直径とモジュールから減速装置の減速比やサイズや遊星歯車の配置を簡単に算出できる機構により、減速装置の設計上の自由度が大きく、かつ高減速な減速装置が実現できる。
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図2を参照しながら説明する。
本発明の減速装置は、入力軸1と太陽歯車2と遊星歯車3と内歯車4で構成される遊星歯車機構と太陽歯車5と遊星歯車6と内歯車7で構成される遊星歯車機構とケース8とキャリア9からなる。
太陽歯車2の回転中心と太陽歯車5の回転中心と入力軸の回転中心は同心で固定され、入力軸1と同速で回転する。
内歯車7は内歯車4に固定され、回転中心は入力軸と同心で回転可能である。
遊星歯車2の回転中心は、遊星歯車が回転できる形態でケース8に固定されている。
キャリア9の回転中心は、入力軸1と同心で遊星歯車6の回転中心が回転できる形態で固定されている。
内歯車4の基準円直径と内歯車7の基準円直径は同じである。
太陽歯車2のモジュールと遊星歯車3のモジュールと内歯車4のモジュールは同じである。
太陽歯車5のモジュールと遊星歯車6のモジュールと内歯車7のモジュールは同じである。
従って、太陽歯車2と遊星歯車3と内歯車4とケース8により2K−H(スター型)型の単式遊星歯車機構を形成し、太陽歯車5と遊星歯車6と内歯車7とキャリア9により2K−H(プラネタリ型)型単式遊星歯車を形成し、内歯4と内歯7を結合し、太陽歯車2と太陽歯車5を結合した複式遊星歯車機構の形態を呈している。
複式遊星歯車機構は既に公知の技術であり、減速比の算式は式1の通りである。
また、内歯車4と内歯車7の歯数を共通にすると式2となることも公知の技術である。
本発明の減速装置は、設計条件を緩和するため、内歯4と内歯7の基準円直径を同一としたことにより、減速比の算式は式3となり、減速比を算出するのに歯数を必要しない。
本発明の減速装置の減速比を算出するには、基準円直径を利用するため少数表現が可能であることから、目的の減速比を簡単に算出できることを示している。
従来の式2を用いて歯数から算出する場合、内歯車の歯数が一致するという条件、即ち同一モジュールであるという条件も同時に整わなければ式2は利用できない。また歯数は整数表現のため、少数表現に比べ減速比を設計する自由度は極端に狭まる。
本発明の減速装置は、太陽歯車2のモジュールと遊星歯車3のモジュールと内歯車4のモジュールは同じであり、太陽歯車5のモジュールと遊星歯車6のモジュールと内歯車7のモジュールは同じである。
従って、式3により算出された減速比を実現する基準円直径から歯数が整数となるモジュールを算出すればよい。
図2は、本発明により実施された減速装置の全ての歯車の基準円直径とモジュールを示し、減速比は図2で示すとおりである。
図2において、太陽歯車2のモジュールと遊星歯車3のモジュールと内歯車4のモジュールは0.3、太陽歯車5のモジュールと遊星歯車6のモジュールと内歯車7のモジュールは0.4である。
図2において、内歯車4の基準円直径は28.8、内歯車7の基準直径は28.8で同径であるが、内歯車4の歯数は96、内歯車7の歯数は72で歯数は大きく異なる。
図2の太陽歯車2の基準円直径Sd2は12.6、太陽歯車5の基準円直径Sd1は12.8で基準円直径差は0.2、減速比1/208が実現できる。
図2に示すとおり、このときの全ての歯数は整数あり、遊星歯車3の数は3個で等配置可能であり、遊星歯車6の数は4個で等配置可能である。
以上の説明のとおり、本発明により減速装置の設計において、遊星歯車機構特有の歯車同士の噛合いや遊星歯車の非対称配置の設計に重きを置くことなく、高減速比な減速装置を実現することができる。
1 入力軸
2 太陽歯車
3 遊星歯車
4 内歯車
5 太陽歯車
6 遊星歯車
7 内歯車
8 ケース
9 キャリア
2 太陽歯車
3 遊星歯車
4 内歯車
5 太陽歯車
6 遊星歯車
7 内歯車
8 ケース
9 キャリア
Claims (3)
- 2つの遊星歯車機構からなる減速装置において、2つの内の1つ目の遊星歯車機構の太陽歯車と遊星歯車と内歯車のモジュールと2つの内の2つ目の遊星歯車機構の太陽歯車と遊星歯車と内歯車のモジュールが異なり、かつ2つの内の1つ目の遊星歯車機構の内歯車の基準円直径と2つの内の2つ目の遊星歯車機構の内歯車の基準円直径が同じであることを特徴とする減速装置。
- 2つの遊星歯車機構からなる減速装置において、2つの内の1つ目の遊星歯車機構の太陽歯車と2つの内の2つ目の遊星歯車機構の太陽歯車が結合され、2つの内の1つ目の遊星歯車機構の内歯車と2つの内の2つ目の遊星歯車機構の内歯車が結合されていることを特徴とする請求項1記載の減速装置。
- 2つの遊星歯車機構からなる減速装置において、2つの内の1つ目の遊星歯車機構の太陽歯車と内歯車の回転中心と2つの内の2つ目の遊星歯車機構の太陽歯車と内歯車の回転中心が同心であることを特徴とする請求項1記載の減速装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010109665A JP2011226628A (ja) | 2010-04-20 | 2010-04-20 | 複式遊星歯車機構を利用した減速装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010109665A JP2011226628A (ja) | 2010-04-20 | 2010-04-20 | 複式遊星歯車機構を利用した減速装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011226628A true JP2011226628A (ja) | 2011-11-10 |
Family
ID=45042192
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010109665A Pending JP2011226628A (ja) | 2010-04-20 | 2010-04-20 | 複式遊星歯車機構を利用した減速装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2011226628A (ja) |
-
2010
- 2010-04-20 JP JP2010109665A patent/JP2011226628A/ja active Pending
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